JP7226927B2 - ガラス、光学ガラスおよび光学素子 - Google Patents

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本発明は、ガラス、光学ガラスおよび光学素子に関する。
光学系の設計において、高屈折率高分散性の光学ガラスは、色収差を補正し、光学系を高機能化、コンパクト化する上で利用価値が高い。
光学系で使用されるこのような光学ガラスの製造方法として、ガラスを再加熱して成形する、リヒートプレス製法が挙げられる。この製法において、ケイ酸塩系の高屈折率高分散性光学ガラスでは、再加熱の際に分相が生じやすい。分相が生じると、再加熱時のガラスの流動性が悪くなって所望の形状に成形できないことがある。また、この分相は、レンズ等光学素子における内部欠陥(たとえば反射光に対する輝点、ヒビ、脈理等)の原因となる。したがって、リヒートプレス製法において内部欠陥の発生を抑制して所望の形状に成形できる、すなわち、リヒートプレス成形性が良好なケイ酸塩系の高屈折率高分散性光学ガラスが求められている。
また、光学系の設計において、一次の色収差の補正は、異なるアッベ数を有する二種類のガラスを組合せて行われる。二次の色収差補正に使用するガラスは、アッベ数に加え、部分分散比を考慮して選択される。特に、高屈折率高分散性の光学ガラスにおいては、部分分散比が小さいものが二次の色収差補正に適している。
特許文献1~5には、ケイ酸塩系の高屈折率高分散性光学ガラスが開示されている。しかし、いずれのガラスもアッベ数および部分分散比の観点から、二次の色収差補正には、さらなる改善が求められる。
特開2001―342035号公報 特開2012-206894号公報 特開2014-201476号公報 特開昭60-21828号公報 特開昭59-8637号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、リヒートプレス成形性が良好で、二次の色収差補正に好適なガラス、光学ガラスおよび光学素子を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕アッベ数νdが20~35であり、
およびNbを含有し、
部分分散比Pg,Fが下記式(1)を満たす、ケイ酸塩ガラス。
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68900 ・・・(1)
〔2〕アッベ数νdが20~35であり、
およびNbを含有し、
Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するNbの含有量の質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]が0.6110より大きい、ケイ酸塩ガラス。
〔3〕上記〔1〕または〔2〕に記載のガラスからなる光学ガラス。
〔4〕上記〔3〕に記載の光学ガラスからなる光学素子。
本発明によれば、リヒートプレス成形性が良好で、二次の色収差補正に好適なガラス、光学ガラスおよび光学素子を提供できる。
以下、本発明の一態様について説明する。なお、本発明および本明細書において、ガラス組成は、特記しない限り、酸化物基準で表示する。ここで「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されてガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいい、各ガラス成分の表記は慣習にならい、SiO、TiOなどと記載する。ガラス成分の含有量および合計含有量は、特記しない限り質量基準であり、「%」は「質量%」を意味する。
ガラス成分の含有量は、公知の方法、例えば、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)等の方法で定量することができる。また、本明細書および本発明において、構成成分の含有量が0%とは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、該成分が不可避的不純物レベルで含まれることを許容する。
以下、本実施形態に係るガラスをについて詳しく説明する。まず、第1実施形態として部分分散比Pg,Fの観点からガラスを説明し、次に、第2実施形態としてガラス成分の質量比の観点からガラスを説明する。さらに、その他の実施形態として実施形態A、実施形態B、および実施形態Cについて説明する。
第1実施形態
第1実施形態に係るガラスは、
アッベ数νdが20~35であり、
およびNbを含有し、
部分分散比Pg,Fが下記式(1)を満たす、ケイ酸塩ガラスである。
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68900 ・・・(1)
第1実施形態に係るガラスは、ガラスのネットワーク形成成分として主にSiOを含有する、ケイ酸塩ガラスである。SiOの含有量は、好ましくは0%を超え、その下限は、1%、5%、10%、15%、20%、25%の順により好ましい。また、SiOの含有量の上限は、好ましくは60%であり、さらには50%、40%、39%、38%、37%、36%、35%の順により好ましい。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分として、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性、耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。一方、SiOの含有量が多いと、ガラスの耐失透性が低下する傾向があり、Pg,Fを増加させる。そのため、したがって、SiOの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
第1実施形態に係るガラスは、Pを含有する。Pの含有量の下限は、好ましくは0.1%であり、さらには0.3%、0.5%、0.7%、0.9%、1.1%、1.3%、1.5%、1.7%、1.9%の順により好ましい。また、Pの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには7%、5%、3%の順により好ましい。
の含有量の下限が上記を満たすことで、リヒートプレス成形性を向上できる。また、Pの含有量の上限が上記を満たすことで、部分分散比Pg,Fの増加を抑制し、ガラスの熱的安定性を保持でき、リヒートプレス成形性を向上できる。
第1実施形態に係るガラスは、Nbを含有する。Nbの含有量の下限は、1%であってもよく、さらには10%、20%、24%、25%、30%、35%、40%、または43%であってもよい。また、Nbの含有量の上限は、好ましくは80%であり、さらには60%、55%、50%、45%の順により好ましい。
Nbの含有量の下限が上記を満たすことで、部分分散比Pg,Fの低減された、高屈折率高分散性のガラスを得ることができる。また、Nbは、ガラスの熱的安定性および化学的耐久性を改善するガラス成分でもある。したがって、Nbの含有量の上限が上記を満たすことで、ガラスの熱的安定性および化学的耐久性を良好に保持し、リヒートプレス成形性を向上できる。
第1実施形態に係るガラスにおいて、アッベ数νdは20~35である。アッベ数νdは22~33であってもよく、23~31であってもよく、23~27であってもよく、23~26であってもよい。
アッベ数νdを上記範囲とすることで、高分散性のガラスを得ることができる。
アッベ数νdは、高分散化に寄与するガラス成分である、Nb、TiO、WOおよびBiの含有量を調整することにより制御できる。
第1実施形態に係るガラスにおいて、部分分散比Pg,Fは下記式(2)を満たす。部分分散比Pg,Fは好ましくは下記式(3)、より好ましくは下記式(4)、さらに好ましくは下記式(5)を満たす。部分分散比Pg,Fが下記式を満たすことにより、二次の色収差補正に好適な光学ガラスを提供することができる。
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68900 ・・・(2)
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68800 ・・・(3)
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68600 ・・・(4)
Pg,F≦-0.00286×νd+0.68400 ・・・(5)
部分分散比Pg,Fは、g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、下式(6)のように表される。
Pg,F=(ng-nF)/(nF-nC) ・・・(6)
部分分散比はPg,Fは、後述する、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(SiO+P+B)]、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[P/(SiO+P+B)]、質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]を調整することで制御できる。
(ガラス成分)
本発明の第1実施形態における上記以外のガラス成分の含有量および比率について、以下に詳述する。
本実施形態に係るガラスにおいて、Bの含有量は、好ましくは20%以下であり、さらには10%以下、5%以下、3%以下、1%以下の順により好ましい。Bの含有量は0%であってもよい。
は、ガラスのネットワーク形成成分であり、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。一方、Bの含有量が多いと、ガラス熔融時にガラス成分の揮発量が増加するおそれがある。また、高分散化を妨げ、耐失透性が低下する傾向がある。そのため、Bの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Alの含有量は、好ましくは20%以下であり、さらには10%以下、5%以下、3%以下の順により好ましい。Alの含有量は0%であってもよい。
Alは、ガラスの化学的耐久性、耐候性を改善する働きを有するガラス成分であり、ネットワーク形成成分として考えることができる。一方、Alの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性が低下する。また、ガラス転移温度Tgが上昇する、熱的安定性が低下する等の問題が生じやすい。このような問題を回避する観点から、Alの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、SiOおよびPの合計含有量[SiO+P]の下限は、好ましくは5%であり、さらには10%、15%、17%、19%、21%の順により好ましい。また、合計含有量[SiO+P]の上限は、好ましくは50%であり、さらには40%、37%、35%、33%、31%、29%、27%の順により好ましい。
SiOおよびPの合計含有量[SiO+P]の下限が上記を満たすことで、リヒートプレス成形性を向上できる。また、合計含有量[SiO+P]の上限が上記を満たすことで、部分分散比Pg,Fが上昇するのを抑制し、また、ガラスの熱的安定性を保持できる。
本実施形態に係るガラスにおいて、SiO、PおよびBの合計含有量[SiO+P+B]の下限は、好ましくは5%であり、さらには10%、15%、17%、19%、21%の順により好ましい。また、合計含有量[SiO+P+B]の上限は、好ましくは50%であり、さらには40%、37%、35%、33%、31%、29%、27%の順により好ましい。
SiO、PおよびBはガラスのネットワーク形成成分であり、主にガラスの熱的安定性および耐失透性を改善する。熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。したがって、SiO、PおよびBの合計含有量は上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、SiOおよびPの合計含有量に対するPの含有量の質量比[P/(SiO+P)]の下限は、好ましくは0.001であり、さらには0.005、0.010、0.020、0.030.0.040、0.050、0.060、0.070の順により好ましい。また、質量比[P/(SiO+P)]の上限は、好ましくは0.910であり、さらには0.700、0.500、0.300、0.200、0.150、0.100の順により好ましい。
SiOおよびPの合計含有量に対するPの含有量の質量比[P/(SiO+P)]が低すぎるとリヒートプレス成形性が悪化し、高すぎると部分分散比Pg,Fが上昇する。したがって、質量比[P/(SiO+P)]は上記範囲であることが好ましい。
さらに、本実施形態に係るガラスにおいて、SiO、PおよびBの合計含有量に対するPの含有量の質量比[P/(SiO+P+B)]の下限は、好ましくは0.001であり、さらには0.005、0.010、0.020、0.030.0.040、0.050、0.060、0.070の順により好ましい。また、質量比[P/(SiO+P+B)]の上限は、好ましくは0.910であり、さらには0.700、0.500、0.300、0.200、0.150、0.100の順により好ましい。
そして、本実施形態に係るガラスにおいて、SiO、PおよびBの合計含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/(SiO+P+B)]の下限は、好ましくは0.100であり、さらには0.300、0.500、0.600、0.700、0.800の順により好ましい。また、質量比[SiO/(SiO+P+B)]の上限は、好ましくは1.000であり、さらには0.999、0.990、0.980、0.970、0.960、0.950、0.940、0.930の順により好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、ZrOの含有量の下限は、好ましくは0%であり、より好ましくは0%を超え、さらには1%、2%、3%、4%、5%、6%の順により好ましい。また、ZrOの含有量の上限は、好ましくは15%であり、さらには13%、11%、10%、9%、8%の順により好ましい。
ZrOの含有量の下限が上記を満たすことで、高屈性率高分散性のガラスを得ることができる。また、ZrOの含有量の上限が上記を満たすことで、部分分散比Pg,Fを下げて、光学素子としての欠陥の発生を抑制できるほか、ガラスの熔融性および熱的安定性を保持できる。
本実施形態に係るガラスにおいて、TiOの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%、4%の順により好ましい。また、TiOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには15%、13%、11%、9%、7%、6%、5%の順により好ましい。
TiOは、高分散化に寄与する成分であり、ガラス安定性を改善し、また、リヒートプレス成形性を向上させる。一方で、TiOを過剰に導入すると、部分分散比Pg,Fが上昇する。したがって、TiOの含有量は上記範囲であることが好ましい。なお、TiOとNbとは相互に置換することが可能であり、Nbへ置換すると部分分散比Pg,Fを低下させることができる。
本実施形態に係るガラスにおいて、NbおよびTiOの合計含有量[Nb+TiO]の下限は、10%であってもよく、さらには20%、25%、30%、35%、40%、または45%であってもよい。また、合計含有量[Nb+TiO]の上限は、好ましくは80%であり、さらには70%、65%、60%、55%の順により好ましい。
NbおよびTiOは、高屈折率高分散化に寄与する成分である。したがって、所望のアッベ数νdを有するガラスを得るために、NbおよびTiOの合計含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Nbの含有量に対するPの含有量の質量比[P/Nb]の下限は、好ましくは0.001であり、さらには0.005、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035、0.040の順により好ましい。また質量比[P/Nb]の上限は、好ましくは0.125であり、さらには0.120、0.100、0.090、0.080、0.070、0.060、0.050の順により好ましい。
Nbは高分散化に寄与する成分であるが、リヒートプレス成形性を悪化させやすい。一方、Pはリヒートプレス成形性を向上できる。したがって、リヒートプレス成形性の観点から、質量比[P/Nb]は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、NbおよびTiOの合計含有量に対するPの含有量の質量比[P/(Nb+TiO)]の下限は、好ましくは0.001であり、さらには0.005、0.010、0.015、0.020、0.025、0.030、0.035の順により好ましい。また、質量比[P/(Nb+TiO)]の上限は、好ましくは0.125であり、さらには0.120、0.100、0.090、0.080、0.070、0.060、0.050の順により好ましい。
NbおよびTiOは高分散化に寄与する成分であるが、リヒートプレス成形性を悪化させやすい。一方、Pはリヒートプレス成形性を向上できる。したがって、リヒートプレス成形性の観点から、質量比[P/(Nb+TiO)]は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、WOの含有量の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%とすることもでき、3%とすることもでき、5%とすることもできる。また、WOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには15%、10%、5%の順により好ましい。
WOは、ガラス安定性およびリヒートプレス成形性を向上させる成分である。一方、WOは、部分分散比Pg,Fを上昇させ、比重を増加させる。また、ガラスの着色の原因となりやすく、透過率を悪化させる。したがって、WOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態において、Biの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、Biの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Biは、適量を含有させることによりガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。一方、Biの含有量を高めると、部分分散比Pg,Fが上昇し、比重も増加する。さらに、ガラスの着色が増大する。したがって、Biの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量[Nb+TiO+WO+Bi]の上限は、80%とすることができ、さらには70%、60%、または55%とすることもできる。また、合計含有量[Nb+TiO+WO+Bi]の下限は、10%とすることができ、さらには20%、25%、30%、35%、40%、または45%とすることもできる。
TiO、WOおよびBiは、Nbとともに、高屈折率化、高分散化に寄与する成分である。したがって、合計含有量[Nb+TiO+WO+Bi]は上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するNbの含有量の質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、所望の部分分散比Pg,Fを得る観点から1.000が好ましいが、0.990、0.970、0.950、0.930、または0.910とすることもできる。質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、好ましくは0.100であり、さらには、0.200、0.300、0.400、0.500、0.600、0.6110、0.700、0.800、0.855の順により好ましい。
さらに、本実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するZrOの含有量の質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、好ましくは1.000であり、さらには0.800、0.600、0.400、0.300、0.250、0.200の順により好ましい。また、質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、好ましくは0であり、さらには0.001、0.005、0.007、0.010の順により好ましい。
そして、本実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するSiO、PおよびBの合計含有量の質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、5.000とすることができ、さらには3.000、2.000、1.500、1.000、または0.900とすることもできる。また、質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、0.013とすることができ、さらには0.100、0.200、0.300、0.350、または0.400とすることもできる。
質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]を上記範囲とすることで、アッベ数νdおよび部分分散比Pg,Fを制御できる。
本実施形態に係るガラスにおいて、LiOの含有量の上限は、10%とすることができ、さらには9%、7%、5%、または3%とすることもできる。LiOの含有量の下限は、0%とすることができ、さらには0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0%、または4.0%とすることもできる。
本実施形態に係るガラスにおいて、NaOの含有量の上限は、30%とすることができ、さらには20%、15%、10%、8%、6%、5%、または4%とすることもできる。NaOの含有量の下限は、0%とすることができ、さらには0.5%、1.0%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、7.0%、9.0%、11.0%、または12.0%とすることもできる。
本実施形態に係るガラスにおいて、KOの含有量の上限は、30%とすることができ、さらには25%、20%、17%、15%、13%、11%、9%、7%、5%、3%、または1%とすることもできる。KOの含有量の下限は、0%とすることができ、さらには0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、3.0%、5.0%、7.0%、9.0%、11.0%、または13.0%とすることもできる。
LiO、NaOおよびKOは、いずれも液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、LiO、NaOおよびKOの各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するLiOの含有量の質量比[LiO/(LiO+NaO+KO)]の上限は1.000とすることができ、さらには0.700、0.500、0.300、0.200、0.100、または0.000とすることもできる。また、質量比[LiO/(LiO+NaO+KO)]の下限は0.000とすることができ、さらには0.100、0.200、0.300、0.500、または0.700とすることもできる。
さらに、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するNaOの含有量の質量比[NaO/(LiO+NaO+KO)]の上限は1.000とすることができ、さらには0.970、0.960、0.950、0.900、0.850、0.800、0.750、0.700、0.500、0.300、0.200、0.100、または0.000とすることもできる。また、質量比[NaO/(LiO+NaO+KO)]の下限は0.000とすることができ、さらには0.100、0.200、0.300、0.330、0.340、0.350、0.360、0.370、0.450、0.460、0.470、0.480、0.490、0.500、または0.700とすることもできる。
そして、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するKOの含有量の質量比[KO/(LiO+NaO+KO)]上限は1.000とすることができ、さらには0.700、0.500、0.300、0.200、0.100、または0.000とすることもできる。質量比[KO/(LiO+NaO+KO)]の下限は0.000とすることができ、さらには0.100、0.200、0.300、0.500、または0.700とすることもできる。
本実施形態に係るガラスにおいて、CsOの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには5%、3%、1%の順により好ましい。CsOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
CsOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、CsOの各含有量は、上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、アルカリ金属酸化物の合計含有量の下限は、好ましくは1%であり、さらには3%、5%、7%、9%、11%、13%、15%の順により好ましい。また、アルカリ金属酸化物の合計含有量の上限は、好ましくは40%であり、さらには35%、30%、25%、20%の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物は、好ましくは、LiO、NaO、KOおよびCsOからなる群から選択される1以上の酸化物である。また、アルカリ金属は、それぞれ置換することができる。
アルカリ金属酸化物の合計含有量の下限が上記を満たすことで、ガラスの熔融性および熱的安定性を改善し、液相温度を低下できる。また、アルカリ金属酸化物の合計含有量の上限が上記を満たすことで、光学素子としての欠陥の発生を抑制できる。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量[LiO+NaO+KO]の下限は、好ましくは1%であり、より好ましくは1.1%より大きく、さらには3%、5%、7%、9%、10%、11%、13%、15%の順により好ましい。また、合計含有量[LiO+NaO+KO]の上限は、好ましくは40%であり、さらには35%、30%、25%、22.0%、21.7%、21.4%、21.1%、20%の順により好ましい。
さらに、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaO、KO、CsO、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するPの含有量の質量比[P/(LiO+NaO+KO+CsO+Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、好ましくは1.000であり、さらには0.500、0.300、0.100の順により好ましい。また、質量比[P/(LiO+NaO+KO+CsO+Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、好ましくは0.001であり、さらには0.003、0.005、0.007、0.009、0.011、0.013、0.015、0.017、0.019、0.021の順により好ましい。
ガラス成分としてLiO、NaO、KO、CsO、Nb、TiO、WOおよびBiを適宜導入することにより、所望のアッベ数νdおよび部分分散比Pg,Fを得ることができる。しかし、これら成分をケイ酸塩ガラスに導入するとリヒートプレス成形性が悪化するおそれがある。一方、Pはリヒートプレス成形性を向上させる成分である。したがって、質量比[P/(LiO+NaO+KO+CsO+Nb+TiO+WO+Bi)]が高すぎると、ガラスの安定性が悪化し、部分分散比Pg,Fが上昇するおそれがあり、また、低すぎると、リヒートプレス成形性が悪化するおそれがある。よって、質量比[P/(LiO+NaO+KO+CsO+Nb+TiO+WO+Bi)]は上記範囲とすることが好ましい。
そして、本実施形態に係るガラスにおいて、SiO、PおよびBの合計含有量に対するLiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量の質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(SiO+P+B)]の上限は、好ましくは5.000であり、さらには3.000、2.000、1.500、1.300、1.100、1.000、0.900の順により好ましい。また、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(SiO+P+B)]の下限は、好ましくは0.020であり、さらには0.100、0.200、0.300、0.400、0.500の順により好ましい。
質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(SiO+P+B)]が低すぎると、熔解性が悪化し、部分分散比Pg,Fが上昇するおそれがあり、また、高すぎると、ガラス安定性が低下し、リヒートプレス成形性が悪化するおそれがある。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するLiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量の質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、好ましくは4.000であり、さらには3.000、2.000、1.000、0.900、0.700、0.500の順により好ましい。また、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、好ましくは0.015であり、さらには0.050、0.100、0.150、0.200、0.250の順により好ましい。
質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]が低すぎると、部分分散比Pg,Fが上昇し、透過率が悪化するおそれがあり、高すぎると、ガラス安定性が低下し、リヒートプレス成形性が悪化するおそれがある。
本実施形態に係るガラスにおいて、MgOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、MgOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係るガラスにおいて、CaOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、CaOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係るガラスにおいて、SrOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、SrOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係るガラスにおいて、BaOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、BaOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
MgO、CaO、SrO、BaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。しかし、これらガラス成分の含有量が多くなると、比重が増加し、高分散性が損なわれ、また、ガラスの熱的安定性および耐失透性が低下する。そのため、これらガラス成分の各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、ZnOの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、ZnOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
ZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。しかし、ZnOの含有量が多すぎると比重が上昇する。そのため、ガラスの熱的安定性を改善し、所望の光学特性を維持する観点から、ZnOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、MgOおよびCaOの合計含有量[MgO+CaO]の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、合計含有量[MgO+CaO]の下限は、好ましくは0%である。合計含有量[MgO+CaO]は0%であってもよい。高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から、合計含有量[MgO+CaO]は上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO]の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO]の下限は、好ましくは0%である。合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO]は0%であってもよい。比重の増加を抑制し、また高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から、合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO]は上記範囲であることが好ましい。
さらに、本実施形態に係るガラスにおいて、LiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]の上限は、好ましくは20.000であり、さらには10.000、5.000、3.000、1.000、0.500の順により好ましい。また、質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]の下限は、好ましくは0.000である。質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]の下限は、0.000であってもよい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Laの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、Laの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Laの含有量が多くなると比重が増加し、またガラスの熱的安定性が低下する。したがって、比重の増加およびガラスの熱的安定性の低下を抑制する観点から、Laの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Yの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、Yの含有量の下限は、好ましくは0%である。
の含有量が多くなり過ぎるとガラスの熱的安定性が低下し、製造中にガラスが失透しやすくなる。したがって、ガラスの熱的安定性の低下を抑制する観点から、Yの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Taの含有量の上限は、好ましくは20%であり、さらには10%、5%、3%の順により好ましい。また、Taの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Taは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分であり、Nb、TiO、WO、Bi成分の中で、Pg,Fを低下させる成分である。一方、Taの含有量が多くなると、ガラスの熱的安定性が低下し、ガラスを熔融するときに、ガラス原料の熔け残りが生じやすくなる。また、比重が上昇する。そのため、Taの含有量は上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係るガラスにおいて、Ta、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するTaの含有量の質量比[Ta/(Ta+Nb+TiO+WO+Bi)]の上限は、好ましくは0.900であり、さらには0.700、0.500、0.300、0.100、0.050、0.010の順により好ましい。下限は0.000である。
質量比[Ta/(Ta+Nb+TiO+WO+Bi)]が高すぎると、比重が増加し、またコストアップとなるおそれがある。
本実施形態に係るガラスにおいて、Scの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Scの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係るガラスにおいて、HfOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、HfOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Sc、HfOは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、高価な成分である。そのため、Sc、HfOの各含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Luの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Luの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Luは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、分子量が大きいことから、ガラスの比重を増加させるガラス成分でもある。そのため、Luの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、GeOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、GeOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
GeOは、ガラスの高分散性を高める働きを有するが、一般的に使用されるガラス成分の中で、突出して高価な成分である。したがって、ガラスの製造コストを低減する観点から、GeOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Gdの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Gdの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Gdの含有量が多くなり過ぎるとガラスの熱的安定性が低下する。また、Gdの含有量が多くなり過ぎるとガラスの比重が増大し、好ましくない。したがって、ガラスの熱的安定性を良好に維持しつつ、比重の増大を抑制する観点から、Gdの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスにおいて、Ybの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Ybの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Ybは、La、Gd、Yと比べて分子量が大きいため、ガラスの比重を増大させる。ガラスの比重が増大すると、光学素子の質量が増大する。例えば、質量の大きいレンズをオートフォーカス式の撮像レンズに組み込むと、オートフォーカス時にレンズの駆動に要する電力が増大し、電池の消耗が激しくなる。したがって、Ybの含有量を低減させて、ガラスの比重の増大を抑えることが望ましい。
また、Ybの含有量が多すぎるとガラスの熱的安定性が低下する。ガラスの熱的安定性の低下を防ぎ、比重の増大を抑制する観点から、Ybの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るガラスは、主として上述のガラス成分、すなわちSiO、P、B、Al、TiO、Nb、WO、Bi、LiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、ZrO、Ta、Sc、HfO、Lu、GeO、La、Gd、Y、およびYbで構成されていることが好ましく、上述のガラス成分の合計含有量は、95%よりも多くすることが好ましく、98%よりも多くすることがより好ましく、99%よりも多くすることがさらに好ましく、99.5%よりも多くすることが一層好ましい。
なお、本実施形態に係るガラスは、基本的に上記ガラス成分により構成されることが好ましいが、本発明の作用効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することも可能である。また、本発明において、不可避的不純物の含有を排除するものではない。
(ガラス特性)
<屈折率nd>
本実施形態に係るガラスの一例において、屈折率ndの下限は1.55とすることができ、さらには1.60、1.65、1.70、1.75、または1.80とすることもできる。また、屈折率ndの上限は1.95とすることができ、さらには1.90、1.85、1.80、または1.75とすることもできる。屈折率は、高屈折率化に寄与するガラス成分である、Nb、TiO、WOおよびBiの含有量を調整することにより制御できる。
<ガラスの比重>
本実施形態に係るガラスは、高屈折率高分散性ガラスでありながら、比重が大きくない。通常、ガラスの比重を低減することができれば、レンズの重量を減少できる。その結果、レンズを搭載するカメラレンズのオートフォーカス駆動の消費電力を低減できる。一方、比重を減少させすぎると、熱的安定性の低下を招く。
したがって、本実施形態に係るガラスの一例において、比重の好ましい範囲は4.5以下であり、さらには4.3以下、4.1以下、4.0以下、3.9以下、3.8以下、3.7以下、3.6以下の順により好ましい。比重は、質量比[P/(SiO+P+B)]、質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[Ta/(Ta+Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]を調整することにより制御できる。
<ガラス転移温度Tg>
本実施形態に係るガラスの一例において、ガラス転移温度Tgの上限は、好ましくは700℃であり、さらには670℃、650℃、630℃、610℃、590℃の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは450℃であり、さらには500℃、510℃、530℃、550℃の順により好ましい。ガラス転移温度Tgは、質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO+CsO)]、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]を調整することにより制御できる。
ガラス転移温度Tgの上限が上記を満たすことにより、ガラスのリヒートプレス時の成型温度およびアニール温度の上昇を抑制することができ、リヒートプレス成形用設備およびアニール設備への熱的ダメージを軽減できる。
ガラス転移温度Tgの下限が上記を満たすことにより、所望のアッベ数、屈折率を維持しつつ、リヒートプレス成形性およびガラスの熱的安定性を良好に維持しやすくなる。
<透過率>
本実施形態に係る光学ガラスは、着色が極めて少ない光学ガラスである。かかる光学ガラスは、カメラレンズ等の撮像用の光学素子や、プロジェクタ等の投射用の光学素子の材料として好適である。
一般に光学ガラスの着色度は、λ70、λ5などにより表される。厚さ10.0mm±0.1mmのガラス試料について波長200~700nmの範囲で分光透過率を測定し、外部透過率が70%となる波長をλ70、外部透過率が5%となる波長をλ5とする。
本実施形態に係るガラスの一例において、λ70は、好ましくは500nm以下、より好ましくは470nm以下、450nm以下、430nm以下、410nm以下、405nm以下である。また、λ5は、好ましくは390nm以下、より好ましくは380nm以下、370nm以下、360nm以下である。λ70、λ5は、質量比[(LiO+NaO+KO+CsO)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[(SiO+P+B)/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[Ta/(Ta+Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]、質量比[ZrO/(Nb+TiO+WO+Bi)]を調整することにより制御できる。
<加工性>
本実施形態に係るガラスは、Pを含有することでリヒートプレス成形性(加工性)を向上できる。リヒートプレス時に、ガラスは加熱されガラスの軟化状態(粘度)が制御される。本実施形態に係るガラスは、幅広い温度範囲でリヒートプレスされる場合でも内部欠陥や失透が生じにくいため、ガラスの軟化状態(粘度)を調整しやすく、加工性に優れる。
リヒートプレス時の加熱温度は、例えば通常ガラスが軟化し変形する温度である。加熱温度として具体的には、低い場合でガラス転移温度Tgより50℃程度高い温度、高い場合でガラス転移温度Tgより200~300℃程度高い温度が想定される。
リヒートプレス時の加熱温度が低い場合、すなわち、ガラス転移温度Tgより50℃程度高い温度で加熱する場合には、ガラス内部に分相が生じにくく、Pを含有しないガラスでも、内部欠陥や失透の発生を抑制できる。
しかし、リヒートプレス時の加熱温度が低いと、プレス成形時に高い圧力を加える必要がある。その結果、プレスしたガラス成形品(例えばレンズやレンズブランク)を冷却する過程で、ガラスにクラックが生じたり、ガラスが割れたりする可能性が高まる。そのため、リヒートプレス時の加熱温度が低い場合には、生産の歩留まりが低下しやすく、また、プレス成形可能なガラス成形品の形状が制限されやすい。
一方、リヒートプレス時の加熱温度が高い場合、すなわち、ガラス転移温度Tgより200~300℃程度高い温度で加熱する場合、Pを含有しないガラスでは、ガラス内部に分相が生じやすく、内部欠陥や失透が発生しやすい。
しかし、リヒートプレス時の加熱温度が高いと、プレス成形時に高い圧力を加える必要はなく、ガラス成形品にクラック等が発生しにくい。そのため、歩留まりの低下が抑制され、ガラス成形品の形状は制限されにくい。
本実施形態に係るガラスは、Pを含有することで、想定されるいずれの加熱温度でリヒートプレスされる場合でも、内部欠陥が生じにくい。特に、高温でリヒートプレスされる場合でも内部欠陥や失透が発生しにくいので、歩留まりの低下や形状の制限といった問題も生じにくい。
本実施形態に係るガラスの一例において、ガラスが軟化し変形する温度で加熱処理したときに生じる内部欠陥の数の上限は、好ましくは1000個/gであり、さらには、900個/g、700個/g、500個/g、300個/g、100個/g、70個/g、50個/g、40個/g、35個/g、30個/g、25個/g、20個/g、15個/g、13個/g、10個/g、9個/g、7個/g、5個/g、3個/g、2個/g、1個/g、0個/gの順により好ましい。内部欠陥の数は、ガラスの用途によって許容される上限が異なる。なお、内部欠陥は、1~300μmの範囲の大きさとする。
また、本実施形態に係るガラスは、Pを含有しないガラスと比較して、ガラスが軟化し変形する温度で加熱処理したときに生じる内部欠陥数が少ない。本実施形態に係るガラス(Pを含有する)の内部欠陥数をIp〔個/g〕、P以外のガラス成分組成が同じであってPを含有しないガラスの内部欠陥数をI〔個/g〕とするとき、ΔI〔個/g〕=I-Ipは、好ましくは1.0以上であり、さらには、2以上、5以上、7以上、10以上、20以上、50以上、100以上、1000以上、10000以上、100000以上の順により好ましい。なお、内部欠陥は、1~300μmの範囲の大きさとする。
(光学ガラスの製造)
本発明の実施形態に係るガラスは、上記所定の組成となるようにガラス原料を調合し、調合したガラス原料により公知のガラス製造方法に従って作製すればよい。例えば、複数種の化合物を調合し、十分混合してバッチ原料とし、バッチ原料を石英坩堝や白金坩堝中に入れて粗熔解(ラフメルト)する。粗熔解によって得られた熔融物を急冷、粉砕してカレットを作製する。さらにカレットを白金坩堝中に入れて加熱、再熔融(リメルト)して熔融ガラスとし、さらに清澄、均質化した後に熔融ガラスを成形し、徐冷して光学ガラスを得る。熔融ガラスの成形、徐冷には、公知の方法を適用すればよい。
なお、ガラス中に所望のガラス成分を所望の含有量となるように導入することができれば、バッチ原料を調合するときに使用する化合物は特に限定されないが、このような化合物として、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物等が挙げられる。
本発明の実施形態に係る光学ガラスとして、本発明の実施形態に係るガラスをそのまま用いることができる。
(光学素子等の製造)
本発明の実施形態に係る光学ガラスを使用して光学素子を作製するには、公知の方法を適用すればよい。例えば、上記光学ガラスの製造において、熔融ガラスを鋳型に流し込んで板状に成形し、本発明に係る光学ガラスからなるガラス素材を作製する。得られたガラス素材を適宜、切断、研削、研磨し、プレス成形に適した大きさ、形状のカットピースを作製する。カットピースを加熱、軟化して、公知の方法でプレス成形(リヒートプレス)し、光学素子の形状に近似する光学素子ブランクを作製する。光学素子ブランクをアニールし、公知の方法で研削、研磨して光学素子を作製する。
作製した光学素子の光学機能面には使用目的に応じて、反射防止膜、全反射膜などをコーティングしてもよい。
本発明の一態様によれば、上記光学ガラスからなる光学素子を提供することができる。光学素子の種類としては、球面レンズ、非球面レンズ等のレンズ、プリズム、回折格子等を例示することができる。レンズの形状としては、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズ等の諸形状を例示することができる。光学素子は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含む方法により製造することができる。加工としては、切断、切削、粗研削、精研削、研磨等を例示することができる。こうした加工を行う際、上記ガラスを使用することにより、破損を軽減することができ、高品質の光学素子を安定して供給することができる。
第2実施形態
以下に、第2実施形態として、ガラス成分の質量比に基づいて本発明に係るガラスを説明する。なお、第2実施形態における各ガラス成分の作用、効果は、第1実施形態における各ガラス成分の作用、効果と同様である。したがって、第1実施形態に関する説明と重複する事項については、適宜省略する。
第2実施形態に係るガラスは、
アッベ数νdが20~35であり、
およびNbを含有し、
Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するNbの含有量の質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]が0.6110より大きい、ケイ酸塩ガラスである。
第2実施形態に係るガラスは、ガラスのネットワーク形成成分として主にSiOを含有する、ケイ酸塩ガラスである。SiOの含有量は好ましくは0%を超え、その下限は、1%、5%、10%、15、20%の順により好ましい。また、SiOの含有量の上限は、好ましくは60%であり、さらには50%、40%、39%、38%、37%、36%、35%の順により好ましい。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分として、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性、耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。一方、SiOの含有量が多いと、ガラスの耐失透性が低下する傾向があり、Pg,Fを増加させる。そのため、したがって、SiOの含有量を上記範囲とすることが好ましい。
第2実施形態に係るガラスは、Pを含有する。Pの含有量の下限は、好ましくは0.1%であり、さらには0.3%、0.5%、0.7%、0.9%、1.1%、1.3%、1.5%、1.7%、1.9%の順により好ましい。また、Pの含有量の上限は、好ましくは10%であり、さらには7%、5%、3%の順により好ましい。
の含有量の下限が上記を満たすことで、リヒートプレス成形性を向上できる。また、Pの含有量の上限が上記を満たすことで、ガラスの熱的安定性を保持できき、リヒートプレス成形性を向上できる。
第2実施形態に係るガラスは、Nbを含有する。Nbの含有量の下限は、1%であってもよく、さらには10%、20%、24%、25%、30%、35%、40%、または43%であってもよい。また、Nbの含有量の上限は、好ましくは80%であり、さらには60%、55%、50%、45%の順により好ましい。
Nbは、高分散化に寄与する成分である。したがって、Nbの含有量の下限が上記を満たすことで、高屈性率高分散性のガラスを得ることができる。また、Nbは、ガラスの熱的安定性および化学的耐久性を改善するガラス成分でもある。したがって、Nbの含有量の上限が上記を満たすことで、ガラスの熱的安定性および化学的耐久性を良好の保持し、光学素子としての欠陥の発生を抑制できる。
第2実施形態に係るガラスにおいて、アッベ数νdは20~35である。アッベ数νdは22~33であってもよく、23~31であってもよく、23~27であってもよく、23~26であってもよい。
アッベ数νdを上記範囲とすることで、高分散性のガラスを得ることができる。
アッベ数νdは、高分散化に寄与するガラス成分である、Nb、TiO、WOおよびBiの含有量を調整することにより制御できる。
第2実施形態に係るガラスにおいて、Nb、TiO、WOおよびBiの合計含有量に対するNbの含有量の質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]は、0.6110より大きい。質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]の下限は、好ましくは0.700であり、さらには0.750、0.800、0.850の順により好ましい。また、質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]の含有量の上限は、好ましくは1.000であり、さらには0.990、0.970、0.950、0.930、0.910の順により好ましい。
質量比[Nb/(Nb+TiO+WO+Bi)]を上記範囲とすることで、二次の色収差補正に好適な光学ガラスを提供することができる。
第2実施形態におけるガラス成分は、第1実施形態と同様とすることができる。また、第2実施形態におけるガラス特性、光学ガラスの製造および光学素子等の製造についても、第1実施形態と同様とすることができる。
(その他の実施形態)
以下に、本発明のその他の実施形態に係るガラスとして、実施形態A、実施形態B、および実施形態Cを説明する。
以下に示す実施形態A、実施形態B、および実施形態Cに係るガラスは、第1、第2実施形態に係るガラスの特性とは異なる好ましい特性も有する。
したがって、実施形態A、実施形態B、実施形態Cに係るガラスの特性が、第1、第2実施形態に係るガラスの特性と異なる場合には、実施形態A、実施形態B、実施形態Cに係るガラスの特性の好ましい範囲は、以下に説明する範囲を適用する。
実施形態A
実施形態Aに係るガラスは、
アッベ数νdが26.0以上であり、
SiOの含有量に対するBの含有量の質量比[B/SiO]が0.800以下、
NbおよびTiOの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比[(SiO+B)/(Nb+TiO)]が0.950以下、
LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO)]が0.480以下、
Nbの含有量に対するTiOの含有量の質量比[TiO/Nb]が0.340以下、
TiOおよびNbの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比[(LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb)]が0.700以下、
SiO、B、P、Al、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、ZnO、La、Y、Gd、ZrO、TiOおよびNbの合計含有量が96.0%以上、
PbO、CdOおよびAsの含有量がそれぞれ0.01%以下であることを特徴とする。
実施形態Aに係るガラスは、アッベ数νdが26.0以上であり、比較的比重が小さく、アッベ数νdに対する部分分散比Pg,Fが小さいガラスである。
実施形態Aに係るガラスにおいて、SiOの含有量に対するBの含有量の質量比[B/SiO]の上限は0.800とすることができ、さらには0.700、0.600、0.550、0.500、0.450、0.350、0.300、0.250、0.200の順により好ましい。質量比[B/SiO]は0でもよい。
質量比[B/SiO]を上記範囲とすることで、比重の増大およびガラスの着色を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、NbおよびTiOの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比[(SiO+B)/(Nb+TiO)]の上限は0.950とすることができ、さらには0.930、0.920、0.910、0.900、0.890、0.880、0.870、0.860、0.850、0.840、0.830、0.820、0.810、0.800、0.790、0.780の順により好ましい。また、質量比[(SiO+B)/(Nb+TiO)]の下限は、好ましくは0.300であり、さらには0.350、0.400、0.450、0.500、0.550、0.600、0.630、0.650、0.670、0.680、0.690の順により好ましい。
質量比[(SiO+B)/(Nb+TiO)]を上記範囲とすることで、所望の光学恒数が得られる。また、ガラスのネットワーク形成作用の低下を抑制し、ガラスの再加熱時の安定性の低下を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO)]の上限は0.480とすることができ、さらには0.400、0.350、0.300、0.250、0.200、0.150、0.100の順により好ましい。質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO)]は0でもよい。
質量比[(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+NaO+KO)]を上記範囲とすることで、比重の増大および熱的安定性の低下を抑制できる。また、屈折率ndの低下を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、Nbの含有量に対するTiOの含有量の質量比[TiO/Nb]の上限は0.340とすることができ、さらには0.300、0.280、0.260、0.240、0.220、0.200、0.180の順により好ましい。質量比[TiO/Nb]の下限は、好ましくは0であり、さらには0.001、0.002、0.003、0.004、0.005の順により好ましい。
質量比[TiO/Nb]を上記範囲とすることで、部分分散比Pg,Fの増大を抑制できる。また、ガラスのネットワーク形成作用の低下を抑制し、ガラスの再加熱時の安定性の低下、ならびに比重の増大を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、TiOおよびNbの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比[(LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb)]の上限は0.700とすることができ、さらには0.650、0.600、0.570、0.550、0.530、0.510、0.500、0.490、0.480、0.470、0.460、0.450の順により好ましい。質量比[(LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb)]の下限は、好ましくは0.100であり、さらには0.150、0.200、0.250、0.270、0.290、0.300、0.310、0.320、0.330、0.340の順により好ましい。
質量比[(LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb)]を上記範囲とすることで、所望の光学恒数が得られる。また、ガラスの熔解性の低下を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、SiO、B、P、Al、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、ZnO、La、Y、Gd、ZrO、TiOおよびNbの合計含有量の下限は96.0%とすることができ、さらには96.5%、97.0%、97.5%、98.0%、98.2%、98.4%、98.6%、98.8%、99.0%の順により好ましい。該合計含有量は100%でもよい。
該合計含有量を上記範囲とすることで、所望の光学恒数が得られる。また、ガラスのネットワーク形成作用の低下を抑制し、ガラスの再加熱時の安定性の低下、ならびに比重の増大を抑制できる。さらに、部分分散比の増大を抑制できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、PbO、CdOおよびAsの含有量の上限は、それぞれ0.01%とすることができ、さらには0.005%、0.003%、0.002%、0.001%の順により好ましい。PbO、CdOおよびAsの含有量は少ない方が好ましく、0%でもよい。これらの成分は環境負荷が懸念される成分であり、実質的に含まれないことが好ましい。
実施形態Aにおける上記以外のガラス成分の含有量および比率については、第1実施形態と同様とすることができる。
(実施形態Aに係るガラスの特性)
<アッベ数νd>
実施形態Aに係るガラスにおいて、アッベ数νdの下限は、好ましくは26.0であり、さらには26.5、27.0、27.2、27.4、27.6、27.8、28.0、28.2、28.4、28.6、28.8、29.0の順により好ましい。また、アッベ数νdの上限は、好ましくは31.0、30.8、30.6、30.4、30.2、30.0の順により好ましい。相対的にアッベ数νdを低くする成分は、Nb、TiO、ZrO、Taである。相対的にアッベ数νdを高くする成分は、SiO2、P2、B、LiO、NaO、KO、La、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
<屈折率nd>
実施形態Aに係るガラスにおいて、屈折率ndは好ましくは1.70~1.90である。屈折率ndは、1.72~1.85、または1.73~1.83とすることもできる。相対的に屈折率ndを上げる成分は、Nb、TiO、ZrO、Ta、Laである。相対的に屈折率ndを下げる成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することで屈折率ndを制御できる。
<部分分散比Pg,F>
実施形態Aに係るガラスの部分分散比Pg,Fの上限は、好ましくは0.6500であり、さらには0.6400、0.6300、0.6200、0.6100、0.6050、0.6040、0.6030、0.6020、0.6010、0.6000の順により好ましい。また、部分分散比Pg,Fは低いほど好ましく、その下限は、好ましくは0.5500であり、さらには0.5600、0.5700、0.5800、0.5840、0.5850、0.5870、0.5890、0.5900、0.5910、0.5920、0.5930、0.5940とすることもできる。
部分分散比Pg,Fを上記範囲とすることで、高次の色収差補正に好適な光学ガラスが得られる。相対的に部分分散比Pg,Fを上げる成分は、Nb、TiO、ZrO、Taである。相対的に部分分散比Pg,Fを下げる成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することで部分分散比Pg,Fを制御できる。
実施形態Aに係るガラスにおいて、部分分散比Pg,Fは、好ましくは上記式(2)、より好ましくは上記式(3)、さらに好ましくは上記式(4)、特に好ましくは上記式(5)を満たす。上記式を満たすことにより、二次の色収差補正に好適な光学ガラスを提供することができる。
また、実施形態Aに係るガラスのΔPg,F’の上限は、好ましくは0.0000であり、さらには-0.0010、-0.0020、-0.0030、-0.0040、-0.0050、-0.0060の順により好ましい。また、ΔPg,F’は低いほど好ましく、その下限は、好ましくは-0.0200であり、さらには-0.0180、-0.0160、-0.0140、-0.0130、-0.0120とすることもできる。相対的にΔPg,F’を上げる成分は、P、B、TiOである。相対的にΔPg,F’を下げる成分は、Nb、La、Y、ZrO、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでΔPg,F’を制御できる。
なお、実施形態Aに係るガラスにおいて、偏差ΔPg,F’は次のように表される。
ΔPg,F’=Pg,F+(0.00286×νd)-0.68900
<ガラスの比重>
実施形態Aに係るガラスの比重は、好ましくは3.60以下であり、さらには3.55以下、3.50以下、3.48以下、3.46以下、3.45以下、3.44以下、3.43以下、3.42以下、3.41以下、3.40以下の順により好ましい。比重は小さいほど好ましく、下限は特に限定されないが、一般的には3.00程度である。相対的に比重を高くする成分は、BaO、La、ZrO、Nb、Taなどである。相対的に比重を低くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOなどである。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
<ガラス転移温度Tg>
実施形態Aに係るガラスのガラス転移温度Tgの上限は、好ましくは700℃であり、さらには670℃、650℃、630℃、620℃、610℃、600℃、590℃の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは450℃であり、さらには470℃、500℃、510℃、520℃、530℃、540℃の順により好ましい。相対的にガラス転移温度Tgを下げる成分は、LiO、NaO、KOなどである。相対的にガラス転移温度Tgを上げる成分は、La、ZrO、Nbなどである。これらの成分の含有量を適宜調整することでガラス転移温度Tgを制御できる。
<ガラスの光線透過性>
実施形態Aに係るガラスの光線透過性は、着色度λ70およびλ5により評価できる。
厚さ10.0mm±0.1mmのガラス試料について波長200~700nmの範囲で分光透過率を測定し、外部透過率が70%となる波長をλ70、外部透過率が5%となる波長をλ5とする。
実施形態Aに係るガラスのλ70は、好ましくは500nm以下であり、より好ましくは470nm以下であり、さらに好ましくは450nm以下であり、一層好ましくは430nm以下である。また、λ5は、好ましくは400nm以下であり、より好ましくは380nm以下であり、さらに好ましくは370nm以下である。着色度λ70およびλ5は、ZrO、Nb、TiO、SiO2、Bの含有量を調整することで制御できる。
<再加熱時の安定性>
実施形態Aに係るガラスは、ガラス転移温度Tgより200~220℃高い温度に設定した試験炉で5分間加熱した場合に、白濁しないことが好ましい。より好ましくは、上記加熱により析出する結晶数が1試料あたり100個以下である。再加熱時の安定性は、Nb、TiO、SiO2、B、LiO、NaO、KO、Pの含有量を調整することで制御できる。
再加熱時の安定性は以下のように測定する。10mm×10mm×7.5mmの大きさのガラス試料を、そのガラス試料のガラス転移温度Tgより200~220℃高い温度に設定した試験炉で5分間加熱した後、光学顕微鏡(観察倍率:40~200倍)で1試料あたりの結晶数を測定する。また、ガラスの白濁の有無を目視で確認する。
実施形態Aにおける上記以外のガラス特性については、第1実施形態と同様とすることができる。また、光学ガラスの製造および光学素子等の製造についても、第1実施形態と同様とすることができる。
実施形態B
実施形態Bに係るガラスは、
Nbの含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/Nb]が1.05より大きく、
Nbの含有量に対するZrOの含有量の質量比[ZrO/Nb]が0.25より大きく、
SiOおよびBの合計含有量に対するTiOおよびNbの合計含有量の質量比[(TiO+Nb)/(SiO+B)]が0.65より大きいことを特徴とする。
実施形態Bに係るガラスは、比較的比重が小さく、部分分散比Pg,Fが小さいガラスである
実施形態Bに係るガラスにおいて、Nbの含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/Nb]を1.05より大きくすることができ、その下限は1.09、1.11、1.15、1.17の順により好ましい。また、質量比[SiO/Nb]の上限は、好ましくは2.10であり、さらには2.05、2.00、1.95の順により好ましい。質量比[SiO/Nb]を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減しつつ、所望の光学恒数(屈折率nd、アッベ数νd)を維持できる。
実施形態Bに係るガラスにおいて、Nbの含有量に対するZrOの含有量の質量比[ZrO/Nb]を0.25より大きくすることができ、その下限は0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.305、0.310、0.315の順により好ましい。また、質量比[ZrO/Nb]の上限は、好ましくは0.65であり、さらには0.61、0.57、0.53の順により好ましい。質量比[ZrO/Nb]の下限を上記範囲とすることで、部分分散比Pg,Fを低減し、また原料コストを低減でき、所望の光学恒数および溶解性を維持できる。
実施形態Bに係るガラスにおいて、SiOおよびBの合計含有量に対するTiOおよびNbの合計含有量の質量比[(TiO+Nb)/(SiO+B)]を0.65より大きくすることができ、その下限は0.66、0.67、0.69、0.70、0.71、0.73、0.75、0.76、0.77、0.79、0.80、0.83、0.86、0.88の順により好ましい。また、質量比[(TiO+Nb)/(SiO+B)]の上限は、好ましくは1.20であり、さらには1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.10、1.09の順により好ましい。質量比[(TiO+Nb)/(SiO+B)]を上記範囲とすることで、ガラスの熱的安定性を維持でき、所望の光学恒数を得ることができる。
実施形態Bに係るガラスにおいて、TiOおよびBaOの合計含有量[TiO+BaO]は、好ましくは10%未満であり、その上限は8.0%、7.8%、7.6%、7.4%の順により好ましい。また、合計含有量[TiO+BaO]の下限は、好ましくは0%であり、さらには1%、2%、3%の順により好ましい。合計含有量[TiO+BaO]の上限を上記範囲とすることで、部分分散比Pg,Fを低減し、またガラスの比重を低減できる。
実施形態Bに係るガラスにおいて、TiOおよびNbの合計含有量に対するTaの含有量の質量比[Ta/(TiO+Nb)]は、好ましくは0.3未満であり、その上限は0.25、0.20、0.15の順により好ましい。また、質量比[Ta/(TiO+Nb)]の下限は、好ましくは0であり、さらには0.05、0.07、0.10の順により好ましい。質量比[Ta/(TiO+Nb)]は0でもよい。質量比[Ta/(TiO+Nb)]の上限を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減し、また原料コストを低減できる。
実施形態Bに係るガラスにおいて、Nbの含有量に対するZnOの含有量の質量比[ZnO/Nb]は、好ましくは0.14未満であり、その上限は0.125、0.115、0.105の順により好ましい。また、質量比[ZnO/Nb]の下限は、好ましくは0であり、さらには0.02、0.05、0.07の順により好ましい。質量比[ZnO/Nb]は0でもよい。質量比[ZnO/Nb]の上限を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減でき所望の光学恒数が得られる。
実施形態Bに係るガラスでは、LiO、NaOおよびKOの合計含有量ROとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量ROの質量比[RO/(RO+R’O)]を0.05より大きくすることができる。質量比[RO/(RO+R’O)]は好ましくは0.6より大きく、その下限は0.80、0.82、0.84、0.86の順により好ましい。また、質量比[RO/(RO+R’O)]の上限は、好ましくは1.00であり、さらには0.99、0.98、0.95の順により好ましい。質量比[RO/(RO+R’O)]を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減し、またガラスの再加熱時の安定性を維持できる。
実施形態Bにおける上記以外のガラス成分の含有量および比率については、第1実施形態と同様とすることができる。
(実施形態Bに係るガラスの特性)
<屈折率nd>
実施形態Bに係るガラスにおいて、屈折率ndは好ましくは1.69~1.76である。屈折率ndは、1.695~1.755、または1.70~1.75とすることもできる。相対的に屈折率ndを上げる成分は、Nb、TiO、ZrO、Ta、Laである。相対的に屈折率ndを下げる成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することで屈折率ndを制御できる。
<アッベ数νd>
実施形態Bに係るガラスにおいて、アッベ数νdは好ましくは30~36である。アッベ数νdは、30.5~35.8、または31~35.5とすることもできる。相対的にアッベ数νdを低くする成分は、Nb、TiO、ZrO、Taである。相対的にアッベ数νdを高くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KO、La、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
<ガラスの比重>
実施形態Bに係るガラスの比重は、好ましくは3.19以下であり、さらには3.18以下、3.17以下、3.16以下の順により好ましい。比重は小さいほど好ましく、下限は特に限定されないが、一般的には3.05程度である。相対的に比重を高くする成分は、BaO、La、ZrO、Nb、Taなどである。相対的に比重を低くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOなどである。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
<部分分散比Pg,F>
実施形態ガラスBに係るガラスの部分分散比Pg,Fの上限は、好ましくは0.5950であり、さらには0.5945、0.5940、0.5935の順により好ましい。また、部分分散比Pg,Fの下限は、好ましくは0.5780であり、さらには0.5785、0.5790、0.5795、0.5805、0.5815、0.5830の順により好ましい。部分分散比Pg,Fを上記範囲とすることで、高次の色収差補正に好適な光学ガラスが得られる。
また、実施形態Bに係るガラスの部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fの上限は、好ましくは0.0015であり、さらには0.0012、0.0010、0.0008の順により好ましい。また、偏差ΔPg,Fの下限は、好ましくは-0.0060であり、さらにはー0.0048、-0.0045、-0.0042、-0.0040、-0.0035、-0.0025の順により好ましい。
<液相温度>
実施形態Bに係るガラスの液相温度LTは、好ましくは1200℃以下であり、さらには1190℃以下、1180℃以下、1170℃以下の順により好ましい。液相温度を上記範囲とすることで、ガラスの熔融、成形温度を低下させることができ、その結果、熔融工程におけるガラス熔融器具(例えば、坩堝、熔融ガラスの攪拌器具など)の侵蝕を低減できる。液相温度LTの下限は特に限定されないが、一般的には1000℃程度である。液相温度LTは、全てのガラス成分の含有量のバランスによって決まる。その中でも、液相温度LTに対しては、SiO、B3、LiO、NaO、KOなどの含有量の影響が大きい。
なお、液相温度は次のように決定する。10cc(10ml)のガラスを白金坩堝中に投入し1250℃~1400℃で15~30分熔融した後にガラス転移温度Tg以下まで冷却し、ガラスを白金坩堝ごと所定温度の熔解炉に入れ2時間保持する。保持温度は1000℃以上で5℃あるいは10℃刻みとし、2時間保持後、冷却し、100倍の光学顕微鏡でガラス内部の結晶の有無を観察する。結晶の析出しなかった最低温度を液相温度とする。
<ガラス転移温度Tg>
実施形態Bに係るガラスのガラス転移温度Tgの上限は、好ましくは580℃であり、さらには575℃、570℃、565℃の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは510℃であり、さらには515℃、520℃、525℃の順により好ましい。相対的にガラス転移温度Tgを下げる成分は、LiO、NaO、KOなどである。相対的にガラス転移温度Tgを上げる成分は、La、ZrO、Nbなどである。これらの成分の含有量を適宜調整することでガラス転移温度Tgを制御できる。
<再加熱時の安定性>
実施形態Bに係るガラスにおいて、ガラス転移温度Tgで10分間加熱し、さらにそのTgよりも140~250℃高い温度で10分間加熱したときの、1gあたりに観察される結晶数は、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下である。
なお、再加熱時の安定性は以下のように測定する。1cm×1cm×0.8cmの大きさのガラス試料を、そのガラス試料のガラス転移温度Tgに設定した第1の試験炉で10分間加熱し、さらにそのガラス転移温度Tgよりも140~250℃高い温度に設定した第2の試験炉で10分間加熱した後、結晶の有無を光学顕微鏡(観察倍率:10~100倍)で確認する。そして、1gあたりの結晶数を測定する。また、ガラスの白濁の有無を目視で確認する。
実施形態Bにおける上記以外のガラス特性については、第1実施形態と同様とすることができる。また、光学ガラスの製造および光学素子等の製造についても、第1実施形態と同様とすることができる。
実施形態C
実施形態Cに係るガラスは、
NbおよびTiOの合計含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/(Nb+TiO)]が0.80より大きく、
LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するSiO、BおよびPの合計含有量の質量比[(SiO+B+P)/(LiO+NaO+KO)]が1.45~4.55であり、
SiOおよびNbの合計含有量[SiO+Nb]が62~84%であることを特徴とする。
実施形態Cに係るガラスは、比重が小さく、部分分散比Pg,Fが小さいガラスである。
実施形態Cに係るガラスにおいて、NbおよびTiOの合計含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/(Nb+TiO)]は、好ましくは0.80より大きく、その下限は、さらには0.83、0.85、0.86、0.87、0.88の順により好ましい。質量比[SiO/(Nb+TiO)]の上限は、好ましくは1.50であり、さらには1.40、1.30、1.20の順により好ましい。質量比[SiO/(Nb+TiO)]を上記範囲とすることで、ガラスの結晶化を抑制し、均質性および再加熱時の安定性に優れるガラスが得られる。
実施形態Cに係るガラスにおいて、NaOの含有量に対するSiOの含有量の質量比[SiO/NaO]は、好ましくは2.5~8.5である。質量比[SiO/NaO]の下限は、より好ましくは2.6であり、さらには2.65、2.70、2.75の順により好ましい。また、質量比[SiO/NaO]の上限は、より好ましくは8.2であり、さらには8.0、7.8、7.6の順により好ましい。質量比[SiO/NaO]を上記範囲とすることで、均質性および再加熱時の安定性に優れるガラスが得られる。
実施形態Cに係るガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するSiO、BおよびPの合計含有量の質量比[(SiO+B+P)/(LiO+NaO+KO)]は1.45~4.55とすることができる。質量比[(SiO+B+P)/(LiO+NaO+KO)]の下限は、より好ましくは1.70であり、さらには1.72、1.74、1.76の順により好ましい。また、質量比[(SiO+B+P)/(LiO+NaO+KO)]の上限は、より好ましくは4.20であり、さらには4.00、3.95、3.90の順により好ましい。質量比[(SiO+B+P)/(LiO+NaO+KO)]を上記範囲とすることで、ガラスの結晶化を抑制できる。
実施形態Cに係るガラスにおいて、SiOおよびNbの合計含有量[SiO+Nb]は62~84%とすることができる。合計含有量[SiO+Nb]の下限は、より好ましくは63.0%であり、さらには63.5%、64.0%、64.5%の順により好ましい。また、合計含有量[SiO+Nb]の上限は、より好ましくは83%であり、さらには82.7%、82.3%、82.1%の順により好ましい。合計含有量[SiO+Nb]を上記範囲とすることで、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善できる。また、ガラスの結晶化を抑制できる。
実施形態Cにおける上記以外のガラス成分の含有量および比率については、第1実施形態と同様とすることができる。
(実施形態Cに係るガラスの特性)
<屈折率nd>
実施形態Cに係るガラスにおいて、屈折率ndは好ましくは1.690~1.760である。屈折率ndは、1.695~1.755、または1.700~1.750とすることもできる。相対的に屈折率ndを上げる成分は、Nb、TiO、ZrO、Ta、Laである。相対的に屈折率ndを下げる成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOである。これらの成分の含有量を適宜調整することで屈折率ndを制御できる。
<アッベ数νd>
実施形態Cに係るガラスにおいて、アッベ数νdは好ましくは30~36である。アッベ数νdは、30.5~35.8、または31~35.5とすることもできる。相対的にアッベ数νdを低くする成分は、Nb、TiO、ZrO、Taである。相対的にアッベ数νdを高くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KO、La、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
<ガラスの比重>
実施形態Cに係るガラスの比重は、好ましくは3.40以下であり、さらには3.35以下、3.30以下、3.25以下の順により好ましい。比重は小さいほど好ましく、下限は特に限定されないが、一般的には3.10程度である。相対的に比重を高くする成分は、BaO、La、ZrO、Nb、Taなどである。相対的に比重を低くする成分は、SiO2、B、LiO、NaO、KOなどである。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
<部分分散比Pg,F>
実施形態Cに係るガラスの部分分散比Pg,Fの上限は、好ましくは0.5980であり、さらには0.5970、0.5960、0.5950,0.5940の順により好ましい。また、部分分散比Pg,Fは低い方が好ましく、その下限は、好ましくは0.5780であり、さらには0.5800、0.5820、0.5840、0.5860とすることもできる。部分分散比Pg,Fを上記範囲とすることで、高次の色収差補正に好適な光学ガラスが得られる。部分分散比Pg,Fは、SiO2、B、TiO、Nbなどの含有量を調整することで制御できる。
また、実施形態Cに係るガラスの部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fの上限は、好ましくは0.0030であり、さらには0.0025、0.0020、0.0015の順により好ましい。また、偏差ΔPg,Fは低い方が好ましく、その下限は、好ましくは-0.0060であり、さらにはー0.0050、ー0.0040、ー0.0030、ー0.0020とすることもできる。
<液相温度>
実施形態Cに係るガラスの液相温度LTは、好ましくは1200℃以下であり、さらには1190℃以下、1180℃以下、1170℃以下の順により好ましい。液相温度を上記範囲とすることで、ガラスの熔融、成形温度を低下させることができ、その結果、熔融工程におけるガラス熔融器具(例えば、坩堝、熔融ガラスの攪拌器具など)の侵蝕を低減できる。液相温度LTの下限は特に限定されないが、一般的には1000℃程度である。液相温度LTは、全てのガラス成分の含有量のバランスによって決まる。その中でも、液相温度LTに対しては、SiO、B3、LiO、NaO、KOなどの含有量の影響が大きい。
なお、液相温度は次のように決定する。10cc(10ml)のガラスを白金坩堝中に投入し1250℃~1400℃で15~30分熔融した後にガラス転移温度Tg以下まで冷却し、ガラスを白金坩堝ごと所定温度の熔解炉に入れ2時間保持する。保持温度は1000℃以上で5℃あるいは10℃刻みとし、2時間保持後、冷却し、100倍の光学顕微鏡でガラス内部の結晶の有無を観察する。結晶の析出しなかった最低温度を液相温度とする。
<ガラス転移温度Tg>
実施形態Cに係るガラスのガラス転移温度Tgの上限は、好ましくは670℃であり、さらには650℃、630℃、610℃の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは510℃であり、さらには520℃、525℃、530℃の順により好ましい。相対的にガラス転移温度Tgを下げる成分は、LiO、NaO、KOなどである。相対的にガラス転移温度Tgを上げる成分は、La、ZrO、Nbなどである。これらの成分の含有量を適宜調整することでガラス転移温度Tgを制御できる。
<再加熱時の安定性>
実施形態Cに係るガラスにおいて、ガラス転移温度Tgで10分間加熱し、さらにそのTgよりも140~220℃高い温度で10分間加熱したときの、1gあたりに観察される結晶数は、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下である。
なお、再加熱時の安定性は以下のように測定する。1cm×1cm×0.8cmの大きさのガラス試料を、そのガラス試料のガラス転移温度Tgに設定した第1の試験炉で10分間加熱し、さらにそのガラス転移温度Tgよりも140~220℃高い温度に設定した第2の試験炉で10分間加熱した後、結晶の有無を光学顕微鏡(観察倍率:10~100倍)で確認する。そして、1gあたりの結晶数を測定する。また、ガラスの白濁の有無を目視で確認する。
実施形態Cにおける上記以外のガラス特性については、第1実施形態と同様とすることができる。また、光学ガラスの製造および光学素子等の製造についても、第1実施形態と同様とすることができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
(実施例1)
表1~5、23に示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。なお、表1~5、23では、Pの含有による効果を示すために、P以外のガラス成分の含有量を一定にして表示している。
[光学ガラスの製造]
まず、ガラスの構成成分に対応する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られる光学ガラスのガラス組成が、表1~5、23に示す各組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。こうして得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1350℃~1400℃で2時間加熱して熔融ガラスとし、攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tgより100℃低い温度で30分間熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスサンプルを得た。
[ガラス成分組成の確認]
得られたガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)で各ガラス成分の含有量を測定し、表1~5、23に示す各組成のとおりであることを確認した。
[加工性]
得られたガラスサンプルを切断、切削し10mm×10mm×8mmの試料を得た。この試料を、所定の温度に設定した熱処理炉に入れて加熱し、5分後に取り出し、ガラス試料を冷却した。冷却後のガラス試料端部を光学研磨し、光学顕微鏡(100倍)でガラス試料内部を観察した。ガラス試料内部の内部欠陥数(輝点)の数を数えて、gあたりの数に換算した。内部欠陥は1~300μmの範囲の大きさとした。P以外のガラス成分組成が同じガラスにおいて、Pを含有しないガラスの内部欠陥数をI〔個/g〕、Pを含有するガラスの内部欠陥数をIp〔個/g〕とするとき、ΔI=I-Ipが1.0〔個/g〕以上となる場合を良好とした。なお、ガラス試料にヒビ、脈理は見られなかった。
[光学特性の測定]
得られたガラスサンプルを、さらにガラス転移温度Tg付近で約30分から約2時間アニール処理した後、炉内で降温速度-30℃/時間で室温まで冷却してアニールサンプルを得た。得られたアニールサンプルについて、屈折率nd、ng、nFおよびnC、アッベ数νd、部分分散比Pg,F、比重、ガラス転移温度Tg、λ70およびλ5を測定した。結果を表1~5、23に示す。
(i)屈折率nd、ng、nF、nCおよびアッベ数νd
上記アニールサンプルについて、JIS規格 JIS B 7071-1の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nCを測定し、式(7)に基づきアッベ数νdを算出した。
νd=(nd-1)/(nF-nC) ・・・(7)
(ii)部分分散比Pg,F
g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、式(6)に基づき部分分散比Pg,Fを算出した。
Pg,F=(ng-nF)/(nF-nC) ・・・(6)
(iii)比重
比重は、アルキメデス法により測定した。
(iv)ガラス転移温度Tg
ガラス転移温度Tgは、NETZSCH JAPAN社製の示差走査熱量分析装置(DSC3300SA)を使用し、昇温速度10℃/分にて測定した。
(v)λ70、λ5
上記アニールサンプルを、厚さ10mmで、互いに平行かつ光学研磨された平面を有するように加工し、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定した。光学研磨された一方の平面に垂直に入射する光線の強度を強度Aとし、他方の平面から出射する光線の強度を強度Bとして、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が70%になる波長をλ70とし、分光透過率が5%になる波長をλ5とした。なお、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。
Figure 0007226927000001
Figure 0007226927000002
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Figure 0007226927000005
Figure 0007226927000006
(実施例2)
表6~22に示すガラス組成を有するガラスサンプルを実施例1と同様の手順で作製し、実施例1と同様にガラス成分組成を確認し、光学特性を測定した。結果を表6~22に示す。フッ化物の含有量は外割りで記載した。加工性については、いずれのガラスサンプルも再加熱時の成形性は良好であることを確認した。
Figure 0007226927000007
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(実施例3)
実施例1および実施例2において作製した各光学ガラスを用いて、公知の方法により、レンズブランクを作製し、レンズブランクを研磨等の公知方法により加工して各種レンズを作製した。
作製した光学レンズは、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ等の各種レンズである。
各種レンズは、他種の光学ガラスからなるレンズと組合せることにより、二次の色収差を良好に補正することができた。
また、ガラスが低比重であるため、各レンズとも同等の光学特性、大きさを有するレンズよりも重量が小さく、各種撮像機器、特に省エネ可能という理由等によりオートフォーカス式の撮像機器用として好適である。同様にして、実施例1および実施例2で作製した各種光学ガラスを用いてプリズムを作製した。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記に例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成調整を行うことにより、本発明の一態様にかかる光学ガラスを作製することができる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。

Claims (6)

  1. アッベ数νdが20~35であり、
    25およびNb25を含有し、
    Nb 2 5 、TiO 2 、WO 3 およびBi 2 3 の合計含有量に対するNb 2 5 の含有量の質量比[Nb 2 5 /(Nb 2 5 +TiO 2 +WO 3 +Bi 2 3 )]が0.700以上であり、
    部分分散比Pg,Fが下記式(1)を満たし、
    SiO2およびP25の合計含有量に対するP25の含有量の質量比[P25/(SiO2+P25)]が0.910以下であり、
    SiO2、P25およびB23の合計含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/(SiO2+P25+B23)]が0.500以上であり、
    2Oの含有量が15質量%以下である、ケイ酸塩ガラス。
    Pg,F≦-0.00286×νd+0.68900 ・・・(1)
  2. 25の含有量が10質量%以下である、請求項1に記載のガラス。
  3. アッベ数νdが20~35であり、
    25およびNb25を含有し、
    Nb25、TiO2、WO3およびBi23の合計含有量に対するNb25の含有量の質量比[Nb25/(Nb25+TiO2+WO3+Bi23)]が0.700以上であり
    SiO2およびP25の合計含有量に対するP25の含有量の質量比[P25/(SiO2+P25)]が0.910以下であり、
    SiO2、P25およびB23の合計含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/(SiO2+P25+B23)]が0.500以上であり、
    2Oの含有量が15質量%以下である、ケイ酸塩ガラス。
  4. 25の含有量が10質量%以下である、請求項3に記載のガラス。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のガラスからなる光学ガラス。
  6. 請求項5に記載の光学ガラスからなる光学素子。

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