JP7229886B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Description

本発明は荷電粒子線装置に関し、特に、荷電粒子線装置の構造に関する。
荷電粒子線装置として、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、電子線描画装置、イオンビーム照射装置、等が知られている。以下、走査型電子顕微鏡を例にとり、その構造を説明する。
走査型電子顕微鏡は、例えば、水平方向に並んで配置された第1構造体及び第2構造体を有する。第1構造体は、電子銃を有する鏡筒及び試料ステージを有する試料室を備える。第2構造体は、吸引ポンプ(真空ポンプ)を有する。第1構造体と第2構造体との間には、通常、複数の配管が設けられる。例えば、第1の配管を通じて吸引ポンプにより電子銃室の内部が吸引され、第2の配管を通じて吸引ポンプにより鏡筒における中間部分の内部が吸引され、第3の配管を通じて吸引ポンプにより試料室の内部が吸引される。第1構造体及び第2構造体は、それらに共通のベース部材上に搭載される。
第1構造体に対して外部からの振動が伝わると、試料ステージに装着された試料へ電子ビームを照射する位置が不安定となる。それに起因して、電子顕微鏡画像においてエッジのぼけ等が生じる。そこで、ベース部材を介して第1構造体へ伝わる振動を吸収又は低減するために、第1構造体の下部に防振層が設けられる。また、ベース部材から第2構造体へ伝わる振動を吸収又は低減するために、第2構造体の下部にも防振層が設けられる。それらの防振層は、それぞれ、1又は複数のダンパ要素(例えば弾性部材)により構成される。
各配管を通じて、第2構造体から第1構造体へ伝わる振動を低減するために、必要に応じて、各配管には軸方向に容易に変形する変形部分が設けられる。変形部分は、例えば、蛇腹構造やスライド構造を有する伸縮部分である。
特許文献1には、ベローズや防振体を備えた走査型電子顕微鏡が開示されている。特許文献2には、分子ポンプで生じた振動の伝達を緩和する構造を有する透過型電子顕微鏡が開示されている。
特開昭56-38598号公報 実願昭57-17877号(実開昭58-120554号)のマイクロフィルム
第2構造体に設けられた吸引ポンプにより配管を通じて第1構造体の内部を吸引した場合、その配管における変形部分がその軸方向に縮む。変形部分が大きく縮んだ場合、端的に言えば、その変形部分が完全に潰れてしまった場合、変形部分を通じて第2構造体から第1構造体へ振動が伝わり易くなってしまう。変形部分の縮みに伴って、第2構造体の下部を第1構造体側へ引き込む引力が生じるならば、第2構造体の下部に設けられている1又は複数のダンパ要素に水平方向のせん断力が生じ、それらの防振機能が損なわれてしまう。
本発明の目的は、吸引状態において、第2構造体から第1構造体へ伝わる振動を低減することにある。あるいは、本発明の目的は、吸引状態において、配管における変形部分の防振作用の低下を防止又は軽減することにある。
本発明に係る荷電粒子線装置は、第1構造体、第2構造体、配管及び水平ダンパ機構を含む。第1構造体は、荷電粒子線を生成する鏡筒及び荷電粒子線が照射される試料を収容した試料室を含む。試料室が下部に相当し、鏡筒が上部に相当する。第2構造体は、第1構造体に対して水平方向に隔てて設けられ、第1構造体の内部を吸引する吸引ポンプを含む。配管は、第1構造体と第2構造体との間に設けられ、軸方向に変形可能な変形部分を有する。通常、第1構造体と第2構造体との間に配管が設けられる。実際には複数の配管からなる配管部が設けられる。水平ダンパ機構は、吸引ポンプの動作により特定の配管を通じて第1構造体と第2構造体との間にそれらを互いに近付ける引力が生じた場合に、当該引力を弾性的に吸収しつつ第1構造体及び第2構造体の近接運動を制限する。
上記構成によれば、第1構造体の内部を吸引している状態において、水平ダンパ機構により、配管における変形部分の過度の潰れが防止される。よって、変形部分の潰れに起因する防振作用の低下を防止又は軽減できる。また、上記構成によれば、第2構造体の下側に防振層が設けられている場合、その防振層において生じる水平方向の過度なせん断力による防振作用の低下を防止又は軽減できる。
変形部分の概念には、伸縮部分、柔軟部分、塑性変形部分、弾性変形部分、防振部分、振動吸収部分、等が含まれる。軸方向は配管が有する中心軸の方向である。配管は、通常、水平姿勢で設置されるが、それが斜め方向に設置されてもよい。いずれにしても、配管は、第1構造体と第2構造体との間に設けられる。
実施形態において、配管は、変形部分と第1構造体との間に設けられた第1の非変形部分と、変形部分と第2構造体との間に設けられた第2の非変形部分と、を含む。水平ダンパ機構は、第1の非変形部分と第2の非変形部分の間において変形部分と並列に設けられる。
引力が生じる配管から上方に又は下方に離れた位置で2つの構造体の間に生じる近接運動を制限した場合、2つの構造体の一方又は両方にモーメントが生じ易くなる。これに対し、上記構成によれば、引力の軸線とそれに抗する突っ張り軸線とを近接でき、又は、一致させることができるので、モーメントが生じ難く又はモーメントが生じない。各非変形部分は、吸引状態において、基本的に潰れない硬質部分である。
実施形態において、水平ダンパ機構は、変形部分の周囲に設けられた複数のダンパユニットを含む。各ダンパユニットは、第1の非変形部分に連結された第1の伝達部材と、第2の非変形部分に連結された第2の伝達部材と、第1の伝達部材と第2の伝達部材との間に設けられたダンパ要素と、を含む。上記構成によれば、配管の周囲における複数の箇所で引力が吸収されるので、変形部分がいびつな形に変形してしまうことを回避し易くなる。各伝達部材は、連結関係にある複数の部材により構成されてもよい。
実施形態において、第1構造体及び第2構造体を搭載した共通のベース部材と、第1構造体とベース部材との間に設けられた第1の防振層と、第2構造体とベース部材との間に設けられた第2の防振層と、を含む。第2構造体は、吸引ポンプを含む下部と、下部の上側に設けられた上部と、を含む。水平ダンパ機構は、試料室と下部との間において作用する。
上記構成によれば、2つの防振層よりも上側の階層において、そこで発生する引力が吸収される。ベース部材を介して、引力の吸収や運動力の制限を行う場合、ベース部材と各構造体との間の機械的又は物理的な結合が強くなり、それらの間において振動が伝わり易くなってしまう。上記構成によれば、そのような問題を回避できる。
実施形態において、第2構造体は、下部と上部との間に設けられ、軸方向に変形可能な変形部分を有する中継配管と、上部から下部へ及ぶ押圧力を弾性的に吸収しつつ上部の下降運動を制限する垂直ダンパ機構と、を含む。この構成によれば、水平ダンパ機構及び垂直ダンパ機構により、構造体間に設けられた変形部分及び第2構造体内に設けられた変形部分の本来的な作用を維持できる。
本発明によれば、吸引状態において、第2構造体から第1構造体へ振動が伝わり難くなる。あるいは、本発明によれば、吸引状態において、配管における変形部分の防振作用の低下を防止又は軽減できる。
実施形態に係る走査型電子顕微鏡を示す図である。 防振部の断面図である。 変形例を示す図である。 他の実施形態に係る走査型電子顕微鏡を示す図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、実施形態に係る走査型電子顕微鏡が示されている。走査型電子顕微鏡は荷電粒子線装置の一種である。他の荷電粒子線装置に対して、以下に説明する構造が適用されてもよい。
図1に示される走査型電子顕微鏡は、デスク又はテーブル上に設置される小型の卓上型装置である。図示された構成例において、走査型電子顕微鏡は、主構造体としての第1構造体10、副構造体としての第2構造体12、及び、第1構造体10と第2構造体12の間に設けられた配管部14を有する。第1構造体10及び第2構造体12の下側には、それらに共通のベース部材16が設けられている。ベース部材16は、デスク表面に設置されている。
第1構造体10は、鏡筒18及び試料室20を有する。試料室20の上側に鏡筒18が固定的に連結されている。鏡筒18には、電子銃22、レンズ系(複数のコイル)24が含まれる。鏡筒18の内部は、通常、真空に保たれる。具体的には、電子銃室の内部及び中間室の内部がいずれも真空とされる。試料室20の内部には、試料を保持する試料ステージが設けられる。試料室20の内部も真空とされる。
一般に、電子銃室の内部の真空度が最も高く、中間室の内部の真空度がそれに続き、試料室20の内部の真空度が最も低くなる。電子銃によって電子線が生成される。電子線は荷電粒子線の一種である。レンズ系は、電子線の収束、走査、偏向等を行うものである。試料に対して電子線が照射され、それにより生じた二次電子、反射電子等が検出される。これにより電子顕微鏡画像が形成される。
ベース部材16を介して下方からの振動が第1構造体10に伝わることを防止し又は軽減するため、ベース部材16と第1構造体10との間には防振層28が設けられている。図示の構成例では、防振層28は、複数のダンパ要素30,32からなる。個々のダンパ要素30,32は、ゴム材料、スプリング等の弾性作用をもった部材により構成される。防振層28として、ゴム材料からなる防振シートが配置されてもよい。個々のダンパ要素30,32の下面はベース部材16に固定されており、個々のダンパ要素30,32の上面は試料室20の底面に固定されている。
第2構造体12は、真空ポンプ42を備える下部36及びその上側に設けられた上部38を有する。下部36と上部38との間には、中継配管44及び垂直ダンパ機構40が設けられている。真空ポンプ42は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)により構成される。真空ポンプ42は、吸引ポートとしてのメインポート及びサブポートを備える。メインポートの方がサブポートよりも、真空度(吸引度)が高い。メインポートは、中継配管44及び上部38の内部配管を介して、後述する第1の配管64及び第2の配管66に接続されている。
中継配管44は、軸方向つまり垂直方向に容易に変形する蛇腹状の変形部分44Aを有する。変形部分44Aは、伸縮部分であり、それは防振作用を発揮するものである。変形部分44Aの両側は、第1の非変形部分及び第2の非変形部分である。各非変形部分は、硬質部分であり、吸引力によっては容易に変形しない部分である。垂直ダンパ機構40は、2つのプレート52,54の間に並列的に設けられた複数のダンパユニット46を有する。その個数は、例えば、2個、3個又は4個である。個々のダンパユニット46は、プレート52に固定された部材48、プレート54に固定された部材50、及び、部材48と部材50との間に設けられたダンパ要素53により構成される。
個々のダンパ要素53は、例えば、弾性部材、スプリング等により構成される。各ダンパ要素53は、真空ポンプ42の作動状態において、変形部分44Aの潰れに伴って、上部38から下部36へ押圧力が及んだ場合に、その押圧力を弾性的に吸収し、且つ、上部38の下方への運動を制限する作用を発揮する。ダンパ要素53の下面はプレート52に固定されており、ダンパ要素53の上面はプレート54に固定されている。ダンパ要素53の中間部は水平方向に膨らんでおり、その垂直断面は六角形である。ダンパ要素53の水平断面は円形である。シート状のダンパ要素、ブロック状のダンパ要素等を利用することも考えられる。なお、部材48,50はそれぞれスペーサとして機能しており、それらは硬質の支柱又はプレートで構成される。
真空ポンプ42の作動時において、変形部分44Aに圧縮力が生じても、垂直ダンパ機構40により、変形部分44Aの潰れ量は、個々のダンパ要素53の潰れ量に制限される。すなわち、上部38の下方への移動が制限される。これにより、変形部分44Aの防振作用の低下を防止又は軽減できる。すなわち、変形部分44Aを経由して伝達する振動を抑制できる。
下部36とベース部材16との間には、防振層56が設けられている。図示の構成例では、防振層56は、複数のダンパ要素58,60からなる。個々のダンパ要素58,60は、ゴム材料、スプリング等の弾性作用をもった部材により構成される。防振層56として、ゴム材料からなる防振シートが配置されてもよい。個々のダンパ要素58,60の下面はベース部材16に固定されており、個々のダンパ要素58,60の上面は下部36の底面に固定されている。防振層56により、ベース部材16から第2構造体12へ伝わる振動を低減でき、また、第2構造体12からベース部材16へ伝わる振動を低減できる。
配管部14は、鏡筒18と上部38との間に設けられた第1の配管(上側配管)64及び第2の配管(中間配管)66を有し、また、試料室20と下部36の間に設けられた第3の配管(下側配管)70を有する。
第1の配管64及び第2の配管66は、図示の構成例において、それぞれ、防振作用を発揮する2つの伸縮構造96を有する。それらは一方端部及び他方端部に設けられている。個々の伸縮構造96は、ある意味において、変形部分及び防振部分であり、後述するスライド構造を有する。個々の伸縮構造96により、鏡筒18と上部38との間の組立誤差が吸収される。また、真空ポンプ42の動作時において吸引力A1,A2が生じた場合、個々の伸縮構造96により、第1の配管64及び第2の配管66の縮みが許容される。個々の伸縮構造96の詳細については後に図2を用いて説明する。
試料室20には、ブロック34が取り付けられている。ブロック34内には必要に応じて電磁弁等の部品が設けられる。真空ポンプ42のサブポートは、延長部68を介して、第3の配管70の一方側端部に接続されている。延長部68は、サブポートと延長ポートとを接続するカップリング76、及び、延長ポートと第3の配管70とを接続するホルダ72を含む。第3の配管70の他方側端部は、ブロック34内の内部配管に連結されている。第3の配管70の内部は、試料室20の内部空間と連通している。
第3の配管70は、軸方向つまり水平方向に容易に変形する変形部分70Aを有している。変形部分70Aは防振部分として機能する。変形部分70Aの両側が一方端部分及び他方端部分であり、それらはいずれも硬質部分である。
2つの硬質部分に跨がって水平ダンパ機構78が設けられている。水平ダンパ機構78は、真空ポンプの動作時において、変形部分70Aの過度の潰れを制限する。すなわち、変形部分70Aが大きく潰れると、変形部分70Aを介して振動が伝達され易くなる。そのような問題が生じないように又は軽減されるように、水平ダンパ機構78が設けられている。具体的には、水平ダンパ機構78は、変形部分70Aの周囲にそれと並行に設けられた複数のダンパユニット80を含む。その個数は、例えば、2個、3個又は4個である。変形部分70Aの周囲に、均等な角度間隔をもって複数のダンパユニット80を設けるのが望ましい。変形部分70Aの両側には2つの非変形部分が設けられている。個々のダンパユニット80は、第3の配管70上において生じた水平方向の圧縮力を弾性的に吸収し、2つの非変形部分の過度の近接、換言すれば、変形部分70Aの過度の潰れ変形、を防止する作用を発揮する。
個々のダンパユニット80は、アーム82、軸84、台座86、及び、ダンパ要素88を有する。アーム82は、ホルダ72を介して、第3の配管70における一方側端部に連結されている。第3の配管70は中継配管といい得る。軸84の一方端がアーム82に固定されている。軸84の他方端は肥大しており、その部分がダンパ要素88の一方面に接合されている。台座86の一方面がダンパ要素88の他方面に接合されている。台座86の他方面は、ブロック34に固定されている。換言すれば、台座86は、ブロック34を介して、第3の配管70における他方側端部に連結されている。アーム82及び軸84は振動伝達部材として機能する。ダンパ要素88は、ゴム部材、スプリング等の弾性体により構成される。図1に示す例において、ダンパ要素88は円盤形を有する弾性材料からなる。六角形を有する断面をもったダンパ要素等を用いてもよい。
変形部分70Aにより、試料室20と下部36との間の組立誤差が吸収される。真空ポンプの動作時において、第3の配管70の内部に吸引力A3が生じた場合、変形部分70Aが潰れようとするが、その潰れ量は、水平ダンパ機構78により制限される。すなわち、個々のダンパ要素88の潰れ量に制限される。
仮に、水平ダンパ機構78を設けない場合、変形部分70Aが大きく潰れ、その結果、第2構造体12において、下部36を第1構造体10側に引き付けるモーメントが生じる(符号90を参照)。その場合、変形部分70Aを通じて、真空ポンプ42の振動が十分に減衰されずに第1構造体10へ伝達されてしまうことになる。また、防振層56を構成する個々のダンパ要素58,60に水平方向のせん断力が生じ、防振層56の本来的な防振機能が損なわれてしまう。
図1に示した水平ダンパ機構78によれば、変形部分70Aの潰れ量を制限し、防振作用の低下を防止することが可能となる。また、下部36の水平方向への運動を制限できるので、個々のダンパ要素58,60に対して大きなせん断力が及ぶことを防止できる。なお、ポート62には、他の吸引ポンプが接続される。
図2には、第1の配管64の一方側端部に設けられる伸縮構造96の一例が示されている。第1の配管64の他方側端部にも同様の伸縮構造96が設けられる。第2の配管の一方側端部及び他方側端部にも同様の伸縮構造96が設けられる。
主配管92と副配管94は軸方向に相対的にスライド可能に連結されている。伸縮構造96はスライド構造である。図示の構成例において、副配管94は、肉厚部分94Aとそれに連なる肉薄部分94Bとを有する。肉厚部分94Aと肉薄部分94Bとに跨がって段差構造が生じている。符号98はリング状の段差面を示している。主配管92の端部は、肉薄部分94Bの外側を取り囲んでいる。主配管92の端部には、リング状の内向き溝102が設けられ、その内向き溝102には弾性部材としてのOリング104が配置されている。主配管92の端面と副配管94の段差面98の間には弾性部材としてのOリング100が設けられている。Oリング100は専ら防振機能を発揮する。Oリング104は専らシール機能を発揮する。
このような伸縮構造96により、副配管94に対して主配管92が相対的にスライドしても、両部材間における気密性は保持される。真空ポンプによる吸引時において、第1の配管64にはその長さを縮めようとする吸引力が生じるが、その吸引力はOリング100によって弾性的に吸収される。同時に、副配管94に対する主配管92の一定以上の近接運動も制限される。図2に示されたスライド構造に代えて蛇腹構造等を採用してもよい。
図3には、図1に示した実施形態についての変形例が示されている。走査型電子顕微鏡は、第1構造体10A、第2構造体12A、及び、それらの間に設けられた配管部14Aを有する。第2構造体12Aは、下部36、上部38A、中継配管44、及び、垂直ダンパ機構40を有する。下部36の中には真空ポンプが設けられている。第2構造体12Aの下側には防振層56Aが設けられている。それはシート状の弾性部材106により構成されている。
配管部14Aは、鏡筒18Aの電子銃室と上部38Aとの間に設けられた第1の配管64Aを有する。第1の配管64Aはそれ全体として硬質であり、そこには伸縮部分は含まれていない。配管部14Aは第2の配管66Aを有する。第2の配管66Aもそれ全体として硬質であり、そこには伸縮部分は含まれていない。第2の配管66Aは、第1の配管64Aの途中108と鏡筒18Aの中間室の間に設けられている。第1の配管64Aの内部と第2の配管66Aの内部は連通している。2つの配管64A,66Aの断面サイズの調整により、吸引圧の配分が調整される。更に、配管部14Aは、下部36と試料室20との間に設けられた第3の配管70を有する。それを取り囲むように水平ダンパ機構78が設けられている。
変形例においては、垂直ダンパ機構40が組立誤差を吸収する作用及び防振作用を発揮することに着目し、第1の配管64A及び第2の配管66Aとして、伸縮部分を有しない硬質の配管が利用されている。
図4には、他の実施形態が示されている。第1構造体10Bと第2構造体12Bはそれらに共通のベース部材16に搭載されている。第1構造体10Bと第2構造体12Bとの間には配管部14Bが設けられている。配管部14Bは、第1の配管64、第2の配管66、及び、第3の配管70を有する。それらの配管64,66,70はいずれも防振作用を発揮するものである。具体的には、第1の配管64及び第2の配管66はそれぞれ両端部に2つのスライド構造を有している。第3の配管70は蛇腹構造をもった変形部分を有している。
第1構造体10Bとベース部材16との間には、振動吸収層又は振動緩和層として機能する防振層28Bが設けられている。防振層28Bは複数のダンパ要素からなる。第2構造体12Bとベース部材16との間にも、振動吸収層又は振動緩和層として機能する防振層56Bが設けられている。より詳しくは、ベース部材16には、L字板116が設けられている。L字板116は水平部分と垂直部分とを有する。水平部分がベース部材16に固定されている。水平部分と下部36の底面との間に防振層56Bが設けられている。それは複数のダンパ要素からなる。
図4に示された他の実施形態においては、第1構造体10B及び第2構造体12Bの間におけるベース部材16による突っ張り作用を利用して、第1構造体10B及び第2構造体12Bの近接運動を制限する水平ダンパ機構110が設けられている。具体的には、水平ダンパ機構110は、ベース部材16に固定された起立板112及びL字板116、並びに、ダンパ要素114,118を有する。起立板112と試料室20との間にダンパ要素114が設けられ、L字板116の垂直部分と下部36の側面との間にダンパ要素118が設けられている。
真空ポンプの吸引動作により第1構造体10Bと第2構造体12Bの間にそれらを互いに引き付ける引力が生じた場合、第1構造体10B及び第2構造体の運動力がダンパ要素114,118により弾性的に吸収され、また、それらの近接運動がダンパ要素114,118により規制される。これにより、第3の配管70の変形部分が過度に潰れることが防止される。変形部分が有する防振作用の低下を防止又は軽減することが可能となる。ベース部材16を媒介として引力を打ち消す構造として様々なものが考えられる。
図1に示した実施形態と図4に示した他の実施形態とを比較してみる。実施形態によれば、他の実施形態に比べ、ベース部材と第1構造体との間、及び、ベース部材と第2構造体との間における水平方向の機械的な結合を弱めることが可能である。よって、実施形態の方がベース部材を媒介とする振動伝達を低減できる。実施形態によれば、第3の配管の近傍又はその周囲において、引力を打ち消せるため、第1構造体及び第2構造体において生じるモーメントを小さくでき、あるいは、モーメントの発生を防止できる。
なお、水平ダンパ機構として、上述したもの以外を採用してもよい。試料室と下部との間において引力を打ち消す構造として様々なものが考えられる。
10 第1構造体、12 第2構造体、14 配管部、16 ベース部材、18 鏡筒、20 試料室、28 防振層、36 下部、38 上部、40 垂直ダンパ機構、42 真空ポンプ、56 防振層、64 第1の配管、66 第2の配管、70 第3の配管、78 水平ダンパ機構、80 ダンパユニット。

Claims (4)

  1. 荷電粒子線を生成する鏡筒及び前記荷電粒子線が照射される試料を収容する試料室を含む第1構造体と、
    前記第1構造体に対して水平方向に隔てて設けられ、前記第1構造体の内部を吸引する吸引ポンプを含む第2構造体と、
    前記第1構造体と前記第2構造体との間に設けられ、軸方向に変形可能な変形部分を有する配管と、
    前記吸引ポンプの動作により前記配管を通じて前記第1構造体と前記第2構造体との間にそれらを互いに近付ける引力が生じた場合に、当該引力を弾性的に吸収しつつ前記第1構造体及び前記第2構造体の近接運動を制限する水平ダンパ機構と、
    前記第1構造体及び前記第2構造体を搭載した共通のベース部材と、
    前記第1構造体と前記ベース部材との間に設けられた第1の防振層と、
    前記第2構造体と前記ベース部材との間に設けられた第2の防振層と、
    を含み、
    前記第2構造体は、
    前記吸引ポンプを含む下部と、
    前記下部の上側に設けられた上部と、
    を含み、
    前記水平ダンパ機構は、前記試料室と前記下部との間において作用する、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1記載の荷電粒子線装置において、
    前記配管は、
    前記変形部分と前記第1構造体との間に設けられた第1の非変形部分と、
    前記変形部分と前記第2構造体との間に設けられた第2の非変形部分と、
    を含み、
    前記水平ダンパ機構は、前記第1の非変形部分と前記第2の非変形部分との間において前記変形部分と並列に設けられた、
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2記載の荷電粒子線装置において、
    前記水平ダンパ機構は前記変形部分の周囲に設けられた複数のダンパユニットを含み、
    前記各ダンパユニットは、
    前記第1の非変形部分に連結された第1の伝達部材と、
    前記第2の非変形部分に連結された第2の伝達部材と、
    前記第1の伝達部材と前記第2の伝達部材との間に設けられたダンパ要素と、
    を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項記載の荷電粒子線装置において、
    前記第2構造体は、更に、
    前記下部と前記上部との間に設けられ、軸方向に変形可能な変形部分を有する中継配管と、
    前記上部から前記下部へ及ぶ押圧力を弾性的に吸収しつつ前記上部の下降運動を制限する垂直ダンパ機構と、
    を含むことを特徴とする荷電粒子線装置。
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