JP7226727B1 - 経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の症状を有する者に対し、摂取が容易な経口組成物を提供する。【解決手段】本実施形態の経口組成物は、L-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物をそれぞれ所定量含有する。PMS/PMDDの症状がみられる被験者が、本実施形態の経口組成物を一定期間継続的に摂取したところ、PMS/PMDDの精神的影響や身体的影響の改善がみられた。【選択図】図5

Description

本発明は、経口組成物に関するものである。
月経前から月経初期において、身体的または精神的な各種症状が現れることが知られている。例えば、むくみ、バストのハリ、下腹部の鈍痛、イライラ、などが挙げられる。しかしながら、これらの症状は人によって異なる。
このような症状は月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)と呼ばれる。公益社団法人日本産科婦人科学会では、PMSを「月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するもの」と定義している。
また、特に、精神症状が主体で精神の不安定さが際立って強い場合は、月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder:PMDD)と称される。
PMSやPMDD(以下、PMS/PMDDとする。)の原因は明らかではないが、黄体ホルモンの発症への関与が考えられている。
一方で、このPMSの症状を緩和するための技術が開示されている。
特許文献1には、テアニンを含有することを特徴とする、月経前症候群抑制組成物について開示されている。抽出するなどしたL-テアニンを、そのまま、あるいはキャンディに配合し、またはジュースにして被験者に摂取させ、PMSの症状が抑制されることを確認している。
非特許文献1にも同様に、L-テアニンがPMS症状を改善させる実験結果が開示されている。L-テアニンの脳への作用に関するメカニズムは未だ不明であるとしながらも、過去の研究で明らかになったL-テアニンの脳への作用を踏まえ、L-テアニンが脳に何らかの作用をすることによりPMS 時のイライラ、憂鬱等の精神的症状を改善するのではないかと推察している。
特許第4971535号公報
日本女性心身医学会雑誌(Journal of JSPOG)Vol.6,No.2,pp.234-239.
解決しようとする問題点は、例えばPMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の精神的影響や身体的影響を改善するための、摂取が容易な経口組成物を提供することである。
本発明は、経口組成物がL-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物を含有することを最も主要な特徴とする。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、例えば以下の手段を採用している。
すなわち、L-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物を有効成分として含有する、経口組成物を提供する。
本発明は、例えばPMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の症状を有する者に対し、PMS/PMDDの精神的影響や身体的影響が改善する、摂取が容易な経口組成物を提供する。
PMS/PMDD主観的指標の変化を示す図(1枚目)である。(表3に対応) PMS/PMDD主観的指標の変化を示す図(2枚目)である。(表3に対応) PMS/PMDD主観的指標の変化を示す図(3枚目)である。(表3に対応) 試験開始6週間後におけるPMS/PMDDの実感調査結果を示す図である。 試験開始12週間後におけるPMS/PMDDの実感調査結果を示す図である。 QOL主観的指標の変化を示す図である。(表4に対応) 試験開始6週間後におけるQOLの実感調査結果を示す図である。 試験開始12週間後におけるQOLの実感調査結果を示す図である。 客観的指標の変化を示す図である。(表5に対応) 睡眠・ストレス客観的指標の変化を示す図である。(表6に対応)
以下において、成分の比率は質量%で表す。また、含有比率などにおいて、○○~○○質量%と表記している場合は、両端の数字を含む。例えば、「10~20質量%」は、10質量%以上20質量%以下を意味する。
ここで、いくつか言葉の定義を行う。
「抽出物」とは、原材料に対して化学的分離操作を行うことにより得る成分である。抽出方法として、例えば固液抽出や液液抽出などのほか、超臨界抽出が挙げられる。
「月経前症状」とは、月経前症候群(PMS)と、月経前不快気分障害(PMDD)とを合わせて表現するための用語であり、上述したPMS/PMDDと同義である。学術用語ではなく、本明細書の記載を簡便にするために定義するものである。
「経口組成物」とは、経口で摂取される組成物である。本実施形態において、経口組成物は錠剤のサプリメントである。ただし、経口組成物はこれに限られるものではなく、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、ドリンク剤であっても良く、そのほか、食品または飲料の態様で提供されるものであっても良い。
「全原料成分」とは、有効成分の総量を意味するものであり、例えば錠剤のコーティング剤成分は含まない。錠剤に係る以下の実施形態において、全原料成分の質量は、素錠の質量である。
(実施形態の概要)
本実施形態における経口組成物は、有効成分としてL-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物をそれぞれ所定量含有する(後述の表1参照)。
PMS/PMDDの症状がみられる被験者が、本実施形態の経口組成物を一定期間継続的に摂取したところ、PMS/PMDDの精神的影響や身体的影響の改善がみられた。
(実施形態の詳細)
本実施形態の経口組成物に含まれる各成分について、以下説明する。
L-テアニン(CAS番号:3081-61-6)は、例えば茶などに含まれるアミノ酸である。L-テアニンの摂取により、上述したPMS改善効果のほか、ストレス軽減効果や睡眠の質改善効果があると言われている。また、L-テアニンの作用として、抑制性神経伝達物質GABAの放出促進や、L-テアニン自身のGABA受容体へのアゴニスト作用などが知られている。
本実施形態においてL-テアニンは、全原料成分中17~27質量%含まれることが好ましく、20~25質量%含まれることがより好ましい。
L-テアニンの量が少ない場合、特に全原料成分中17質量%未満の場合、性能が十分に得られない。逆に、L-テアニンが多く含まれる場合、例えば全原料成分中27質量%を超えると、他の成分の配合量との関係上、不都合が生じる。
L-テアニンは市販のものを適宜用いることができる。
チェストツリー抽出物は、チェストツリー(学名:Vitex agnus-castus)の抽出物である。
チェストツリーには、フラボノイド(アピゲニン、カスチシン、オリエンチンなど)やジテルペン類(ラブダン系、クレロダン系)、イリドイド配糖体(アウクビン、アグヌサイド)、脂肪酸(リノール酸)などの様々な成分が含まれている。チェストツリー抽出物は、PMSの改善や更年期障害の改善などの効果を奏すると言われている。
本実施形態においてチェストツリー抽出物は、全原料成分中1.0~10質量%含まれることが好ましく、3.0~6.0質量%含まれることがより好ましい。
チェストツリー抽出物の量が少ない場合、特に全原料成分中1.0質量%未満の場合、性能が十分に得られない。一方で、チェストツリー抽出物はホルモン系への作用が報告されているため、過剰摂取は推奨されない。よって、チェストツリー抽出物は全原料成分中の量は上記範囲内であることが好ましい。
チェストツリー抽出物は市販のものを適宜用いることができるが、本実施形態ではチェストツリーエキス末を用いた。チェストツリーエキス末はチェストツリー抽出物である。
大豆イソフラボンは、主に大豆胚芽に多く含まれる、フラボノイドの一種である。ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテインの3種類の非配糖体(イソフラボンアグリコン)と、これらに対応するゲニスチン、ダイジン、グリシチンという3種類の配糖体、さらに配糖体のアセチル化体やマロニル化体が知られている。
1日あたり12.5~25.0mgの大豆イソフラボン(アグリコン量換算)を継続的に摂取することで、PMSの身体的症状(頭痛など)が改善すると言われている。
なお、本実施形態における大豆イソフラボンの質量は、配合量について記載するときは原料の大豆イソフラボンエキスの量を意味する。また、成分比率について記載するときは、非配糖体であるイソフラボンアグリコンの質量を基準とする。
例えば、本実施形態では、原材料としてイソフラボンアグリコン比率が80%である大豆イソフラボンエキスを用いているため、イソフラボンアグリコンの質量は、大豆イソフラボンエキスの質量の80%である。また本実施形態において、このイソフラボンアグリコンの質量(アグリコン量)を大豆イソフラボンの有効成分量とする。
本実施形態において大豆イソフラボンは、アグリコン量換算で全原料成分中0.1~1.4質量%含まれることが好ましく、0.2~0.5質量%含まれることがより好ましい。
大豆イソフラボンの量が少ない場合、特に全原料成分中0.1質量%未満の場合、性能が十分に得られない。一方で、大豆イソフラボンはホルモン系への作用が報告されているため、過剰摂取は推奨されない。よって、大豆イソフラボンは全原料成分中の量は上記範囲内であることが好ましい。
大豆イソフラボンは市販のものを適宜用いることができるが、本実施形態では、アグリコン体が80%含まれる、イソフラボンアグリコン含有大豆エキス末を用いた。
ショウガ抽出物は、ショウガ(学名:Zingiber officinale)の抽出物である。ショウガは、ジンゲロール、パラドール、ジンゲロン、ショウガオールなどの辛味成分を根の部分に有する。ショウガの根に最も多く含まれる成分はジンゲロール類である。ジンゲロール類は、アルキル鎖の長さが異なる6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロールが存在する。
ショウガ抽出物は、体温低下抑制効果や、消化管運動促進効果などを有する。
本実施形態においてショウガ抽出物は、全原料成分中0.5~2.8質量%含まれることが好ましく、1.0~2.0質量%含まれることがより好ましい。
ショウガ抽出物の量が少ない場合、特に全原料成分中0.5質量%未満の場合、性能が十分に得られない。逆に、ショウガ抽出物が多く含まれても特段性能上の不都合は生じないが、ショウガ抽出物の量が多い場合、例えば全原料成分中2.8質量%を超えると、製造過程において、ショウガ特有の強い香りが生じ得るほか、経口時において、辛みなどの風味を生じ得る。
ショウガ抽出物は市販のものを適宜用いることができる。
ギャバ(GABA)は、γ(ガンマ)-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid)のことであり、自然界に幅広く存在する非タンパク性アミノ酸の一種である。ギャバ(GABA)は、血圧降下作用や精神安定作用等が報告されている。
本実施形態においてギャバは、全原料成分中2.0~6.0質量%含まれることが好ましく、3.0~4.0質量%含まれることがより好ましい。
ギャバの量が少ない場合、特に全原料成分中2.0質量%未満の場合、性能が十分に得られない。逆に、ギャバが多く含まれても特段性能上の不都合は生じないが、全原料成分中6.0質量%を超えると、他の成分の配合量との関係上、不都合が生じ得る。
ギャバは市販のものを適宜用いることができるが、本実施形態では、ギャバが90質量%含まれる、大麦乳酸発酵液ギャバを用いた。
ヒハツ抽出物は、ヒハツ(学名:Piper longum)の抽出物である。ヒハツ抽出物はロングペッパー(Long Pepper)などとも呼ばれ、成分としてピペリン類を有する。
ヒハツ抽出物には、末梢(手)の皮膚表面温度の低下を軽減する効果のほか、足のむくみを軽減する効果が知られている。
本実施形態においてヒハツ抽出物は、全原料成分中10~24質量%含まれることが好ましく、13~20質量%含まれることがより好ましい。
ヒハツ抽出物の量が少ない場合、特に全原料成分中10質量%未満の場合、性能が十分に得られない。一方、ヒハツ抽出物の量が多く含まれる場合、例えば全原料成分中24質量%を超えると、製造過程において、ヒハツ抽出物特有の強い香りが生じるほか、経口時において、辛みなどの風味を生じる。
ヒハツ抽出物は市販のものを適宜用いることができる。
本実施形態の経口組成物は、上記以外の成分を含有する。具体的には、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、カミツレ抽出物、オタネニンジン抽出物、乳酸菌末(殺菌)、フラクトオリゴ糖、L-トリプトファン、ローヤルゼリー粉末、ピロリン酸第二鉄、スッポン粉末、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウムである。
カミツレ抽出物は、カミツレ(学名:Matricaria Recutita)の花から抽出された抽出物(エキス)である。効能として、血流促進作用があると言われている。
本実施形態においてカミツレ抽出物は、全原料成分中0.1~2.0質量%含まれることが好ましく、0.3~0.9質量%含まれることがより好ましい。カミツレ抽出物の量が少ない場合、特に全原料成分中0.1質量%より少ない場合、性能が十分に得られない。
カミツレ抽出物は市販のものを適宜用いることができるが、例えば丸善製薬株式会社製、商品名カミツレエキスパウダーMFを用いることができる。
オタネニンジン抽出物は、オタネニンジン(学名:Panax ginseng)から抽出された抽出物である。チョウセンニンジンやコウライニンジンとも呼ばれる。効能として、血行不良、冷え性などに優れた効果効能があると言われている。
本実施形態においてオタネニンジン抽出物は、全原料成分中0.1~2.0質量%含まれることが好ましく、0.3~0.9質量%含まれることがより好ましい。オタネニンジン抽出物の量が少ない場合、特に全原料成分中0.1質量%より少ない場合、性能が十分に得られない。
オタネニンジン抽出物は市販のものを適宜用いることができるが、例えば丸善製薬株式会社製、商品名高麗人参エキスパウダーMFを用いることができる。
以下に本実施形態に係る経口組成物を具体的に説明する。製造工程の説明後、被験者の協力による試験結果について説明する。
<経口組成物の製造工程>
本実施形態における経口組成物の製造工程を以下に示す。下記の製造工程により得られた錠剤を、経口組成物Cとする。
<計量・混合工程>
配合表に従い、各原材料を秤量し、混合機を用いて混合した。計量や混合は公知の方法を用いて行うことができる。本実施形態における経口組成物(経口組成物C)の配合量は以下のとおりである(表1)。本実施形態において、素錠の重さは、1粒あたり300mgである。
配合について、配合許容誤差は性能が変化しない5%以内とした。例えば全原料成分における配合割合が4.45質量%である場合、その配合許容誤差は4.23質量%から4.67質量%までである。
Figure 0007226727000002
十分に混合した原材料を成型機に投入し、錠剤を成型した(打錠工程)。得られた成型物について、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)によるコーティングを行った(コーティング工程)。
本実施形態において、コーティング剤の質量は、1粒の素錠につき15mgである。すなわち、1粒の錠剤の質量は、原材料300mgとコーティング剤15mgの合計である315mgである。
なお、この錠剤1粒あたり、L-テアニン66.7mg、チェストツリー抽出物13.4mg、大豆イソフラボン(アグリコン体)は1.01mg、ショウガ抽出物5.01mg、ギャバ9.99mg、ヒハツ抽出物50.0mg、カミツレ抽出物1.68mg、そしてオタネニンジン抽出物1.68mgが含まれる。
得られた錠剤を目視で検品し(検品工程)、アルミ袋に充填包装した(包装工程)。
また、規格項目に基づいた品質試験を行った(品質試験)。例えば、錠剤の総重量について、315mgプラスマイナス20mgの範囲から外れるものは規格外品である。
以上のような構成により、本実施形態における経口組成物Cは、L-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物の6種の成分を所定量含有する。
つづいて、経口組成物Cの評価結果を以下に示す。
<PMS/PMDDへの影響検証試験>
1.試験デザイン
本試験の目的は、経口組成物Cを毎日朝食後に3粒摂取し、PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)への影響を検証する。試験期間は12週間である。
2.被験者の選択基準・除外基準
(1)対象
本試験の選択基準を満たし、PMS/PMDDのアンケートで症状の重い者をスクリーニングした。
そして、試験の内容について十分な説明を受け、文書によって本試験参加に同意をした年齢20歳以上40歳以下の健常な日本人女性15名を対象とした。
選択基準として、健常者であること、食物アレルギーのない者、PMS/PMDDの症状に悩みのある者、などを被験者の条件とした。
ここで健常者とは、本試験における健常者とは、重篤な臓器障害や特定の疾病がなく、それらの関連する治療を受けていないもの及び何らかの薬物療法を受けていない者をいう。健常者に該当するか否かは、試験開始時本人の申告を基準とする。
また除外基準として、心不全や心筋梗塞などの治療の既往歴がある者、通院及び医薬品(漢方薬を含む)を常用している者、PMS/PMDDの症状が軽度と感じる者などを被験者から除外した。
3.試験対象
試験対象の経口組成物Cは錠剤サプリメントである。経口組成物Cは成分として、ヒハツ抽出物(デキストリン、ヒハツエキス)(国内製造)、チェストツリーエキス抽出物、大麦乳酸発酵液ギャバ、ショウガ抽出物、カミツル抽出物、オタネニンジン抽出物、乳酸菌末(殺菌)、フラクトオリゴ糖、乾燥ローヤルゼリー、スッポン粉末、大豆抽出物/セルロース(大豆イソフラボン含む)、L-テアニン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ピロリン酸鉄(ピロリン酸第二鉄)、ステアリン酸Ca、微粒二酸化ケイ素、HPC、L-トリプトファン、ショ糖エステル、V(ビタミン).B1、V.B2、葉酸、V.D、V.B12を含む。
4.試験スケジュール
試験開始時(0週目)に、主観アンケート、体重測定、サーモグラフィー撮影、血流速度測定、自律神経測定、疲労度測定を行った。
また、試験6週目、12週目には、主観アンケート、サーモグラフィー撮影、血流速度測定、自律神経測定、疲労度測定を行った。
なお以下において、週目を「w」で表記する場合がある。例えば、0週目や6週目をそれぞれ0w、6wと表記する。
5.被験品摂取方法
経口組成物Cを毎日朝食前に3粒を水またはぬるま湯で摂取した。
6.試験内容
被験者に対して試験説明・同意取得を実施し、その後アンケートと測定を行った。
主観的質問項目は、PMS/PMDDに関する質問(18項目)と、QOLに関する質問(5項目)である。
PMS/PMDDに関する質問は、生理開始前の7~10日間の状態について回答してもらった。
項目は、「悲しい感じ、落ち込んだ感じ、憂鬱、絶望感」、「自分自身が価値のない存在であると感じる、罪の意識を感じる」、「不安、緊張、興奮、イライラした感じ」、「突然悲しくなった、涙もろくなった」、「拒絶に対して過敏になった、感情が傷つきやすくなった」、「怒りを感じた、怒りやすくなった」、「普段の活動(学校・仕事・友人・趣味)に興味がわかない」、「ものごと(仕事・家事・趣味など)に集中出来ない」、「無気力を感じた、あきあきした、疲労を感じた」、「圧倒された感じがした、うまく対処が出来ないと感じた」、「自制(抑えること)出来ないと感じた」、「常にお腹が空いており食べ過ぎた」、「特定の食べ物に執着を感じた」、「寝すぎた、朝起きるのが辛かった」、「寝付けなかった、夜中に目が覚めた」、「乳房のハリや痛みを感じた」、「頭痛、関節痛、または筋肉痛を感じた」、「体重増加や身体のむくみを自覚した」の18項目である。
QOLに関する質問は、「体調について」、「身体の疲労について」、「身体の軽さについて」、「睡眠について」、「便通について」の5項目である。
客観的測定項目のうち、体重は高精度型体組成計DF860(株式会社ヤガミ製)で0週のみ測定し、被験者各自の基礎代謝量を取得した。
サーモグラフィー撮影は、前胸部の中心をサーモグラフィーカメラIR006で撮影した。
血流速度は、血流スコープ(株式会社徳製、製品名TOKU Capillaro(登録商標))で左手薬指の毛細血管を撮影した。
疲労度測定は、フリッカー値測定器2型(竹井機器工業製)を用いて、被験者に両眼で停止している赤い点を見つめてもらい、赤い点にチラつきが確認出来るまでの時間を測定した。
自律神経は、自律神経測定器(陽春堂製、製品名HRV2018S)で左手人差し指を測定した。
QOL客観的測定項目については、スマートウォッチ(Xiaomi(登録商標)製、商品名Smart Band6)を24時間装着し、睡眠スコア、ストレス平均・最高・最低スコアを測定した。
7.試験期間中
試験期間は下記を順守させた。
(1)暴飲暴食・不規則な生活を行わないこと。
(2)毎日夕食を少なめにすること、歩数は1週間平均8,000歩以上行うこと。
(3)新たにサプリメントの摂取をしないこと。
(4)毎日Web日誌の入力、スマートウォッチを24時間装着すること。またWeb日誌は常に閲覧出来るようにし、管理した。
表2は12週間被験者平均データである。
Figure 0007226727000003
8.評価方法
評価方法は0週・6週・12週の経時比較を行った。
主観的評価として、PMS/PMDDに関するアンケートの18項目とQOLに関するアンケートの5項目を、「1点:大変感じる~5点:どちらとも言えない~9点:感じない」の9段階で評価した。
客観的評価として、自律神経(交感神経・副交感神経の割合)に関する評価、疲労度に関するフリッカー値の評価、血流速度に関する評価、体表温度を評価した。
血流速度に関する評価は、定点における毛細血管の1秒あたりの血流量を評価した。体表温度は、前胸部の中心の温度を評価した。
また、QOL客観的評価として、睡眠スコアと、ストレス平均・最高・最低スコアを評価した。1・2週、6・7週、11・12週のそれぞれ2週間の平均値を評価した。
9.統計方法
各データは記述統計値(平均、標準偏差)とし、paired t-testで検定を行った。検定ソフトはStatcel4(マイクロソフトコーポレーション製ソフトウェアExcel(登録商標)のアドインソフト)を使用し、有意水準は5%とした。
10.結果
本試験は15名でスタートし、1名が(試験全体に影響しない事情により)離脱したが、14名(平均年齢29.4プラスマイナス4.6歳)について試験が完了した。完了者全員有害事象を生じた者はいなく不適格症例はなかったため14名を解析対象とした。
(1)PMS/PMDD主観的指標の変化(表3)
主観的評価のうち、PMS/PMDDに関する18項目のアンケート結果ついて説明する(表3)。上述したとおり、数値(点数)が上がれば改善を示している。
表中、測定値や変化量については、平均値と標準偏差(プラスマイナスの後ろの値)で結果を表す。また、p値について、n.s.(Not Significant)は有意差が無いことを、0.05や0.01などの数値は有意水準を意味する。これらは以下の表において同じである。
図1から図3は、表3の結果をグラフ化した、PMS/PMDD主観的指標の変化を示す図である。
また、図4、図5はそれぞれ、試験開始6週間後および12週間後におけるPMS/PMDDの実感調査結果を示す図である。併せて参照されたい。
Figure 0007226727000004
「悲しい感じ、落ち込んだ感じ、憂鬱、絶望感」は、摂取前が2.43点に対して、6週間後は3.50点、12週間後が5.64点であり、摂取前より3.21点向上して有意差が認められた。
「自分自身が価値のない存在であると感じる、罪の意識を感じる」は、摂取前が3.14点に対して、6週間後は4.79点、12週間後が6.36点であり、摂取前より3.22点向上して有意差が認められた。
「不安、緊張、興奮、イライラした感じ」は摂取前が2.14点に対して、6週間後は3.21点、12週間後が5.57点であり、摂取前より3.43点向上して有意差が認められた。
「突然悲しくなった、涙もろくなった」は摂取前が2.71点に対して、6週間後は4.29点、12週間後が6.21点であり、摂取前より3.50点向上して有意差が認められた。
「拒絶に対して過敏になった、感情が傷つきやすくなった」は摂取前が2.79点に対して、6週間後は4.14点、12週間後が6.14点であり、摂取前より3.35点向上して有意差が認められた。
「怒りを感じた、怒りやすくなった」は摂取前が2.29点に対して、6週間後は3.79点、12週間後が6.07点であり、摂取前より3.78点向上して有意差が認められた。
「普段の活動(学校・仕事・友人・趣味)に興味がわかない」は摂取前が2.86点に対して、6週間後は4.43点、12週間後が6.36点であり、摂取前より3.50点向上して有意差が認められた。
「ものごと(仕事・家事・趣味など)に集中出来ない」は摂取前が2.50点に対して、6週間後は4.21点、12週間後が6.29点であり、摂取前より3.79点向上して有意差が認められた。
「無気力を感じたり、あきあきしたり、疲労を感じた」は摂取前が2.14点に対して、6週間後は3.86点、12週間後が6.00点であり、摂取前より3.86点向上して有意差が認められた。
「圧倒された感じがした、うまく対処が出来ないと感じた」は摂取前が3.14点に対して、6週間後は4.79点、12週間後が6.50点であり、摂取前より3.36点向上して有意差が認められた。
「自制(抑えること)出来ないと感じた」は摂取前が3.07点に対して、6週間後は4.71点、12週間後が6.21点であり、摂取前より3.14点向上して有意差が認められた。
「常にお腹が空いており食べ過ぎた」は摂取前が2.79点に対して、6週間後は4.50点、12週間後が6.29点であり、摂取前より3.50点向上して有意差が認められた。
「特定の食べ物に執着を感じた」は摂取前が3.21点に対して、6週間後は4.50点、12週間後が7.00点であり、摂取前より3.79点向上して有意差が認められた。
「寝すぎた、朝起きるのが辛かった」は摂取前が2.07点に対して、6週間後は3.86点、12週間後が5.71点であり、摂取前より3.64点向上して有意差が認められた。
「寝付けなかった、夜中に目が覚めた」は摂取前が3.07点に対して、6週間後は4.14点、12週間後が6.14点であり、摂取前より3.07点向上して有意差が認められた。
「乳房のハリや痛みを感じた」は摂取前が3.21点に対して、6週間後は5.43点、12週間後が6.64点であり、摂取前より3.43点向上して有意差が認められた。
「頭痛、関節痛、または筋肉痛を感じた」は摂取前が3.14点に対して、6週間後は4.50点、12週間後が6.71点であり、摂取前より3.57点向上して有意差が認められた。
「体重増加や身体のむくみを自覚した」は摂取前が2.86点に対して、6週間後は3.64点、12週間後が5.57点であり、摂取前より2.71点向上して有意差が認められた。
(3)QOL主観的指標の変化(表4)
以下、主観的評価のうち、QOLに関する5項目のアンケート結果ついて説明する(表4)。上述したとおり、数値(点数)が上がれば改善を示している。
図6は、表4の結果をグラフ化した、QOL主観的指標の変化を示す図である。また、図7、図8はそれぞれ、試験開始6週間後および12週間後におけるQOLの実感調査結果を示す図である。併せて参照されたい。
Figure 0007226727000005
「体調について」は摂取前が5.00点に対して、6週間後は5.86点、12週間後が7.07点であり、摂取前より2.07点向上して有意差が認められた。
「身体の疲労について」は摂取前が5.00点に対して、6週間後は5.71点、12週間後が6.71点であり、摂取前より1.71点向上して有意差が認められた。
「身体の軽さについて」は摂取前が5.00点に対して、6週間後は5.71点、12週間後が6.57点であり、摂取前より1.57点向上して有意差が認められた。
「睡眠について」は摂取前が5.00点に対して、6週間後は5.57点、12週間後が6.86点であり、摂取前より1.86点向上して有意差が認められた。
「便通について」は摂取前が5.00点に対して、6週間後は6.14点、12週間後が7.14点であり、摂取前より2.14点向上して有意差が認められた。
(4)客観的指標の変化(表5)
以下、客観的評価の結果ついて説明する(表5)。
図9は、表5の結果をグラフ化した、客観的指標の変化を示す図である。併せて参照されたい。
Figure 0007226727000006
「交感神経」は、数値が高いほど優位であることを示す指数である。摂取前が48.71に対して、6週間後は52.21、12週間後が51.79であり、摂取前より3.08増加して有意差が認められた。
「副交感神経」は、数値が高いほど優位であることを示す指数である。摂取前が51.29に対して、6週間後は47.79、12週間後が48.21であり、摂取前より3.08減少して有意差が認められた。
「疲労度」は、高いほど良好な結果(被験者が疲れていないこと)を示す指数である。フリッカー値を評価している。摂取前が32.99に対して、6週間後は36.34、12週間後が38.18であり、摂取前より5.19増加して有意差が認められた。
「血流速度」は、被検者の血流の速度であり、数値が上がれば改善を示す。摂取前が40.46μl/secに対して、6週間後は45.66μl/sec、12週間後が57.81μl/secであり、摂取前より17.35μl/sec増加して有意差が認められた。
「体表温度」は、被検者の体表の温度であり、数値が上がれば改善を示す。摂取前が33.51℃に対して、6週間後は33.81℃、12週間後が34.93℃であり、摂取前より1.42℃増加して有意差が認められた。
(5)睡眠・ストレス客観的指標の変化(表6)
以下、QOL客観的評価の結果ついて説明する(表6)。「睡眠スコア」は、数値が高い方が良好な結果を示す指標である。一方、「ストレス平均スコア」「ストレス最高スコア」「ストレス最低スコア」はいずれも、低い方が良好な結果を示す指標である。
図10は、表6の結果をグラフ化した、睡眠・ストレス客観的指標の変化を示す図である。併せて参照されたい。
Figure 0007226727000007
「睡眠スコア」は、1・2週平均が76.27に対して、6・7週平均は75.28、11・12週平均が76.52であった。1・2週との差は0.25であり、有意差は認められなかったが、増加傾向が見られた。
「ストレス平均スコア」は、1・2週平均が30.85に対して、6・7週平均は29.06、11・12週平均が29.44であった。1・2週平均との差は1.41であり、有意差は認められなかったが、減少傾向が見られた。
「ストレス最高スコア」は、1・2週平均が73.48に対して、6・7週平均は71.47、11・12週平均が72.17であった。1・2週平均との差は1.31であり、有意差は認められなかったが、減少傾向が見られた。
「ストレス最低スコア」は、1・2週平均が8.30に対して、6・7週平均は6.12、11・12週平均が6.71であった。1・2週平均との差はであり、有意差は認められなかったが、減少傾向が見られた。
11.考察
本試験は経口組成物Cを12週間朝食前に3粒摂取し、夕食は食事量を少なめにして胃の消化の負担軽減、1週間平均8,000歩の運動を行い、PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の影響を検証した。
経口組成物Cはホルモンバランスの乱れの緩和のチェストツリー、エストロゲン減少に伴う様々な症状の緩和で吸収しやすいアグリコン型イソフラボン、緊張を和らげる働きとリラックス効果のL-テアニン、脳の興奮を鎮めるまた睡眠の質を上げるギャバ、毛細血管の血流を良くするヒハツ、嘔吐の軽減や月経困難症・めまいの軽減効果があるショウガが配合されている。
結果、PMS/PMDDのアンケートでは、精神的影響の「悲しい感じ、落ち込んだ感じ、憂鬱、絶望感」、「自分自身が価値のない存在であると感じる、罪の意識を感じる」、「不安、緊張、興奮、イライラした感じ」、「突然悲しくなった、涙もろくなった」、「拒絶に対して過敏になった、感情が傷つきやすくなった」、「怒りを感じた、怒りやすくなった」、「普段の活動(学校・仕事・友人・趣味)に興味がわかない」、「ものごと(仕事・家事・趣味など)に集中出来ない」、「無気力を感じた、あきあきした、疲労を感じた」、「圧倒された感じがした、うまく対処が出来ないと感じた」、「自制(抑えること)出来ないと感じた」の11項目はすべての項目において有意差が認められた。
客観的指標は、自律神経・ストレススコアとし、自律神経は、摂取前は副交感神経が優位だったが12週間後は交感神経が優位になり有意差が認められた。
ストレススコアは、有意差は認められなかったものの平均スコア・最高スコア・最低スコアにおいて減少傾向が見られた。
このことから、経口組成物Cを摂取することにより、精神的影響が改善される可能性があることが推測される。
身体的影響の「常にお腹が空いており食べ過ぎた」、「特定の食べ物に執着を感じた」、「寝すぎた、朝起きるのが辛かった」、「寝付けなかった、夜中に目が覚めた」、「乳房のハリや痛みを感じた」、「頭痛、関節痛、または筋肉痛を感じた」、「体重増加や身体のむくみを自覚した」の7項目はすべての項目において有意差が認められた。
客観的指標は、疲労度・血流速度・体表温度・睡眠スコアとした。
疲労度は、摂取前より12週間後は15.7%軽減され、有意差が認められた。
血流速度は、摂取前より42.9%早くなり、有意差が認められた。
体表温度は、摂取前より4.2%上昇し、有意差が認められた。
睡眠スコアは、有意差は認められなかったものの、摂取前より0.3%スコアが良くなる傾向が見られた。
主観的指標のQOLに関するアンケートは、「体調について」、「身体の疲労について」、「身体の軽さについて」、「睡眠について」、「便通について」の5項目全てにおいて有意差が認められた。
体調については、参加者全員が良くなったと回答した。
身体の疲労について、睡眠について、そして便通についての3項目は、参加者の92.9%が良くなったと回答した。
身体的影響に関しても改善される可能性があると推測される。
経口組成物Cを12週間摂取し、PMS/PMDDの精神的と身体的への影響を検証したが、被験者が回答する主観的指標とその評価の裏付けとして客観的指標を行ったが、どちらにおいても良い方向に変化し、経口組成物Cを摂取することにより、PMS/PMDDの症状を改善させる結果であった。
12.結論
12週間食事量のコントロール・運動+朝食前に経口組成物Cを3粒摂取することにより、PMS(月経前症候群)/PMDD(月経前不快気分障害)の精神的影響や身体的影響が改善することが確認された。
試験期間中に身体に異常を訴える者はおらず、経過観察期間2週間後においても身体に異常を訴える者はいなかったので安全性に関して問題ないことが確認された。
経口組成物Cの評価については以上であるが、以下さらに考察する。
L-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物の組み合わせで上記効果が得られる理由は定かではないが、例えば、上述したように、ショウガ抽出物は消化管運動促進効果があることから、経口組成物Cがショウガ抽出物を含有することにより、PMS症状改善効果を示す成分の積極的な吸収を促進するなどの効果があったと考えられる。
あるいは、上述したように、ショウガには体温低下抑制効果(その一部として血行を良くする効果)があるため、有効成分の体内の流通を補助していることなどの効果も考えられ得る。
同様に、ヒハツ抽出物にも血管拡張作用があることから、上記のような相乗効果が得られると考えられる。
大豆イソフラボンは12.5~25.0mg/日の摂取でPMSの改善傾向がみられるとの報告がある。ここで、1日分の経口組成物C(錠剤3粒)に含まれる大豆イソフラボンの量は、上記の量よりは少ない。
しかしながら、上述の実験結果に示すように、経口組成物Cの継続的摂取によりPMS改善傾向がみられたことから、経口組成物Cは、大豆イソフラボンだけに限らない相乗効果を有していると考える。
上記相乗効果を考慮すると、含有比率としては、ショウガ抽出物が、L-テアニンに対して、質量比で2.0~16%の範囲で含まれることが好ましく、5.0~10%の範囲で含まれることがより好ましい。
同様に、ヒハツ抽出物は、L-テアニンに対して、質量比で38~141%の範囲で含まれることが好ましく、50~100%の範囲で含まれることがより好ましい。
ショウガ抽出物やヒハツ抽出物が、L-テアニンに対して少ない場合、例えば上記範囲未満である場合、上記相乗効果が十分に得られないと考える。
各成分について、上述した含有量の範囲内でPMS等の改善効果が見られたことから、L-テアニンと、ショウガ抽出物やヒハツ抽出物との成分比率に限られない、何らかの相乗効果が生じていることが考えられる。
例えば、チェストツリー抽出物は、L-テアニンに対して、質量比で4.0~58%の範囲で含まれることが好ましく、15~25%の範囲で含まれることがより好ましい。
本実施形態の経口組成物Cは、カミツレ抽出物およびオタネニンジン抽出物を含有する。これらの成分はいずれも、血流改善効果が認められるため、上記同様、PMS症状を改善する有効成分の体内吸収を促すなどの、相乗効果を備える可能性がある。
また、これらの成分のそれぞれが有する特有の効果、例えばカミツレ抽出物のリラックス作用などが、PMS症状の改善に好適な作用をもたらしていることも考えられる。
カミツレ抽出物やオタネニンジン抽出物の含有量が少ない場合、十分な効果は得られないと考える。
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述した効果を阻害しない限りにおいて、公知の添加剤などを加えても良い。例えば、有効成分の酸化を防ぐための酸化防止剤などである。
上述した実施形態は、換言すると以下の特徴を備える。下記は本願出願時における特許請求の範囲と対応する。ただし、出願後における特許請求の範囲の補正により、当該補正後の特許請求の範囲の記載とは異なる場合がある。
(1)第一の実施例は、L-テアニン、チェストツリー抽出物、大豆イソフラボン、ショウガ抽出物、ギャバ、およびヒハツ抽出物を有効成分として含有する、経口組成物を提供する。
(2)第二の実施例は、前記L-テアニンを全原料成分中17~27質量%、前記チェストツリー抽出物を全原料成分中1.0~10質量%、前記大豆イソフラボンをアグリコン量換算で全原料成分中0.1~1.4質量%、の比率で含有することを特徴とする、請求項1に記載の経口組成物を提供する。
この場合、所定量以上の有効成分を含むことで、経口組成物のPMS改善傾向が良化するという利点がある。例えば、PMSの改善傾向がみられる大豆イソフラボン量に至らない量であっても、PMS改善傾向がみられる経口組成物を提供する。
(3)第三の実施例は、前記ショウガ抽出物を全原料成分中0.5~2.8質量%、前記ギャバを全原料成分中2.0~6.0質量%、前記ヒハツ抽出物を全原料成分中10~24質量%の比率で含有することを特徴とする、前記第二の実施例の項目に記載の経口組成物を提供する。
この場合、経口組成物のPMS改善傾向が良化する。PMS改善傾向を示す成分に対し、体内への吸収や流通を促進するためと考えられる。
(4)第四の実施例は、前記ショウガ抽出物が、前記L-テアニンに対して、質量比で2.0~16%含まれることを特徴とする、前記第二または第三の実施例の項目に記載の経口組成物を提供する。
この場合、経前症状緩和用経口組成物のPMS改善傾向が良化するという利点がある。上記同様、ショウガ抽出物を所定量以上含むことにより、PMS改善傾向を示す成分に対し、体内への吸収や流通を促進すると考えられる。
(5)第五の実施例は、さらに、カミツレ抽出物およびオタネニンジン抽出物を含有することを特徴とする、前記第一の実施例の項目に記載の経口組成物を提供する。
この場合、カミツレ抽出物およびオタネニンジン抽出物も血流促進効果があるため、PMS改善成分の吸収等を促進し得るという利点がある。
(6)第六の実施例は、前記経口組成物が、月経前症状緩和用経口組成物であることを特徴とする、前記第一の実施例の項目に記載の経口組成物を提供する。

Claims (2)

  1. 有効成分として、
    L-テアニンを全原料成分中21.11~23.33質量%
    チェストツリー抽出物を全原料成分中4.23~4.67質量%
    大豆イソフラボンをアグリコン量換算で全原料成分中0.32~0.35質量%
    ショウガ抽出物を全原料成分中1.59~1.75質量%
    ギャバを全原料成分中3.17~3.49質量%
    ヒハツ抽出物を全原料成分中15.84~17.50質量%
    カミツレ抽出物を全原料成分中0.54~0.58質量%、
    オタネニンジン抽出物を全原料成分中0.54~0.58質量%、
    の比率で含有
    さらに、ビタミンD3、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、乳酸菌末(殺菌)、フラクトオリゴ糖、L-トリプトファン、ローヤルゼリー粉末、ピロリン酸第二鉄、およびスッポン粉末を含むことを特徴とする、経口組成物。
  2. 前記経口組成物が、月経前症状緩和用経口組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の経口組成物。
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