以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
デジタルカメラ100は、撮像光学系101と、撮像素子20と、像ぶれ補正装置3と、撮像素子20を駆動する撮像素子駆動部105と、アナログフロントエンド(AFE)104と、画像処理部107と、動き検出センサ106と、デジタルカメラ100全体を統括制御するシステム制御部108と、を備える。
撮像光学系101は、フォーカスレンズ又はズームレンズと絞りとを含む。
撮像素子20は、撮像光学系101を通して被写体を撮像するものであり、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementaly Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が形成された半導体チップと、この半導体チップを収容するパッケージとを備える。
後述する図3に示すように、この撮像素子20の受光面20aは矩形となっている。
像ぶれ補正装置3は、撮像素子20の受光面20aを撮像光学系101の光軸Kに垂直な面内に移動させることで撮像素子20によって撮像される撮像画像の像ぶれを補正する。
本明細書においては、デジタルカメラ100において、撮像素子20の受光面20aが重力方向に垂直な状態(光軸Kが重力方向に平行な状態)、且つ、像ぶれ補正装置3に通電がなされていない状態を基準状態という。この基準状態においては、光軸K上に受光面20aの中心P(図3参照)が位置する。
像ぶれ補正装置3は、詳細な構成は後述するが、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの短手方向(図3に示す方向X)である第一の方向と、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの長手方向(図3に示す方向Y)である第二の方向、この基準状態における撮像素子20の受光面20aの中心Pを中心とする円の円周に沿った方向(図3に示す方向θ)である第三の方向との3つの方向に、それぞれ撮像素子20を移動させることで、像ぶれを補正するものである。
AFE104は、撮像素子20から出力される撮像信号に対し相関二重サンプリング処理及びデジタル変換処理等を行う信号処理回路を含む。
画像処理部107は、AFE104にて処理後の撮像信号をデジタル信号処理してJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の撮像画像データを生成する。
動き検出センサ106は、デジタルカメラ100の動きを検出するためのセンサであり、加速度センサ又は角速度センサ、或いはこれら両方等によって構成される。
システム制御部108は、撮像素子駆動部105とAFE104を制御して、撮像素子20によって被写体を撮像させ、被写体像に応じた撮像信号を撮像素子20から出力させる。
システム制御部108は、動き検出センサ106によって検出されたデジタルカメラ100の動き情報に基づいて、像ぶれ補正装置3を制御する。システム制御部108は、撮像素子20の受光面20aを方向X、方向Y、及び方向θの少なくとも1つの方向に移動させることにより、撮像素子20によって撮像される撮像画像の像ぶれを補正する。
システム制御部108は、像ぶれ補正装置3に通電している状態において、動き検出センサ106によってデジタルカメラ100の動きが検出されていない場合には、撮像素子20の受光面20aの位置が上記の基準状態における位置となるように、像ぶれ補正装置3を制御する。
図2は、図1に示すデジタルカメラ100における像ぶれ補正装置3の概略構成を示す図である。
像ぶれ補正装置3は、方向X、方向Y、及び方向θのそれぞれに移動可能な可動部材2と、可動部材2を方向X、方向Y、及び方向θのそれぞれに移動自在に支持する支持部材1と、を備える。
可動部材2には、撮像素子20が固定(実装)された回路基板21と、X軸兼回転駆動用コイルC1と、X軸兼回転駆動用コイルC2と、Y軸駆動用コイルC3と、が固定されている。
回路基板21には、可動部材2の方向Xの位置を検出するための位置検出素子であるX軸位置検出用ホール素子H1と、可動部材2の方向Yと方向θの位置を検出するための位置検出素子であるY軸兼回転位置検出用ホール素子H2及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3と、が固定されている。
X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号はシステム制御部108に入力される。
システム制御部108は、この出力信号に基づいて、X軸兼回転駆動用コイルC1に流す制御電流と、X軸兼回転駆動用コイルC2に流す制御電流と、Y軸駆動用コイルC3に流す制御電流とを制御して可動部材2を移動させて、像ぶれを補正する。
支持部材1は、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bとによって構成されている。
第一の支持部材1Aには、X軸兼回転駆動用磁石Mv1と、X軸兼回転駆動用磁石Mv2と、Y軸駆動用磁石Mv3と、X軸位置検出用磁石Mh1と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3と、が固定されている。
第二の支持部材1Bには、X軸兼回転駆動用磁石mv1と、X軸兼回転駆動用磁石mv2と、Y軸駆動用磁石mv3と、が固定されている。
図3は、図1及び図2に示す像ぶれ補正装置3の外観構成を示す斜視図である。図3は、上述した基準状態における像ぶれ補正装置3の外観を示している。
図3に示すように、像ぶれ補正装置3は、第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bとにより構成された支持部材1と、撮像素子20が実装された回路基板21が固定された可動部材2と、を備える。可動部材2は、弾性部材であるバネ24a,24b,24cにより、第一の支持部材1Aに対して付勢されている。
なお、バネ24a,24b,24cは、可動部材2を第一の支持部材1Aに弾性力によって付勢可能なものであればよく、例えば弾性部材であるゴムに置き換えることも可能である。
この像ぶれ補正装置3は、受光面20aが図1に示す撮像光学系101に向けられた状態にてデジタルカメラ100本体に固定される。
像ぶれ補正装置3は、受光面20aに垂直且つ受光面20aの中心Pを通る回転軸R(基準状態において重力方向に平行な方向且つ中心Pを通る軸)を中心とする方向θと、受光面20aの長手方向である方向Xと、受光面20aの短手方向である方向Yと、にそれぞれ可動部材2を移動させることで像ぶれ補正を行う。
以下では、回転軸Rの延びる方向を方向Zという。この回転軸Rに垂直な平面が、可動部材2の移動する平面となる。
可動部材2は、基準状態から方向Xの一方の方向(左方向)と方向Xの他方の方向(右方向)とにそれぞれ同じ距離ずつ移動可能である。
また、可動部材2は、基準状態から方向Yの一方の方向(上方向)と方向Yの他方の方向(下方向)とにそれぞれ同じ距離ずつ移動可能である。
また、可動部材2は、基準状態から方向θの一方の方向(右回転方向)と方向θの他方の方向(左回転方向)とにそれぞれ同じ角度ずつ回転可能である。
図1に示すデジタルカメラ100では、図3に示す方向Yが重力方向に平行となる姿勢が正姿勢(いわゆる横撮りを行うための姿勢)とされる。
図4は、図3に示す像ぶれ補正装置3における支持部材1を撮像光学系101側から見た分解斜視図である。
図5は、図4に示す支持部材1を撮像光学系101側と反対側から見た分解斜視図である。
図4及び図5に示すように、第一の支持部材1Aは、樹脂等で形成され方向Zに垂直な平面を持つ板状のベース10と、ベース10の周辺部から撮像光学系101側に向かって方向Zに延びる突起部17a,17b,17cと、を備える。
第二の支持部材1Bは、撮像光学系101側から見て略L字状のヨーク18を有する。このヨーク18には、突起部17a,17b,17cと対向する位置に、孔部19aと切欠き部19b,19cが形成されている。
第一の支持部材1Aと第二の支持部材1Bの間に可動部材2が配置された状態にて、第一の支持部材1Aの突起部17aが第二の支持部材1Bの孔部19aに嵌合されて固定され、第一の支持部材1Aの突起部17bが第二の支持部材1Bの切欠き部19bに嵌合されて固定され、第一の支持部材1Aの突起部17cが第二の支持部材1Bの切欠き部19cに嵌合されて固定される。これにより、可動部材2が支持部材1によって支持された状態となる。
図4に示すように、ベース10の撮像光学系101側の面において、撮像光学系101側から見て方向Xの左側の端部及び方向Yの下側の端部には、撮像光学系101側から見て略L字状のヨーク14が形成されている。
第一の支持部材1Aのヨーク14における方向Yに沿って延びる部分の表面には、第一の駆動用磁石を構成するX軸兼回転駆動用磁石Mv1と、第二の駆動用磁石を構成するX軸兼回転駆動用磁石Mv2とが、方向Yに間を空けて並べて固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石Mv1は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Xの右方向に向けて配置され、S極が方向Xの左方向に向けて配置されている。
X軸兼回転駆動用磁石Mv2は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Xの左方向に向けて配置され、S極が方向Xの右方向に向けて配置されている。
第一の支持部材1Aのヨーク14における方向Xに沿って延びる部分の表面には、第三の駆動用磁石を構成するY軸駆動用磁石Mv3が固定されている。
Y軸駆動用磁石Mv3は、撮像光学系101側から見て、N極が方向Yの下方向に向けて配置され、S極が方向Yの上方向に向けて配置されている。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図7にて説明する可動部材2のX軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで第一の支持部材1AのX軸兼回転駆動用磁石Mv1と対向する位置に、X軸兼回転駆動用磁石mv1が固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石mv1のS極は、X軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv1のN極に対向する。X軸兼回転駆動用磁石mv1のN極は、X軸兼回転駆動用コイルC1を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv1のS極に対向する。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図6~図8にて説明する可動部材2のX軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで第一の支持部材1AのX軸兼回転駆動用磁石Mv2と対向する位置に、X軸兼回転駆動用磁石mv2が固定されている。
X軸兼回転駆動用磁石mv2のS極は、X軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv2のN極に対向する。X軸兼回転駆動用磁石mv2のN極は、X軸兼回転駆動用コイルC2を挟んで、X軸兼回転駆動用磁石Mv2のS極に対向する。
図5に示すように、第二の支持部材1Bのヨーク18の第一の支持部材1A側の表面には、図6~図8にて説明する可動部材2のY軸駆動用コイルC3を挟んでY軸駆動用磁石Mv3と対向する位置に、Y軸駆動用磁石mv3が固定されている。
Y軸駆動用磁石mv3のS極は、Y軸駆動用コイルC3を挟んで、Y軸駆動用磁石Mv3のN極に対向する。Y軸駆動用磁石mv3のN極は、Y軸駆動用コイルC3を挟んで、Y軸駆動用磁石Mv3のS極に対向する。
図4に示すように、第一の支持部材1Aのベース10の撮像光学系101側の面において、図6~図8にて説明する可動部材2に固定された回路基板21と対向する部分には、方向Zから見て略プラス字状のヨーク12が形成されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているX軸位置検出用ホール素子H1(後述の図7参照)と対向する位置に、第一の位置検出用磁石を構成するX軸位置検出用磁石Mh1が固定されている。
X軸位置検出用磁石Mh1は、方向Xに間を空けて配置されたS極1sとN極1nによって構成されており、S極1sとN極1nの中間位置に、X軸位置検出用ホール素子H1が対向して配置される。
X軸位置検出用磁石Mh1のN極1nは、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1sに対し、撮像光学系101側から見て方向Xの左側に配置されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているY軸兼回転位置検出用ホール素子H2(後述の図7参照)と対向する位置に、第二の位置検出用磁石を構成するY軸兼回転位置検出用磁石Mh2が固定されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2は、方向Yに間を空けて配置されたS極2sとN極2nによって構成されており、S極2sとN極2nの中間位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2が対向して配置される。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のN極2nは、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のS極2sに対し、撮像光学系101側から見て方向Yの上側に配置されている。
ヨーク12の表面には、可動部材2に固定された回路基板21に固定されているY軸兼回転位置検出用ホール素子H3(後述の図7参照)と対向する位置に、第三の位置検出用磁石を構成するY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が固定されている。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、方向Yに間を空けて配置されたS極3sとN極3nによって構成されており、S極3sとN極3nの中間位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3が対向して配置される。
Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のN極3nは、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のS極3sに対し、撮像光学系101側から見て方向Yの下側に配置されている。
図4に示す例では、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が、連結部材13によって連結されて一体化されている。連結部材13がヨーク12に固定されることで、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が第一の支持部材1Aに固定されている。
ヨーク12は、図5に示すように、第一の支持部材1Aのベース10の撮像光学系101側と反対側の面に形成されたネジ穴から挿入されたネジSC1~SC4によって、ベース10に固定されている。
ネジSC1とネジSC2は、プラス字状のヨーク12の方向Yに沿って延びる部分において方向Yに並べて形成された2つのネジ穴にそれぞれ螺合されている。
ネジSC3とネジSC4は、プラス字状のヨーク12の方向Xに沿って延びる部分に方向Xに並べて形成された2つのネジ穴にそれぞれ螺合されている。
図4に示すように、ベース10の撮像光学系101側の面には、方向Zに垂直な3つの平面15a,15b,15cが形成されている。平面15a,15b,15cは、方向Zの位置が全て同じであり、全て同一平面上に形成されている。
ベース10の撮像光学系101側の面には、撮像光学系101側から見て、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3よりも方向Yの上側に、可動部材2の移動を規制するための貫通孔11aが形成され、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2よりも方向Yの下側に、可動部材2の移動を規制するための貫通孔11bが形成されている。
ベース10の周縁部には、図3に示すバネ24aの一端が係止される方向Xに延びたフック16aと、図3に示すバネ24bの一端が形成される方向Yの上方向に延びるフック16bと、図3に示すバネ24cの一端が係止される方向Yの下方向に延びるフック16cとが形成されている。
図6は、図3に示す像ぶれ補正装置3における可動部材2を撮像光学系101側から見た斜視図である。
図7は、図6に示す可動部材2を撮像光学系101側と反対側から見た斜視図である。
図8は、図6に示す可動部材2を撮像光学系101側と反対側から見た平面図である。図8では、可動部材2の構成の理解を容易にするために、可動部材2に固定されている回路基板21を破線にて示し、回路基板21に接続されたフレキシブルプリント基板25,26,27を想像線にて示している。
図8に示すように、可動部材2は、方向Xに延びる直線状の部分と、この部分の方向Xの右端部から方向Yに延びる直線状の部分と、この方向Yに延びる部分の下端部から方向Xの左側に延びる直線状の部分とによって構成される、撮像光学系101側から見て略C字状のベース22を備える。
このベース22には、図6及び図7に示すように、上記の3つの部分によって囲まれる領域に面した部分に、撮像素子20の実相された回路基板21が接着剤等によって固定されている。
また、このベース22には、図6~図8に示すように、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1の各々と対向する位置に、X軸兼回転駆動用コイルC1が形成されている。
また、このベース22には、図4に示したX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2の各々と対向する位置に、X軸兼回転駆動用コイルC2が形成されている。
更に、このベース22には、図4に示したY軸駆動用磁石Mv3,mv3の各々と対向する位置に、Y軸駆動用コイルC3が形成されている。
図6~図8に示すX軸兼回転駆動用コイルC1と、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1とにより、X軸駆動用のVCM(Voice Coil Motor)が構成される。
このX軸駆動用のVCMは、X軸兼回転駆動用コイルC1に制御電流を流すことにより、X軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1との間の電磁誘導作用によって、可動部材2を方向Xに移動させるものである。
図6~図8に示すX軸兼回転駆動用コイルC2と、図4に示すX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2とによりVCMが構成される。このVCMと、上記のX軸駆動用のVCMとにより、回転駆動用のVCMが構成される。
この回転駆動用のVCMは、図6~図8に示すX軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用コイルC2とに流す制御電流の向きを互いに逆にすることにより、X軸兼回転駆動用コイルC1とX軸兼回転駆動用磁石Mv1,mv1との間の電磁誘導作用と、X軸兼回転駆動用コイルC2とX軸兼回転駆動用磁石Mv2,mv2との間の電磁誘導作用とによって、可動部材2を受光面20aの中心Pを回転中心として回転軸Rの回りに回転させるものである。
図6~図8に示すY軸駆動用コイルC3と、図4に示すY軸駆動用磁石Mv3,mv3とにより、Y軸駆動用のVCMが構成される。
このY軸駆動用のVCMは、Y軸駆動用コイルC3に制御電流を流すことにより、Y軸駆動用コイルC3とY軸駆動用磁石Mv3,mv3との間の電磁誘導作用によって、可動部材2を方向Yに移動させるものである。
図7に示すように、ベース22に固定された回路基板21の第一の支持部材1A側の面(以下、回路基板21の背面という)には、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1sとN極1nの中間位置に対向する位置にX軸位置検出用ホール素子H1が固定されている。
また、回路基板21の背面には、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のS極2sとN極2nの中間位置に対向する位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2が固定されている。
更に、回路基板21の背面には、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のS極3sとN極3nの中間位置に対向する位置に、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3が固定されている。
X軸位置検出用ホール素子H1は、X軸位置検出用磁石Mh1から供給される磁界に応じた信号を出力するものであり、この信号の出力変化によって、システム制御部108が可動部材2の方向Xにおける位置を検出する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2から供給される磁界に応じた信号を出力するものであり、この信号の出力変化によって、システム制御部108が可動部材2の方向Yにおける位置を検出する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3から供給される磁界に応じた信号を出力するものである。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号の変化と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の出力信号の変化とにより、システム制御部108が可動部材2の回転軸R回りの回転角度を、可動部材2の方向θにおける位置として検出する。
図9は、図7に示す可動部材2のベース22に固定された回路基板21の背面を方向Zから見た状態を示す図である。
図9には、回路基板21の背面に重なる撮像素子20の受光面20aの中心Pが示されている。また、図9には、この中心Pを通り且つ方向Xに平行な直線L1が示されており、上述したY軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3は、この直線L1上に配置されている。Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2から中心Pまでの距離と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3から中心Pまでの距離は同じとなっている。
図4に示したように、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2に対向するY軸兼回転位置検出用磁石Mh2と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3に対向するY軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、磁極が方向Yにおいて互いに逆になるように配置されている。
可動部材2が撮像光学系101側から見て方向θの右方向に回転した場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3とが、方向Yにおいて互いに逆方向に同じ距離だけ移動する。このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力は同じように変化する。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の出力信号と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の移動方向及び移動距離と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の移動方向及び移動距離と、可動部材2の方向θにおける回転角度とを予め対応付けておくことで、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号によって、可動部材2の方向θの回転位置を検出することができる。
一方、可動部材2が方向Yにのみ移動した場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3が、方向Yにおいて同じ方向に同じ距離だけ移動する。
このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力信号は逆向きに変化する。
したがって、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力が逆向きに変化する場合には、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2又はY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の出力を見ることで、可動部材2の方向Yの位置を検出することができる。
図6~図8に示すように、ベース22における支持部材1のフック16a(図4参照)と対向する位置には、フック16aと同じ方向(方向X)に延びるフック23aが形成されている。このフック23aには、図3に示すバネ24aの他端が係止されている。
フック16aとフック23aとにそれぞれ係止されるバネ24aによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
図6及び図8に示すように、ベース22における支持部材1のフック16b(図4参照)と対向する位置には、フック16bと同じ方向(方向Yの上方向)に延びるフック23bが形成されている。このフック23bには、図3に示すバネ24bの他端が係止されている。
フック16bとフック23bとにそれぞれ係止されるバネ24bによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
図6~図8に示すように、ベース22における支持部材1のフック16c(図4参照)と対向する位置には、フック16cと同じ方向(方向Yの下方向)に延びるフック23cが形成されている。このフック23cには、図3に示すバネ24cの他端が係止されている。
フック16cとフック23cとにそれぞれ係止されるバネ24cによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに向けて付勢されている。
フック16a及びフック23aのペアと、フック16b及びフック23bのペアと、フック16c及びフック23cのペアは、方向Zに見た平面視において、これら3つのペアを結んで形成される三角形の内側に、可動部材2の重心が配置される状態となるように設けられている。
図7及び図8に示すように、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15aと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体(球状のボール)を収容する凹部290aが形成されている。凹部290aの底面29aは、方向Zに垂直な平面となっている。
また、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15bと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体を収容する凹部290bが形成されている。凹部290bの底面29bは、方向Zに垂直な平面となっている。
更に、ベース22において、図4に示した第一の支持部材1Aの平面15cと対向する位置には、可動部材2を方向Zに垂直な面内で移動可能にするための転動体を収容する凹部290cが形成されている。凹部290cの底面29cは、方向Zに垂直な平面となっている。
これら底面29a,29b,29cは、方向Zの位置が全て同じであり、全て同一平面上に形成されている。
可動部材2の底面29aと第一の支持部材1Aの平面15aの間と、可動部材2の平面29bと第一の支持部材1Aの平面15bの間と、可動部材2の平面29cと第一の支持部材1Aの平面15cの間とに配置される転動体の転動によって、可動部材2は方向Zに垂直な平面内を移動する。
図8に示すように、ベース22の第一の支持部材1A側の面には、取り付け部28Aが形成されている。取り付け部28Aには、図7に示すように、回路基板21と重なる位置まで方向Yの下方向に延びる平板部280aがネジによって固定されている。この平板部280aには、第一の支持部材1A側に向かって方向Zに突出する挿通部材28aが形成されている。
また、図8に示すように、ベース22の第一の支持部材1A側の面には、取り付け部28Bが形成されている。取り付け部28Bには、図7に示すように、回路基板21と重なる位置まで方向Yの上方向に延びる平板部280bがネジによって固定されている。この平板部280bには、第一の支持部材1A側に向かって方向Zに突出する挿通部材28bが形成されている。
挿通部材28aは、図4に示した第一の支持部材1Aの貫通孔11aに挿通される。挿通部材28bは、図4に示した第一の支持部材1Aの貫通孔11bに挿通される。
可動部材2が方向Zに垂直な面内で移動する際には、挿通部材28aの移動範囲が貫通孔11aの内側に制限され、挿通部材28bの移動範囲が貫通孔11bの内側に制限される。このように、挿通部材28aと貫通孔11aのペアと、挿通部材28bと貫通孔11bのペアとによって、可動部材2の移動範囲(方向Xの移動範囲、方向Yの移動範囲、及び方向θの移動範囲)が予め決められた範囲に規制されている。
挿通部材28aと貫通孔11aのペアは、可動部材2の移動範囲を規制する移動規制部MR1(後述の図12参照)を構成する。また、挿通部材28bと貫通孔11bのペアは、可動部材2の移動範囲を規制する移動規制部MR2(後述の図12参照)を構成する。
図7に示すように、可動部材2に固定された回路基板21の背面の方向Yの上側の端部には、コネクタ21aとコネクタ21bが形成されている。また、回路基板21の背面の方向Xの端部のうちのベース22に近い側の端部には、コネクタ21cが形成されている。
コネクタ21aとコネクタ21bは、回路基板21に実装された撮像素子20の各種端子(電源供給のための端子である電源端子、接地のための端子であるグランド端子、信号出力用の端子、及び駆動用の端子等)に接続された端子を含む。
コネクタ21aには、ここに含まれる端子と接続される配線を含む第一の可撓性基板であるフレキシブルプリント基板26が接続されている。
コネクタ21bには、ここに含まれる端子と接続される配線を含む第一の可撓性基板であるフレキシブルプリント基板25が接続されている。
コネクタ21cは、回路基板21の背面に実装されたX軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の出力端子と接続された端子を含む。
コネクタ21cには、ここに含まれる端子と接続される配線を含む第二の可撓性基板であるフレキシブルプリント基板27が接続されている。
フレキシブルプリント基板27は、方向Yに沿って延び、且つベース22に固定される固定部27aと、ベース22に対しフリーになっている非固定部27bとによって構成されている。
X軸兼回転駆動用コイルC1、X軸兼回転駆動用コイルC2、及びY軸駆動用コイルC3を含む可動部材2と、撮像素子20と、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3を含む回路基板21と、回路基板21に接続されるフレキシブルプリント基板25~27と、によって可動部が構成される。また、この可動部と、支持部材1とによって可動支援装置が構成される。
図10は、図6に示す可動部材2に固定された回路基板21及びこれに接続されるフレキシブルプリント基板を方向Xから見た状態を示す側面図である。図10では、理解を容易にするために、フレキシブルプリント基板の一部を破線にて図示している。
図10及び図7に示すように、フレキシブルプリント基板25は、コネクタ21bから方向Yの上方向に延びる第一の部位25a(破線部分)と、第一の部位25aの端部にて方向Yの下方向に折り返された折り返し部25b(実線部分)と、を有する。
また、図10には示されていないが、フレキシブルプリント基板26もフレキシブルプリント基板25と同様の構成であり、図7に示すように、コネクタ21aから方向Yの上方向に延びる第一の部位26aと、第一の部位26aの端部にて方向Yの下方向に折り返された折り返し部26bと、を有する。
図10及び図7に示すように、フレキシブルプリント基板27は、ベース22に固定された固定部27aを含み、方向Yの下方向に延びる第二の部位270(破線部分)と、第二の部位270の端部にて方向Yの上方向に折り返された折り返し部271(実線部分)と、を有する。
第二の部位270の固定部27aを除く部分と折り返し部271とによって図7に示す非固定部27bが構成されている。
折り返し部25bの先端と、折り返し部26bの先端と、折り返し部271の先端は、それぞれ、デジタルカメラ100における図示省略のメイン基板(システム制御部108等が形成される基板)のコネクタに接続される。
次に、図4に示す第一の支持部材1Aに固定された磁石の配置の詳細について説明する。
図11は、図4に示す第一の支持部材1Aを撮像光学系101側から方向Zに見た正面図である。
像ぶれ補正装置3においては、図11に示すように、6つの磁石が第一の支持部材1Aのベース10に固定されている。このため、これら6つの磁石の各々の磁界が他の磁石の磁界に影響を与えないように、各磁石の配置が工夫されている。
具体的には、第一の支持部材1Aに固定された全ての磁石(X軸兼回転駆動用磁石Mv1、X軸兼回転駆動用磁石Mv2、Y軸駆動用磁石Mv3、X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3)のうちの近接する2つの磁石に着目した場合に、この2つの磁石の同極同士が対向する状態とされている。
2つの磁石が近接するとは、図11の正面図において、この2つの磁石の周縁同士を結ぶ線分のうちの最短の線分の長さが、この2つの磁石の一方の磁界が他方の磁石の磁界に影響を与えてしまう程度に小さくなっていることを言う。
図11に示す例では、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とY軸兼回転位置検出用磁石Mh2が近接しており、X軸兼回転駆動用磁石Mv1のN極とY軸兼回転位置検出用磁石Mh2のN極2nとが対向している。
図11に示す例では、X軸位置検出用磁石Mh1とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が近接しており、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1sとY軸兼回転位置検出用磁石Mh3のS極3sとが対向している。
図11に示す例では、X軸位置検出用磁石Mh1とY軸兼回転位置検出用磁石Mh2が近接しており、X軸位置検出用磁石Mh1のN極1nとY軸兼回転位置検出用磁石Mh2のN極2nとが対向している。
図11に示す例では、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とX軸兼回転駆動用磁石Mv2が近接しており、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のS極2sとX軸兼回転駆動用磁石Mv2のS極とが対向している。
図11に示す例では、X軸兼回転駆動用磁石Mv2とY軸駆動用磁石Mv3が近接しており、X軸兼回転駆動用磁石Mv2のS極とY軸駆動用磁石Mv3のS極とが対向している。
像ぶれ補正装置3は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の2つの磁石と、この2つの磁石に対向するY軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3によって、可動部材2の方向θの回転位置を検出する。
このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の検出精度を均一化することが重要となる。また、可動部材2が回転した場合におけるY軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の出力信号の変化を同じにする必要がある。
そこで、図11に示すように、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、撮像素子20の受光面20aの中心Pを通り且つ方向Yに延びる直線L2に対して対称に配置されている。
また、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2のN極2n及びS極2sは、撮像素子20の受光面20aの中心Pを通り且つ方向Xに延びる直線L3に対して対称に配置されている。Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3のN極3n及びS極3sは、直線L3に対して対称に配置されている。
N極2n及びS極2sの各々と直線L3との距離と、N極3n及びS極3sの各々と直線L3との距離は、全て同一となっている。
また、X軸位置検出用磁石Mh1の磁界が、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2の磁界とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の磁界に与える影響を均一化するために、X軸位置検出用磁石Mh1のS極1s及びN極1nが、直線L2に対して対称に配置されている。
更に、Y軸駆動用磁石Mv3の磁界がX軸位置検出用磁石Mh1の磁界に影響を与えるのを防ぐために、直線L3に対して方向Yの上方向側にX軸位置検出用磁石Mh1が配置され、直線L3に対して方向Yの下方向側にY軸駆動用磁石Mv3が配置されている。
更に、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2の各々の磁界が、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2の磁界に与える影響を減らすため、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2は、直線L3に対して対称に配置されている。
これらX軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2は、可動部材2の方向θの一方の方向と他方の方向における回転駆動力を均一にするために、同じ構成のものが用いられている。
一方、Y軸駆動用磁石Mv3は、デジタルカメラ100が正姿勢(方向Yと重力方向とが平行になる姿勢)にある場合に、可動部材2に加わる重力に逆らって可動部材2を移動させるのに十分な駆動力を得るために、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2の各々よりも、平面積が大きいものが用いられている。
X軸兼回転駆動用磁石Mv1、X軸兼回転駆動用磁石Mv2、及びY軸駆動用磁石Mv3は、可動部材2を移動させるために大きな磁力が必要となる。
このため、X軸兼回転駆動用磁石Mv1、X軸兼回転駆動用磁石Mv2、及びY軸駆動用磁石Mv3の各々の厚みは、可動部材2の位置検出用の磁石(X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3)の厚みよりも大きくしておくことが好ましい。
以上のように構成された像ぶれ補正装置3では、可動部材2の駆動用の磁石(X軸兼回転駆動用磁石Mv1、X軸兼回転駆動用磁石Mv2、Y軸駆動用磁石Mv3)と、可動部材2の位置検出用の磁石(X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3)とを個別に有する。このため、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
また、第一の支持部材1Aに固定された6つの磁石のうちの近接する2つの磁石に着目した場合に、この2つの磁石の同極同士が対向する状態となっている。このため、この近接する2つの磁石の各々の同極同士が引き合うことはなく、この2つの磁石の各々の磁力の低下を防ぐことができる。
このように、像ぶれ補正装置3によれば、可動部材2の駆動用の磁石(X軸兼回転駆動用磁石Mv1、X軸兼回転駆動用磁石Mv2、Y軸駆動用磁石Mv3)の磁力の低下を防ぐことができる。
このため、X軸兼回転駆動用コイルC1、X軸兼回転駆動用コイルC2、及びX軸兼回転駆動用コイルC2に加わる磁界の安定化が可能となり、可動部材2の駆動性能を向上させることができる。
また、像ぶれ補正装置3によれば、可動部材2の位置検出用の磁石(X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3)の磁力の低下を防ぐことができる。
このため、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3に加わる磁界の安定化が可能となり、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
像ぶれ補正装置3では、可動部材2の位置が所望の位置となるように可動部材2の駆動が行われる。このため、可動部材2の位置検出精度を向上させることが、像ぶれ補正性能の向上のために特に重要となる。
また、像ぶれ補正装置3では、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が直線L2に対して対称に配置され、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2,Mh3の各々の2つの磁極が直線L3に対して対称に配置されている。
このため、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の検出精度を均一化することができると共に、可動部材2が回転した場合におけるY軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の出力信号の変化を均一化することができる。
また、像ぶれ補正装置3では、X軸位置検出用磁石Mh1の2つの磁極が、直線L2に対して対称に配置されている。このため、X軸位置検出用磁石Mh1の磁界が、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2の磁界とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3の磁界に与える影響を均一化することができる。
これらの効果によって、可動部材2の位置検出精度(特に方向θにおける回転位置の検出精度)を向上させることができる。
また、像ぶれ補正装置3では、直線L3に対して方向Yの上方向側にX軸位置検出用磁石Mh1が配置され、直線L3に対して方向Yの下方向側にY軸駆動用磁石Mv3が配置されている。
このため、Y軸駆動用磁石Mv3の磁界がX軸位置検出用磁石Mh1の磁界に影響を与えるのを防ぐことができる。この結果、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
また、像ぶれ補正装置3では、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2が直線L3に対して対称に配置されている。このため、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2の各々の磁界がY軸兼回転位置検出用磁石Mh2の磁界に与える影響を減らすことができる。この結果、可動部材2の位置検出精度を向上させることができる。
また、像ぶれ補正装置3では、Y軸駆動用磁石Mv3の平面積がX軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用磁石Mv2の各々の平面積よりも大きくなっている。このため、デジタルカメラ100が正姿勢の状態において、可動部材2の方向Yへの駆動力を十分に確保することができる。
また、像ぶれ補正装置3の可動部材2の位置検出用の磁石(X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3)は、S極とN極が間を空けて並べて配置された構成である。
X軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3は、それぞれ、S極とN極が一体化された構成であってもよい。しかし、S極とN極が分離された構成とすることで、ホール素子による位置検出精度を向上させることができる。また、ホール素子の位置検出可能な範囲を広くすることができる。
なお、像ぶれ補正装置3は、可動部材2を方向X、方向Y、及び方向θの3つの方向に移動させて像ぶれ補正を行うものであるが、可動部材2を方向Xと方向Yの2つの方向に移動させて像ぶれ補正を行う構成であっても、上述したように、近接する2つの磁石の同極同士を対向させて配置することで、位置検出精度と駆動性能の向上を図ることができる。
例えば、像ぶれ補正装置3を、可動部材2を方向θに移動させない構成とする場合には、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H2のペアを削除し、X軸兼回転駆動用磁石Mv1とX軸兼回転駆動用コイルC1のペアを削除した構成とすればよい。
この構成では、X軸兼回転駆動用磁石Mv2が第一の駆動用磁石として機能し、Y軸回転駆動用磁石Mv3が第二の駆動用磁石として機能し、X軸位置検出用磁石Mh1が第一の位置検出用磁石として機能し、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3が第二の位置検出用磁石として機能する。
この構成でも、近接する2つの磁石の同極同士が対向して配置されていることで、各磁石が他の磁石の磁界に与える影響を減らして、位置検出精度と駆動性能の向上を図ることができる。
なお、像ぶれ補正装置3は、第一の支持部材1Aに磁石が固定され、この磁石と対向する駆動用のコイルと位置検出素子とが可動部材2に固定される構成である。しかし、ここまで説明した効果については、可動部材2に磁石が固定され、X軸兼回転駆動用コイルC1、X軸兼回転駆動用コイルC2、Y軸駆動用コイルC3、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3が第一の支持部材1Aに固定された構成であっても同様に得ることができる。
また、像ぶれ補正装置3は、撮像素子20を移動させることで像ぶれを補正するものであるが、撮像光学系101に含まれるレンズを移動させることで像ぶれを補正する装置においても、上述した磁石の配置が有効となる。具体的には、レンズが固定された可動部材と、この可動部材を移動自在に支持する支持部材とを有する像ぶれ補正装置において、可動部材と支持部材のいずれかに固定される駆動用及び位置検出用の複数の磁石の配置を、図11に示したように、近接する2つの磁石の同極同士が対向する配置とすればよい。
像ぶれ補正装置3は、図7、図8、及び図10に示すように、フレキシブルプリント基板25とフレキシブルプリント基板26が方向Yの上方向に引き出されてから方向Yの下方向に折り返されており、フレキシブルプリント基板27が方向Yの下方向に引き出されてから方向Yの上方向に折り返されている。
例えば、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26から方向Yの下方向に向かって可動部材2に加わる弾性力と、デジタルカメラ100が正姿勢にあるときの可動部材2に加わる重力との合計が、フレキシブルプリント基板27から方向Yの上方向に向かって可動部材2に加わる弾性力と同じになるように、フレキシブルプリント基板25~27の幅又は厚み等を調整する。
このようにすることで、デジタルカメラ100の正姿勢時において、可動部材2を基準姿勢の位置に保持するための電力を低減することができる。
なお、像ぶれ補正装置3において、フレキシブルプリント基板25とフレキシブルプリント基板26は、撮像素子20の端子のうちの電源端子及びグランド端子以外の端子に接続される配線を含む構成とし、フレキシブルプリント基板27は、撮像素子20の端子のうちの電源端子及びグランド端子に接続される配線(電源線及びグランド線)を含む構成とするのが好ましい。
フレキシブルプリント基板は、厚みが薄い方が弾性力を低くできる。しかし、電源線とグランド線は、厚みを薄くしようとすると、幅を大きくする必要がある。一方で、フレキシブルプリント基板の幅を大きくすると、フレキシブルプリント基板のバネ乗数が大きくなってしまう。
上記の好ましい構成によれば、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26に、電源線とグランド線が含まれないことで、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26の幅を大きくすることなく、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26を薄くして、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26の弾性力を低減することができる。
このように、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26の弾性力が小さくなることで、この弾性力と重力との合力を打ち消すのに必要なフレキシブルプリント基板27の弾性力も小さくてすむ。
この結果、フレキシブルプリント基板25~27の設計自由度が高くなり、像ぶれ補正装置3の製造コストを低減することができる。
また、上記の好ましい構成によれば、フレキシブルプリント基板25~27による弾性力を小さくすることができる。このため、可動部材2の駆動に必要な電力を削減したり、可動部材2の駆動の応答性を高めたりすることができる。
また、上記の好ましい構成によれば、フレキシブルプリント基板25,26には電源線とグランド線が含まれない。このため、フレキシブルプリント基板25,26を経由して出力される撮像信号に電源ノイズ等が混入するのを防ぐことができ、撮像画像の高品質化が可能になる。
なお、フレキシブルプリント基板27が電源線とグランド線を含む場合には、このフレキシブルプリント基板27の厚みを、フレキシブルプリント基板25とフレキシブルプリント基板26の各々の厚みよりも大きくしてもよい。
このように、電源線とグランド線を含むフレキシブルプリント基板27については厚みを大きくすることで、フレキシブルプリント基板27の幅が大きくなるのを防ぐことができ、像ぶれ補正装置3の小型化が可能になる。
また、フレキシブルプリント基板27の幅が小さくなってバネ乗数を小さくできるため、フレキシブルプリント基板27の設計が更に容易になる。
また、フレキシブルプリント基板27は、電源線と、グランド線と、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々に接続された配線と、に加えて、X軸兼回転駆動用コイルC1、X軸兼回転駆動用コイルC2、及びY軸駆動用コイルC3の各々に接続された配線を含む構成とするのが好ましい。
この構成によれば、フレキシブルプリント基板25及びフレキシブルプリント基板26には、撮像に必要な信号処理系の配線のみが含まれ、フレキシブルプリント基板27には、可動部材2の駆動に必要な配線のみが含まれることになる。
このように、信号処理系の配線と駆動系の配線とが別の基板に形成されていることで、撮像画像の品質向上と、可動部材2の駆動性能の向上とが可能になる。
なお、これらのフレキシブルプリント基板25~27の好ましい構成により得られる効果は、可動部材2が方向Xと方向Yの2方向にのみ移動可能な像ぶれ補正装置3であっても同様に得られる。可動部材2が3方向に移動する構成の場合には、可動部材2がより重くなるため、上述したフレキシブルプリント基板25~27の構成が特に有効となる。
次に、像ぶれ補正装置3に設けられている2つの移動規制部MR1,MR2の詳細について説明する。
図12は、図5に示す第一の支持部材1Aを撮像光学系101側と反対側から方向Zに見た状態を模式的に示す図である。
図12は、第一の支持部材1Aの貫通孔11a,11bが形成された部分の拡大図であり、この部分が矩形にて模式的に示されている。また、図12では、図5に示すネジSC1~SC4については図示が省略されている。
また、図12には、紙面の奥側に位置する可動部材2に固定されたY軸兼回転位置検出用ホール素子H2,H3と、この可動部材2に設けられて貫通孔11a,11bの各々に挿通される挿通部材28a,28bと、が示されている。
図12に示すように、基準状態においては、貫通孔11aの中心に挿通部材28aの中心が位置し、貫通孔11bの中心に挿通部材28bの中心が位置する。
図12に示すように、移動規制部MR1の貫通孔11aと移動規制部MR2の貫通孔11bは、それぞれ、実質的に正方形となっている。
図13は、図12に示す貫通孔11aの拡大図である。貫通孔11bの形状は貫通孔11aと同じである。
図13に示すように、貫通孔11aは、同一の長さの4つの辺110,111,113,114と、辺110と辺113とを繋ぐ曲線115と、辺113と辺111とを繋ぐ曲線116と、辺111と辺114とを繋ぐ曲線117と、辺114と辺110とを繋ぐ曲線118と、によって構成されている。
辺110と辺111は、それぞれ、方向Xに平行となっている。
辺113と辺114は、それぞれ、方向Yに平行となっている。辺113と辺114の間の距離と、辺110と辺111の間の距離は同じである。
曲線115~118は、それぞれ、貫通孔11aの中心110pを中心とする円の円弧である。
曲線115~118の各々の線分の長さは、辺110~114の長さよりも十分に小さくなっている。具体的には、曲線115~118の各々の線分の長さは、辺110~114の長さの1/10以下となっている。
このように、貫通孔11a(又は貫通孔11b)は、正方形の4角が僅かに丸められることで実質的な正方形となっているが、完全な正方形となっていてもよい。
図13には、貫通孔11a(又は貫通孔11b)の形状である正方形の対角線が一点鎖線にて示されている。この対角線は、辺110の延長線と辺114の延長線との交点と、辺113の延長線と辺111の延長線との交点とを結ぶ直線のうちの貫通孔11a(又は貫通孔11b)と重なる部分である。
図12に示すように、貫通孔11a,11bの各々の中心に挿通部材28a,28bがある状態(上述した基準状態)において、貫通孔11aの対角線(第一の対角線)の延長線L4には、貫通孔11bの対角線(第二の対角線)が重なっている。更に、貫通孔11aの対角線と貫通孔11bの対角線とを結ぶ線に受光面20aの中心Pが重なっている。
また、図12に示すように、移動規制部MR1と移動規制部MR2の方向Xの距離Lx1と、移動規制部MR1と移動規制部MR2の方向Yの距離Lyとは同じになっている。
そして、距離Lx1と距離Lyは、それぞれ、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の方向Yの距離Lx2の0.75倍以上1.25倍以下となっている。
なお、距離Lx1は、貫通孔11aと貫通孔11bの中心間の距離、又は、挿通部材28aと挿通部材28bの中心間の距離のことを言う。距離Lyは、貫通孔11aと貫通孔11bの中心間の距離、又は、挿通部材28aと挿通部材28bの中心間の距離のことを言う。
以上のように、像ぶれ補正装置3は、貫通孔11aの対角線の延長線L4上に貫通孔11bの対角線が重なり、この延長線L4に受光面20aの中心Pが重なっている。このため、挿通部材28aは、中心Pと挿通部材28aを結ぶ線を半径とする円の円周に沿って移動する。この円は、貫通孔11aの対角線付近を通ることになるため、挿通部材28aの移動量を最大化することができる。
同様に、挿通部材28bは、中心Pと挿通部材28bを結ぶ線を半径とする円の円周に沿って移動するため、その移動量を最大化することができる。この結果、可動部材2の回転可能量を最大化することができ、像ぶれ補正性能を高めることが可能となる。
また、像ぶれ補正装置3は、距離Lx1と距離Lyの各々が、距離Lx2の0.75倍以上1.25倍以下となっている。距離Lx1と距離Lyはそれぞれ第一の距離であり、距離Lx2は第二の距離である。
このように、距離Lx1と距離Lyの各々と距離Lx2とが近い値になっていることで、可動部材2が回転する場合の挿通部材28a,28bの移動量と、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2,H3のY軸兼回転位置検出用磁石Mh2,Mh3に対する移動量とを近づけることができ、可動部材2の方向θの位置検出精度を高めることができる。
図12に示した移動規制部MR1,MR2において、貫通孔11a,11bの各々が、ベース10の可動部材2側の面に形成された凹部に変更されても同様の効果を得ることができる。
また、移動規制部MR1は、貫通孔11a又は凹部が可動部材2の平板部280aに形成され、この貫通孔11a又は凹部に挿通される挿通部材28aが第一の支持部材1Aのベース10の可動部材2側の面に形成された構成であってもよい。
同様に、移動規制部MR2は、貫通孔11b又は凹部が可動部材2の平板部280bに形成され、この貫通孔11b又は凹部に挿通される挿通部材28bが第一の支持部材1Aのベース10の可動部材2側の面に形成された構成であってもよい。
これらの構成においても、貫通孔又は凹部の平面形状と、2つの貫通孔又は凹部の配置とを図12に示した構成とすることで、可動部材2の回転量を最大化することができる。
なお、像ぶれ補正装置3の移動規制部MR1,MR2の貫通孔11a,11bの平面形状は、正方形ではなく、図14に示すような長方形であってもよい。つまり、貫通孔11a,11bの平面形状は矩形であれば、上述した配置が有効となる。
図14は、図12に示す移動規制部MR1,MR2の変形例を示す図である。図14に示す例では、移動規制部MR1,MR2の貫通孔11a,11bの平面形状は、方向Xに平行な2つの辺と方向Yに平行な2つの辺とからなる長方形となっている。
そして、貫通孔11aの対角線の延長線L4に、貫通孔11bの対角線が重なり、貫通孔11aの対角線と貫通孔11bの対角線を結ぶ線上に、撮像素子20の受光面20aの中心Pが重なっている。
このように、貫通孔11a,11bの形状が長方形である場合に、図14に示す構成とすることで、可動部材2の回転量を最大化することができる。図14において、貫通孔11a,11bの平面形状の4隅の角が丸められた構成であってもよい。
次に、像ぶれ補正装置3の第一の支持部材1Aに設けられたフック16a~16cと、フック16a~16cの各々に対向する可動部材2のフック23a~23cとの各ペアの構成の変形例について説明する。
図15は、図11に示す第一の支持部材1Aの変形例を示す図である。
図15に示す第一の支持部材1Aは、フック16aがフック160aに変更され、フック16bがフック160bに変更され、フック16cがフック160cに変更された点を除いては、図11と同じ構成である。
フック160aは、フック16aと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。フック160bは、フック16bと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。フック160cは、フック16cと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。
図15には、フック160aの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第一の延長線L5と、フック160bの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第二の延長線L6と、フック160cの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第三の延長線L7と、が示されている。
そして、図15に示したように、第一の延長線L5と第二の延長線L6と第三の延長線L7は、それぞれ、撮像素子20の受光面20aの中心Pに重なっている。
図16は、図8に示す可動部材2の変形例を示す図である。
図16に示す可動部材2は、フック23aがフック230aに変更され、フック23bがフック230bに変更され、フック23cがフック230cに変更された点を除いては、図8と同じ構成である。図16には、図15に示した第一の延長線L5と、第二の延長線L6と、第三の延長線L7とが示されている。
フック230aは、フック23aと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。フック230bは、フック23bと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。フック230cは、フック23cと機能は同じであるが、その延びる方向が変更されている。
フック230aの延びる方向は、図15に示すフック160aの延びる方向と一致している。また、フック230aの先端と基端と中心Pとを結ぶ線は、第一の延長線L5と重なっている。
フック230bの延びる方向は、図15に示すフック160bの延びる方向と一致している。また、フック230bの先端と基端と中心Pとを結ぶ線は、第二の延長線L6と重なっている。
フック230cの延びる方向は、図15に示すフック160cの延びる方向と一致している。また、フック230cの先端と基端と中心Pとを結ぶ線は、第三の延長線L7と重なっている。
図15及び図16に示す変形例において、フック160aは第一の支持側係止部を構成し、フック160bは第二の支持側係止部を構成し、フック160cは第三の支持側係止部を構成する。
図15及び図16に示す変形例において、フック230aは第一の可動側係止部を構成し、フック230bは第二の可動側係止部を構成し、フック230cは第三の可動側係止部を構成する。
フック160aとフック230aとに係止される図3に示すバネ24aは、第一の弾性部材を構成する。フック160bとフック230bとに係止される図3に示すバネ24bは、第二の弾性部材を構成する。フック160cとフック230cとに係止される図3に示すバネ24cは、第三の弾性部材を構成する。
図15及び図16に示すような変形例のフック160a~160c及びフック230a~230cを有する像ぶれ補正装置3によれば、可動部材2が回転軸Rの回りに回転する場合には、フック160aとフック230aに係止されるバネ24aの弾性力と、フック160bとフック230bに係止されるバネ24bの弾性力と、フック160cとフック230cに係止されるバネ24cの弾性力は、それぞれ、可動部材2の回転方向にのみ発生する。
したがって、可動部材2の回転時におけるバネ24a~24cの弾性力が各バネにおいて均等となるように、バネ24a~24cの中心Pからの距離とバネ24a~24cの乗数等を決めておくことで、可動部材2を回転駆動する際の駆動の応答性を向上させることができる。
このように、可動部材2の回転時において、その回転方向における弾性力を考慮したバネ24a~24cの設計が不要になるため、像ぶれ補正装置3の設計を容易にすることができる。
図17は、図15に示したフック160a~160cのベース10における配置の変形例を示す図である。図17では、ベース10についてはその外縁のみを示している。
図17に示す例では、フック160a~160cの各々の先端と基端を結ぶ線の延長線上に中心Pがあるのは図15と同じであるが、フック160a~160cの設置場所が図15とは異なる。
図17に示す例では、フック160a~160cの各々におけるバネが係止される部分を結ぶ図形が正三角形TRとなるように、フック160a~160cがベース10に対して設けられている。そして、この正三角形TRの中心に、受光面20aの中心Pが重なっている。
なお、可動部材2のフック230a~230cは、正三角形TRの頂点の位置に、フック160a~160cと同様の向きにてベース22に設けられている。
このように、フック160a~160cとフック230a~230cが正三角形TRの頂点と重なる配置となっていることで、バネ24a~24cの各々と中心Pとの距離を均一にすることができるため、バネ24a~24cの設計がより容易となる。
また、可動部材2が方向X又は方向Yに移動した場合のバネ24a~24cから可動部材2に加わる弾性力の合力をゼロにすることができ、方向Xと方向Yにおける可動部材2の駆動の応答性を向上させることができる。
なお、図15~図17においては、第一の支持部材1Aに設けられるフックと、このフックに対向する可動部材2に設けられるフックとのペアが3つである例を示しているが、このペアは4つ以上とすることもできる。
図18は、図11に示す第一の支持部材1Aの他の変形例を示す図である。図18では、ベース10についてはその外縁のみを示している。
図18に示す第一の支持部材1Aは、フック16aがフック160aに変更され、フック16bがフック160bに変更され、フック16cがフック160cに変更され、更に、フック160dが追加された点を除いては、図11と同じ構成である。
なお、図示は省略するが、可動部材2のベース22には、フック160aと対向する位置に、フック160aと同じ向きに延びるフック160aと同一形状のフックが設けられている。
また、可動部材2のベース22には、フック160bと対向する位置に、フック160bと同じ向きに延びるフック160bと同一形状のフックが設けられている。
また、可動部材2のベース22には、フック160cと対向する位置に、フック160cと同じ向きに延びるフック160cと同一形状のフックが設けられている。
また、可動部材2のベース22には、フック160dと対向する位置に、フック160dと同じ向きに延びるフック160dと同一形状のフックが設けられている。
そして、フック160a~フック160dの各々とこれに対向する可動部材2のフックとにバネが係止され、これら4つのバネによって、可動部材2が第一の支持部材1Aに付勢されている。
この変形例において、フック160dは、第四の支持側係止部を構成する。また、フック160dと対向する可動部材2のフックは第四の可動側係止部を構成する。また、フック160dとこれに対向する可動部材2のフックとに係止されるバネは第四の弾性部材を構成する。
図18には、フック160aの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第一の延長線L5と、フック160bの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第二の延長線L6と、フック160cの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第三の延長線L7と、フック160dの先端と基端(ベース10との境界部分)とを結ぶ線の延長線である第四の延長線L8と、が示されている。
そして、図18に示したように、第一の延長線L5と第二の延長線L6と第三の延長線L7と第四の延長線L8は、それぞれ、撮像素子20の受光面20aの中心Pに重なっている。
このように、フックのペアが4つある構成とすることで、可動部材2をより安定した力で第一の支持部材1Aに対し付勢することが可能になる。
また、第一の延長線L5と第二の延長線L6と第三の延長線L7と第四の延長線L8がそれぞれ中心Pに重なっている。この構成により、可動部材2の回転時において、その回転方向におけるバネ力を考慮したバネの設計が不要になる。このため、像ぶれ補正装置3の設計を容易にすることができる。
図18に示すように、像ぶれ補正装置3がフックのペアを4つ有する場合には、この4つのペアの各々におけるバネが係止される部分を結ぶ図形が正方形となるように、フック160a~160dがベース10に対して設けられることで、バネの設計をより容易にすることができる。また、方向Xと方向Yにおける可動部材2の駆動の応答性を向上させることができる。
なお、図15~図18に示した第一の延長線L5、第二の延長線L6、第三の延長線L7、及び第四の延長線L8は、それぞれ、可動部材2の重心と重なる構成であってもよい。
可動部材2において重さが大きいのは、撮像素子20及び回路基板21である。このため、可動部材2の重心と受光面20aの中心Pとは近いことが多い。
設計上、フックの向きに制限があるなどの場合には、この重心と各延長線とが重なるようにフックを設けることにより、中心Pと各延長線とを重ねた場合と同等の効果を期待することができる。
像ぶれ補正装置3は、図7に示したように、回路基板21の背面に、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3等の位置検出素子が固定される構成である。
回路基板21の背面には、撮像素子20の端子と接続される回路及びコネクタ21a~21cの端子に接続される回路等を構成する多数の回路素子が形成されている。
これら回路素子には、コンデンサ、抵抗、サーミスタ、又は発振器等が含まれる。これら回路素子の端子、或いはこれら回路素子を被覆するメッキ等には磁性体が含まれている。
以下では、回路基板21の背面におけるこの磁性体を含む回路素子の配置の好ましい例について説明する。
図19は、像ぶれ補正装置3における回路基板21の背面の好ましい構成例を説明する模式図である。
図19は、基準状態において像ぶれ補正装置3の回路基板21を背面側から方向Zに見た状態を示している。図19には、回路基板21と重なるX軸位置検出用磁石Mh1、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2、及びY軸兼回転位置検出用磁石Mh3が示されている。
図19に示すように、回路基板21の背面には、X軸位置検出用磁石Mh1と重なる第一の領域ar1(斜め線が付された領域)と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2と重なる第一の領域ar2(斜め線が付された領域)と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3と重なる第一の領域ar3(斜め線が付された領域)と、が存在している。
第一の領域ar1は、X軸位置検出用ホール素子H1に磁界を供給する磁石と重なる領域であり、N極1n、S極1s、及びN極1nとS極1sの間の領域と、回路基板21とが重なっている領域を示す。
第一の領域ar2は、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2に磁界を供給する磁石と重なる領域であり、N極2n、S極2s、及びN極2nとS極2sの間の領域と、回路基板21とが重なっている領域を示す。
第一の領域ar3は、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3に磁界を供給する磁石と重なる領域であり、N極3n、S極3s、及びN極3nとS極3sの間の領域と、回路基板21とが重なっている領域を示す。
また、回路基板21の背面において、第一の領域ar1の周囲には第一の領域ar1を取り囲む枠状の第二の領域AR1が存在し、第一の領域ar2の周囲には第一の領域ar2を取り囲む枠状の第二の領域AR2が存在し、第一の領域ar3の周囲には第一の領域ar3を取り囲む枠状の第二の領域AR3が存在している。
第二の領域AR2と第二の領域AR3には、それぞれ、回路基板21の背面のうちの第二の領域AR1~AR3を除く領域に配置されている回路素子の密度よりも高い密度にて回路素子が配置された高密度領域210bが形成されている。
第二の領域AR2に形成された高密度領域210bは、第一の領域ar2の方向Yの上方向側の端部に隣接して配置されている。
第二の領域AR3に形成された高密度領域210bは、第一の領域ar3の方向Yの上方向側の端部に隣接して配置されている。
図19に示す構成例では、回路基板21の背面には、第一の領域ar2,ar3のそれぞれの方向Yの隣に、他の領域に比べて回路素子が多く配置された高密度領域210bが存在する。このため、高密度領域210bに形成された回路素子に含まれる多数の磁性体と、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2,Mh3との間で吸引力を発生させることができる。
デジタルカメラ100が正姿勢にある状態では、可動部材2が重力によって図19中の方向Yの下方向に移動しようとする。しかし、この吸引力があることにより、可動部材2を方向Yの上方向に移動させることができる。
したがって、高密度領域210bにおける磁性体の量又は高密度領域210bから第一の領域ar2~ar3までの距離等を調整して、高密度領域210bと磁石との間の吸引力を調整することにより、正姿勢時の重力による可動部材2の移動を減らすことができ、可動部材2を基準状態の位置に戻すために必要な電力を低減することができる。
図20は、図19に示す回路基板21の第一の変形例を示す図である。
図20に示す回路基板21は、第二の領域AR1に3つの高密度領域210bが追加され、第二の領域AR2と第二の領域AR3の各々に3つの高密度領域210bが追加された点を除いては、図19に示す構成と同じである。
図20に示すように、第二の領域AR1には、第一の領域ar1の方向Yの下方向側の端部に隣接して高密度領域210bが配置され、第一の領域ar1の方向Xの両端部に隣接して高密度領域210bが配置されている。
また、第二の領域AR2には、第一の領域ar2の方向Yの両端部に隣接して高密度領域210bが配置され、第一の領域ar2の方向Xの両端部に隣接して高密度領域210bが配置されている。
また、第二の領域AR3には、第一の領域ar3の方向Yの両端部に隣接して高密度領域210bが配置され、第一の領域ar3の方向Xの両端部に隣接して高密度領域210bが配置されている。
図20に示す変形例によれば、第一の領域ar1~ar3の各々の下側にある高密度領域210bと磁石との間の吸引力と、第一の領域ar2~ar3の各々の上側にある高密度領域210bと磁石との間の吸引力を調整することにより、デジタルカメラ100が正姿勢にある場合に、可動部材2を駆動することなく、可動部材2を基準状態の位置に保持することができる。
また、図20に示す変形例によれば、第一の領域ar1~ar3の各々の左側にある高密度領域210bと磁石との間の吸引力と、第一の領域ar1~ar3の各々の右側にある高密度領域210bと磁石との間の吸引力を調整することにより、デジタルカメラ100が正姿勢から90度回転された回転姿勢(方向Xが重力と平行になる姿勢)になっても、可動部材2を駆動することなく、可動部材2を基準状態の位置に保持することができる。
このため、正姿勢と回転姿勢のどちらにおいても、可動部材2の駆動に必要な電力を低減することができる。
なお、図19及び図20に示した第二の領域AR1は、X軸位置検出用磁石Mh1の磁力が十分に及ぶ範囲であり、例えば、第一の領域ar1の端部から方向X及び方向Yにそれぞれ1mm~5mm程度離れた位置までの範囲である。
同様に、第二の領域AR2は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh2の磁力が十分に及ぶ範囲であり、例えば、第一の領域ar2の端部から方向X及び方向Yにそれぞれ1mm~5mm程度離れた位置までの範囲である。
同様に、第二の領域AR3は、Y軸兼回転位置検出用磁石Mh3の磁力が十分に及ぶ範囲であり、例えば、第一の領域ar3の端部から方向X及び方向Yにそれぞれ1mm~5mm程度離れた位置までの範囲である。
図19及び図20に示す変形例では、高密度領域210bにある磁性体と磁石との吸引力が、可動部材2を第一の支持部材1Aに対して付勢する付勢力としても機能する。
このため、この吸引力を調整することにより、図3に示したバネ24a、バネ24b、及びバネ24cをなくすことも可能である。これにより、像ぶれ補正装置3の小型化及びコストダウンが可能となる。
図21は、図19に示す回路基板21の第二の変形例を示す図である。
図21に示す回路基板21は、第一の領域ar1~ar3の各々において、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の周囲に、回路素子が非配置とされた領域である非配置領域AR6,AR7,AR8が設けられている点を除いては、図19に示す回路基板21と同じ構成である。
非配置領域AR6は、X軸位置検出用ホール素子H1を中心とする正方形であって、方向Xに平行な2辺と方向Yに平行な2辺とからなる正方形と第一の領域ar1とが重なる領域である。
X軸位置検出用ホール素子H1の中心から非配置領域AR6の方向Xの端部までの長さは、可動部材2が方向Xの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
また、X軸位置検出用ホール素子H1の中心から非配置領域AR6の方向Yの端部までの長さは、可動部材2が方向Yの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
X軸位置検出用ホール素子H1の中心から非配置領域AR6の方向Xの端部までの長さと、X軸位置検出用ホール素子H1の中心から非配置領域AR6の方向Yの端部までの長さは、それぞれ、X軸位置検出用ホール素子H1とX軸位置検出用磁石Mh1との間の距離の1倍以上の値としてもよい。
非配置領域AR7は、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2を中心とする正方形であって、方向Xに平行な2辺と方向Yに平行な2辺とからなる正方形と第一の領域ar2とが重なる領域である。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の中心から非配置領域AR7の方向Xの端部までの長さは、可動部材2が方向Xの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
また、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の中心から非配置領域AR7の方向Yの端部までの長さは、可動部材2が方向Yの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の中心から非配置領域AR7の方向Xの端部までの長さと、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2の中心から非配置領域AR7の方向Yの端部までの長さは、それぞれ、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2とY軸兼回転位置検出用磁石Mh2との間の距離の1倍以上の値としてもよい。
非配置領域AR8は、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3を中心とする正方形であって、方向Xに平行な2辺と方向Yに平行な2辺とからなる正方形と第一の領域ar3とが重なる領域である。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の中心から非配置領域AR8の方向Xの端部までの長さは、可動部材2が方向Xの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
また、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の中心から非配置領域AR8の方向Yの端部までの長さは、可動部材2が方向Yの一方向に移動することのできる最大の移動距離の1.5倍以上の値となっている。
Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の中心から非配置領域AR8の方向Xの端部までの長さと、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3の中心から非配置領域AR8の方向Yの端部までの長さは、それぞれ、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H3とY軸兼回転位置検出用磁石Mh3との間の距離の1倍以上の値としてもよい。
図21に示す変形例によれば、X軸位置検出用ホール素子H1、Y軸兼回転位置検出用ホール素子H2、及びY軸兼回転位置検出用ホール素子H3の各々の周囲に、磁性体を含む回路素子が配置されない領域が形成されているため、各ホール素子の出力のリニアリティを安定させることができ、高精度の位置検出が可能になる。
なお、図21に示す変形例は、図20に示す回路基板21にも適用可能である。
また、図21に示す回路基板21において、第一の領域ar1における非配置領域AR6を除く部分と、第一の領域ar2における非配置領域AR7を除く部分と、第一の領域ar3における非配置領域AR8を除く部分とには、高密度領域210bよりも低い密度にて回路素子を配置してもよい。しかし、これらの部分にも回路素子を配置しないことで、位置検出精度をより向上させることができる。
なお、図19~図21に示した回路基板21の構成により得られる効果は、可動部材2が方向Xと方向Yの2方向にのみ移動可能な像ぶれ補正装置3であっても同様に得られる。可動部材2が3方向に移動する構成の場合には、可動部材2がより重くなる。このため、上述した図19~図21に示した回路基板21の構成が特に有効となる。
ここまで説明してきた像ぶれ補正装置3における可動部材2の位置を検出するための位置検出素子としては、磁石から供給される磁界の変化によって位置を検出することができるものであればよく、ホール素子以外の磁気センサが用いられてもよい。
次に、本発明の撮像装置の別実施形態としてスマートフォンの構成について説明する。
図22は、本発明の撮像装置の一実施形態であるスマートフォン200の外観を示すものである。
図22に示すスマートフォン200は、平板状の筐体201を有し、筐体201の一方の面に表示面としての表示パネル202と、入力部としての操作パネル203とが一体となった表示入力部204を備えている。
また、この様な筐体201は、スピーカ205と、マイクロホン206と、操作部207と、カメラ部208とを備えている。なお、筐体201の構成はこれに限定されず、例えば、表示面と入力部とが独立した構成を採用したり、折り畳み構造又はスライド機構を有する構成を採用したりすることもできる。
図23は、図23に示すスマートフォン200の構成を示すブロック図である。
図23に示すように、スマートフォンの主たる構成要素として、無線通信部210と、表示入力部204と、通話部211と、操作部207と、カメラ部208と、記憶部212と、外部入出力部213と、GPS(Global Positioning System)受信部214と、モーションセンサ部215と、電源部216と、主制御部220とを備える。
また、スマートフォン200の主たる機能として、図示省略の基地局装置BSと図示省略の移動通信網NWとを介した移動無線通信を行う無線通信機能を備える。
無線通信部210は、主制御部220の指示にしたがって、移動通信網NWに収容された基地局装置BSに対し無線通信を行うものである。この無線通信を使用して、音声データ、画像データ等の各種ファイルデータ、電子メールデータ等の送受信、ウェブデータ又はストリーミングデータ等の受信を行う。
表示入力部204は、主制御部220の制御により、画像(静止画像及び動画像)又は文字情報等を表示して視覚的に利用者に情報を伝達するとともに、表示した情報に対する利用者操作を検出する、いわゆるタッチパネルであって、表示パネル202と、操作パネル203と、を備える。
表示パネル202は、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)等を表示デバイスとして用いたものである。
操作パネル203は、表示パネル202の表示面上に表示される画像を視認可能に載置され、利用者の指又は尖筆によって操作される一又は複数の座標を検出するデバイスである。このデバイスを利用者の指又は尖筆によって操作すると、操作に起因して発生する検出信号を主制御部220に出力する。次いで、主制御部220は、受信した検出信号に基づいて、表示パネル202上の操作位置(座標)を検出する。
図23に示すように、本発明の撮影装置の一実施形態として例示しているスマートフォン200の表示パネル202と操作パネル203とは一体となって表示入力部204を構成しているが、操作パネル203が表示パネル202を完全に覆うような配置となっている。
係る配置を採用した場合、操作パネル203は、表示パネル202外の領域についても、利用者操作を検出する機能を備えてもよい。換言すると、操作パネル203は、表示パネル202に重なる重畳部分についての検出領域(以下、表示領域と称する)と、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分についての検出領域(以下、非表示領域と称する)とを備えていてもよい。
なお、表示領域の大きさと表示パネル202の大きさとを完全に一致させても良いが、両者を必ずしも一致させる必要は無い。また、操作パネル203が、外縁部分と、それ以外の内側部分の2つの感応領域を備えていてもよい。さらに、外縁部分の幅は、筐体201の大きさ等に応じて適宜設計されるものである。
さらにまた、操作パネル203で採用される位置検出方式としては、マトリクススイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等が挙げられ、いずれの方式を採用することもできる。
通話部211は、スピーカ205又はマイクロホン206を備え、マイクロホン206を通じて入力された利用者の音声を主制御部220にて処理可能な音声データに変換して主制御部220に出力したり、無線通信部210あるいは外部入出力部213により受信された音声データを復号してスピーカ205から出力させたりするものである。
また、図22に示すように、例えば、スピーカ205を表示入力部204が設けられた面と同じ面に搭載し、マイクロホン206を筐体201の側面に搭載することができる。
操作部207は、キースイッチ等を用いたハードウェアキーであって、利用者からの指示を受け付けるものである。例えば、図22に示すように、操作部207は、スマートフォン200の筐体201の側面に搭載され、指等で押下されるとオンとなり、指を離すとバネ等の復元力によってオフ状態となる押しボタン式のスイッチである。
記憶部212は、主制御部220の制御プログラム及び制御データ、アプリケーションソフトウェア、通信相手の名称又は電話番号等を対応づけたアドレスデータ、送受信した電子メールのデータ、WebブラウジングによりダウンロードしたWebデータ、ダウンロードしたコンテンツデータを記憶し、またストリーミングデータ等を一時的に記憶するものである。また、記憶部212は、スマートフォン内蔵の内部記憶部217と着脱自在な外部メモリスロットを有する外部記憶部218により構成される。
なお、記憶部212を構成するそれぞれの内部記憶部217と外部記憶部218は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、MicroSD(登録商標)メモリ等)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の格納媒体を用いて実現される。
外部入出力部213は、スマートフォン200に連結される全ての外部機器とのインターフェースの役割を果たすものであり、他の外部機器に通信等(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394等)又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LAN、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association:IrDA)(登録商標)、UWB(Ultra Wideband)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)(登録商標)等)により直接的又は間接的に接続するためのものである。
スマートフォン200に連結される外部機器としては、例えば、有/無線ヘッドセット、有/無線外部充電器、有/無線データポート、カードソケットを介して接続されるメモリカード(Memory card)、SIM(Subscriber Identity Module Card)/UIM(User Identity Module Card)カード、オーディオ・ビデオI/O(Input/Output)端子を介して接続される外部オーディオ・ビデオ機器、無線接続される外部オーディオ・ビデオ機器、有/無線接続されるスマートフォン、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、有/無線接続されるパーソナルコンピュータ、イヤホン等がある。
外部入出力部213は、このような外部機器から伝送を受けたデータをスマートフォン200の内部の各構成要素に伝達したり、スマートフォン200の内部のデータが外部機器に伝送されるようにしたりすることができる。
GPS受信部214は、主制御部220の指示にしたがって、GPS衛星ST1~STnから送信されるGPS信号を受信し、受信した複数のGPS信号に基づく測位演算処理を実行し、スマートフォン200の緯度、経度、高度からなる位置を検出する。GPS受信部214は、無線通信部210又は外部入出力部213(例えば、無線LAN)から位置情報を取得できる時には、その位置情報を用いて位置を検出することもできる。
モーションセンサ部215は、例えば、3軸の加速度センサ等を備え、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の物理的な動きを検出する。スマートフォン200の物理的な動きを検出することにより、スマートフォン200の動く方向又は加速度が検出される。係る検出結果は、主制御部220に出力されるものである。
電源部216は、主制御部220の指示にしたがって、スマートフォン200の各部に、バッテリ(図示しない)に蓄えられる電力を供給するものである。
主制御部220は、マイクロプロセッサを備え、記憶部212が記憶する制御プログラム及び制御データにしたがって動作し、スマートフォン200の各部を統括して制御するものである。また、主制御部220は、無線通信部210を通じて、音声通信又はデータ通信を行うために、通信系の各部を制御する移動通信制御機能と、アプリケーション処理機能を備える。
アプリケーション処理機能は、記憶部212が記憶するアプリケーションソフトウェアにしたがって主制御部220が動作することにより実現するものである。アプリケーション処理機能としては、例えば、外部入出力部213を制御して対向機器とデータ通信を行う赤外線通信機能、電子メールの送受信を行う電子メール機能、又はウェブページを閲覧するウェブブラウジング機能等がある。
また、主制御部220は、受信データ又はダウンロードしたストリーミングデータ等の画像データ(静止画像又は動画像のデータ)に基づいて、映像を表示入力部204に表示する等の画像処理機能を備える。
画像処理機能とは、主制御部220が、上記画像データを復号し、この復号結果に画像処理を施して、画像を表示入力部204に表示する機能のことをいう。
さらに、主制御部220は、表示パネル202に対する表示制御と、操作部207、操作パネル203を通じた利用者操作を検出する操作検出制御を実行する。
表示制御の実行により、主制御部220は、アプリケーションソフトウェアを起動するためのアイコン又はスクロールバー等のソフトウェアキーを表示したり、あるいは電子メールを作成したりするためのウィンドウを表示する。
なお、スクロールバーとは、表示パネル202の表示領域に収まりきれない大きな画像等について、画像の表示部分を移動する指示を受け付けるためのソフトウェアキーのことをいう。
また、操作検出制御の実行により、主制御部220は、操作部207を通じた利用者操作を検出したり、操作パネル203を通じて、上記アイコンに対する操作と上記ウィンドウの入力欄に対する文字列の入力を受け付けたり、あるいは、スクロールバーを通じた表示画像のスクロール要求を受け付けたりする。
さらに、操作検出制御の実行により主制御部220は、操作パネル203に対する操作位置が、表示パネル202に重なる重畳部分(表示領域)か、それ以外の表示パネル202に重ならない外縁部分(非表示領域)かを判定し、操作パネル203の感応領域又はソフトウェアキーの表示位置を制御するタッチパネル制御機能を備える。
また、主制御部220は、操作パネル203に対するジェスチャ操作を検出し、検出したジェスチャ操作に応じて、予め設定された機能を実行することもできる。
ジェスチャ操作とは、従来の単純なタッチ操作ではなく、指等によって軌跡を描いたり、複数の位置を同時に指定したり、あるいはこれらを組み合わせて、複数の位置から少なくとも1つについて軌跡を描く操作を意味する。
カメラ部208は、図1に示したデジタルカメラ100の動き検出センサ106、システム制御部108、及び画像処理部107以外の構成要素を含む。スマートフォン200では、主制御部220が、動き検出センサ106に相当するモーションセンサ部215の情報に基づいて像ぶれ補正装置3を制御して像ぶれ補正を行う。
カメラ部208によって生成された撮像画像データは、記憶部212に記憶したり、外部入出力部213又は無線通信部210を通じて出力したりすることができる。
図22に示すスマートフォン200において、カメラ部208は表示入力部204と同じ面に搭載されているが、カメラ部208の搭載位置はこれに限らず、表示入力部204の背面に搭載されてもよい。
また、カメラ部208はスマートフォン200の各種機能に利用することができる。例えば、表示パネル202にカメラ部208で取得した画像を表示したり、操作パネル203の操作入力のひとつとして、カメラ部208の画像を利用したりすることができる。
また、GPS受信部214が位置を検出する際に、カメラ部208からの画像を参照して位置を検出することもできる。さらには、カメラ部208からの画像を参照して、3軸の加速度センサを用いずに、或いは、3軸の加速度センサと併用して、スマートフォン200のカメラ部208の光軸方向を判断したり、現在の使用環境を判断したりすることもできる。勿論、カメラ部208からの画像をアプリケーションソフトウェア内で利用することもできる。
その他、静止画又は動画の画像データにGPS受信部214により取得した位置情報、マイクロホン206により取得した音声情報(主制御部等により、音声テキスト変換を行ってテキスト情報となっていてもよい)、モーションセンサ部215により取得した姿勢情報等を付加して記憶部212に記憶したり、外部入出力部213又は無線通信部210を通じて出力したりすることもできる。
以上のような構成のスマートフォン200においても、像ぶれ補正装置3が上述してきた構成となっていることで、各種の効果を得ることができる。
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
(1) 撮像素子と、上記撮像素子の端子のうちの電源端子及びグランド端子以外の端子に接続される配線を含む第一の可撓性基板と、上記電源端子及び上記グランド端子に接続される配線を含む第二の可撓性基板と、を含む可動部と、上記可動部を、上記撮像素子の受光面の長手方向と上記受光面の短手方向とに移動自在に支持する支持部材と、を備え、上記第一の可撓性基板は、上記短手方向の一方の方向に延びる第一の部位と、上記第一の部位の端部にて上記短手方向の他方の方向に折り返された折り返し部と、を有し、上記第二の可撓性基板は、上記短手方向の他方の方向に延びる第二の部位と、上記第二の部位の端部にて上記短手方向の一方の方向に折り返された折り返し部と、を有する可動支援装置。
(2) (1)記載の可動支援装置であって、上記第二の可撓性基板の厚みは、上記第一の可撓性基板の厚みよりも大きい可動支援装置。
(3) (1)又は(2)記載の可動支援装置であって、上記可動部は、上記可動部の移動方向における位置を検出するための位置検出素子と、上記可動部を移動させるための駆動用コイルと、を含み、上記第二の可撓性基板は、上記位置検出素子に接続された配線と、上記駆動用コイルに接続された配線と、を更に含む可動支援装置。
(4) (1)~(3)のいずれか1つに記載の可動支援装置を備える像ぶれ補正装置。
(5) (4)記載の像ぶれ補正装置を備える撮像装置。