JP7227180B2

JP7227180B2 - 燃料供給装置

Info

Publication number: JP7227180B2
Application number: JP2020054830A
Authority: JP
Inventors: 敏彦内藤; 優己福田
Original assignee: Hitachi Astemo Ltd
Current assignee: Hitachi Astemo Ltd
Priority date: 2020-03-25
Filing date: 2020-03-25
Publication date: 2023-02-21
Anticipated expiration: 2040-03-25
Also published as: US20210300175A1; US11359588B2; JP2021156184A

Description

本発明は、燃料供給装置、特に燃料タンク内に配置されて燃料タンク内の燃料を吸引・吐出する燃料ポンプと、内燃機関の燃料噴射弁に連なる燃料配管に接続される燃料出口管を有して燃料タンク底部の開口部を閉塞する下部ハウジングと、その下部ハウジングに連結されて燃料タンク内に張出し且つ燃料ポンプを下部ハウジングと協働して保持する上部ハウジングと、それら上部ハウジング及び下部ハウジングに渡って形成されて燃料ポンプの燃料吐出部を燃料出口管に連通させる連通路と、その連通路に接続されて連通路内の燃料圧力が所定値以上になると連通路内の余剰燃料を燃料タンク内に排出するレギュレータと、燃料タンク内の燃料油面を検知する油面センサとを備えた燃料供給装置に関する。

上記燃料供給装置は、例えば特許文献１に開示されるように従来公知であり、このものでは、油面センサが、フロートを先部に支持するアームと、このアームの基部に連結されたロータと、そのロータを回動可能に支持し且つロータの回動角を検出可能な回動検出部と、その回動検出部を支持するセンサ支持腕とを有している。

特開２０１５－１９０４２５号公報

特許文献１の燃料供給装置における油面センサは、上部ハウジングに一体に延設したセンサ支持腕の先部にセンサロータ（即ちフロート付きアームの回動支持部）を配設したことで、油面センサのロータ及び回動検出部を上部ハウジングから極力離している。その理由は、油面センサのロータ及び回動検出部を上部ハウジングから離間させることで、燃料供給装置の燃料タンクへの組付け時に、タンク底部の開口部を、油面センサのロータ及び回動検出部が燃料ポンプよりも先行して単独で通過できるようにして、タンク底部の開口面積を極力小さくするためである。

ところが上部ハウジングには、燃料ポンプを上方から保持するポンプ保持部に加えて、連通路の上半部やレギュレータ保持部も設けられるので、上部ハウジングが全体的に構造複雑で大型の部品となっている。そのため、斯かる上部ハウジングに、更にセンサ支持腕までも一体に形成しようとすると、上部ハウジングの構造が更に複雑且つ大型化してしまい、それらを一体に成型しようとすると大型で構造複雑な成型機が必要となり、コストが高くなる等の問題がある。

本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来装置の上記問題を簡単な構造で解決可能な燃料供給装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本発明は、燃料タンク内に配置されて燃料タンク内の燃料を吸引・吐出する燃料ポンプと、燃料出口管を有して燃料タンク底部の開口部を閉塞する下部ハウジングと、その下部ハウジングに連結されて燃料タンク内に張出し且つ前記燃料ポンプを該下部ハウジングと協働して保持する上部ハウジングと、それら上部ハウジング及び下部ハウジングに渡って形成されて前記燃料ポンプの燃料吐出部を前記燃料出口管に連通させる連通路と、その連通路に接続されて該連通路内の燃料圧力が所定値以上になると該連通路内の余剰燃料を燃料タンク内に排出するレギュレータと、燃料タンク内の燃料油面を検知する油面センサとを備え、前記油面センサが、フロートを先部に支持するアームと、このアームの基部に連結されたロータと、そのロータを回動可能に支持し且つ該ロータの回動角を検出可能な回動検出部と、その回動検出部を支持するセンサ支持腕とを有する燃料供給装置において、前記上部ハウジングに一体に形成されて前記レギュレータの基部外周が嵌合される嵌合筒と、前記上部ハウジングとは別部品として構成されて該嵌合筒と協働して前記レギュレータを保持するレギュレータ保持部材とが、お互いの嵌合部に設けたスナップフィット結合部を介して結合され、前記スナップフィット結合部は、前記レギュレータ保持部材及び前記嵌合筒相互の嵌合部の何れか一方に設けた弾性片に形成した凸部又は凹部を、前記嵌合部の何れか他方に形成した凹部又は凸部に係合させて構成され、前記センサ支持腕は、前記レギュレータ保持部材に一体に成型されることを第１の特徴とする。

また本発明は、第１の特徴に加えて、前記弾性片は、前記レギュレータ保持部材に一体に形成されることを第２の特徴とする。

また本発明は、第２の特徴に加えて、前記レギュレータ保持部材は、前記嵌合筒の外周に嵌合する該レギュレータ保持部材の先部周壁に、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のスリットを有していて、該先部周壁の、周方向に隣り合うスリットで挟まれた部分により、周方向に並ぶ複数の前記弾性片が構成され、前記嵌合筒の外周には、該嵌合筒に前記複数の弾性片が嵌合されるときに少なくとも一部の弾性片の周方向側縁に摺動可能に係合して前記スナップフィット結合部の前記係合を案内する複数のガイド突起が形成されることを第３の特徴とする。

第１の特徴によれば、上部ハウジングに一体に形成されてレギュレータの基部外周が嵌合される嵌合筒と、上部ハウジングとは別部品として構成されて嵌合筒と協働してレギュレータを保持するレギュレータ保持部材とが、お互いの嵌合部に設けたスナップフィット結合部を介して結合され、このスナップフィット結合部は、レギュレータ保持部材及び嵌合筒相互の嵌合部の何れか一方に設けた弾性片に形成した凸部又は凹部を、嵌合部の何れか他方に形成した凹部又は凸部に係合させて構成され、センサ支持腕は、レギュレータ保持部材に一体に成型されるが、レギュレータ保持部材は、レギュレータ保持のための、上部ハウジングとは別個独立した小部品であって、それにセンサ支持腕を一体に成型しても全体的に構造が複雑・大型化する虞れはない。これにより、従来装置の上部ハウジングのようにポンプ保持部、連通路及びレギュレータ保持部を一体化した大型部品にセンサ支持腕を一体に成型する場合に比べ、構造簡単で小型の成型機の使用が可能となり、コスト節減に寄与することができる。特にセンサ支持腕の長さ・角度を異ならせた複数種の燃料供給装置を生産するような場合には、小部品であるレギュレータ保持部材の変更で対応可能であるため、複数種準備する成型機も小型で済み、コスト低減に一層有利となる。

また第２の特徴によれば、弾性片は、レギュレータ保持部材に一体に形成されるので、大型部品である上部ハウジングのレギュレータ用嵌合筒には、スナップフィット結合部の凸部又は凹部を単に設けるだけでよく、弾性片（従ってスリット）を特設する必要はない。即ち、構造複雑化の要因となる弾性片を小型部品であるレギュレータ保持部材に設けたことにより、成型コストの更なる節減に寄与することができる。

また第３の特徴によれば、レギュレータ保持部材は、嵌合筒の外周に嵌合するレギュレータ保持部材の先部周壁に、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のスリットを有していて、該先部周壁の、周方向に隣り合うスリットで挟まれた部分により、周方向に並ぶ複数の弾性片が構成され、嵌合筒の外周には、該嵌合筒に複数の弾性片が嵌合されるときに少なくとも一部の弾性片の周方向側縁に摺動可能に係合してスナップフィット結合部の前記係合を案内する複数のガイド突起が形成される。従って、それらガイド突起で弾性片を摺動案内することで、レギュレータ保持部材の嵌合筒に対する位置決め（延いてはスナップフィット結合部の凹凸係合）を容易且つ的確に行うことができる。しかも上記ガイド突起と弾性片との係合により、レギュレータ保持部材（従ってセンサ支持腕）の嵌合筒に対する回り止めが確実になされるため、装置組立の完了後も、油面センサの上部ハウジングに対する位置ずれが効果的に抑制されて、油面検知精度を長期に亘り良好に維持可能となる。

本発明の一実施形態に係る燃料供給装置の要部縦断面図（図２の１－１線断面図）図１の２－２線断面図上部ハウジングによるレギュレータ・油面センサの支持構造の分解斜視図図３とは別方向から見た、前記レギュレータ・油面センサの支持構造の分解斜視図図４と同一方向から見た、前記レギュレータ・油面センサの支持構造の組立状態を示す斜視図

以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。

先ず、図１において、鞍乗り型車両、例えば自動二輪車に搭載される燃料タンクＴの底壁Ｔｂには、燃料タンクＴ内の燃料を吸引加圧して車載エンジンの燃料噴射弁に供給する燃料ポンプモジュールＦＭが取付けられる。

この燃料ポンプモジュールＦＭは、燃料タンクＴに固定のハウジング１０と、ハウジング１０に収容、保持される電動式のポンプユニットＵと、ポンプユニットＵの吸込側に接続されるフィルタ４０と、ハウジング１０の上部に配設されてポンプユニットＵの吐出油圧を所定の上限値以下に規制するプレッシャレギュレータＲと、燃料タンクＴ内の燃料油面を検知する油面センサ３０とを備える。次に、図２～図５を併せて参照して、燃料ポンプモジュールＦＭの上記構成要素について順次説明する。

ポンプユニットＵは、ハウジング１０内で上下方向に延びる円筒状のユニットケースＵｃを有し、そのユニットケースＵｃには、図示はしないが燃料ポンプ部及びこれを回転駆動する電動モータ部が内蔵される。またユニットケースＵｃの下端部には吸込部Ｕｉが、また上端部には吐出部Ｕｏがそれぞれ突設される。その吸込部ＵｉにはＬ字状の接続管４１の一端部が接続され、接続管４１の他端部は、ハウジング１０内に配置、保持されたフィルタ４０に接続される。

フィルタ４０は、例えば網材で扁平袋状に形成された柔軟な外皮内に濾材を収納して構成され、その外皮の一側面に、濾材内に通じる被取付部４０ａが接合される。その被取付部４０ａに接続管４１の前記他端部が接続される。従って、ポンプユニットＵが作動すると、燃料タンクＴ内の燃料がフィルタ４０で濾過された後、接続管４１を経て吸込部ＵｉからユニットケースＵｃ内の燃料ポンプ部に吸引され、吐出部Ｕｏ側へ吐出される。

而して、燃料ポンプモジュールＦＭは、本発明の燃料供給装置の一例であり、またポンプユニットＵは、本発明の燃料ポンプの一例である。

燃料タンクＴの底壁Ｔｂには、燃料ポンプモジュールＦＭを装着するための開口部Ｔｏが形成され、その開口部Ｔｏを塞ぐようにして燃料ポンプモジュールＦＭの合成樹脂製のハウジング１０が底壁Ｔｂに取付けられる。

ハウジング１０は、前記開口部Ｔｏを塞ぐ蓋部を兼ねる下部ハウジング１１と、この下部ハウジング１１に着脱可能に結合されて燃料タンクＴ内に延びる上部ハウジング１２とで分割構成され、それら下部ハウジング１１及び上部ハウジング１２間にポンプユニットＵが軸方向（即ち上下方向）に挟持される。

下部ハウジング１１は、上部を前記開口部Ｔｏに嵌合させる有底円筒状の下部ハウジング本体１１ｍと、下部ハウジング本体１１ｍの中間部外周に一体に突設されて燃料タンクＴの底壁Ｔｂ、特に開口部Ｔｏ周辺部下面に接合される環状鍔部１１ｆとを備える。その環状鍔部１１ｆと燃料タンクＴの底壁Ｔｂ下面との間には、その間を油密にシールする環状のシール部材４３と、その間を着脱可能に結合する結合手段（例えばボルト４４・ウエルドナット４５）が介装される。

尚、上記結合手段は、実施形態に限定されず、環状鍔部１１ｆと底壁Ｔｂ間を着脱可能に結合する種々の結合手段を実施可能である。例えば、環状鍔部１１ｆに係合し且つ底壁Ｔｂに結合（例えばボルト止め）したリテーナを介して環状鍔部１１ｆを底壁Ｔｏに固定してもよい。

また下部ハウジング本体１１ｍの内面には、ポンプユニットＵの下端をクッション４７を介して支持する支持突部１９が形成される。

更に下部ハウジング本体１１ｍには上下方向の貫通孔１３が形成され、この貫通孔１３の下部には、燃料出口管１４の基部が油密に嵌着（例えば圧入）される。この燃料出口管１４は、これの基部がハウジング１０に設けた後述する連通路１５と連通し、また先部が図示しない内燃機関の燃料噴射弁に燃料配管を介して連通する。

尚、図示はしないが、下部ハウジング本体１１ｍの外周壁部には、燃料タンクＴ外の電子制御装置に連なる外部配線に対して接続可能なカプラ部が一体に形成（本実施形態では合成樹脂の一体成形）され、そのカプラ部が保持する接続端子は、ポンプユニットＵの電動モータ部や前記油面センサＳの信号出力部（即ち後述する回動検出部３５）に接続される。

次に上部ハウジング１２の構造を説明する。

上部ハウジング１２は、下部ハウジング１１の外周上端に載置、支持され且つポンプユニットＵを囲繞する円形リング板状のベース部１２ｂと、ポンプユニットＵを挟んで一方側でベース１２ｂより一体に立ち上がる支柱部１２ａと、ポンプユニットＵを挟んで他方側でベース１２ｂより一体に立ち上がり且つフィルタ４０の外側を覆う横断面円弧状の囲い壁部１２ｃと、支柱部１２ａ及び囲い壁部１２ｃ間を接続するようにしてベース１２ｂより一体に立ち上がり且つポンプユニットＵを同心状に囲繞する横断面円弧状のユニット抱持壁部１２ｕと、支柱部１２ａの直下でベース部１２ｂよりも下方に一体に延出する接続筒部１２ｅとを備える。

上記ベース部１２ｂは、これの周方向に間隔をおいて並ぶ複数のボルト４６により、下部ハウジング１１に着脱可能に結合される。それらボルト４６は、ユニット抱持壁部１２ｕの径方向外側位置でベース部１２ｂを貫通して下部ハウジング１１に螺挿される
また囲い壁部１２ｃは、それの内外を連通させる貫通孔１２ｃｈ又は切欠き部を有する。従って、囲い壁部１２ｃの内方に位置するフィルタ４０は、囲い壁部１２ｃの上端開放部や貫通孔１２ｃｈを通して燃料タンクＴ内と常時連通する。しかも囲い壁部１２ｃの周方向両端部は径方向内方側に屈曲していて、ユニット抱持壁部１２ｕと一体に繋がる。

また、接続筒部１２ｅは、下部ハウジング１２の前記貫通孔１３の上部に油密に嵌合され、従って接続筒部１２ｅ内は、貫通孔１３を介して燃料出口管１４に連通する。

支柱部１２ａの上部には、囲い壁部１２ｃの上方空間に向かって横向きに延出する延出筒部１２ｄが一体に連設され、この延出筒部１２ｄの先部は二重円筒管状に形成されていて、プレッシャレギュレータＲの基部Ｒｍｂ外周を嵌合させる嵌合筒１６を構成する。また延出筒部１２ｄの中間部周壁には、下向きに突出してポンプユニットＵの吐出部Ｕｏに油密に嵌合される支持筒部１２ｄａ及び支持突起１２ｄｂが一体に突設される。それら支持筒部１２ｄａ及び支持突起１２ｄｂ並びに支柱部１２ａ上部と、前記ユニット抱持壁部１２ｕの上端との間は、ポンプユニットＵを上方より覆う覆い壁部１２ｔを介して一体に接続される。

延出筒部１２ｄ内を水平に通る横油路１７は、支柱部１２ａ内及び接続筒部１２ｅ内を縦通するよう延びる縦油路１８の上端に直接連通している。而して、それら横油路１７及び縦油路１８は、ポンプユニットＵの吐出部Ｕｏを燃料出口管１４に連通させるべくハウジング１０に設けられる本発明の連通路１５を構成する。

プレッシャレギュレータＲは、通常は閉弁状態に保持され、且つポンプユニットＵの吐出油圧が設定値を超えるとその圧力で開弁して吐出油の一部を燃料タンクＴ内に還流させるよう構成され、その構造・機能は、従来周知のプレッシャレギュレータと同様である。特に実施形態のプレッシャレギュレータＲは、段付き円筒状をなすレギュレータ本体Ｒｍの基端に、前記連通路１５の上流部に臨む入口Ｒｉが設けられ、またレギュレータ本体Ｒｍの基部Ｒｍｂ外周に出口Ｒｏがそれぞれ設けられ、更にレギュレータ本体Ｒｍの中間部外周には環状フランジＲｍｆが突設される。

而して、プレッシャレギュレータＲは、入口Ｒｉからレギュレータ本体Ｒｍ内に流入したポンプユニットＵからの吐出油が設定値を超えると、レギュレータ本体Ｒｍ内の不図示の常閉弁を開弁動作させて出口Ｒｏ側に余剰油を排出させる。

その出口Ｒｏには、中間部が屈曲したガイド管２５の基部が嵌合固定（例えば圧入）される。そのガイド管２５の先部は、前記嵌合筒１６の周壁の切欠き部１６ｃ（図３参照）を通して前記囲い壁部１２ｃ内に余剰油を誘導、流下させる。本実施形態のガイド管２５の基部寄りの中間部外周には矩形状のフランジ部２５ｆが突設され、このフランジ部２５ｆは、嵌合筒１６の前記切欠き部１６ｃ両内側縁より起立する一対の係止爪１６ｔ相互に挟まれるように係止される。

プレッシャレギュレータＲは、上部ハウジング１２に一体に形成した上記嵌合筒１６と、上部ハウジング１２とは別部品であって嵌合筒１６に嵌合されるレギュレータ保持部材２０との間で挟持、固定される。レギュレータ保持部材２０は、プレッシャレギュレータＲの先部Ｒｍａ外周を嵌装可能として概略円筒状に形成される。

そのレギュレータ保持部材２０の中間部内周面には、周方向に延びる段差２０ｋ（図１，図４参照）が形成され、この段差２０ｋと嵌合筒１６の外端との間に、レギュレータ本体Ｒｍ外周の環状フランジＲｍｆが挟着、固定される。

また嵌合筒１６とレギュレータ保持部材２０との間は、互いの嵌合部に設けたスナップフィット結合部Ｊ１を介して着脱可能に結合される。

このスナップフィット結合部Ｊ１は、レギュレータ保持部材２０及び嵌合筒１６相互の嵌合部の何れか一方（図示例はレギュレータ保持部材２０の基部）に周方向に間隔をおいて設けた複数の弾性片２０ａに形成した凸部又は凹部（図示例は凹部２１）を、嵌合部の何れか他方（図示例は嵌合筒１６）に周方向に間隔をおいて形成した凹部又は凸部（図示例は凸部１６ａ）に係合させて構成される。

より具体的に説明すると、レギュレータ保持部材２０の、嵌合筒１６外周と嵌合させる先部周壁は、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のスリット２０ｓを有していて、その先部周壁の、周方向に隣り合うスリット２０ｓで挟まれた部分により、周方向に並ぶ複数の上記弾性片２０ａが構成される。また、嵌合筒１６の外周面には、嵌合筒１６に複数の弾性片２０ａが嵌合されるときに少なくとも一部の弾性片２０ａの周方向側縁に摺動可能に係合して上記スナップフィット結合部Ｊ１の係合を案内する複数のガイド突起１６ｇが、プレッシャレギュレータＲの軸線に沿う直線状に形成される。

ところで油面センサ３０は、燃料タンクＴ内の油面に浮かぶフロート３１を先部に支持する細長いアーム３２と、このアーム３２の基部に連結された円盤状のロータ３３と、そのロータ３３を回動可能に支持し且つロータ３３の回動角を検出可能な回動検出部３５とと、その回動検出部３５を支持するセンサ支持腕３４とを有する。

その回動検出部３５は、センサ支持腕３４の板面に重なり合う扁平な検出部本体３５ｍと、その検出部本体３５ｍにロータ３３の周方向に間隔をおいて連設した複数の保持爪３５ｔとを有している。それら保持爪３５ｔは、ロータ３３を相対回動可能に且つ分離不能に係合、保持する。

さらに検出部本体３５ｍとセンサ支持腕３４との対向面間には、その間を着脱可能に結合するスナップフィット結合部Ｊ２が設けられる。スナップフィット結合部Ｊ２は、例えば検出部本体３５ｍとセンサ支持腕３４との対向面の何れか一方に設けた係止爪３５ｍａと、何れか他方に設けた係止孔３４ｈとを備える。

またセンサ支持腕３４は、レギュレータ保持部材２０の基部２０ｂ（即ち嵌合筒１６とは反対側の端部）外周に連結枠２３を介して一体に結合される。その連結枠２３は、本実施形態では横断面コ字状に形成されてレギュレータ保持部材２０の基部２０ｂ外周より一体に起立しており、その連結枠２３の一側端部にセンサ支持腕３４の基部が一体に結合され、センサ支持腕３４と連結枠２３間には、その間に跨がって延びる補強リブ２４が一体に結合される。而して、レギュレータ保持部材２０は、合成樹脂材により、連結枠２３及び補強リブ２４も含めてセンサ支持腕３４と一体に成型される。

次に実施形態の作用について説明する。

燃料ポンプモジュールＦＭにおいて、通電によりポンプユニットＵが作動すると、燃料タンクＴ内の燃料がフィルタ４０で濾過された後、接続管４１を経て吸込部ＵｉからユニットケースＵｃ内の燃料ポンプ部に吸引される。そして、その燃料ポンプ部で加圧されて吐出部Ｕｏから吐出された燃料は、ハウジング１０内の連通路１５を経て燃料出口管１４に達し、そこから外部配管を経て燃料噴射弁に供給される。

この間、プレッシャレギュレータＲは、通常は閉弁状態に保持されるが、ポンプユニットＵの吐出油圧が設定値を超えるとその圧力で開弁して吐出油の一部をガイド管２５から燃料タンクＴ内（特に囲い壁部１２ｃ内）に流下、還流される。これにより、ポンプユニットＵからの吐出圧が設定値以下に規制される。

以上説明したように本実施形態の燃料ポンプモジュールＦＭでは、上部ハウジング１２に一体に形成されてレギュレータＲの基部外周が嵌合される嵌合筒１６と、上部ハウジング１２とは別部品として製作されて嵌合筒１６と協働してレギュレータＲを保持するレギュレータ保持部材２０とが、お互いの嵌合部に設けたスナップフィット結合部Ｊ１を介して結合され、このスナップフィット結合部Ｊ１が、レギュレータ保持部材２０及び嵌合筒１６相互の嵌合部の何れか一方に設けた弾性片２０ａに形成した凸部１６ａ又は凹部２１を、同嵌合部の何れか他方に形成した凹部２１又は凸部１６ａに係合させて構成されている。

そして、特にセンサ支持腕３４は、レギュレータ保持部材２０に一体に成型されるが、レギュレータ保持部材２０は、レギュレータＲの保持のための、上部ハウジング１２とは別個独立した小部品であって、それにセンサ支持腕３４を一体に成型しても全体的に構造が複雑・大型化する虞れはない。これにより、従来装置の上部ハウジング１２のようにポンプ保持部、連通路及びレギュレータ保持部を有する大型部品にセンサ支持腕を一体に成型する場合に比べ、構造簡単で小型の成型機の使用が可能となり、コスト節減に寄与することができる。特にセンサ支持腕３４の長さ・角度を異ならせた複数種の燃料ポンプモジュールＦＭを生産する場合には、小部品であるレギュレータ保持部材２０の変更で対応可能であるため、複数種準備する成型機も小型で済み、コスト低減に一層有利となる。

また実施形態の弾性片２０ａは、特にレギュレータ保持部材２０に一体に形成されるので、大型部品である上部ハウジング１２のレギュレータ用嵌合筒１６には、スナップフィット結合部Ｊ１の凸部１６ａ又は凹部を単に設けるだけでよく、弾性片２０ａ（従ってスリット２０ｓ）を特設する必要はない。即ち、構造複雑化の要因となる弾性片２０ａを小型部品であるレギュレータ保持部材２０に設けたことにより、成型コストの更なる節減に寄与することができる。

更にレギュレータ保持部材２０は、嵌合筒１６を嵌合させる先部周壁に、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のスリット２０ｓを有していて、その先部周壁の、周方向に隣り合うスリット２０ｓで挟まれた部分により、周方向に並ぶ複数の弾性片２０ａが構成され、嵌合筒１６の外周には、これに複数の弾性片２０ａが嵌合されるときに少なくとも一部の弾性片２０ａの周方向側縁に摺動可能に係合してスナップフィット結合部Ｊ１の前記係合を案内する複数のガイド突起１６ｇが形成される。

これにより、それらガイド突起１６ｇで弾性片２０ａを摺動案内することで、レギュレータ保持部材２０の嵌合筒１６に対する位置決め（延いてはスナップフィット結合部Ｊ１の凹凸係合）を容易且つ的確に行うことができる。しかも上記ガイド突起１６ｇと弾性片２０ａとの係合により、レギュレータ保持部材２０（従ってセンサ支持腕３４）の嵌合筒１６に対する回り止めが確実になされるため、装置組立の完了後も、油面センサ３０の上部ハウジング１２に対する位置ずれが効果的に抑制されて、油面検知精度を長期に亘り良好に維持することができる。

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

例えば、前記実施形態では、上部ハウジング１２と下部ハウジング１１間を着脱可能に結合する結合手段としてボルト４６を用いたものを示したが、その間を他の結合手段（例えば、圧入手段、或いは、スナップフィット結合部Ｊ１，Ｊ２と類似構造のスナップフィット結合手段）を用いてもよい。

また前記実施形態では、燃料出口管１４が下部ハウジング１１とは別部品に形成されて下部ハウジング１１に後付けで油密に固定（即ち貫通孔１３に圧入）されるものを示したが、燃料出口管１４は、下部ハウジング本体１１と一体に形成してもよい。

ＦＭ・・・・燃料供給装置としての燃料ポンプモジュール
Ｊ１・・・・スナップフィット結合部
Ｒ・・・・・レギュレータとしてのプレッシャレギュレータ
Ｔ・・・・・燃料タンク
Ｔｂ・・・・底壁
Ｔｏ・・・・開口部
Ｕ・・・・・燃料ポンプとしてのポンプユニット
Ｕｉ・・・・吸入部
Ｕｏ・・・・吐出部
１１・・・・下部ハウジング
１２・・・・上部ハウジング
１４・・・・燃料出口管
１５・・・・連通路
１６・・・・嵌合筒
１６ａ・・・凸部
１６ｇ・・・ガイド突起
２０・・・・レギュレータ保持部材
２０ａ・・・弾性片
２０ｓ・・・スリット
２１・・・凹部
３０・・・・油面センサ
３１・・・・フロート
３２・・・・アーム
３３・・・・ロータ
３４・・・・センサ支持腕
３５・・・・回動検出部

Claims

燃料タンク（Ｔ）内に配置されて燃料タンク（Ｔ）内の燃料を吸引・吐出する燃料ポンプ（Ｕ）と、燃料出口管（１４）を有して燃料タンク（Ｔ）底部の開口部（Ｔｏ）を閉塞する下部ハウジング（１１）と、その下部ハウジング（１１）に連結されて燃料タンク（Ｔ）内に張出し且つ前記燃料ポンプ（Ｕ）を該下部ハウジング（１１）と協働して保持する上部ハウジング（１２）と、それら上部ハウジング（１２）及び下部ハウジング（１１）に渡って形成されて前記燃料ポンプ（Ｕ）の燃料吐出部（Ｕｏ）を前記燃料出口管（１４）に連通させる連通路（１５）と、その連通路（１５）に接続されて該連通路（１５）内の燃料圧力が所定値以上になると該連通路（１５）内の余剰燃料を燃料タンク（Ｔ）内に排出するレギュレータ（Ｒ）と、燃料タンク（Ｔ）内の燃料油面を検知する油面センサ（３０）とを備え、
前記油面センサ（３０）が、フロート（３１）を先部に支持するアーム（３２）と、このアーム（３２）の基部に連結されたロータ（３３）と、そのロータ（３３）を回動可能に支持し且つ該ロータ（３３）の回動角を検出可能な回動検出部（３５）と、その回動検出部（３５）を支持するセンサ支持腕（３４）とを有する燃料供給装置において、
前記上部ハウジング（１２）に一体に形成されて前記レギュレータ（Ｒ）の基部外周が嵌合される嵌合筒（１６）と、前記上部ハウジング（１２）とは別部品として構成されて該嵌合筒（１６）と協働して前記レギュレータ（Ｒ）を保持するレギュレータ保持部材（２０）とが、互いの嵌合部に設けたスナップフィット結合部（Ｊ１）を介して結合され、前記スナップフィット結合部（Ｊ１）は、前記レギュレータ保持部材（２０）及び前記嵌合筒（１６）相互の嵌合部の何れか一方に設けた弾性片（２０ａ）に形成した凸部（１６ａ）又は凹部（２１）を、前記嵌合部の何れか他方に形成した凹部（２１）又は凸部（１６ａ）に係合させて構成され、
前記センサ支持腕（３４）は、前記レギュレータ保持部材（２０）に一体に成型されることを特徴とする燃料供給装置。
前記弾性片（２０ａ）は、前記レギュレータ保持部材（２０）に一体に形成されることを特徴とする、請求項１に記載の燃料供給装置。
前記レギュレータ保持部材（２０）は、前記嵌合筒（１６）の外周に嵌合する該レギュレータ保持部材（２０）の先部周壁に、周方向に間隔をおいて並ぶ複数のスリット（２０ｓ）を有していて、該先部周壁の、周方向に隣り合うスリット（２０ｓ）で挟まれた部分により、周方向に並ぶ複数の前記弾性片（２０ａ）が構成され、
前記嵌合筒（１６）の外周には、該嵌合筒（１６）に前記複数の弾性片（２０ａ）が嵌合されるときに少なくとも一部の弾性片（２０ａ）の周方向側縁に摺動可能に係合して前記スナップフィット結合部（Ｊ１）の前記係合を案内する複数のガイド突起（１６ｇ）が形成されることを特徴とする、請求項２に記載の燃料供給装置。