JP7229855B2 - フラッシュ構造体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、フラッシュ構造体の製造方法に関する。
従来から、建物の開き戸および引き戸、家具の扉、テーブル天板、あるいは棚板等には、フラッシュ構造を採用したものが多く使用されている(以下、「フラッシュ構造体」)。
上記のフラッシュ構造体の製造方法としては、予め化粧材(面材に相当)を芯組みに固定した上で、端部が芯組みから突出している化粧材の裏面から折り曲げのための切削加工をしたのち、当該化粧材の端部を折り曲げる方法がある(例えば、特許文献1および2参照)。この方法によれば、角部に小径のR面を持つフラッシュ構造体(積層体)を製造することができる。
特許第3739383号明細書 特開2004-358873号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に記載の方法では、化粧材の接着位置にずれが生じると、R面の終点の位置がずれるので、折り曲げ箇所に形成されるR面の形状が安定しないという問題点がある。例えば、特許文献1の図10で、化粧材52の端部と基材51の底面の角との位置関係がずれた場合、Rの長さに変動が生じてしまう。
本発明の一態様は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、面材の折り曲げ箇所に形成されるR面の形状を安定化させることができるフラッシュ構造体の製造方法を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフラッシュ構造体の製造方法は、面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、前記固定工程の後、前記面材の端部に、該面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げる折り曲げ工程と、を含み、前記第1溝形成工程では、さらに、前記第1溝の内側の第1側面とで、外側に向けて凸の凸形状を形成する傾斜面を形成する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフラッシュ構造体の製造方法は、面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、前記固定工程の後、丸鋸の刃先を前記面材の端部に斜めに当てて該面材の端部を切削することにより、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、を含み、前記第1溝形成工程では、前記丸鋸の前記刃先に備えられた第1刃によって、前記外側面の一部が形成されるとともに、前記縦芯における前記面材と接触する外側の端部に、外側に向けて凸となる突出部が形成され、前記丸鋸の前記刃先に備えられた第2刃によって、前記第1溝が形成され、前記丸鋸の前記刃先に備えられた前記第2刃における前記第1溝の底面を形成する第1面について、前記第1溝の形成の開始から終了までの過程において、前記第1面が前記面材の表面に対して略平行の位置関係を維持する。
本発明の一態様によれば、面材の折り曲げ箇所に形成されるR面の形状を安定化させることができるという効果を奏する。
状態101は、本発明の一実施例に係るドアの外観を示す斜視図であり、状態102は、前記ドアを構成する芯組みの外観を示す斜視図である。 状態103は、面材の側端部を折り曲げる前における、前記ドアの側端部周辺の構造を示す上面図であり、状態104は、状態103に示す面材の側端部の拡大図であり、状態105は、面材の側端部を縦芯に固定した後における、前記ドアの側端部周辺の構造を示す上面図である。 本発明の一実施例に係るドアの製造方法を示す概略図である。 本発明の一実施例に係る第1溝形成工程での加工の様子を示す概略図である。 状態106は、本発明の一実施例に係るドアについて、その側端部周辺の構造を示す上面図であり、丸鋸の刃先を面材の側端部に斜めに当てて切削する様子を示す図であり、状態107は、本発明の一実施例に係るドアについて、その側端部周辺の構造を示す上面図である。 状態108は、本発明の一実施例の変形例に係るドアについて、その側端部周辺の構造を示す上面図であり、丸鋸の刃先を面材の側端部に斜めに当てて切削する様子を示す図であり、状態109は、本発明の一実施例の変形例に係るドアについて、その側端部周辺の構造を示す上面図である。
〔ドアの概要〕
図1の状態101を用いたドア10の概要の説明では、便宜上、紙面向かって上側を上方、紙面向かって下側を下方、紙面向かって上下方向を縦方向、紙面向かって左右方向を横方向とする。また、紙面向かって手前から奥行きに向かう方向を正面方向とする。なお、図1の状態101では、ドア等に設けられているドアハンドル、引き手、蝶番、戸車、およびドアの表面に施される装飾などは省略している。
さらに、本発明の一態様に係るフラッシュ構造体は、下記のドア10に限定されない。本発明の一態様に係るフラッシュ構造体としては、例えば、家具の扉、テーブル天板および棚板なども含まれる。
ドア(フラッシュ構造体)10は、フラッシュ構造のドアであり、開き戸、引き戸およびパネル(間仕切り)等を含む。図1の状態101に示すように、ドア10は、2枚の面材1が芯組み2の表裏両面および側面に固定された構造となっている。「芯組み2の側面」とは、具体的には縦芯2aの外側面2a-1(詳細は後述)を指す。
2枚の面材1および芯組み2は、接着剤によって固定されている。本実施例では、接着剤として酢酸ビニル系の糊(一部、ホットメルト)を使用している。ただし、これらは他の接着剤で固定されていてもよいし、金具によって固定されていてもよい。また、2枚の面材1および芯組み2は、ともに木質材料で形成されている。ただし、これらは木質材料以外の材料で形成されていてもよい。
2枚の面材1は、それぞれ、木質の板を加工して得られる部材であり、ドア10の外観を形成する。面材の材料としては、木質繊維板など、木質材料の芯組みに対する接着性が良いものが好ましい。また、面材の材質としては、面材を芯組みに貼り付けした後、外力によってフラッシュ構造体の芯組みが撓みにくくなるような硬質のものが好ましい。
2枚の面材1の表面には、ドア10の外観を向上させるための化粧シート(不図示)が貼り付けられている。化粧シートとしては、オレフィンシート等を例示することができる。
芯組み2は、ドア10の大きさと略同一の大きさ、かつ正面から見て外形が長方形状の部材である。図1の状態102に示すように、芯組み2は、2本の縦芯2a、上芯2b、下芯2cおよび2本の縦中芯2dで形成されている。
縦芯2a、上芯2bおよび下芯2cは、ともに木質の部材を加工して得られる角材である。本実施例では、上芯2bの縦方向の幅と下芯2cの縦方向の幅とが同一となっている。また、2本の縦芯2aについて、一方の横方向の幅と他方の横方向の幅とが同一となっている。ただし、上芯2bの縦方向の幅と下芯2cの縦方向の幅とが必ずしも同一である必要はない。同様に、2本の縦芯2aについても、一方の横方向の幅と他方の横方向の幅とが必ずしも同一である必要はない。
上芯2bの横方向の両端は、縦芯2aにおける上側の端部と当接する位置まで延びており、下芯2cの横方向の両端は、縦芯2aにおける下側の端部と当接する位置まで延びている。具体的には、上芯2bにおける横方向の両端の側面が縦芯2aにおける上側の端部の側面と当接しており、上芯2bの上面と縦芯2aの上面とが略面一となっている(いわゆる、「縦勝ち」の状態)。同様に、下芯2cにおける横方向の両端の側面が縦芯2aにおける下側の端部の側面と当接しており、下芯2cの下面と縦芯2aの下面とが略面一となっている(「縦勝ち」の状態)。
縦芯2a、上芯2bおよび下芯2cが前記のような配置関係で組み付けられることにより、枠体が形成される。また、図1の状態102に示すように、枠体に取り囲まれる空間には、2本の縦中芯2dが組み付けられている。縦中芯2dは、木質の部材を加工して得られる、ドア10の縦方向に延びる角材である。また、2本の縦中芯2dについて、一方の横方向の幅と他方の横方向の幅とが同一となっている。
なお、本実施例における縦中芯2dの本数はあくまで一例であり、ドア10の大きさ等に応じて任意に変更してもよい。また、縦中芯2dを、さらに横方向に設けてもよい。さらに、2本の縦中芯2dについて、一方の横方向の幅と他方の横方向の幅とが必ずしも同一である必要はない。また、中芯として、縦中芯2dに替えて横方向に延びる横中芯を設けてもよい。
さらに、縦芯2a、上芯2b、下芯2cおよび縦中芯2dについて、これらの各部材の組み付け後の配置関係は、本実施例の配置関係に限定されない。つまり、芯組み2がドア10以外のフラッシュ構造体に用いられる場合、芯組み2に含まれる前記4つの部材の配置関係が本実施例の配置関係と異なることがある。芯組み2が用いられるフラッシュ構造体が、ドア10ではなく例えば棚板の場合、芯組み2に含まれる縦芯2aおよび縦中芯2dは横方向に配置され、上芯2bおよび下芯2cは縦方向に配置される。換言すれば、本発明の一態様に係る芯組みについて、該芯組みに含まれる縦芯の配置は、「縦」との文言によっては拘束されない。
〔ドアの側端部周辺の構造〕
本明細書中では、ドア10の縦方向の端部、面材1の縦方向の端部および縦芯2aの縦方向の端部のそれぞれについて、該縦方向の端部を「側端部」と称する。また、図2の状態103~図2の状態105の説明では、便宜上、紙面向かって前側を上方、紙面向かって後側を下方、紙面向かって前後方向を縦方向、紙面向かって左右方向を横方向、紙面向かって上下方向を厚さ方向とする。このことは、図3のS11の状態~図6の状態109についても同様である。さらに、図2の状態104には、便宜上、一方の側端部1aしか示していない。なお、他方についても、図2の状態104に示す側端部1aの形状と同様の形状となっている。
<面材の側端部を折り曲げる前の構造>
図2の状態103に示すように、2枚の面材1の側端部(端部)1aを縦芯2aの外側面2a-1に向けて折り曲げる前は、2つの側端部1aのそれぞれが、外側面2a-1の配置位置から外側横方向に突出した状態で配置される。
側端部1aの横方向の長さは、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態において、外部から外側面2a-1を視認することができない程度の長さとなっている。具体的には、図2の状態103に示すように、面材1の厚さをt、縦芯2aの厚さをTとするとき、状態104に示すように側端部1aの横方向の長さは、最長でL1=t+T/2+(2πT)/4の長さとなる。一方、図2の状態104’に示すように、側端部の横方向の長さは、最短でL2≒t+T/2の長さとなる。すなわち、側端部の横方向の長さはL1からL2までの範囲の値を取り得る。
「2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態」は、ドア10の側端部の構造的には、2つの先端1a-1および2つの側端部1aの折り曲げが完了した状態と同じ状態である。なお、2つの先端1a-1および2つの側端部1aの折り曲げの詳細については、後述する。
ここで、「側端部1aの横方向の長さ」とは、第1溝3aの第1側面3a-1(詳細は後述)の上端の位置から、側端部1aの先端面1a-2までの距離を指す。「面材1の本体」とは、1枚の面材1の全体から両側の側端部1aを除いた残りの部位を指す。
また、「外部から外側面2a-1を視認することができない」とは、縦芯2aに固定された2つの側端部1aの境界に形成される隙間から、奥行き方向を一定程度離れた位置で視認した場合に、外側面2a-1の外観が把握できないことを指す。例えば、前記の隙間に目を近づけて奥行き方向を視認した場合に外側面2a-1の外観が把握できたとしても、一定程度離れた位置で視認した場合に外側面2a-1の外観が把握できないのであれば、なお、「外部から外側面2a-1を視認することができない」といえる。
(第1溝・第2溝)
図2の状態103および状態104に示すように、2つの側端部1aのそれぞれには、第1溝3a・第2溝3bが形成されている。2つの側端部1aのそれぞれについて、第1溝3aは、側端部1aにおける縦芯2aの外側面2a-1に近い側に形成されている。また、第1溝3aの第1側面3a-1は、厚さ方向に斜めに傾斜している。また、外側面2a-1の傾斜面2a-2は、厚さ方向に斜めに傾斜している。これにより、第1側面3a-1と傾斜面2a-2とは、ドア10の外側に突出する略三角形状の凸部を形成している。
また、第1溝3aの第2側面3a-2は、厚さ方向に斜めに傾斜し、第1側面3a-1と略平行になっている。また、2つの側端部1aのそれぞれについて、第2溝3bは該側端部1aの先端1a-1付近に形成されている。
芯組み2の表面に固定された面材1の側端部1aにおける、第1溝3a・第2溝3bの形成位置は、芯組み2の裏面に固定された面材1の側端部1aにおける、第1溝3a・第2溝3bの形成位置と略同一となっている。第1溝3aは、側端部1aを外側面2a-1に向けて折り曲げるための溝であり、側端部1aの裏面1b側が開口しているとともに縦方向に延伸している。
第2溝3bは、側端部1aの先端1a-1を該側端部1aの折り曲げ方向と同じ方向に折り曲げるための溝である。図2の状態103および状態104に示すように、第2溝3bについても第1溝3aと同様、側端部1aの裏面1b側が開口しており、縦方向に延伸している。第2溝3bにおける横方向の断面は、面材1と直交する縦方向の面を基準として略左右対称の略二等辺三角形状となっている。
図2の状態104に示すように、2つの側端部1aのそれぞれに形成された第2溝3bについて、側端部1aの先端1a-1側の側面における、開口側の長手方向の辺は、側端部1aの先端面1a-2における、開口側の長手方向の辺と略重なっている。
このように第2溝3bを形成し、2つの側端部1aの先端1a-1を折り曲げた上で、さらに2つの側端部1aを折り曲げて縦芯2aに固定することにより、この固定が完了した状態において2つの側端部1aの先端1a-1が互いに対向し、隣接する。
言い換えれば、2つの側端部1aの横方向の長さは、2つの先端1a-1および2つの側端部1aの折り曲げおよび固定が完了した状態において、外部から縦芯2aの外側面2a-1を視認することができない程度の長さになっている。
ここで、「2つの側端部1aの折り曲げおよび固定が完了した状態」とは、2つの側端部1aの表面が略面一になり、かつ、2つの側端部1aの表面が縦芯2aの外側面2a-1に対して略平行に配置された状態のことを指す。
以上のことから、縦芯2aに固定された2つの側端部1aの境界に形成される隙間を外部から視認した場合に、隙間の奥行き方向に見える2つの先端1a-1の外観が、2つの側端部1aの外観と統一される。そのため、ドア10の側端部の外観が良くなる。
また、2つの側端部1aのそれぞれに第2溝3bを形成することは必須ではない。一方の側端部1aにのみ第2溝3bを形成してもよいし、2つの側端部1aともに第2溝3bを形成しなくてもよい。言い換えれば、一方の側端部1aの先端1a-1のみ折り曲げてもよいし、2つの側端部1aともに先端1a-1を折り曲げなくてもよい。
2つの側端部1aともに第2溝3bを形成しない場合、2つの側端部1aの横方向の長さは、2つの側端部1aの折り曲げおよび固定が完了した状態において、外部から縦芯2aの外側面2a-1を視認することができない程度の長さになっていればよい。
(縦芯の外側面および第3溝)
図2の状態103および状態104に示すように、縦芯2aの外側面2a-1は、凹凸が除去(後述の第3溝3cを除く)された略平面形状となっている。外側面2a-1が前記のように略平面形状に加工されることにより、芯組み2の横方向の幅が、ドア10の製造者等が所望する所定の第1長さ(所定の長さ)となる。
また、縦芯2aの外側面2a-1は、2つの第1溝3aの第2側面3a-2よりも、ドア10の中央側に形成されている。言い換えれば、第2側面3a-2は、外側面2a-1よりも側端部1aの先端1a-1側に形成されている。
具体的には、第2側面3a-2と外側面2a-1とは、2つの側端部1aの折り曲げが完了した状態において、第2側面3a-2と傾斜面2a-2とが当接する程度に横方向に離間している(図2の状態105参照)。
縦芯2aの外側面2a-1における凹凸の除去の程度は、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態において、ドア10の側端部周辺の外観を損なうことなく、かつ、2つの側端部1aの縦芯2aに対する固定状態が安定する程度に除去されていればよい。
図2の状態103に示すように、縦芯2aにおける外側面2a-1側の厚さ方向の略中央(一点鎖線参照)には、縦芯2aの延伸方向に沿って延伸する第3溝3cが形成されている。第3溝3cは、余分な糊を溜めておくための溝である。第3溝3cは、平面視で、側端部の略中央に形成されており、横方向の断面が略長方形状となっている。
なお、第3溝3cの形成位置・大きさ・横方向の断面形状は任意に変更してもよい。第3溝3cの大きさについては、例えば、2つの側端部1aを縦芯2aに固定するのに使用する糊の量に応じて変更する。
<面材の側端部を縦芯に固定した後の構造>
図2の状態105に示すように、2枚の面材1の側端部1aが折り曲げられ、縦芯2aに固定された状態では、2つの側端部1aの裏面1bおよび先端面1a-2が、縦芯2aの外側面2a-1に当接する。
また、上述したように、第2側面3a-2と外側面2a-1とは、2つの側端部1aの折り曲げが完了した状態において、第2側面3a-2と傾斜面2a-2とが当接する程度に横方向に離間している。このため、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態において、第2側面3a-2と傾斜面2a-2とが当接し、2つの側端部1aの裏面1bおよび先端面1a-2が外側面2a-1に当接する。したがって、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態において、ドア10の側端部周辺の外観が良好となり、かつ、2つの側端部1aの縦芯2aに対する固定状態が安定する。
また、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態では、縦芯2aに固定された2つの側端部1aの境界に隙間が形成される。この隙間は、互いに対向する2つの先端1a-1の表面が隣接していることから、図2の状態105に示すように、かなり狭い隙間となっている。具体的には、前記の隙間は、外部から該隙間の奥行き方向を視認した場合に、外側面2a-1の外観を把握できない程度に狭くなっている。そのため、ドア10の側端部の外観が良くなる。
ここで、互いに対向する2つの先端1a-1が離間し、該2つの先端1a-1の間に隙間が生じる際、2つの先端1a-1が第2溝3bに対して開き気味に位置する。そのため、外部から外側面2a-1に向かうにつれて前記の隙間が狭くなっていき、外側面2a-1付近では前記の隙間が閉じて外側面2a-1がさらに視認されにくくなる。このことから、第3溝3cの横幅を先端面1a-2の位置よりも大きく取ることもあり、あるいは、先端1a-1を第2折り曲げ工程まで接着しないこともある。
さらに、2つの側端部1aが縦芯2aに固定された状態では、図2の状態105に示すように、第1溝3aの第1側面3a-1、および表面3a-3で取り囲まれた空間3e(糊ポケット)が2つ形成される。この空間3eにより、表面3a-3は自然なR面を形成する。
すなわち、側端部1aの第1溝3aの第2側面3a-2は、縦芯2aの外側面2a-1の端部の傾斜面2a-2と当接する。これによりR面となる糊ポケット(空間3e)の2点が決まり、R面の長さは加工形状で決まっているため、形成されるR面の形状が安定する。Rの一端(上記2点のうちの1点)は、表面3a-3と第1側面3a-1の繋がる点である。一方、Rの他端(上記2点のうちのもう1点)は、第2側面3a-2と表面3a-3とが繋がる点であり、傾斜面2a-2の凸の先端の点と当接する点である。この2点と円弧(R面となる表面3a-3)の長さとが決まることから、円弧が安定して形成される。また、2つの側端部1aが折り曲げられ先端が合わさることで、その逆側で傾斜面2a-2と第1側面3a-1とが面同士合わさる様に側端部1aの長さを設計しておくことで、2点の位置がより確定する。
なお、糊ポケット(空間3e)については、R面を作る際に中空とならないように、糊を意図的に適量入れておいて中実にする。また、R面の長さが小さい場合は、糊ポケットを中空のままとすることもできる。
〔ドアの製造方法〕
ドア10は、例えば、図3のS11に示すフラッシュ接着済みの状態からS12の芯材巾規制~S19のローラープレスの各工程を踏むことによって製造することができる。なお、図3に示す製造方法は、ドア10における左側の側端部の加工を例に挙げて記載しているが、右側の側端部についても同様に、同時あるいは個別に加工する。また、図3に示す製造方法は、ドア10以外のフラッシュ構造体にも適用することができる。
<固定工程>
まず、S11のフラッシュ接着済みの状態に示すように、面材1の側端部1aを縦芯2aよりも外側に配置するようにして、2枚の面材1を芯組み2の表裏両面に固定する(固定工程)。具体的には、予め2枚の面材1および芯組み2を温めておき、ロールスプレッダ(不図示)を用いて芯組み2に糊を塗布する。なお、ロールスプレッダ以外の塗布装置を用いて糊を塗布してもよい。また、面材1に糊を塗布してもよいし、面材1および芯組み2の両方に糊を塗布してもよい。
次に、一方の面材1に芯組み2を載置した後、他方の面材1を芯組み2に載置する。そして、プレス機(不図示)を用いて、2枚の面材1と芯組み2とで構成される構造体を上下方向から加圧し、しばらく接着養生する。
固定工程の段階では、2枚の面材1の両方について、第1溝3aおよび第2溝3bを形成しておらず、側端部1aの先端面1a-2も加工していない。したがって、2枚の面材1の芯組み2に対する位置決め・固定を精度高く行う必要がなく、簡単な作業かつ短時間で2枚の面材1を芯組み2に固定することができる。
<外側面加工工程および第3溝形成工程>
固定工程の後、S12の芯材巾規制の工程に示すように、ダブルテノーナ20を用いて縦芯2aの外側面2a-1にある凹凸を除去し、外側面2a-1を略平面形状とする(外側面加工工程)。この外側面加工工程において、芯組み2の横方向の幅が、ドア10の製造者等が所望する所定の第1長さになるように、縦芯2aの横方向の幅を調整する。
本実施例では、1回の外側面加工工程で2本の縦芯2aの外側面2a-1を同時に加工している。ただし、例えばテノーナ(不図示)を用いて、1回の外側面加工工程で1本の縦芯2aの外側面2a-1を加工してもよい。
ダブルテノーナ20を用いて凹凸を除去する際、S12の芯材巾規制の工程に示すように、外側面2a-1における面材1の近傍の領域については凹凸を除去しない。このようにすることで、ダブルテノーナ20が2つの側端部1aの裏面1bに接触して該裏面1bが破損することを防止することができる。
この加工により、芯組み2の横幅(横方向の長さ)の寸法精度が高まり、ひいてはドア10の横幅の寸法精度が高まる。具体的には、芯組み2に使用する木質材料の大きさ・曲がりなどによって生じるドア10の横幅の寸法誤差(cm~mm単位の誤差)が、加工装置による加工によって生じる加工誤差(mm未満)にまで高まる。
前記のように固定工程の後に外側面加工工程を行うことから、ダブルテノーナ20の押圧力・切削力が、面材1を芯組み2に固定した状態で縦芯2aの横幅方向に加わる。したがって、加工時に縦芯2aが変形しにくくなり、芯組み2、特に縦芯2aの意図しない撓みを抑制することができる。
外側面2a-1を略平面形状に加工した後、丸鋸(不図示)を用いて、縦芯2aの外側面2a-1に第3溝3cを形成する(第3溝形成工程)。第3溝形成工程は、外側面加工工程の直後に行う必要は必ずしもなく、外側面加工工程前後のいずれかの時点で行えばよい。さらに言えば、第3溝形成工程は固定工程の前に行ってもよい。つまり、2枚の面材1を芯組み2に固定する前に、予め縦芯2aの外側面2a-1に第3溝3cを形成しておいてもよい。
また、丸鋸を用いて第3溝3cを形成することも必須ではない。例えば、外側面2a-1の凹凸を除去するための加工装置の切削刃の一部に尖りを設け、この尖りによって凹凸を除去すると同時に第3溝3cを形成してもよい。
<先端面加工工程>
外側面加工工程の後、S13の面材巾規制の工程に示すように、2つの側端部1aについて、横方向の長さが所定の第2長さになるように、2つの側端部1aの先端面1a-2を加工する(先端面加工工程)。2つの先端面1a-2の加工は縦軸加工機30を用いて行う。
具体的には、縦芯2aの凹凸が除去された外側面2a-1の配置位置を基準として、該配置位置からの側端部1aの横方向の長さが、一方の側端部1aと他方の側端部1aとで略同一となるように、2つの先端面1a-2を加工する。なお、2つの先端面1a-2の加工は、縦軸加工機30以外の加工装置を用いて行ってもよい。
前記の所定の第2長さは、2つの先端1a-1および2つの前記端部の折り曲げおよび固定が完了した状態において、外部から外側面2a-1を視認することができない程度の長さとなる。具体的には、前記の所定の第2長さは、ドア10の規定の厚さによって決まる。ドア10の規定の厚さは、芯組み2の厚さに2枚分の面材1の厚さを加えた値となる。
このようなドア10の規定の厚さに基づけば、前記の所定の第2長さは、面材1の厚さ(先端1a-1の折り曲げ分を含む)と、芯組み2の厚さに1/2を乗じた値と、ドア10の角のR面の弧の長さ(W1,W2)とを加えた値となる。なお、芯組み2の厚さには誤差があるものの、この誤差は、折り曲げが完了した状態における2つの側端部1aにおけるR面の弧の形状変形によって吸収できる可能性がある。
<第2溝形成工程および第1折り曲げ工程>
先端面加工工程の後、S14の先V加工工程に示すように、2つの側端部1aのそれぞれについて、先端1a-1付近に第2溝3bを形成する(第2溝形成工程)。S14の先V加工工程に示すように、一方の側端部1aを加工した後、他方の側端部1aを加工する。
具体的には、略45°傾斜させた状態の丸鋸40の刃先を、先端1a-1付近の裏面1bに当てて、2枚の面材1が芯組み2の表裏両面に固定された構造体を送りながら(移動させながら)加工する。丸鋸40は、外径の大きな刃を有しており、上下水平倣い加工機(不図示)に備えられている。なお、これら以外の加工装置を用いて第2溝3bを形成してもよい。例えば、第2溝3bは、先端面が平面形状で、かつドリル状のビットで加工することもできる。
第2溝形成工程の後、S15の先V折込み工程に示すように、2つの側端部1aのそれぞれについて、先端1a-1をドア10の内側に向けて(側端部1aの折り曲げ方向と同じ方向に)折り曲げる(第1折り曲げ工程)。
このように、後述する第1溝形成工程の前に第2溝形成工程および第1折り曲げ工程などの先端1a-1の加工を行うことにより、丸鋸40で第2溝3bを形成している最中に側端部1aがあまり撓まない状態で先端1a-1の加工を終えることができる。そのため、第2溝3bの形成を容易に行うことができる。ここで、「側端部1aがあまり撓まない状態」とは、第1溝3aが形成されることによって側端部1aの腰が弱くなってしまう前の、側端部1aの状態を指す。
さらに、このようにしてこの時点で先端1a-1を折り曲げることにより、先端1a-1を折り曲げない場合に比べて側端部1aの横方向の長さが短くなる。したがって、後述の第1溝形成工程において、2つの側端部1aと縦芯2aとで取り囲まれた空間に丸鋸50(詳細は後述)を傾けて挿入する際に、丸鋸50の刃が先端1a-1を折り曲げた後の側端部1aの先端に当たりにくくなる。そのため、第1溝形成工程時における側端部1aの先端付近の破損を低減することができる。
<第1溝形成工程>
第1折り曲げ工程の後、S16の奥V加工工程に示すように、2つの側端部1aのそれぞれについて、側端部1aにおける面材1の本体との連結箇所付近に第1溝3aを形成する(第1溝形成工程)。S16の奥V加工工程に示すように、一方の側端部1aを加工した後、他方の側端部1aを加工する。
具体的には、丸鋸40と同様に大きな外径の刃を有し、かつ、第1溝3aを所望の形状・大きさ・位置に加工できるように刃先51の角度等が設計された丸鋸50を用いて加工する。丸鋸50を略45°傾斜させること、および2枚の面材1が芯組み2の表裏両面に固定された構造体を送りながら加工することについては、第2溝形成工程と同様である。
第1溝形成工程では、第1溝3aについて、第1側面3a-1と第2側面3a-2とが略平行となるように加工しているが、第1側面3a-1と第2側面3a-2とは略平行でなくても良い。第1側面3a-1と第2側面3a-2とが略平行の場合、突出部(凸)の角度は約90度である。第1側面3a-1と第2側面3a-2とが略平行でない場合は、その差の角度分、突出部(凸)の角度を調整すれば、側端部1aの裏面1bを外側面2a-1に当接するように折り曲げた際に、第2側面3a-2と傾斜面2a-2とをうまく当接させることができる。
図4の状態201に示すように、丸鋸50の刃先51は、第1溝3aの断面形状に対応した第1刃先(第2刃)51a、第1側面3a-1と傾斜面2a-2とからなる外側に向けて凸の凸形状を形成するための鈍角の第2刃先(第1刃)51bを備えている。丸鋸50を略45°傾けた状態で第1刃先51aおよび第2刃先51bを前記の連結箇所付近に当てた場合に、第1溝3aおよび傾斜面2a-2が所望の形状・大きさとなるように、第1刃先51aおよび第2刃先51bの角度等が設計されている。
丸鋸50の刃先51を面材1の側端部1aに斜めに当てて切削することにより、側端部1aを縦芯2aの外側面2a-1に向けて折り曲げるための第1溝3aを形成し、かつ縦芯2aの外側の端部に、第1溝3aの内側の第1側面3a-1とで凸形状となる傾斜面2a-2を形成する。
丸鋸50の刃先51に備えられた第2刃先51bによって、外側面2a-1の一部が形成されるとともに、縦芯2aにおける面材1と接触する外側の端部に、外側に向けて凸となる突出部が形成される。
また、図4の状態202に示すように、丸鋸50の刃先51に備えられた第1刃先51aにおける第1溝3aの底面(表面3a-3)を形成する第1面51a-3について、第1溝3aの形成の開始から終了までの過程において、第1面51a-3が面材1の表面に対して略平行の位置関係を維持する。
さらに、図4の状態202に示すように、丸鋸50の刃先51に備えられた第1刃先51aによって、第1溝3aが形成され、第2刃先51bにおける前記突出部を形成する第1面51b-1と平行な面が、第1刃先51aにおける、第1溝3aの内側の第1側面3a-1を形成する第2面51a-1および第1溝3aの外側の第2側面3a-2を形成する第3面51a-2と略直交する。このことに対応して、第1溝3aは、第1溝3aの内側の第1側面3a-1および第1溝3aの外側の第2側面3a-2が、傾斜面2a-2と略直交する形状となる。
なお、第1面51b-1は、第2刃先51bにおける前記突出部(または傾斜面2a-2)を形成する面である。また、第2面51a-1は、第1刃先51aにおける、第1溝3aの内側の第1側面3a-1を形成する面である。さらに、第3面51a-2は、第1刃先51aにおける、第1溝3aの外側の第2側面3a-2を形成する面である。
上記のような刃先51にすれば、略45°傾けた丸鋸50(刃物)で第1溝3aを加工することができる。面材1の側端部1aの長さが縦芯2aの厚みのおおよそ半分であることや丸鋸50の厚みなどを考慮して、丸鋸50を上記の角度だけ傾けて設置して対向する面材1に触れることなく、外形の大きな丸鋸50の刃先部分を2つの面材1間に入れることができるので、上述のように丸鋸50の刃の外径を大きくすることができる。したがって、第1溝3aおよび傾斜面2a-2の形成時における、2枚の面材1が芯組み2の表裏両面に固定された構造体の送材スピードを上げることができ、ドア10の生産効率を向上させることができる。
<糊吹き付け工程および第2折り曲げ工程>
第1溝形成工程の後、S17の糊付け工程に示すように、糊ノズルから2つの側端部1aの裏面1bから芯組み2(具体的には縦芯2a)の外側面2a-1にかけて糊を噴射し、該裏面1bなどに糊を塗布する(糊吹き付け工程)。糊ノズルは、糊をスプレーするための噴き出しノズルである。このとき、糊ポケット(空間3e)を形成する溝3aの中には、糊ポケットとなった後の空間3eを埋める分量の糊を塗布することもできる。
糊吹き付け工程の後、S18の折込み工程に示すように、2つの側端部1aを縦芯2aの外側面2a-1に向けて折り曲げる(第2折り曲げ工程)。次に、2つの側端部1aの折り曲げが完了した状態において、ローラープレス(不図示)で2つの側端部1aを押圧して、2つの側端部1aと縦芯2aとを密着させる。また、2つの側端部1aを押圧すると、それらの2つの先端1a-1同士が当接することで、第2側面3a-2と傾斜面2a-2とが接触配置され、角のR面となる表面3a-3の一端の位置が決まる。なお、これらの押圧はローラープレス以外の加圧装置で行ってもよい。
2つの側端部1aの折り曲げが完了した状態において、2つの側端部1aの裏面1bおよび先端面1a-2が外側面2a-1に当接する。そのため、2つの側端部1aをローラープレスで押圧しても、2つの側端部1aがドア10の中央に向けて押し込まれたりすることがなく、2つの側端部1aと縦芯2aとを密着固定させることができる。これにより、2つの側端部1aの合わせ目に凹みや突出などが起こらず、縦全体に渡って均一な表面合わせを実現することができる。
以上の各工程を踏むことにより、S19のローラブレスの工程に示すように、ドア10における縦方向の片側部分の加工が終了する。前記の片側部分の加工が終了すると、ドア10における縦方向の中心軸を回転中心としてドア10を180°反転させて、前記の片側部分と同じようにドア10における縦方向の逆側部分の加工を行う。
もちろん、前記の外側面加工工程から第2折り曲げ工程までの各工程において、それぞれの加工機にドア10を送る際に、例えばテノーナをダブルテノーナとするように、それぞれの加工機をドア10の両側に配置してもよい。このようにして加工することにより、一度にドア10の両方の側端部を加工することができ、生産性をより向上させることができる。
(変形例)
次に、図5の状態106および状態107に本実施形態のドア10を示し、図6の状態108および状態109に変形例のドア10aを示す。図5の状態106に示すように、本実施形態のドア10を作成する丸鋸50の刃先51における第1刃先51aの横方向の幅は、W1である。一方、図6の状態108に示すように、変形例のドア10aを作成する丸鋸50の刃先51における第1刃先51aの横方向の幅は、W2であり、W1>W2が成立している。これに合わせて、傾斜面2a-2の位置も面材1側に移動させている。このため、空間3f(糊ポケット)の大きさは、空間3eの大きさよりも小さくなる。以上のように、第1刃先51aの横方向の幅を調整することにより、糊ポケットの大きさすなわち角のR面の曲率半径をtから0に近いまでの値に調整することができる。なお、図2の状態104に示す例では、R面の曲率半径はtとなっている。一方、図2の状態104’に示す例では、R面の曲率半径はほぼ0となっている。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る製造方法は、フラッシュ構造体の製造方法であって、面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、前記固定工程の後、前記面材の端部に、該面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げる折り曲げ工程と、を含み、前記第1溝形成工程では、さらに、前記第1溝の内側の第1側面とで、外側に向けて凸の凸形状を形成する傾斜面を形成する。
前記構成によれば、面材を芯組みに固定した後、第1溝と傾斜面とを形成する。そのため、面材に第1溝を形成した後、面材を芯組みに固定した場合に比べて、面材の芯組みに対する位置決め・固定を精度高く行う必要がなく、簡単な作業かつ短時間で面材を芯組みに固定することができる。
また、前記構成によれば、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げる折り曲げ工程と、を含み、前記第1溝形成工程では、さらに、外側に向けて凸の凸形状を前記第1溝の内側の第1側面と連なって形成する傾斜面を形成する。これによりR面となる糊ポケットの2点とR面の長さとが決まり、面材の折り曲げ箇所に形成されるR面の形状を安定化させることができる。
本発明の態様2に係る製造方法は、フラッシュ構造体の製造方法であって、面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、前記固定工程の後、丸鋸の刃先を前記面材の端部に斜めに当てて該面材の端部を切削することにより、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、を含み、前記第1溝形成工程では、前記丸鋸の前記刃先に備えられた第1刃によって、前記外側面の一部が形成されるとともに、前記縦芯における前記面材と接触する外側の端部に、外側に向けて凸となる突出部が形成され、前記丸鋸の前記刃先に備えられた第2刃によって、前記第1溝が形成され、前記丸鋸の前記刃先に備えられた前記第2刃における前記第1溝の底面を形成する第1面について、前記第1溝の形成の開始から終了までの過程において、前記第1面が前記面材の表面に対して略平行の位置関係を維持する。前記構成によれば、面材の折り曲げ箇所に形成されるR面の形状を安定化させることができる。
本発明の態様2に係る製造方法は、前記態様1において、前記第1側面および前記第1溝の外側の第2側面は、前記傾斜面と略直交する。前記構成によれば、面材の折り曲げ箇所に形成されるR面の形状を安定化させることができる。
本発明の態様4に係る製造方法は、前記態様1~3のいずれかにおいて、前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記芯組みの横方向の幅が所定の第1長さになるように前記外側面を加工する外側面加工工程をさらに含み、前記第1溝形成工程では、前記第1溝の外側の第2側面を形成する際、前記端部の折り曲げが完了した状態において前記端部の裏面が前記外側面に当接するように、前記第1溝の前記第2側面の前記外側面に対する相対的位置を規定してもよい。
前記構成によれば、面材を芯組みに固定した後、縦芯の外側面を加工する。そのため、前記外側面の加工時に前記外側面と略直交する方向の力が縦芯に加わっても、芯組みが面材に固定されていることから、芯組みが面材に固定されていない場合に比べて芯組み、特に縦芯が撓みにくくなる。以上より、面材を芯組みに固定する前に前記外側面を加工する場合に比べて、芯組み、特に縦芯の意図しない撓みを抑制することができる。
前記構成によれば、第1溝形成工程では、第1溝の第2側面を形成する際、端部の折り曲げが完了した状態において端部の裏面が縦芯の外側面に当接するように、第1溝の第2側面の外側面に対する相対的位置を規定する。そのため、端部の折り曲げが完了した状態における端部の位置精度を向上させることができるとともに、端部の固定状態を安定させることができる。
本発明の態様5に係る製造方法は、前記態様4において、前記第1溝形成工程では、前記端部の折り曲げが完了した状態において前記端部の裏面が前記外側面に当接するように、前記第1溝の前記第2側面を前記外側面よりも前記端部の先端側に形成してもよい。
前記構成によれば、第1溝形成工程では、端部を折り曲げたときに端部の裏面が前記外側面に当接するように、第1溝の第2側面を前記外側面よりも端部の先端側に形成する。そのため、端部の折り曲げが完了した状態における端部の位置精度を向上させることができるとともに、端部の固定状態を安定させることができる。
本発明の態様6に係る製造方法は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記固定工程の後、前記縦芯における前記外側面側の端部に、前記縦芯の延伸方向に沿って延伸する第3溝を形成する第3溝形成工程をさらに含んでもよい。
前記構成によれば、面材の端部を折り曲げて前記端部の裏面と縦芯の外側面とを接着固定するための接着剤等について、前記端部を折り曲げたときに余分な前記接着剤等を第3溝に溜めることができる。そのため、前記端部を折り曲げたときに余分な前記接着剤等が前記端部の表面等に滲み出てきて、フラッシュ構造体の端部の外観が悪化するのを防止することができる。
本発明の態様7に係る製造方法は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記固定工程では、前記芯組みの表面に固定する前記面材の前記端部、および前記芯組みの裏面に固定する前記面材の前記端部を、前記縦芯よりも外側に配置し、前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記端部の横方向の長さが所定の第2長さになるように前記端部の先端面を加工する先端面加工工程をさらに含み、前記先端面加工工程では、前記所定の第2長さを、2つの前記端部の折り曲げが完了した状態において、外部から前記外側面を視認することができない程度の長さとしてもよい。
前記構成によれば、2枚の面材の端部の折り曲げが完了した状態において、外部から縦芯の外側面を視認することができない。そのため、フラッシュ構造体の端部の外観を向上させることができる。前記端部の先端面を加工することから、また、面材を芯組みに固定した後であっても、縦芯の厚み誤差および前記端部の横方向の寸法誤差を解消することができる。そのため、寸法精度をあまり気にすることなく面材および縦芯を所定の形状および大きさに加工することができることから、これらの加工に熟練を要しなくなる。
本発明の態様8に係る製造方法は、前記態様1から7のいずれかにおいて、前記固定工程では、前記芯組みの表面に固定する前記面材の前記端部、および前記芯組みの裏面に固定する前記面材の前記端部を、前記縦芯よりも外側に配置し、前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記端部の横方向の長さが所定の第2長さになるように前記端部の先端面を加工する先端面加工工程と、前記先端面加工工程と前記第1溝形成工程との間で行う、2つの前記端部の先端を、前記端部の折り曲げ方向と同じ方向に折り曲げるための第2溝を形成する第2溝形成工程と、をさらに含み、前記先端面加工工程では、前記所定の第2長さを、2つの前記先端および2つの前記端部の折り曲げが完了した状態において、外部から前記外側面を視認することができない程度の長さとしてもよい。
前記構成によれば、2つの端部およびこれらの先端の折り曲げが完了した状態において、外部から縦芯の外側面を視認することができない。さらに、折り曲げられた2つの端部の境界に形成される隙間を外部から視認した場合に、隙間の奥行き方向に見える2つの先端の外観が、2つの端部の外観と統一される。そのため、フラッシュ構造体の端部の外観をより向上させることができる。
仮に第2溝形成工程を第1溝形成工程よりも後に行った場合、溝突き加工用工具等で第2溝を形成している最中に面材の端部が第1溝の形成箇所付近で大きく撓んでしまい、第2溝を形成するのが困難になってしまう。その点前記構成によれば、第2溝形成工程を第1溝形成工程よりも前に行うことから、溝突き加工用工具等で第2溝を形成している最中に前記端部があまり撓まない。そのため、第2溝を所望の位置に形成することが容易にできるようになる。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 面材
1a 側端部(面材の端部)
1a-1 先端
1a-2 先端面
1b 裏面(端部の裏面)
2 芯組み
2a 縦芯
2a-1 外側面
2a-2 傾斜面
3a 第1溝
3a-1 第1側面
3a-2 第2側面
3b 第2溝
3c 第3溝
3e 空間
3f 空間
10 ドア(フラッシュ構造体)

Claims (8)

  1. フラッシュ構造体の製造方法であって、
    面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、
    前記固定工程の後、
    前記面材の端部に、該面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、
    前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げる折り曲げ工程と、を含み、
    前記第1溝形成工程では、さらに、前記第1溝の内側の第1側面とで、外側に向けて凸の凸形状を形成する傾斜面を形成する、製造方法。
  2. フラッシュ構造体の製造方法であって、
    面材の端部を、縦芯を含む芯組みよりも外側に配置するようにして、前記面材を前記芯組みに固定する固定工程と、
    前記固定工程の後、丸鋸の刃先を前記面材の端部に斜めに当てて該面材の端部を切削することにより、前記面材の端部を前記縦芯の外側面に向けて折り曲げるための第1溝を形成する第1溝形成工程と、を含み、
    前記第1溝形成工程では、
    前記丸鋸の前記刃先に備えられた第1刃によって、前記外側面の一部が形成されるとともに、前記縦芯における前記面材と接触する外側の端部に、外側に向けて凸となる突出部が形成され、
    前記丸鋸の前記刃先に備えられた第2刃によって、前記第1溝が形成され、
    前記丸鋸の前記刃先に備えられた前記第2刃における前記第1溝の底面を形成する第1面について、前記第1溝の形成の開始から終了までの過程において、前記第1面が前記面材の表面に対して略平行の位置関係を維持する、製造方法。
  3. 前記第1側面および前記第1溝の外側の第2側面は、前記傾斜面と略直交する、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記芯組みの横方向の幅が所定の第1長さになるように前記外側面を加工する外側面加工工程をさらに含み、
    前記第1溝形成工程では、前記第1溝の外側の第2側面を形成する際、前記端部の折り曲げが完了した状態において前記端部の裏面が前記外側面に当接するように、前記第1溝の前記第2側面の前記外側面に対する相対的位置を規定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記第1溝形成工程では、前記端部の折り曲げが完了した状態において前記端部の裏面が前記外側面に当接するように、前記第1溝の前記第2側面を前記外側面よりも前記端部の先端側に形成する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記固定工程の後、前記縦芯における前記外側面側の端部に、前記縦芯の延伸方向に沿って延伸する第3溝を形成する第3溝形成工程をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記固定工程では、前記芯組みの表面に固定する前記面材の前記端部、および前記芯組みの裏面に固定する前記面材の前記端部を、前記縦芯よりも外側に配置し、
    前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記端部の横方向の長さが所定の第2長さになるように前記端部の先端面を加工する先端面加工工程をさらに含み、
    前記先端面加工工程では、前記所定の第2長さを、2つの前記端部の折り曲げが完了した状態において、外部から前記外側面を視認することができない程度の長さとする、請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記固定工程では、前記芯組みの表面に固定する前記面材の前記端部、および前記芯組みの裏面に固定する前記面材の前記端部を、前記縦芯よりも外側に配置し、
    前記固定工程と前記第1溝形成工程との間で行う、前記端部の横方向の長さが所定の第2長さになるように前記端部の先端面を加工する先端面加工工程と、
    前記先端面加工工程と前記第1溝形成工程との間で行う、2つの前記端部の先端を、前記端部の折り曲げ方向と同じ方向に折り曲げるための第2溝を形成する第2溝形成工程と、をさらに含み、
    前記先端面加工工程では、前記所定の第2長さを、2つの前記先端および2つの前記端部の折り曲げが完了した状態において、外部から前記外側面を視認することができない程度の長さとする、請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
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