JP7230212B2 - 水中機器に用いる絶縁ライナー - Google Patents

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Description

本発明は、海底電気通信増幅器、交換機(Switches)、マルチプレクサ又はデマルチプレクサなどの水中機器に用いる絶縁ライナーに関する。
より高容量の海底ケーブルシステムへの進化により、水中設備のワット損が増加し、重要なコンポーネントの動作温度の最小化のために機器の全ての部品の熱伝達効率を最適化することが求められる。
水中機器に必要な高信頼性を保証するために、水中リピーターなどの機器の重要なコンポーネント、特に、ポンプレーザーのコンポーネントの最高の長期動作温度の最小化及びその定義が必要である。内部電子ユニットの場合、海底の環境温度を超える温度上昇は消費電力に比例する。
特に注目すべきである熱流路は、ローカルアース電位にあるリピーターのアウターハウジングと、アウターハウジングとは数千ボルト異なる電圧で動作するリピーターの内部ユニットとの間の熱流路である。
従来の技術的解決手段ではリピーターのアウターハウジングとリピーターの内部電子モジュールとの間に位置する電気絶縁スリーブを使用している。このようなスリーブは、一般に低密度ポリエチレン(LDPE)を押出成形した円筒シェルとして提供される。LDPEは、約20KV/mmの絶縁耐力(dielectric strength)及び0.30から0.33W/mKの範囲の熱伝導率を有する。または、約70KV/mmの絶縁耐力及び0.40から0.45W/mKの範囲の熱伝導率を有する、わずかな改善をもたらす高密度ポリエチレン(HDPE)を使用することもできる。したがって、このようなウェルは、優れた電気絶縁特性を有するが、熱伝導率が低いため、リピーター構造の内部に顕著な温度勾配が発生される。
スリーブの製造が難しく、しかも寸法のコントロールは組み立てと性能効率に特に重要である。PE絶縁スリーブの現在製造方法においては、材料を押出して管とする。このような工程は、ポリマーが溶融されるまでに加熱し、その後真空下で金型押出により管を形成し、その後一連の水冷浴を通して連続的なシリンダを得る。より多くの電子機器への対応のための高容量リピーターの寸法増加に伴い、より大きな直径の薄肉構造を形成させることはますます実現しにくくなる。
また、内部電子モジュールと絶縁スリーブとの間、及び絶縁スリーブと外部の圧力ハウジングとの間の接触面積は、ポリマー材料の剛性により制限されている。従来のPEライナーは、リピーターのハウジングに挿入されると外部の圧力スリーブとの間に締まりばめが確保されるよう製造される。その後、当該絶縁スリーブの内径に対してクランプして熱伝達用の密接な接触を形成させるように、電子モジュールが動的に拡張される。電子モジュールから半径方向のクランプ力が与えられるにも関わらず、接触面積のパーセンテージは嵌合部品の寸法精度と絶縁スリーブの材料自体のコンプライアンスによって決まり、接触効率は、最大50%を超えない。
ライナー材料の熱伝導率の制限により、従来のリピーターなどの機器の低電力出力を考慮して、通常0.65Aのライン電流と12KV DCのシステム電圧で動作し、各増幅器は、35Wの出力を発生する。しかし、新規な高容量要件により、水中機器の熱性能に
対する要求が高まっている。
高機能/高ファイバー数のシステムの現在動向は、高出力リピーターの需要を推進し、前記高出力リピーターは、一般に0.65から1.5Aのライン電流と20KV DCに至る電圧下で動作し、各リピーターは、80W以上の出力を発生する。これらのリピーターの新たな設計では、システムの全寿命における重要なコンポーネントのパフォーマンス及びその信頼性を確保するために、温度上昇を可能な限り抑制する必要がある。
より高容量のシステムで重要なコンポーネントの温度を必要に応じて下げるには、1.5W/mKを超える熱伝導率が必要である。これは、LDPEなどの現在使用されている絶縁材料では実現できないことである。
窒化ホウ素などのセラミックフィラーの添加により、より高い熱伝導率を実現できることが知られている。このようなフィラーは、ポリマー基材内に分散させるのが困難である場合があり、コンポーネントの製造において悪影響を与える可能性がある。ポリエチレン化合物などの絶縁ポリマーにフィラーを添加すると、製造がより一層困難となる。フィラーの分散と分布とは、押出プロセスによってランダム化されるため、材料の熱的特性及び電気的特性は、シリンダ構造全体で変化する可能性がある。
フィラーは、粘度と比熱の変化により、ポリマーの押出プロセスパラメータを顕著に変化させる。これにより、管の寸法安定性の低下、表面仕上げの不十分、材料内の応力過剰及び金型内の早期冷却が発生し、その結果、目詰まりや結合が発生してしまう。フィラーは、研磨性もあるので、金型や工具の過度の摩耗を引き起こす。
高い割合のフィラー材料を使用すると、基材の弾力性が低下する可能性があり、スリーブが壊れやすく処理できない程度に、製造後のスリーブが損傷を受けやすくなる。
高電圧絶縁を維持しつつ熱伝達効率が改善された水中通信用リピーターの電子機器に用いるスリーブを開発することが要望される。
第1態様によれば、エラストマーマトリックス材料と粒子状充填材料とを含有する複合材料を含むか、又は、当該複合材料によって構成され、水中機器の内部電子ユニットと水中機器のアウターケースとの間にバリアを提供するスリーブを提供する。
当該粒子状充填材料と当該エラストマーマトリックス材料との比率は、当該複合材料の熱伝導率が少なくとも1W/mKであり、且つ当該複合材料の絶縁耐力が少なくとも80KV/mmであるように選択されてもよい。得られたスリーブは、高電圧DC電気絶縁体として機能するとともに、25年の稼働期間にわたって内部の電子アセンブリと外部のリピーターのハウジングとの間の温度勾配を低減させるという二重の機能を提供する。
エラストマーマトリックス材料は、シリコーンエラストマーであってもよく、粒子状充填材料は、窒化ホウ素であってもよい。このような材料の組み合わせにより、当該用途に適する特性を有する複合材料が得られる。所定のワット損において、当該材料を使用すると、リピーター内の重要なコンポーネントの定常状態の動作温度が低下するとともに、増加したより高いシステム電圧での動作が許容され、改善されたHV経年劣化/寿命特性及び信頼性が得られる。
粒子状充填材料の量は、当該複合材料の重量の45%以下であってもよい。この成分の比率は、特に優れる特性を表れる。
当該スリーブは、圧縮成形により製造されてもよい。圧縮成形によりスリーブを生産すると、複合材料におけるフィラー材料の分布が改善される。
当該水中機器は、海底電気通信増幅器、交換機、マルチプレクサ又はデマルチプレクサであってもよいし、これらを含んでもよい。したがって、当該スリーブは、様々な湿式設備との使用に交換性がある。例えば、海底リピーター、分岐ユニット、再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)である。
当該水中機器は、少なくとも0.5KVのシステム電圧を受け取るように設定されてもよい。したがって、25年の稼働期間にわたってスリーブは高電圧下で動作するコンポーネントにバリアを提供できる。
当該複合材料の熱伝導率は、少なくとも1.5W/mKであってもよい。
当該複合材料の絶縁耐力は、少なくとも90KV/mmであってもよい。
当該スリーブは、円周方向に連続的な中空の管の形態であってもよい。これは、水中機器の内部電子ユニットを保護する点で好適な構成である。
第2態様によれば、水中機器用のスリーブの製造方法が提供され、当該スリーブは、エラストマーマトリックス材料と粒子状充填材料とを含有する複合材料を含むか、又は、当該複合材料によって構成され、当該方法は、複合材料のプリフォームをキャビティ内に配置するステップと、プリフォームに圧力を加えてプリフォームを塑性変形させてスリーブを形成するステップと、を含む。
材料を押出する場合と比べ、当該方法は、複合材料におけるフィラー材料の分布が改善される。当該材料は、押出されて管を形成するのでもなく、キャビティに射出されるのでもないため、エラストマー材料がより均一に動作する。これにより材料内の残留応力が小さくなり製品の寸法が一層安定になる。
材料のプリフォームをキャビティ内に配置するステップは、当該複合材料のプリフォームをキャビティの下部に配置することと、プリフォームをコアに巻き付けることと、キャビティの上半分を巻き付けられたコアに付与することと、を含んでもよい。これにより、中空でかつ連続的なスリーブコンポーネントの生産が可能である。
当該方法は、プリフォームに圧力を加えてプリフォームを塑性変形させてスリーブを形成させるステップの以後は、形成されたスリーブをキャビティから取り外すステップと、当該塑性変形した材料を硬化させるステップと、をさらに含んでもよい。これにより、より安定的な成形が可能である。
当該方法は、圧力と同時に熱を加えて、プリフォームを塑性変形させてスリーブを形成するステップをさらに含んでもよい。これにより、プリフォームのより効率的な変形が可能である。
形成されたスリーブは、円周方向に連続的な中空の管の形態であってもよい。これは、水中機器の内部電子ユニットを保護する点で好適な構成である。
エラストマーマトリックス材料は、シリコーンエラストマーであってもよく、粒子状充填材料は、窒化ホウ素であってもよい。このような材料の組み合わせにより、当該用途に
適する特性を有する複合材料が得られる。
以下、本発明を、添付の図面を参照して例として説明する。
(a)は、海底リピーターの例を示し、(b)は、リピーターの内部電子モジュールとアウターハウジングとの間に絶縁スリーブを備えたリピーターの中央領域の拡大図を示す。 45%BNが充填されたシリコーンエラストマー複合材料の一例の絶縁破壊時間と絶縁破壊電圧との対数を示す。 (a)~(f)は、スリーブを形成するための製造方法の例を示す。 (a)~(d)は、マトリックス材料におけるフィラー粒子の良好及び不良の分散と分布との組み合わせの概略図を示す。 スリーブを形成するための方法の例を示す。
図1の(a)は、海底リピーター1を示す。図1の(b)は、リピーター1の中央部分の拡大図を示す。海中の地電位にあるリピーターの外部の圧力ハウジングは、2で表記する。ハウジングの内部には、3で表記される内部電子モジュールがある。電子モジュール3は、約20kV DCに至る高電圧下で動作する。スリーブ4は、リピーター1の内部電子ユニット4とアウターケース2との間にバリアを提供する。スリーブ4は、エラストマーマトリックス材料と粒子状充填材料とを含有する複合材料で構成される。円周方向及び/又は軸方向に連続的なスリーブが好ましい。
本例では、エラストマーマトリックス材料は、シリコーンエラストマーであり、粒子状充填材料は、窒化ホウ素である。なお、他のエラストマー及びフィラー材料を使用してもよい。例えば、フィラー材料は、粒子状セラミック又は耐火材料であってもよい。フィラー材料は、エラストマーマトリックスに分散される。マトリックス材料は、スリーブ要素の本体を形成する。マトリックス材料は、スリーブ要素の全体にわたって実質的に連続的に接続されてもよい。マトリックス材料は、スリーブ要素の体積の50%超、70%超又は80%超を含んでもよい。
粒子状充填材料とエラストマーマトリックス材料との比率は、当該複合材料の熱伝導率が少なくとも1W/mKであり、当該複合材料の絶縁耐力が少なくとも80KV/mmであるように選択されることが好ましい。
好ましい例では、窒化ホウ素フィラーの量は、複合材料の重量の45%に等しい。当該材料の比率を用いた経験的テストでは、当該複合材料の絶縁耐力は、エラストマー内に均一に分散及び分布する場合に、LDPEの20KV DC/mmから45%BN充填エラストマーの約100KV DC/mmに増加することが示される。さらに、熱伝導率は、LDPEの0.3W/mKから1.6W/mK超に増加し、しかもこれが当該材料の高電圧絶縁特性を損なわずに実現される。したがって、充填エラストマーは、ポリエチレン相当の電気絶縁特性を提供するとともに、はるかに増加した熱伝導率を提供することが示される。
フィラー材料とエラストマーマトリックス材料との比率は、45%未満であってもよく、LDPEをスリーブ材料として使用する場合よりも、絶縁耐力及び熱伝導率が改善されることが示される。
当該複合材料は、単一の薄肉スリーブとして電子アセンブリ全体に用いられ、定常電場
にさらされる高電圧DC電気絶縁体として機能すると同時に、内部の電子アセンブリ間に低減された温度勾配を提供するという二重の機能を提供する。
さらに、加速試験により水素又はその他の任意の分解生成物の当該複合材料からの長期的な放出を定量化することにより、システムの全寿命にわたって信頼性に関する任意の要素に悪影響がないことを確認する。
当該機器の稼働期間が25年に達するよう定常状態下で電圧を加えることが、このような水中機器にとって1つの重要な要件である。エラストマーの高電圧下の経年劣化を考慮すると、材料の「N」値を確定することが重要な事項である。
DC電圧V下の故障までの時間Tに対する予測の経験式は、以下のとおりである。
T.V=C (1)
式中、Cは、特定の材料の定数である。
電圧が経時的に変化する場合に、式は次のようになる。
∫V.dt=C (2)
安定的な線形ランプによる絶縁破壊電圧Vでの故障とランプによる故障の時間Tに対し、上記の積分は、次のようになる。
(V .T)/(N+1)=C (3)
対数をとると、次のようになる。
N.LOG(V)+LOG(T)=LOG(C.(N+1)) (
4)
よって、異なる傾斜率でのLOG(V)に対するLOG(T)の曲線図は、勾配がNの負の傾斜率を有する。
図2は、45%BNが充填されたシリコーンエラストマーの例を示す。一般に、LDPE材料の場合、水中機器及びケーブル業界では任意の印加電圧にさらされる時のポリマー成形品の寿命を予測するために「N」値を4.75とする。経験的テストにより、図4は、充填エラストマーの「N」値が4.75より大きく、しかも信頼度が99.7%であり、予測値がN=7.6であることを示す。
スリーブを形成するための好適な方法は、圧縮成形である。図3は、本明細書に記載のスリーブを生産するための製造方法の例を示す。
図3の(a)に示すように、未硬化のシート30に転圧しようとする未硬化のエラストマーをキャビティ31に配置する。図3の(b)では、絶縁スリーブの内径を形成するための円筒状のコア32をシート30の上に配置する。図3の(c)では、シート30をコア32に巻き付け、圧着させて継ぎ目33を形成する。次に、図3の(d)では、キャビティ34の上半分を組み立てられた材料に付与する。次に、図3の(e)では、圧力Pと任意に選択された熱とを金型工具アセンブリ35に加えて、材料を塑性変形させて正しい寸法の管を形成する。図3の(f)では、成形されたスリーブ36を工具から取り外し、その後硬化させて前記成形物を安定させる。
図4の(a)~(d)は、良好な分散と不良の分散及び/又は良好な分布と不良な分布を有する材料の相違を示す。圧縮成形の適用により、窒化ホウ素フィラーの良好な分散と良好な分布を確保するのは、図4の(d)に示すようにシートの転圧段階で実現される。圧力が加えられる前に工具キャビティの90%が既に満たされて材料の移動距離が非常に小さいため、スリーブ成形過程でフィラー分布の望ましくない乱流破壊が制限される。
したがって、複合材料の押出に比べ、圧縮成形によりスリーブを製造すると、複合材料内におけるフィラー材料の分布と分散とが改善され、これは均一な熱的特性と電気的特性とを確保するに必要なことである。当該材料は、押出されて管を形成するのでもなく、キャビティに射出されるのでもないため、エラストマー材料がより均一に動作する。これにより材料内の残留応力が小さくなり、製品の寸法がより一層安定になる。このような製造方法により、将来の製品に拡張可能性(scalability)を提供する。また、マトリックスにおける粒子状フィラーの分散形態が圧縮成形後に実質的に均一に保たれるが、粒子状フィラーを射出成形材料に加えると、フィラーの均一な分散が確保されにくいことも判明された。
図5は、当該スリーブの製造方法の例の概略図である。ステップ501では、当該方法は、複合材料のプリフォームをキャビティ内に配置することを含む。その後、当該方法は、プリフォームに圧力を加えてプリフォームを塑性変形させてスリーブを形成するステップ502に移行する。
当該方法により、45%窒化ホウ素(BN)が充填されたシリコーンエラストマーを用いて寸法的に適合する薄肉でかつコンプライアントな単一のスリーブの製造能力が得られ、当該シリコーンエラストマーは、水中リピーター内の電子モジュールの全体を被覆する。得られたスリーブは、高電圧DC電気絶縁体として機能するとともに、25年の稼働期間にわたって内部の電子アセンブリと外部のリピーターのハウジングとの間の温度勾配を低減させるという二重の機能を提供する。
45%BN充填シリコーンエラストマー複合材料で押出によるLDPEスリーブを置き換えると、スリーブの熱伝導率がLDPEの0.3W/mKから1.6W/mK超に増加することが判明されており、材料の高電圧絶縁特性に悪影響がないことも判明された。スリーブの絶縁耐力は、20kV/mm DCから100kV/mmに増加され、HV寿命指数(「N」値)は、LDPEの4.75から複合材料の7.6に増加されることも判明された。
所定のワット損において、当該材料を使用すると、リピーター内の重要なコンポーネントの定常状態の動作温度が低下するとともに、増加したより高いシステム電圧での動作が許容され、改善されたHV経年劣化/寿命特性及び信頼性が得られる。
他の潜在的な利点は、スリーブによる接触面積の増加である。シリコーンエラストマーの使用で外部の圧力スリーブと内部の電子モジュールとの両者の間にコンプライアントなインタフェースが提供され、材料の硬さや嵌合コンポーネントの寸法上の不適合によるエアギャップが生じるリスクが解消される。材料の圧縮永久歪みは、水中機器の動作温度範囲及び保管温度範囲で制限を受けて、電子モジュールがその稼働期間にわたって絶縁材との接触を保持することが確保される。外部の圧力スリーブが8000mの深海に適用される場合、このようなエラストマーインタフェースは、外部の圧力スリーブの半径方向の収縮に、より耐性がある。
水中機器の操作、配置や回収の期間、コンプライアントなエラストマーインタフェースは重要なコンポーネントを保護する電子機器に追加の衝撃及び振動隔離を提供する。
追加の利点には、スリーブ材料の経年劣化による水素放出レベルの低下が含まる。高温試験によれば、同等の体積のポリエチレンと比べ、充填エラストマーの水素発生が50%少ないことが分かった。
シミュレーションによれば、スリーブに用いられる前記材料は、少なくともいくつかの用途で明らかな利点があることが分かった。例えば、海底通信ハウジングは、取り付けられた後、そのまま数年間静置されるのが一般であり、比較的高い電圧下で連続的に動作する可能性がある。シミュレーションによれば、上記の材料は、25年の稼働期間にわたって比較的高い電圧(例えば、400V超)で動作するコンポーネントにバリアを提供することができることが分かった。
要するに、本明細書に記載のスリーブは、特定の実施形態で以下の事項を実現することができる。
海中用途向けの高電圧絶縁材及び低温度勾配インタフェースという二重の機能、
20から100KV DC/mmに増加する絶縁耐力、
0.3から1.6W/Mk超に増加する熱伝導率、
「N」値が業界公認のレベル4.75を上回る経年劣化特性改善(45%BNが充填されたシリコーンエラストマーの場合、N値は一般に7.6である)、
材料の経年劣化に起因する水素放出の50%低減、
熱接触面積効率を向上させるコンプライアントなインタフェース、
水中機器の内部電子機器への追加の衝撃及び振動隔離の提供、
改善された高電圧性能、
将来の水中機器に対する要件に適応可能な簡素化された柔軟な製造方法。
以上、海底リピーターを例としてスリーブを説明したが、スリーブは、増幅器、交換機、マルチプレクサ、デマルチプレクサなどの他の海底電気通信機器に適用されることもできる。例えば、分岐ユニット、再構成可能な光アドドロップマルチプレクサ(ROADM)である。
出願人は、本明細書に記載の個々の特徴及び2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを、そのような特徴又は特徴の組み合わせが、当業者に周知される常識から全体として本明細書に基づいて実行できる範囲で、分離して開示する。そのような特徴又は特徴の組み合わせが本明細書に開示された問題を解決するかどうかに関係なく、請求項の範囲にも限定されない。出願人は、本発明の態様が、そのような個々の特徴又は特徴の組み合わせからなり得ることを示す。前述の説明により、本発明の範囲内で様々な修正を行えることは当業者には明らかであろう。

Claims (15)

  1. 水中機器の内部電子ユニットと前記水中機器のアウターケースとの間にバリアを提供するスリーブであって、
    前記スリーブは、エラストマーマトリックス材料と粒子状充填材料とを含有する複合材料を含むか、又は、前記複合材料によって構成され
    前記スリーブは、エラストマーマトリックス材料内に粒子状充填材料が均一に分布された圧縮成形製スリーブであることを特徴とするスリーブ。
  2. 前記粒子状充填材料と前記エラストマーマトリックス材料との比率は、前記複合材料の熱伝導率が少なくとも1W/mKであり、且つ前記複合材料の絶縁耐力が少なくとも80KV/mmであるように選択されることを特徴とする請求項1に記載のスリーブ。
  3. 前記エラストマーマトリックス材料は、シリコーンエラストマーであり、前記粒子状充填材料は、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスリーブ。
  4. 前記粒子状充填材料の量は、前記複合材料の重量の45%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のスリーブ。
  5. 前記水中機器は、海底電気通信増幅器、交換機、マルチプレクサもしくはデマルチプレクサであり又は海底電気通信増幅器、交換機、マルチプレクサもしくはデマルチプレクサを含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のスリーブ。
  6. 前記水中機器は、少なくとも0.5KVのシステム電圧を受け取るように設定されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のスリーブ。
  7. 前記複合材料の熱伝導率は、少なくとも1.5W/mKであることを特徴とする請求項2からのいずれか1項に記載のスリーブ。
  8. 前記複合材料の絶縁耐力は、少なくとも90KV/mmであることを特徴とする請求項2からのいずれか1項に記載のスリーブ。
  9. 前記スリーブは、円周方向に連続的な中空の管の形態であることを特徴とする請求項1
    からのいずれか1項に記載のスリーブ。
  10. 水中機器用のスリーブの製造方法であって、
    前記スリーブは、エラストマーマトリックス材料と粒子状充填材料とを含有する複合材料を含むか、又は、当該複合材料によって構成され、
    前記複合材料のプリフォームをキャビティ内に配置するステップと、
    前記プリフォームに圧力を加えて前記プリフォームを塑性変形させて前記スリーブを形成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  11. 材料の前記プリフォームを前記キャビティ内に配置する前記ステップは、
    前記複合材料の前記プリフォームをキャビティの下部に配置することと、
    前記プリフォームをコアに巻き付けることと、
    キャビティの上半分を巻き付けられたコアに付与することと、を含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記プリフォームに圧力を加えて前記プリフォームを塑性変形させて前記スリーブを形成するステップの以後は、
    形成されたスリーブを前記キャビティから取り外すステップと、
    塑性変形した材料を硬化させるステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記圧力と同時に熱を加えて、前記プリフォームを塑性変形させて前記スリーブを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 形成されたスリーブは、円周方向に連続的な中空の管の形態であることを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記エラストマーマトリックス材料は、シリコーンエラストマーであり、前記粒子状充填材料は、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項10から14のいずれか1項に記載の方法。
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