JP7230001B2 - 直流高電圧リレー及び直流高電圧リレー用の接点材料 - Google Patents

直流高電圧リレー及び直流高電圧リレー用の接点材料 Download PDF

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Description

本発明は、直流高電圧回路のON/OFF制御を行う直流高電圧リレー(コンタクタ)に関する。詳しくは、連続通電時の低発熱特性、及び接点開離時の確実な回路遮断性能を実現した直流高電圧リレーに関する。また、本発明は、この直流高電圧リレーに適用される接点材料に関する。
ハイブリッドカー(HV)、プラグインハイブリッドカー(PHV)、電気自動車(EV)等の高電圧バッテリーを搭載する自動車の電源回路や充電回路、太陽光発電設備等の電力供給システムにおける蓄電装置のパワーコンディショナー等のような高電圧回路の制御において、直流高電圧リレーが使用されている。例えば、上記のハイブリッドカー等では、システムメインリレー(SMR)またはメインコンタクタと称される直流高電圧リレーが使用されている。直流高電圧リレーは、一般的な自動車用途等に従来から用いられる直流低電圧リレーに対して、基本的な構成や機能においては類似する。但し、直流高電圧リレーは、上記したハイブリッドカー等の比較的新規な用途に対応する機器であり、当該用途に関連した相違点もありそれに起因した特有の課題も含んでいる。
ここで、従来の直流低電圧回路について説明すると、直流低電圧回路においては、定格電圧と定格電流が明確に規定されている。定格電圧に関しては、例えば自動車においては、搭載されているバッテリーの公称電圧DC12Vが、一般的な車載用汎用リレーの定格電圧である。また、一部のトラックやバスにおいてはDC24Vのバッテリーが搭載されているので、定格電圧をDC24Vとするリレーもある。このように、定格電圧と定格電流が明確に規定される直流低電圧リレーでは、通電電流や負荷の上限の予測が比較的容易となる。そのため、直流低電圧リレーにおいては、予測される電力量や負荷に対応した耐久性を発揮し得る接点材料の改良が課題となる。また、従来の直流低電圧リレーにおいては、車載用途等のための小型・軽量化が要求される傾向にある。直流低電圧リレーの小型・軽量化は、構成部品が小型・軽量化により達成できるが、それにより接点材料に掛かる負担が増大する。そのため、この要求に対しても、接点材料の耐久性(耐消耗性、耐溶着性)の改善で対応している。
ここで、従来の直流低電圧リレーの接点材料として、Ag-酸化物系の接点材料が広く適用されてきた。Ag-酸化物系接点材料は、Agマトリックス又はAg合金マトリックス中に、Sn、In等の金属酸化物(SnO、In等)の粒子を分散させた材料である。Ag-酸化物系接点材料は、金属酸化物粒子の分散強化作用によって接点材料の性能を向上させて耐消耗性、耐溶着性等の要求特性を確保している。例えば、本出願人は、車載用の直流低電圧リレーに適用される接点材料として、特許文献1記載のAg-酸化物系接点材料を開示している。
従来の直流低電圧リレーの改良に際しては、適用するAg-酸化物系の接点材料の酸化物量を増加させる事により対応している。一般的に、酸化物の分散強化作用を利用する接点材料においては、酸化物を形成する金属成分の濃度を高めて酸化物量を増加させることで、耐溶着性及び耐消耗性が向上するからである。具体的には、Sn、In等のAg以外の金属成分を10質量%以上としたAg-酸化物系の接点材料が多く使用されている。接点材料のAg以外の金属成分を10質量%未満とすると、酸化物量が少ないため、溶着、転移、消耗等の不具合により要求特性を満足しないケースが発生するためである。そして、直流低電圧リレーにおいては、上記のようなAg-酸化物系の接点材料の改良によって、規定された定格電圧範囲内での耐久性向上や小型化・軽量化のための耐久性確保が達成されている。
特開2012-3885号公報
これに対して、直流高電圧リレーは、定格電圧及び定格電流に明確な規定は現在のところ設けられていない。直流高電圧リレーの場合は、今後のバッテリー性能の向上によって要求スペックが大きく左右される。つまり、直流高電圧リレーは、接点が受ける負荷の上限の予測は困難であり、今後も増大する可能性が高い。この点が従来の直流低電圧リレーと相違する。
そして、直流高電圧リレーにおいては、今後更なる高電圧化・大電流化が図られることは確実である。これは、近年のバッテリー性能の向上及び駆動モータの高出力化の傾向から明らかである。かかる直流高電圧リレーにおいては、通電電流増加による接点における発熱と溶着の問題がより強く指摘されるところである。
発熱の問題に関しては、接点の発熱量は、電流の2乗と接触抵抗値に比例するため、直流高電圧リレーの今後の大電流化においては相当の熱が発生する事が想定される。リレーにおける異常発熱は、最悪の場合、発火や焼損等の致命的な問題が発生する事態となる。
そして、直流高電圧リレーにおいては、発熱の課題と同等以上に接点の溶着が重要な課題となる。溶着は、通電時のジュール熱及び開閉時に発生するアーク放電のアーク熱により、接点対の接触面が溶融し固着する現象である。このような接点の溶着は、接点対を開離させる時の障害となり、復帰不良や回路全体の故障を引き起こす。特に、高電圧回路においては、その故障は甚大な災害となり得るため、直流高電圧リレーは、確実な回路遮断を実現する必要がある。例えば、ハイブリッドカー等の直流高電圧回路にシステム異常が発生した場合には、リレーをOFFして回路の遮断をする必要がある。このような場合の遮断電流は通常開閉時の電流よりも大きい。そのため、直流高電圧リレーには接点に異常時の遮断性能を確保するため、溶着の問題をクリアにする必要がある。
以上のような直流高電圧リレーの接点における発熱と溶着の課題への対応としては、直流高電圧リレーの構造・機構からの対策が講じられている。例えば、接圧ばねを強化して可動接点と固定接点との接触力を高めて接触面積を確保し、両接点間の接触抵抗を低減して発熱を抑制する対応が採られている。接触力の増大は、直流高電圧回路が短絡した場合における、リレーの発火・破裂の防止にも寄与する。
更に、直流高電圧リレーにおいては、接点間での発生したアーク放電を消弧するための構造が採用されていることが多い。具体的には、充分な接点間ギャップを確保することや、アーク消弧用磁石の設置及びその磁力の強化等の対策が検討される。また、リレーを密封構造にして水素ガス又は窒素ガス若しくはそれらの混合ガス等を封入して、アーク冷却効果により速やかなアーク消弧を図っている。
しかし、上記のような構造・機構面の対策は、要求仕様の容量の大きさに応じてリレー本体のサイズアップさせる要因となる。よって、これらのみでは市場の恒常的なニーズである小型・軽量化に沿わない状況となる。従って、直流高電圧リレーにおいては、構造・機構面の対策は重要であるが、これに加えて接点そのものに対する発熱及び溶着の対策を行うことが好ましい。
これまで、直流高電圧リレーの接点には、従来の直流低電圧リレーと同様、Ag-酸化物系の接点材料が適用されることが多い。但し、直流高電圧リレーを今後の高電圧化・大電流化へ対応させるためには、Ag-酸化物系の接点材料であっても従来と同じ組成領域では限界があることが予想される。この点、従来の直流低電圧リレーの接点では、上述のとおり、接点材料中のAg以外の金属成分濃度を高くし酸化物量を増加させ、耐久寿命向上を図っている。
しかしながら、直流高電圧リレーにおいては、接触抵抗の観点から、接点材料の酸化物量の増大は好ましいことではない。高導電率金属であるAgに対して、金属酸化物は接点材料全体の導電率を低下させる抵抗体である。酸化物量の増大は、接点材料全体の抵抗値を上昇させることとなる。また、酸化物量が増大すると、接点開閉時のアーク放電が発生したときに生じた損傷部表面に酸化物の凝集層が形成されやすくなる。これも接点材料の接触抵抗値の上昇を引き起こす。
既に述べたとおり、接点の発熱量は、電流の2乗と接触抵抗に比例する。高電圧化・大電流化が図られる直流高電圧リレーの接点材料の接触抵抗を上昇させる酸化物量の増加は、発熱及び溶着の抑制の観点から回避すべき対応である。この点、これまでの直流高電圧リレー向けの各種の接点材料に関する検討例をみるに、それらは一般的な開閉接点用の材料検討の延長線上にあるに過ぎないといえる。そして、直流高電圧リレーへの現実的な適用に向けた報告例は少ないのが現状である。
本発明は、以上のような背景のもとになされたものであり、システムメインリレー等の直流高電圧リレーについて、接点の発熱及び溶着の課題に対応しながら、確実なON/OFF制御が可能な直流高電圧リレーを提供する。この課題において、直流高電圧リレー用の接点には、安定して低接触抵抗値を示す接点材料の適用が必要となる。本発明では、直流高電圧リレーの特色を考慮し、直流高電圧リレーに好適な接点材料を提供する。
上記した本発明の課題は、直流高電圧リレーの接点部分に起因することから、課題解決には接点を構成するAg-酸化物系の接点材料の適正化が多少なりとも関与すると考えられる。もっとも、直流高電圧リレーにおいては、酸化物増加というこれまで適切とされてきた対策を安易に採用することはできない。酸化物量の増加は、接触抵抗上昇による発熱増大につながるからである。
この点、従来の直流低電圧リレーにおいては、酸化物量の増加に伴う接触抵抗の上昇が致命的な問題となるケースは少なかった。従来の直流低電圧回路においては、定格電圧および定格電流が低いこととそれらに明確な規定があった。そのため、酸化物量の増加による発熱のデメリットよりも、耐久性向上による溶着防止効果のメリットが勝っていた。
そこで、本発明者等は接点材料の構成の検討の前に、直流高電圧リレーが有する特色について着目することとした。この直流高電圧リレーの特色とは、固定接点と可動接点との接触力及び開離力の強さである。
一般的に、リレー(同等の機能・構造を有するコンタクタも含む)においては、電磁石又はコイルと適宜の付勢手段との協同により、固定接点と可動接点との接触・離隔を制御して回路の通電・遮断(ON/OFF)を行っている。適宜の付勢手段とは、プランジャー型リレーでは接圧ばね・復帰ばね等があり、ヒンジ型リレーでは可動ばね・復旧ばね等が挙げられる。このような固定接点と可動接点の制御機構は、定格電圧によらずリレー全体に共通するものである。
但し、システムメインリレー等の直流高電圧リレーでは、固定接点と可動接点との接触力及び開離力が高く設定されることが多い。具体的には、一般的な直流低電圧リレーでは接触力及び開離力が10gf~50gf程度で設定されることが多いのに対し、直流高電圧リレーの接触力又は開離力は100gf以上で設定されることが多い。直流高電圧リレーの接触力が高いのは、接点の接触抵抗を低下させて発熱を抑制するためである。接触力は、接点間の接触面積に影響し、接触力を大きく設定するほど接触抵抗が小さくなりジュール熱の発生を抑える事ができると共に接触面の溶融・溶着の低減効果をもたらす。一方、開離力は接点を離隔位置に戻す為の復帰力を意味する。直流高電圧リレーにおいては、接点の開閉動作をスムーズに行うため、接触力の増大に伴い開離力も増大する傾向にある。
開閉接点において接点の溶着による遮断不良が生じるのは、溶着により固定接点と可動接点とが固着し、設定された開離力で引き離すことができなくなるからである。定格や仕様が明確に規定されている従来の直流低電圧リレーにおいては、接触力及び開離力の設定に上限があり、それらの設定値もさほど大きくない。そのため、従来の直流低電圧リレーでは、小型・軽量化等を優先し、低い接触力及び開離力を設定するために溶着の問題が顕在化し易かった。この場合の溶着は、リレーの特性による解決が困難である。そこで、接点材料の特性で対応することが期待され、接点材料には厳しい耐溶着性が要求されてきた。
これに対して、高い接触力及び開離力が設定される直流高電圧リレーでは、固定接点と可動接点とが溶着し得る状態にあったとしても、高められた開離力でそれらを引き離せる可能性がある。本発明者等は、本発明の対象である直流高電圧リレーにおいては、接点材料の耐溶着性に対して、従来の直流低電圧リレーよりも柔軟に設定することができると考察した。このような、ある程度の溶着を許容する着想は、直流高電圧リレーのみならず開閉接点の分野では特異なものである。システムメインリレー等の直流高電圧リレーは、近年の高電圧電源の発展により普及し始めた機器であり、未知の設定事項も多いことが予測される。こうした接点に対する耐溶着性の許容度もその一つといえる。
耐溶着性に関して柔軟に対応できると考察すると、直流高電圧リレーの接点材料として優先されるべき特性は、安定的な低接触抵抗特性である。そして、Ag-酸化物系接点材料の接触抵抗の低下には、酸化物量の低減が有効である。Ag-酸化物系接点材料にとって酸化物量の低減は耐溶着性の悪化に繋がるが、上記のとおり、耐溶着性に関しては柔軟に対応でき、高い接触力又は開離力が設定できる場合には、かなりの程度の耐溶着性の低下が許容できる。
もっとも、直流高電圧リレーに適用される接点材料にとって、耐溶着性が全く不要であるというわけではない。接触力及び開離力を高く設定できるといっても、そのためには構成部品およびリレー本体の大型化の必要性が伴うため、無制限に接触力及び開離力を大きくはできない。要求仕様に対して、課題を解決しつつ、市場の小型化ニーズに応える必要があるため、適用される接点材料にはある程度の耐溶着性が求められる。
本発明者等は、所定の接触力と開離力を有する直流高電圧リレーに適用可能なAg-酸化物系接点材料を見出すべく、接触抵抗の低減と耐溶着性との関連から好適な酸化物含有量を見出すべく検討を行った。そして、従来の一般的な開閉接点用のAg-酸化物系接点材料に対して、酸化物含有量を低減して所定範囲としたAg-酸化物系接点材料を見出し、これを適用する本発明に想到した。
上記課題を解決する本発明は、可動接点と固定接点とからなる接点対を少なくとも一対備え、前記接点対の接触力及び/又は開離力が100gf以上である、定格電圧48V以上の直流高電圧リレーにおいて、前記可動接点及び/又は前記固定接点は、Ag-酸化物系の接点材料からなり、前記接点材料の金属成分は、Snを必須的に含む少なくとも1種の金属Mと、残部Ag及び不可避的不純物金属とからなり、前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、前記金属Mの含有量が0.2質量%以上8質量%以下であり、前記接点材料は、Ag又はAg合金からなるマトリックス中に、前記金属Mの酸化物が1種以上分散する材料組織を有する、直流高電圧リレーである。
以下、本発明に係る直流高電圧リレー、及び直流高電圧リレー用の接点材料について詳細に説明する。尚、本発明で適用する接点材料においては、酸化物の含有量をAg以外の金属元素である金属Mの含有量に基づいて規定する。そして、金属Mの含有量は、接点材料を構成する全ての金属成分の合計質量を基準として規定される。また、本発明で適用する接点材料はAg-酸化物系接点材料であるので、その構成元素は、Ag、金属M、不可避不純物金属、酸素及び非金属の不可避不純物元素となる。但し、金属成分及び不可避不純物金属の解釈においては、TeやSi等の半金属と称される元素も金属として取り扱う。
A.本発明に係る直流高電圧リレー
本発明における直流高電圧リレーは、定格電圧48V以上であることと、接触力又は開離力が100gf以上であることを必須の条件とする。他の構成や特性に関しては、従来のシステムメインリレー等の直流高電圧リレーと同様である。以下の説明では、上記2つの必須条件の説明と行うと共に、任意的に具備することができる直流高電圧リレーの構成について説明する。
A-1.定格電圧
定格電圧が48V未満のリレー、例えば、12Vから24Vの低電圧を扱う従来の直流低電圧リレーでは、システムメインリレー等の直流高電圧リレーに要求される特性を満足することができない。そして、そのような従来の直流低電圧リレーに本発明を適用する意義は少ない。よって、本発明に係る直流高電圧リレーは、定格電圧48V以上を対象とした。尚、本発明に係る直流高電圧リレーの定格電圧の上限は3000V以下とするのが好ましい。また、本発明に係る直流高電圧リレーの定格電流は、10A以上3000A以下が想定される。
A-2.本発明に係る直流高電圧リレーの接触力及び開離力
そして、本発明は、接触力又は開離力が100gf以上の直流高電圧リレーに適用される。上述のとおり、本発明の直流高電圧リレー及びそれに搭載される接点材料は、適用される直流高電圧リレーの接触力又は開離力との関係に基づき、耐溶着性を柔軟に設定している。対象となる直流高電圧リレーは、可動接点と固定接点との間において、接触力又は開離力が100gf以上に設定されているものである。ここでの設定値100gfは、直流高電圧リレーへの要求特性に対応するための下限値を想定しており、この場合、適用される接点材料には充分な耐溶着性を有している事が求められる。一方、接触力又は開離力の上限値は5000gfが想定される。接触力又は開離力は、構成部品及びリレー本体のサイズアップに伴い、強化される事になる。但し、リレーの小型化や軽量化の観点からは、できるだけ低い接触力・開離力を有するリレー設計が望まれる。本発明によれば、固定接点及び可動接点に適用する接点材料の好適化により、発熱・溶着を抑制しつつ、好適な接触力・開離力の直流高電圧リレーを設定することができる。尚、接触力及び開離力は、双方が100gf以上であっても良い。また、接触力と開離力は同じ値である必要はない。
接触力又は開離力は、後述するリレーの構成部材である、電磁石又はコイル及び適宜の付勢手段の容量や寸法等によって調整することができる。尚、適宜の付勢手段とは、プランジャー型リレーでは接圧ばね・復帰ばね等があり、ヒンジ型リレーでは可動ばね・復旧ばね等が挙げられる。
A-3.本発明に係る直流高電圧リレーの構造
本発明に係る直流高電圧リレーは、上記した定格電圧と接触力及び開離力によって特徴づけることができる。そして、定格電圧と接触力及び開離力以外の機能や構成・機構は、従来の直流高電圧リレー同様とすることができる。以下、本発明に係る直流高電圧リレーの構造等について説明する。
A-3-1.直流高電圧リレーの全体構造と構成部材
直流高電圧リレーは、大別すると、可動接点を移動させるための駆動力を発生及び伝達する駆動セクションと、直流高電圧回路の開閉を行う接点セクションとで構成される。駆動セクションは、駆動力を発生する電磁石又はコイルと、駆動力を接点セクションに伝達する伝達手段(後述のプランジャー又は接極子)と、接点対を接触又は開離するために伝達手段を付勢する付勢手段(接圧ばね、復帰ばね、可動ばね、復旧ばね等のばね)を備える。接点セクションは、駆動セクションの伝達手段によって移動する可動接点と固定接点とからなる接点対と、可動接点を接合する可動端子及び固定接点を接合する固定端子を備える。直流高電圧リレーは、接点対の物理的な構成の相違に基づき、プランジャー型とヒンジ型に概ね区分される
図1は、プランジャー型の直流高電圧リレーの構造の一例を示す図である。プランジャー型リレーは、接点セクションをプランジャー形電磁石によって駆動し、接点対の開閉を行うリレーである。プランジャー型リレーの接点セクションは、可動接点、固定接点、可動端子、固定端子の各部材によって構成される。また、プランジャー型リレーの駆動セクションは、電磁石、可動鉄心、固定鉄心、伝達手段であるプランジャー、付勢手段である接圧ばね及び復帰ばねによって構成される。接圧ばね、復帰ばね等のばね類は、リレー構造により、押しばね、引張ばねのいずれかが選択される。また、伝達手段であるプランジャーは、可動鉄心、シャフト等と称されることがある。尚、上記の構成部材に加えて、電磁反発抑制ヨーク、消弧用磁石(永久磁石)、端子カバー、電極、緩衝ばね(緩衝ゴム)等の付帯的部材を備えていても良い。更に、直流高電圧リレーは、回路に接続される配線及び電磁石制御のための配線を含む。
図2は、ヒンジ型の直流高電圧リレーの構造の一例を示す図である。ヒンジ型リレーは、電磁石の接極子が支点を中心に回転運動を行い、直接又は間接に可動接点を駆動して接点対の開閉を行うリレーである。ヒンジ型リレーの接点セクションは、可動接点、固定接点、可動ばね(可動端子)、固定端子(固定ばね)の各部材によって構成される。ヒンジ型リレーの駆動セクションは、コイル、鉄心、継鉄、伝達手段である接極子、付勢手段である復帰ばねによって構成されている。復帰ばね等のばね類は、リレー構造により、押しばね、引張ばねのいずれかが選択される。また、図2のヒンジ型リレーのように、伝達手段として接点駆動カードを備え、これにより接点を駆動させるものもある。尚、上記の構成部材に加えて、消弧用磁石(永久磁石)、端子カバー、電極等の付帯的部材を備えていても良い。更に、直流高電圧リレーは、回路に接続される配線及び電磁石制御のための端子、配線を含む。
直流高電圧リレーにおいては、接点セクションの接点対の近傍に消弧用磁石が必要に応じて設置される。消弧用磁石は、可動接点と固定接点とが開離するときに接点間に生じるアーク放電をローレンツ力で引き伸ばして速やかに消弧する。消弧用磁石は、接点対の開閉動作には関与しないので、必須の部品では無い。但し、消弧用磁石は、直流高電圧リレーにおいては、顕著なアーク消弧効果を発揮し得るので、多くの製品で使用されている。消弧用磁石の磁束密度が大きいほど、アーク消弧完了までの時間は短縮される。消弧用磁石の種類は製造コスト、動作設計バランスとの兼ね合いでフェライト磁石又は希土類磁石のいずれかが選択される。
以上説明した各種の構成部材は、機器全体を形作るためのケース、ボディ等に収容される。ケース、ボディは、リレー構造を外力から保護しゴミ・塵等の侵入を防ぐと共に、外気・ガスの侵入防止の必要性に応じた気密構造を有する。直流高電圧リレーの気密構造については、ケースの端子部分や嵌合部等の隙間について未処理とする大気開放型や、隙間を樹脂等のシール材で封止する樹脂封止型が知られている。また、隙間が封止された密封構造のケースに、水素ガスや窒素ガス等の冷却ガスを封入する冷却ガス封入型も知られている。本発明に係る直流高電圧リレーは、これらの気密構造のいずれも採用することができる。
A-3-2.接点対の数
本発明の直流高電圧リレーは、一般的なリレーと同様、可動接点と固定接点とからなる接点対を少なくとも一対備える。接点対の数は一つでも良い。但し、システムメインリレー等の直流高電圧リレーにおいては、二つの接点対を有するダブルブレーク構造が採用されたものが多い。図1で例示した直流高電圧リレーは、ダブルブレーク構造の直流高電圧リレーの構造の一例を示すものである。ダブルブレーク構造を採用する事で二対の接点対で電圧が分圧され、速やかなアーク消弧が達成される。よって、接点対が多くなれば、アーク消弧の効果が大きくなる。但し、接点対が多すぎると、制御が困難となる。また、接点対を多数設定すると、多くのスペースが必要となる。そのため、小型化等の要請に対応することを考慮すると、ダブルブレーク構造の直流高電圧リレーが好ましい。
A-3-3.接点の構造
本発明に係る直流高電圧リレーは、その可動接点及び固定接点の少なくともいずれかについて、後述する接点材料を適用する。可動接点及び固定接点の少なくともいずれかが、可動端子及び固定端子に接合される。具体的な態様としては、可動接点及び固定接点の双方を後述する接点材料で構成し、それぞれの端子に接合する場合の他、可動接点又は固定接点のいずれか一方を後述する接点材料で構成し、他方を他の接点材料で構成し、それぞれの端子に接合することもできる。更に、可動接点(又は固定接点)を後述する接点材料とする一方で、他方の固定接点(又は可動接点)には、接点材料を接合することなく固定端子(又は可動端子)をそのまま使用することもできる。この一方の接点を端子のみで構成する態様において、当該接点が可動接点又は固定接点として作用し、接点対を構成する。
可動接点及び固定接点の形状および寸法については特に制限は無い。想定される可動接点又は固定接点の形状は、リベット接点、チップ接点、ボタン接点、ディスク接点等が挙げられる。また、可動接点及び固定接点は、後述する接点材料からなるムク材でも良いが、他の材料とクラッドしていても良い。例えば、Cu又はCu合金やFe系合金等からなるベース材に後述する接点材料をクラッドして可動接点及び固定接点としても良い。クラッド材の形状も制限はなく、テープ状接点(クラッドテープ)、クロスバー接点、リベット接点、チップ接点、ボタン接点、ディスク接点等の各種の形状が適用できる。
尚、可動端子及び固定端子の構成材料としては、Cu又はCu合金やFe系合金が用いられる。また、必要に応じて、それらにSnメッキ、Niメッキ、Agメッキ、Cuメッキ、Crメッキ,Znメッキ、Ptメッキ、Auメッキ、Pdメッキ、Rhメッキ、Ruメッキ、Irメッキ等の表面処理が施される。
可動接点及び固定接点をそれぞれの端子へ接合する方法としては、カシメ、ロウ付け、溶接等の加工手段で行うことができる。また、可動端子及び/又は固定端子の表面の一部又は全部を、スパッタリング等の表面処理によって、後述の組成の接点材料を被覆して可動接点・固定接点としても良い。
B.可動接点と固定接点の構成材料(本発明に係る接点材料)
本発明に係る直流高電圧リレーは、高い接触力及び開離力を有することを考慮し、可動接点と固定接点の好適な構成材料として所定の接点材料を適用することを特徴とする。
即ち、本発明の接点材料は、定格電圧48V以上であり、接点対の接触力及び/又は開離力が100gf以上である直流高電圧リレーの可動接点及び/又は固定接点の少なくとも表面を構成するためのAg-酸化物系の接点材料であって、前記接点材料の金属成分は、Snを必須的に含む少なくとも1種の金属Mと、残部Ag及び不可避的不純物金属とからなり、前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、前記金属Mの含有量が0.2質量%以上8質量%以下であり、前記接点材料は、Ag又はAg合金からなるマトリックス中に、前記金属Mの酸化物が1種以上分散する材料組織を有する、直流高電圧リレー用の接点材料である。以下、本発明で適用する接点材料の組成と材料組織、及び製造方法について説明する。
B-1.本発明で適用する接点材料の組成
本発明の直流高電圧リレーに適用される接点材料は、金属成分がAg、金属M、不可避的不純物金属であるAg-酸化物系の接点材料である。金属成分である金属Mは、マトリックス中に分散する酸化物の構成元素として存在する。この酸化物は、接点材料の機械的強度の向上や耐溶着性の向上のため分散している。上記のとおり、本発明の対象である直流高電圧リレーについては、接点の耐溶着性を柔軟に解釈している。即ち、直流高電圧リレーの接触力及び/又は開離力を高く設定できるのであれば、接点材料自体の耐溶着性の低下を許容している。但し、これは耐溶着性が不要であることを意味する訳ではない。本発明においても、耐溶着性はある程度必要であるので、酸化物を形成・分散させている。よって、本発明で適用する接点材料において、金属Mは必須の金属元素である。
本発明では金属Mの含有量を、接点材料の全金属成分の合計質量に対し0.2質量%以上8質量%以下とする。金属Mが0.2質量%未満では、酸化物の分散量が過少となり、機械的強度及び耐溶着性の低下が懸念され、実質的に純Agと同等の材料となる。そのため、接触力又は開離力の設定によっては、遮断不良が発生するおそれがある。また、酸化物量が過少となると、接点材料が溶融して接点形状の崩れが生じる。接点形状が顕著に崩れると、復帰後の可動接点と固定接点の正常な接触が行われず接触不良が生じる。一方、8質量%を超える金属Mを含む接点材料は、接触抵抗が高く、直流高電圧リレーでの発熱の問題を解消できない。尚、本発明では、Ag、金属M、不可避不純物金属の含有量を、全金属成分の合計質量に対する質量濃度で規定する。全金属成分の合計質量とは、接点材料全体の質量から酸素やその他のガス成分等の金属成分以外の成分の質量を除した質量である。
また、直流高電圧リレーに充分に高い接触力又は開離力を設定した場合、相応の耐溶着性の低下を許容することができる。そのような場合、金属Mの含有量は、接触抵抗の観点から0.2質量%以上3質量%以下が好ましい。一方、小型・軽量化の観点から、直流高電圧リレーの接触力又は開離力の設計に制限がある場合、耐溶着性と接触抵抗とのバランスをより深く考慮する必要がある。そのような場合、金属Mの含有量は、3質量%以上6質量%以下が好ましい。
尚、上記で説明した本発明の直流高電圧リレーの接点材料の添加金属(金属M)の含有量は、従来の一般的な車載リレー等の接点材料の添加金属の含有量よりも意図的に低減されている。一般的な車載リレー等で実用されている接点材料(Ag-酸化物系接点材料)では、Ag以外の金属成分(本発明の金属M)の含有量が10質量%を超えるものが一般的である。
本発明で適用するAg-酸化物系接点材料は、金属Mとして必須的にSnを含む。SnはAg-酸化物系接点材料の構成金属として従来から添加されている金属であり、その酸化物(SnO)による材料強化作用や耐溶着性向上作用を考慮するものである。本発明においては、Snは必須であり、金属MとしてSnのみを含んでいても良い。後者において、本発明の接点材料は、Snを0.2質量%以上8質量%以下含む。接触力又は開離力の設計に制限がある場合、好ましくは、Sn含有量は、3質量%以上6質量%以下とする。
そして、本発明で適用するAg-酸化物系接点材料は、Snを必須としつつ、金属Mとして他の金属を含むことができる。具体的には、In、Bi、Ni、Teを含むことができる。これらの金属は、Snを含むAg-酸化物系接点材料の硬度を調整し、接触抵抗の上昇を抑制する作用を発揮する傾向がある。以下、これらの金属の添加量について言及する。下記の各元素の添加量は、下限値未満であれば上記の効果がなく、上限値をこえると加工性の低下が懸念される。
Inは、単独での酸化物(In)として分散する。接点材料が金属MとしてInを含むとき、接点材料の全金属成分の合計質量に対するInの含有量を0.1質量%以上5質量%以下とするのが好ましい。Snの含有量は0.1質量%以上7.9質量%以下とするのが好ましい。接触力又は開離力の設計に制限がある場合、Inの含有量を0.1質量%以上3.1質量%以下とし、Snの含有量を2.8質量%以上5.8質量%以下としつつ、金属Mの含有量を6質量%以下とするのが好ましい。
Biは、単独での酸化物(Bi)、又は、Snとの複合酸化物(BiSn)の少なくともいずれかの酸化物となって分散する。Biは、金属MがSnである接点材料、又は金属MがSn及びInである接点材料に有用な添加元素である。接点材料がBiを含有する場合、接点材料の全金属成分の合計質量に対するBiの含有量を0.05質量%以上2質量%以下とするのが好ましい。そして、Snの含有量を0.1質量%以上7.95質量%以下とするのが好ましい。接触力又は開離力の設計に制限がある場合、Biの含有量を0.05質量%以上2質量%以下とし、Snの含有量を2.9質量%以上5.95質量%以下としつつ、金属Mの含有量を6質量%以下とするのが好ましい。尚、任意的に含まれるInの含有量は0.1質量%以上5質量%以下とするのが好ましい。
Teは、単独での酸化物(TeO)として分散する。Teは、金属MがSnである接点材料、又は金属MがSn及びInである接点材料に有用な添加元素である。接点材料が金属MとしてTeを含むとき、接点材料の全金属成分の合計質量に対するTeの含有量を0.05質量%以上2質量%以下とするのが好ましい。Snの含有量は0.1質量%以上7.95質量%以下とするのが好ましい。任意的に含まれるInの含有量は0.1質量%以上5質量%以下とするのが好ましい。接触力又は開離力の設計に制限がある場合、Teの含有量を0.05質量%以上2質量%以下とし、Snの含有量を2.8質量%以上5.8質量%以下としつつ、金属Mの含有量を6質量%以下とするのが好ましい。この場合、任意的に含まれるInの含有量は0.1質量%以上3.1質量%以下とするのが好ましい。
Niは、単独での酸化物(NiO)として分散する。Niは、金属MがSn及びInである接点材料、又は金属MがSn及びTeである接点材料に有用な添加元素である。接点材料が金属MとしてNiを含むとき、Niの含有量を0.05質量%以上1質量%以下とするのが好ましい。Snの含有量は0.1質量%以上7.85質量%以下とするのが好ましい。また、選択的に添加されるIn又はTeについては、Inの含有量は0.1質量%以上5質量%以下とし、Teの含有量は0.05質量%以上2質量%以下とするのが好ましい。これら3つの金属M(Sn+In+Ni又はSn+Te+Ni)の含有量を8質量%以下とするのが好ましい。接触力又は開離力の設計に制限がある場合には、Niの含有量を0.05質量%以上1質量%以下とし、Snの含有量を2.8質量%以上5.7質量%以下としつつ、金属Mの含有量を6質量%以下とするのが好ましい。この場合、選択的に添加されるIn又はTeについては、Inの含有量は0.1質量%以上3.1質量%以下とし、Teの含有量は0.05質量%以上2質量%以下とするのが好ましい。
本発明に係る接点材料の金属成分は、以上説明した金属Mと残部Ag及び不可避不純物金属からなる。不可避不純物金属としては、Ca、Cu、Fe、Pb、Pd、Zn、Al、Mo、Fe、Mg、La、Li、Ge、W、Na、Zr、Nb、Y、Ta、Mn、Ti、Co、Cr、Cd、K、Si等が挙げられる。これらの不可避不純物金属の含有量は、接点材料の全金属成分の合計質量に対して、それぞれ0質量%以上1質量%以下が好ましい。
尚、上述のとおり、本発明で適用される接点材料は、Ag-酸化物系接点材料であり、上記金属成分に加えて、酸素と非金属の不可避不純物元素を含む。本発明の接点材料における酸素含有量は、接点材料全体の質量基準で、0.025質量%以上2質量%以下である。また、非金属の不可避不純物元素としては、C、S、P等が挙げられる。これらの不可避不純物元素の含有量は、接点材料全体の質量に対して、それぞれ0質量%以上0.1質量%以下が好ましい。更に、上記した不可避不純物金属と非金属の不可避不純物元素とが金属間化合物を形成する場合がある。例えば、WC、TiC等が想定される。こうした金属間化合物については、接点材料全体の質量に対して、それぞれ0質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
B-2.本発明で適用する接点材料の材料組織
本発明の直流高電圧リレーで適用される接点材料は、Ag-酸化物系接点材料である。その材料組織は、基本的に、従来のAg-酸化物系接点材料と同様である。即ち、Ag及び/又はAg合金からなるマトリックス中に、少なくとも1種の前記金属Mの酸化物が分散する材料組織を有する。このマトリックスは、Ag(純Ag)又はAg合金、若しくは、AgとAg合金とからなる。Ag合金とは、Agと添加元素M又は不可避不純物金属との合金であるが、一組成の単一相のAg合金に限定されず、金属M等の固溶量が相違する複数のAg合金で構成される場合もある。これは、その接点材料がAgと金属Mとの合金の内部酸化によって製造される場合、その酸化の程度によってAg合金の組成と構造は変化し得る事を示す。以上から、マトリックスは、金属Mを含む場合がある。マトリックス中の金属Mの濃度(平均濃度)は4質量%以下が好ましいが、上限8質量%未満、例えば7質量%以下でも接点材料として使用可能である。一方、マトリックス中に分散する酸化物粒子の構成は、金属Mに基づき、SnO、Bi、BiSn、In、NiO、TeO等の酸化物の少なくとも1種が分散する。
上記のとおり、本発明では分散する酸化物の含有量(金属Mの含有量)を従来のAg-酸化物系接点材料に対して意図的に低減し、安定した低接触抵抗を得ている。但し、本発明においても、耐溶着性や材料の機械的強度を無視することは意図していない。そこで、本発明では、酸化物量を抑制しつつも、酸化物粒子を微細化することで、酸化物数を増加させて粒子間距離を短縮して分散効果を高めている。これにより、直流高電圧リレーに対して要求される最低限の材料強度と耐溶着性や材料強度を確保している。
本発明で適用される接点材料の材料強度は、ビッカース硬度で50Hv以上150Hv以下であることが好ましい。50Hv未満では強度が低過ぎて接点対の開閉により変形するおそれがある。また、150Hvを超える硬い材料は、接触抵抗が高くなるおそれがある。
本発明で適用される接点材料は、マトリックス中に分散する酸化物の平均粒径を0.01μm以上0.3μm以下とするのが好ましい。本発明では酸化物含有量を低減していることから、酸化物の平均粒径が0.3μmを超えると、粒子間距離が拡大し、分散効果が抑制される。一方、酸化物の平均粒径は小さい方が好ましいが、0.01μm未満とすることは困難である。尚、本発明において、酸化物粒子の粒径とは、円相当径(面積円相当径)であって、粒子の面積に相当する面積を有する真円の直径である。
また、本発明で適用される接点材料においては、分散する酸化物粒子の粒径が揃っていることが好ましい。この基準としては、任意断面を観察して全酸化物粒子について粒径分布を測定したときの累積個数が90%となるときの粒径(D90)が0.5μm以下であることが好ましい。
尚、本発明で適用される接点材料では、酸化物の含有量を低減していることから、材料組織を観察した場合、酸化物の面積が比較的低いものとなる。具体的には、任意断面を観察したとき、当該断面おける酸化物の面積率が0.1%以上15%以下となっている。この面積率は、接点材料を任意の方向で切断した断面を、顕微鏡(好ましくは電子顕微鏡)で1000~10000倍で観察することで測定できる。このときの観察視野面積を接点材料の全体面積とし、視野中の酸化物粒子の合計面積が占める割合を算出すれば良い。上記の平均粒径もこの観察において算出することができる。また、適宜に画像処理ソフトウェアを使用することができる。
B-3.本発明で適用する接点材料の製造方法
次に、本発明の直流高電圧リレーで適用されるAg-酸化物系接点材料の製造方法について説明する。本発明の接点材料は、内部酸化法又は粉末冶金法若しくは内部酸化法と粉末冶金法との組み合わせによって製造可能である。
内部酸化法では、Agと金属Mとの合金(Ag-M合金)を製造し、内部酸化処理をすることで接点材料とすることができる。ここで製造される合金は、具体的には、Ag-Sn合金(Sn:0.2~8質量%、残部Ag)、Ag-Sn-In合金(Sn:0.1~7.9質量%、In:0.1~5質量%、残部Ag)、Ag-Sn-Bi合金(Sn:0.1~7.95質量%、Bi:0.05~2質量%、残部Ag)、Ag-Sn-In-Bi合金(Sn:0.1~7.85質量%、In:0.1~5質量%、Bi:0.05~2質量%、残部Ag)、Ag-Sn-Te合金(Sn:0.1~7.95質量%、Te:0.05~2質量%、残部Ag)、Ag-Sn-In-Te合金(Sn:0.1~7.85質量%、In:0.1~5質量%、Te:0.05~2質量%、残部Ag)、Ag-Sn-In-Ni合金(Sn:0.1~7.85質量%、In:0.1~5質量%、Ni:0.05~1質量%、残部Ag)Ag-Sn-In-Te-Ni合金(Sn:0.1~7.8質量%、In:0.1~5質量%、Te:0.05~2質量%、Ni:0.05~1質量%、残部Ag)等であり、これらは公知の溶解鋳造法にて製造可能である。所望の組成に調整した合金溶湯を製造し、鋳造することで合金を得ることができる。
そして、Agと金属Mとの合金を内部酸化し、金属Mを酸化物にして接点材料とする。Ag-M合金の内部酸化の条件としては、酸素分圧0.9MPa以下(大気圧以上)とし、温度を300℃以上900℃以下が好ましい。大気圧未満又は温度が300℃未満の条件下では、内部酸化を進行させることができず、合金内部に酸化物粒子を分散させることができない。一方、酸素分圧が0.9MPaより大きいと凝集酸化物の析出が懸念される。また、温度が900℃より高いと、合金の一部・全部が溶融するおそれがある。内部酸化処理の処理時間は、24時間以上とするのが好ましい。
内部酸化法による接点材料の製造では、合金インゴットを適宜に成形加工し、これを内部酸化処理して適宜に成形加工して接点材料とすることができる。また、合金インゴットを粉砕、切断等して固片(小片、チップ)にし、この固片を上記条件で内部酸化処理して収集し、圧縮成形して加工用のビレットにしても良い。製造したビレットは、押し出し加工及び線引き加工等の適宜の加工が可能であり、これにより所定の形状・寸法の接点材料とすることができる。
粉末冶金法では、Ag粉末と金属Mの酸化物の粉末(SnO粉末、In粉末等)を混合し圧縮した後、焼結することで接点材料が製造される。Ag粉末及び酸化物粉末は、平均粒径が0.5μm以上100μm以下のものが好ましい。そして、粉末を焼結するときの焼結温度は、700℃以上900℃以下が好ましい。
また、内部酸化法と粉末冶金法とを組み合わせて接点材料を製造することもできる。この場合には、Agと金属Mとの合金からなる粉末(Ag-M合金粉末)を製造し、この合金粉末を内部酸化処理した後に圧縮及び焼結して接点材料を製造する。この製造方法において、Ag-M合金粉末は、上記と同じ組成のAg合金(Ag-Sn合金、Ag-Sn-In合金、Ag-Sn-Bi合金、Ag-Sn-In-Bi合金、Ag-Sn-Te合金、Ag-Sn-In-Te合金、Ag-Sn-In-Ni合金、Ag-Sn-In-Te-Ni合金)からなる粉末である。この合金粉末は、平均粒径が100μm以上3.0mm以下の粉末が好ましい。Ag合金粉末の内部酸化の条件は、上記と同様の条件が好ましい。そして、Ag合金粉末を焼結するときの焼結温度は、700℃以上900℃以下が好ましい。
以上説明したように、本発明に係る直流高電圧リレーは、接点対における発熱及び溶着の課題に対応しつつ、確実なON/OFF制御を行うことができる。この効果は、直流高電圧リレーに設定された高い接触力及び開離力と、可動接点及び固定接点を構成する接点材料の特性との協同による。
本発明の直流高電圧リレーに適用される接点材料は、分散する酸化物の含有量を敢えて低減している。これにより安定した低接触抵抗特性を実現し、直流高電圧リレーの発熱の問題を解消している。本発明では、直流高電圧リレーの接触力及び開離力を活用しながら、最低限の酸化物量を設定することで、溶着による遮断不良のない接点対を形成している。
プランジャー型の直流高電圧リレー(ダブルブレーク構造)の構成の一例を示す図。 ヒンジ型の直流高電圧リレーの構成の一例を示す図。 第1実施形態の実施例4、6、8、及び比較例2の接点材料の断面のSEM像。 第1実施形態の実施例4の接点材料の酸化物の粒度分布を示す図。 第2実施形態の実施例36の接点材料の断面のSEM像と酸化物粒子の粒度分布を示す図。 第3実施形態のコンデンサ負荷耐久試験で使用した回路を示す図。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、金属M及び組成を調整して各種のAg-酸化物系接点材料を製造し、組織観察と硬度測定を行った。そして、製造したAg-酸化物系接点材料を直流高電圧リレーに接点を組み込み、その特性評価を行った。
第1実施形態:本実施形態では、各種のAg-酸化物系接点材料を、内部酸化法と粉末冶金法で製造して材料特性の検討後、直流高電圧リレー(接触力/開離力:75gf/125gf)を製造して性能評価した。
内部酸化法による接点材料の製造では、高周波溶解炉で各組成のAg合金を溶解してインゴットを鋳造した。そして、インゴットを3mm以下の固片にして、上述の条件で内部酸化した。そして、内部酸化後の固片を収集し、圧縮成形してφ50mmのビレットを形成した。このビレットを熱間押し出し加工し、続いて線引き加工にて直径2.3mmの線材とし、ヘッダーマシンによってリベット型の接点材料を製造した。尚、実施例15、27の接点材料は、内部酸化処理を接点材料加工後に行った。実施例15、27では、合金インゴットを内部酸化せずに各加工工程を実施し、リベット形状に加工した後に内部酸化処理し、適宜に成形加工してリベット型の接点材料とした。
粉末冶金法による接点材料の製造では、Ag粉末と酸化物粉末(いずれも平均粒径0.5~100μm)を混合し、圧縮成形してφ50mmのビレットを形成した。そして、製造したビレットを熱間押し出し加工し、続いて線引き加工にて直径2.3mmの線材とし、ヘッダーマシンによって、リベット型の接点材料を製造した。
本実施形態では、可動接点用及び固定接点用の2種のリベット型接点材料を製造した。可動接点の頭部の寸法は、直径3.15mm×高さ0.75mmとし、固定接点の頭部の寸法は、直径3.3mm×高さ1.0mmとした。
[硬度測定]
上記の接点材料の製造工程において、線引き加工し焼鈍(温度700℃)した線材からワイヤサンプルを切り出して硬度測定を行った。硬度測定は、サンプルを樹脂に埋め込み、横断面(短手方向断面)が露出するように面出し研磨を行い、ビッカース硬度計で測定した。測定条件は、荷重200gfとして、5箇所測定して平均値を硬度値とした。
本実施形態で製造した実施例(実施例1~32)の接点材料の組成と硬度値を表1に示す。また、比較例(比較例1~10)の接点材料の組成と硬度値を表2に示す。尚、本実施形態では対比のため、酸化物粒子のない純Agからなる接点材料も製造し評価した(比較例10)。このAg接点は、溶解・鋳造したビレットを熱間押し出し加工等して製造した。Ag接点の硬度測定に関しては、Ag線材を焼鈍(温度700℃)した後、加工率4.2%の線引き加工をしてからサンプルを切り出して測定した。
Figure 0007230001000001
Figure 0007230001000002
[組織観察]
次に、各接点材料の組織観察を行った。硬度測定のときと同様にして樹脂埋めしたサンプルの横断面を電子顕微鏡(SEM)で観察した(倍率5000倍)。そして、撮像したSEM画像について、粒子解析ソフトウェアを用いた画像処理を行った。画像処理では、接点材料中の酸化物の分散状態として、酸化物の合計面積(視野面積に対する面積率)、平均粒子径、粒径分布を測定・分析した。この解析には、オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社製の粒子解析システムAZtecFeatureを使用した。また、粒径は円相当径(面積円相当径)を求めた。個々の酸化物粒子の面積fに基づき、円相当径の算出式((4f/π)1/2)により酸化物粒子の粒径を算出し、その平均と標準偏差σを計算した。
図3は、実施例4、6、8と比較例2の接点材料のSEM画像である。また、表3は、実施例1~4、6、8、9、12~14、16、18~20、23~26、28、29、32、及び比較例2、3、8の接点材料に関して測定した酸化物粒子の状態を示すものである。図3及び表3から、各実施例の接点材料においては、Agマトリックス中で微細な酸化物粒子が分散していることがわかる。一方、比較例の接点材料では、比較的粗大な酸化物粒子が分散している。
Figure 0007230001000003
また、図4は、実施例4の接点材料における酸化物粒子の粒度分布である。図4から、この実施例の接点材料において分散する酸化物粒子は、微細であると共に粒径の揃った粒子であることが分かる。この実施例4の酸化物粒子の粒径分布から、累積個数が90%となる粒径(D90)は、0.2μm以下である。尚、他の実施例においても同様に粒度分布を測定した結果、何れの実施例に関してもD90が0.5μm以下であった。
[直流高電圧リレーにおける遮断耐久評価試験]
次に、各実施例、比較例の接点材料を組み込んだ直流高電圧リレーを製造し、その諸特性の評価試験を行った。ここでは、図1と同型のダブルブレーク構造のリレーを用意し、その可動端子及び固定端子に、各接点材料からなるリベット型接点を接合した(合計4箇所の接点で2組の接点対を形成した)。接点の寸法(リベットの頭部寸法)は、可動接点が直径3.15mm×厚さ0.75mm(頭部を上面から観察したときの接点表面の面積7.79mm)、固定接点が直径3.3mm×厚さ1.0mm(頭部を上面から観察したときの接点表面の面積8.55mm)である。また、可動接点及び固定接点の周辺に消弧用磁石(磁束密度が200mTのネオジム磁石を2個使用)を配置した。ガウスメータでの測定から接点接触時の中心位置における磁束密度は26mTであった。
本実施形態における直流高電圧リレーの評価試験では、異常発生時の遮断動作を模擬した遮断動作を繰返し行い、接点の溶着による遮断不良が生じるまでの回数(遮断回数)を測定した。この遮断回数は、リレーの接触力・開離力と耐溶着性との関連によって特徴付けられる、接点材料の遮断耐久性を示す基準となる。即ち、この試験で測定される遮断回数は、単なる耐溶着性の評価ではなく、実機であるリレーの使用可能性の指標となる。本実施形態における遮断耐久試験の試験条件は、電圧・電流:DC360V・400A、可動接点の接触力/開離力:75gf/125gfとした。接触力の設定は接圧ばねの強さ、開離力の設定は復帰ばねの強さにより調整した。評価試験に用いた直流高電圧リレーはダブルブレーク構造であるため、各接点対にかかる力は接圧ばね及び復帰ばねによって与えられる力の1/2となる。その各接点対にかかる力をそれぞれ接触力及び開離力とした。この遮断耐久試験では、遮断回数100を上限とし、100回に到達したサンプルはその時点で測定を終了させた。この遮断耐久試験では、遮断回数が50回以上である接点を合格と判定した。遮断回数が50回未満の接点は、直流高電圧リレーに要求される耐溶着性を満たさないと判断した。尚、実使用上は、直流高電圧リレーの本遮断は異常時に1回だけ発生する。よって、遮断耐久試験における50回という遮断回数の合格基準は、マージンを考慮しても相当に高度な基準といえる。
また、上記の遮断耐久試験後の接点材料について、溶融面積を測定した。溶融面積の測定は、遮断耐久試験後の接点表面をデジタルマイクロスコープで上方から観察し、溶融部分をエリア選択で囲み、その部分の面積をデジタルマイクロスコープの計測機能を用いて接点表面の面積として測定した。そして、耐久試験前の面積との差を求め、その面積差をサンプルの遮断試験回数で除算した値を溶融面積とした。溶融面積は、遮断時の負荷によって生じ得る、接点の形状崩れ易さを示す指標となる。本実施形態で使用したダブルブレーク構造の直流リレーでは、2対の接点対があるので、計4つの接点材料が使用されている。溶融面積の測定は、4つの接点材料について行って合計値を評価対象とした。
[接触抵抗・発熱測定]
各実施例、比較例の接点材料について、接触抵抗を測定した。接触抵抗は、各接点材料を上記の遮断耐久試験と同様のリレーに組み込み、遮断耐久試験と同条件の遮断操作を5回行った後の状態の値を測定した。接触抵抗の測定は、5回の遮断操作後、遮断試験回路とは別に用意した抵抗測定用回路(DC5V30A)にリレーの接続を切替て実施した。この接触抵抗測定では、回路に30分の連続通電(30A)を行った時点の端子間の電圧降下を測定した。そして、測定した電圧降下値(mV)を通電電流(30A)で除算した値を接触抵抗(mΩ)とした。
また、この接触抵抗測定の際、接点の発熱による温度上昇の測定も行った。発熱は、接点材料が組み込まれたリレーと抵抗測定用回路とを接続するための端子部分の温度上昇を測定した。この測定では、上記した接触抵抗測定のための連続通電開始から30分経過した時点で、陽極側端子及び陰極側端子の2つの端子の温度を測定し、室温との温度差の平均値を温度上昇(℃)と評価した。尚、以上この直流高電圧リレーでの諸特性の測定・評価は、各接点材料についてn=1~3として実施し、各試験での平均値を測定値とした。
[直流低電圧リレー模擬試験機における耐久性評価]
更に、各実施例、比較例の接点材料について、従来の車載用の直流低電圧リレーにおける使用条件を適用した場合の耐久性を評価した。この評価試験では、各接点材料を直流低電圧リレーの模擬試験機に組み込み、アクチュエータで接点開閉を行わせ、接点閉成時に投入電流を0.1秒間発生させて接点を溶着させ、開離させる際にその溶着を引き離す力を歪ゲ-ジで読み取った。この条件は下記のとおりである。
・試験電圧:DC14V
・投入電流:115A
・負荷:ハロゲンランプ4灯(240W)
・接触力:20gf
・試験温度:20℃
・開閉回数:10000回
この模擬試験機による開閉動作において、開離時の引き離す力が50gfを超えるとき、従来のリレーでの開離力(50gf以下)で溶着による故障(遮断不良)が発生したと判定することができる。本実施形態では、この引き離す力が50gfを超えた回数と測定回数(10000回)から、故障確率を算出して評価した。尚、この直流低電圧リレー模擬試験機での評価は各材質n=1で実施した。
以上の遮断耐久試験、溶融面積測定、接触抵抗・発熱測定、従来リレー使用条件における故障確率評価の結果について表4に示す。
Figure 0007230001000004
表4に示した評価結果から、実施例1~32の接点材料は、分散する酸化物量は比較例よりも少ないが、直流高電圧リレーに適用したときの耐溶着性は良好であり、更に、接触抵抗及び発熱の問題が生じ難いことが確認できる。
即ち、本実施形態の各実施例の接点材料は、いずれも、高電圧での遮断耐久性試験における遮断回数50回以上の基準をクリアし、遮断耐久性が良好であった。また、これと同時に、各実施例の接点材料は、接触抵抗が比較例よりも低いことが確認された。特に、実施例1~実施例27の接点材料は、接触抵抗が、2.5mΩ以下と特に低かった。また、実施例28~実施例32の接点材料は、高電圧評価による遮断回数はいずれも80回以上であり、特に良好な耐遮断耐久性を示す。実施例28~実施例32の接点材料は、接触抵抗がやや高めであるが、比較例よりは低かった。
そして、発熱の問題に関しては、実際にリレーに組み込んだときの測定結果から、各実施例の接点材料の優位性が把握できる。各実施例の接点材料では、温度上昇値が比較例よりも低くなっている。接点の発熱量は、電流の2乗及び接触抵抗値に比例する。本実施形態における測定試験での通電電流は30Aと比較的低いが、実際の直流高電圧リレーへの適用によって通電電流が増大すれば、温度上昇は更に大きくなる。
更に、溶融面積の評価結果についてみると、上記のとおり、表4記載の本実施形態における溶融面積とは、遮断試験後の4つの接点表面の面積変化量合計を、当該接点での遮断回数(最大100回)で割った数値である。即ち、ここでの溶融面積とは、1回の遮断あたりの溶融面積を意味する。実使用上、リレーの本遮断は異常時に1回だけ発生するが、マージンを考慮した遮断回数として5回は必要と仮定する。そのように仮定したとき、例えば、実施例1~32で、溶融面積が最大となった実施例9は溶融面積が0.22mmであるので、5回の遮断によって接点表面の面積が1.10mm(0.22mm×5回)変化すると推定される。そして、試験前の接点表面の面積は、4箇所合計で32.68mm(7.79mm×2+8.55mm×2)であるので、5回の遮断によって生じる接点表面の面積の変化率は、3.37%(1.10mm/32.68mm)となる。このように、各実施例の接点材料は、実使用を考慮すると、遮断時の面積変化を10%以下に抑えることができる。
尚、本発明で適用する接点材料の金属Mは、Snを必須としつつ、Sn以外の金属(Bi、In、Ni、Te)も含むことを許容している。表4において、金属MとしてSnのみを含む接点材料(例えば、実施例24)を基準としつつ、Snと共にBi等を含む接点材料(例えば、実施例9(Sn+Bi)、実施例19(Sn+In)、実施例23(Sn+In+Ni+Te))を対比すると、遮断耐久性及び溶融面積についても良好な結果を示しつつ、接触抵抗が低くなる傾向がみられる。よって、Sn以外の金属M(Bi、In、Ni、Te)にも効果があることが確認される。このような複数の金属を含む接点材料が搭載された直流高電圧リレーも、要求される接点性能を維持し得ることがわかる。但し、Niを多目に添加した比較例9のように、Sn以外の金属Mの添加量が多い場合、加工性が低下することが確認された。
但し、従来の直流低電圧リレーへの適用を考慮する低電圧評価の結果をみると、故障確率において、実施例1~実施例26、30、31の接点材料は、直流低電圧リレーには適していないといえる。比較例と対比すると、故障確率が高くなる傾向にあるからである。即ち、実施例1~実施例26、30、31の接点材料は、直流高電圧リレーという適所での使用において、その有用性を発揮することが分かる。一方、実施例28、29、32の接点材料は、低電圧評価での故障確率は比較例と同等レベルである。但し、これらの実施例の接点材料は、高電圧評価における接触抵抗値が低いので、直流高電圧リレーにも適しているといえる。
以上確認した各実施例の接点材料に対して、比較例の接点材料は、酸化物量が多いことから、高電圧評価における遮断耐久性及び溶融面積は優れていた。しかし、接触抵抗と発熱の値が高かった。従って、これらの酸化物量が多い接点材料を備える直流高電圧リレーにおいては、接点における発熱の問題が懸念されるといえる。
第2実施形態
本実施形態でも、内部酸化法と粉末冶金法で製造した。そして、各材料の組織観察及び硬度測定後、直流高電圧リレー(接触力/開離力:500gf/250gf)を製造して耐久性評価と接触抵抗を測定・評価した。本実施形態で製造した接点材料を表5に示す。表5には、第1実施形態と同様にして測定した硬度の測定結果も示している。尚、内部酸化法及びで製造した各接点材料は、第1実施形態と同様の工程で製造した。
Figure 0007230001000005
図5は、実施例36の接点材料(粉末冶金法で製造された接点材料)の断面組織のSEM画像と、分散する酸化物粒子の粒度分布を示す図である。この実施例36の接点材料においても、Agマトリックス中で微細な酸化物粒子が分散する材料組織が観察された。そして、粒度分布の図から、粒径の揃った酸化物粒子が分散していることが分かる。この実施例36は、平均粒子径0.113μm(標準偏差σ:0.101μm)で、粒子の占める面積率8.58%であった。また、累積個数が90%となる粒径(D90)は、0.2μm以下であった。表6は、実施例36、39、40、43、44、47、49の接点材料に関して測定した酸化物粒子の状態を示すものである。この表から、他の実施例の接点材料でも微細な酸化物粒子が分散していることがわかる。
Figure 0007230001000006
そして、各実施例の接点材料について、直流高電圧リレーにおける遮断耐久試験を行った。この試験は、基本的に第1実施形態と同様の内容であり、同じダブルブレーク構造の直流高電圧リレーを使用した。試験条件も、第1実施形態と同様とした。但し、可動接点の接触力/開離力を500gf/250gfとし、第1実施形態に対して接触力及び開離力を強くした。本実施形態では、更に充分な接触力及び開離力を設定した直流高電圧リレーを製造した。この遮断耐久試験でも、遮断回数100を上限としつつ、遮断回数を測定した。
また、遮断耐久試験後の接点材料についての溶融面積の測定も行った。更に、各接点材料の接触抵抗値と発熱も測定した。これらの測定方法も第1実施形態と同様とした。尚、本実施形態では、対比のために第1実施形態の比較例3、10の接点材料についても同じ遮断耐久試験を行い評価した。更に、金属Mの含有量が本発明で規定する下限値(0.2質量%)未満の接点材料についても遮断耐久試験を行った。以上の測定・評価結果を表7に示す。
Figure 0007230001000007
表7より、この実施形態における実施例33~実施例50の接点材料を備える直流高電圧リレーも、遮断耐久性が良好であることがわかる。そして、この直流高電圧リレーの接点も、接触抵抗が低く、発熱の問題もないことが確認できる。これらのリレーは、遮断回数50回以上の基準をクリアし、接触抵抗は2.5mΩ以下と低く、更に、発熱量も低かった。また、溶融面積に関する評価でも、最も溶融面積が大きい(0.63mm)実施例46、47の接点を、第1実施形態と同様にして評価すると、5回の遮断が発生すると仮定したとの接点表面の面積の変化率は、9.6%であり10%以下に抑制されている。
これに対して比較例3の接点材料は、第1実施形態での結果と同様、遮断耐久性及び溶融面積には優れる。しかし、接触抵抗の値が高く、発熱による温度上昇値も明確に大きいため、直流高電圧リレーに搭載したときにその適用の支障となると考察される。
また、比較例11の接点材料は、金属Mの含有量が本発明で規定する下限値(0.2質量%)未満の接点材料である。この接点材料は、接触抵抗が低く、発熱量も低い。しかしながら、接点の溶融面積が過大となっている。比較例11の溶融面積(1.48mm)について、第1実施形態の評価方法を採用する、5回の遮断が発生すると仮定したとの接点表面の面積の変化率は、22.6%であり極めて大きい。このように溶融面積が大きくなると、接点形状の崩れが顕著となる。接点形状が崩れると、リレーを復帰した後の接点対で正常な接触が行われず接触不良が生じる。この結果は、比較例10の接点材料(純Ag)も同様にみられ、比較例11のAg-酸化物形接点材料は、実質的に純Agと同等であるといえる。
比較例11の接点材料は、遮断耐久試験の遮断回数は基準をクリアしているが、これは第1実施形態よりも大きい接触力及び開離力に起因していると考えられる。接触力及び開離力を第1実施形態程度にすると、比較例10と同様に早期に溶着による遮断不良が発生すると考えられる。つまり、直流高電圧リレーに適用する接点材料の酸化物量を低減することが許容できるとしても、限界があることがわかる。
以上の各実施例の結果からわかるように、充分な接触力又は開離力が設定された直流高電圧リレーであって、接点対の接点材料の酸化物の含有量(金属Mの含有量)を好適にすることで、優れた遮断耐久性を発揮し、その上、接触抵抗及び発熱の問題も解決可能であることが確認された。
第3実施形態:第1、第2実施形態では、各種の接点材料を組み込んだダブルブレーク構造の直流高電圧リレー(図1)を製造して、異常発生時の遮断動作を模擬した遮断耐久試験を行った。本実施形態ではこの直流高電圧リレーをハイブリッドカー等のシステムメインリレーとして実装したときの、通常の使用時における開閉動作を模擬した耐久性を評価した。通常の使用時とは、通常の回路の電源のON/OFF動作による負荷を受ける使用条件である。
本発明が想定する直流高電圧リレーの通常の使用条件について具体的に説明する。ハイブリッドカー等の直流回路においては、電源をONにしたときの高い突入電流によってシステムメインリレーの接点が損傷するのを防止するため、突入電流に適したプリチャージリレーを設置する。そして、プリチャージリレーが高い突入電流を吸収した後にシステムメインリレーの電源が入るようになっている。
本実施形態では、図6のような試験用回路に第1、第2実施形態と同じ直流高電圧リレーを組み込み、上記のようにして緩和された突入電流による接点の開閉動作を模擬するコンデンサ負荷耐久試験を行った。本実施形態のコンデンサ負荷耐久試験の試験条件は、電圧:DC20Vとし、負荷電流:80A(突入時)・1A(遮断時)とし、開閉サイクル:1秒(ON)/9秒(OFF)とした。そして、可動接点の接触力/開離力:75gf/125gf又は500gf/250gfとした。このコンデンサ負荷耐久試験では、作動回数10万回としてこれを耐久寿命の合格基準とした。
本実施形態でも第1、第2実施形態と同様、接触抵と温度上昇(発熱量)を測定した。接触抵抗は、コンデンサ負荷耐久試験後、コンデンサ負荷耐久試験の回路とは別の抵抗測定用回路(DC5V30A)にリレーの接続を切替て実施した。測定方法は、第1実施形態と同様である。また、接触抵抗測定の際、接点の発熱による温度上昇の測定も行った。本実施形態の諸特性の測定・評価は、各接点材料についてn=1で実施した。
本実施形態のコンデンサ負荷耐久試験における耐久寿命評価、接触抵抗、温度上昇の測定結果について表8に示す。
Figure 0007230001000008
表8から、各実施例の直流高電圧リレーは、通常使用時の負荷における耐久寿命(10万回作動)も合格であった。また、接触抵抗も低く、発熱量にも問題はなかった。これに対して、接点材料の酸化物量が多い比較例3の直流高電圧リレーは、接触抵抗及び発熱量が高かった。
以上の第1~第3実施形態の結果から、本発明に係る直流高電圧リレーは、可動接点と固定接点の接点材料の構成を好適としたことで、直流高電圧リレーとして好適に稼動することが確認された。本発明に係る直流高電圧リレーは、回路の異常動作による遮断に対しても有効に稼動でき、通常使用でも安定的に稼動できる。
本発明に係る直流高電圧リレーで適用されるAg-酸化物系接点材料は、優れた遮断耐久特性を発揮し、これに加えて接触抵抗が低く発熱が少ない接点材料である。そして、本発明に係る直流高電圧リレーは、接点対における発熱及び溶着の問題を解決し、確実なON/OFF制御を行うことができる。本発明は、ハイブリッドカー等の高電圧バッテリーの電源回路におけるシステムメインリレーや、太陽光発電設備等の電力供給システムにおけるパワーコンディショナー等に好適に適用される。

Claims (7)

  1. 可動接点を移動させるための駆動力を発生及び伝達する駆動セクションと、直流高電圧回路の開閉を行う接点セクションとを含む直流高電圧リレーであって、
    前記駆動セクションは、駆動力を発生する電磁石又はコイルと、前記駆動力を接点セクションに伝達する伝達手段と、接点対を接触又は開離するために伝達手段を付勢する付勢手段と、を備え、
    前記接点セクションは、前記駆動セクションの前記伝達手段によって移動する可動接点と固定接点とからなる接点対を少なくとも一つと、前記可動接点を接合する少なくとも一つの可動端子及び前記固定接点を接合する少なくとも一つの固定端子とを備え、
    前記直流高電圧リレーは定格電圧48V以上であり、
    前記駆動セクションの前記電磁石又は前記コイルの容量及び寸法と前記付勢手段の容量及び寸法とによって調整される接触力及び/又は開離力が100gf以上であり、
    前記可動接点及び/又は前記固定接点は、Ag-酸化物系の接点材料からなり、
    前記接点材料の金属成分は、Snを必須的に含む少なくとも1種の金属Mと、残部Ag及び不可避的不純物金属とからなり、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、前記金属Mの合計含有量が0.2質量%以上8質量%以下であり、
    前記接点材料は、Ag又はAg合金からなるマトリックス中に、前記金属Mの酸化物が1種以上分散する材料組織を有する、直流高電圧リレー。
  2. 接点材料は、金属MとしてInを含み、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Inの含有量が0.1質量%以上5質量%以下であり、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Snの含有量が0.1質量%以上7.9質量%以下である請求項1記載の直流高電圧リレー。
  3. 接点材料は、金属MとしてBiを含み、
    全金属成分の合計質量に対する、Biの含有量が0.05質量%以上2質量%以下であり、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Snの含有量が0.1質量%以上7.95質量%以下である請求項1又は請求項2記載の直流高電圧リレー。
  4. 接点材料は、金属MとしてTeを含み、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Teの含有量が0.05質量%以上2質量%以下であり、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Snの含有量が0.1質量%以上7.95質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の直流高電圧リレー。
  5. 接点材料は、金属Mとして、更にNiを含み、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Niの含有量が0.05質量%以上1質量%以下であり、
    前記接点材料の全金属成分の合計質量に対する、Snの含有量が0.1質量%以上7.85質量%以下である請求項2又は請求項4記載の直流高電圧リレー。
  6. 接点材料のマトリックス中に分散する酸化物の平均粒径が、0.01μm以上0.3μm以下である請求項1~請求項5のいずれかに記載の直流高電圧リレー。
  7. 接点材料の任意断面における酸化物の面積率が0.1%以上15%以下である請求項1~請求項6のいずれかに記載の直流高電圧リレー。
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