JP4787908B1 - 経口更年期症状改善剤 - Google Patents

経口更年期症状改善剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4787908B1
JP4787908B1 JP2010168869A JP2010168869A JP4787908B1 JP 4787908 B1 JP4787908 B1 JP 4787908B1 JP 2010168869 A JP2010168869 A JP 2010168869A JP 2010168869 A JP2010168869 A JP 2010168869A JP 4787908 B1 JP4787908 B1 JP 4787908B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
skin
oral
winged bean
decrease
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010168869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012025717A (ja
Inventor
恵子 牟田
美星 横尾
智洋 作田
浩 森
修 上田
達也 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shiseido Co Ltd filed Critical Shiseido Co Ltd
Priority to JP2010168869A priority Critical patent/JP4787908B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4787908B1 publication Critical patent/JP4787908B1/ja
Publication of JP2012025717A publication Critical patent/JP2012025717A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】更年期等にみられる卵巣機能不全に関連する女性ホルモンの減少に伴って生じる様々な皮膚状態の悪化を抑制、緩和、改善するとともに、更年期症状の一つである、ほてり・ホットフラッシュを改善する。
【解決手段】経口更年期症状改善剤をマメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物からなるものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は女性ホルモンの減少に伴って生じる様々な皮膚状態の悪化を抑制、緩和、改善することが可能であるとともに、更年期症状の一つである、ほてり・ホットフラッシュを改善することが可能な経口更年期症状改善剤に関するものである。
更年期には女性ホルモンの減少に伴って不定愁訴の症状、例えば、全身倦怠、疲労感、微熱感、頭重、頭痛、のぼせ、耳鳴り、しびれ感、動悸、四肢冷感等の不快な症状をもたらし、日常生活にまで影響を及ぼすことが知られている。このような更年期の不定愁訴の症状、いわゆる更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン等)の分泌低下によるものと考えられており、若年層の女性においても、社会進出に伴う過度のストレスやダイエット等のためにホルモンバランスが崩れ、更年期障害に類似した症状を呈することが知られている。
女性ホルモンは、骨の成分が溶け出すのを抑えて骨粗しょう症を予防したり、動脈硬化や高血圧の予防、あるいは細胞の潤いと柔軟性を守り皮膚や粘膜を健康に保ったり、自律神経のバランスを整えるなどの働きをしており、女性ホルモンの減少に伴う症状は肉体的にも精神的にも多岐にわたる障害が現われるが、皮膚状態、例えば皮膚弾力性、皮膚厚、皮脂量、皮膚色等のような皮膚生理パラメータにも女性ホルモンの減少が影響していることが知られている(非特許文献1)。
更年期の不定愁訴の改善のために行われる女性ホルモン補充療法(HRT)は、不足している女性ホルモンを人為的に補うという考えに基づいている。このHRTは更年期障害や骨粗しょう症だけでなく、女性ホルモンの分泌低下に伴う皮膚状態の改善にも効果が認められる反面、乳がんや子宮体がんの発症率が高くなるといった危険性が指摘されている。このため、更年期障害に対するHRTに代わる療法として、大豆に含まれるイソフラボンを摂取することが知られている(例えば特許文献1)。また、更年期の皮膚状態の改善のためにイソフラボンを含有した組成物も提案されている(特許文献2および3)。
イソフラボンは植物エストロゲンの一つといわれ、その化学構造が女性ホルモンであるエストロゲンと類似し、エストロゲン受容体に結合して促進的あるいは競合的に種々の生体作用を発揮することが知られている。イソフラボンは効き目が穏やかであることから、日常的に摂取しても副作用はないと言われているものの、一方で、乳ガン、子宮ガンなどの発生、増殖リスクを高める可能性があるとも考えられており、厚生労働省ではサプリメントなどを通じてのイソフラボン摂取には注意を促している。このような事情に鑑みれば、女性ホルモンの減少に伴って生じる様々な皮膚状態の悪化の改善、抑制、緩和等のために、HRT療法や女性ホルモンと類似する物質を摂取するといったこと以外の、副作用のリスクを考慮する必要のない薬剤やサプリメントが切望される。
ところで、出願人は表皮細胞におけるラミニン5の産生能を高め、抗老化、シワ形成抑制作用を有するシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)の抽出物からなる皮膚外用剤を提案している(特許文献4)。また、シカクマメの抽出物には細胞増殖促進、TGF−β産生促進、コラーゲンゲル収縮促進、インテグリン産生促進、コラーゲン産生促進、ヒアルロン酸産生促進、タンパク質糖化抑制といった効果があることを見出し、シカクマメの抽出物を含んだ各種促進剤、抑制剤を提案している(特許文献5、6および7)。一方で、特許文献8には、シカクマメはイソフラボンを含有していることが記載されている。
日本更年期医学会雑誌 Vol.8,No1,pp.30-40,2000
特開2003−2831号公報 特開2005−229855号公報 特開2004−517801号公報 特許3687747号公報 特開2010−24211号公報 特開2010−24222号公報 特開2010−132632号公報 特開平11−292898号公報
特許文献4ではシカクマメの抽出物が外用剤として抗老化、シワ形成抑制作用を有することが記載されているものの、シカクマメの抽出物を経口摂取した場合の効果は明らかではない。また、特許文献5、6および7に記載の細胞増殖促進、コラーゲン産生促進、タンパク質糖化抑制等の効果はin vitroにおける細胞レベルの評価であり、シカクマメの抽出物を経口で摂取した場合の効果としては薬物動態学上、同視することはできない。
発明者らが検討したところ、シカクマメの種子および莢の抽出物には更年期等の女性ホルモンの減少に伴って生じる皮膚症状の悪化を抑制したり、緩和、改善する等の効果、また更年期症状の一つであるほてり・ホットフラッシュに改善効果があることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は、更年期等の女性ホルモンの減少に伴って生じる様々な皮膚症状の悪化を抑制、緩和、改善することが可能であるとともに、ほてり・ホットフラッシュを改善することが可能な経口更年期症状改善剤を提供することを目的とするものである。
本発明の経口更年期症状改善剤は女性ホルモンの減少に伴う更年期症状を抑制するためのものであって、マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物からなるものである。
前記植物またはその抽出物はマメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の種子または莢であることが好ましく、前記シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物はシカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)であることがより好ましい。
本発明の経口更年期症状改善剤はマメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物からなるものであり、女性ホルモンの減少に伴う皮膚症状の悪化を抑制、緩和、改善することが可能であるとともに、更年期症状の一つである、ほてり・ホットフラッシュを改善することができる。
マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の抽出物の中でもとりわけシカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)の種子および莢には、特許文献8の記述に反してイソフラボンは含有されていないため、エストロゲン様による副作用を起こす懸念がなく、女性ホルモンの減少に伴う皮膚症状の悪化を抑制、緩和、改善し、ほてり・ホットフラッシュを改善することができる。
シカクマメ抽出物摂取による水分量の変化を示すグラフである。 シカクマメ抽出物摂取による皮膚粘弾性の変化を示すグラフである。 シカクマメ抽出物摂取による皮膚色の変化を示すグラフである。 シカクマメ抽出物摂取によるゼラチナーゼ量の変化を示すグラフである。
以下、本発明の経口更年期症状改善剤について詳細に説明する。本発明の経口更年期症状改善剤は女性ホルモンの減少、とりわけ卵巣機能不全に伴う更年期症状、具体的には皮膚症状の悪化を抑制、緩和、改善し、ほてり・ホットフラッシュを改善するものである。女性ホルモンの減少を伴う卵巣機能不全には、更年期障害、卵巣欠落症状など、女性ホルモンを産出する卵巣機能の低下を伴う様々な卵巣機能不全症が挙げられる。また、女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)、例えばエストラジオール、エストリン、エストリオールや、プロゲステロン(黄体ホルモン)等が挙げられる。
本発明の経口更年期症状改善剤は卵巣機能不全に関連する女性ホルモンの減少を原因とするものに好適に用いられる。ここで、更年期とは、いわゆる更年期(生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期をいい、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期)の他、女性ホルモンの分泌低下による若年性更年期や、女性ホルモンの分泌低下に起因する男性更年期をも含む広い概念である。
本発明でいう女性ホルモンの減少に伴う皮膚症状の悪化とは、卵巣機能不全に起因する女性ホルモンの減少に伴って生じる様々な皮膚の変化であり、例えばシワ、たるみ、潤いやつやの減少、くすみ等が挙げられる。女性ホルモンの減少は真皮コラーゲン量の減少を引き起こし、シワやたるみの原因となる。また、女性ホルモンの減少によって皮脂量が減少するために、皮膚の潤いやつやを消失させる。さらに、女性ホルモンの減少は角質層の重層化を引き起こすために、経表皮水分蒸散量が減少して皮膚血流の低下が引き起こされ、肌の透明感が低下してくすみを助長する。本発明の経口更年期症状改善剤は女性ホルモンの減少に伴うこのような様々な皮膚症状の悪化の抑制、緩和および改善に有効である。
ほてり・ホットフラッシュとは女性ホルモンの減少に伴って、脳の視床下部がコントロールする自律神経が乱れ、体温調節機能が低下し、突然顔が熱くなったり、大量の汗がしたたり落ちたり、あるいは、下半身は冷えているのに顔がやけにほてる、冷えのぼせと言われる症状を示すものである。本発明の経口更年期症状改善剤は女性ホルモンの減少に伴うこのようなほてり・ホットフラッシュの緩和および改善にも有効である。
本発明の経口更年期症状改善剤に用いられるシカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物は、マメ科の熱帯産つる性の草本である。本発明ではシカクマメ属に属する植物であれば特に限定されるものでなく、任意に用いることができる。中でもシカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)が好ましく用いられる。シカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)は日本にも移入され、栽培されている。改良品種として「ウリズン」等が知られている。本発明ではこれら改良品種も含むことはもちろんである。市販品はサカタのタネなどで購入することができる。
シカクマメは生のままでも乾燥したものでも使用することができるが、使用性、製剤化等の点から乾燥粉末あるいは溶媒抽出物として用いることが好ましい。シカクマメの使用部位としては、種子、莢、葉、花、根、全草等、任意に用いられ得る。中でも種子または莢が好ましく用いられる。シカクマメの抽出物の中でもシカクマメの種子および莢には特許文献8の記述に反してイソフラボンは含有されていない。このため、エストロゲン様による副作用を起こすことがないため好適である。
シカクマメの抽出物は常法より得ることができ、例えば、シカクマメを必要により乾燥した後、抽出溶媒に一定期間浸漬するか、あるいは加熱還流している抽出溶媒と接触させ、次いで濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル等の有機溶媒を、それぞれ単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを用いるか、あるいはこれらエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いることができる。
このようにして得られたシカクマメ抽出物は、安全性が高く、経口により卵巣機能不全に関連する女性ホルモンの減少に伴う皮膚症状の悪化の抑制等の作用、ほてり・ホットフラッシュの改善等の作用を有する。シカクマメおよびその抽出物が経口により、女性ホルモンの減少に伴う上記のような更年期症状改善作用があることはこれまで全く知られておらず、本発明者らによってこれら作用をもつことが初めて確認されたものである。
本発明の経口更年期症状改善剤を飲食品や飼料等に配合する場合、シカクマメ抽出物の配合量(乾燥質量)は、それらの種類、目的、形態、利用方法などに応じて、適宜決めることができ、例えば、飲食品全量中に0.0001〜50質量%程度とすることができる。特に、保健用飲食品等として利用する場合には、本発明の有効成分を所定の効果が十分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
飲食品や飼料の形態としては、例えば、顆粒状、粒状、ペースト状、ゲル状、固形状、または、液体状に任意に成形することができる。これらには、飲食品等に含有することが認められている公知の各種物質、例えば、結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、等張化剤、安定化剤やpH調製剤などの賦形剤を適宜含有させることができる。
本発明の経口更年期症状改善剤を医薬製剤として用いる場合、剤型は任意で、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤や、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤など、いずれの形態にも公知の方法により適宜調製することができる。これらの医薬製剤には、通常用いられる結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、矯味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保存剤、乳化剤、安定化剤やpH調製剤などの賦形剤を適宜使用してもよい。
本発明の経口更年期症状改善剤を、飲食品、飼料、医薬製剤等として用いる場合、女性ホルモンの減少に伴う更年期症状の治療、予防、改善等に役立つ。具体的適用例としては、例えば、シワ、たるみ、潤いやつやの減少、くすみ等の皮膚状態の悪化の抑制、緩和、改善、ほてり・ホットフラッシュの改善等に好適に用いられる。また上記症状の治療、予防、改善等の生理機能をコンセプトとして、その旨を表示した機能性飲食品、疾病者用食品、特定保健用食品等に応用することができる。
以下、本発明の経口更年期症状改善剤を実施例によりさらに詳細に説明する。
(試料調製)
シカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)の種子部分50gを、室温で1週間90%エタノールに浸漬し、抽出液を濃縮し、90%エタノール抽出物(乾燥物)2.9gを得た。シカクマメ莢も同様にして処理し、エタノール抽出物(乾燥物)2.5gを得た。
(シカクマメ種子および莢の抽出物の成分分析)
上記で得られたシカクマメ種子および莢の抽出物をそれぞれ粉砕後、大豆イソフラボン(ダイジン、グリシチン、ゲニスチン及びそれぞれのアグリコン、アセチル体およびマロニル体)の有無をHPLC法により測定したところ、シカクマメ種子および莢の抽出物にはこれらの成分が含まれていないことが明らかとなった。
(マウスの準備と投与)
雌ヘアレスマウス(HR−1雌マウス)に両側卵巣摘出術を施し、これを更年期(卵巣機能不全)動物モデル(以下、OVXマウスという)とした。卵巣摘出手術の影響を相殺するために、卵巣摘出をしない偽手術を施したShamマウスを対照マウスとして準備した。上記で調製したシカクマメ種子抽出物およびシカクマメ莢抽出物をそれぞれ、0.3%カルボキシメチルセルラーゼ(CMC)溶液にて懸濁させ100mg/kg/dayとなるようOVXマウスに強制経口投与した。コントロール投与群のOVXマウスとShamマウスにはCMC溶液を投与した。
(評価方法)
(水分量)
投与3ヶ月後に、角層水分量をCorneometer CM825C(Courage+Khazaka社製)を用いて測定した。
(皮膚粘弾性)
投与3ヶ月後に、キュートメーター(Courage+Khazaka社製)を用いて背部皮膚の皮膚粘弾性を測定した。なお、キュートメーターにより測定されるR1値は、値が小さいほど皮膚の戻りがよいことを示すものである。
(皮膚明度)
投与2ヶ月後に、分光測色計CM−2600d(コニカミノルタホールディング(株)製)を用いて皮膚色の指標となるL*値(明度)を測定した。
(ゼラチナーゼ量)
投与3ヶ月後に背部皮膚をサンプリングし、その皮下組織を取り除き、60℃の湯せんで表皮と真皮とに分けた。真皮を0.05Mのトリス塩酸バッファーで抽出した後、遠心分離にかけ(8000g、日立社製)、遠心上清中のゼラチナーゼの量をIV型コラゲナーゼ活性測定キット(ライフ研究所製)で分析した。粗抽出液中のタンパク量はBCA Protein Assay Kit(PIERCE社製)で測定し、タンパクあたりのゼラチナーゼ量を算出して比較した。
水分量、皮膚粘弾性、皮膚明度、ゼラチナーゼ量の測定結果をそれぞれ図1、図2、図3、図4に示す。図1に示すように、OVXマウスではShamマウスに対して水分量が有意に低下しているが、シカクマメ種子エキスを投与したOVXマウス(OVX+種子エキスマウス)およびシカクマメ莢エキスを投与したOVXマウス(OVX+莢エキスマウス)はOVXマウスに対して水分量が有意に改善していることが看取できる。なお、図1の*および***はt−testによりそれぞれ、危険率5%、0.1%で有意な差を表わしている。以下、他の図面においても同様である。皮膚の潤いや柔軟性は角層水分量により影響を受ける。従って、シカクマメ種子エキスあるいはシカクマメ莢エキスを摂取することによって、角層水分量を高めることが可能であり、皮膚の潤いや柔軟性を高めることができることがわかる。
また、図2に示すように、OVXマウスではShamマウスに対して皮膚粘弾性が低下しているのに対し、シカクマメ種子エキスを投与したOVXマウス(OVX+種子エキスマウス)およびシカクマメ莢エキスを投与したOVXマウス(OVX+莢エキスマウス)はOVXマウスに対して皮膚粘弾性が有意に改善していることがわかる。また、その他の皮膚粘弾性を示すパラメーター(R6,F2)も、OVXマウスに対してOVX+シカクマメ種子/莢エキスを投与したOVXマウスでは有意に改善し、OVXによる皮膚粘弾性の低下にシカクマメ種子エキスあるいはシカクマメ莢エキスが有効であることが明らかとなった。シワやたるみはコラーゲン量に影響を受け、コラーゲン量の減少は皮膚粘弾性の低下となる。すなわち、シカクマメ種子エキスあるいはシカクマメ莢エキスを摂取することによって皮膚粘弾性が改善するため、シワやたるみを抑制することができることがわかる。
また、図3に示すように、OVXマウスではShamマウスに対して皮膚明度:L*値が悪化するが、シカクマメ種子エキスを投与したOVXマウス(OVX+種子エキスマウス)およびシカクマメ莢エキスを投与したOVXマウス(OVX+莢エキスマウス)はOVXマウスに対して改善していることがわかる。女性ホルモンの減少は皮膚表面の毛細血管血流の低下、色素沈着の増加等を引き起こし、このためくすみが生じる。シカクマメ種子エキスあるいはシカクマメ莢エキスを摂取することによって、明度の低下が抑制されるため、くすみの発生を抑制することが可能である。
さらに、図4に示すようにOVXマウスではShamマウスに対して有意に真皮ゼラチナーゼ量が増加しているが、シカクマメ種子エキスを投与したOVXマウス(OVX+種子エキスマウス)およびシカクマメ莢エキスを投与したOVXマウス(OVX+莢エキスマウス)はOVXマウスに対して有意に真皮ゼラチナーゼ量が減少していることがわかる。表皮で産生される酵素ゼラチナーゼは皮膚の構造を保つコラーゲンやエラスチンを壊し変化させるものであり、女性ホルモンの減少によってゼラチナーゼ量が増加してシワが発生する原因になっている。シカクマメ種子エキスあるいはシカクマメ莢エキスを摂取することによって、真皮ゼラチナーゼ量が減少するため、シワの発生を抑制することができることがわかる。
(シカクマメ種子エキスおよび莢エキス配合試験品の調製)
下記表1の配合によりシカクマメ種子エキス配合試験品および莢エキス配合試験品(いすれも錠剤)を製造した。
Figure 0004787908
(試験品の摂取および評価)
40代女性30名ずつの被験者に、シカクマメ種子エキス、シカクマメ莢エキスを配合した上記調製の試験品を2ヶ月間摂取してもらった。連用前、連用後1,2ヶ月時に、ほてり・ホットフラッシュの度合いについてヒアリングによるアンケートを行った。評価は、ほてり・ホットフラッシュがとてもあるを0、ほてり・ホットフラッシュが全くないを100として被験者にVAS法(visual analogue scale法)により回答してもらい、改善度を(試験開始後のスコア−試験開始前のスコア)により求めた。結果を表2に示す。表2から明らかなように、連用期間を経るに従い、ほてりやホットフラッシュの度合いが低下しており、試験品にほてり・ホットフラッシュの改善作用があることがわかる。
Figure 0004787908
以上の実施例から明らかなように、本発明の経口更年期症状改善剤は女性ホルモンの減少に伴う皮膚老化、シワ、たるみ、潤いやつやの減少、くすみ等を抑制、緩和、改善することができるとともに、更年期症状の一つである、ほてり・ホットフラッシュを改善することが可能である。また、本発明の経口更年期症状改善剤はイソフラボンを含有しないため、エストロゲン様による副作用を起こすことがないという利点も有する。
(処方例)
以下に、本発明の経口更年期症状改善剤を含む製剤、サプリメント、食品、飲料等の処方例を示す。なお、配合量は質量部または質量%で表している。
(錠剤)
(1,500mg/日)
(配合成分) (mg)
ショ糖エステル 70
結晶セルロース 74
メチルセルロース 36
グリセリン 25
本経口更年期症状改善剤:シカクマメ莢抽出物(乾燥残分) 475
N−アセチルグルコサミン 100
ヒアルロン酸 50
ビタミンE 30
ビタミンB6 20
ビタミンB2 10
α−リポ酸 20
コエンザイムQ10 40
セラミド(コンニャク抽出物) 50
L−プロリン 100
コラーゲン 400
(ソフトカプセル)
(1,500mg/日)
(配合成分) (mg)
食用大豆油 530
トチュウエキス 50
ニンジンエキス 50
本経口更年期症状改善剤:シカクマメ種子抽出物(乾燥残分) 100
ローヤルゼリー 50
マカ 30
γ−アミノ酪酸(GABA) 30
ミツロウ 60
ゼラチン 375
グリセリン 120
グリセリン脂肪酸エステル 105
(顆粒)
(配合成分) (mg)
本経口更年期症状改善剤:シカクマメ莢抽出物(乾燥残分) 400
ビタミンC 100
大豆イソフラボン 250
還元乳糖 300
大豆オリゴ糖 36
エリスリトール 36
デキストリン 30
香料 24
クエン酸 24
(飲料)
(配合成分) (50ml中質量%)
トチュウエキス 1.6
ニンジンエキス 1.6
本経口更年期症状改善剤:シカクマメ莢抽出物(乾燥残分) 1.6
還元麦芽糖水飴 28
エリスリトール 8
クエン酸 2
香料 1.3
N−アセチルグルコサミン 1
ヒアルロン酸 0.5
ビタミンE 0.3
ビタミンB6 0.2
ビタミンB2 0.1
α−リポ酸 0.2
セラミド(コンニャク抽出物) 0.4
L−プロリン 2
コラーゲンペプチド 10
精製水 残余
(クッキー)
(配合成分) (質量%)
薄力粉 45.0
バター 17.5
グラニュー糖 20.0
本経口更年期症状改善剤:シカクマメ種子粉砕物 4.0
ニンジンエキス 適量
卵 12.5
レモンフレーバー 1.0

Claims (2)

  1. マメ科シカクマメ属シカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)またはその抽出物からなる女性ホルモンの減少に伴うほてり・ホットフラッシュの改善のための経口更年期症状改善剤。
  2. 前記マメ科シカクマメ属シカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)またはその抽出物がマメ科シカクマメ属シカクマメ(Psophocarpus tetragonolobus)の種子または莢、もしくはそれらのいずれかの抽出物であることを特徴とする請求項1記載の経口更年期症状改善剤。
JP2010168869A 2010-07-28 2010-07-28 経口更年期症状改善剤 Expired - Fee Related JP4787908B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010168869A JP4787908B1 (ja) 2010-07-28 2010-07-28 経口更年期症状改善剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010168869A JP4787908B1 (ja) 2010-07-28 2010-07-28 経口更年期症状改善剤

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011135023A Division JP2012031146A (ja) 2011-06-17 2011-06-17 経口更年期症状改善剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4787908B1 true JP4787908B1 (ja) 2011-10-05
JP2012025717A JP2012025717A (ja) 2012-02-09

Family

ID=44881929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010168869A Expired - Fee Related JP4787908B1 (ja) 2010-07-28 2010-07-28 経口更年期症状改善剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4787908B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113812672A (zh) * 2021-09-24 2021-12-21 任国涛 一种含透明质酸钠的电子烟烟油及其制备方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017095011A1 (ko) * 2015-12-02 2017-06-08 동국대학교 경주캠퍼스 산학협력단 난독성 보호 활성을 갖는 오수유 추출물을 포함하는 조기난소부전 예방 및 치료용 조성물
KR101860639B1 (ko) 2015-12-02 2018-05-24 동국대학교 경주캠퍼스 산학협력단 난독성 보호 활성을 갖는 오수유 추출물을 포함하는 조기난소부전 예방 및 치료용 조성물

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11292898A (ja) * 1998-03-15 1999-10-26 Protein Technol Internatl Inc イソフラボン欠乏植物性タンパク質材料及びイソフラボン含有材料を含む植物性タンパク質組成物
US20020016478A1 (en) * 2000-07-20 2002-02-07 Linnea Sa Dry extract which is rich in isoflavones in the form of aglycones and process for preparing the same
JP2002265324A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Ichimaru Pharcos Co Ltd 保湿性植物抽出物を含有する化粧料組成物
JP2003313135A (ja) * 2001-08-21 2003-11-06 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP2010024211A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Shiseido Co Ltd 細胞増殖促進剤
JP2010024222A (ja) * 2008-06-18 2010-02-04 Shiseido Co Ltd コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、並びにコラーゲン産生促進およびヒアルロン酸産生促進剤
JP2010132632A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Shiseido Co Ltd タンパク質糖化抑制剤

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11292898A (ja) * 1998-03-15 1999-10-26 Protein Technol Internatl Inc イソフラボン欠乏植物性タンパク質材料及びイソフラボン含有材料を含む植物性タンパク質組成物
US20020016478A1 (en) * 2000-07-20 2002-02-07 Linnea Sa Dry extract which is rich in isoflavones in the form of aglycones and process for preparing the same
JP2002265324A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Ichimaru Pharcos Co Ltd 保湿性植物抽出物を含有する化粧料組成物
JP2003313135A (ja) * 2001-08-21 2003-11-06 Shiseido Co Ltd 皮膚外用剤
JP3687747B2 (ja) * 2001-08-21 2005-08-24 株式会社資生堂 皮膚外用剤
JP2010024222A (ja) * 2008-06-18 2010-02-04 Shiseido Co Ltd コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、並びにコラーゲン産生促進およびヒアルロン酸産生促進剤
JP2010024211A (ja) * 2008-07-24 2010-02-04 Shiseido Co Ltd 細胞増殖促進剤
JP2010132632A (ja) * 2008-10-30 2010-06-17 Shiseido Co Ltd タンパク質糖化抑制剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113812672A (zh) * 2021-09-24 2021-12-21 任国涛 一种含透明质酸钠的电子烟烟油及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012025717A (ja) 2012-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2393413T3 (es) Composición que comprende un extracto de semillas de quinoa, utilización dermatológica
JP4669920B2 (ja) 血糖上昇抑制且つ血圧上昇抑制作用を有する機能性素材
JP2004115521A (ja) プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチ由来の抽出物並びにその抽出方法
US20110118201A1 (en) Glutathione production enhancer, prophylactic/therapeutic agent for diseases caused by glutathione deficiency, and food, beverage and feed
TWI500428B (zh) 不含有糖之鳳梨萃取物、及其製造方法、以及其用途
JP4764518B1 (ja) 経口毛穴改善剤
JP5403942B2 (ja) グルタチオン産生促進剤およびグルタチオンの欠乏に起因する疾患の予防・治療剤
JP2010178736A (ja) 肌美容改善剤、抗酸化剤、肌美容改善用組成物、又は美容用飲食品
JP2011195503A (ja) タンパク質糖化抑制剤
JP4787908B1 (ja) 経口更年期症状改善剤
JP2010024222A (ja) コラーゲン産生促進剤、ヒアルロン酸産生促進剤、並びにコラーゲン産生促進およびヒアルロン酸産生促進剤
JPWO2018016455A1 (ja) 滋養強壮剤
KR102093990B1 (ko) 상엽 추출물을 유효 성분으로 포함하는 근위축 예방 및 개선용 조성물
JP2019147824A (ja) 黒生姜含有組成物
JP2016160198A (ja) 黒生姜含有組成物
EP2194994A1 (en) Cocoa extract for use in providing skin benefits
JP2012031146A (ja) 経口更年期症状改善剤
KR20150037208A (ko) 여성 폐경기 증후군 치료용 조성물
KR101669717B1 (ko) 캡시코시드 g를 포함하는 항비만 조성물
KR101525877B1 (ko) 피부 주름 개선 및 피부 노화 방지를 위한 조성물
JP2019505208A (ja) ブドウ種子抽出物、バレリアン抽出物及びベニバナ種子抽出物を含有する女性更年期症状予防及び改善用食品組成物
KR20200116783A (ko) 볏짚 추출물을 포함하는 남성 갱년기 증후군 예방 또는 치료용 조성물
JP2019202967A (ja) 抗老化用組成物、抗老化用皮膚化粧料および抗老化用飲食品
KR102435396B1 (ko) 이소프로스타노이드를 포함하는 탈모 방지 및 발모 촉진용 조성물
KR20170133820A (ko) 갱년기 증상 또는 골다공증 개선용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4787908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees