JP7229941B2 - 駐車状態と走行状態との移行を扱うためにタイヤのねじり弾性解放をモデル化してトラックロッド力を決定する方法 - Google Patents

駐車状態と走行状態との移行を扱うためにタイヤのねじり弾性解放をモデル化してトラックロッド力を決定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、パワーステアリングシステム、特に、ステアリングタイロッドを介して、駆動装置(running gear)によりステアリングラックに伝達される力である、所謂タイロッド力を算出することができる方法に関する。
ドライバー及びステアリングパワーの補助力は、ホイールをヨー方向に変更させることができるように、このタイロッド力を上回る必要がある。
例えば、車両の横加速力やヨーレートなどの、車両の横方向の動力学に特徴的な量によりタイロッド力を算出する方法がある。
とはいえ、このような方法は、走行状態のみ有効なモデルに依存していて、車両の十分な縦速度があるところから、典型的には50km/hから用いることができる。
そのほか、駐車状態、すなわち車両が静的状態でタイロッド力を算出することができる。
ところが、停止時のタイロッドの力を推定するために使用されるモデルは、車両が移動を始めるとすぐに利用できなくなる。
しかしながら、パワーステアリングシステムの高度化、特に「ステアバイワイヤ」と呼ばれる、ステアリングホイールとホイールを作動させるステアリング機構との間の機械的伝達がないステアリングシステムの拡張により、確実な道路の感覚と車両の挙動とをステアリングホイールを介してドライバーに返すために、あらゆる状況、特に、低速の範囲、典型的には0km/h~30km/hの範囲におけるタイロッド力を精度良く算出する必要がある。
したがって、本発明の目的は、従来の方法の欠点を克服して、低速、特に駐車状態と走行状態との移行時(又はその逆の移行時)におけるタイロッド力を正確に算出することができる、タイロッド力の算出方法を提供することにある。
前記発明の目的は、車両に備えられたパワーステアリングシステムにおいて、ステアリングホイールやパワーアシストモータのようなアクチュエータと、ヨーの方向を向くことができかつ地面と接触するトレッドを有するタイヤを支持するホイールとを連結するステアリング機構のステアリングタイロッドのような伝達部に作用するタイロッド力を計算する作動力算出方法であって、算出されたタイロッド力の値を、車両が、該車両の縦速度がゼロである駐車状態から該車両の縦速度がゼロでない走行状態に移行するときに、車両の縦速度に応じて、絶対値が減少するように補正することを特徴とする方法により達成される。
有利には、本発明に係るタイロッド力を減少させるパラメータとして車両の縦速度を使用することで、ホイールの指向性運動とは反対向きのタイヤのトレッドの摩擦力により、ホイール上のタイヤとタイロッドにより引き起こされるヨーねじれ力をモデル化及び考慮することができる。特に、速度がゼロの駐車状態から速度がゼロでない走行状態への移行時に発生するねじれ力の漸次緩和をモデル化及び考慮することができる。
本願発明者らは、停止時に、ラックの変位、すなわち、該ラックと連結されたタイロッド及びホイールのリムの変位が、ヨー方向でのタイヤの弾性ねじれ変形を引き起こすことを発見した。これは、地面とタイヤのトレッドとの間の静摩擦力が存在するためであり、この静摩擦力は、リムのヨー変位に対してトレッドを保持する傾向にある。
リムをトレッドに接続するタイヤの側壁の弾性変形により、ヨーの角度オフセット、すなわち、リムと地面が接触するタイヤのトレッドとの間の位置のずれが生じる。
より詳細には、停止時、ステアリングホイールを回してステアリングシステムのステアリング角を大きくするときには、トレッドのステアリング角(ヨー角)は、リムのステアリング角(ヨー角)よりも小さくなる。これは、ラックの位置により決定される。
しかしながら、車両が走り始めるとすぐに、ホイールの回転がタイヤの弾性復帰の上昇を引き起こす。これは、ヨーねじれの弾性緩和と呼ばれる。これにより、タイヤのトレッドは、リムと一直線に並ぶ、すなわち該リムのヨー角を実質的に「捕まえる」傾向がある。
有利には、本発明は、車両の縦速度と同様に、ラックの位置(それらを互いに接続する接続の比較的硬い性質を考慮すると、リムのヨー位置に相当する)を含めてモデル化することにより、前記の一時的な緩和現象を考慮することができる。これにより、ステアリング機構、より具体的にはタイロッド及びラック上のタイヤにより発生する弾性ねじれ負荷の変化を精度良くシミュレーションすることができる。
したがって、本発明に係る方法によると、特に、駐車状態と走行状態との移行時(又はその逆の移行時)、並びに、車両が低速で走行しているとき、典型的には、0km/h~20km/h、又は、0km/h~30km/hで走行しているときのタイロッド力の算出を精度良くかつ高い信頼性で行うことができる。
本発明の他の特徴及び有利な効果は、以下の説明を読むことにより明らかになる。以下の説明は、以下の添付図面を用いて例示されているに過ぎない。
本発明に係る算出方法が適用されるパワーステアリングシステムの一例を示す概略図である。 本発明に係る算出方法にしたがってタイロッド力を決定するために利用される物理モデルを示す図である。 図2のモデルを機能的に書き換えたブロックダイアグラムである。 本発明による方法によって算出されたタイロッド力のヒステリシスサイクルを、左から右へ、またはその逆に交互に交互に変化するラックの位置の関数として表す比較図であって、車速0km/hの場合と車速3km/hの場合とを示す。 図4に相当する比較図であって、車速0km/hの場合と車速7km/hの場合とを示す。 図4に相当する比較図であって、車速0km/hの場合と車速15km/hの場合とを示す。
以下の説明において、
Figure 0007229941000001
本発明は、「タイロッド力」と呼ばれる作動力(Fb)の量を算出する作動力算出方法に関する。タイロッド力は、車両2に備えられるパワーステアリングシステム1において、タイロッド3のような伝達部3で発生する。
伝達部3は、ステアリングホイール5やパワーアシストモータ6のようなアクチュエータ5,6と、ヨーの方向を向くことができるホイール7とを連結するステアリング機構4に属する。
ホイール7は、トレッド8BRが地面9と接触するタイヤ8を支持する。
地面9は、いかなる種類のものでよく、車両2が走行できる表面又はコーティングに対応する。地面9は、ビチューメン(道路)、砂利、土、砂を含むがこれらに限定されない。地面9は乾いていても濡れていてもよい。
説明の便宜上、ここでは、ホイール7の意味は、典型的にはリム、好ましくは金属によって形成されるホイール7の剛性部分と同等である。
第1の形態において、ステアリング機構4は、ステアリングコラム10のように、ステアリングコラム10に載置されたピニオン11及びラック12上のメッシングを介して、ステアリングホイール5とホイール7とで間の動き(パワー)を伝達することができる機械的接続部10を備える。
本発明の第2の形態によると、ステアリングホイール5とホイール7との間の接続は、電子制御装置13によりコンピュータ上で行われる。すなわち、このパワーステアリングシステムは、「ステアバイワイヤ」システムと呼ばれるシステムを構成している。
尚、ステアリングホイール5とホイール7との間の機械的接続部10は、第1の形態(ステアリンホイールとホイールとの機械的接続)から第2の形態(ステアバイワイヤ)に変更できるように、離脱可能にしてもよい。
好ましくは、図1に示すように、前記の実施形態に関わらず、ステアリング機構は、車両2のフレーム14に対して移動可能に取り付けられ、より具体的には、車両のフレーム14に対して、長手方向軸に並進移動するように案内されるラック12を備える。
前述したように、伝達部3は好ましくはステアリングタイロッド3により形成される。
好ましくは、ここでは、ステアリングタイロッド3は、ラック12の一端部を、ホイール7、より具体的には、ヨー方向に向けることができかつホイール7を支持するスタブアクスルに接続する。
実際には、タイロッド力Fbは、ラック12の長手軸方向の張力又は圧縮力に相当する。これらの力は、タイロッド3を介して、ランニングギヤ、ここではホイール7により、ラック12の端部に発生する。
すなわち、本方法は、好ましくは、車両のフレーム14に変位可能にマウントされるラック12の一端にあるステアリングタイロッド3により形成される伝達部によって与えられる力であるタイロッド力Fbと呼ばれる作動力を決定する。タイロッド3はホイール7に接続される。
便宜上、以下の説明において、伝達部は、ステアリングタイロッド3と同等である。
さらに、形状に関係なく、伝達部3は剛体であり、特に、タイヤの側壁8Lよりも固いものである。
本明細書のタイヤの側壁8Lは、ホイール7、より詳細にはリムをトレッド8BRに接続するタイヤ8の側部を指す。
より一般的には、ステアリング機構4、より具体的には、ラック12からホイール7に延びる運動学的連鎖、更に具体的には、ラック12からタイロッド13を介してホイール7のリムに延びる運動学的連鎖は、剛体的であって、タイヤの側壁8Lと比較して弾性変形がほとんど無い剛体のような振る舞いを有する。
つまり、タイヤのトレッド8BRとラック12との間の位置ずれのほとんどは、ホイール7(リム)に対するタイヤ8の弾性ねじれによるものであるが、少なくとも最初のアプローチとして、リムの位置、すなわち、ホイール7の位置は、タイロッド3の位置及びラック12の位置と同等であると考えてもよい。
とはいえ、他のアプローチによると、本発明の目的のために、ラック12からホイール7に延びる運動学的連鎖の弾性を考慮したより完全なモデルが利用される。
そのようなモデルは、例えば、一般に剛性であると考えられる機械部分(タイロッド3、若しくはスタブアクスル等)に対応する機械部材の固有の弾性による、ホイール7とラック12の間の位置ずれ、又は、機械的部品の運動学的接続(典型的にはボールジョイント接続)の弾性、特に、ラック12とタイロッド3との接続部の弾性による位置ずれが考慮され得る。
説明を簡単にするために、異なる要素の位置、特にホイール7及びタイヤのトレッド8BRのヨー方向は、ラック12のように、同じ参照フレームに戻された線形位置の形で表現される。
したがって、XCRは、「ホイール7の中心位置」と呼ばれる位置を示す。これは、ホイール7のリムのヨー方向に相当する。
説明の便宜上及び前述の説明により、ホイールの中心位置XCRは、好ましくは、伝達部3の位置(タイロッド3の位置)及びラック12の位置と同等である。ホイールの中心位置XCRは、 これらの部材間の運動学的接続の形状、及び適切な場合には該運動学的接続の弾性を考慮することにより、タイロッド3の位置及び/又はラック12の位置から決定される。
同様に、XBRは、地面9と接触するタイヤ8のトレッド8BRのヨー方向に対応する位置を示す。
いかなる場合でも、本発明の方法によると、図3に示すように、算出されたタイロッド力Fbの値は、車両が、該車両の縦速度V_vehicがゼロである(V_vehic=0)駐車状態から該車両の縦速度(V_vehic)がゼロでない(|V_vehic|>0)走行状態に移行するときに、車両の縦速度V_vehicに応じて、絶対値が減少するように補正される。
前述のように、タイヤのトレッド8BRとホイール7との間の未処理の弾性ねじれに車速V_vehicを考慮することで、本発明のモデルの適用範囲を、駐車状態と低速走行状態との両方、特に、0km/h~20km/h、又は、0km/h~30km/hに広げることができ、駐車と走行状態との移行を制御することができる。
車両の移動時に、算出されたタイロッド力を低減する効果を有する補正を行うことで、本発明に係るタイロッド力の算出に、タイヤ8のヨーねじれの漸進的解放効果、すなわち、ホイール7及びタイヤ8の回転(ホイールの水平軸回りの回転)により引き起こされる、ホイール7のヨー位置におけるトレッド8BRの漸進的整列効果を有利に含めることができる。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、アクチュエータの組み合わされた動作(より具体的には、ステアリングホイール5及び/又はパワーアシストモータ6によりラックが動作され、ラック12によりタイロッド3が駆動するという動作)のもと、及び、駐車状態から走行状態へ移行する間のタイヤ8の弾性ヨー力の解放を演算する補正要素を含む地面9の摩擦のもと、タイヤ8の弾性ヨーねじれを有するモデル15からタイロッド力を算出することができる。
この点において、それ自体で発明を構成する好ましい特徴によると、一方では、車両の縦速度V_vehicから、他方では、伝達部材3(タイロッド3)の代表的な位置を考慮したラック12の位置XCRから、より一般的には、ホイール7のリムのヨー方向を表す同等の位置情報、すなわちホイール7の中心の位置XCRから、タイロッド力Fbを決定することが可能である。若しくは、前記好ましい特徴は、ホイール7の中心位置XCRを決定することができる。
したがって、前述した本発明及びそれ自体で発明を構成する好ましい特徴によると、車両の縦速度V_vehic、並びに、ラック12の位置XCR(又は車輪4の中心のヨー方向XCRを表す若しくはアクセスを許可する機構4の剛性部材の他の同等な位置)という2つの入力値(測定値)を取得すれば、タイロッド力Fbを十分に計算することができる。
それ自体で発明を構成する好ましい特徴によると、図2に示すように、タイロッド力Fbはモデル15から算出される。モデル15は、
・パワーステアリングシステム1により伝達部3(より具体的にはホイール7)に与えられる位置XCR、すなわち、ラック12の位置と同等のホイールの中心位置XCRと、地面9がタイヤのトレッド8BRに発生させる摩擦抵抗力(図2に符号(Frot,k)で示す)により、伝達部の変位に抗して維持されるタイヤのトレッド8BRの位置XBRとの位置偏差ΔX=XCR-XBRに対応するタイヤ8の弾性ヨーねじれをしめす第1作動力要素F
・車両の縦速度がゼロである駐車状態と、車両の縦速度がゼロでない走行状態との間の移行時におけるタイヤ8のヨー弾性ねじれの漸進的解放を考慮して、車両の縦速度がゼロ以外になるとすぐに、該車両の縦速度V_vehicに応じて、第1作動力要素Fを小さくする第2作動力要素F
の2つを用いる。
ここでは、位置偏差ΔX=XCR-XBRは、ヨーねじれ負荷によるタイヤ8の側壁8Lの弾性変形により生じる、ラック12及びタイロッド3の動作により決まるホイール7(リム)のヨー方向XCRと、地面9での摩擦(Frot,k)により維持されるタイヤ8のトレッド8BRのヨー方向XBRとの間のヨー方向のずれに対応する。
位置偏差ΔXは、車両が移動し始めたときに減少(すなわちゼロに近づく)傾向にある。ホイール7及びタイヤ8の回転(すなわち地面9の上でのタイヤ8の走行運動)は、ホイール7(地面9の上のトレッドの)の回転が増加するにつれて、ホイール7のヨーによりトレッド8BRにそろう傾向、すなわち、トレッド8BRの位置XBRがホイール位置XCRに近づく傾向にある。
モデル15によると、好ましくは、第1作動力要素F及び第2作動力要素Fに加えて、第3作動力要素Fを用いてタイロッド力Fbを算出することも可能である。第3作動力要素Fは、ホイール7のヨーステアリングの間における車両のリフトアップの影響(ここでは、操舵輪7がフロントに位置する際の車両前部のリフトアップ)をモデル化するために、フレーム14に対する伝達部3の位置XCR(より具体的には、ホイール7のヨー方向XCR)に依存する。
第3作動力要素Fは、詳細な計算は以下に示すが、第1作動力要素F及び第2作動力要素Fとは、全く異なる独立したものであって、有利には、ホイール7のステアリング角の変動(ヨー方向の変動)の結果生じる車両2のローリングやピッチングによる入力される負荷を考慮することによって、モデル15を完全なものにすることができる。
図4、図5、及び図6にグラフで示すように、この第3作動力要素Fにより、ラック12の変位の関数として、すなわち、ホイール7のヨー位置XCRの関数としてタイロッド力を表すヒステリシスカーブに、波形状(S字状)を導入することができる。
好ましくは、第1作動力要素Fは、タイヤ8のねじれ剛性を表す第1剛性係数kによりモデル化される。第1剛性係数kは、伝達部3(より具体的にはホイール7のリム)とタイヤのトレッド8BRとの位置偏差ΔXに掛けられる。第1作動力要素Fは、次式のようになる。
=k*ΔX
リム、すなわち、ホイール7の剛体部分及びラック12を地面と連結するタイヤの側壁8Lの弾性変形をよく表現した、特に簡単なモデル化が生み出される。
一方で、第2作動力要素Fは、それ自体が発明を構成できる特徴によると、第2剛性係数kによりモデル化される。第2剛性係数kは、車両の縦速度V_vehic、及び、伝達部3(より具体的にはホイール7のリム)とタイヤのトレッド8BRとの位置偏差Δxに掛けられる。第2作動力要素Fは、次式のようになる。
=k*V_vehic*Δx
ここで再び、タイロッド力における、車両の動作の影響、すなわち、V_vehicがゼロの状態からゼロでない状態までの経路の影響を反映した比較的簡単なモデリングを利用することができる。
実際には、。第2剛性係数kは、N*s/m、すなわち、Pa.sで表され、動的粘性を有する均一なものであることに注意すべきである。
好ましくは、第2作動力要素Fは、車両の縦速度V_vehic及び「Frot」と表される静摩擦量から計算される。Frotは、トレッド8BRと地面9との摩擦力を表していて、スリップ限界では、車両2の停車時に、地面9上のタイヤのトレッド8BRのヨー変位を引き起こす伝達部3の動作力によって、超えられなければならない。
静摩擦量Frotは、車両が地面9(好ましくは乾いた地面)の上で停止(すなわち、V_vehicがゼロ)しているときに、パワーステアリングシステム1を動かすというテストを介して、試験的に決定させることができる。
グラフ上では、静摩擦量Frotは、車両2が停止状態であるとき、すなわち、ステアリング機構4の中心位置(直線内のホイール7、すなわちXCR=0)から、地面9上のトレッド8BRが所望の動作方向にヨースライドし始めるまでに、しきい力がホイール7に発生するまでに形成されるヒステリシスカーブの原点に相当する。
静摩擦量Frotは、車両が停止状態(V_vehic=0)地面9上のタイヤ8のトレッド8BRにおけるヨースリップの摩擦に対応する。該摩擦は、ステアリング機構4、より具体的にはラック12が、ゼロでない(X’CR≠0)確立された速度(ラックの速度)で中心位置(XCR=0)を通り抜けるときに、左から右(又はその逆)に移動する際の、確立されたステアリング機構4、より詳しくはラック12の確立された動作への抵抗とは反対向きである。
例えば、図4~図6のカーブの原点で車両2に利用される静摩擦量Frotは、3400Nである。
さらに、完全に別個の発明を構成する特徴によると、静摩擦量Frotは、車両及び/又は該車両の環境(例えば、地面9上のタイヤ8の設置状態を変更するような気象条件(雨、霜)に関連する基準に基づくもの)を特定するパラメータに応じて調整されてもよい。
例えば、この目的のために、減衰条件に影響を与える車両の状況に固有のパラメータ(車両の乗員数及び/又はより一般的な車両の荷物、タイヤの膨張レベル、各操舵状況における横加速力やヨー速度、及び車速等)、及び/又は、減衰条件に影響を与える気象条件(気温、湿度、雨の存在など)のような車両の環境に固有の外部パラメータに応じて、静摩擦量Frotを、必要に応じて動的に調整できるモデル又は値のテーブルを用いることができる。
実際には、タイヤのトレッド8BRに効果的に及ぼされる瞬時の摩擦量は+Frotと-Frotの間で変化しても良く、どのような値を取ってもよい
必要であれば、特に移行段階においてトレッド8BRに生じる瞬時摩擦の変化を計算するために、LuGreモデルのような補助摩擦モデルを加えることにより、精度を改善するために、タイロッド力Fbを計算するためのモデル15を完璧なものにすることができる。
この移行段階は、トレッド8BRの地面9で滑り始め、すなわち、ホイール7の立ち上がりをきっかけにトレッド8BRのヨー変位を効果的に引き起すように、ステアリング動作のない状態から定常状態タイプの有効なステアリング動作に移行するときに観察される現象に対応します。
実際には、このような移行段階は、ステアリング動作の初期、すなわち、図4~図6のヒステリシスサイクルの初期にあるように、ドライバーがステアリングホイール5を基準位置から回す段階、又は、図4~図6においてラック12のストロークの終盤として表されているように、ドライバーがステアリングホイールの回転の方向を戻す時、例えば、ステアリングホイール5を右に回した後に左に戻す(又はその逆)ときに、該ドライバーがステアリングホイール5の操舵方向を元に戻す段階に相当する。
実際には、前述の移行段階の間、すなわち、トレッド8BRが地面9でスリップし始めた時、すなわち、ヒステリシスサイクルの開始時及びラック12のストローク終了時におけるステアリングの反転時に、ステアリングサイクルのプロットに丸みを帯びた形状を与えるような補助摩擦モデルである。
補助摩擦モデルを用いることができるということは、「結合剛性」kという係数を用いて図2のモデル15に示している。この結合剛性kは、特にLuGreモデルに用いられる。
図3のブロックダイアグラムには、前述とは異なる要素及び図2のモデル15に存在するものとは異なる要素が、数学的に見られる。
前記ブロックダイアグラムは、ラプラス伝達関数として転写されたモデル15であり、「s」はラプラス変数を表す。
ダイナミクスの基本原理が一般的な形式で記載されている場合には、
Figure 0007229941000002
ここでは、コンピュータは式を「導出」する方法を実際には知らないが、「統合」する方法を非常によく知っていることを考慮している。これは次の形式を導く
Figure 0007229941000003
これをラプラス伝達関数に変換すると、
Figure 0007229941000004
便宜上、積分定数をゼロ、つまり、すべての状態変数が原点でゼロであるモデル15と見なしている。
しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の動作点でシミュレーションを開始するために、ゼロでない積分定数の使用を検討することも可能である。
ここで、ダイナミクスの基本原理がホイール7及びトレッド8BRのヨー回転に適用される限り、質量「m」の代わりに、ホイール7(ホイール中心)及びタイヤ8のトレッド8BRの慣性モーメントJcr、JBrが使用される。
同様に、ブロックダイアグラムは剛性を示す作動力要素を構成する。
作動力要素は次のタイプである。
F=k.Δx
この式は統合を容易にするために変換されて
Figure 0007229941000005
すなわち、
Figure 0007229941000006
さらに、図2のモデル及び図3のブロックダイアグラムに変換されたものには、完全を期すために、ステアリング機構4によりホイール7に伝達される力を象徴する力量Fsysを示している。これは、典型的には、アシストモータ6の作動(可能であれば、ドライバーの手動操作と結びついたもの)に対応している。
しかしながら、力Fsysは課題の解決、つまり、モデル15によるタイロッド力Fbの決定に介入しない。
あるケースでは、算出されたモデル15の出力、すなわち、算出されたタイロッド力Fbは、次式のようになる。
Fb=F1-F3
また、前述の表現では、タイロッド力Fbは、ホイール7のヨー変位(つまり、操縦操作によって生じる)応力状態におけるタイロッド3とラック12の条件での反力であることを示すために、記号「マイナス」が簡単な慣例により使用されるということに注意されたい。
図3のブロックダイアグラムにおいて、ブロック「Frot」は、タイヤ8のトレッド8BRと地面9との瞬間摩擦であって、地面9に対するホイール7及びトレッド8BRのヨー回転に対抗する瞬間摩擦量を出力することに注意されたい。
厳密には、前述のように、ブロック「Frot」によって返される算出された瞬間摩擦量は、例えば、LuGreタイプの摩擦モデルに基づいて、ホイール7のヨー変位速X’CR(より一般的には、ステアリング機構4のヨー変位速X’CR)に応じて、-Frot(第1操舵方向における静摩擦、又は、「滑り摩擦」)と+Frot(第1操舵方向とは反対向きの第2操舵方向における静摩擦、又は、「滑り摩擦」)との間の値を取ってもよい。
しかしながら、最初の近似としては、実際には、瞬間摩擦量は、静摩擦量+/-Frotに対応し、定常状態、つまりステアリング機構4、特にホイール7が 中心位置を横切る(XCR=0)時に、ほぼゼロの速度(X’CR≠0)で実質的に一定の動きでアニメーション化されるときの状態が考慮される。
実際、このような状況は、ヒステリシスサイクル(図4~図6)の間の摩擦の評価を表しており、これは一連の定常状態(左から右にステアリング操作を実行できる最初の定常状態、そこからすぐに安定して、右から左など逆の操作を実行できる別の状態)に対応する。
あるケースでは、簡単な数学的表現が図3のブロックダイアグラムから得られ、ホイール7の変位速度(ヨーの)、すなわちラック12の変位速度、より一般的にはステアリング機構4の変位速度が正のとき、つまり、X’CR>0のとき次のようになる。
Figure 0007229941000007
ホイール7(より一般的にはステアリング機構4)変位速度(ヨーの)が負の時、すなわちラック12の変位速度、より一般的にはステアリング機構4の変位速度が負のとき、つまり、X’CR<0のとき次のようになる。
Figure 0007229941000008
したがって、好ましくは、ホイール7のヨー変位速度の符号に関係なく、タイロッド力Fbは、車両の速度V_vehicに対する(少なくとも)第1項から計算され、該項は(絶対値で)次のようになる
Figure 0007229941000009
タイヤ8の弾性解放を考慮するために、第2作動力要素Fに付加された第2剛性係数kの商、及び第1作動力要素Fに付加された第1剛性係数kを介して、タイヤ8のねじれ状況をモデル化する2つの力成分F、Fの影響を維持しつつ、車両の速度V_vehicに応じたタイロッド力Fbの減少を導入すると有利になる。
ラック12が中心位置にあるとき、すなわちXCR=0であるとき、第3作動力要素F3はゼロになる(操舵がなければ、車両のリフトアップはないため)ことに留意すべきである。これにより、次式が得られる
Figure 0007229941000010
したがって、前記の1次項により、任意の車両の速度V_vehicに対して、ヒステリシス曲線の原点の座標を定義することができる(図4~図6に示すように)。
この原点の座標は、車両の速度により、絶対値で減少することに留意すべきである。これは、車両の縦速度V_vehicの増加に対して、ヒステリシスカーブで観測される「へたり」を説明する。
車両の速度がゼロ、すなわち、車両が停止状態であるとき、再び次式のようになる
Fb(V_vehic=0)=Frot
前述の1次項は、安定した操作状態、すなわち、考慮される位置、ここでは中央位置XCR=0(左から右へ、またはその逆)が交差するときに、ラック12(すなわちホイール7)がゼロでない速度(X’CR≠0)を確立するよう動作する状態に対応することにも留意すべきである。
さらに、第2剛性係数kdは、好ましくは、静摩擦量Frotに応じて調整される。
この課題を達成するために、モデル15は、静摩擦量Frotに応じた第2剛性係数kdを示すマップを備えていてもよい。
さらに、本発明の一実施形態によると、車両の速度V_vehicに関わらずに同一化された第2剛性係数kを導入ことができる。
本願発明者らの実験によれば、この近似は実際に一般的に有効なままである。
これは、特に、図4~図6のカーブに現れている。
好ましくは、他の実施形態において、静摩擦量Frotに応じた前述の調整の代わりに又は補完として、第2剛性係数kを車両の縦速度V_vehicに応じて調整することができる。
有利には、必要に応じて、第2剛性係数kを車両の速度V_vehicに基づいて調整することができれば、低速及び中速の範囲を超えて、典型的には、少なくともV_vehic=30km/hまでの範囲で、タイロッド力Fbを計算するためのモデル15の有効領域を確実に広げることができる。これにより、モデル15と実際の車両の振る舞いとの相互関係を完璧なものにすることができる。
第2剛性係数kを必要に応じて調整することができれば、上記の「低速」モデル15と、高速の車両速度V_vehic(30km/h又は50km/h以上)において有効なタイロッド力Fbを計算する別のモデルとの間における信頼性の高いオーバーラップを保証することができる。
例えば、発明者は、実際に、第1近似として、0km/hと15km/hの間で一定の第2剛性係数kを使用することが可能であるが、15km/h、より高速の車両速度V_vehic、特に15km/hと30km/hの間では、第2剛性係数kを変更することが望ましい場合があるということを発見した。
ここでも、適切なマッピング、または適切な改良の法則を提供することができる。
次に、図3に示すように、第3作動力要素Fは、好ましくは、伝達部3の位置(ホイール7のリムの位置)に関する線形項と2次項を含む2次多項式
=kf1*XCR+kf2*XCR
から計算される。
厳密にいうと、上記で使用されている符号の規則を考慮することにより、
=kf1.XCR+kf2.XCR .sgn(XCR
となる。ここで、「sgn(XCR)」は、中央位置に対するホイール7及びラック12の位置量XCRの符号である。
有利には、このような2次元多項式は、ホイール7がヨーにより回転される際の車両のリフトアップによりステアリング機構4に誘発される力を正確に構成している。
前述のように、この多項式の量は、ラック12が中心位置にあるときにはゼロ、すなわち、XCR=0となりかつ結果として車両の2のリフトアップがないように、ホイール7が直線方向に指向される。
好ましくは、2次多項式の係数kf1,kf2は、車両の縦速度V_vehicに応じて調整される。
このような調整により、モデル15の精度及び信頼性が改善される。
図4、図5、及び図6は、タイロッド力Fbの値(縦軸)を、ラック12の変位(横軸)の関数として(すなわち、ホイール7のリムの位置XCRに応じて)、異なる車両の速度V_vehic毎に表したヒステリシスカーブを示す。
ここでは、ラックは、ホイール7を最初は右に、次に左にというように導くべく、出入りのサイクルで動作している。
各グラフにおいて、一点鎖線のスムーズな曲線は、モデル化されたサイクル、すなわち、車両が停止(V_vehic=0)した駐車状態において、モデル15に従って算出されたタイロッド力の値に対応する。
破線のスムーズな曲線は、モデル化されたサイクル、すなわち、図示された速度(ここでは3km/h、7km/h、及び15km/h)での走行状態において、モデル15に従って算出されたタイロッド力Fbの値に対応する。
ノイズの多い曲線は、ラック12の交互変位の同じサイクルに従って、例えば伸び計によって測定されたタイロッド力Fbに対応する。
モデルにより算出されたカーブと測定されたカーブとは、ほぼ重なるといった強い対応関係があることが分かる。この対応関係は、さまざまな車両速度V_vehic=0に対するモデル15の高い信頼性を表している。
すなわち、この実験結果により、本発明は、タイロッド力を算出するモデルの有効性の範囲を、駐車状態から低速における広い走行範囲にまで広げることができということ、具体的には、少なくとも20km/hまで、30km/hまで、又はそれ以上の範囲にまで広げることができるということを確認できる。
厳密には、図4、図5、及び図6のグラフにおいて、モデルにより算出されたタイロッド力Fbと測定されたタイロッド力Fbとの間には、僅かなずれがあることに留意すべきである。
この僅かな差は、テストしたホイール7の対称性の欠陥によるものである。したがって、元々の中心位置に対する対称性を修正するようにホイール7(及びステアリング機構4)を適切に調整することで、簡単に機械的に修正することができる。
もちろん、本発明は前述の形態に限定されず、当業者は、特に、前述の特徴のいずれかを自由に分離したり、組み合わせたり、又はそれらを同等物に置き換えたりすることができる。
特に、本発明は、パワーステアリングシステムの作動力を算出するために、車両2が駐車状態から走行状態へと移る際の、タイヤ8のヨーねじれ力の解放(車両の縦速度V_vehicにより徐々に生じる)をシミュレーションした補正要素F2を含むモデル15を使用することに関する。
また、本発明は、本発明に係るモデル15を備えるとともに、コンピュータが読み取ることができるデータ媒体上にあり、該媒体が車両によって読み取られたときにタイロッド力を算出する方法を実行することができるパワーステアリングシステム1に関する。

Claims (13)

  1. 車両(2)に備えられたパワーステアリングシステム(1)において、アクチュエータ(5,6)と、ヨーの方向を向くことができかつ地面(9)と接触するトレッド(8BR)を有するタイヤ(8)を支持するホイール(7)とを連結するステアリング機構(4)の伝達部(3)に作用する作動力を計算する作動力算出方法であって、
    算出された前記作動力の値を、前記車両が、該車両の縦速度(V_vehic)がゼロである駐車状態から該車両の縦速度(V_vehic)がゼロでない走行状態に移行するときに、前記車両の縦速度(V_vehic)に応じて、絶対値が減少するように補正することを特徴とする作動力算出方法。
  2. 請求項1に記載の作動力算出方法において、
    前記作動力はモデル(15)により算出され、
    前記モデル(15)は、
    前記ホイール(7)のリムのヨー方向の位置(XCR)と、前記伝達部の変位に抗して、地面(9)が前記タイヤの前記トレッド(8BR)に与える摩擦抵抗力(Frot, kc)により維持されているタイヤのトレッド(8BR)のヨー方向の位置(XBR)との間の位置偏差(ΔX)に対応する、タイヤ(8)のヨー弾性ねじれを示す第1作動力要素(F)と、
    前記車両の縦速度がゼロである駐車状態と、前記車両の縦速度がゼロでない走行状態との間の移行時における前記タイヤ(8)のヨー弾性ねじれの漸進的解放を考慮して、前記車両の縦速度がゼロ以外になるとすぐに、該車両の縦速度(V_vehic)に応じて、前記第1作動力要素(F)を小さくする第2作動力要素(F)と、
    を使用することを特徴とする作動力算出方法。
  3. 請求項2に記載の作動力算出方法において、
    前記第1作動力要素(F)は、前記タイヤ(8)のねじれ剛性を示す第1剛性係数(k)に、前記位置偏差(Δx)を掛けてモデル化されている
    =k*Δx
    ことを特徴とする作動力算出方法。
  4. 請求項2又は3に記載の作動力算出方法において、
    前記第2作動力要素(F)は、第2剛性係数(k)に、前記車両の縦速度(V_vehic)と、前記位置偏差(Δx)を掛けてモデル化されている
    =k*V_vehic*Δx
    ことを特徴とする作動力算出方法。
  5. 請求項2~4のいずれか1つに記載の作動力算出方法において、
    前記第2作動力要素(F)は、前記車両の縦速度(V_vehic)と、前記車両(2)の停止時に、地面(9)の上で前記タイヤのトレッド(8BR)のヨー変位を引き起こすために、伝達部(3)の動作によって克服されるスリップ制限における、トレッド(8BR)と地面(9)の間の摩擦力を表す静摩擦量(Frot)とから算出されることを特徴とする作動力算出方法。
  6. 請求項3及び4を引用する請求項5に記載の作動力算出方法において、
    前記作動力(Fb)は、前記車両の縦速度(V_vehic)に関する1次項から計算され次式に等しい
    (数式1)
    ことを特徴とする作動力算出方法。
  7. 請求項4を引用する請求項5又は請求項6に記載の作動力算出方法において、
    前記第2剛性係数(k)は、静止摩擦量(Frot)に応じて調整されることを特徴とする作動力算出方法。
  8. 請求項4,6又は7に記載の作動力算出方法において、
    前記第2剛性係数(k)は、前記車両の縦速度(V_vehic)に応じて調整されることを特徴とする作動力算出方法。
  9. 請求項5~7のいずれか1つに記載の作動力算出方法において、
    前記静摩擦量(Frot)は、地面(9)に対する前記タイヤ(8)の設置力を変更する、前記車両又は該車両の環境に固有のパラメータに応じて調整されることを特徴とする作動力算出方法。
  10. 請求項2~9のいずれか1つに記載の作動力算出方法において、
    前記モデル(15)は、更に第3作動力要素(F)を用いて前記作動力(Fb)を算出することが可能であり、
    前記第3作動力要素(F)は、前記ホイール(7)のヨーステアリング中における前記車両(2)のリフトアップの効果をモデル化するために、前記ホイール(7)の前記リムのヨー方向の位置(XCR)に依存することを特徴とする作動力算出方法。
  11. 請求項10に記載の作動力算出方法において、
    第3作動力要素(F)は、前記ホイール(7)の前記リムのヨー方向の位置(XCR)に対する線形項と2次項を含む2次多項式
    =kf1*XCR+kf2*XCR
    から計算されることを特徴とする作動力算出方法。
  12. 請求項11に記載の作動力算出方法において、
    前記2次多項式の係数(kf1、kf2)は、前記車両の縦速度(V_vehic)に応じて調整されることを特徴とする作動力算出方法。
  13. 請求項1~12のいずれか1つに記載の作動力算出方法において、
    ステアリングタイロッド(3)は、前記ホイール(7)に接続されており、
    前記車両の縦速度(V_vehic)とラック(12)の位置に相当する前記ホイール(7)のリムのヨー方向の位置(X CR とから、前記車両のフレーム(14)に変位可能にマウントされる前記ラック(12)の一端にある前記ステアリングタイロッド(3)により形成される伝達部によって与えられる力である作動力(Fb)を決定する方法であることを特徴とする作動力算出方法。
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