JP7229072B2 - 減速装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に記載の減速装置では、低速出力時には、入力軸に固定された太陽歯車の回転が、遊星歯車及び遊星キャリヤを介すことで減速されて、入力軸と同軸上の出力軸から出力される。一方、高速出力時には、遊星キャリヤと出力軸を連結していたクラッチ部材が、軸方向に移動して入力軸と出力軸を直接的に連結する。これにより、出力軸からは入力軸と同じ回転数の出力が得られる。
入力軸と、出力軸と、
前記入力軸の回転を第1の減速比で前記出力軸に伝達する減速機構と、
前記入力軸の回転を、前記第1の減速比よりも小さい第2の減速比で前記出力軸に伝達する伝達機構と、
前記入力軸の回転を、前記減速機構を介して前記出力軸に伝達するか、前記伝達機構を介して前記出力軸に伝達するかを切り替える減速比変更機構と、を有し、
前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記減速機構の少なくとも一部が前記入力軸の回転と同期しなくなり、
前記減速比変更機構は、
前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を、前記減速機構を介した第1回転伝達状態と、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態とに切り替え可能な2つの移動部材と、
前記2つの移動部材を互いに連動させつつ同時に移動させることで、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を前記第1回転伝達状態と前記第2回転伝達状態とに切り替える駆動機構と、を含み、
前記減速機構は、太陽歯車及び遊星歯車を含む遊星減速機構であり、
前記伝達機構は、前記太陽歯車を貫通して設けられている構成とした。
まず、本発明の第1実施形態に係る減速装置1について説明する。
図1は、第1実施形態に係る減速装置1の断面図である。以下では、図中の回転軸Ax1に沿った方向を「軸方向」、回転軸Ax1に垂直な方向を「径方向」、回転軸Ax1を中心とする回転方向を「周方向」と定義する。また、図1では、回転軸Ax1よりも上側と下側とで、後述する2つのクラッチ部材40の軸方向位置が異なっており、回転軸Ax1よりも上側では後述の低速出力状態における位置を示し、回転軸Ax1よりも下側では後述の高速出力状態における位置を示している。
具体的に、減速装置1は、入力軸10と、出力軸15と、第1歯車20と、第2歯車30と、第3歯車35と、2つのクラッチ部材40(第1クラッチ部材41、第2クラッチ部材42)とを備える。
また、入力軸10の他端側(図中の左側)の端部の外周面には、第1クラッチ部材41と噛合する入力軸歯車12が設けられている。
なお、以下の説明では、軸方向のうち、入力軸10の一端側(図1の右側)を「入力側」といい、入力軸10の他端側(図1の左側)を「出力側」という。
第1出力軸歯車部材16は、略円筒状に形成され、出力軸15のうち入力側の端部の外周に固定されている。この第1出力軸歯車部材16の出力側の端部の外周面には、第1クラッチ部材41と噛合する歯が設けられている。
第2出力軸歯車部材17は、略円筒状に形成され、出力軸15のうち、第1出力軸歯車部材16よりも出力側の外周に固定されている。この第2出力軸歯車部材17の入力側の端部の外周面には、第2クラッチ部材42と噛合する歯が設けられている。
第2歯車30を支持する支持軸31は、第2歯車30の出力側に配置された遊星キャリヤ34に固定されている。遊星キャリヤ34の内周面には、第3歯車35と噛合する歯が設けられている。
減速機構45は、本実施形態では遊星歯車機構であり、第1歯車20(太陽歯車)、第2歯車30(遊星歯車)、内歯歯車33、遊星キャリヤ34、第3歯車35を含んで構成される。
第1クラッチ部材41の入力側の端部の内周面には、入力軸10の入力軸歯車12と噛合する第1入力側歯車41aが設けられている。第1入力側歯車41aは、第1クラッチ部材41が軸方向へ移動可能なように入力軸歯車12と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第1クラッチ部材41の軸方向への移動に亘って入力軸歯車12と噛合し続けるように構成されている。
第1クラッチ部材41の出力側の端部の内周面には、第1出力軸歯車部材16及び第1歯車20と噛合可能な第1出力側歯車41bが設けられている。この第1出力側歯車41bは、第1クラッチ部材41の軸方向への移動に伴って、第1出力軸歯車部材16に噛合した状態と、第1歯車20に噛合した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第1クラッチ部材41は、軸方向への移動に伴って、第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、且つ第1出力側歯車41bが第1歯車20に噛合した状態(低速出力状態)と、第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、且つ第1出力側歯車41bが第1出力軸歯車部材16に噛合した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
第2クラッチ部材42の入力側の端部の内周面には、第3歯車35と噛合する第2入力側歯車42aが設けられている。第2入力側歯車42aは、第2クラッチ部材42が軸方向へ移動可能なように第3歯車35と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第2クラッチ部材42の軸方向への移動に亘って第3歯車35と噛合し続けるように構成されている。
第2クラッチ部材42の出力側の端部の内周面には、第2出力軸歯車部材17と噛合可能な第2出力側歯車42bが設けられている。この第2出力側歯車42bは、第2クラッチ部材42の軸方向への移動に伴って、第2出力軸歯車部材17に噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第2クラッチ部材42は、軸方向への移動に伴って、第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合し、且つ第2出力側歯車42bが第2出力軸歯車部材17に噛合した状態(低速出力状態)と、第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合し、且つ第2出力側歯車42bが噛合を解除した状態(高速出力状態)とに切り替わる。ただし、高速出力状態では第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合していなくともよい。
図2は、駆動ユニット50の構成例を示す図であり、(a)がボールねじ式、(b)がギヤ式、(c)がウォーム式のものを示す図である。
駆動ユニット50は、1つの駆動源により2つのクラッチ部材40を同時かつ逆方向に移動可能なものである。このような駆動ユニット50の例としては、例えば、ボールねじ式、ギヤ式、ウォーム式のものが挙げられる。
ボールねじ52は、回転軸Ax1に平行に配置されるとともに、先端側と基端側とでねじの巻き方向が異なっている(例えば、先端側が左ねじ、基端側が右ねじ)。
2対のアーム53の各々は、一端がボールねじ52に連結されるとともに、他端が後述の連結構造により2つのクラッチ部材40に個別に連結され、さらに中程の長さの部分が支点部53cにより回動可能に支持されている。2対のアーム53の一端部は、ボールねじ52のうち、ねじの巻き方向が異なる先端側部分と基端側部分とに、それぞれ連結部材520を介して個別に連結されている。連結部材520は、アーム53を回動可能に支持する回動軸521を有しており、この回動軸521が、アーム53の長手方向に沿った長穴522内を移動可能な状態で当該アーム53に連結されている。
このような構造により、ボールねじ式の駆動ユニット50Aでは、モータ51を駆動してボールねじ52を一の方向に回転させると、2つのクラッチ部材40に個別に連結された2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、モータ51を駆動してボールねじ52をその逆方向に回転させると、2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
このような構造により、ギヤ式の駆動ユニット50Bでは、モータを駆動して駆動ギヤ55Aを一の方向に回転させると、2つの従動ギヤ55B、55Cが互いに逆方向に回転し、これに伴って2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、駆動ギヤ55Aをその逆方向に回転させると、今度は2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
このような構造により、ウォーム式の駆動ユニット50Cでは、モータ56Aを駆動してウォーム56B、56Cを一の方向に回転させると、2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、ウォーム56B、56Cをその逆方向に回転させると、今度は2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
図3(a),(b)に示すように、駆動ユニット50の各対のアーム53は、クラッチ部材40の回転軸Ax1回りの回転を拘束せずに軸方向への移動力を伝達可能なように、当該クラッチ部材40を先端部に支持している。
具体的には、対向する一対のアーム53それぞれの内側に、径方向に沿った軸40c回りに回転可能なローラー40bが取り付けられている。一方、クラッチ部材40の外周面には、ローラー40bの直径に対応した幅を有する溝40aが、周方向に沿って全周に亘り設けられている。そして、一対のアーム53の各ローラー40bが、クラッチ部材40の溝40a内の側面を転動可能なように、当該溝40a内に嵌合されている。
このような構成により、一対のアーム53は、ローラー40bの転動によりクラッチ部材40の回転軸Ax1回りの回転を許容しつつ、当該ローラー40bが溝40a内の側面を押すことにより、クラッチ部材40を軸方向に移動させることができる。
あるいは、クラッチ部材40の回転がさらに速い場合には、図4に示すように、その回転数に対応したdn値を有する玉軸受40eを用いてもよい。この場合には、クラッチ部材40の外周面を支持する玉軸受40eを、その外周側に配置したアダプター40fで支持し、このアダプター40fとアーム53とをピン40gで固定すればよい。なお、図4では、玉軸受40eにより第2クラッチ部材42を支持する状態を例示したが、第1クラッチ部材41にも同様の構造を適用できるのはもちろんである。
続いて、入力軸10と出力軸15との連結状態を低速出力状態から高速出力状態に切り替える際の減速装置1の動作について説明する。
そのため、低速出力状態では、モータ等の駆動源により入力軸10が回転すると、この回転運動が減速機構45(第1歯車20、第2歯車30、内歯歯車33、遊星キャリヤ34、第3歯車35)を介して出力軸15に伝わる。これにより、第1歯車20の歯数をza、内歯歯車33の歯数をzcとして、減速比=(za+zc)/zaで減速された回転運動が出力軸15に伝達され、被駆動部材に出力される。
この高速出力状態においては、第1クラッチ部材41は、入力側の第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、出力側の第1出力側歯車41bが第1出力軸歯車部材16に噛合している。また、第2クラッチ部材42は、入力側の第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合しているものの、出力側の第2出力側歯車42bがどの歯車にも噛合していない。つまり、高速出力状態では、第1クラッチ部材41が出力軸15端部の第1出力軸歯車部材16と噛合することで、入力軸10と出力軸15とが直接的に連結されている。この第1クラッチ部材41と、第1出力軸歯車部材16と、出力軸15のうち第1歯車20内を貫通する部分とは、本発明に係る伝達機構の一例に相当する。
この高速出力状態では、入力軸10と出力軸15とが、減速機構45を介さずに(すなわち、減速機構45に動力を伝達しない連結状態で)連結されている。そして、減速機構45に含まれる複数の回転部材(第1歯車20、第2歯車30、遊星キャリヤ34、第3歯車35)の全てが回転を停止させる。これにより、高速出力状態における回転系の慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。なお、このときには、減速機構45に含まれる全ての回転部材が回転を停止させなくともよく、減速機構45の少なくとも一部が入力軸10の回転と同期しなくなればよい。例えば、減速機構45のうち、いずれかの回転部材だけが入力軸10の回転と同期していなければよく、この回転部材以外の例えば第1歯車20が入力軸10の回転と同期していてもよい。ここで、入力軸10の回転と同期しないとは、入力軸10の回転が減速機構45の回転部材に伝達されていないことを指す。したがって、減速機構45の一部が、駆動源からの入力(入力軸10の回転が伝達される)以外の要因(振動やその他の外力等)により回転していてもよい。
また、この高速出力状態から駆動ユニット50を駆動し、今度は第1クラッチ部材41を出力側に移動させ、第2クラッチ部材42を入力側に移動させることにより、再び低速出力状態に復帰させることができる。
以上のように、第1実施形態に係る減速装置1によれば、2つのクラッチ部材40及び駆動ユニット50により、所定の減速比の低速出力状態から、それよりも小さい減速比の高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構45の少なくとも一部が入力軸10の回転と同期しなくなる。
これにより、低速出力状態と高速出力状態とを切り替え可能な減速装置1において、高速出力状態における慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。ひいては、高速出力状態において、高出力のモータ等を必要とすることなく、速やかに高速回転まで加速することができる。
そのため、高速出力状態において、これら複数の回転部材と入力軸10との連結を解除することにより、当該複数の回転部材分の大きな慣性モーメントを好適に低減させることができる。
そのため、駆動ユニット50の動作を制御することにより、簡便に低速出力状態と高速出力状態とを切り替えることができる。
続いて、本発明の第2実施形態に係る減速装置2について説明する。
図5は、第2実施形態に係る減速装置2の断面図である。以下では、図中の回転軸Ax3に沿った方向を「軸方向」、回転軸Ax3に垂直な方向を「径方向」、回転軸Ax3を中心とする回転方向を「周方向」と定義する。また、図5では、回転軸Ax3よりも上側と下側とで、後述する2つのクラッチ部材90の軸方向位置が異なっており、回転軸Ax3よりも上側では後述の低速出力状態における位置を示し、回転軸Ax3よりも下側では後述の高速出力状態における位置を示している。
具体的には、図5に示すように、減速装置2は、入力軸60と、出力軸65と、平行軸70と、第1歯車80と、第2歯車85と、2つのクラッチ部材90(第1クラッチ部材91、第2クラッチ部材92)とを備える。
また、入力軸60の他端側(図中の右側)の端部の外周面には、後述する第1クラッチ部材91の第1内歯歯車91cと噛合する入力軸歯車62が設けられている。
なお、以下の説明では、軸方向のうち、入力軸60の一端側(図5の左側)を「入力側」といい、入力軸60の他端側(図5の右側)を「出力側」という。
また、出力軸65の入力側の端部の外周面には、後述する第2クラッチ部材92の第2内歯歯車92cと噛合する出力軸歯車68が設けられている。
また、第1歯車80の出力側の側面には、後述する第1クラッチ部材91の第1入力側ギヤ91aと噛合する入力軸ギヤ80aが設けられている。
また、第2歯車85の入力側の側面には、後述する第2クラッチ部材92の第2出力側ギヤ92bと噛合する出力軸ギヤ85aが設けられている。
平行軸70のうち、第1歯車80に対応する軸方向位置には、第1平行軸歯車部材73が一体的に取り付けられている。第1平行軸歯車部材73は、略円筒状に形成され、外周面に第1歯車80と噛合する歯が設けられている。
また、平行軸70のうち、第2歯車85に対応する軸方向位置の外周面には、当該第2歯車85と噛合する第2平行軸歯車74が設けられている。
減速機構95は、本実施形態では平行軸歯車機構であり、第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2平行軸歯車74、第2歯車85を含んで構成される。
第1クラッチ部材91の内周面には、入力軸60の入力軸歯車62と噛合する第1内歯歯車91cが設けられている。第1内歯歯車91cは、第1クラッチ部材91が軸方向へ移動可能なように入力軸歯車62と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第1クラッチ部材91の軸方向への移動に亘って入力軸歯車62と噛合し続けるように構成されている。
第1クラッチ部材91の入力側の側面には、第1歯車80の入力軸ギヤ80aと噛合可能な第1入力側ギヤ91aが設けられている。この第1入力側ギヤ91aは、第1クラッチ部材91の軸方向への移動に伴って、第1歯車80の入力軸ギヤ80aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
第1クラッチ部材91の出力側の側面には、第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aと噛合可能な第1出力側ギヤ91bが設けられている。この第1出力側ギヤ91bは、第1クラッチ部材91及び第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第1クラッチ部材91は、第2クラッチ部材92とともに軸方向に移動することにより、第1入力側ギヤ91aが第1歯車80の入力軸ギヤ80aに噛合し、且つ第1出力側ギヤ91bが噛合を解除した状態(低速出力状態)と、第1入力側ギヤ91aが噛合を解除し、且つ第1出力側ギヤ91bが第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aに噛合した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
第2クラッチ部材92の内周面には、出力軸65の出力軸歯車68と噛合する第2内歯歯車92cが設けられている。第2内歯歯車92cは、第2クラッチ部材92が軸方向へ移動可能なように出力軸歯車68と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第2クラッチ部材92の軸方向への移動に亘って出力軸歯車68と噛合し続けるように構成されている。
第2クラッチ部材92の入力側の側面には、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bと噛合可能な第2入力側ギヤ92aが設けられている。この第2入力側ギヤ92aは、第1クラッチ部材91及び第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
第2クラッチ部材92の出力側の側面には、第2歯車85の出力軸ギヤ85aと噛合可能な第2出力側ギヤ92bが設けられている。この第2出力側ギヤ92bは、第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第2歯車85の出力軸ギヤ85aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第2クラッチ部材92は、第1クラッチ部材91とともに軸方向に移動することにより、第2入力側ギヤ92aが噛合を解除し、且つ第2出力側ギヤ92bが第2歯車85の出力軸ギヤ85aに噛合した状態(低速出力状態)と、第2入力側ギヤ92aが第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bに噛合し、且つ第2出力側ギヤ92bが噛合を解除した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
続いて、入力軸60と出力軸65との連結状態を低速出力状態から高速出力状態に切り替える際の減速装置2の動作について説明する。
そのため、低速出力状態では、モータ等の駆動源により入力軸60が回転すると、この回転運動が減速機構95(第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2平行軸歯車74、第2歯車85)を介して出力軸65に伝わる。これにより、第1歯車80と第1平行軸歯車部材73との減速比をi1、第2平行軸歯車74と第2歯車85との減速比をi2として、正味の減速比=i1×i2(>1)で減速された回転運動が出力軸65に伝達され、被駆動部材に出力される。
この高速出力状態においては、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bと第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aとが互いに噛合しており、第1クラッチ部材91の第1入力側ギヤ91aと第2クラッチ部材92の第2出力側ギヤ92bは噛合を解除している。
この高速出力状態では、入力軸60と出力軸65とが、減速機構95を介さずに(すなわち、減速機構95に動力を伝達しない連結状態で)連結されている。そして、減速機構95に含まれる複数の回転部材(第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2歯車85)の全てが回転を停止させる。これにより、高速出力状態における回転系の慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。なお、このときには、減速機構95に含まれる全ての回転部材が回転を停止させなくともよく、減速機構95の少なくとも一部が入力軸60の回転と同期しなくなればよい。ここで、入力軸60の回転と同期しないとは、入力軸60の回転が減速機構95の回転部材に伝達されていないことを指す。したがって、減速機構95の一部が、駆動源からの入力以外の要因(振動やその他の外力等)により回転していてもよい。
また、この高速出力状態から駆動ユニット50を駆動し、今度は第1クラッチ部材91を入力側に移動させ、第2クラッチ部材92を出力側に移動させることにより、再び低速出力状態に復帰させることができる。
以上のように、第2実施形態に係る減速装置2によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
すなわち、第2実施形態によれば、2つのクラッチ部材90及び駆動ユニット50により、所定の減速比の低速出力状態から、それよりも小さい減速比の高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構95の少なくとも一部が入力軸60の回転と同期しなくなる。
これにより、低速出力状態と高速出力状態とを切り替え可能な減速装置2において、高速出力状態における慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。ひいては、高速出力状態において、高出力のモータ等を必要とすることなく、速やかに高速回転まで加速することができる。
そのため、高速出力状態において、これら複数の回転部材と入力軸60との連結を解除することにより、当該複数の回転部材分の大きな慣性モーメントを好適に低減させることができる。
そのため、駆動ユニット50の動作を制御することにより、簡便に低速出力状態と高速出力状態とを切り替えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の第1及び第2の実施形態に限られない。
例えば、上記実施形態では、入力軸と出力軸が同一直線上に配置されることとしたが、これら入力軸と出力軸は同一直線上に配置されていなくともよい。この場合、減速機構に含まれる複数の回転部材の少なくとも1つが、入力軸及び出力軸の少なくとも一方の回転軸に対し、その径方向外側に配置されていればよい。
例えば、プレス機械(サーボプレス)に適用し、スライドが下がって加工対象をプレスするタイミングでは低速出力状態とするとともに、スライドが上昇して空走するときには高速出力状態としてもよい。これにより、プレス時には適正な荷重を出力させつつ、空走時には速やかにスライドを動かして、作業の効率化を図ることができる。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
10、60 入力軸
15、65 出力軸
20 第1歯車
30 第2歯車
33 内歯歯車
34 遊星キャリヤ
35 第3歯車
40、90 クラッチ部材
41、91 第1クラッチ部材
42、92 第2クラッチ部材
45、95 減速機構
50 駆動ユニット
70 平行軸
73 第1平行軸歯車部材
74 第2平行軸歯車
80 第1歯車
85 第2歯車
Ax1、Ax3 回転軸
Claims (7)
- 入力軸と、出力軸と、
前記入力軸の回転を第1の減速比で前記出力軸に伝達する減速機構と、
前記入力軸の回転を、前記第1の減速比よりも小さい第2の減速比で前記出力軸に伝達する伝達機構と、
前記入力軸の回転を、前記減速機構を介して前記出力軸に伝達するか、前記伝達機構を介して前記出力軸に伝達するかを切り替える減速比変更機構と、を有し、
前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記減速機構の少なくとも一部が前記入力軸の回転と同期しなくなり、
前記減速比変更機構は、
前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を、前記減速機構を介した第1回転伝達状態と、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態とに切り替え可能な2つの移動部材と、
前記2つの移動部材を互いに連動させつつ同時に移動させることで、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を前記第1回転伝達状態と前記第2回転伝達状態とに切り替える駆動機構と、を含み、
前記減速機構は、太陽歯車及び遊星歯車を含む遊星減速機構であり、
前記伝達機構は、前記太陽歯車を貫通して設けられている、
減速装置。 - 前記入力軸と前記出力軸とが同一直線上に配置されている、
請求項1に記載の減速装置。 - 前記減速機構は、前記減速比変更機構を除く複数の回転部材を含み、
前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記複数の回転部材の全てが前記入力軸の回転と同期しなくなる、
請求項1又は請求項2に記載の減速装置。 - 前記回転部材は、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の回転軸の径方向外側に配置されている、
請求項3に記載の減速装置。 - 前記駆動機構は、前記2つの移動部材を、互いに前記入力軸の軸方向において逆方向に移動させる、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の減速装置。 - 前記遊星減速機構は、前記遊星歯車の側方に配置され、前記遊星歯車の公転と同期するキャリヤと、前記キャリヤと噛み合う第3歯車と、を有し、
前記移動部材は、前記減速機構を介した第1回転伝達状態では前記第3歯車と前記出力軸とを連結させ、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態では前記第3歯車と前記出力軸との連結を解除する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の減速装置。 - 前記減速装置は、プレス機械に用いられる減速装置であって、
前記減速比変更機構は、前記プレス機械が加工対象物をプレスするときに前記第1回転伝達状態とし、前記プレス機械が加工対象物に対して離間方向に移動するときに前記第2回転伝達状態とするように、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を切り替える、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の減速装置。
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