JP7228664B2 - 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物に関し、さらに詳しくは、エラストマー、エポキシ樹脂及び潜在性硬化剤を含む硬化性組成物に関する。その硬化性組成物は、例えば自動車用接着剤、より具体的には車体工程用接着剤(例えば、構造用接着剤、マスチック接着剤など)に好適に使用することができる。
自動車の車体は、鋼板をプレス成型し、及び溶接して組み立てることを含む車体工程で、ホワイトボディーが製造される。そのホワイトボディーは、電着塗装、電着焼付、塗装、塗装焼付を含む塗装工程で、塗装される。車体工程用接着剤は、車体工程で製造されるホワイトボディーを製造する際に使用される接着剤である。車体工程用接着剤は、人によって塗布されることもあるが、近年は通常ペール缶又はドラム缶から送られて、人を介することなく、自動的に塗布される。その接着剤には、一般的に油面接着性及び防錆性が求められ、更に塗布に適する粘度及び耐たれ性等も求められ、その接着剤は1液熱硬化型であり、次工程の塗装工程の電着焼付の際に、電着焼付炉で硬化する。
例えば、特許文献1は、合成ゴム、可塑剤、充填材及びコアシェル型アクリル樹脂を含む組成物に、希釈剤並びにエポキシ樹脂と潜在性硬化剤の組み合わせである接着付与剤を配合させてなる硬化性組成物を開示する([請求項1]~[請求項3]、[0043][表1]参照)。特許文献1は、その硬化性組成物は、塩化ビニル樹脂を必要とせず、環境に対しての害が少なく、かつ、合金化アルミ材等に対しても優れた接着性を発揮するために合金化アルミ材の適用範囲が広がり、車体重量の更なる軽減化という大きな効果を奏することを述べる([0008]参照)。
特許文献2は、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、可塑剤及び充填材からなり、酸化チタン顔料を0.2~10重量%の割合で配合した車体パネル接着用マスチック接着剤を開示する(特許請求の範囲、第4頁表1参照)。特許文献2は、140~270℃の温度において、3分以内の近赤外線加熱を行っても、発泡や炭化の問題が全くないことを述べる(第2頁右欄第11~16行参照)。
特許文献3は、ウレタン-ゴム変性エポキシ樹脂、潜在性硬化剤からなる硬化性樹脂組成物は、低温から常温にかけての接着性が改善されており、また、ウレタンゴム変性エポキシ樹脂、ブロックドウレタン及び潜在性硬化剤からなる硬化性組成物は、特に低温から常温までの接着性と共に、低温における引張り伸度に優れることを開示する([0065][表1]~[0067]参照)。
特開2005-272712号公報 特開平2-84477号公報 特開2007-246648号公報
近年ますます、地球環境の保護、労働環境の改良、更に、低エネルギー消費が求められており、塗装工程の電着焼付温度も、より低温化が求められている。従って、その塗装 工程の電着焼付炉で硬化する接着剤も、より低温での硬化が要求されている(例えば、130℃~165℃)が、硬度、伸び、せん断強度、剥離強度、衝撃吸収性、貯蔵安定性等の他の性質は維持することも要求されている。
特許文献1は、具体的には、試験片を170℃で20分間保持して硬化している([0038]~[0039]参照)。
特許文献2は、具体的な硬化温度を開示していない。
特許文献3は、具体的には、試験片を180℃で30分間保持して硬化している([0063]~[0064]参照)。
特許文献1~3は、いずれも、170℃以上で硬化する硬化性組成物を開示しており、近年の低温化の要求に対応することは困難である。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含み、潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含む、 硬化性組成物は、自動車用接着剤、より具体的には車体工程用接着剤用途に好適であることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本明細書は、以下の実施形態を含む。
1. エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物であって、
潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含む、硬化性組成物。
2. エラストマー(A)は、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリル、ウレタンから選択される少なくとも一種を含む、上記1記載の硬化性組成物。
3. エラストマー(A)の少なくとも一部が、エポキシ樹脂(B)と予め反応した化合物を含有する、上記1記載の硬化性組成物。
4. 熱可塑樹脂(E)を更に含む、上記1~3のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
5. 熱可塑樹脂(E)は、アクリル樹脂、PVC樹脂、酢ビ樹脂およびそれらの共重合物から選択される少なくとも1種を含む、上記4に記載の硬化性組成物。
6. エラストマーの架橋剤(F)を含む、上記1~5のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
7. エラストマーの架橋剤(F)は、イオウ、および過酸化物から選択される少なくとも1種を含む、上記6記載の硬化性組成物。
8. 潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも2種の潜在性硬化(促進)剤の融点が、10℃以上80℃以下異なる、上記1~7のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
9. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルカン構造を有する、上記1~8のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
10. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、脂肪族ジヒドラジドを含む、上記1~9のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
11. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、式(1)を満たす潜在性硬化(促進)剤を含む、上記1~10のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
Figure 0007228664000001
[式(1)中、n=10~23]
12. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ドデカンジオヒドラジドを含む、上記1~11のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
13. 充填材(D)を更に含む、上記1~12のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
14. 可塑剤(G)を更に含む、上記1~13のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
15. 充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を更に含む、上記1~14のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
16. エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物の製造方法であって、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合することを含み、
下記(i)から(iii)の少なくともいずれか1つを満たす、硬化性組成物の製造方法。
(i)潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部を、あらかじめ平均粒子径25μm以下に粉砕すること、及び/又は潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部をエポキシ樹脂(B)にあらかじめ分散することを含む。
(ii)硬化性組成物は、更に可塑剤(G)を含み、
少なくともエラストマー(A)の一部は固形であり、その一部が固形のエラストマー(A)と、少なくとも一部の可塑剤(G)もしくは液状成分のエポキシ樹脂(B)とを混合溶解して、エラストマー(A)を含む混合物1を得るステップ1;
少なくとも潜在性硬化(促進)剤(C)の一部と少なくとも可塑剤(G)の一部を混合して、潜在性硬化(促進)剤(C)を含む混合物2を得るステップ2;及び
ステップ1で得られた混合物1と、ステップ2で得られた混合物2と、混合物1及び2以外の他の硬化性組成物の成分とを混合するステップ3を含む。
(iii)硬化性組成物の一部もしくは全ての成分を混合して、硬化性組成物の中間混合物を得、その中間混合物を、減圧し撹拌して、硬化性組成物を得ることを含み、
ここで、減圧し撹拌することは、3mmHg以上150mmHg以下で、20分間以上、減圧し撹拌すること、かつ、3mmHg未満に減圧して撹拌しないもしくは3mmHg未満で10分以下減圧し撹拌すること、を含む。
17. (ii)の場合、エラストマー(A)と可塑剤(G)の混合において、ミキシングロールに通したエラストマー(A)に、可塑剤(G)を分割して加えることを含む、請求項16に記載の製造方法。
18. 撹拌は、二軸ミキサー、プラネタリミキサー又はシグマミキサーを用いることを含む、請求項16又は17に記載の製造方法。
19. (iii)の場合、減圧度の下限は、1mmHg以上であることを含む、請求項16~18のいずれか1項に記載の製造方法。
20. (iii)の場合、潜在性硬化剤(C)は、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを更に含む、請求項16~19のいずれか1項に記載の製造方法。
21. (i)と(iii)を共に満たす、請求項16~20のいずれか1項に記載の製造方法。
22. 硬化性組成物は、請求項1~15のいずれか1項に記載の硬化性組成物である、請求項16~21のいずれか1項に記載の硬化性組成物の製造方法。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含み、潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含み、 硬化性組成物は、自動車用接着剤、より具体的には車体工程用接着剤用途に好適に使用することができる
本発明は、一の要旨において、新規な硬化性組成物を提供し、それは、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含み、
潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含む。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む。
本明細書において、エラストマー(A)とは、ゴム弾性を有する高分子を意味し、通常、エラストマーと呼ばれる高分子であり、熱硬化性エラストマー及び熱可塑性エラストマー等を含み、本発明が目的とする硬化性組成物を得ることができる限り、特に制限されることはない。
エラストマー(A)として、例えば、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、エチレンプロピレンジエン重合体、アクリル重合体、及びウレタン結合を含む重合体等を例示することができる。
エラストマー(A)として、スチレンブタジエン共重合体(スチレンブタジエンゴム)、ニトリルブタジエン共重合体、ブタジエン重合体(ブタジエンゴム)、イソプレン重合体、エチレンプロピレンジエン重合体、アクリル重合体、及びウレタン結合を含む重合体から選択される少なくとも一種以上含むことが好ましく、スチレンブタジエン共重合体(スチレンブタジエンゴム)、ブタジエン重合体(ブタジエンゴム)から選択される少なくとも一種がより好ましい。
本発明の実施形態において、エラストマー(A)の少なくとも一部が、エポキシ樹脂(B)と予め反応した化合物を含有してもよい。この場合、エラストマーとエポキシ樹脂の馴染み(又は相溶性)をより向上することができ、硬化性組成物の物性を全体的により向上できる可能性がある。
エラストマー(A)として、市販品を使用することができる。
アイエスピー・ジャパン社製のSBR1009(商品名)、Nitriflex社製のSB-1009(商品名)、Lion Elastomers社製 SBR1009(商品名)、日本ゼオン社製のNipol DN214(商品名);日本ゼオン社製のBR1220(商品名)、JSR社製 N230S(商品名)等を例示できる。
エラストマー(A)は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、2~20質量部のエラストマー(A)を含んでよく、3~15質量部のエラストマー(A)を含むことが好ましく、4~10質量部のエラストマー(A)を含むことがより好ましく、5~9質量部のエラストマー(A)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、2~20質量部のエラストマー(A)を含む場合、より適切な硬化性を得ることができ、より適切な粘度によるより良好な作業性が得られ、硬化物の硬度をより適切に調整することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、熱可塑樹脂(E)を更に含むことができる。
本明細書において、熱可塑性樹脂(E)とは、常温では固形であり粉状もしくは粒子状重合体であり、エポキシ樹脂及び可塑剤(使用した場合)などの液体成分中に分散状態すなわちゾル状態で存在し、加熱する(例えば、80℃以上)ことにより当該熱可塑樹脂が液体成分であるエポキシ樹脂及び可塑剤に膨潤した状態となり、冷却すると固化する樹脂をいい、上述したエラストマー(A)を除き、本発明が目的とする硬化性組成物を得ることができる限り、特に制限されることはない。本発明の実施形態の硬化性組成物は、熱可塑樹脂(E)を更に含む場合、硬化性をより向上することができ、熱硬化性樹脂(E)の添加量を変えることで、物性をより容易に調整することができる。
熱可塑性樹脂(E)として、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル(PVC)樹脂、酢酸ビニル(酢ビ)樹脂およびそれらの共重合物を例示することができる。
熱可塑性樹脂(E)として、極性基と非極性基を有し、分極可能な構造を有する熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、酢酸ビニル(酢ビ)樹脂およびそれらの共重合物から選択される少なくとも一種が好ましい。更に、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、酢酸ビニル(酢ビ)樹脂およびそれらの共重合物の組み合わせを例示することができ、アクリル樹脂とポリ塩化ビニル樹脂の組み合わせ、アクリル樹脂と酢酸ビニル樹脂の組み合わせ、ポリ塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂の組み合わせが好ましい。
更に、熱可塑性樹脂(E)は、コアシェル構造を有してよく、常温では分散状態であり、加熱時に溶解可能な樹脂(例えば、アクリル樹脂)を含むことが好ましい。
熱可塑性樹脂(E)は、粒子状であることが好ましい。熱可塑性樹脂(E)の平均粒子径は、0.01~100μmであることが好ましく、0.05~10μmであることがより好ましく、0.1~5μmであることが更に好ましく、0.2~2μmであることが更により好ましい。
熱可塑性樹脂(E)が粒子状である場合、加熱すると、より容易に可塑化して、エラストマー(A)及びエポキシ樹脂(B)等とより均一に混合し得る。
熱可塑性樹脂の平均粒子径は、島津製作所社製のSALD-200V ER(商品名)を用いて、レーザー式粒度分布測定法によって、測定することができる。
熱可塑性樹脂(E)として、市販品を使用することができる。
三菱レイヨン社製のLP-3106(商品名)、三菱レイヨン社製のLP-3102(商品名)、三菱レイヨン社製のLP-3108(商品名)、三菱レイヨン社製のLP-3109(商品名)等;アイカ工業社製のZEFIAC F351(商品名)、アイカ工業社製のZEFIAC F351(商品名);カネカ社製のPSH-10(商品名)、カネカ社製のPCH-72(商品名)、カネカ社製のPSH-24(商品名)、カネカ社製のPBM-6(商品名)等を例示できる。
熱可塑性樹脂(E)は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、0.2~20質量部の熱可塑性樹脂(E)を含んでよく、0.4~15質量部の熱可塑性樹脂(E)を含むことが好ましく、1~10質量部の熱可塑性樹脂(E)を含むことがより好ましく、2~9質量部の熱可塑性樹脂(E)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、0.2~20質量部の熱可塑性樹脂(E)を含む場合、より適切な物性が得られるとともに硬化性と貯蔵安定性のバランスがより良いという有利な効果を奏し得る。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマーの架橋剤(F)を含むことができる。
本明細書において、エラストマーの架橋剤(F)とは、エラストマー(A)を架橋して、エラストマー(A)のゴム的性質を調整することができる(例えば、より硬くすることができる)物質をいい、本発明が目的とする硬化性組成物を得ることができる限り、特に制限されることはない。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマーの架橋剤(F)を含む場合、硬化性の向上と硬度を高めることができ、量の調整により硬度を調整することができるという有利な効果を奏し得る。
エラストマーの架橋剤(F)として、例えば、イオウ、過酸化物、キノン系化合物等を例示することができる。
エラストマーの架橋剤(F)は、イオウ、過酸化物、キノン系化合物から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、過酸化物、キノン系化合物から選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
エラストマーの架橋剤(F)として、市販品を使用することができる。
日油化学社製パーヘキサV(商品名)(n-ブチル 4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート)、日本油脂化学社製パーヘキサC(1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)(商品名)等の過酸化物;大内新興化学工業社製の(p-キノンジオキシム)バルノックGM―P(商品名)、O,O'-ジベンゾイル-p-キノンジオキシム)バルノックDGM(商品名)等のキノン系化合物を例示できる。
エラストマーの架橋剤(F)は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、0.03~5質量部のエラストマーの架橋剤(F)を含んでよく、0.08~4質量部のエラストマーの架橋剤(F)を含むことが好ましく、0.1~3質量部のエラストマーの架橋剤(F)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、0.3~5質量部のエラストマーの架橋剤(F)を含む場合、より適切な物性(例えば、硬度)を有する硬化物をより容易に得ることができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エポキシ樹脂(B)を含む。
本明細書において「エポキシ樹脂」とは、分子中に2以上のエポキシ基を含む化合物であって、一般にエポキシ樹脂と呼ばれる化合物をいい、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることはない。エポキシ樹脂として、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を例示することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物に含まれるエポキシ樹脂として、更に、例えば、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA、ビスフェノールADのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジグリシジルエーテルなどのビスフェノール型エポキシ樹脂及びこれらのエポキシ樹脂に含まれる芳香環を水素添加して得られる脂環式エポキシ樹脂;
カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノンなどの芳香環1個を有するジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ダイマー酸、フタル酸、水添フタル酸をベースとしたジグリシジルエステル型エポキシ樹脂;
ビスフェノールAやビスフェノールFを多核化した多官能ノボラック型エポキシ樹脂:
カルボキシル末端のブタジエン‐アクリロニトリル共重合体ゴムとビスフェノール型エポキシ樹脂とを、1:5~4:1、好ましくは1:3~3:2の質量比で配合し、80~180℃の温度で反応させることにより製造されるアクリロニトリル‐ブタジエン共重合体変性エポキシ樹脂;
ポリヒドロキシ化合物[例えば、ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコールなど);ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサントリオール、グリセロールなどの脂肪族多価ヒドロキシ化合物]とエピハロヒドリンを反応させて得られるアルキレンオキシド変性グリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
ポリアルキレングリコールの末端にポリイソシアネートを付加したポリウレタンプレポリマーにエポキシ樹脂の水酸基と反応して得られるウレタン変性エポキシ樹脂(混合比は10:90~50:50)やアクリルゴム粒子の表面のカルボキシル基とエポキシ樹脂とを反応させたアクリル変性エポキシ樹脂(混合比は10:90~50:50)等を例示できる。
上記エポキシ樹脂として、市販品を使用することができる。それらの市販品として、例えば、三菱ケミカル(株)製の「jER(登録商標)828」、(株)ADEKA製の「アデカレジンEPR-4023」、「アデカグリシロールED‐506」、「アデカレジンEPU‐73B」、「アデカレジンEPU-78-11」(株)カネカ製の「カネエースMX‐257」、新日本理化社製の{HBE-100」等を例示することができる。
エポキシ樹脂は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、エポキシ樹脂(B)を、0.1質量部以上含んでよく、0.2質量部以上含むことが好ましく、0.3質量部以上含むことが好ましく、0.5質量部以上含むことがより好ましく、1.0質量部以上含んでよく、1.5質量部以上含んでよい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、エポキシ樹脂(B)を、50質量部以下含んでよく、10質量部以下含んでよく、8質量部以上含んでよく、5質量部以下含むことがより好ましく、3質量部以下含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、0.1~50質量部のエポキシ樹脂(B)を含んでよく、より低温硬化時(150℃)のアルミ板接着性を考慮すると0.2~10質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことが好ましく、0.3~5質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことがより好ましく、0.5~3質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことがより好ましい。衝撃強度を考慮すると、10~45質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことが好ましく、20~40質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことがより好ましく、25~35質量部のエポキシ樹脂(B)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、0.1~50質量部のエポキシ樹脂(B)を含む場合、基材(例えば、アルミ板への)接着性により優れる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、0.2~10質量部のエポキシ樹脂(B)を含む場合、低温硬化時(150℃)のアルミ板への接着性により優れる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、潜在性硬化剤(C)を含み、潜在性硬化剤(C)は、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含む。
本明細書において「潜在性硬化剤」とは、エポキシ樹脂の硬化剤であるが、室温では実質的に硬化剤として機能しないが、(例えば、165℃に、好ましくは150℃に)加熱することで硬化剤として機能する化合物をいい、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることはない。
潜在性硬化剤として、具体的には、例えば、ジシアンジアミド;アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン、エイコサン二酸ジヒドラジド、ハイドロキノンジグリコール酸ジヒドラジド、レゾルシノールジグリコール酸ジヒドラジド、4,4’-エチリデンビスフェノールジグリコール酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物;4,4’-ジアミノジフェニルスルホン;イミダゾール、2-n-ヘプタデシルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;メラミン;2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリツ(1’))-エチル-o-トリアジン等のトリアジン化合物;ベンゾグアナミン;N,N-ジメチル-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素等のN,N-ジアルキル尿素、N,N’-ジアルキル尿素化合物等のジアルキル尿素化合物;N,N’-ジアルキルチオ尿素化合物;ジアミノジフェニルメタン、ジアミノビフェニル、ジアミノフェニール、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、ドデカンジアミン、デカンジアミン、オクタンジアミン、テトラデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ヒドラジド系ポリアミン等のポリアミン;シアノグアニジン等のグアニジン誘導体が挙げられる。
潜在性硬化剤として市販品を使用することができる。例えば、エアプロダクツ社製のCG-NA(商品名)、ADEKA社製のEH-4030s(商品名)、大塚化学社製のADH(商品名)、ADEKA社製のEH3731s(商品名)、AlzChem社製のDyhard UR200(商品名)、大塚化学社製のDDH(商品名)等を例示することができる。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも2種の潜在性硬化(促進)剤の融点が、10~80℃異なることが好ましく、13~50℃異なることがより好ましく、15~25℃異なることが更に好ましい。
潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも2種の潜在性硬化(促進)剤の融点が、10~80℃異なる場合、硬化性、物性(例えば、接着強度、引張強度や伸びなど)及び貯蔵安定性に、バランスよくより優れる。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ジシアンジアミド;ジヒドラジド化合物;イミダゾール化合物;トリアジン化合物;ジアルキル尿素化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ジシアンジアミド;ジヒドラジド化合物;イミダゾール化合物;トリアジン化合物;ジアルキル尿素化合物から選択される少なくとも1種を含む場合、貯蔵安定性と接着性により優れる。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルカン構造(又は脂肪族アルキル基)を有することが好ましく、C10からC18の脂肪族アルカン構造を有することがより好ましく、C12からC17の脂肪族アルカン構造を有することが更に好ましい。
潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルカン構造を有する場合、より低温接着性に優れる。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルキレン構造(又は脂肪族アルキレン基)を有することが好ましく、C10からC18の脂肪族アルキレン構造を有することがより好ましい。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ジヒドラジド化合物を含むことが好ましく、脂肪族ジヒドラジド化合物を含むことが好ましく、脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドを含むことがより好ましい。脂肪族ジカルボン酸ジヒドラジドは、炭素数10~23の脂肪族アルキレン構造を含むことが好ましく、炭素数10~18の脂肪族アルキレン構造を含むことが更に好ましく、ドデカンジオヒドラジドを含むことが更により好ましい。
潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ジヒドラジド化合物を含む場合、より低温接着性に優れる。
本発明の実施形態において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、式(1)で示される潜在性硬化(促進)剤を含むことが好ましい。
Figure 0007228664000002
[式(1)中、n=10~23]
潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、式(1)で示される潜在性硬化(促進)剤を含む場合、低温硬化性により優れるという有利な効果を奏し得る。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、0.05~2.5質量部の潜在性硬化剤(C)を含んでよく、0.07~2.0質量部の潜在性硬化剤(C)を含むことが好ましく、0.1~1.6質量部の潜在性硬化剤(C)を含むことがより好ましく、0.2~1.0質量部の潜在性硬化剤(C)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、0.05~2.5質量部の潜在性硬化剤(C)を含む場合、硬化性と貯蔵安定性にバランスよく優れる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、充填材(D)を更に含むことができる。
本明細書において、充填材とは、本発明の実施形態の硬化性組成物を増量するとともに、硬化性組成物から形成される膜にある程度の強さを与えることができる化合物であり、場合により粘度調整又は軽量化に寄与することができ、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることはない。
充填材として、例えば、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム等)、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩及び硫酸塩、マイカ(雲母)、グラファイト、タルク(滑石)、クレー、硝子フレーク(硝子ビーズ)、ヒル石、カオリナイト、ワラストナイト(針状カルシウムメタシリケート)、シリカ、珪藻土、石膏、セメント、転炉スラグ、シラス、ゼオライト、セルロース粉、粉末ゴム、ゾノライト、チタン酸カリウム、ベントナイト、窒化アルミ、窒化珪素、亜鉛華、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、その他にも炭酸カルシウムウィスカ(針状炭酸カルシウム)、セラミック短繊維またはそのウィスカ、ロックウール短繊維、ガラスファイバー短繊維、チタン酸カリウム短繊維、ケイ酸カルシウム短繊維、アルミニウムシリケート、カーボンファイバー短繊維、アラミドファイバー短繊維、セピオライト等の鉱物繊維、各種ホイスカー等の繊維状充填材、ガラスバルーン、シリカバルーン、樹脂バルーン、炭素無機中空球等の中空状充填材、塩化ビニリデン、アクリルニトリル等の有機合成樹脂からなるプラスチックバルーン等の有機中空状充填材や、アルミニウムフィラー等のメタリックフィラー等を例示できる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、例えば、20~80質量部の充填材(D)を含んでよく、25~70質量部の充填材(D)を含むことが好ましく、30~60質量部の充填材(D)を含むことがより好ましく、35~55質量部の充填材(D)を含むことがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、100質量部の硬化性組成物あたり、20~80質量部の充填材(D)を含む場合、作業性をより向上し得る。
本発明の実施形態に硬化性組成物は、可塑剤(G)を更に含むことができる。
本明細書において、可塑剤(G)とは、塑性を増大させて軟らかくすることができ、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り特に制限されることはない。
可塑剤として、例えば、フタル酸ブチルベンジル(ブチルベンジルフタレート:BBP)、フタル酸オクチルベンジル(オクチルベンジルフタレート:OBP)、及びフタル酸イソノニルベンジル(イソノニルベンジルフタレート)等のアルキルベンジルフタレート;フタル酸ジメチルシクロヘキシル(ジメチルシクロヘキシルフタレート:DMCHP);フタル酸ポリエステル;安息香酸エステル;フタル酸ジイソノニル(ジイソノニルフタレート:DINP)、フタル酸ジオクチル(ジオクチルフタレート:DOP)、フタル酸ジメチル(ジメチルフタレート:DMP)、フタル酸ジエチル(ジエチルフタレート:DEP)、フタル酸ジブチル(ジブチルフタレート:DBP)、フタル酸ジヘプチル(ジヘプチルフタレート:DHP)、フタル酸ジノニル(ジノニルフタレート:DNP)、フタル酸ジデシル(ジデシルフタレート:DDP)、フタル酸ジノルマルオクチル(ジノルマルオクチルフタレート:DnOP)、フタル酸ジイソデシル(ジイソデシルフタレート:DIDP)、及びフタル酸ビス-2-エチルへキシル(ビスー2-エチルフタレート:DEHP)等のジアルキルフタレート;ジイソノニルシクロヘキサンジカルボキシレート等のジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレート;トリメリット酸トリス(トリオクチルトリメリテート:TOTM)、トリオクチルトリメリテート(TOTN)、トリイソオクチルトリメリテート、及びトリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸トリエステル等を例示できる。
可塑剤は、フタル酸ジエステルを含むことが好ましく、フタル酸ジエステルは、アルキルベンジルフタレート及び/又はジアルキルフタレートを含むことがより好ましい。
可塑剤が、フタル酸ジエステルを含む場合、適度な硬化性を持ちながら貯蔵安定性が優れ好ましく、アルキルベンジルフタレート及び/又はジアルキルフタレートを含む場合、硬化性を高めより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、硬化性組成物全体を100質量部として、可塑剤を、例えば、5~60質量部含むことができ、10~55質量部含むことが好ましく、15~50質量部含むことがより好ましく、20~40質量部含むことが更により好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、その他の成分を適宜含むことができる。その他の成分として、例えば、通常の硬化剤(上述の潜在性硬化剤を除く)、希釈剤、界面活性剤、その他の添加剤等を例示することができる。
本発明の実施形態において、硬化剤とは、常温では硬化作用を有さないが、ある温度になると、硬化作用を発現する化合物であって、上述の潜在性硬化剤を除き、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることはない。
本発明の実施形態において、希釈剤とは、本発明の実施形態の硬化性組成物に流動性を与えることができ、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることはない。
希釈剤として、例えば、パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、アロマ系溶剤等の炭化水素系溶剤等を例示することができる。
本発明の実施形態において、その他の添加剤として、例えば、吸湿剤(酸化カルシウム、モレキュラーシーブス等)、揺変性賦与剤(有機ベントナイト、フュームドシリカ、ステアリン酸アルミニウム、金属石けん類、ヒマシ油誘導体等)、安定剤[2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等]、硬化促進剤(ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸鉛、オクチル酸ビスナス等)、シラン又はチタン等のカップリング剤、発泡剤等を例示することができる。その他の添加剤は、本発明が目的とする硬化性組成物を得られる限り、特に制限されることなく、適宜使用することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物の体積変化率は、80~200%であることが好ましく、90~180%であることが好ましく、95~150%であることが好ましく、96~120%であることがより好ましい。
本発明の実施形態の硬化性組成物の体積変化率は、80~200%である場合、体積変化率が大きくないので、硬化性組成物の硬化物が凝集破壊しにくく、接着力がより向上し得るという有利な効果を奏する。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)に加えて、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を更に含むことができる。本発明の実施形態の硬化性組成物は、更に、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を含む場合、使用目的に応じて接着性及び物性調整が可能であるという有利な効果を奏する。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、更に、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を含む場合、熱可塑樹脂(E)と可塑剤(G)のゾルゲル反応及びエラストマー(A)と架橋剤(F)の反応と、競争的にエポキシ樹脂(B)と潜在性硬化剤(C)(例えば、アミン化合物)の反応が進むため、接着性に寄与するエポキシ樹脂(B)の反応において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種は、ジヒドラジド化合物及びイミダゾール化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、潜在性硬化剤(C)は、ジヒドラジド化合物及びイミダゾール化合物を共に含むことが好ましい。この場合、低温硬化性と貯蔵安定性のバランスをとりながら、接着性能が優れるという有利な効果を奏し得る。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、更に、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を含む場合、熱可塑樹脂(E)と可塑剤(G)のゾルゲル反応及びエラストマー(A)と架橋剤(F)の反応と、競争的にエポキシ樹脂(B)と潜在性硬化剤(C)(例えば、アミン化合物)の反応が進むため、接着性に寄与するエポキシ樹脂(B)の反応において、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種は、C10からC23の脂肪族アルカン構造を有することが好ましい。この場合、より低温接着性に優れ、低温(例えば、150℃)でも、より高い凝集破壊率を維持することができる。この効果は、熱可塑樹脂(E)と可塑剤(G)を含む場合及びエラストマー(A)及びエラストマー架橋剤(F)を含む場合に観察され、潜在性硬化剤(C)のC10からC23のアルカン構造及びアクリル構造とエラストマー(A)との相互作用によって効果を発現したと考えられる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、更に、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を含む場合、潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種は、上述の式(1)で示される潜在性硬化剤を含むことが好ましい。この場合、低温硬化性と貯蔵安定性のバランスをとりながら、接着性能が優れるという有利な効果を奏し得る。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、上述の成分を混合することによって製造することができる。
本発明は、他の要旨において、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物の製造方法であって、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合することを含み、
下記(i)から(iii)の少なくともいずれか1つを満たす、硬化性組成物の製造方法を提供することができる。
(i)潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部を、あらかじめ平均粒子径25μm以下に粉砕すること、及び/又は潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部をエポキシ樹脂(B)にあらかじめ分散することを含む。
(ii)少なくともエラストマー(A)の一部は固形であり、その一部が固形のエラストマー(A)と、少なくとも一部の可塑剤(G)もしくは液状成分のエポキシ樹脂(B)とを混合溶解して、エラストマー(A)を含む混合物1を得るステップ1;
少なくとも潜在性硬化(促進)剤(C)の一部と少なくとも可塑剤(G)の一部を混合して、潜在性硬化(促進)剤(C)を含む混合物2を得るステップ2;及び
ステップ1で得られた混合物1と、ステップ2で得られた混合物2と、混合物1及び2以外の他の硬化性組成物の成分(例えば、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び/又は可塑剤(G)など)とを混合するステップ3を含む。
(iii)硬化性組成物の一部もしくは全ての成分を混合して、硬化性組成物の中間混合物を得、その中間混合物を、減圧し撹拌して、硬化性組成物を得ることを含み、
ここで、減圧し撹拌することは、3mmHg以上150mmHg以下で、20分間以上、減圧し撹拌すること、かつ、3mmHg未満に減圧して撹拌しないもしくは3mmHg未満で10分以下減圧し撹拌すること(即ち、3mmHg未満に減圧してよいが、その場合撹拌時間は10分以下であり、撹拌時間は0分であり得る)を含む。
本発明は、実施形態の硬化性組成物の製造方法として、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物の製造方法であって、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合することを含み、
(i)潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部を、あらかじめ平均粒子径25μm以下に粉砕すること、及び/又は潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部をエポキシ樹脂(B)にあらかじめ分散することを含む、硬化性組成物の製造方法を提供することができる。
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合する装置及び方法は、本発明が目的とする硬化性組成物を製造することができる限り特に制限されることはない。
そのような混合装置として、具体的には、例えば、二軸ミキサー、プラネタリミキサー、シグマミキサー、ニーダー、アトライター、グレンミル、ロール、ディゾルバー等を使用することができる。
混合は、二軸ミキサー、プラネタリミキサー又はシグマミキサーを用いることがより好ましい。二軸ミキサー、プラネタリミキサー又はシグマミキサーを用いると、高粘度材料をより効率的に分散することができる。
更に、混合は、混合することが可能な入れ物を使用して行うことができ、例えば、タンク、容器等の中で行うことができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物の製造方法は、上述の(i)の工程を含むことができる。
本発明の実施形態の製造方法は、このような(i)工程を含む場合、潜在性硬化剤(C)を、より均一に硬化性組成物中に分散させることができ、より良好な性質を有する硬化性組成物を製造することができる。
潜在性硬化剤(C)を、平均粒子径25μm以下に粉砕する装置及び方法は、本発明が目的とする硬化性組成物を製造することができる限り特に制限されることはない。
そのような粉砕装置及び方法として、種々の粉砕装置及び方法を使用することができるが、具体的には、例えば、栗本鉄工所社製KJ400(商品名)等を使用することができる。
潜在性硬化剤(C)の平均粒子径は、レーザー式粒度分布測定法によって測定することができ、具体的には、例えば、島津製作所社製のSALD-200V ER(商品名)を用いて測定することができる。
平均粒子径は、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、25μm以下であることが更に好ましい。
潜在性硬化剤(C)を、あらかじめ平均粒子径25μm以下に粉砕した場合、接着強度がより安定し得る。
更に、潜在性硬化剤(C)は、少なくとも一部をエポキシ樹脂(B)にあらかじめ分散してよい。潜在性硬化剤(C)の25%をエポキシ樹脂(B)に分散することが好ましく、50%をエポキシ樹脂(B)に分散することがより好ましく、全部をエポキシ樹脂(B)に分散することが更に好ましい。
潜在性硬化剤(C)の少なくとも一部を、エポキシ樹脂(B)にあらかじめ分散した場合、接着強度がより安定し得る。
本発明は、実施形態の硬化性組成物の製造方法として、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物の製造方法であって、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合することを含み、下記のステップ1~3((ii)の場合)を含む硬化性組成物の製造方法を提供することができる:
(ii)少なくともエラストマー(A)の一部は固形であり、その一部が固形のエラストマー(A)と、少なくとも一部の可塑剤(G)もしくは液状成分のエポキシ樹脂(B)とを混合溶解して、エラストマー(A)を含む混合物1を得るステップ1;
少なくとも潜在性硬化(促進)剤(C)の一部と少なくとも可塑剤(G)の一部を混合して、潜在性硬化(促進)剤(C)を含む混合物2を得るステップ2;及び
ステップ1で得られた混合物1と、ステップ2で得られた混合物2と、混合物1及び2以外の他の硬化性組成物の成分(例えば、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び/又は可塑剤(G)など)とを混合するステップ3。
本発明の実施形態の硬化性組成物の製造方法は、上述の(ii)の工程を含むことができる。この場合、本発明の実施形態の硬化性組成物は可塑剤(G)を更に含むことができ、そのような硬化性組成物の製造方法を提供することができる。
上述のステップ1において、さらに充填材(D)の一部を加えることにより、エラストマー(A)の凝集力を低下させることにより、エラストマー(A)の溶解を促進する手法を用いることが好ましい。また、ステップ3の投入順序は適宜変更しても良い。
上記ステップ1~3で行われる、攪拌装置及び方法、混合装置及び方法は、本発明が目的とする硬化性組成物を製造することができる限り特に制限されることはない。
本発明の実施形態の製造方法は、上記(ii)の工程を含む場合、分散性が向上し、混合がより効率化され、工程時間の短縮や接着強度の向上という有利な効果を奏し得る。
エラストマー(A)の分散性がより向上すると、他の成分(例えば、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)、熱硬化性樹脂(E)など)との混合状態がより向上し、より接着性が向上し得る。これに対し、エラストマー(A)の分散が不十分な場合、他の成分との混合状態が不十分となり、接着性が不十分となり得る。更に、潜在性硬化剤(C)の分散性がより向上すると、より均一な硬化性組成物を得ることが可能になり、更に、潜在性硬化剤(C)の凝集をより防止することが可能になり、非反応成分との混合がより容易になり、変質を防止しながら、長期保存、長期輸送(例えば、輸出)等が容易になり得る。
本発明の実施形態の製造方法は、エラストマー(A)と可塑剤(G)の混合において、ミキシングロールに通したエラストマー(A)に、可塑剤(G)を分割して加えることを含むことができる。
上記エラストマー(A)と可塑剤(G)の混合において、ミキシングロールにエラストマーを通す装置及び方法、可塑剤(G)を分割して加える装置及び方法は、本発明が目的とする硬化性組成物を製造することができる限り特に制限されることはない。
本発明の実施形態の製造方法は、ミキシングロールに通したエラストマー(A)に、可塑剤(G)を分割して加えることを含む場合、エラストマー(A)のより均質な分散を可能にし得る。
固形のエラストマー(A)は、ミキシングロールを通すことにより、薄くシート状に成形(又はシーティング)することが好ましい。ミキシングロールを通して、シーティングした(シート状にした)エラストマー(A)に、可塑剤(G)を用いることが好ましい。可塑剤(G)によってエラストマー(A)の軟化が促進され得る。通常、ミキシングロールには複数回通すことができる。
尚、既に例示したエラストマー(A)は、ミキシングロールを通すシーティングに適する。
本発明は、実施形態の硬化性組成物の製造方法として、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含む硬化性組成物の製造方法であって、
エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を混合することを含み、
(iii)硬化性組成物の一部もしくは全ての成分を混合して、硬化性組成物の中間混合物を得、その中間混合物を、減圧し撹拌して、硬化性組成物を得ることを含み、
ここで、減圧し撹拌することは、3mmHg以上150mmHg以下で、20分間以上、減圧し撹拌すること、かつ、3mmHg未満に減圧して撹拌しないもしくは3mmHg未満で10分以下減圧し撹拌すること、を含む。
本発明の実施形態の硬化性組成物の製造方法は、(iii)の工程を含むことができる。
本発明の実施形態の製造方法は、硬化性組成物の一部もしくは全ての成分を混合して、硬化性組成物の中間混合物を得、その中間混合物を減圧し攪拌することを含むことができる。中間混合物を減圧し攪拌する装置及び方法は、本発明が目的とする硬化性組成物を製造することができる限り特に制限されることはない。
中間混合物の減圧撹拌は、例えば、150mmHg以下の減圧度で行ってよく、120mmHg以下の減圧度が好ましく、100mmHg以下の減圧度が好ましく、80mmHg以下の減圧度がより好ましい。減圧し攪拌する時間は、中間混合物中の気泡が抜け、加熱硬化時に過発泡により物性低下しなければ特に制限されるものではないが、通常、20分以上行ってよく、20分以上60分以下行ってよい。
中間混合物を減圧し撹拌した場合、硬化性組成物を加熱硬化するときに、極めて強い発泡を防止できるという有利な効果を奏し得る。
一方、下限の減圧度は、例えば、1mmHg以上、好ましくは、3mmHg以上、好ましくは、6mmHg以上、より好ましくは10mmHg以上である。もし、3mmHg未満の減圧度となる場合は、その条件下で10分以下であることが好ましく、5分以下であることがより好ましい。中間混合物を3mmHg未満に減圧した場合、中間混合物中からの気泡がより多く抜けるため、硬化性組成物の硬化物の強度がより向上し得るが、硬化物に衝撃が加わった場合、硬化物が一気に破断し得る可能性がある。硬化物に残留する微小な気泡は、硬化物内部にクラックが生じたときに、そのクラックの成長を停止し得ると考えられる。
上述の(iii)の場合、減圧し撹拌することは、好ましくは、6mmHg以上120mmHg以下で、20分間以上、減圧し撹拌すること、かつ、6mmHg未満に減圧して撹拌しないもしくは6mmHg未満で10分以下減圧し撹拌すること、を含む。
更に、上述の(iii)の場合、減圧し撹拌することは、より好ましくは、10mmHg以上100mmHg以下で、20分間以上、減圧し撹拌すること、かつ、10mmHg未満に減圧して撹拌しないもしくは10mmHg未満で10分以下減圧し撹拌すること、を含む。
(iii)の場合、中間混合物が硬化性組成物の一部の成分を含む、即ち、全ての成分を含まない場合、中間混合物を減圧撹拌後、硬化性成分の残りの成分を加えて、硬化性組成物を得ることができる。そのような硬化性組成物の残りの成分は、減圧撹拌したとしても、揮発する物質を実質的に含まないことが好ましく、例えば、着色剤や球状粒子(ガラスビーズやガラスバルーン)等を例示することができる。
(iii)を含む場合、潜在性硬化剤(C)は、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを更に含むことが好ましい。2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせは、本明細書の上述の記載、例えば、少なくとも2種の潜在性硬化剤の融点、含まれる化合物の種類、その化学構造等を参照することができる。より具体的には、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせは、例えば、例えば、ジシアンジアミドとドデカンジオヒドラジドとの組み合わせ、2-ヘプタデシルイミダゾールと2-ウンデシルイミダゾールとの組み合わせ、ドデカンジオヒドラジドと2-ヘプタデシルイミダゾールとの組み合わせ、N,N-ジメチル-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(ジウロン)とドデカンジオヒドラジドとの組み合わせ、ジシアンジアミドと2-ヘプタデシルイミダゾールとの組み合わせ等を例示することができる。
本発明の実施形態の製造方法は、(i)の特徴と(iii)の特徴を共に満たすことがより好ましい。本発明の実施形態の製造方法は、(i)の特徴と(iii)の特徴を共に満たす場合、より高い接着性と衝撃吸収性という有利な効果を奏し得る。
本発明の実施形態のいずれかの硬化性組成物は、本発明の実施形態のいずれかの硬化性組成物の製造方法を用いて、製造することができる。
本発明は、本発明の実施形態のいずれかの硬化性組成物の特徴を有する、本発明の実施形態のいずれかの硬化性組成物の製造方法を提供することができる。
本発明は、本発明の実施形態のいずれかの硬化性組成物の製造方法によって製造された、硬化性組成物を提供することができる。
本明細書の実施形態の硬化性組成物及びその製造方法等について、各々の特徴、実施形態の内容などを、可能である限り、任意に組み合わせることができる。従って、冗長になることを避けるために、特徴の詳細な組み合わせの記載を省略する。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、アルミ板接着性(150℃硬化)(せん断強度)、アルミ板接着性(165℃硬化)(せん断強度)、50℃5日保管後のアルミ板接着性(150℃硬化)(せん断強度)、硬化物の伸び(165℃硬化)、鋼板接着性(165℃硬化)(せん断強度)及び(剥離強度)、硬化物の衝撃強度、硬化性組成物の貯蔵安定性、硬化性組成物のたれ性に優れることが好ましい。詳細な評価方法は、実施例に記載した。
本実施形態の硬化性組成物は、公知の塗布方法、例えば、ビード塗布、スリット塗布、スプレー塗布、スワール塗布、ショット塗布等の塗布方法を用いて、必要な場所に任意の厚さ及び塗布形態において塗布することができ、例えば、熱風循環乾燥炉等を使用して所定温度に加熱することで硬化することができる。
本発明の実施形態において、本発明の実施形態の硬化性組成物を使用することを含む、自動車の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、自動車を製造するための車体工程で使用することができる。より具体的には車体工程用接着剤(例えば、構造用接着剤、マスチック接着剤など)に好適に使用することができる。
上記塗布手段において、コンピュータ制御による自動塗布機や、ロボット塗布機による塗布も可能である。
本発明は、他の要旨において、上述の硬化性組成物を使用することを含む、硬化性組成物の硬化温度を低下させる方法を提供する。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例の記載において、特に記載がない限り、溶媒を考慮しない部分を、重量部及び重量%の基準としている。
本実施例で使用した成分を以下に示す。
(A)エラストマー
(a1)スチレンブタジエンゴム(アイエスピー・ジャパン社製のSBR1009(商品名))
(a2)ブタジエンゴム(日本ゼオン社製のBR1220(商品名))
(B)エポキシ樹脂
(b1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製のJER828(商品名))
(b2)ウレタン変性エポキシ樹脂(ADEKA社製のEPU-78-11(商品名))(予めエポキシ樹脂の一部がウレタンエラストマーで変性されており、(A)を含む。ウレタンエラストマー変性量は10~20質量%である。)
(b3)水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日本理化社製のHBE-100(商品名))
(b4)ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ADEKA社製のアデカグリシロールED-506(商品名))
(C)潜在性硬化(促進)剤
(c1)ジシアンジアミド(エアプロダクツ社製のCG-NA(商品名))、融点207~210℃、平均粒子径30μm以上
(c2)2-ヘプタデシルイミダゾール、融点88℃、平均粒子径30μm以上
(c3)2-ウンデシルイミダゾール、融点72℃、平均粒子径30μm以上
(c4)2,4-ジアミノ-6-(2’-メチルイミダゾリツ(1’))-エチル-o-トリアジン(四国化成社製の2MZA(商品名))、融点248~258℃、平均粒子径25μm以下
(c5)N,N-ジメチル-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(ジウロン)(AlzChem社製のDyhard UR200(商品名))、融点172~182℃、平均粒子径25μm
(c6)ドデカンジオヒドラジド(大塚化学社製のDDH(商品名))、融点188~192℃、平均粒子径25μm以下
(D)充填材
(d1)表面処理炭酸カルシウム(白石工業社製のハクエンカCCR(商品名))
(d2)重質炭酸カルシウム(備北粉化工業社製のBF200(商品名))
(d3)クラウンクレー(白石カルシウム社製のクラウンクレー(商品名))
(d4)疎水性シリカ(Cabot Specialty Chemicals Inc製のTS720(商品名))
(E)熱可塑性樹脂
(e1)アクリル樹脂(三菱レイヨン社製のLP-3102(商品名))、平均粒子径50μm
(e2)ポリメタクリル酸エステル系樹脂(アイカ工業社製のZEFIAC F351(商品名))、平均粒子径80μm
(e3)塩化ビニル樹脂(カネカ社製のPSH-10(商品名))、平均粒子径1μm
(F)エラストマーの架橋剤
(f1)n-ブチル 4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート(日油化学社製パーヘキサV(商品名))
(G)可塑剤
(g1)ジイソノニルフタレート
(H)その他
(h1)3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製のKBM803(商品名))
(h2)酸化カルシウム(井上石灰社製のQCX(商品名))
(h3)炭化水素系溶剤(エクソンモービル社製のアイソパーH(商品名))
平均粒子径
潜在性硬化剤(C)は、栗本鉄工所社製KJ400(商品名)を用いて、粉砕した。それらの平均粒子径は、島津製作所社製のSALD-200V ER(商品名)を用いて、レーザー式粒度分布測定法によって測定した。得られた平均粒子径は、上述した。
これらの成分を表1及び2に示す割合で配合して、実施例1~14及び比較例1~3の硬化性組成物を製造した。
より具体的には、実施例1~12及び比較例1~2の硬化性組成物を、下記のようにして製造方法した。
エラストマー(A)を、ミキシングロールにてシーティングし、シーティングしたエラストマー(A)を加圧ニーダーに投入した。エポキシ樹脂(B)又は可塑剤(G)と炭酸カルシウムを少量ずつ添加して、撹拌し混錬して、エラストマー(A)を溶解した。そのエラストマー(A)を含む混合物を、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)等の他の成分と一緒に、プラネタリミキサー等を用いて混合攪拌し、硬化性組成物を製造した。
更に、必要に応じて、実施例1~12及び比較例1~2の硬化性組成物の製造方法では、下記のこと等を行った。
潜在性硬化剤(C)を、可塑剤(G)の一部と、あらかじめ(1:1の質量割合で)混合して用いた。即ち、潜在性硬化剤(C)を、可塑剤(G)に分散して用いた。
実施例1~12及び比較例1~2の硬化性組成物の製造方法では、全ての成分を混合して得た混合物を、10mmHg以上100mmHg以下の減圧下で、20分以上60分以下攪拌して、目的とする硬化性組成物を得た。
実施例13~16及び比較例3の硬化性組成物を、下記のようにして製造した。
エラストマー(A)成分を含む(b2)を使用しており、エラストマー(A)成分を単独で使用していないので、エポキシ樹脂(エラストマーを含む(b2)を含む)、潜在性硬化剤(C)及び他の成分を、プラネタリミキサー等を用いて混合攪拌し、硬化性組成物を製造した。
更に、必要に応じて、実施例13~16の硬化性組成物の製造方法では、下記のこと等を行った。
潜在性硬化剤(C)を、充填材(D)の一部(潜在性硬化剤(C)と同量)と混合し、粉砕機を用いて、その平均粒子径が10μm以下になるように粉砕して用いた。即ち、充填材(D)の一部と混合して平均粒子径が10μm以下になるように粉砕した潜在性硬化剤(C)を用いた。
実施例13の硬化性組成物の製造方法では、全ての成分を混合して得た混合物を、60mmHg以下の減圧下で30分撹拌して(その間10mmHg未満の減圧下で12分撹拌し、最高減圧度は4mmHgであった)、目的とする硬化性組成物を得た。
実施例14の硬化性組成物の製造方法では、全ての成分を混合して得た混合物を、60mmHg以下の減圧下で30分撹拌して(その間10mmHg未満の減圧が0分であり、最高減圧度は15mmHgであった)、目的とする硬化性組成物を得た。
実施例15の硬化性組成物の製造方法では、全ての成分を混合して得た混合物を、60mmHg以下の減圧下で30分撹拌して(その間10mmHg未満の減圧が0分であり、最高減圧度は15mmHgであった)、目的とする硬化性組成物を得た。
実施例16および比較例3の硬化性組成物の製造方法では、全ての成分を混合して得た混合物を、60mmHg以下の減圧下で60分撹拌して(その間3mmHg未満の減圧が20分であり、最高減圧度は0.5mmHgであった)、目的とする硬化性組成物を得た。
上述の硬化性組成物の各々について、アルミ板接着性(150℃硬化)(せん断強度)、アルミ板接着性(165℃硬化)(せん断強度)、50℃5日保管後のアルミ板接着性(150℃硬化)(せん断強度)、硬化物の伸び(165℃硬化)、鋼板接着性(165℃硬化)(せん断強度)及び(剥離強度)、硬化物の衝撃強度、硬化性組成物の貯蔵安定性、硬化性組成物の体積変化率(%)、硬化性組成物のたれ性を、下記の方法で測定し、評価した。結果を表1及び2に示す。
アルミ板接着性(150℃硬化(低温))
JISA5182記載のアルミ板(1.0×25×100mm)の表面をホワイトガソリンで脱脂した。そのアルミ板の表面に硬化性組成物を塗布した。後、同様に表面を脱脂したJIS G3141記載の鋼板を重ねて硬化性組成物の厚みを3mmとなるようにスペーサーを用いて調整した。150℃、30分間の条件で硬化性組成物を硬化させて試料を得た。JASO M 323-77のせん断強さ試験方法に準じて、オートグラフ(島津製作所、DSC-5000)を用い、50mm/分の引張速度で、アルミ板接着性(150℃硬化(低温))として、せん断強度(kPa)を測定した。
更に、硬化性組成物の硬化物の破壊状態を目視で観察した。破壊状態の評価基準は、下記の通りである。せん断強度(kPa)と破壊状態を、表1~2に示した。
○:界面破壊10%未満、90%以上凝集破壊
○-:10%以上30%未満界面破壊/70以上%90%未満凝集破壊
○△:30%以上50%未満界面破壊/50以上%70%未満凝集破壊
△:50%以上70%未満界面破壊/30%以上50%未満凝集破壊
×:70%以上界面破壊
アルミ板接着性(165℃硬化(標準))
JISA5182記載のアルミ板(1.0×25×100mm)の表面をホワイトガソリンで脱脂した。そのアルミ板の表面に硬化性組成物を塗布した。後、同様に表面を脱脂したJIS G3141記載の鋼板を重ねて硬化性組成物の厚みを3mmとなるようにスペーサーを用いて調整した。165℃、30分間の条件で硬化性組成物を硬化させて試料を得た。JASO M 323-77のせん断強さ試験方法に準じて、オートグラフ(島津製作所、DSC-5000)を用い、50mm/分の引張速度で、アルミ板接着性(165℃(標準))として、せん断強度(kPa)を測定した。
更に、硬化性組成物の硬化物の破壊状態を目視で観察した。破壊状態の評価基準は、下記の通りである。せん断強度(kPa)と破壊状態を、表1~2に示した。
○:界面破壊10%未満、90%以上凝集破壊
○-:10%以上30%未満界面破壊/70%以上90%未満凝集破壊
○△:30%以上50%未満界面破壊/50%以上70%未満凝集破壊
△:50%以上70%未満界面破壊/30%以上50%未満凝集破壊
×:70%以上界面破壊
50℃5日保管後のアルミ板接着性(150℃硬化(低温))
硬化性組成物を50℃で5日間保管後に使用したことを除いて、上述したアルミ板接着性(150℃硬化(低温))に記載した方法と同様の方法を用いて、せん断強度(kPa)を測定し、硬化物の破壊状態を評価した。結果を表1~2に示した。
硬化物の伸び(165℃硬化)
JIS K 6251「引張試験」に従い伸びを測定した。上記のように製造した硬化性組成物を厚さ3mmのシート状に塗布したものを所定の条件(165℃、30分間)で焼付け後、ダンベル状2号形の形状に打ち抜いて、試験試料を得た。50mm/分の引っ張り速度で測定して得た切断時伸び率を伸びとして記録した。
硬度は、下記のように測定した。
上記硬化物を厚さ約12mmになるように重ね、JIS K 6253に従い、TYPE-A硬度計を用いて、硬化物の硬度を測定した。
鋼板接着性(165℃硬化(標準))(せん断強度)
JIS G3141記載の鋼板(1.6×25×100mm)の表面をホワイトガソリンで脱脂した。その鋼板の表面に硬化性組成物を塗布した。その後、同様に表面を脱脂したJIS G3141記載の鋼板を重ねて押圧し、165℃で30分間硬化性組成物を硬化させて試料を得た。JASO M 353の剥離強さ試験方法に準じて、オートグラフ(島津製作所、DSC-5000)を用い、50mm/分の引張速度で、鋼板接着性(165℃硬化(標準))として、せん断強度(MPa)を測定した。
更に、硬化物の破壊状態を目視で観察して評価した。評価基準は、下記の通りである。せん断強度(MPa)と破壊状態を表1~2に示した。
○:界面破壊10%未満、90%以上凝集破壊
△:10%以上70%未満界面破壊/30%以上90%未満凝集破壊
×:90%以上界面破壊
鋼板接着性(165℃硬化(標準))(剥離強度)
JIS G3141に記載の鋼板(0.8×25×150mm)の表面をトルエンで脱脂し、その表面に硬化性組成物を塗布した後、同様に表面を脱脂した鋼板を重ねて押圧し、165℃、30分間の条件で硬化させて試料を得た。JASO M353 はく離強さ試験方法に準じて、オートグラフ(島津製作所、DSC-5000)を用い、200mm/分の引張速度で試料の180°剥離強度(N/25mm)を測定した。
更に、硬化物の破壊状態を目視で観察して評価した。評価基準は、下記の通りである。180°剥離強度(N/25mm)と破壊状態を表1~2に示した。
○:界面破壊10%未満、90%以上凝集破壊
△:10%以上70%未満界面破壊/30%以上90%未満凝集破壊
×:90%以上界面破壊
硬化物の衝撃強度(165℃硬化(標準))
JIS G3141に記載の鋼板を使用して、JIS K6865に記載のくさび衝撃試験に準じ、165℃、30分間の条件で硬化性組成物を硬化して、試験片を作製した。高速引っ張り試験機を用いて衝撃試験を実施した。試験速度は2m/sであった。試験時全変位中の25~90%の範囲での平均強度を試験片の幅で除して、衝撃強度(N/mm)を得た。
硬化性組成物の貯蔵安定性(40℃、14日)
硬化性組成物の貯蔵安定性は、40℃で14日間保管し、その間の粘度変化を測定して評価した。具体的には、下記のように評価した。
硬化性組成物を、深さ13cmの250ccの瓶に充填し、粘度をJISK6833に準じて回転粘度計により測定した。粘度測定のローターは7号を用い2回転(2rpm)にて粘度を測定した。測定時の材料温度は20℃にて行った。製造から20℃で1日保管後の硬化性組成物の粘度(η)と、その後更に40℃で14日保管後の硬化性組成物の粘度(η14)を測定した。製造から20℃で1日保管後の硬化性組成物の粘度(η)を基準として、更に40℃で14日保管後の硬化性組成物の粘度(η14)の増加率(即ち、増粘率)を求めた。
増粘率(%)=η14/ηx100-100
評価基準は以下のとおりである。
〇:増粘率30%未満
〇-:増粘率30%以上40%未満
△:増粘率40%以上60%未満
×:増粘率60%以上
硬化性組成物の体積変化率(%)
硬化性組成物の体積変化率(%)は、JASO M323-86の9.34記載の体積変化率試験A法に準じて評価した。
硬化性組成物のたれ性
硬化性組成物のたれ性は、JASO M323-86の9.10記載の流動性試験に準じて評価した。具体的には、下記のように評価した。
製造から20℃で1日保管後の硬化性組成物を、鋼板(横100mm、縦300mm、厚さ0.8mm)に型枠を用いて、横50mm、縦100mm、幅10mm、厚さ5mmの逆L字型に塗布した。型枠を外した後、鋼板を90°の角度で保治具に取り付け、10分後の流れを測定した。さらに165℃で20分間加熱したのちの流れを測定した。
評価基準は、以下のとおりである。
〇:合計の流れ長さが10mm未満
△:合計の流れ長さが10mm以上かつ20mm未満
×:合計の流れ長さが20mm以上









Figure 0007228664000003
Figure 0007228664000004
実施例1~16の硬化性組成物は、アルミ板接着性(150℃硬化、165℃硬化、50℃5日保管後150℃硬化)、破断伸び(165℃硬化)、硬度、鋼板接着性(165℃硬化)(せん断強度及び剥離強度)、衝撃強度、貯蔵安定性、体積変化率及びたれ性のいずれについても優れていた。
比較例1~3の硬化性組成物は、上述の性質のいずれかが劣っていた。
本発明の実施形態の硬化性組成物は、エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)及び潜在性硬化剤(C)を含み、潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含み、 硬化性組成物は、自動車用接着剤、より具体的には車体工程用接着剤用途に好適に使用することができる。その硬化性組成物は、例えば自動車用接着剤、より具体的には車体工程用接着剤(例えば、構造用接着剤、マスチック接着剤など)に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. エラストマー(A)、エポキシ樹脂(B)、潜在性硬化剤(C)、充填材(D)、熱可塑樹脂(E)、エラストマーの架橋剤(F)及び可塑剤(G)を含む接着剤組成物であって、
    潜在性硬化剤(C)が、2種以上の潜在性硬化剤の組み合わせを含み、
    前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルカン構造を有するイミダゾール化合物を含み、
    前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、C10からC23の脂肪族アルキレン構造を有するジヒドラジド化合物を含み
    100質量部の接着剤組成物あたり、0.2~10質量部のエポキシ樹脂(B)を含む、接着剤組成物。
  2. エラストマー(A)は、スチレンブタジエン共重合体、ニトリルブタジエン共重合体、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリル、ウレタンから選択される少なくとも一種を含む、請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 熱可塑樹脂(E)は、アクリル樹脂、PVC樹脂、酢ビ樹脂およびそれらの共重合物から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. エラストマーの架橋剤(F)は、イオウ、および過酸化物から選択される少なくとも1種を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも2種の潜在性硬化(促進)剤の融点が、10℃以上80℃以下異なる、請求項1~4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、式(1)を満たす潜在性硬化剤を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
    Figure 0007228664000005
    [式(1)中、n=10~23]
  7. 前記潜在性硬化剤(C)に含まれる少なくとも1種が、ドデカンジオヒドラジドを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の接着剤組成物を含む自動車用接着剤。
  9. 請求項1~7のいずれか1項に記載の接着剤組成物を含む自動車を製造するための車体工程用接着剤。
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