JP7320110B2 - 光学ガラスおよび光学素子 - Google Patents
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(1)Nb2O5の含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/Nb2O5]が1.05より大きく、
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
下記(a)および(b)のうち1以上を満たす光学ガラス;
(a)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが9質量%より大きい、
(b)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.6より大きい。
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
TiO2およびNb2O5の合計含有量に対するTa2O5の含有量の質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]が0.3より小さく、
下記(c)および(d)のうち1以上を満たす光学ガラス;
(c)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1質量%より大きい、(d)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
Nb2O5の含有量に対するZnOの含有量の質量比[ZnO/Nb2O5]が0.14より小さく、
下記(e)および(f)のうち1以上を満たす光学ガラス;
(e)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1質量%より大きい、(f)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
比重が3.19以下であり、
部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fが0.0015以下である光学ガラス。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
Pg,F=(ng-nF)/(nF-nC)
横軸をアッベ数νd、縦軸を部分分散比Pg,Fとする平面において、ノーマルラインは下式により表される。
Pg,F(0)=0.6483-(0.0018×νd)
さらに、ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fは次のように表される。
ΔPg,F=Pg,F-Pg,F(0)
第1実施形態に係る光学ガラスは、
Nb2O5の含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/Nb2O5]が1.05より大きく、
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
さらに、下記(a)および(b)のうち1以上を満たす。
(a)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが9質量%より大きい。
(b)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.6より大きい。
O5]の下限は、好ましくは0.26であり、さらには0.27、0.28、0.29、0.30、0.305、0.310、0.315の順により好ましい。また、質量比[ZrO2/Nb2O5]の上限は、好ましくは0.65であり、さらには0.61、0.57、0.53の順により好ましい。質量比[ZrO2/Nb2O5]の下限を上記範囲とすることで、部分分散比Pg,Fを低減し、また原料コストを低減でき、所望の光学恒数および溶解性を維持できる。
(a)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが9%より大きい。
(b)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.6より大きい。
、さらには0.05、0.07、0.10の順により好ましい。質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]は0でもよい。質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]の上限を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減し、また原料コストを低減できる。
きる。
あり、さらには15%、14%、13%の順により好ましい。Na2Oの含有量の下限は、好ましくは8%であり、さらには9%、10%、11%の順により好ましい。
ができ、また部分分散比Pg,Fを低減できる。
囲であることが好ましい。
上記成分の他に、上記光学ガラスは、清澄剤としてSb2O3、CeO2等を少量含有することもできる。清澄剤の総量(外割添加量)は0%以上、1%未満とすることが好ましく、0%以上0.5%以下とすることがより好ましい。
いことが特に好ましい。
<屈折率nd>
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、屈折率ndは好ましくは1.69~1.76である。屈折率ndは、1.695~1.755、または1.70~1.75とすることもできる。相対的に屈折率ndを上げる成分は、Nb2O5、TiO2、ZrO2、Ta2O5、La2O3である。相対的に屈折率ndを下げる成分は、SiO2、B2O3、
Li2O、Na2O、K2Oである。これらの成分の含有量を適宜調整することで屈折率ndを制御できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、アッベ数νdは好ましくは30~36である。アッベ数νdは、30.5~35.8、または31~35.5とすることもできる。相対的にアッベ数νdを低くする成分は、Nb2O5、TiO2、ZrO2、Ta2O5である。相対的にアッベ数νdを高くする成分は、SiO2、B2O3、Li2O、Na2
O、K2O、La2O3、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
第1実施形態に係る光学ガラスの比重は、好ましくは3.19以下であり、さらには3.18以下、3.17以下、3.16以下の順により好ましい。比重は小さいほど好ましく、下限は特に限定されないが、一般的には3.05程度である。相対的に比重を高くする成分は、BaO、La2O3、ZrO2、Nb2O5、Ta2O5などである。相対的に比重を低くする成分は、SiO2、B2O3、Li2O、Na2O、K2Oなどである
。これらの成分の含有量を調整することで比重を制御できる。
第1実施形態に係る光学ガラスの部分分散比Pg,Fの上限は、好ましくは0.5950であり、さらには0.5945、0.5940、0.5935の順により好ましい。また、部分分散比Pg,Fの下限は、好ましくは0.5780であり、さらには0.5785、0.5790、0.5795、0.5805、0.5815、0.5830の順により好ましい。部分分散比Pg,Fを上記範囲とすることで、高次の色収差補正に好適な光学ガラスが得られる。
第1実施形態に係る光学ガラスの液相温度LTは、好ましくは1200℃以下であり、
さらには1190℃以下、1180℃以下、1170℃以下の順により好ましい。液相温度を上記範囲とすることで、ガラスの熔融、成形温度を低下させることができ、その結果、熔融工程におけるガラス熔融器具(例えば、坩堝、熔融ガラスの攪拌器具など)の侵蝕を低減できる。液相温度LTの下限は特に限定されないが、一般的には1000℃程度である。液相温度LTは、全てのガラス成分の含有量のバランスによって決まる。その中でも、液相温度LTに対しては、SiO2、B2O3、Li2O、Na2O、K2Oなどの
含有量の影響が大きい。
第1実施形態に係る光学ガラスのガラス転移温度Tgの上限は、好ましくは580℃であり、さらには575℃、570℃、565℃の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgの下限は、好ましくは510℃であり、さらには515℃、520℃、525℃の順により好ましい。相対的にガラス転移温度Tgを下げる成分は、Li2O、Na2O、K2Oなどである。相対的にガラス転移温度Tgを上げる成分は、La2O3、ZrO2、Nb2O5などである。これらの成分の含有量を適宜調整することでガラス転移温度Tgを制御できる。
第1実施形態に係る光学ガラスにおいて、ガラス転移温度Tgで10分間加熱し、さらにそのTgよりも140~250℃高い温度で10分間加熱したときの、1gあたりに観察される結晶数は、好ましくは20個以下、より好ましくは10個以下である。
第1実施形態に係る光学ガラスは、上記所定の組成となるようにガラス原料を調合し、調合したガラス原料により公知のガラス製造方法に従って作製すればよい。例えば、複数種の化合物を調合し、十分混合してバッチ原料とし、バッチ原料を石英坩堝や白金坩堝中に入れて粗熔解(ラフメルト)する。粗熔解によって得られた熔融物を急冷、粉砕してカレットを作製する。さらにカレットを白金坩堝中に入れて加熱、再熔融(リメルト)して熔融ガラスとし、さらに清澄、均質化した後に熔融ガラスを成形し、徐冷して光学ガラスを得る。熔融ガラスの成形、徐冷には、公知の方法を適用すればよい。
第1実施形態に係る光学ガラスを使用して光学素子を作製するには、公知の方法を適用すればよい。例えば、上記光学ガラスの製造において、熔融ガラスを鋳型に流し込んで板状に成形し、本発明に係る光学ガラスからなるガラス素材を作製する。得られたガラス素材を適宜、切断、研削、研磨し、プレス成形に適した大きさ、形状のカットピースを作製する。カットピースを加熱、軟化して、公知の方法でプレス成形(リヒートプレス)し、光学素子の形状に近似する光学素子ブランクを作製する。光学素子ブランクをアニールし、公知の方法で研削、研磨して光学素子を作製する。
第2実施形態に係る光学ガラスは、
Nb2O5の含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/Nb2O5]が1.05より大きく、
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
TiO2およびNb2O5の合計含有量に対するTa2O5の含有量の質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]が0.3より小さく、
さらに、下記(c)および(d)のうち1以上を満たす。
(c)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1質量%より大きい。(d)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
rO2/Nb2O5]の上限は、好ましくは0.65であり、さらには0.61、0.57、0.53の順により好ましい。質量比[ZrO2/Nb2O5]の下限を上記範囲とすることで、部分分散比Pg,Fを低減し、また原料コストを低減でき、所望の光学恒数および溶解性を維持できる。
(c)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1%より大きい。
(d)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
.99、0.98、0.95の順により好ましい。質量比[R2O/(R2O+R’O)]を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減し、またガラスの再加熱時の安定性を維持できる。
第3実施形態に係る光学ガラスは、
Nb2O5の含有量に対するSiO2の含有量の質量比[SiO2/Nb2O5]が1.05より大きく、
Nb2O5の含有量に対するZrO2の含有量の質量比[ZrO2/Nb2O5]が0.25より大きく、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.65より大きく、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
Nb2O5の含有量に対するZnOの含有量の質量比[ZnO/Nb2O5]が0.14より小さく、
さらに、下記(e)および(f)のうち1以上を満たす。
(e)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1質量%より大きい。(f)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
(e)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1%より大きい。
(f)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
するTa2O5の含有量の質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]は、好ましくは0.3未満であり、その上限は0.25、0.20、0.15の順により好ましい。また、質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]の下限は、好ましくは0であり、さらには0.05、0.07、0.10の順により好ましい。質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]は0でもよい。質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]の上限を上記範囲とすることで、ガラスの比重を低減し、また原料コストを低減できる。
第4実施形態に係る光学ガラスは、
アッベ数νdが30~36であり、
比重が3.19以下であり、
部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fが0.0015以下である。
、La2O3、BaO、CaO、SrOである。これらの成分の含有量を適宜調整することでアッベ数νdを制御できる。
ラスの比重を低減しつつ、所望の光学恒数(屈折率nd、アッベ数νd)を維持できる。
(g)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1%より大きい。
(h)Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.05より大きい。
また、第4実施形態において、第1~第3実施形態の構成のうち、任意のものを採用してもよい。
表1、表2-1~2-2に示すガラス組成を有するガラスサンプルを以下の手順で作製し、各種評価を行った。
まず、ガラスの構成成分に対応する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を原材料として準備し、得られる光学ガラスのガラス組成が、表1に示す各組成となるように上記原材料を秤量、調合して、原材料を十分に混合した。こうして得られた調合原料(バッチ原料)を、白金坩堝に投入し、1350℃~1400℃で2時間加熱して熔融ガラスとし、攪拌して均質化を図り、清澄してから、熔融ガラスを適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを、ガラス転移温度Tgより100℃低い温度で30分間熱処理し、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスサンプルを得た。
得られたガラスサンプルについて、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)で各ガラス成分の含有量を測定し、表1に示す各組成のとおりであることを確認した。
得られたガラスサンプルを1cm×1cm×0.8cmの大きさに切断し、そのガラスサンプルのガラス転移温度Tgに設定した第1の試験炉で10分間加熱し、さらにそのガラス転移温度Tgよりも140~250℃高い温度に設定した第2の試験炉で10分間加熱した。その後、結晶の有無を光学顕微鏡(観察倍率:10~100倍)で確認した。そ
して、1gあたりの結晶数を測定した。ガラスの白濁の有無は目視で確認した。1gあたりの結晶数が20個以下で白濁も確認されなかった場合は「可」、1gあたりの結晶数が20個より多い、もしくは白濁の少なくとも一方が確認された場合は「不可」と判定した。結果を表3-1~3-2に示す。
得られたガラスサンプルを、さらにガラス転移温度Tg付近で約30分から約2時間アニール処理した後、炉内で降温速度-30℃/時間で室温まで冷却してアニールサンプルを得た。得られたアニールサンプルについて、屈折率nd、ng、nFおよびnC、アッベ数νd、部分分散比Pg,F、比重、ガラス転移温度Tg、λ80、λ70およびλ5を測定した。結果を表3-1~3-2に示す。
(i)屈折率nd、ng、nF、nCおよびアッベ数νd
上記アニールサンプルについて、JIS規格 JIS B 7071-1の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nCを測定し、下記式に基づきアッベ数νdを算出した。
νd=(nd-1)/(nF-nC)
g線、F線、c線における各屈折率ng、nF、nCを用いて、下記式に基づき部分分散比Pg,Fを算出した。
Pg,F=(ng-nF)/(nF-nC)
部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdを用いて、下記式に基づき算出した。
ΔPg,F=Pg,F+(0.0018×νd)-0.6483
比重は、アルキメデス法により測定した。
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて約2時間保持し、冷却後、ガラス内部を40~100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。
ガラス転移温度Tgは、NETZSCH JAPAN社製の示差走査熱量分析装置(DSC3300SA)を使用し、昇温速度10℃/分にて測定した。
上記アニールサンプルを、厚さ10mmで、互いに平行かつ光学研磨された平面を有するように加工し、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定した。光学研磨された一方の平面に垂直に入射する光線の強度を強度Aとし、他方の平面から出射する光線の強度を強度Bとして、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が80%になる波長をλ80とし、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が70%になる波長をλ70とし、分光透過率が5%になる波長をλ5とした。なお、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。
実施例1において作製した各光学ガラスを用いて、公知の方法により、レンズブランクを作製し、レンズブランクを研磨等の公知方法により加工して各種レンズを作製した。
作製した光学レンズは、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ、凹メニスカスレンズ、凸メニスカスレンズ等の各種レンズである。
各種レンズは、他種の光学ガラスからなるレンズと組合せることにより、二次の色収差を良好に補正することができた。
ズよりも重量が小さく、各種撮像機器、特に省エネ可能という理由等によりオートフォーカス式の撮像機器用として好適である。同様にして、実施例1で作製した各種光学ガラスを用いてプリズムを作製した。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。
Claims (5)
- アッベ数νdが30~36であり、
比重が3.19以下であり、
部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fが0.0015以下であり、
SiO2およびB2O3の合計含有量に対するTiO2およびNb2O5の合計含有量の質量比[(TiO2+Nb2O5)/(SiO2+B2O3)]が0.80以上であり、
TiO2およびBaOの合計含有量[TiO2+BaO]が10質量%より小さく、
Ta2O5の含有量が3質量%以下であり、
Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2OとMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量R’Oとの合計含有量に対する合計含有量R2Oの質量比[R2O/(R2O+R’O)]が0.80以上であり、
Nb 2 O 5 の含有量に対するZnOの含有量の質量比[ZnO/Nb 2 O 5 ]が0.14未満である光学ガラス。 - TiO2およびNb2O5の合計含有量に対するTa2O5の含有量の質量比[Ta2O5/(TiO2+Nb2O5)]が0.3未満である、請求項1に記載の光学ガラス。
- Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが9質量%より大きい、請求項1に記載の光学ガラス。
- Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量R2Oが1.1質量%より大きい、請求項2に記載の光学ガラス。
- 請求項1~4のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
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