JP7229072B2 - 減速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、減速装置に関する。
従来、出力軸から取り出す回転を低速と高速とに切り替え可能な減速装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の減速装置では、低速出力時には、入力軸に固定された太陽歯車の回転が、遊星歯車及び遊星キャリヤを介すことで減速されて、入力軸と同軸上の出力軸から出力される。一方、高速出力時には、遊星キャリヤと出力軸を連結していたクラッチ部材が、軸方向に移動して入力軸と出力軸を直接的に連結する。これにより、出力軸からは入力軸と同じ回転数の出力が得られる。
特開昭58-024643号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の減速装置では、入力軸に太陽歯車が固定されているため、減速させない高速出力時であっても、太陽歯車や遊星歯車等の減速機構の分だけ慣性モーメントが増してしまう。そのため、高速出力時に速やかに高速回転まで加速させるには、大出力のモータが必要であった。
本発明は、低速出力と高速出力を切り替え可能な減速装置において、高速出力時の慣性モーメントを低減させることを目的とする。
本発明に係る減速装置は、
入力軸と、出力軸と、
前記入力軸の回転を第1の減速比で前記出力軸に伝達する減速機構と、
前記入力軸の回転を、前記第1の減速比よりも小さい第2の減速比で前記出力軸に伝達する伝達機構と、
前記入力軸の回転を、前記減速機構を介して前記出力軸に伝達するか、前記伝達機構を介して前記出力軸に伝達するかを切り替える減速比変更機構と、を有し、
前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記減速機構の少なくとも一部が前記入力軸の回転と同期しなくなり、
前記減速比変更機構は、
前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を、前記減速機構を介した第1回転伝達状態と、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態とに切り替え可能な2つの移動部材と、
前記2つの移動部材を互いに連動させつつ同時に移動させることで、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を前記第1回転伝達状態と前記第2回転伝達状態とに切り替える駆動機構と、を含み、
前記減速機構は、太陽歯車及び遊星歯車を含む遊星減速機構であり、
前記伝達機構は、前記太陽歯車を貫通して設けられている構成とした。
本発明によれば、低速出力と高速出力を切り替え可能な減速装置において、高速出力時の慣性モーメントを低減させることができる。
本発明の第1実施形態に係る減速装置の断面図である。 図1の減速装置が備える駆動ユニットの構成例を示す図であり、(a)がボールねじ式、(b)がギヤ式、(c)がウォーム式のものを示す図である。 図2の駆動ユニットのアームとクラッチ部材との連結構造を示す図である。 図3の連結構造の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る減速装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る減速装置1について説明する。
<減速装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る減速装置1の断面図である。以下では、図中の回転軸Ax1に沿った方向を「軸方向」、回転軸Ax1に垂直な方向を「径方向」、回転軸Ax1を中心とする回転方向を「周方向」と定義する。また、図1では、回転軸Ax1よりも上側と下側とで、後述する2つのクラッチ部材40の軸方向位置が異なっており、回転軸Ax1よりも上側では後述の低速出力状態における位置を示し、回転軸Ax1よりも下側では後述の高速出力状態における位置を示している。
図1に示すように、減速装置1は、図示しないモータ等から入力軸10に入力された回転運動を減速させて出力する低速出力状態と、当該回転運動を減速させずに出力する高速出力状態との、2つの状態を取り得るように構成されたものである。
具体的に、減速装置1は、入力軸10と、出力軸15と、第1歯車20と、第2歯車30と、第3歯車35と、2つのクラッチ部材40(第1クラッチ部材41、第2クラッチ部材42)とを備える。
入力軸10は、2つの軸受11(例えば玉軸受)を介して図示しないケーシングに回転自在に支持された状態で、回転軸Ax1上に配置され、当該回転軸Ax1を中心に回転する。入力軸10の一端側(図中の右側)の部分には、図示しないモータ等の駆動源が連結される。
また、入力軸10の他端側(図中の左側)の端部の外周面には、第1クラッチ部材41と噛合する入力軸歯車12が設けられている。
なお、以下の説明では、軸方向のうち、入力軸10の一端側(図1の右側)を「入力側」といい、入力軸10の他端側(図1の左側)を「出力側」という。
出力軸15は、入力軸10と同一の回転軸Ax1上であって、入力軸10との間に隙間を介在させつつその出力側に配置され、回転軸Ax1を中心に回転する。出力軸15の出力側の部分には、図示しない被駆動部材が連結される。
出力軸15には、第1出力軸歯車部材16と第2出力軸歯車部材17が一体的に取り付けられている。
第1出力軸歯車部材16は、略円筒状に形成され、出力軸15のうち入力側の端部の外周に固定されている。この第1出力軸歯車部材16の出力側の端部の外周面には、第1クラッチ部材41と噛合する歯が設けられている。
第2出力軸歯車部材17は、略円筒状に形成され、出力軸15のうち、第1出力軸歯車部材16よりも出力側の外周に固定されている。この第2出力軸歯車部材17の入力側の端部の外周面には、第2クラッチ部材42と噛合する歯が設けられている。
第1歯車20は、円筒状に形成され、第1出力軸歯車部材16と第2出力軸歯車部材17の間であって第1出力軸歯車部材16の直ぐ出力側の軸方向位置に配置されている。第1歯車20は、2つの軸受21(例えば円錐ころ軸受)を介して出力軸15の外周面に回転自在に支持され、回転軸Ax1を中心に回転する。この第1歯車20の外周面には、第2歯車30及び第1クラッチ部材41と噛合する歯が設けられている。
第2歯車30は、第1歯車20を太陽歯車とする遊星歯車であり、当該第1歯車20回りに複数(図1では1つのみ図示)配置されている。各第2歯車30は、回転軸Ax1と平行な回転軸Ax2に沿った支持軸31の外周面に、軸受32(例えば複列円錐ころ軸受)を介して回転自在に支持され、回転軸Ax2を中心に回転する。各第2歯車30は、外周面に歯が設けられており、第1歯車20に外接噛合するとともに、回転軸Ax1を中心とする内周面に歯が設けられた内歯歯車33に内接噛合する。内歯歯車33は、図示しないケーシングに固定されている。
第2歯車30を支持する支持軸31は、第2歯車30の出力側に配置された遊星キャリヤ34に固定されている。遊星キャリヤ34の内周面には、第3歯車35と噛合する歯が設けられている。
第3歯車35は、円筒状に形成され、第1歯車20と第2出力軸歯車部材17の間であって第2出力軸歯車部材17の直ぐ入力側の軸方向位置に配置されている。第3歯車35は、2つの軸受36(例えば円錐ころ軸受)を介して出力軸15の外周面に回転自在に支持され、回転軸Ax1を中心に回転する。この第3歯車35の外周面には、遊星キャリヤ34及び第2クラッチ部材42と噛合する歯が設けられている。
2つのクラッチ部材40は、入力軸10と出力軸15との連結状態(回転の伝達状態)を、減速機構45を介して連結させた低速出力状態(図1の上半部の状態)と、減速機構45を介さずに直接的に連結させた高速出力状態(図1の下半部の状態)とに切り替えるための部材である。
減速機構45は、本実施形態では遊星歯車機構であり、第1歯車20(太陽歯車)、第2歯車30(遊星歯車)、内歯歯車33、遊星キャリヤ34、第3歯車35を含んで構成される。
2つのクラッチ部材40のうち、第1クラッチ部材41は、略段付き円筒状に形成され、入力軸10と出力軸15との対向部周辺の径方向外側を覆うように配置されている。この第1クラッチ部材41は、軸方向に沿って所定の長さに亘り移動可能に構成されており、この軸方向への移動に伴って入力軸10と出力軸15の連結状態を切り替える。
第1クラッチ部材41の入力側の端部の内周面には、入力軸10の入力軸歯車12と噛合する第1入力側歯車41aが設けられている。第1入力側歯車41aは、第1クラッチ部材41が軸方向へ移動可能なように入力軸歯車12と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第1クラッチ部材41の軸方向への移動に亘って入力軸歯車12と噛合し続けるように構成されている。
第1クラッチ部材41の出力側の端部の内周面には、第1出力軸歯車部材16及び第1歯車20と噛合可能な第1出力側歯車41bが設けられている。この第1出力側歯車41bは、第1クラッチ部材41の軸方向への移動に伴って、第1出力軸歯車部材16に噛合した状態と、第1歯車20に噛合した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第1クラッチ部材41は、軸方向への移動に伴って、第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、且つ第1出力側歯車41bが第1歯車20に噛合した状態(低速出力状態)と、第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、且つ第1出力側歯車41bが第1出力軸歯車部材16に噛合した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
一方、第2クラッチ部材42は、略円筒状に形成され、第3歯車35と第2出力軸歯車部材17の隣接部周辺の径方向外側を覆うように配置されている。この第2クラッチ部材42は、軸方向に沿って所定の長さに亘り移動可能に構成されており、この軸方向への移動に伴って入力軸10と出力軸15の連結状態を切り替える。
第2クラッチ部材42の入力側の端部の内周面には、第3歯車35と噛合する第2入力側歯車42aが設けられている。第2入力側歯車42aは、第2クラッチ部材42が軸方向へ移動可能なように第3歯車35と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第2クラッチ部材42の軸方向への移動に亘って第3歯車35と噛合し続けるように構成されている。
第2クラッチ部材42の出力側の端部の内周面には、第2出力軸歯車部材17と噛合可能な第2出力側歯車42bが設けられている。この第2出力側歯車42bは、第2クラッチ部材42の軸方向への移動に伴って、第2出力軸歯車部材17に噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第2クラッチ部材42は、軸方向への移動に伴って、第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合し、且つ第2出力側歯車42bが第2出力軸歯車部材17に噛合した状態(低速出力状態)と、第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合し、且つ第2出力側歯車42bが噛合を解除した状態(高速出力状態)とに切り替わる。ただし、高速出力状態では第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合していなくともよい。
これら2つのクラッチ部材40は、駆動ユニット50に駆動されることにより、互いに同期しつつ、軸方向に沿って互いに逆向きに移動する。2つのクラッチ部材40と駆動ユニット50は、本発明に係る減速比変更機構の一例に相当する。これら2つのクラッチ部材40と駆動ユニット50により、入力軸10の回転を、減速機構45を介して出力軸15に伝達するか、減速機構45を介さずに出力軸15に伝達するかが切り替えられる。
図2は、駆動ユニット50の構成例を示す図であり、(a)がボールねじ式、(b)がギヤ式、(c)がウォーム式のものを示す図である。
駆動ユニット50は、1つの駆動源により2つのクラッチ部材40を同時かつ逆方向に移動可能なものである。このような駆動ユニット50の例としては、例えば、ボールねじ式、ギヤ式、ウォーム式のものが挙げられる。
ボールねじ式の駆動ユニット50Aは、図2(a)に示すように、モータ51に連結されたボールねじ52と、2対のアーム53(53a、53b)とを備えている。
ボールねじ52は、回転軸Ax1に平行に配置されるとともに、先端側と基端側とでねじの巻き方向が異なっている(例えば、先端側が左ねじ、基端側が右ねじ)。
2対のアーム53の各々は、一端がボールねじ52に連結されるとともに、他端が後述の連結構造により2つのクラッチ部材40に個別に連結され、さらに中程の長さの部分が支点部53cにより回動可能に支持されている。2対のアーム53の一端部は、ボールねじ52のうち、ねじの巻き方向が異なる先端側部分と基端側部分とに、それぞれ連結部材520を介して個別に連結されている。連結部材520は、アーム53を回動可能に支持する回動軸521を有しており、この回動軸521が、アーム53の長手方向に沿った長穴522内を移動可能な状態で当該アーム53に連結されている。
このような構造により、ボールねじ式の駆動ユニット50Aでは、モータ51を駆動してボールねじ52を一の方向に回転させると、2つのクラッチ部材40に個別に連結された2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、モータ51を駆動してボールねじ52をその逆方向に回転させると、2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
ギヤ式の駆動ユニット50Bは、図2(b)に示すように、図示しないモータに連結された駆動ギヤ55Aと、この駆動ギヤ55Aに直列に連結された2つの従動ギヤ55B、55Cとを備えている。2つの従動ギヤ55B、55Cは、回転軸Ax1に沿って並べられるとともに、2対のアーム53(53a、53b)を個別に支持している。2対のアーム53の各々は、一端が2つの従動ギヤ55B、55Cの回転中心部に個別に固定されるとともに、他端が後述の連結構造により2つのクラッチ部材40に個別に連結されている。
このような構造により、ギヤ式の駆動ユニット50Bでは、モータを駆動して駆動ギヤ55Aを一の方向に回転させると、2つの従動ギヤ55B、55Cが互いに逆方向に回転し、これに伴って2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、駆動ギヤ55Aをその逆方向に回転させると、今度は2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
ウォーム式の駆動ユニット50Cは、図2(c)に示すように、モータ56Aの駆動軸に直列に連結された2つのウォーム56B、56Cと、2つのウォーム56B、56Cに個別に連結された図示しないウォームホイールを収容した2つのウォームギヤボックス57B、57Cとを備えている。2つのウォームギヤボックス57B、57Cでは、2対のアーム53(53a、53b)が、互いに逆向きに回転するように、各々の内部のウォームホイールの回転中心部に連結されている。2対のアーム53の各々は、ウォームホイールに連結された側とは反対側の端部が、後述の連結構造により2つのクラッチ部材40に個別に連結されている。
このような構造により、ウォーム式の駆動ユニット50Cでは、モータ56Aを駆動してウォーム56B、56Cを一の方向に回転させると、2対のアーム53の先端が、軸方向に沿って互いに逆向きの方向(例えば図中の白抜き矢印の方向)に移動する。また、ウォーム56B、56Cをその逆方向に回転させると、今度は2対のアーム53の先端が、軸方向に沿った互いに逆向きの方向であって一の方向への回転時とは反対の方向(例えば図中の黒塗り矢印の方向)に移動する。
図3は、駆動ユニット50のアーム53とクラッチ部材40との連結構造を示す図であり、図4は、この連結構造の変形例を示す図である。なお、図3では、クラッチ部材40を単純な円筒状として示すとともに、その内周面の歯の図示を省略している。
図3(a),(b)に示すように、駆動ユニット50の各対のアーム53は、クラッチ部材40の回転軸Ax1回りの回転を拘束せずに軸方向への移動力を伝達可能なように、当該クラッチ部材40を先端部に支持している。
具体的には、対向する一対のアーム53それぞれの内側に、径方向に沿った軸40c回りに回転可能なローラー40bが取り付けられている。一方、クラッチ部材40の外周面には、ローラー40bの直径に対応した幅を有する溝40aが、周方向に沿って全周に亘り設けられている。そして、一対のアーム53の各ローラー40bが、クラッチ部材40の溝40a内の側面を転動可能なように、当該溝40a内に嵌合されている。
このような構成により、一対のアーム53は、ローラー40bの転動によりクラッチ部材40の回転軸Ax1回りの回転を許容しつつ、当該ローラー40bが溝40a内の側面を押すことにより、クラッチ部材40を軸方向に移動させることができる。
なお、上記ではアーム53のローラー40bが溝40a内の側面を転動(転がり接触)するものとしたが、クラッチ部材40の回転が速い場合には、ローラー40bに代えて、溝40a内の側面とすべり接触するシフターを用いてもよい。
あるいは、クラッチ部材40の回転がさらに速い場合には、図4に示すように、その回転数に対応したdn値を有する玉軸受40eを用いてもよい。この場合には、クラッチ部材40の外周面を支持する玉軸受40eを、その外周側に配置したアダプター40fで支持し、このアダプター40fとアーム53とをピン40gで固定すればよい。なお、図4では、玉軸受40eにより第2クラッチ部材42を支持する状態を例示したが、第1クラッチ部材41にも同様の構造を適用できるのはもちろんである。
<動作説明>
続いて、入力軸10と出力軸15との連結状態を低速出力状態から高速出力状態に切り替える際の減速装置1の動作について説明する。
まず低速出力状態においては、図1の上半部に示すように、第1クラッチ部材41は、入力側の第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、出力側の第1出力側歯車41bが第1歯車20に噛合している。また、第2クラッチ部材42は、入力側の第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合し、出力側の第2出力側歯車42bが第2出力軸歯車部材17に噛合している。
そのため、低速出力状態では、モータ等の駆動源により入力軸10が回転すると、この回転運動が減速機構45(第1歯車20、第2歯車30、内歯歯車33、遊星キャリヤ34、第3歯車35)を介して出力軸15に伝わる。これにより、第1歯車20の歯数をza、内歯歯車33の歯数をzcとして、減速比=(za+zc)/zaで減速された回転運動が出力軸15に伝達され、被駆動部材に出力される。
この低速出力状態において、駆動ユニット50を駆動し、図1の下半部に示すように、第1クラッチ部材41を入力側に移動させ、第2クラッチ部材42を出力側に移動させると、入力軸10と出力軸15の連結状態が高速出力状態に切り替わる。
この高速出力状態においては、第1クラッチ部材41は、入力側の第1入力側歯車41aが入力軸10の入力軸歯車12に噛合し、出力側の第1出力側歯車41bが第1出力軸歯車部材16に噛合している。また、第2クラッチ部材42は、入力側の第2入力側歯車42aが第3歯車35に噛合しているものの、出力側の第2出力側歯車42bがどの歯車にも噛合していない。つまり、高速出力状態では、第1クラッチ部材41が出力軸15端部の第1出力軸歯車部材16と噛合することで、入力軸10と出力軸15とが直接的に連結されている。この第1クラッチ部材41と、第1出力軸歯車部材16と、出力軸15のうち第1歯車20内を貫通する部分とは、本発明に係る伝達機構の一例に相当する。
このように、高速出力状態では、入力軸10と出力軸15とが直接的に連結されている。これにより、入力軸10に加えられた回転運動は、その回転数のまま(つまり減速比=1で)出力軸15に伝達される。なお、高速出力状態の減速比は1に限定されず、低速出力状態の減速比よりも小さければ、1以下であってもよいし、1より大きくてもよい。
この高速出力状態では、入力軸10と出力軸15とが、減速機構45を介さずに(すなわち、減速機構45に動力を伝達しない連結状態で)連結されている。そして、減速機構45に含まれる複数の回転部材(第1歯車20、第2歯車30、遊星キャリヤ34、第3歯車35)の全てが回転を停止させる。これにより、高速出力状態における回転系の慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。なお、このときには、減速機構45に含まれる全ての回転部材が回転を停止させなくともよく、減速機構45の少なくとも一部が入力軸10の回転と同期しなくなればよい。例えば、減速機構45のうち、いずれかの回転部材だけが入力軸10の回転と同期していなければよく、この回転部材以外の例えば第1歯車20が入力軸10の回転と同期していてもよい。ここで、入力軸10の回転と同期しないとは、入力軸10の回転が減速機構45の回転部材に伝達されていないことを指す。したがって、減速機構45の一部が、駆動源からの入力(入力軸10の回転が伝達される)以外の要因(振動やその他の外力等)により回転していてもよい。
また、この高速出力状態から駆動ユニット50を駆動し、今度は第1クラッチ部材41を出力側に移動させ、第2クラッチ部材42を入力側に移動させることにより、再び低速出力状態に復帰させることができる。
<第1実施形態の技術的効果>
以上のように、第1実施形態に係る減速装置1によれば、2つのクラッチ部材40及び駆動ユニット50により、所定の減速比の低速出力状態から、それよりも小さい減速比の高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構45の少なくとも一部が入力軸10の回転と同期しなくなる。
これにより、低速出力状態と高速出力状態とを切り替え可能な減速装置1において、高速出力状態における慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。ひいては、高速出力状態において、高出力のモータ等を必要とすることなく、速やかに高速回転まで加速することができる。
また、第1実施形態によれば、入力軸10と出力軸15とが同一直線上に配置されているので、特に高速出力状態において、入力軸10と出力軸15を直接的に連結させて、好適に出力を取り出すことができる。
また、第1実施形態によれば、低速出力状態から高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構45に含まれる複数の回転部材の全てが回転を停止させるので、高速出力状態における慣性モーメントを、より確実に低減させることができる。
また、第1実施形態によれば、減速機構45に含まれる複数の回転部材が、入力軸10及び出力軸15の回転軸Ax1に対し、その径方向外側に配置されている。
そのため、高速出力状態において、これら複数の回転部材と入力軸10との連結を解除することにより、当該複数の回転部材分の大きな慣性モーメントを好適に低減させることができる。
また、第1実施形態によれば、2つのクラッチ部材40の軸方向に沿った移動により、入力軸10と出力軸15の連結状態を低速出力状態と高速出力状態とに切り替え可能であり、駆動ユニット50が、これら2つのクラッチ部材40を互いに同期させつつ移動させる。
そのため、駆動ユニット50の動作を制御することにより、簡便に低速出力状態と高速出力状態とを切り替えることができる。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態に係る減速装置2について説明する。
<減速装置の構成>
図5は、第2実施形態に係る減速装置2の断面図である。以下では、図中の回転軸Ax3に沿った方向を「軸方向」、回転軸Ax3に垂直な方向を「径方向」、回転軸Ax3を中心とする回転方向を「周方向」と定義する。また、図5では、回転軸Ax3よりも上側と下側とで、後述する2つのクラッチ部材90の軸方向位置が異なっており、回転軸Ax3よりも上側では後述の低速出力状態における位置を示し、回転軸Ax3よりも下側では後述の高速出力状態における位置を示している。
第2実施形態に係る減速装置2は、低速出力状態における減速機構が、遊星歯車機構でなく平行軸歯車機構である点において、上記第1実施形態に係る減速装置1と異なる。
具体的には、図5に示すように、減速装置2は、入力軸60と、出力軸65と、平行軸70と、第1歯車80と、第2歯車85と、2つのクラッチ部材90(第1クラッチ部材91、第2クラッチ部材92)とを備える。
入力軸60は、軸受61(例えば複列円錐ころ軸受及び玉軸受)を介して図示しないケーシングに回転自在に支持された状態で、回転軸Ax3上に配置され、当該回転軸Ax3を中心に回転する。入力軸60の一端側(図中の左側)の部分には、図示しないモータ等の駆動源が連結される。
また、入力軸60の他端側(図中の右側)の端部の外周面には、後述する第1クラッチ部材91の第1内歯歯車91cと噛合する入力軸歯車62が設けられている。
なお、以下の説明では、軸方向のうち、入力軸60の一端側(図5の左側)を「入力側」といい、入力軸60の他端側(図5の右側)を「出力側」という。
出力軸65は、入力軸60と同一の回転軸Ax3上であって、入力軸60との間に隙間を介在させつつその出力側に配置されている。出力軸65は、軸受66(例えば複列円錐ころ軸受及び玉軸受)を介して支持部材67に回転自在に支持されており、回転軸Ax3を中心に回転する。出力軸65の出力側の部分には、図示しない被駆動部材が連結される。
また、出力軸65の入力側の端部の外周面には、後述する第2クラッチ部材92の第2内歯歯車92cと噛合する出力軸歯車68が設けられている。
第1歯車80は、略円筒状に形成され、入力軸歯車62の直ぐ入力側の軸方向位置に配置されている。第1歯車80は、2つの軸受81(例えば玉軸受)を介して入力軸60の外周面に回転自在に支持され、回転軸Ax3を中心に回転する。この第1歯車80の外周面には、後述する平行軸70の第1平行軸歯車部材73と噛合する歯が設けられている。
また、第1歯車80の出力側の側面には、後述する第1クラッチ部材91の第1入力側ギヤ91aと噛合する入力軸ギヤ80aが設けられている。
第2歯車85は、略円筒状に形成され、出力軸歯車68の直ぐ出力側の軸方向位置に配置されている。第2歯車85は、2つの軸受86(例えば円錐ころ軸受)を介して出力軸65の外周面に回転自在に支持され、回転軸Ax3を中心に回転する。この第2歯車85の外周面には、後述する平行軸70の第2平行軸歯車74と噛合する歯が設けられている。
また、第2歯車85の入力側の側面には、後述する第2クラッチ部材92の第2出力側ギヤ92bと噛合する出力軸ギヤ85aが設けられている。
平行軸70は、2つの軸受71、72(例えば円錐ころ軸受)を介して図示しないケーシングに回転自在に支持された状態で、回転軸Ax3と平行な回転軸Ax4上に配置され、当該回転軸Ax4を中心に回転する。
平行軸70のうち、第1歯車80に対応する軸方向位置には、第1平行軸歯車部材73が一体的に取り付けられている。第1平行軸歯車部材73は、略円筒状に形成され、外周面に第1歯車80と噛合する歯が設けられている。
また、平行軸70のうち、第2歯車85に対応する軸方向位置の外周面には、当該第2歯車85と噛合する第2平行軸歯車74が設けられている。
2つのクラッチ部材90は、入力軸60と出力軸65との連結状態を、減速機構95を介して連結させた低速出力状態(図5の上半部の状態)と、減速機構95を介さずに直接的に連結させた高速出力状態(図5の下半部の状態)とに切り替えるための部材である。
減速機構95は、本実施形態では平行軸歯車機構であり、第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2平行軸歯車74、第2歯車85を含んで構成される。
2つのクラッチ部材90のうち、第1クラッチ部材91は、略円筒状に形成され、入力軸60の出力側端部の径方向外側を覆うように配置されている。この第1クラッチ部材91は、軸方向に沿って所定の長さに亘り移動可能に構成されており、この軸方向への移動に伴って入力軸60と出力軸65の連結状態を切り替える。
第1クラッチ部材91の内周面には、入力軸60の入力軸歯車62と噛合する第1内歯歯車91cが設けられている。第1内歯歯車91cは、第1クラッチ部材91が軸方向へ移動可能なように入力軸歯車62と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第1クラッチ部材91の軸方向への移動に亘って入力軸歯車62と噛合し続けるように構成されている。
第1クラッチ部材91の入力側の側面には、第1歯車80の入力軸ギヤ80aと噛合可能な第1入力側ギヤ91aが設けられている。この第1入力側ギヤ91aは、第1クラッチ部材91の軸方向への移動に伴って、第1歯車80の入力軸ギヤ80aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
第1クラッチ部材91の出力側の側面には、第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aと噛合可能な第1出力側ギヤ91bが設けられている。この第1出力側ギヤ91bは、第1クラッチ部材91及び第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第1クラッチ部材91は、第2クラッチ部材92とともに軸方向に移動することにより、第1入力側ギヤ91aが第1歯車80の入力軸ギヤ80aに噛合し、且つ第1出力側ギヤ91bが噛合を解除した状態(低速出力状態)と、第1入力側ギヤ91aが噛合を解除し、且つ第1出力側ギヤ91bが第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aに噛合した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
一方、第2クラッチ部材92は、略円筒状に形成され、出力軸65の入力側端部の径方向外側を覆うように配置されている。この第2クラッチ部材92は、軸方向に沿って所定の長さに亘り移動可能に構成されており、この軸方向への移動に伴って入力軸60と出力軸65の連結状態を切り替える。第1クラッチ部材91及び第2クラッチ部材92は、本発明に係る伝達機構の一例に相当する。
第2クラッチ部材92の内周面には、出力軸65の出力軸歯車68と噛合する第2内歯歯車92cが設けられている。第2内歯歯車92cは、第2クラッチ部材92が軸方向へ移動可能なように出力軸歯車68と噛合するとともに、低速出力状態と高速出力状態との間での第2クラッチ部材92の軸方向への移動に亘って出力軸歯車68と噛合し続けるように構成されている。
第2クラッチ部材92の入力側の側面には、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bと噛合可能な第2入力側ギヤ92aが設けられている。この第2入力側ギヤ92aは、第1クラッチ部材91及び第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
第2クラッチ部材92の出力側の側面には、第2歯車85の出力軸ギヤ85aと噛合可能な第2出力側ギヤ92bが設けられている。この第2出力側ギヤ92bは、第2クラッチ部材92の軸方向への移動に伴って、第2歯車85の出力軸ギヤ85aに噛合した状態と、この噛合を解除した状態とを取り得るように構成されている。
このような構成により、第2クラッチ部材92は、第1クラッチ部材91とともに軸方向に移動することにより、第2入力側ギヤ92aが噛合を解除し、且つ第2出力側ギヤ92bが第2歯車85の出力軸ギヤ85aに噛合した状態(低速出力状態)と、第2入力側ギヤ92aが第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bに噛合し、且つ第2出力側ギヤ92bが噛合を解除した状態(高速出力状態)とに切り替わる。
これら2つのクラッチ部材90は、上述した第1実施形態のものと同様の駆動ユニット50に駆動されて、軸方向に沿って互いに逆向きに移動し、これにより、入力軸60と出力軸65との連結状態を低速出力状態と高速出力状態に切り替える。2つのクラッチ部材90と駆動ユニット50は、本発明に係る減速比変更機構の一例に相当する。これら2つのクラッチ部材90と駆動ユニット50により、入力軸60の回転を、減速機構95を介して出力軸65に伝達するか、減速機構95を介さずに出力軸65に伝達するかが切り替えられる。
<動作説明>
続いて、入力軸60と出力軸65との連結状態を低速出力状態から高速出力状態に切り替える際の減速装置2の動作について説明する。
まず低速出力状態においては、図5の上半部に示すように、第1クラッチ部材91は、入力側の第1入力側ギヤ91aが第1歯車80の入力軸ギヤ80aに噛合し、出力側の第1出力側ギヤ91bが噛合を解除している。また、第2クラッチ部材92は、入力側の第2入力側ギヤ92aが噛合を解除し、出力側の第2出力側ギヤ92bが第2歯車85の出力軸ギヤ85aに噛合している。
そのため、低速出力状態では、モータ等の駆動源により入力軸60が回転すると、この回転運動が減速機構95(第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2平行軸歯車74、第2歯車85)を介して出力軸65に伝わる。これにより、第1歯車80と第1平行軸歯車部材73との減速比をi1、第2平行軸歯車74と第2歯車85との減速比をi2として、正味の減速比=i1×i2(>1)で減速された回転運動が出力軸65に伝達され、被駆動部材に出力される。
この低速出力状態において、駆動ユニット50を駆動し、図5の下半部に示すように、第1クラッチ部材91を出力側に移動させ、第2クラッチ部材92を入力側に移動させると、入力軸60と出力軸65の連結状態が高速出力状態に切り替わる。
この高速出力状態においては、第1クラッチ部材91の第1出力側ギヤ91bと第2クラッチ部材92の第2入力側ギヤ92aとが互いに噛合しており、第1クラッチ部材91の第1入力側ギヤ91aと第2クラッチ部材92の第2出力側ギヤ92bは噛合を解除している。
このように、高速出力状態では、入力軸60と出力軸65とが直接的に連結されている。これにより、入力軸60に加えられた回転運動は、その回転数のまま(つまり減速比=1で)出力軸65に伝達される。なお、高速出力状態の減速比は1に限定されず、低速出力状態の減速比よりも小さければ、1以下であってもよいし、1より大きくてもよい。
この高速出力状態では、入力軸60と出力軸65とが、減速機構95を介さずに(すなわち、減速機構95に動力を伝達しない連結状態で)連結されている。そして、減速機構95に含まれる複数の回転部材(第1歯車80、第1平行軸歯車部材73、平行軸70、第2歯車85)の全てが回転を停止させる。これにより、高速出力状態における回転系の慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。なお、このときには、減速機構95に含まれる全ての回転部材が回転を停止させなくともよく、減速機構95の少なくとも一部が入力軸60の回転と同期しなくなればよい。ここで、入力軸60の回転と同期しないとは、入力軸60の回転が減速機構95の回転部材に伝達されていないことを指す。したがって、減速機構95の一部が、駆動源からの入力以外の要因(振動やその他の外力等)により回転していてもよい。
また、この高速出力状態から駆動ユニット50を駆動し、今度は第1クラッチ部材91を入力側に移動させ、第2クラッチ部材92を出力側に移動させることにより、再び低速出力状態に復帰させることができる。
<第2実施形態の技術的効果>
以上のように、第2実施形態に係る減速装置2によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
すなわち、第2実施形態によれば、2つのクラッチ部材90及び駆動ユニット50により、所定の減速比の低速出力状態から、それよりも小さい減速比の高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構95の少なくとも一部が入力軸60の回転と同期しなくなる。
これにより、低速出力状態と高速出力状態とを切り替え可能な減速装置2において、高速出力状態における慣性モーメントを、減速機構が入力軸とともに回転していた従来よりも低減させることができる。ひいては、高速出力状態において、高出力のモータ等を必要とすることなく、速やかに高速回転まで加速することができる。
また、第2実施形態によれば、入力軸60と出力軸65とが同一直線上に配置されているので、特に高速出力状態において、入力軸60と出力軸65を直接的に連結させて、好適に出力を取り出すことができる。
また、第2実施形態によれば、低速出力状態から高速出力状態に切り替えられたときに、減速機構95に含まれる複数の回転部材の全てが回転を停止させるので、高速出力状態における慣性モーメントを、より確実に低減させることができる。
また、第2実施形態によれば、減速機構95に含まれる複数の回転部材が、入力軸60及び出力軸65の回転軸Ax3に対し、その径方向外側に配置されている。
そのため、高速出力状態において、これら複数の回転部材と入力軸60との連結を解除することにより、当該複数の回転部材分の大きな慣性モーメントを好適に低減させることができる。
また、第2実施形態によれば、2つのクラッチ部材90の軸方向に沿った移動により、入力軸60と出力軸65の連結状態を低速出力状態と高速出力状態とに切り替え可能であり、駆動ユニット50が、これら2つのクラッチ部材90を互いに同期させつつ移動させる。
そのため、駆動ユニット50の動作を制御することにより、簡便に低速出力状態と高速出力状態とを切り替えることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の第1及び第2の実施形態に限られない。
例えば、上記実施形態では、入力軸と出力軸が同一直線上に配置されることとしたが、これら入力軸と出力軸は同一直線上に配置されていなくともよい。この場合、減速機構に含まれる複数の回転部材の少なくとも1つが、入力軸及び出力軸の少なくとも一方の回転軸に対し、その径方向外側に配置されていればよい。
また、上記実施形態では、減速機構が遊星歯車機構又は平行軸歯車機構であることとしたが、減速機構は複数の回転部材を含んでいればよく、その構成は特に限定されない。この場合における減速比も特に限定されない。さらに、この場合の回転部材は歯車に限定されず、例えば転がり接触で動力伝達するトラクションドライブなどを含んでもよい。
また、上記実施形態では、2つのクラッチ部材が軸方向に沿って互いに逆方向に移動することにより、低速出力状態と高速出力状態とに切り替わることとした。しかし、クラッチ部材は、低速出力状態と高速出力状態とに切り替え可能なものであればよく、その数量、移動方向、歯の構造等は特に限定されない。すなわち、2つのクラッチ部材は、互いに逆方向に移動するものでなくてもよい。また、1つのクラッチ部材ごとに駆動機構が設けられていてもよい。駆動ユニット50についても、クラッチ部材を駆動できれば、ボールねじ式、ギヤ式、ウォーム式に限定されず、例えば油圧シリンダを用いたものであってもよい。
また、本発明に係る減速装置は、低速出力状態と高速出力状態との切り替えが有効な機械装置全般に、好適に適用可能である。
例えば、プレス機械(サーボプレス)に適用し、スライドが下がって加工対象をプレスするタイミングでは低速出力状態とするとともに、スライドが上昇して空走するときには高速出力状態としてもよい。これにより、プレス時には適正な荷重を出力させつつ、空走時には速やかにスライドを動かして、作業の効率化を図ることができる。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1、2 減速装置
10、60 入力軸
15、65 出力軸
20 第1歯車
30 第2歯車
33 内歯歯車
34 遊星キャリヤ
35 第3歯車
40、90 クラッチ部材
41、91 第1クラッチ部材
42、92 第2クラッチ部材
45、95 減速機構
50 駆動ユニット
70 平行軸
73 第1平行軸歯車部材
74 第2平行軸歯車
80 第1歯車
85 第2歯車
Ax1、Ax3 回転軸

Claims (7)

  1. 入力軸と、出力軸と、
    前記入力軸の回転を第1の減速比で前記出力軸に伝達する減速機構と、
    前記入力軸の回転を、前記第1の減速比よりも小さい第2の減速比で前記出力軸に伝達する伝達機構と、
    前記入力軸の回転を、前記減速機構を介して前記出力軸に伝達するか、前記伝達機構を介して前記出力軸に伝達するかを切り替える減速比変更機構と、を有し、
    前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記減速機構の少なくとも一部が前記入力軸の回転と同期しなくなり、
    前記減速比変更機構は、
    前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を、前記減速機構を介した第1回転伝達状態と、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態とに切り替え可能な2つの移動部材と、
    前記2つの移動部材を互いに連動させつつ同時に移動させることで、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を前記第1回転伝達状態と前記第2回転伝達状態とに切り替える駆動機構と、を含み、
    前記減速機構は、太陽歯車及び遊星歯車を含む遊星減速機構であり、
    前記伝達機構は、前記太陽歯車を貫通して設けられている、
    減速装置。
  2. 前記入力軸と前記出力軸とが同一直線上に配置されている、
    請求項1に記載の減速装置。
  3. 前記減速機構は、前記減速比変更機構を除く複数の回転部材を含み、
    前記減速比変更機構により、前記減速機構を介した第1回転伝達状態から前記伝達機構を介した第2回転伝達状態に切り替えられたときに、前記複数の回転部材の全てが前記入力軸の回転と同期しなくなる、
    請求項1又は請求項2に記載の減速装置。
  4. 前記回転部材は、前記入力軸及び前記出力軸の少なくとも一方の回転軸の径方向外側に配置されている、
    請求項3に記載の減速装置。
  5. 前記駆動機構は、前記2つの移動部材を、互いに前記入力軸の軸方向において逆方向に移動させる、
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の減速装置。
  6. 前記遊星減速機構は、前記遊星歯車の側方に配置され、前記遊星歯車の公転と同期するキャリヤと、前記キャリヤと噛み合う第3歯車と、を有し、
    前記移動部材は、前記減速機構を介した第1回転伝達状態では前記第3歯車と前記出力軸とを連結させ、前記伝達機構を介した第2回転伝達状態では前記第3歯車と前記出力軸との連結を解除する、
    請求項1から請求項5の何れか一項に記載の減速装置。
  7. 前記減速装置は、プレス機械に用いられる減速装置であって、
    前記減速比変更機構は、前記プレス機械が加工対象物をプレスするときに前記第1回転伝達状態とし、前記プレス機械が加工対象物に対して離間方向に移動するときに前記第2回転伝達状態とするように、前記入力軸と前記出力軸との伝達状態を切り替える、
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載の減速装置。
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