JP7226985B2 - 体温上昇剤組成物 - Google Patents
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Description
こうした状況に対して障害部位の局所で十分な治療効果を有し、全身への影響が少なく、且つ高齢者に対しても安全性が高く、末梢血流障害によって惹起される冷感、痺れ、疼痛等の症状を治療しうる体温上昇剤の開発が切望されている。
体温上昇のためには局部のマッサージやサウナなどの温浴療法による外部温熱装置からの加温が有効とされている。しかしながらマッサージでは効果が一時的であること、またサウナによる温浴療法は体表面からの加温によるため加温効率が悪く、大量の熱源が必要となってしまうことなど問題点が生じる。
これまで体温上昇剤としてアザミ族植物又はその抽出物(特許文献1)、15-ケトプロスタグランジンE類(特許文献2)や体温上昇装置として呼吸器を加熱する人体深部体温上昇装置(特許文献3)の提案がなされている。これらの提案は末梢における体温の上昇、深部体温の上昇に関わる発明であるが、体温上昇剤については摂取により一時的な効果は見込めるものの、長時間にわたった持続性があるとは限らず、体温上昇装置については大型の設備が必要になるなどの問題点が生じてしまう。
本発明は以下を提供する。
(1)ローゼルの有機溶媒抽出物を含む、体温上昇剤組成物。
(2)有機溶媒抽出物の有機溶媒が、アルコールを含む、(1)記載の体温上昇剤組成物。
(3)有機溶媒抽出物の有機溶媒が、アルコール及びアルカンを含む、(2)記載の体温上昇剤組成物。
(4)経口投与または非経口投与用組成物である、(1)~(3)のいずれか一に記載の体温上昇剤組成物。
(5)医薬、化粧品、または食品である、(1)~(4)のいずれか一に記載の体温上昇剤組成物。
ローゼルは、学名をHibiscus sabdariffa Lといい、アオイ科フヨウ属に属する植物である。
ローゼルは萼や蔕はハイビスカスティーとして親しまれ、葉はアジアでは野菜として生食されていることが知られており、食経験が豊富であり、安全性の高い食品であるといえる。
ローゼル(植物体)の全体を抽出に用いてもよく、葉、茎、花(萼(がく)及び蔕(へた)を用いてもよい。特に萼及び/又は蔕の部分を用いることが好ましい。
ローゼルは、収穫した後そのまま抽出に用いてもよく、または乾燥したものを用いてもよく、さらに凍結乾燥したものや、乾燥後に粉末状にしたものを用いてもよい。
有機溶媒としては特に制限は無いが、例えば、メタノール、含水メタノール、エタノール、含水エタノール、プロパノール、含水プロパノール、ブタノール等のアルコール類あるいは含水アルコール類を例とするアルコール含有溶媒、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等の酸エステル類、ジエチルエーテル等のアルキルエーテル類、ペンタン、ヘキサン等のアルカン類、さらに前記有機溶媒の2以上の組合せが挙げられる。
アルコールを含む有機溶媒が好ましく、より好ましくは、エタノール、含水エタノールを含むアルコールが挙げられる。含水エタノールは、エタノール含量が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
本発明の有機溶媒としてさらに好ましくは、アルコール及びアルカンを含む。アルカンとして好ましくは炭素数5~8までの非環式アルカンであり、より好ましくはヘキサンである。
有機溶媒の量は、植物の状態(乾燥しているか否か、粉末状かどうか)や溶媒の種類により適宜変えることができるが、例えば、ローゼルの乾燥物1gに対して1~200ml程度、あるいは10~50ml程度である。
2種類以上の異なる溶媒を組合わせて抽出する場合には、これらの溶媒を単に混合して用いてもよく、あるいは、1種類の溶媒でまず抽出を行い、それを濃縮し、その後さらに他の溶媒を加えて抽出を行ってもよい。
2種類以上の異なる溶媒を組合わせて抽出する場合には、例えば、ローゼルの乾燥物1gに対して、第1の溶媒を1~200ml程度、好ましくは10~50ml程度用いて抽出し、濃縮後、第2の溶媒を第1の溶媒と同程度用いてさらに抽出を行ってもよい。
植物由来の固形物を濾過して除いた濾過物を濃縮して得られた濃縮物をそのまま用いてもよく、あるいはさらに水相-有機相に分配して、有機相の濃縮物を用いてもよい。
本明細書において体温上昇効果は、コントロール(プラセボ)に対し、有意に温度上昇が見られることであり、好ましくは30分以上有意な温度上昇が継続することである。
本発明のローゼル有機溶媒抽出物を含む体温上昇剤組成物は、効果を奏する量において適宜投与することができる。例えばヒトを含む哺乳動物に対し、一日あたり0.01g/kg体重~0.1g/kg体重程度で投与してもよい。
本発明のローゼル有機溶媒抽出物を含む体温上昇剤組成物は、助剤と共に任意の形態に製剤化して、経口投与又は非経口投与が可能である。例えば、経口投与用の剤形としては、例えば錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒等の固形投薬形態、シロップ及び懸濁液のような液体投薬形態が挙げられる。非経口投与用の剤形としては、例えば注射剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤、坐剤、皮膚外用剤の形態が挙げられる。
液体投薬形態とする場合、本発明のローゼル抽出物は、必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、等張化剤、安定化剤、防腐剤等の存在下、常法により製剤化することができる。
ローゼル凍結乾燥物44.2gに880mlの80%エタノールをセパラブルフラスコに添加し、70℃に加温しながら2時間攪拌しながら抽出を行った。抽出液はエバポレーターにより濃縮し、20.1686gのローゼルエタノール抽出物を得た。
ローゼルエタノール抽出物に対して700mlのヘキサン、100mlのエタノール、200mlの蒸留水を添加し、溶媒分配を行った。分配後は上層を採取し、エバポレーターにより濃縮を行い562.2mgのローゼルエタノール-ヘキサン抽出物を得た。ローゼルエタノール-ヘキサン抽出物は25mg/mlの濃度になるようにvehicle(生理食塩水+3%エタノール+10%Tween80)に溶解し、動物試験に使用した。
C57BL/6マウス雄8~9週齢をペントバルビタール10mg/kgを腹腔投与により麻酔を実施し、正向反射の消失を確認した。麻酔後は首部の左側を開き、頚動脈を露出させた後、慢性実験テレメトリー自動測定システム送信機HD-X10(プライムテック社)のカテーテルを頚動脈に注入し、また腹部には送信機本体を埋没し、縫合した。縫合後は4日間の回復期間の後、慢性実験テレメトリー自動測定システムPhysiol Tel and PONEMAH (プライムテック社)の受信ステージにケージをセットし、マウスを6匹1群としてコントロール群(vehicle投与)および、ローゼルエタノール-ヘキサン抽出物群(ローゼルエタノール-ヘキサン抽出物 100mg/kg/4ml in vehicle)の2群を同一個体において連続で測定した。測定は午前9~10時を投与前測定とし、午前10時ちょうどに経口投与を行い、そこから23時間にわたってデータを採取した。採取したデータは1時間ごとにまた、投与後直後1時間以内においては1分ごとにデータを平均化し、投与前測定前体温からの変化量(体温変化)を経時的に示した。
得られたデータは群間ごとにt検定を行い、p値が0.05以下となる点にはグラフ上に**をつけた(図1)。
なお、本試験に供したマウスはローゼルエタノール-ヘキサン抽出物の経口投与後14日間以上生存した。
本発明の体温上昇剤組成物は冷え性の症状の改善のみならず、日常生活での体温の上昇によって基礎代謝が高くなるという著効を奏することも期待される。また即時的な体温上昇効果も示すことからアスリートなどへのウォーミングアップの補助剤としての用途も期待される。
Claims (4)
- ローゼルに含水エタノールを加えて、ローゼルの含水エタノール抽出物を得る工程と、
前記含水エタノール抽出物にヘキサンを加えて、ローゼルの含水エタノール-ヘキサン抽出物を得る工程と、
を含む、ローゼルの含水エタノール-ヘキサン抽出物を有効成分として含む体温上昇剤組成物の製造方法。 - ローゼルの含水エタノール抽出物を得る工程が、ローゼルにエタノール含有量が50質量%以上の含水エタノールを加えて加温攪拌することを含み、
ローゼルの含水エタノール-ヘキサン抽出物を得る工程が、前記含水エタノール抽出物を濃縮後、ヘキサン、エタノール及び水を加えて溶媒分配を行い、上層を得ることを含む、請求項1記載の体温上昇剤組成物の製造方法。 - 体温上昇剤組成物が、経口投与用または非経口投与用組成物である、請求項1または2に記載の体温上昇剤組成物の製造方法。
- 体温上昇剤組成物が、医薬、化粧品、または食品の形態にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の体温上昇剤組成物の製造方法。
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Title |
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FoodStyle21, 2018, Vol.22 No.7, p.30-37 |
株式会社わかさ生活HP 「わかさの秘密 ハイビスカス」,2016年03月01日,https://himitsu.wakasa.jp/contents/hibiscus/ |
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