JP7230258B1 - 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法 - Google Patents

法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7230258B1
JP7230258B1 JP2022045268A JP2022045268A JP7230258B1 JP 7230258 B1 JP7230258 B1 JP 7230258B1 JP 2022045268 A JP2022045268 A JP 2022045268A JP 2022045268 A JP2022045268 A JP 2022045268A JP 7230258 B1 JP7230258 B1 JP 7230258B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slope
frame
work
plate
stabilization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022045268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023139640A (ja
Inventor
剛史 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Greentec Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Greentec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Greentec Co Ltd filed Critical Ibiden Greentec Co Ltd
Priority to JP2022045268A priority Critical patent/JP7230258B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7230258B1 publication Critical patent/JP7230258B1/ja
Publication of JP2023139640A publication Critical patent/JP2023139640A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

【課題】法枠工を取り壊さないで、法枠工自体の自重による滑動を防止するとともに、法面の安定性を向上させる、法枠、法面の安定化部材を提供する。【解決手段】法面に打設する補強材の上部に係合する、法枠、法面の安定化部材であって、離隔して対向した2枚の側板と、離隔して対向するとともに前記側板と直交する2枚の連結板と、を有する台座部材と、前記補強材の頭部に螺合するナットと、前記台座部材の前記側板と前記連結板で囲まれた空間の上部に位置し、前記補強材を挿通し、前記ナットと係合するプレートと、を有し、前記台座部材の前記側板は、底辺と、前記底辺の一端から直立する前辺と、前記底辺の他端から直立する後辺と、前記後辺から前記前辺にかけて前記底辺側に傾斜する斜辺とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法に関し、特に、背面空洞化による法枠の滑落を防止するとともに法面を安定化する、法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法に関する。
斜面の安定を図るために、斜面上に格子状のモルタル・コンクリート製ののり枠を造成することが広く行われている。
一般的なのり枠は、斜面上に金網製の型枠を設置し、そこにモルタルを吹き付けて造成する、吹付のり枠工により行われる。
道路新築工事や改良工事等の建設工事で発生する法面の保護工法として、昭和50年(1975年)頃から、吹付法枠工が多く用いられている。
この工法は、法面に所定の間隔で金網製の型枠と鉄筋を設置し、そこにモルタルを吹き付けて鉄筋モルタル構造の法枠を構築するものであり、法枠と地盤との付着性が高いのが特徴であり、特にコンクリート擁壁等の施工が困難な高所で多く用いられている。
しかし、近年は施工後30年以上経過した法枠工が増えており、法枠と地盤との間に隙間が生じる背面空洞化が確認されている。その原因としては、地盤の風化による土砂化や脆弱化、雨水や湧水による土砂流出等が考えられる。
この背面空洞化が法枠工の広範囲に進むと、法枠と地盤との付着がなくなり、法面の表層保護機能を失うだけでなく、法枠工自体が自重により法面下方に滑動するおそれがあり、道路利用者等に危険を及ぼすことも考えられる。
このような場合の対策として、背面空洞化が生じた法枠工を取り壊して、新たに法枠工を地盤に密着させて施工する方法が考えられる。
しかし、高所で施工された法枠工を取り壊すことは人力作業となる場合が多く、非常に多くの労力と費用を必要とする。さらに、地盤の土砂化や脆弱化が進行した状態では法枠工を取り壊すことで法面崩壊が発生することも十分考えられる。法面の崩壊は、作業員のみならず道路利用者等にも危険が及ぶため、法枠工を取り壊す際には大規模な仮設防護柵を設置して、長期間道路の通行止めを行うことも考えなければならない。
また、法枠工を取り壊さずに補修する従来技術としては、法枠工の背面空洞化部にモルタルを吹き付けて充填する方法や、セメント系の注入固化材を充填する方法がある。
しかし、モルタルを吹き付ける方法では、空洞の隙間が狭い場合には確実に充填することが困難であり、注入固化材を充填する方法でも、確実に充填したことを確認することは困難であるし、さらに土砂化や脆弱化した地盤に対して法枠工の自重を支えられるだけの付着力が得られるかどうか不明である。
下記特許文献1で開示されている従来技術では、法枠の縦方向枠と横方向枠に挟まれた枠内に、受圧板を設置してアンカーにより固定し、法枠では不足であった法面の深い位置でのすべり崩壊に対する安定化をアンカーと受圧板で補っているが、受圧板が法枠に接しておらず、法枠を直接支える構造ではないため、法枠背面空洞化による法枠自体の滑動を止めることはできない。
特開2008-303671号公報
本発明は、以上のような従来技術の状況を鑑み、法枠工を取り壊さないで、法枠工自体の自重による滑動を防止するとともに、法面の安定性を向上させる、法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本願の第一発明は、法面に打設する補強材の上部に係合する、法枠、法面の安定化部材であって、離隔して対向した2枚の側板と、離隔して対向するとともに前記側板と直交する2枚の連結板と、を有する台座部材と、前記補強材の頭部に螺合するナットと、前記台座部材の前記側板と前記連結板で囲まれた空間の上部に位置し、前記補強材を挿通し、前記ナットと係合するプレートと、を有し、前記台座部材の前記側板は、底辺と、前記底辺の一端から直立する前辺と、前記底辺の他端から直立する後辺と、前記後辺から前記前辺にかけて前記底辺側に傾斜する斜辺とを有し、前記プレートは前記斜辺に設けた溝に収まることを特徴とする、法枠、法面の安定化部材を提供する。
本願の第発明は、前記プレートの下面に、前記補強材に外挿し、下端が前記底辺よりも下方に位置する筒体を有することを特徴とする、第一発明又は第二発明の法枠、法面の安定化部材を提供する。
本願の第発明は、第一発明又は第二発明の法枠、法面の安定化部材を用いた法枠、法面の安定化方法であって、既存の法枠工の横方向枠の下部の法面に補強材を、法面鉛直方向よりも頭部を谷側に振った角度で打設し、前記台座部材の前記側板と前記連結板で囲まれた空間に前記補強材の頭部を挿通し、前記台座部材の後辺を前記法枠工の横方向枠の下面に当接し、前記補強材に前記ナットを螺合して締め付けて前記ナットと前記プレートを係合し、前記補強材に前記ナットを螺合して締め付けて前記台座部材の後辺を前記法枠工の横方向枠の下面に当接して前記台座部材を固定することを特徴とする、法枠、法面の安定化方法を提供する。
本願の第発明は、第発明の法枠、法面の安定化方法において、前記台座部材を固定した後に、充填材を前記法枠工の背面の空洞箇所に充填することを特徴とする、法枠、法面の安定化方法を提供する。
本願の第発明は、第発明の法枠、法面の安定化方法において、前記台座部材を固定する前に、充填材を前記法枠工の背面の空洞箇所に充填することを特徴とする、法枠、法面の安定化方法を提供する。
本発明は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果の少なくとも一つを得ることができる。
(1)台座部材により法枠工を支持することで、法枠工を取り壊さないで、法枠工の自重による滑動を防止することができる。
(2)法面に打設する補強材の頭部に台座部材を固定することで、地盤の風化による土砂化や脆弱化により、法枠のみでは抑止できない深いすべり崩壊が想定される場合でも抑止することが可能となり、法面の安定性を向上することができる。
(3)台座部材の斜辺に溝を設け、その溝にプレートを収めることにより、ナットを締め付けて固定する時に補強材に発生する法面上方向分力を台座部材に伝えることができ、台座部材を法枠工の横方向枠の下部に押し付けることになり、密着性を高めることができる。
(4)台座部材は法枠工の横方向枠の下部に密着して下から直接支えることで、法枠では不足であった法面の深い位置でのすべり崩壊により補強材に発生する法面上方向分力を法枠工で支持させることができ、台座部材の法面上方向への滑動を防止することができる。
(5)台座部材を固定した後に、背面空洞箇所の充填作業を行うことができるため、充填作業時の安全性が高まる。
(6)台座部材を固定する前に背面空洞箇所の充填作業を行うことで、背面空洞深さが台座部材高さより大きい場合でも、台座部材を、充填材を充填した法面と法枠工の横方向枠の2面に接して設置することができ、安定して法枠工を支持できる。
(7)法枠の自重による滑動力に対して、補強材に外挿する筒体が加わるため、断面係数と断面積が大きくなり、曲げやせん断に対する耐力が向上する。
本発明の法枠、法面の安定化方法の斜視図(1)(全箇所配置) 本発明の法枠、法面の安定化方法の断面図(1) 本発明の法枠、法面の安定化部材の斜視図 本発明の法枠、法面の安定化部材の台座部材の斜視図 本発明の法枠、法面の安定化方法の断面図(2) 本発明の法枠、法面の安定化方法の斜視図(2)(千鳥配置) 本発明の法枠、法面の安定化方法の斜視図(3)(長方形配置) 本発明の法枠、法面の安定化方法の断面図(3) その他実施例にかかる本発明の法枠、法面の安定化部材の斜視図
以下図面を参照しながら本発明の法枠、法面の補強部材及び法枠、法面の補強方法を詳細に説明する。なお、法枠工の縦・横、上・下の方向は法面に沿った方向を指す。
(1)法枠、法面の安定化部材の適用
本発明の法枠、法面の安定化部材は、法面1上に配置した法枠工2を支持するものである(図1)。
対象となる法枠工2の規格としては、法枠断面寸法(幅×高さ)が0.15m×0.15m~0.6m×0.6m、枠間隔(縦方向枠21×横方向枠22)が1.0m×1.0m~3.0×3.0m程度となるが、本発明の使用頻度が多いのは、法枠工2の交点部に地山補強土工やグラウンドアンカー工を設置せずに、法枠工2単独で施工される、断面寸法(幅×高さ)0.15m×0.15m~0.3m×0.3m、枠間隔(縦×横)1.0m×1.0m~2.0×2.0mの法枠工2である。
(2)法枠、法面の安定化部材
本発明の法枠、法面の安定化部材は、法面1に打設した補強材3の頭部に係合し、法枠工2の横方向枠22の下面に接して支持する(図2)。
法枠、法面の安定化部材は、補強材3に挿通する台座部材4と、補強材3の頭部に螺合するナット5と、補強材3を挿通し、ナット5と台座部材4との間に配置するプレート6と、を有する(図3)。
(3)台座部材
台座部材4は、離隔して平行に対向した2枚の側板41と、離隔して対向するとともに側板41と直交する2枚の連結板42と、からなる(図4)。
側板41は、底辺411と、底辺411の前側端部から直立する前辺412と、底辺411の後側端部から直立する後辺413と、後辺413から前辺412にかけて底辺411側に傾斜する斜辺414と、を有する。
連結板42は両端をそれぞれ側板41の内面に固定して側板41を平行に保持する。
連結板42は、その延長線が斜辺414に対して直角となるように配置する。連結板42と斜辺414の角度を、連結板42が補強材3と平行になる角度に規定すると、斜辺414と補強材3が直角となる。
斜辺414は、プレート6が収まる溝415を有する。
台座部材4の材質については、特に限定されるものではないが、補強材3方向と法面1下向き方向の2方向に荷重が作用するため、鋼製、鋳鉄製、アルミ製等の金属製が望ましい。なお、鋼製、鋳鉄製とする場合には、短期間の仮設対策として使用する場合を除き、防錆処理を施す。防錆処理の種類としては溶融めっきの2種HDZ55(JIS H 8641、めっき付着量550g/m)相当以上が望ましい。
台座部材4の寸法については、法枠工2の横方向枠22に接する後辺413が法枠工2を支持する面であり、法枠断面寸法0.15m~0.6mの半分程度以上となる0.1~0.5m程度が望ましい。また、法面1に接する底辺411の長さは、後辺413と同程度以上となる0.1~0.5m程度以上が望ましい。
(4)ナット、プレート
ナット5は、補強材3の頭部に螺合する。
プレート6は、中央の孔に法面1から突設した補強材3の頭部を挿通し、台座部材4の斜辺414上に配置する。
ナット5はプレート6中央の孔より大きく、ナット5を締め込むことにより、プレート6は台座部材4の斜辺414に押し付けられ、法面1方向に台座部材4を押し付ける(図5)。なお、ナット5と補強材3の頭部の防錆保護を目的とした頭部保護キャップ(図示せず)を付けてもよい。
プレート6は斜辺414の溝415に収まるため、ナット5を締め込むことで補強材3に発生する法面上方向分力を台座部材4に伝えることができ、台座部材4の後辺413を横方向枠22の下面に押し付けることとなり、密着性を高めることができる。なお、本実施例はプレート6を溝415に収めて斜辺414上に配置したが、台座部材4と一体に形成してもよい。
台座部材4は、法枠工2の横方向枠22に密着して下から直接支えることで、自重による法枠工2自体の滑動を抑えることができる。また、補強材3に作用する法面上方向分力を法枠工2で支持させることができ、台座部材4の法面1上方向への滑動を防止することができる。
(5)補強材
補強材3は、ナット5を螺合して固定できるネジ節異形棒鋼が望ましいが、その他にも地表突出部がネジ加工された異形棒鋼や鋼管でもよい。また、H鋼や等辺山形鋼などの形鋼を使用してもよい。
ネジ節異形棒鋼の材質はSD345相当以上、呼び径は法枠工2載荷時のたわみを考慮してD22以上が望ましい。
また、短期間の仮設対策として使用する場合を除き、防錆処理を施す。防錆処理の種類としては溶融めっきの2種HDZ55(JIS H 8641、めっき付着量550g/m)相当以上が望ましい。
ここで、補強材3の計算例を示す。法枠1の幅w、高さhの枠断面で、縦枠21長a、横枠22長b、法枠(鉄筋入りモルタル)の単位重量γの法枠十字ブロックが、滑動に対する安全率Fs=1.00の状態で法面1にあり、一本の補強材3で補強すると仮定した場合、法枠の自重Wは、
W=w・h・(a+b-w)・γ
補強材で増加させる安全率ΔFs、法面傾斜角αとすると、一本あたりの補強材3に作用する法枠工の滑動力Pは
P=ΔFs・W・sinα
法枠背面空洞深さdとすると、補強材3に作用する曲げモーメントMは、
M=P・d
補強材3に作用するせん断力Sは、
S=P
断面積A、補強材3の断面係数Zとすると、補強材3の曲げ引張応力度σは
σ=M/Z
せん断応力度τは
τ=S/A
で求められる。
この計算結果を表1に示す。計算の結果から補強材はD22であれば問題ない。
Figure 0007230258000002
補強材3の呼び径、長さ、配置間隔、削孔径は、既設の法枠工2の自重による滑動力に対して支持可能となるように計算により算出するが、手持ち式削岩機などによる削孔が可能な範囲とするのが経済的に望ましく、削孔径50mm以下、削孔長さ2.0m以下とするのがよい。なお、地盤の風化等により法面1のすべり崩壊が想定される場合には、法面1の安定解析から算出される必要抑止力以上の補強材抵抗力が得られるように補強材3の規格を決定することもできる。ただし、補強材3の最大長さはドリルタイプの削孔機での施工が可能な5m程度以下とするのが望ましい。
補強材3に固定した台座部材4により、既設の法枠工2を支持することで、法枠工2を取り壊さずに、法枠工2の自重による滑動を防止できる。
また、既設の法枠工2自体の劣化が著しく、取り壊しが必要な場合には、取り壊し時の仮設部材として使用することもできる。取り壊し時の法枠工2の自重による滑動防止と、取り壊した後の不安定地山のすべり崩壊防止の2つの仮設対策工となる。そして、新たな法枠工を再設置する場合には、法枠工の型枠固定用のアンカーバーや、法枠工と併用する地山補強土工法として使用することもできる。
(5.1)補強材の角度
補強材3の設置角度については、特に規定するものではないが、ナット5を締め込むことで発生する法面上方向分力を利用して台座部材4と横方向枠22の密着性を高めることを考えて、法面鉛直方向よりも頭部を谷側に15°以上振った角度とするのが望ましい。
なお、補強材3を法面1のすべり崩壊抑止用に地山補強土工法として用いる場合には、補強材3の下端をすべり面7よりも深い位置で固定する(図5)が、法面1の表層すべり崩壊に対して最も補強効果が高くなる設置角度で配置するのが効果的で経済的となる。地質が均一な条件では、すべり面鉛直方向よりも谷側に振った角度で配置した方が補強効果は高く、想定されるすべり面の鉛直方向と補強材長手方向がなす角度をθ、土の内部摩擦角をφとすると、
θ=45°-φ/2の時に最も補強効果が高い。
実際の現場では地質が不均質で、地層が複数層に分かれている場合も多いことから、安定計算によって補強効果が最も高くなる補強材設置角度を求める必要がある。ただし、補強材3の設置角度が水平面から±5°の範囲になる場合には、充填材の注入時に地表から流失して施工が困難になり、かつブリーディングの影響を受けるため避ける必要がある。
(6)法枠、法面の安定化部材と補強材の平面配置
法枠、法面の安定化部材と補強材3の平面配置は、計算上満足するのであれば必ずしも縦方向枠21と横方向枠22で囲まれる法枠の全箇所に配置(図1)する必要はない。
この場合、平面配置形状は千鳥配置(図6)が望ましいが、長方形配置(図7)でも問題はない。
(7)台座部材の法面上への設置
法面1の表層に凹凸があり、台座部材4の底面411と法面1の設置面が密着しない場合には、法面表層を平らに整形する、もしくはモルタル等を間詰め材として使用して密着させる。また、台座部材4の後面413と既設法枠2の設置面が密着しない場合にも、同様にモルタル等を間詰め材として使用して密着させる。
(8)背面の空洞箇所への充填材の充填
既設の法枠工2の背面の空洞箇所にはモルタル・コンクリートや短繊維混合補強土等の充填材8を充填して固化する。
このとき、台座部材4を補強材3に固定して既設の法枠工2を下方から支持し、滑動に対する安定性を確保した後に、法枠工2と法面1の間にある背面の空洞箇所に充填材8を充填して固化することで、充填作業時の安全性が高まる。
逆に、台座部材4を固定する前に背面の空洞箇所の充填作業を行うことで、背面空洞深さが台座部材4の高さより大きい場合(図8)でも、台座部材4を、充填材を充填した法面と法枠工の横方向枠の2面に接して設置することができ、安定して法枠工2を支持できる。
(9)枠内への吹き付け
縦方向枠21と横方向枠22に囲まれた枠内にモルタル・コンクリートを吹き付ける際には吹付厚さは10cm以上とし、事前に枠内に菱形金網(線形2mm、網目50mm×50mm)を張り、アンカーピンで固定する。なお、モルタル・コンクリートには短繊維を混合することもできる。この場合、曲げ耐力が向上するため吹付厚さは7cm以上とすることができ、菱形金網を張る必要はない。混合する短繊維としては、ビニロン繊維やポリプロピレン繊維などがある。
また、枠内に植生工を採用したい場合には、モルタル・コンクリートに代えて短繊維混合補強土を吹き付けることもできる。混合する短繊維としては、ビニロン繊維やポリプロピレン繊維などがある。表面に併用する植生工としては、植生基材吹付工や植生マット工等がある。
[その他実施例]
プレート6の下面に、補強材3に外挿し、側板41と連結板42で囲まれた空間に位置する筒体61を設けてもよい(図9)。筒体61は、プレート6を台座部材4の溝415に収めた際に、下端が底辺411よりも下方に位置する。
法枠2の自重による滑動力に対して、補強材3に外挿する筒体61が加わるため、断面係数と断面積が大きくなり、曲げやせん断に対する耐力が向上する。
1…法面
2…法枠工、21…縦方向枠、22…横方向枠
3…補強材
4…台座部材、41…側板、411…底辺、412…前辺、413…後辺、414…斜辺、415…溝、42…連結板
5…ナット
6…プレート、61…筒体
7…すべり面
8…充填材

Claims (5)

  1. 法面に打設する補強材の上部に係合する、法枠、法面の安定化部材であって、
    離隔して対向した2枚の側板と、離隔して対向するとともに前記側板と直交する2枚の連結板と、を有する台座部材と、
    前記補強材の頭部に螺合するナットと、
    前記台座部材の前記側板と前記連結板で囲まれた空間の上部に位置し、前記補強材を挿通し、前記ナットと係合するプレートと、を有し、
    前記台座部材の前記側板は、底辺と、前記底辺の一端から直立する前辺と、前記底辺の他端から直立する後辺と、前記後辺から前記前辺にかけて前記底辺側に傾斜する斜辺とを有し、
    前記プレートは前記斜辺に設けた溝に収まることを特徴とする、
    法枠、法面の安定化部材。
  2. 前記プレートの下面に、前記補強材に外挿し、下端が前記底辺よりも下方に位置する筒体を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の法枠、法面の安定化部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の法枠、法面の安定化部材を用いた法枠、法面の安定化方法であって、
    既存の法枠工の横方向枠の下部の法面に補強材を、法面鉛直方向よりも頭部を谷側に振った角度で打設し、
    前記台座部材の前記側板と前記連結板で囲まれた空間に前記補強材の頭部を挿通し、
    前記台座部材の後辺を前記法枠工の横方向枠の下面に当接し、前記補強材に前記ナットを螺合して締め付けて前記ナットと前記プレートを係合し、前記台座部材の後辺を前記法枠工の横方向枠の下面に当接して前記台座部材を固定することを特徴とする、
    法枠、法面の安定化方法。
  4. 前記台座部材を固定した後に、充填材を前記法枠工の背面の空洞箇所に充填することを特徴とする、
    請求項に記載の法枠、法面の安定化方法。
  5. 前記台座部材を固定する前に、充填材を前記法枠工の背面の空洞箇所に充填することを特徴とする、
    請求項に記載の法枠、法面の安定化方法。
JP2022045268A 2022-03-22 2022-03-22 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法 Active JP7230258B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022045268A JP7230258B1 (ja) 2022-03-22 2022-03-22 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022045268A JP7230258B1 (ja) 2022-03-22 2022-03-22 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7230258B1 true JP7230258B1 (ja) 2023-02-28
JP2023139640A JP2023139640A (ja) 2023-10-04

Family

ID=85330626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022045268A Active JP7230258B1 (ja) 2022-03-22 2022-03-22 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7230258B1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998932A (ja) * 1982-11-29 1984-06-07 Giken Kogyo Kk アンカ−付格子状法枠の設置方法
JPH086316B2 (ja) * 1993-10-25 1996-01-24 住友建設株式会社 グラウンドアンカーの受圧板およびその設置方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023139640A (ja) 2023-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7430155B2 (ja) プレキャスト構造部材と経時硬化材の連結構造の構築方法
US8359793B2 (en) Earthquake force absorption system
JP6856284B2 (ja) 鋼製筋違内蔵型の交換可能な高エネルギー散逸プレハブ式プレストレスト耐震壁
JP6375195B2 (ja) 拡幅pc床版構造及び、既設pc床版の拡幅工法
KR200202345Y1 (ko) 탄성빔을 이용한 구조물 내하력 증진 보강장치
JP7230258B1 (ja) 法枠、法面の安定化部材及び法枠、法面の安定化方法
KR100635137B1 (ko) 교량 슬래브 시공방법 및 그에 적용되는 래티스바아데크형 피씨플레이트
KR20200068205A (ko) 강연선과 길이조절 가능형 트러스 구조를 이용한 내진보강공법
KR101815009B1 (ko) 전도방지용 측면합성블록이 형성된 거더를 이용한 라멘교 시공방법
CA2590516C (en) Method and apparatus for securing a scaffold to a building
KR20180090230A (ko) 콘크리트 기둥 내진장치 및 그 방법
JP2744955B2 (ja) ゲルバー橋ヒンジ部の補強構造及び補強方法
JP6814656B2 (ja) プレキャスト部材の設置方法、仮押さえ具
JP5041481B2 (ja) 既設支承装置の更新方法及び更新構造
JP3209747B2 (ja) ビームアンカー装置
KR20020001480A (ko) 피씨빔 공법 또는 스틸 박스 공법에 적용되는 슬라브콘크리트 타설용 거푸집
JP3893551B2 (ja) ロックボルト支圧板装置
KR20010064555A (ko) 교량의 부모멘트 방지장치 및 그 공법
JP2002332645A (ja) 地上走行クレ−ンレ−ルの基礎構造および基礎の敷設方法
KR200222611Y1 (ko) 피씨빔 공법 또는 스틸 박스 공법에 적용되는 슬라브콘크리트 타설용 거푸집
JP6730554B2 (ja) 傾斜家屋ジャッキアップ補助金具およびそれを用いたジャッキアップ工法。
JP7557984B2 (ja) 既存工場における鉄骨柱脚の固定方法およびそれが適用された建屋
KR200439750Y1 (ko) 피에쓰씨 빔용 정착구 및 이를 이용한 거푸집 설치구조
JP2016044429A (ja) 受圧板及び斜面保護システム
KR100659732B1 (ko) 슬랜트형 앵커 및 이를 이용한 신축이음부 설치공법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7230258

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150