JP7230526B2 - 金属チタン製造装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属チタン製造装置及び方法に関する。
下記特許文献1には、効率よくチタン合金を得ることができ、当該チタン合金を精製することで金属チタンを低コストで連続的に製造することができるチタンの製造方法が開示されている。この製造方法は、ビスマスとマグネシウムとを含む混合物に四塩化チタン(TiCl)を添加してビスマスとチタンとの液体合金を得る還元工程と、液体合金を偏析させてチタン合金の偏析物(個体)を得る偏析工程と、偏析物からチタン以外の成分を除去する精製処理を施す精製工程とを含むものである。
特許第6095374号公報
ところで、上記背景技術では、還元工程を行う還元セルと、偏析工程を行う偏析セルと、蒸留工程を行う蒸留セルとを備え、還元セルから偏析セルに液体合金を移送し、また偏析セルから蒸留セルに偏析物を移送することによって金属チタンを製造する。ここで、500℃程度の高温物である偏析物を偏析セルから効率よく回収して蒸留セルに移送する技術が背景技術を実用化する際の重要課題である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、偏析物を従来よりも効率よく回収することが可能な金属チタン製造装置及び方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、金属チタン製造装置に係る第1の解決手段として、ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析装置と、前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製装置とを備え、前記還元偏析装置は、所定の運動をすることによって前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返すと共に前記偏析物が析出する析出壁が設けられる運動槽と、前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離して回収する分離回収装置とを備える、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記還元偏析装置は、前記四塩化チタンを還元処理する還元槽と、前記還元処理によって生成された前記液体合金と塩化マグネシウムとを分離する分離槽とを備え、前記運動槽は、前記分離槽から供給される前記液体合金を収容する、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、前記分離回収装置は、前記析出壁にスクレーパを前記析出壁に当接させることにより前記偏析物を前記析出壁から削ぎ落す分離装置を備える、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第4の解決手段として、上記第1~第3のいずれかの解決手段において、前記分離回収装置は、前記析出壁から分離させた前記偏析物を搬送する搬送装置を備える、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、前記搬送装置は、前記偏析物に含まれる前記ビスマスを選択的に溶融分離させる加熱装置を備える、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第6の解決手段として、上記第1~第5のいずれかの解決手段において、前記運動槽は、中心軸周りに回転運動する回転槽である、という手段を採用する。
本発明では、金属チタン製造装置に係る第7の解決手段として、上記第6の解決手段において、前記析出壁は、前記回転槽の側壁である、という手段を採用する。
また、本発明では、金属チタン製造方法に係る解決手段として、ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析工程と、前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製工程とを有し、前記還元偏析工程では、前記液体合金を所定の運動をする運動槽に収容することにより前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返す析出壁の表面に前記偏析物を析出させ、前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離回収する、という手段を採用する。
本発明によれば、偏析物を従来よりも効率よく回収することが可能である。
本発明の一実施形態に係る金属チタン製造装置のシステム構成図である。 本発明の一実施形態における還元偏析装置の詳細構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態における還元偏析装置の変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る金属チタン製造装置は、図1に示すように還元槽1、Bi供給装置2、Mg供給装置3、TiCl供給装置4、偏析装置5、Cl回収装置6、蒸留装置7及び排気装置8を備えている。
還元槽1は、ビスマス(Bi)X1、マグネシウム(Mg)X2及び四塩化チタン(TiCl4)X3を撹拌混合させ、ビスマス(Bi)X1及びマグネシウム(Mg)X2の融点よりも高い温度(還元温度)でビスマスX1及びマグネシウムX2の存在下で四塩化チタン(TiCl)X3を還元処理する混合加熱炉である。上記還元温度は例えば900℃である。
この還元槽1では、ビスマスX1及びマグネシウムX2による四塩化チタン(TiCl)X3の還元反応が進行することにより、液体状態のBi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とが生成される。このような還元槽1は、Bi-Ti液体合金X4及び塩化マグネシウムX5の混合液を偏析装置5に供給する。
Bi供給装置2は、還元槽1に上記還元処理の原料の1つであるビスマスX1を供給するビスマス供給源である。TiCl供給装置4は、還元槽1に上記還元処理の原料の1つである四塩化チタンX3を供給する四塩化チタン供給源である。Mg供給装置3は、還元槽1に上記還元処理の原料の1つであるマグネシウムX2を供給するマグネシウム供給源である。
偏析装置5は、上記混合液に分離処理及び偏析処理を施すことにより固液混合物を得る装置である。すなわち、この偏析装置5は、Bi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とを分離させると共に、Bi-Ti液体合金X4を所定の偏析温度に保持することにより、Bi-Ti液体合金X4よりもチタン濃度が高いBi-Ti液体合金(BiTi液体合金)を選択的に析出(偏析)させて、BiTi金属間化合物(固相)からなる偏析物X6を生成する。
また、この偏析装置5は、上記固液混合物のうち、偏析物X6を蒸留装置7に提供し、ビスマス(Bi)を回収ビスマスX7として還元槽1に提供する。また、この偏析装置5は、Bi-Ti液体合金X4に含まれる塩化マグネシウムX5を分離すると共に電気分解して得られる回収マグネシウムX8をMg供給装置3に供給する。なお、この偏析装置5で得られる偏析物X6は、BiTi結晶(固体)間に固体または液体のビスマス(Bi)が付着または内包されたものである。
図2は、このような偏析装置5の詳細構成を示す模式図である。この図2に示すように、偏析装置5は、静置槽10、傾斜回転槽11、分離装置12、搬送装置13、加熱装置14及び電気分解槽15を備えている。
静置槽10は、多少の塩化マグネシウムX5を含むBi-Ti液体合金X4に静置処理を施すことにより、Bi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とを層分離させる。すなわち、この静置槽10は、多少の塩化マグネシウムX5を含むBi-Ti液体合金X4を所定時間に亘って放置する容器であり、Bi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5との比重差を利用することにより両者を分離する。このような静置槽10は、本実施形態における分離槽である。
このような静置槽10は、Bi-Ti液体合金X4を供給管10aを介して傾斜回転槽11に供給し、塩化マグネシウムX5を電気分解槽15に供給する。なお、静置槽10における塩化マグネシウムX5を含むBi-Ti液体合金X4の放置温度は、例えば上記還元温度と同様な900℃程度に設定される。なお、上記供給管10aは、図示するように傾斜回転槽11の底部近傍にBi-Ti液体合金X4を供給する形状(長さ)に形成されている。
傾斜回転槽11は、図示するように所定の傾斜角で回転自在に支持された円筒状の回転槽であり、本実施形態における運動槽である。すなわち、この傾斜回転槽11は、一点鎖線で示す中心軸が鉛直方向に対して所定の傾斜角だけ傾いた姿勢に支持されると共に、回転駆動機構11aによって中心軸周りに所定の回転速度で回転運動(所定の運動)をする。
また、この傾斜回転槽11は、上記回転駆動機構11aに加えて冷却機構11bを備えている。この冷却機構11bは、傾斜回転槽11の外側において、側壁11c(円管状壁)の全周かつ傾斜回転槽11の中心軸方向における一部領域に対向するように設けられている。すなわち、この冷却機構11bは、傾斜回転槽11の外側において、側壁11c(円管状壁)の一部領域に相当する幅を冷却対象領域とするものであり、当該冷却対象領域を傾斜回転槽11の全周に亘って所定の冷却温度に冷却する。
このような傾斜回転槽11は、供給管10aを介して静置槽10から底部近傍に供給されるBi-Ti液体合金X4を回転状態で収容する。また、この傾斜回転槽11は、冷却機構11bによって側壁11cを冷却することによって、側壁11cの内面(析出面11d)にBi-Ti液体合金X4の一部を偏析物X6として析出させる。なお、このような傾斜回転槽11におけるBi-Ti液体合金X4の温度は、例えば500~600℃程度である。
ここで、上記側壁11cは、本実施形態における析出壁である。すなわち、側壁11cは、内面が傾斜回転槽11の回転運動に伴ってBi-Ti液体合金X4中に埋没した状態とBi-Ti液体合金X4中から露出した状態とを繰り返すと共に偏析物X6が内面に析出する。
分離装置12は、スクレーパ12aと押圧機構12bとを備え、押圧機構12bで側壁11c(析出壁)にスクレーパ12aを当接させることにより偏析物X6を側壁11c(析出壁)から削ぎ落す装置である。スクレーパ12aは、図示するように側壁11cを挟んで冷却機構11bと対向するように、傾斜回転槽11の内側かつビスマス(Bi)の液面上方に設けられている。このスクレーパ12aにおいて、傾斜回転槽11の中心軸方向の幅は、傾斜回転槽11の外側における冷却機構11bの幅と同等あるいは若干短く設定されている。押圧機構12bは、スクレーパ12aを支持し、かつ析出面11dに押し付ける駆動機構である。
搬送装置13は、分離装置12によって上記析出面11dから分離した偏析物X6を搬送する。この搬送装置13は、図示するようにスクレーパ12aの下方かつビスマス(Bi)の液面上方に設けられており、上方の析出面11dから落下する偏析物X6を傾斜回転槽11の外部に取り出す。偏析物X6の温度は、約400度近くで可動部を有する機械設備にとって高温である。したがって、このような機械設備の一種である搬送装置13は、高温耐熱性に優れた金属材料から構成されている。
ここで、偏析物X6は、傾斜回転槽11が回転運動をすることにより溶融状態のビスマス内を潜ってビスマス(Bi)の液面上に露出し、この後にスクレーパ12aによって析出面11dから削ぎ落されるのでビスマス(Bi)が付着している。加熱装置14は、搬送装置13の途中部位に設けられており、ビスマス(Bi)が付着した偏析物X6を加熱する。すなわち、この加熱装置14は、偏析物X6に付着したビスマス(Bi)を選択的に再溶融させることにより偏析物X6から溶融分離させる。
電気分解槽15は、静置槽10から供給される塩化マグネシウムX5を電気分解してマグネシウム(Mg)と塩素(Cl)を生成する。また、この電気分解槽15は、電気分解によって生成したマグネシウム(Mg)を回収マグネシウムX8としてMg供給装置3に供給し、塩素(Cl)を回収塩素X9としてCl回収装置6に排出する。すなわち、この電気分解槽15は、Mg供給装置3における原料の一部を回収マグネシウムX8としてMg供給装置3に供給することにより、外部から導入する原料の量を削減する。
ここで、還元槽1及び偏析装置5は、本実施形態における還元偏析装置Kを構成している。すなわち、還元偏析装置Kは、還元偏析工程を行う装置であり、ビスマスX1とマグネシウムX2との存在下で四塩化チタンX3を還元処理することにより、チタン(Ti)及びビスマス(Bi)からなるBi-Ti液体合金X4を得ると共に、当該Bi-Ti液体合金X4を偏析処理することにより偏析物X6を得る。
また、分離装置12及び搬送装置13は、本実施形態における分離回収装置を構成している。すなわち、この分離回収装置は、全体的な機能として、Bi-Ti液体合金X4から露出した状態の析出面11dから偏析物X6を分離して回収する装置である。
ところで、Cl回収装置6は、電気分解槽15から排出される回収塩素X9を回収する装置である。蒸留装置7は、偏析物X6に蒸留処理を施して金属チタンを得る装置である。すなわち、この蒸留装置7は、減圧雰囲気下で偏析物X6を所定の蒸留温度に加熱することにより、偏析物X6を形成するビスマス(Bi)を選択的に気化させて金属チタンを得ると共に残部であるビスマス(Bi)を回収ビスマスX10として排気装置8に排出する。上記蒸留温度は、例えば1000℃である。また、このような蒸留装置7は、偏析物X6に精製処理を施す精製装置の一種である。
排気装置8は、蒸留装置7の内部ガスを外部に排気する真空ポンプである。この排気装置8は、蒸留装置7から供給された回収ビスマスX10を還元槽1に供給する。なお、排気装置8の作動によって、蒸留装置7の内部は減圧雰囲気となる。
このように構成された金属チタン製造装置は、図示しない制御装置によって統括的に制御される。すなわち、上述したBi供給装置2、Mg供給装置3、TiCl供給装置4、Cl回収装置6、偏析装置5、蒸留装置7及び排気装置8は、制御装置によって動作が適宜制御されることによって、以下に説明するような一連の製造工程を行う。
次に、本実施形態に係る金属チタン製造装置の動作、つまり当該金属チタン製造装置を用いた金属チタン製造方法について説明する。
この金属チタン製造装置では、最初に還元偏析装置Kによって還元工程(還元処理)と偏析工程(偏析処理)とからなる還元偏析工程(還元偏析処理)が行われる。すなわち、還元偏析装置Kでは、還元槽1の雰囲気温度が所定の還元温度に設定され、またBi供給装置2がビスマスX1を還元槽1に供給し、Mg供給装置3がマグネシウムX2を還元槽1に供給し、TiCl供給装置4が四塩化チタンX3を還元槽1に供給する。
この結果、還元槽1では以下の反応式(1)で示す化学反応(還元反応)が進行し、ビスマスX1、マグネシウムX2及び四塩化チタンX3が撹拌混合されることによってBi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とが生成される。
TiCl+Bi+2Mg→Bi-Ti+2MgCl (1)
なお、反応式(1)において、「Bi-Ti」は、チタン及びビスマスからなるBi-Ti液体合金X4を示してる。また、還元槽1に供給する各原料の供給量、つまりビスマスX1、マグネシウムX2及び四塩化チタンX3の還元槽1への供給量は、上式(1)に示される還元反応における各原料のモル比に基づいて適宜設定される。
ここで、Bi-Ti液体合金X4及び塩化マグネシウムX5は、還元槽1において液体として存在するが、両者は比重の違いに起因して二層に相分離した状態となる。すなわち、Bi-Ti液体合金X4は、比重が塩化マグネシウムX5よりも大きいので、還元槽1において下層の液体生成物となる。
一方、塩化マグネシウムX5は、比重がBi-Ti液体合金X4よりも小さいので、還元槽1において上層の液体生成物となる。下層のBi-Ti液体合金X4は、還元槽1の底部から取り出されて偏析装置5に供給され、上層の塩化マグネシウムX5は、還元槽1の中間部から取り出されてCl回収装置6に回収される。
そして、金属チタン製造装置では、続いてBi-Ti液体合金X4に対する偏析工程(偏析処理)が偏析装置5によって行われる。すなわち、偏析装置5では、塩化マグネシウムX5を含むBi-Ti液体合金X4が静置槽10に収容され、還元温度と同様な温度設定において静置処理が施されることによりBi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とが再度層分離される。
そして、静置槽10における下層の液体生成物であえるBi-Ti液体合金X4は、供給管10aを介して傾斜回転槽11の底部近傍に供給される。一方、静置槽10において上層の液体生成物である塩化マグネシウムX5は電気分解槽15に供給される。
続いて、金属チタン製造装置では、Bi-Ti液体合金X4に対して傾斜回転槽11による偏析工程(偏析処理)が行われる。傾斜回転槽11は、回転駆動機構11aによって所定の回転速度で回転する状態とされ、また供給管10aによって底部近傍にBi-Ti液体合金X4が供給される。また、この傾斜回転槽11は、側壁11c(析出壁)が冷却機構11bによって所定の冷却温度に冷却された状態にある。
このような状態の傾斜回転槽11では、側壁11cの近傍部位では、回転速度と冷却温度とに応じてBi-Ti液体合金X4の一部が析出面11dに析出して偏析物X6となる。上記回転速度及び冷却温度は、偏析物X6の析出速度をコントロールする上で重要な制御パラメータである。
側壁11cの内面である析出面11dは、傾斜した状態で回転する円筒面であり、Bi-Ti液体合金X4に埋没する状態(接触状態)とBi-Ti液体合金X4の液面から露出する状態(非接触状態)とを繰り返す。偏析物X6は、上記接触状態において析出面11dに生成され、非接触状態において分離装置12によって析出面11dから削ぎ落されて搬送装置13上に落下する。
すなわち、析出面11dでは、偏析物X6の析出と偏析物X6の分離とが交互に繰り返される。偏析物X6はスクレーパ12aと押圧機構12bとを備える分離装置12によって析出面11dから分離されるので、析出面11dから効率よく分離することが可能である。
そして、偏析物X6は、搬送装置13によって搬送される間に加熱装置14によって加熱される。これによって、偏析物X6に付着したビスマス(Bi)は、選択的に再溶融して偏析物X6から分離される。すなわち、偏析物X6は、搬送装置13による搬送中にビスマス(Bi)が分離されて純度が向上する。
続いて、金属チタン製造装置では蒸留装置7を用いた蒸留工程(蒸留処理)を行う。すなわち、蒸留装置7は、偏析物X6を所定の蒸留温度下かつ減圧雰囲気下に置くことにより、偏析物X6を構成するビスマス(Bi)を選択的に気化させて分離させることにより金属チタン(Ti)を得る。
そして、偏析物X6から分離されたビスマス(Bi)は、回収ビスマスX10として排気装置8に回収されて還元槽1に供給される。すなわち、この金属チタン製造装置では、Bi供給装置2から還元槽1にビスマスX1を供給することに加えて、偏析装置5から回収ビスマスX7が還元槽1に供給され、また排気装置8から回収ビスマスX10が還元槽1に供給されるので、Bi供給装置2から還元槽1に供給するビスマスX1の量を削減することができる。
一方、静置槽10で分離された塩化マグネシウムX5は、電気分解槽15で電気分解されてマグネシウム(Mg)及び塩素(Cl)に分解される。そして、電気分解槽15で生成されたマグネシウム(Mg)は、回収マグネシウムX8としてMg供給装置3に供給されて、Mg供給装置3における原料の一部として再利用される。これによって、Mg供給装置3に外部から導入する原料の量を削減することが可能となる。
このような本実施形態によれば、ビスマス(Bi)を含んだBi-Ti液体合金X4を傾斜状態で回転する傾斜回転槽11に収容し、傾斜回転槽11の析出面11dに偏析物X6を連続的に析出させ、また当該偏析物X6を分離回収装置で析出面11dから連続的に分離回収するので、偏析物X6を従来よりも効率よく回収することが可能である。
また、本実施形態によれば、還元工程を還元槽1で行い、偏析工程を偏析装置5で行うので、後述するように還元工程と偏析工程と同一の槽で行う場合に比較して、還元工程の処理効率及び偏析工程の処理効率を最大化することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、還元槽1及び偏析装置5を備えるように還元偏析装置Kを構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図3に示すように還元工程と偏析工程とを傾斜回転槽11で同時並行的に行ってもよい。すなわち、傾斜回転槽11内に溶融状態のビスマス(Bi)を予め収容し、当該ビスマス(Bi)中にマグネシウム(Mg)と四塩化チタン(TiCl)とを吹き込むことにより還元反応を進行させ、以ってBi-Ti液体合金X4及び塩化マグネシウムX5を生成させる。
上述した還元槽1と同様に傾斜回転槽11ではBi-Ti液体合金X4と塩化マグネシウムX5とが層分離するので、下層にBi-Ti液体合金X4が滞留し、上層に塩化マグネシウムX5が滞留するが、析出面11dにはBi-Ti液体合金X4の一部が偏析物X6として析出(偏析)する。このような変形例によれば、単一の傾斜回転槽11で還元工程と偏析工程とを行うので、装置構成を単純化することが可能である。
(2)上記実施形態では、傾斜状態で回転運動する傾斜回転槽11を運動槽としたが、本発明はこれに限定されない。例えば所定周期で揺動すると共にBi-Ti液体合金X4を収容する揺動槽を運動槽としてもよい。
(3)上記実施形態では、傾斜回転槽11の側壁11cを析出壁とし、Bi-Ti液体合金X4と接触する側壁11cの内面を析出面11dとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば傾斜回転槽11と一体に回転すると共にBi-Ti液体合金X4と接触する所定形状の部材を傾斜回転槽11の内部に設け、当該部材の表面を析出面としてもよい。
(4)上記実施形態では、冷却機構11bを傾斜回転槽11の側壁11cに設けることにより当該側壁11cを積極的に冷却したが、本発明はこれに限定されない。例えば、冷却機構11bを省略し、自然空冷,ガス吹き付け冷却などによって析出面11dに偏析物X6を析出させてもよい。
(5)上記実施形態では、スクレーパ12aと押圧機構12bとを備える分離装置12を採用したが、本発明はこれに限定されない。他の形態の分離装置を採用してもい。
(6)上記実施形態では、精製工程として蒸留工程を採用したが、本発明はこれに限定されない。蒸留工程に代えて他の精製工程を採用してもよい。この他の精製工程として、例えば特許文献1に記載された電解精製工程を採用してもよい。
K 還元偏析装置
1 還元槽
2 Bi供給装置
3 Mg供給装置
4 TiCl供給装置
5 偏析装置
6 Cl回収装置
7 蒸留装置(精製装置)
8 排気装置
10 静置槽(分離槽)
10a 供給管
11 傾斜回転槽(運動槽)
11a 回転駆動機構
11b 冷却機構
11c 側壁(析出壁)
11d 析出面
12 分離装置
13 搬送装置
14 加熱装置
15 電気分解槽

Claims (9)

  1. ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析装置と、
    前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製装置とを備え、
    前記還元偏析装置は、
    傾斜状態で回転運動することによって前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返すと共に前記偏析物が析出する析出壁が設けられる運動槽と、
    前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離して回収する分離回収装置と
    を備えることを特徴とする金属チタン製造装置。
  2. ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析装置と、
    前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製装置とを備え、
    前記還元偏析装置は、
    揺動運動をすることによって前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返すと共に前記偏析物が析出する析出壁が設けられる運動槽と、
    前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離して回収する分離回収装置と
    を備えることを特徴とする金属チタン製造装置。
  3. 前記還元偏析装置は、前記四塩化チタンを還元処理する還元槽と、前記還元処理によって生成された前記液体合金と塩化マグネシウムとを分離する分離槽とを備え、
    前記運動槽は、前記分離槽から供給される前記液体合金を収容することを特徴とする請求項1または2に記載の金属チタン製造装置。
  4. 前記分離回収装置は、前記析出壁にスクレーパを前記析出壁に当接させることにより前記偏析物を前記析出壁から削ぎ落す分離装置を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の金属チタン製造装置。
  5. 前記分離回収装置は、前記析出壁から分離させた前記偏析物を搬送する搬送装置を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の金属チタン製造装置。
  6. 前記搬送装置は、前記偏析物に含まれる前記ビスマスを選択的に溶融分離させる加熱装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の金属チタン製造装置。
  7. 前記析出壁は、前記運動槽の側壁であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の金属チタン製造装置。
  8. ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析工程と、
    前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製工程とを有し、
    前記還元偏析工程では、前記液体合金を傾斜状態で回転運動をする運動槽に収容することにより前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返す析出壁の表面に前記偏析物を析出させ、前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離回収することを特徴とする金属チタン製造方法。
  9. ビスマスとマグネシウムとの存在下で四塩化チタンを還元処理することによりチタン及び前記ビスマスからなる液体合金を得ると共に当該液体合金を偏析処理することにより偏析物を得る還元偏析工程と、
    前記偏析物を精製処理して金属チタンを得る精製工程とを有し、
    前記還元偏析工程では、前記液体合金を揺動運動をする運動槽に収容することにより前記液体合金中に埋没した状態と前記液体合金から露出した状態とを繰り返す析出壁の表面に前記偏析物を析出させ、前記液体合金から露出した状態の前記析出壁から前記偏析物を分離回収することを特徴とする金属チタン製造方法。
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