JP2019106348A - 複合碍管 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐震性を有する複合碍管を得ること。【解決手段】ガスブッシング100に適用された複合碍管30は、筒部31と、筒部31の少なくとも一方の端部を塞ぐ端面部32とを備えた繊維強化プラスチック製のコア部材3と、筒部31を外周側から覆う絶縁性高分子材料製の外被5と、絶縁性を備え、コア部材3に接する粘弾性部材4とを有する。粘弾性部材4は、等価減衰定数が2%以上であり、かつせん断弾性率が0.3MPa以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、変電機器と送電線との接続に使用される複合碍管に関するものである。
変電機器と送電線との接続に使用される複合碍管は、特許文献1に開示されるように、円筒状のコア部材と、コア部材の外側を覆う外被とからなる中空構造体を備え、中空構造体の内部に通電用の導体が設置され、中空構造体の上側には送電線に接続される端子が配置され、中空構造体の下側には変電機器に固定されるフランジが配置されている。
複合碍管は、地震発生時に変電機器を停止させないために耐震性が要求されるようになっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐震性を有する複合碍管を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、筒部と、筒部の少なくとも一方の端部を塞ぐ端面部とを備えた繊維強化プラスチック製のコア部材と、筒部を外周側から覆う絶縁性高分子材料製の外被とを有する。また、本発明は、絶縁性を備え、コア部材に接する粘弾性部材を有する。
本発明によれば、耐震性を有する複合碍管を得られる、という効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態に係る複合碍管を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図2及び図3は、実施の形態1に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図1は、図2及び図3中のI-I線に沿った断面を示している。図2は、図1中のII-II線に沿った断面を示している。図3は、図1中のIII-III線に沿った断面を示している。図1に示すように、ガスブッシング100は、絶縁ガスが封入された複合碍管30内に導体2が配置されて構成されている。ここで、絶縁ガスは、六フッ化硫黄ガス又は六フッ化硫黄ガスを含む絶縁性のガスである。なお、ガスブッシング100は、複合碍管30の適用の一例を示したものであり、複合碍管30は他のガス絶縁機器にも同様に適用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図2及び図3は、実施の形態1に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図1は、図2及び図3中のI-I線に沿った断面を示している。図2は、図1中のII-II線に沿った断面を示している。図3は、図1中のIII-III線に沿った断面を示している。図1に示すように、ガスブッシング100は、絶縁ガスが封入された複合碍管30内に導体2が配置されて構成されている。ここで、絶縁ガスは、六フッ化硫黄ガス又は六フッ化硫黄ガスを含む絶縁性のガスである。なお、ガスブッシング100は、複合碍管30の適用の一例を示したものであり、複合碍管30は他のガス絶縁機器にも同様に適用することができる。
実施の形態1に係る複合碍管30は、送電線が接続される端子1、両端が塞がった円筒状のコア部材3、変電機器に固定される下金具6を備える。変電機器は、開閉器及び変圧器を例示できるが、これに限定はされない。
コア部材3は、二重壁構造の筒部31と、筒部31の端部を塞ぐ端面部32とを有する。コア部材3は、絶縁性材料で形成されている。コア部材3に用いる絶縁性材料には繊維強化プラスチックを例示できるが、これに限定はされない。なお、実施の形態1に係る複合碍管30のコア部材3は、筒部31の両方の端部を塞ぐ二つの端面部32を有しているが、端面部32を一つ有し、筒部31の一方の端部が塞がった構造であってもよい。下金具6側には端面部32を備えず、端子1側のみに端面部32を有する構造の場合は、ガスブッシング100は、筒部31の内部の空間が変電機器の内部の空間と繋がるように変電機器に設置される。筒部31の外周側は、下部を除いて、絶縁性高分子材料で形成された外被5で覆われている。外被5に用いる絶縁性高分子材料にはシリコン樹脂を例示できるが、これに限定はされない。外被5には、絶縁性能を高めるひだ51が形成されている。筒部31の下端部は、下金具6に挿入されており、外被5は設けられていない。下金具6は、筒部31の下端部を覆う円環部61と、円環部61の下端から張り出すフランジ部62とを有する。
端子1は、円盤状であり、コア部材3及び外被5を備えた中空構造体の上側に設置される。端子1の周縁部分は、中空構造体の上端部からフランジ状に張り出すフランジ部11となっている。フランジ部11には不図示の貫通穴が設けられており、送電線に通じる金属部品は、フランジ部11に共締めされて端子1に固定される。
筒部31の二重壁の内側の空間には、粘弾性及び絶縁性を有する粘弾性部材4が充填されている。粘弾性部材4は、中空状態の筒部31の上端部の穴311から筒部31内に充填される。筒部31の二重壁の内側の空間の空気は、筒部31の上端部の穴312から排出されており、筒部31の内部には、粘弾性部材4が隙間無く充填されている。穴311及び穴312は、筒部31の中心軸を挟んで対称となる位置に設けられており、筒部31の二重壁の内部の空間に充填された粘弾性部材4にボイドが発生しにくくなっている。なお、粘弾性部材4を充填する穴311及び筒部31の二重壁の内側の空間の空気を排出する穴312は、筒部31の上端部以外の位置に設けてもよい。
筒部31の二重壁の内側の空間に充填された粘弾性部材4は、揮発性成分が揮発することにより固化する。筒部31の二重壁の内側の空間は円筒状であるため、充填された粘弾性部材4は円筒状になって固化している。したがって、粘弾性部材4は、コア部材3に内周側及び外周側の両側から挟まれている。筒部31の二重壁の内側に充填された粘弾性部材4は、筒部31に固着している。本明細書において、粘弾性を有するとは、等価減衰定数が2%以上であり、かつせん断弾性率が0.3MPa以上であることを意味する。粘弾性を有する材料には、シリコンを主成分とする樹脂を例示できるが、これに限定はされない。
実施の形態1において、筒部31の二重壁の内側の壁315の厚さと、粘弾性部材4の厚さと、筒部31の二重壁の外側の壁314の厚さとの比率は、5:1:5であると、複合碍管30の振動は効率良く減衰されるが、この比率には限定されない。
端子1及び導体2の原料は、アルミニウムを例示できるが、これに限定はされない。
絶縁性ガスは、複合碍管30を使用して通電するのに先だって、筒部31と端面部32とで囲まれたコア部材3の内部の空間に封入される。コア部材3の内部の空間は、絶縁性ガスを封入するのに先だって真空引きがされ、内部の空気が排出される。
実施の形態1に係る複合碍管30は、地震発生時、コア部材3、粘弾性部材4、導体2及び外被5が、下金具6を中心に撓む。粘弾性部材4は、撓む際に内部で振動エネルギーを熱エネルギーに変換して消費する。粘弾性部材4が振動エネルギーを消費することにより、複合碍管30の振動は抑制される。
粘弾性部材4は、筒部31に固着しているため、粘弾性部材4とコア部材3との間に摩擦は生じない。したがって、粘弾性部材4とコア部材3との摩擦によって粉体が発生して複合碍管30内の電気絶縁能力が低下することは抑制される。
また、粘弾性部材4は、二重壁構造の筒部31の中に隙間なく充填されており、筒部31の中で粘弾性部材4は移動できない。したがって、粘弾性部材4が筒部31から剥離しても、粘弾性部材4とコア部材3との摩擦によって粉体が発生して複合碍管30内の電気絶縁能力が低下することは抑制される。また、二重壁構造の筒部31の中に粘弾性部材4が隙間なく充填されているため、筒部31の中に空間が存在している場合と比較すると、コア部材3の強度が向上する。
上記の説明においては、粘弾性部材4は、筒部31の二重壁の内側の空間に充填されて形成されていたが、端面部32が筒部31の端面を覆う形状とし、筒状に成形した粘弾性部材4を筒部31の二重壁の内側に挿入してもよい。
また、粘弾性部材4は、コア部材3に接していればよく、必ずしもコア部材3に固着されていなくても良い。また、粘弾性部材4は、二重壁の間の空間内とは異なる部分に設置されても、複合碍管30の振動を抑制する効果は得られる。コア部材3と外被5との間に粘弾性部材4が設置されても、複合碍管30の振動を抑制することができる。
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。実施の形態2に係る複合碍管30Aは、筒部31の下半分だけが二重壁構造となっている。この他については、実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。実施の形態2に係る複合碍管30Aは、筒部31の下半分だけが二重壁構造となっている。この他については、実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
地震発生時、複合碍管30Aは、下金具6側が振動の節となる。したがって、下金具6に近い部分ほど発生する応力が大きくなる。実施の形態2に係る複合碍管30Aは、複合碍管30に大きい応力が発生する下金具6に近い筒部31の下半分に粘弾性部材4が充填されているため、粘弾性部材4の単位量当たりの振動抑制効果を高めることができる。
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。実施の形態3に係る複合碍管30Bは、筒部31の二重壁の内側の空間の下半分だけに粘弾性部材4が充填されている。この他については、実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
図5は、本発明の実施の形態3に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。実施の形態3に係る複合碍管30Bは、筒部31の二重壁の内側の空間の下半分だけに粘弾性部材4が充填されている。この他については、実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
実施の形態3に係る複合碍管30Bは、実施の形態2に係る複合碍管30Aと同様に、下金具6に近い筒部31の下半分に粘弾性部材4が充填されているため、振動を効率良く減衰させることができる。
また、筒部31の上半分は、二重壁の内側の空間に粘弾性部材4が充填されていないため、実施の形態1に係る複合碍管30と比較して軽量である。したがって複合碍管30Bを変電機器に設置したときに変電機器に加わる荷重は、実施の形態1に係る複合碍管30を変電機器に設置したときよりも小さくなる。
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図7は、実施の形態4に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図6は、図7中のVI-VI線に沿った断面を示している。図7は、図6中のVII-VII線に沿った断面を示している。実施の形態4に係る複合碍管30Cは、コア部材3及び粘弾性部材4に冷却配管91,92,93が設けられている。筒部31と下端側の端面部32とは、一体となって有底筒状の構造体となっている。粘弾性部材4は、筒部31の二重壁の内側の空間に充填されるのではなく、予め筒状に成形されたものが筒部31の二重壁の内側の空間に挿入されている。筒部31の二重壁の内側の空間は、上端側の端面部32で塞がれている。この他は実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
図6は、本発明の実施の形態4に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図7は、実施の形態4に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図6は、図7中のVI-VI線に沿った断面を示している。図7は、図6中のVII-VII線に沿った断面を示している。実施の形態4に係る複合碍管30Cは、コア部材3及び粘弾性部材4に冷却配管91,92,93が設けられている。筒部31と下端側の端面部32とは、一体となって有底筒状の構造体となっている。粘弾性部材4は、筒部31の二重壁の内側の空間に充填されるのではなく、予め筒状に成形されたものが筒部31の二重壁の内側の空間に挿入されている。筒部31の二重壁の内側の空間は、上端側の端面部32で塞がれている。この他は実施の形態1に係る複合碍管30と同様である。
筒部31の上部には、二重壁の内部の空間に繋がる溝313が形成されている。溝313は、筒部31に端面部32が被せられると、コア部材3の内部の空間と二重壁の内側の空間とを繋ぐ冷却配管91を、筒部31と端面部32との間に形成する。円筒形状の粘弾性部材4には、外側面に沿って軸方向に延びる溝41が設けられている。溝41は、筒部31の二重壁の内部に粘弾性部材4が挿入されると、筒部31の二重壁の外側の壁314と粘弾性部材4との間に冷却配管92を形成する。下端側の端面部32には、二重壁の内側の空間と、コア部材3の内部の空間とを繋ぐ冷却配管93が設けられている。冷却配管91,92,93は繋がっており、冷却配管91,92,93は、コア部材3の内部の空間の上部と下部とを接続している。すなわち、冷却配管91,92,93は、コア部材3の内部の空間の一端部側と、コア部材3の内部の空間の他端部側とを繋いでいる。このように、実施の形態4に係る複合碍管30Cは、筒部31の一端部である上端部側の端面部32と、筒部31と、筒部31の他端部である下端部側の端面部32とに、コア部材3の内部の空間の上部と下部とを繋ぐ冷却配管91,92,93を備えている。
導体2で発生した熱によってコア部材3の内部の空間に封入されている絶縁性ガスが加熱されると、絶縁性ガスの温度は上昇する。導体2が配置されているコア部材3の中心付近の絶縁性ガスは、温度が高くなるのに対し、外被5の近くに位置する冷却配管92内の絶縁性ガスは、外部に放熱しやすいため、コア部材3の中心付近の絶縁性ガスよりも低温になる。したがって、コア部材3の内部の空間には、絶縁性ガスの上昇気流が発生し、端子1側から冷却配管91内に絶縁性ガスが流入する。冷却配管91内に流入した絶縁性ガスは、冷却配管92における放熱により温度が低下するため、冷却配管92内には下降気流が発生する。したがって、冷却配管92内の絶縁性ガスは、冷却配管93からコア部材3の内部の空間に流入する。
実施の形態4に係る複合碍管30Cでは、絶縁性ガスが対流することにより、冷却配管91,92,93に絶縁性ガスが流れる。そのため、導体2で発生した熱を外部に効率良く放熱できるため、導体2に通電する電流の上限値を実施の形態1に係る複合碍管30よりも大きくすることができる。
なお、実施の形態4に係る複合碍管30Cは、実施の形態2に係る複合碍管30A又は実施の形態3に係る複合碍管30Bと同様に、筒部31の下半分だけに粘弾性部材4が存在するように変形して実施することも可能である。
実施の形態5.
図8及び図9は、本発明の実施の形態5に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図10及び図11は、実施の形態5に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図8は、図10及び図11中のVIII-VIII線に沿った断面を示している。図9は、図10及び図11中のIX-IX線に沿った断面を示している。図10は、図8及び図9中のX-X線に沿った断面を示している。図11は、図8及び図9中のXI-XI線に沿った断面を示している。実施の形態5に係る複合碍管30Dは、コア部材3が、筒状の内側コア部材3Aと、内側コア部材3Aとは径方向に隙間を空けて外周側に配置された筒状の外側コア部材3Bと、端子1側の円盤状の上部コア部材3Cと、下金具6側の円盤状の下部コア部材3Dとで構成される。実施の形態5に係る複合碍管30Dにおいて、内側コア部材3A及び外側コア部材3Bは、粘弾性部材4Aを内周側及び外周側の両側から挟む筒部31を構成している。また、上部コア部材3Cは、筒部31の上端部を塞ぐ端面部であり、下部コア部材3Dは、筒部31の下端部を塞ぐ端面部である。粘弾性部材4Aは、横断面が角を持たない断面である棒状であり、内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間に設置されている。粘弾性部材4Aは、筒部31の軸方向と直交する断面の形状が、外側に凸の滑らかな閉曲線である。外側に凸の滑らかな閉曲線には、円形又は楕円形を例示できるが、これに限定されない。粘弾性部材4Aは、コア部材3の軸を中心とする円弧上に円周方向に隙間を空けて等間隔で配置されている。
図8及び図9は、本発明の実施の形態5に係る複合碍管を適用したガスブッシングの縦断面図である。図10及び図11は、実施の形態5に係る複合碍管を適用したガスブッシングの横断面図である。図8は、図10及び図11中のVIII-VIII線に沿った断面を示している。図9は、図10及び図11中のIX-IX線に沿った断面を示している。図10は、図8及び図9中のX-X線に沿った断面を示している。図11は、図8及び図9中のXI-XI線に沿った断面を示している。実施の形態5に係る複合碍管30Dは、コア部材3が、筒状の内側コア部材3Aと、内側コア部材3Aとは径方向に隙間を空けて外周側に配置された筒状の外側コア部材3Bと、端子1側の円盤状の上部コア部材3Cと、下金具6側の円盤状の下部コア部材3Dとで構成される。実施の形態5に係る複合碍管30Dにおいて、内側コア部材3A及び外側コア部材3Bは、粘弾性部材4Aを内周側及び外周側の両側から挟む筒部31を構成している。また、上部コア部材3Cは、筒部31の上端部を塞ぐ端面部であり、下部コア部材3Dは、筒部31の下端部を塞ぐ端面部である。粘弾性部材4Aは、横断面が角を持たない断面である棒状であり、内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間に設置されている。粘弾性部材4Aは、筒部31の軸方向と直交する断面の形状が、外側に凸の滑らかな閉曲線である。外側に凸の滑らかな閉曲線には、円形又は楕円形を例示できるが、これに限定されない。粘弾性部材4Aは、コア部材3の軸を中心とする円弧上に円周方向に隙間を空けて等間隔で配置されている。
内側コア部材3Aには、切り欠き7Aが設けられている。外側コア部材3Bには、切り欠き7Bが設けられている。切り欠き7A,7Bは、粘弾性部材4Aの側面と同じ形状である。粘弾性部材4Aは、内側コア部材3Aの切り欠き7Aと外側コア部材3Bの切り欠き7Bとに、接着剤で接着される。粘弾性部材4Aを接着するのに用いる接着剤は、シリコンを主成分とする接着剤を例示できるが、これに限定はされない。なお、切り欠き7A,7Bが形成された部分において、内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間は、粘弾性部材4Aの幅よりも狭くなっており、粘弾性部材4Aは、内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとによって圧縮された状態で接着される。
上部コア部材3Cには、粘弾性部材4Aを挿入可能なざぐり9Aと、ざぐり9Aを通過する円弧状の溝10Aと、内側コア部材3Aの内側まで延びる溝11Aとが設けられている。下部コア部材3Dには、粘弾性部材4Aを挿入可能なざぐり9Bと、ざぐり9Bを通過する円弧状の溝10Bと、内側コア部材3Aの内側まで延びる溝11Bとが設けられている。粘弾性部材4Aの上端部はざぐり9Aに嵌められ、下端部はざぐり9Bに嵌められる。溝10Aは、ざぐり9Aよりも深くなっている。溝10Bは、ざぐり9Bよりも深くなっている。
内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間は、溝10A,10B,11A,11Bと繋がっており、冷却配管を構成する。すなわち、実施の形態5に係る複合碍管30Dにおいては、筒部31の上端部側の端面部をなす上部コア部材3Cと、筒部31と、筒部31の下端部側の端面部をなす下部コア部材3Dとに、コア部材3の内部の空間の上部と下部とを繋ぐ冷却配管を備える。したがって、実施の形態5に係る複合碍管30Dは、実施の形態4に係る複合碍管30Cと同様に、導体2が発熱するとコア部材3の内部に封入された絶縁性ガスが対流を起こす。導体2で発生した熱を複合碍管30Dの外部に放熱する能力が向上するため、導体2に通電する電流の上限値を大きくすることが可能となる。
内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとを偏心させ、内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間が広がった部分に一つ目の粘弾性部材4Aを配置し、接着剤で内側コア部材3A及び外側コア部材3Bに接着固定する。二つ目以降の粘弾性部材4Aは、接着固定済の粘弾性部材4Aを弾性変形させて内側コア部材3Aと外側コア部材3Bとの隙間を拡げて、内側コア部材3A及び外側コア部材3Bに接着固定する。全ての粘弾性部材4Aを内側コア部材3A及び外側コア部材3Bに接着固定した後、上部コア部材3C及び下部コア部材3Dを、内側コア部材3A、外側コア部材3B及び粘弾性部材4Aに接着固定する。
上記のように粘弾性部材4Aが設置されるため、粘弾性部材4Aは内側コア部材3A及び外側コア部材3Bによって圧縮される。
粘弾性部材4Aは、内側コア部材3A、外側コア部材3B、上部コア部材3C、下部コア部材3Dとの接着が剥がれることが抑制され、内側コア部材3A及び外側コア部材3Bと粘弾性部材4Aとの摩擦により紛体が発生して複合碍管30D内の電気絶縁能力が低下することは抑制される。
また、ざぐり9Aよりも深い円弧状の溝10A、及び内側コア部材3Aの内側まで伸びる溝11Aが上部コア部材3Cに設けられるため、粘弾性部材4Aの上方の空間は、内側コア部材3Aの内側の空間と繋がり閉空間とならない。したがって、絶縁性ガスを封入する前の粘弾性部材4Aの上方の空間の真空引きは、内側コア部材3Aの内側の空間の真空引きと同時に行うことができ、作業時間を短縮できる。
同様に、ざぐり9Bよりも深い円弧状の溝10B、及び内側コア部材3Aの内側まで伸びる溝11Bが下部コア部材3Dに設けられるため、粘弾性部材4Aの下方の空間は、内側コア部材3Aの内側の空間と繋がり閉空間とならない。したがって、絶縁性ガスを封入する前の粘弾性部材4Aの下方の空間の真空引きは、内側コア部材3Aの内側の空間の真空引きと同時に行うことができ、作業時間を短縮できる。
なお、実施の形態5に係る複合碍管30Dは、実施の形態2に係る複合碍管30A又は実施の形態3に係る複合碍管30Bと同様に、筒部31の下半分だけに粘弾性部材4が存在するように変形して実施することも可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 端子、2 導体、3 コア部材、3A 内側コア部材、3B 外側コア部材、3C 上部コア部材、3D 下部コア部材、4,4A 粘弾性部材、5 外被、6 下金具、7A,7B 切り欠き、9A,9B ざぐり、10A,10B,11A,11B,41,313 溝、11,62 フランジ部、30,30A,30B,30C,30D 複合碍管、31 筒部、32 端面部、51 ひだ、61 円環部、91,92,93 冷却配管、100 ガスブッシング、311,312 穴、314,315 壁。
Claims (7)
- 筒部と、該筒部の少なくとも一方の端部を塞ぐ端面部とを備えた繊維強化プラスチック製のコア部材と、
前記筒部を外周側から覆う絶縁性高分子材料製の外被と、
絶縁性を備え、前記コア部材に接する粘弾性部材とを有することを特徴とする複合碍管。 - 前記筒部は、二重壁構造であり、前記粘弾性部材は、前記コア部材に内周側及び外周側の両側から挟まれていることを特徴とする請求項1に記載の複合碍管。
- 前記筒部の二重壁の内側の空間に前記粘弾性部材が充填されていることを特徴とする請求項2に記載の複合碍管。
- 前記筒部は、筒状の内側コア部材と、該内側コア部材とは径方向に隙間を空けて外周側に配置された筒状の外側コア部材とを備え、
前記粘弾性部材は、棒状であり、前記内側コア部材と前記外側コア部材との隙間に設置されていることを特徴とする請求項2に記載の複合碍管。 - 前記粘弾性部材は、前記筒部の軸を中心とする円弧上に、円周方向に隙間を空けて等間隔で配置されていることを特徴とする請求項4に記載の複合碍管。
- 前記粘弾性部材は、前記筒部の軸方向と直交する断面の形状が、外側に凸の滑らかな閉曲線であることを特徴とする請求項4又は5に記載の複合碍管。
- 前記筒部の両方の端部を塞ぐ二つの前記端面部を備え、
前記筒部の一端部側の前記端面部と、前記筒部と、前記筒部の他端部側の前記端面部とに、前記コア部材の内部の空間の前記一端部側と、前記コア部材の内部の空間の前記他端部側とを繋ぐ冷却配管を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の複合碍管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017239918A JP2019106348A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 複合碍管 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017239918A JP2019106348A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 複合碍管 |
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JP2019106348A true JP2019106348A (ja) | 2019-06-27 |
Family
ID=67061471
Family Applications (1)
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JP2017239918A Pending JP2019106348A (ja) | 2017-12-14 | 2017-12-14 | 複合碍管 |
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JP (1) | JP2019106348A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114520128A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-05-20 | 山东普益电气有限公司 | 一种双断口真空灭弧室瓷座结构及双断口真空断路器 |
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2017
- 2017-12-14 JP JP2017239918A patent/JP2019106348A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114520128A (zh) * | 2022-03-15 | 2022-05-20 | 山东普益电气有限公司 | 一种双断口真空灭弧室瓷座结构及双断口真空断路器 |
CN114520128B (zh) * | 2022-03-15 | 2023-09-22 | 山东正本电气有限公司 | 一种双断口真空灭弧室瓷座结构及双断口真空断路器 |
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