JP7225846B2 - インクセット、絶縁膜の形成方法、セパレータ一体型電極及びリチウムイオン2次電池 - Google Patents

インクセット、絶縁膜の形成方法、セパレータ一体型電極及びリチウムイオン2次電池 Download PDF

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Description

本発明は、インクセット、絶縁膜の形成方法、セパレータ一体型電極及びリチウムイオン2次電池に関する。
従来、リチウムイオン2次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタなどの電気化学素子においては、正負極の短絡を防止することを目的として、紙、不織布、多孔質フィルムがセパレータとして使用されている。
近年、予め電極合材上にセパレータが形成されている電極一体型セパレータが用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
電極一体型セパレータは、一般に、電極合材上に無機絶縁粒子を含むインクを塗布して絶縁膜を形成することにより、製造されている。
しかしながら、電極合材は、多孔質構造を有する被吸収媒体であるため、電極合材上にインクを塗布すると、インクが吸収されることに伴い、無機絶縁粒子が電極合材へ侵入し、電極一体型セパレータの表面抵抗率が低下するという問題がある。
本発明の一態様は、電極一体型セパレータの表面抵抗率を向上させることが可能な絶縁膜を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、絶縁膜において、アスペクト比が10以上である異形粒子と、無機絶縁粒子を含有する。
本発明の他の一態様は、インクセットにおいて、アスペクト比が10以上である異形粒子を含有する第1のインクと、無機絶縁粒子を含有する第2のインクを有する。
本発明の一態様によれば、電極一体型セパレータの表面抵抗率を向上させることが可能な絶縁膜を提供することができる。
インクジェット印刷装置の一例を示す概略構成斜視図である。 高分子化合物及び非水系溶剤の総含有量と、高分子化合物及び非水系溶剤以外の成分の含有量を固定した場合の高分子化合物の含有量に対するインクの粘度の関係を示すグラフである。 セパレータ一体型電極の一例を示す概略構成断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
[絶縁膜、インクセット、絶縁膜の形成方法]
本実施形態の絶縁膜は、アスペクト比が10以上である異形粒子と、無機絶縁粒子を含有する。このため、電極一体型セパレータの表面抵抗率を向上させることができる。
本実施形態のインクセットは、アスペクト比が10以上である異形粒子を含有する第1のインクと、無機絶縁粒子を含有する第2のインクを有する。
本明細書及び特許請求の範囲において、アスペクト比とは、最長辺の長さと最短辺の長さの比を意味し、この値が大きい程、異形度が高いことを意味する。
また、異形粒子とは、最短辺の長さが1μm以下であることを意味する。
異形粒子の形状の具体例としては、例えば、ファイバー、針状、平板状の粒子等が挙げられる。
なお、異形粒子は、有機粒子及び無機粒子を問わず、その形状によって決定される。
異形粒子を構成する材料の具体例としては、例えば、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等の無機材料、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、キチン、キトサン、セルロール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリスチレン、メラニン樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、絶縁性及び耐熱性が高いことから、セパレータ一体型電極の製造に使用する場合、酸化アルミニウム、シリカ等の無機酸化物が好ましい。さらに、「ジャンク」化学種、即ち、リチウムイオン2次電池内で容量フェードを引き起こす化学種に対するスカベンジャとして機能することから、酸化アルミニウムがさらに好ましい。加えて、酸化アルミニウムは、電解質に対する濡れ性が優れるため、電解質の吸収率が高くなり、リチウムイオン2次電池のサイクル性能を向上させることができる。
異形粒子のアスペクト比は、10以上であるが、第1のインクの保存安定性と、無機絶縁粒子の被吸収媒体への侵入を抑制する効果を考慮すると、100以上であることが好ましい。
また、異形粒子は、ファイバー状であることがさらに好ましい。ここで、ファイバー状の異形粒子のアスペクト比は、高すぎるため、測定することができない。
一般に、粒子の被吸収媒体への侵入を抑制するためには、粒子の径あるいは長辺の長さが大きいことが好ましいと考えられる。反面、粒子の径あるいは長辺の長さが大きくなれば、粒子自身が大きくなる傾向にある。したがって、粒子の自重が増加するため、インク中で沈降しやすくなり、インクの静置保存安定性が低下する傾向にある。
これに対して、粒子のアスペクト比が大きい場合、特に、粒子がファイバー状である場合、粒子の短辺の長さが小さいため、粒子の長辺の長さの粒子の自重への影響が、アスペクト比が小さい粒子と比較して、小さくなる。したがって、粒子の見かけとは異なり、粒子の自重が小さく、その結果、インクの静置保存安定性が良化する傾向にある。
ここで、静置安定性とは、一定温度条件下での沈降度を意味し、沈降度が大きい場合に静置安定性が低い。
本明細書及び特許請求の範囲において、無機絶縁粒子とは、表面抵抗率が1×10Ω・m以上である無機材料の粒子を意味する。
表面抵抗率が1×10Ω・m以上である無機材料の具体例としては、例えば、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、絶縁性及び耐熱性が高いことから、セパレータ一体型電極の製造に使用する場合、酸化アルミニウム、シリカ等の無機酸化物が好ましい。さらに、「ジャンク」化学種、即ち、リチウムイオン2次電池内で容量フェードを引き起こす化学種に対するスカベンジャとして機能することから、酸化アルミニウムがさらに好ましい。加えて、酸化アルミニウムは、電解質に対する濡れ性が優れるため、電解質の吸収率が高くなり、リチウムイオン2次電池のサイクル性能を向上させることができる。
無機絶縁粒子は、無機材料の表面抵抗率により決定されるものであり、形状や粒径を問わないが、無機絶縁粒子の形状は、入手容易性やコストの関係から、粒状であることが好ましい。無機絶縁粒子が粒状である場合、材質によって異なるものの、自重と表面積の関係から、無機絶縁粒子の分散性を考慮すると、無機絶縁粒子の粒径は、10μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがさらに好ましい。
本明細書及び特許請求の範囲において、粒径とは、特に断りのない場合、円相当径かつメジアン径を意味する。
なお、粒径及び粒度分布測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、光学顕微鏡等を用いた画像解析方法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法、電気的検知帯法、ふるい、沈降法等が挙げられる。
本実施形態の絶縁膜は、異形粒子を含有する第1の膜と、無機絶縁粒子を含有する第2の膜を有する多層膜であることが好ましい。
本明細書及び特許請求の範囲において、多層膜とは、異形粒子を含有する第1のインクと、無機絶縁粒子を含有する第2のインクを、それぞれ1回以上塗布して形成される絶縁膜を意味する。
第1のインク及び第2のインクの塗布方法の具体例としては、例えば、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、バーコーティング法、スロットダイコーティング法、ドクターブレードコーティング法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、活版印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、液体現像方式による電子写真印刷法等が挙げられる。これらの中でも、塗布位置を制御することが可能である点で、インクジェット印刷法が好ましい。
インクジェット印刷法におけるインクを吐出する方式としては、例えば、インクに力学的エネルギーを付与する方式、インクに熱エネルギーを付与する方式等が挙げられる。中でも、インクに力学的エネルギーを付与する方式が好ましい。
なお、インクジェット印刷法を用いる場合は、公知のインクジェット印刷装置を用いればよい。
図1に、インクジェット印刷装置の一例を示す。
インクジェット印刷装置11において、第1のインク及び第2のインクがそれぞれ個別に収容されているカートリッジ20は、本体筐体12内のキャリッジ18に収納されている。このような状態で、第1のインク及び第2のインクが、それぞれカートリッジ20から、キャリッジ18に搭載されている記録ヘッド18aに供給される。記録ヘッド18aは、第1のインク及び第2のインクを略同時に吐出することができる。
キャリッジ18に搭載されている記録ヘッド18aは、主走査モータ24で駆動されるタイミングベルト23によって、ガイドシャフト21、22に案内されて移動する。一方、被吸収媒体は、プラテン19によって記録ヘッド18aと対面する位置に配置される。なお、図中、16はギア機構、17は副走査モータ、26は主走査モータを示す。
インクジェット印刷法を用いて、絶縁膜を形成する場合、第1のインクと第2のインクを略同時に塗布することができる。すなわち、異なるノズルから、第1のインクと第2のインクを吐出し、被吸収媒体上で、第1のインクと、第2のインクを接触させる。これにより、極めて効率的に微小液滴を混合することができる。特に、第1のインクに含まれる異形粒子と、第2のインクに含まれる無機絶縁粒子が逆の極性に帯電している、いわゆる反応性インクセットを用いる場合、第1のインクと、第2のインクが、被吸収媒体上で反応し、粘度が上昇するため、均一な塗膜を形成することができる。
一方、インクの被吸収媒体への浸透を抑制する目的で、被吸収媒体に対する接触角が高いインクを比較的大量に塗布して、厚膜を形成する場合、被吸収媒体上に均一な塗膜が形成されず、塗布むらが発生する傾向がある。
一般に、塗布むらの発生を抑制するためには、界面活性剤等をインクに添加してインクの被吸収媒体に対する接触角を低くして、被吸収媒体にインクが濡れ広がるようにする。しかしながら、この場合、塗布むらの発生は減少するものの、インクの被吸収媒体への浸透を抑制することは困難である。
そこで、第1のインクと、第2のインク、特に、反応性インクセットを用いて、第1のインクと、第2のインクを略同時に塗布すると、第1のインクと第2のインクの反応により、インクの混合液の粘度が上昇するため、インクの混合液の被吸収媒体への浸透を抑制することができる。
また、第2のインクを塗布する前に、異形粒子を含有する第1のインクを塗布することで、無機絶縁粒子の被吸収媒体への侵入を抑制することができる。このため、第2のインクの被吸収媒体に対する接触角を低くすることで、塗布むらの発生を抑制することができ、均一な塗膜を形成することができる。
なお、一般に、ナノ粒子分散液を用いて、塗膜を形成した後、乾燥させる場合、塗膜の淵の部分にナノ粒子が集中するコーヒーステインが発生し、均一な塗膜が形成されない。
しかしながら、第1のインクと第2のインクがいわゆる反応性インクセットである場合、異形粒子に無機絶縁粒子が吸着することから、コーヒーステインの発生を抑制することができ、均一な塗膜が形成される。
ここで、均一な塗膜とは、塗布むらが少なく、コーヒーステインがほとんど観察されない塗膜を意味する。
なお、本実施形態の絶縁膜は、単層膜であってもよい。
第2のインクは、高分子化合物と、非水系溶剤をさらに含有することが好ましい。これにより、第2のインクに含まれる無機絶縁粒子の極性を制御することができ、その結果、コーヒーステインの発生を抑制することができる。
この場合、第2のインクは、高分子化合物及び非水系溶剤の総含有量と、高分子化合物及び非水系溶剤以外の成分の含有量を固定し、高分子化合物の含有量を変化させると、粘度の極大値を有する(図2参照)。
インク中の高分子化合物の含有量がインクの粘度の極大値における含有量よりも小さい領域Aにおいて、インク中の高分子化合物の含有量を増加させると、イオン性相互作用が小さいことにより、無機絶縁粒子と高分子化合物が一種の構造体を形成するため、インクの粘度が上昇する(図中、実線部)。一方、領域Aにおいて、インク中の高分子化合物の含有量を減少させると、イオン性相互作用が小さいことにより、無機絶縁粒子が一種の構造体を形成するため、インクの粘度が上昇する(図中、点線部)。
また、インク中の高分子化合物の含有量がインクの粘度の極大値における含有量よりも大きい領域Bにおいて、インク中の高分子化合物の含有量を増加させると、無機絶縁粒子が分散され、インクの粘度が低下する(図中、実線部)。一方、領域Bにおいて、インク中の高分子化合物の含有量を増加させると、非水系溶剤の含有量が減少すると共に、高分子化合物の含有量が増加するため、インクの粘度が上昇する(図中、点線部)。
一般に、粒子が分散している系において、静電反発と立体反発が粒子の分散性に寄与するといわれている。第2のインクが非水系溶剤を含むと、立体反発が主に無機絶縁粒子の分散性に寄与する。これにより、無機絶縁粒子の極性が正及び負のいずれであっても、無機絶縁粒子の分散性が極端に低下しない。
一方、国際公開第2012/133696号に、定性的ではあるが、粒子の極性を判定する方法が記載されている。具体的には、アニオン性基を有する高分子化合物を粒子に添加することで、粘弾性の極大値を示せば、粒子の極性が正であることが示唆される。一方、カチオン性基を有する高分子化合物を粒子に添加することで、粘弾性の極大値を示せば、粒子の極性が負であることが示唆される。
例えば、第2のインクが無機絶縁粒子と、アニオン性基を有する高分子化合物を含む場合、領域Aにおいて、無機絶縁粒子は、極性が正であり、領域Bにおいて、無機絶縁粒子は、極性が負である(図2参照)。
一方、第2のインクが無機絶縁粒子と、カチオン性基を有する高分子化合物を含む場合、領域Aにおいて、無機絶縁粒子は、極性が負であり、領域Bにおいて、無機絶縁粒子は、極性が正である(図2参照)。
高分子化合物の数平均分子量は、通常、1000~100000であり、第2のインクの粘度の上昇を抑制する点から、1000~10000であることが好ましく、1000~5000であることがさらに好ましい。
高分子化合物は、分散性基と吸着性基を有することが好ましい。特に、無機絶縁粒子が帯電している場合、無機絶縁粒子との吸着強度の点で、吸着性基として、無機絶縁粒子が帯電している極性とは逆の極性のイオン性基を有する高分子化合物が好ましい。
イオン性基としては、例えば、スルホン酸基及びその塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルボキシル基及びその塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩)、1級、2級、3級アミノ基及びその塩等が挙げられる。
高分子化合物を合成する際に用いるモノマーとしては、例えば、アクリル酸及びその塩、メタクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、ビニルホスホン酸及びその塩、スルホン酸基及びその塩をアルキル末端に有するアクリル酸メチル、1級、2級、3級アミノ基及びそのアンモニウム塩(対イオン:ハロゲン化物イオン)をアルキル末端に有するアクリル酸メチル、アスパラギン酸、アスパラギン酸アンモニウム、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸リチウム、アスパラギン酸カリウム等が挙げられる。
イオン性基は、アニオン性基及びカチオン性基のいずれであってもよいが、無機絶縁粒子の分散性の面で、アニオン性基であることが好ましい。
アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基の塩、スルホン酸基の塩、リン酸基の塩等が挙げられる。
イオン性基は、通常、高分子化合物の側鎖又は両末端に存在するが、インクの粘度の上昇を抑制する点で、高分子化合物の側鎖にイオン性基が存在することが好ましい。
分散性基としては、分散媒に対して溶解性を有する構造であればよいが、リチウムイオン2次電池として使用する場合、イオン伝導性の観点から、オリゴエーテル基が好ましい。
高分子化合物は、一般式
Figure 0007225846000001
(式中、A4は、-OR又は-CHORであり、A5、A6及びA7は、それぞれ独立に、-OR又は-NHRであり、A4~A7におけるRは、それぞれ独立に、炭素数1~24の直鎖又は分枝鎖の炭化水素基又はオリゴエーテル基であり、A8は、炭素数1~24の直鎖又は分枝鎖の炭化水素基又はオリゴエーテル基である。)
のいずれかの繰り返し単位を含むことが好ましい。
オリゴエーテル基とは、エチレングリコール又はプロピレングリコールの重合体の末端からヒドロキシル基を除いた基である。
エチレングリコール又はプロピレングリコールの重合体の分子量は、100~10000であることが好ましく、100~5000であることがさらに好ましい。エチレングリコール又はプロピレングリコールの重合体の分子量が100以上であると、無機絶縁粒子の分散性が向上し、10000以下であると、第2のインクの粘度の上昇を抑制することができる。
オリゴエーテル基の結合していない側の末端は、水酸基であってもよいし、メチル基、エチル基、プロピル基等であってもよい。
オリゴエーテル基を有する構成単位の具体例を以下に示す。なお、nは、重合度であり、目的に応じて、適宜変更することができる。
Figure 0007225846000002
Figure 0007225846000003
Figure 0007225846000004
なお、オリゴエーテル基を有する高分子化合物を使用すると、非水系溶剤の極性が高い場合の無機絶縁粒子の分散性を向上させることができる。
非水系溶剤とは、水以外のいわゆる非水系の有機溶剤を意味する。
非水系溶剤の具体例としては、例えば、スチレン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、DMF、DMSO、NMP、THF等が挙げられる。
なお、非水系溶剤の代わりに、水を用いてもよい。
無機絶縁粒子に対する高分子化合物の質量比は、通常、0.01~10であるが、無機絶縁粒子の分散性を考慮すると、0.1~10であることが好ましく、セパレータ一体型電極の捕液性を考慮すると、0.1~1であることがさらに好ましく、0.1~0.5であることが特に好ましい。
第1のインク及び第2のインクは、粘度の調整、表面張力の調整、溶剤の蒸発制御、添加剤の溶解性向上、粒子の分散性向上、殺菌等を目的として、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤等をさらに含有していてもよい。
第1のインク及び第2のインクは、公知の分散装置を用いて、製造することができる。
分散装置の具体例としては、例えば、攪拌機、ボールミル、ビーズミル、リング式ミル、高圧式分散機、回転式高速せん断装置、超音波分散機等が挙げられる。
なお、本実施形態のインクセットは、複数の第1のインクを有していてもよいし、複数の第2のインクを有していてもよい。
本実施形態の絶縁膜の形成方法は、本実施形態のインクセットを用いて、絶縁膜を形成し、被吸収媒体上で、異形粒子と、無機絶縁粒子を接触させる。
異形粒子と、無機絶縁粒子を接触させる方法としては、第1のインクと第2のインクを略同時に塗布する方法、第1のインクを塗布した後、第2のインクを塗布する方法、第2のインクを塗布した後、第1のインクを塗布する方法等が挙げられる。
本明細書及び特許請求の範囲において、被吸収媒体とは、インクを吸収することが可能な媒体を意味する。
被吸収媒体の具体例としては、例えば、多孔質膜が挙げられる。
多孔質膜として、活物質を含油する電極合材が形成されている電極基体を用いると、電極一体型セパレータを製造することができる。
負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウム合金、カーボン、グラファイト等のリチウムイオンを放出又は吸蔵することが可能な炭素材料、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子等が挙げられる。
正極活物質としては、例えば、一般式
(CF
で表されるフッ化黒鉛、CoLiO、MnO、V、CuO、AgCrO、TiO等の金属酸化物、CuS等の金属硫化物等が挙げられる。
上記以外の被吸収媒体としては、例えば、反射型表示素子に用いられる下地、プリンテッドエレクトロニクスに用いられる電極層等が挙げられる。
[セパレータ一体型電極、リチウムイオン2次電池]
本実施形態のセパレータ一体型電極とは、本実施形態の絶縁膜を有する。
本明細書及び特許請求の範囲において、セパレータ一体型電極とは、塗布によりセパレータを形成することが可能なインクにより、電極合材にセパレータが接合した電極を意味する。
図3に、セパレータ一体型電極の一例を示す。
セパレータ一体型電極30は、電極基体31上に、電極合材32及びセパレータ33がこの順で積層されており、セパレータ33を形成する際に、本実施形態のインクセットが使用される。
セパレータ一体型電極30を用いると、電気化学素子を製造する際に、電極とセパレータを別々に繰り出して巻回したり、積層したりする工程が不要になり、電気化学素子の製造効率が格段に向上することが予想される。
本実施形態のリチウムイオン2次電池は、本実施形態のセパレータ一体型電極を有する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、実施例によって何ら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に断らない限り、質量基準である。
<第2のインクに含まれる無機絶縁粒子のメジアン径(D50)>
インクの固形分が1%以下になるように溶剤で希釈した後、超音波ホモジナイザーUS-300T(日本精機製作所製)を用いて、3分間超音波で処理した。次に、光学的測定可能濃度になるまで溶剤で希釈した後、レーザー回折式粒度分布計マスターサイザー3000(マルバーン製)を用いて、インクに含まれる粒子のメジアン径(D50)を測定した。
<第2のインクの粘度>
DVII+ProViscomater及びCPE-40(BROOKFIELD製)を用いて、温度15℃、回転数100rpmの条件で、インクの粘度を測定した。
<高分子化合物1の合成>
100部の2-[2-(2-Methoxyethoxy)ethoxy]ethyl Acrylate(東京化成製)と、5部のアクリル酸(東京化成製)を、100部のジオキサンに溶解させた後、0.1部の2,2'-Azobis(2-methylpropionitrile)を添加し、窒素雰囲気下、75℃で8時間攪拌し、重合した。重合が終了した後、減圧乾燥させることで、数平均分子量5000の高分子化合物1を得た。
<高分子化合物2の合成>
105部の高分子化合物1を100部のジオキサンに溶解させた後、1.3部のアンモニアを含有する水溶液を添加し、100℃で2時間攪拌し、反応させた。反応が終了した後、減圧乾燥させることで、高分子化合物2を得た。
<高分子化合物3の合成>
105部の高分子化合物1を100部のジオキサンに溶解させた後、3.1部の水酸化ナトリウムを含有する水溶液を添加し、100℃で2時間攪拌し、反応させた。反応が終了した後、減圧乾燥させることで、高分子化合物3を得た。
<高分子化合物4の合成>
100部のステアリルアクリレート(東京化成製)と、5部のアクリル酸(東京化成製)を、100部のジオキサンに溶解させた後、0.1部の2,2'-Azobis(2-methylpropionitrile)を添加し、窒素雰囲気下、75℃で8時間攪拌し、重合した。重合が終了した後、減圧乾燥させることで、数平均分子量5000の高分子化合物4を得た。
<高分子化合物5の合成>
窒素雰囲気下、40部のL-アスパラギン酸(東京化成製)を400部のスルホラン(東京化成製)に投入し、12時間攪拌した後、1.5部のリン酸(富士フイルム和光純薬製)を投入し、180℃で12時間攪拌した。次に、1000部のメタノールを加えることで沈殿物が得られた。次に、沈殿物を減圧濾過した後、イオン交換水で上澄み液が中性となるまで洗浄した。次に、沈殿物を減圧濾過した後、真空乾燥させることで、高分子化合物5の前駆体を得た。
窒素雰囲気下、高分子化合物5の前駆体10部に対して、6部の3,6,9,12-テトラオキサデカンアミン(東京化成製)を、250部のジメチルホルムアミド(東京化成製)に投入し、70℃で24時間攪拌した後、30℃に冷却した。次に、500部の1Nアンモニア水に反応液を滴下した後、12時間攪拌した。次に、反応液を減圧乾燥させることで、数平均分子量10000の高分子化合物5を得た。
<高分子化合物6の合成>
100部の2-[2-(2-Methoxyethoxy)ethoxy]ethyl Acrylate(東京化成製)と、5部のビニルスルホン酸(東京化成製)を、100部のジオキサンに溶解させた後、0.1部の2,2'-Azobis(2-methylpropionitrile)を添加し、窒素雰囲気下、75℃で8時間攪拌し、重合した。重合が終了した後、減圧乾燥させることで、数平均分子量5000の高分子化合物6を得た。
<高分子化合物7の合成>
100部の2-[2-(2-Methoxyethoxy)ethoxy]ethyl Acrylate(東京化成製)と、5部のビニルホスホン酸(東京化成製)を、100部のジオキサンに溶解させた後、0.1部の2,2'-Azobis(2-methylpropionitrile)を添加し、窒素雰囲気下、75℃で8時間攪拌し、重合した。重合が終了した後、減圧乾燥させることで、数平均分子量5000の高分子化合物7を得た。
<第2のインクの製造>
(インク1の製造)
メカニカルスターラーを用いて、酸化アルミニウム粒子AKP-3000(住友化学製)180部、3部の高分子化合物1、NMP267部を混合した後、ビーズミル分散機LMZ150(アシザワファインテック製)及び直径0.1mmのジルコニアビーズ(ニッカトー製)を用いて、6m/sの回転速度で30分間分散させることで、インク1を得た。なお、インク1に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク1の粘度は24cpsであった。
ここで、高分子化合物1及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物1の含有量を変化させると、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が約56cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク1は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク2の製造)
高分子化合物1及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク1と同様にして、インク2を得た。なお、インク2に含まれる粒子のメジアン径(D50)は254nmであり、インク2の粘度は27cpsであった。
ここで、インク2は、インク1と同様に、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク3の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物2を用いた以外は、インク1と同様にして、インク3を得た。なお、インク3に含まれる粒子のメジアン径(D50)は249nmであり、インク3の粘度は27cpsであった。
ここで、高分子化合物2及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物2の含有量を変化させると、高分子化合物2の含有量が約4部である時に、粘度が約54cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク3は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク4の製造)
高分子化合物2及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク3と同様にして、インク4を得た。なお、インク4に含まれる粒子のメジアン径(D50)は254nmであり、インク4の粘度は24cpsであった。
ここで、インク4は、インク3と同様に、高分子化合物2の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク5の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物3を用いた以外は、インク1と同様にして、インク5を得た。なお、インク5に含まれる粒子のメジアン径(D50)は246nmであり、インク5の粘度は24cpsであった。
ここで、高分子化合物3及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物3の含有量を変化させると、高分子化合物3の含有量が約4部である時に、粘度が約58cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク5は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク6の製造)
高分子化合物3及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク5と同様にして、インク6を得た。なお、インク6に含まれる粒子のメジアン径(D50)は254nmであり、インク6の粘度は23cpsであった。
ここで、インク6は、インク5と同様に、高分子化合物3の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク7の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物4を用い、NMPの代わりに、トルエンを用いた以外は、インク1と同様にして、インク7を得た。なお、インク7に含まれる粒子のメジアン径(D50)は334nmであり、インク7の粘度は32cpsであった。
ここで、高分子化合物4及びトルエンの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物4の含有量を変化させると、高分子化合物4の含有量が約4部である時に、粘度が約67cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク7は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク8の製造)
高分子化合物4及びトルエンの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク7と同様にして、インク8を得た。なお、インク8に含まれる粒子のメジアン径(D50)は554nmであり、インク8の粘度は54cpsであった。
ここで、インク8は、インク7と同様に、高分子化合物4の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク9の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物5を用いた以外は、インク1と同様にして、インク9を得た。なお、インク9に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク9の粘度は23cpsであった。
ここで、高分子化合物5及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物5の含有量を変化させると、高分子化合物5の含有量が約4部である時に、粘度が約58cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク9は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク10の製造)
高分子化合物5及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク9と同様にして、インク10を得た。なお、インク10に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク10の粘度は28cpsであった。
ここで、インク10は、インク9と同様に、高分子化合物5の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク11の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物6を用いた以外は、インク1と同様にして、インク11を得た。なお、インク11に含まれる粒子のメジアン径(D50)は251nmであり、インク11の粘度は27cpsであった。
ここで、高分子化合物6及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物6の含有量を変化させると、高分子化合物6の含有量が約4部である時に、粘度が約63cps(極大値)となった(図1参照)。このため、インク11は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク12の製造)
高分子化合物6及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク11と同様にして、インク12を得た。なお、インク12に含まれる粒子のメジアン径(D50)は255nmであり、インク12の粘度は26cpsであった。
ここで、インク12は、インク11と同様に、高分子化合物6の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク13の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物7を用いた以外は、インク1と同様にして、インク13を得た。なお、インク13に含まれる粒子のメジアン径(D50)は253nmであり、インク13の粘度は22cpsであった。
ここで、高分子化合物7及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物7の含有量を変化させると、高分子化合物7の含有量が約4部である時に、粘度が約58cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク13は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク14の製造)
高分子化合物7及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク13と同様にして、インク14を得た。なお、インク14に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク14の粘度は26cpsであった。
ここで、インク14は、インク13と同様に、高分子化合物7の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク15の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物(フマル酸アンモニウムと、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を含む側鎖を有するモノマーの共重合体)マリアリムHKM-50A(日油製)を用いた以外は、インク1と同様にして、インク15を得た。なお、インク15に含まれる粒子のメジアン径(D50)は249nmであり、インク15の粘度は22cpsであった。
ここで、高分子化合物及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物の含有量を変化させると、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が約56cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク15は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク16の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク16を得た。なお、インク16に含まれる粒子のメジアン径(D50)は254nmであり、インク16の粘度は21cpsであった。
ここで、インク16は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク17の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ2部及び268部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク17を得た。なお、インク17に含まれる粒子のメジアン径(D50)は247nmであり、インク17の粘度は14cpsであった。
ここで、インク17は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク18の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ6部及び264部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク18を得た。なお、インク18に含まれる粒子のメジアン径(D50)は256nmであり、インク18の粘度は22cpsであった。
ここで、インク18は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク19の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ7部及び263部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク19を得た。なお、インク19に含まれる粒子のメジアン径(D50)は245nmであり、インク19の粘度は16cpsであった。
ここで、インク19は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク20の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ8部及び262部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク20を得た。なお、インク20に含まれる粒子のメジアン径(D50)は241nmであり、インク20の粘度は14cpsであった。
ここで、インク20は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク21の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ9部及び261部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク21を得た。なお、インク21に含まれる粒子のメジアン径(D50)は243nmであり、インク21の粘度は13cpsであった。
ここで、インク21は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク22の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ10部及び260部に変更した以外は、インク15と同様にして、インク22を得た。なお、インク22に含まれる粒子のメジアン径(D50)は247nmであり、インク22の粘度は12cpsであった。
ここで、インク22は、インク15と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク23の製造)
高分子化合物1の代わりに、高分子化合物(フマル酸アンモニウムと、オキシアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を含む側鎖を有するモノマーの共重合体)マリアリムHKM-150A(日油製)を用いた以外は、インク1と同様にして、インク23を得た。なお、インク23に含まれる粒子のメジアン径(D50)は248nmであり、インク23の粘度は24cpsであった。
ここで、高分子化合物及びNMPの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物の含有量を変化させると、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が約58cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク23は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク24の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク24を得た。なお、インク24に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク24の粘度は23cpsであった。
ここで、インク24は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク25の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ2部及び268部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク25を得た。なお、インク25に含まれる粒子のメジアン径(D50)は245nmであり、インク25の粘度は16cpsであった。
ここで、インク25は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク26の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ6部及び264部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク26を得た。なお、インク26に含まれる粒子のメジアン径(D50)は251nmであり、インク26の粘度は24cpsであった。
ここで、インク26は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク27の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ7部及び263部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク27を得た。なお、インク27に含まれる粒子のメジアン径(D50)は242nmであり、インク27の粘度は18cpsであった。
ここで、インク27は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク28の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ8部及び262部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク28を得た。なお、インク28に含まれる粒子のメジアン径(D50)は245nmであり、インク28の粘度は16cpsであった。
ここで、インク28は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク29の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ9部及び261部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク29を得た。なお、インク29に含まれる粒子のメジアン径(D50)は244nmであり、インク29の粘度は15cpsであった。
ここで、インク29は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク30の製造)
高分子化合物及びNMPの含有量を、それぞれ10部及び260部に変更した以外は、インク23と同様にして、インク30を得た。なお、インク30に含まれる粒子のメジアン径(D50)は242nmであり、インク30の粘度は14cpsであった。
ここで、インク30は、インク23と同様に、高分子化合物の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク31の製造)
NMPの代わりに、DMSOを用いた以外は、インク1と同様にして、インク31を得た。なお、インク31に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク31の粘度は27cpsであった。
ここで、高分子化合物1及びDMSOの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物1の含有量を変化させると、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が約72cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク31は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク32の製造)
高分子化合物1及びDMSOの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク31と同様にして、インク32を得た。なお、インク32に含まれる粒子のメジアン径(D50)は254nmであり、インク32の粘度は29cpsであった。
ここで、インク32は、インク31と同様に、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク33の製造)
NMPの代わりに、DMFを用いた以外は、インク1と同様にして、インク33を得た。なお、インク33に含まれる粒子のメジアン径(D50)は252nmであり、インク33の粘度は26cpsであった。
ここで、高分子化合物1及びDMFの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物1の含有量を変化させると、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が約78cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク33は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク34の製造)
高分子化合物1及びDMFの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク33と同様にして、インク34を得た。なお、インク34に含まれる粒子のメジアン径(D50)は265nmであり、インク34の粘度は32cpsであった。
ここで、インク34は、インク33と同様に、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク35の製造)
NMPの代わりに、IPAを用いた以外は、インク1と同様にして、インク35を得た。なお、インク35に含まれる粒子のメジアン径(D50)は277nmであり、インク35の粘度は27cpsであった。
ここで、高分子化合物1及びIPAの総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子化合物1の含有量を変化させると、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が約76cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク35は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク36の製造)
高分子化合物1及びIPAの含有量を、それぞれ5部及び265部に変更した以外は、インク35と同様にして、インク36を得た。なお、インク36に含まれる粒子のメジアン径(D50)は280nmであり、インク36の粘度は42cpsであった。
ここで、インク36は、インク35と同様に、高分子化合物1の含有量が約4部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク37の製造)
高分子分散剤1及びNMPの代わりに、それぞれ高分子分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム)A-30(東亜合成製)及びイオン交換水を用い、高分子分散剤及びイオン交換水の含有量を、それぞれ4部及び266部に変更した以外は、インク1と同様にして、インク37を得た。なお、インク37に含まれる粒子のメジアン径(D50)は276nmであり、インク39の粘度は40cpsであった。
ここで、高分子分散剤及びイオン交換水の総含有量と、酸化アルミニウム粒子の含有量を固定し、高分子分散剤の含有量を変化させると、高分子分散剤の含有量が約5部である時に、粘度が約62cps(極大値)となった(図2参照)。このため、インク37は、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
(インク38の製造)
高分子分散剤及びイオン交換水の含有量を、それぞれ6部及び264部に変更した以外は、インク37と同様にして、インク38を得た。なお、インク38に含まれる粒子のメジアン径(D50)は267nmであり、インク38の粘度は44cpsであった。
ここで、インク38は、インク37と同様に、高分子分散剤の含有量が約5部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク39の製造)
高分子分散剤及びイオン交換水の含有量を、それぞれ10部及び260部に変更した以外は、インク37と同様にして、インク39を得た。なお、インク39に含まれる粒子のメジアン径(D50)は240nmであり、インク39の粘度は24cpsであった。
ここで、インク39は、インク37と同様に、高分子分散剤の含有量が約5部である時に、粘度が極大値となるため、領域Bに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は負である。
(インク40の製造)
高分子分散剤及びイオン交換水の含有量を、それぞれ2部及び268部に変更した以外は、インク37と同様にして、インク40を得た。なお、インク40に含まれる粒子のメジアン径(D50)は248nmであり、インク40の粘度は36cpsであった。
ここで、インク40は、インク37と同様に、高分子分散剤の含有量が約5部である時に、粘度が極大値となるため、領域Aに該当し、酸化アルミニウム粒子の極性は正である。
表1に、第2のインクの特性を示す。
Figure 0007225846000005
<第1のインクの製造>
(インク41の製造)
アルミナナノファイバーを含むアルミナゾル-F1000(川研ファインケミカル製)をイオン交換水で0.5質量%となるように希釈した後、超音波ホモジナイザーUS-300T(日本精機製)を用いて、30分間分散させた。次に、フッ素系界面活性剤F-444(DIC製)を添加して、表面張力が30N/mとなるように調整し、インク41を得た。
アルミナナノファイバーの極性を調べるため、酸化アルミニウム粒子の極性が正であるインク1及び酸化アルミニウム粒子の極性が負であるインク2と、それぞれ容量比が1:1となるように混合した結果、インク2と混合した場合のみゲル化したため、アルミナナノファイバーの極性は正であると判断した。
(インク42の製造)
アルミナゾル-F1000(川研ファインケミカル製)の代わりに、アルミナナノファイバーを含むアルミナゾル-F3000(川研ファインケミカル製)を用いた以外は、インク41と同様にして、インク42を得た。
インク41と同様にして、アルミナナノファイバーの極性を評価した結果、アルミナナノファイバーの極性は正であると判断した。
(インク43の製造)
メカニカルスターラーを用いて、アスペクト比10の板状のアルミナ粒子セラフYFA00610(キンセイマイテック製)180部、NMP270部を混合した後、ビーズミル分散機LMZ150(アシザワファインテック製)及び直径0.1mmのジルコニアビーズ(ニッカトー製)を用いて、6m/sの回転速度で30分間分散させ、インク43を得た。
インク41と同様にして、板状のアルミナ粒子の極性を評価した結果、板状のアルミナ粒子の極性は正であると判断した。
(インク44の製造)
セラフYFA00610(キンセイマイテック製)の代わりに、アスペクト比30の板状のアルミナ粒子YFA02025(キンセイマイテック製)を用いた以外は、インク43と同様にして、インク44を得た。
インク41と同様にして、板状のアルミナ粒子の極性を評価した結果、板状のアルミナ粒子の極性は正であると判断した。
(インク45の製造)
セラフYFA00610(キンセイマイテック製)の代わりに、アスペクト比70の板状のアルミナ粒子YFA02050(キンセイマイテック製)を用いた以外は、インク43と同様にして、インク45を得た。
インク41と同様にして、板状のアルミナ粒子の極性を評価した結果、板状のアルミナ粒子の極性は正であると判断した。
(インク46の製造)
メカニカルスターラーを用いて、アスペクト比10の酸化アルミニウムナノワイヤ(シグマアルドリッチ製)180部、イオン交換水270部を混合した後、ビーズミル分散機LMZ150(アシザワファインテック製)及び直径0.1mmのジルコニアビーズ(ニッカトー製)を用いて、6m/sの回転速度で30分間分散させた。次に、イオン交換水とフッ素系界面活性剤F-444(DIC製)を添加し、固形分濃度が5質量%、表面張力が30N/mとなるように調整し、インク46を得た。
インク41と同様にして、酸化アルミニウムナノワイヤの極性を評価した結果、酸化アルミニウムナノワイヤの極性は正であると判断した。
(インク47の製造)
キトサンナノファイバーBiNFi-s キトサン(スギノマシン製)をイオン交換水で0.5質量%となるように希釈した後、超音波ホモジナイザーUS-300T(日本精機製)を用いて、30分間分散させた。次に、フッ素系界面活性剤F-444(DIC製)を添加して、表面張力が30N/mとなるように調整し、インク47を得た。
インク41と同様にして、キトサンナノファイバーの極性を評価した結果、キトサンナノファイバーの極性は正であると判断した。
(インク48の製造)
BiNFi-s キトサン(スギノマシン製)の代わりに、キチンナノファイバーBiNFi-s キチン(スギノマシン製)を用いた以外は、インク47と同様にして、インク50を得た。
インク41と同様にして、キチンナノファイバーの極性を評価した結果、インク1及びインク2のいずれと混合してもゲル化せず、中性であると判断した。
(インク49の製造)
BiNFi-s キトサン(スギノマシン製)の代わりに、CMCナノファイバーBiNFi-s CMC(スギノマシン製)を用いた以外は、インク47と同様にして、インク49を得た。
インク41と同様にして、CMCナノファイバーの極性を評価した結果、中性であると判断した。
表2に、第1のインクの特性を示す。
Figure 0007225846000006
<インクセット>
第1のインク(インク41~49)と、第2のインク(インク1~40)を組み合わせて、実施例のインクセットとした(表3~5参照)。
なお、第1のインク(インク41~49)と、第2のインク(インク1~40)を単独で用いた場合を比較例のインクとした(表6参照)。
<被吸収媒体の作製>
特開2017-50131号公報に記載されている方法により、被吸収媒体を作製した。
黒鉛粉末KS6(ティムカル製)93部及びデンカブラック(アセチレンブラック)(電気化学工業製)5部に、水を加えて混練した後、カルボキシメチルセルロースの2質量%水溶液1270(ダイセル製)1部を加えて混練した。さらに、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)(日本ゼオン製)1部を加え、電極合材用スラリーを得た。
電極基体としての、銅箔上に、電極合材用スラリーを塗布した後、150℃で12時間真空乾燥させた。次に、プレス機(テスター産業製)を用いて、圧縮することで、単位面積当たりの固形分3mg/cm、単位体積当たりの固形分1.3g/cmの電極合材を形成し、被吸収媒体とした。
<電極一体型セパレータの表面抵抗率(バーコーティング法)>
インクの付着量が0.1mg/cmとなるように、第1のインク(インク41~49)を被吸収媒体にバーコーター塗布した後、120℃で20分間乾燥させ、第1の膜を形成した。次に、インクの付着量が1.0mg/cmとなるように、第2のインク(インク1~40)を第1の膜に塗布した後、乾燥させ、第2の膜を形成し、電極一体型セパレータを得た。
なお、比較例のインクを用いる場合は、第1のインク又は第2のインクのみを塗布した。
電極一体型セパレータの表面抵抗率は、膜の上下面を電極で挟み込み、測定した。
<コーヒーステイン>
インクの付着量が0.1mg/cmとなるように、第1のインク(インク41~49)をバーコーター塗布した後、120℃で20分間乾燥させ、第1の膜を形成した。次に、マイクロピペットを用いて、0.1mlの第2のインク(インク1~40)を第1の膜に滴下し、5分間室温で乾燥させた。次に、120℃で乾燥させた後、目視でコーヒーステインの発生の有無を確認した。なお、コーヒーステインが発生している場合を×、コーヒーステインが発生していない場合を〇として、判定した。
表3~6に、実施例のインクセット、比較例のインクを用いた場合の電極一体型セパレータの表面抵抗率、コーヒーステインの評価結果を示す。
Figure 0007225846000007
Figure 0007225846000008
Figure 0007225846000009
Figure 0007225846000010
表3~6から、実施例のインクセットは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が高いことがわかる。これらの中でも、ナノファイバーを含有するインク47~49を有するインクセットは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が特に高い。
これに対して、比較例のインクは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が低い。
また、第1のインクに含まれる異形粒子と、第2のインクに含まれる無機絶縁粒子が逆の極性に帯電している場合に、コーヒーステインが発生していない。
<第2のインクの希釈>
インク15、16、23、24にNMP450部を加えて2倍に希釈し、インク15'、16'、23'、24'を得た。
<インクセット>
第1のインク(インク41、42)と、第2のインク(インク15'、16'、23'、24')を組み合わせて、実施例のインクセットとした(表7、8参照)。
なお、第1のインク(インク41、42)と、第2のインク(インク15'、16'、23'、24')を単独で用いた場合を比較例のインクとした(表7、8参照)。
<電極一体型セパレータの表面抵抗率(インクジェット印刷法1)>
第2のインク(インク15'、16'、23'、24')及び第1のインク(インク41、42)を、カートリッジに充填した後、図1のインクジェット印刷装置にカートリッジを装着した。次に、被吸収媒体の全面に、第1のインクを吐出した後、第2のインクを吐出した。次に、ホットプレートを用いて、120℃で乾燥させ、電極一体型セパレータを得た。
なお、第2のインクの付着量及び第1のインクの付着量が、それぞれ1.0mg/cm及び0.1mg/cmとなるように、記録ヘッドに印加する駆動波形、駆動電圧を調整した。
また、比較例のインクを用いる場合は、第1のインク又は第2のインクのみを吐出した。
電極一体型セパレータの表面抵抗率は、膜の上下面を電極で挟み込み、測定した。
表7に、実施例のインクセット、比較例のインクを用いた場合の電極一体型セパレータの表面抵抗率の評価結果を示す。
Figure 0007225846000011
表7から、実施例のインクセットは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が高いことがわかる。
これに対して、比較例のインクは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が低い。
<電極一体型セパレータの表面抵抗率(インクジェット印刷法2)>
第2のインク(インク15'、16'、23'、24')及び第1のインク(インク41、42)を、カートリッジに充填した後、図1のインクジェット印刷装置にカートリッジを装着した。次に、被吸収媒体の全面に、第1のインク及び第2のインクを略同時に吐出した後、ホットプレートを用いて、120℃で乾燥させ、電極一体型セパレータを得た。
なお、第2のインクの付着量及び第1のインクの付着量が、それぞれ1.0mg/cm及び0.1mg/cmとなるように、記録ヘッドに印加する駆動波形、駆動電圧を調整した。
また、比較例のインクを用いる場合は、第1のインク又は第2のインクのみを吐出した。
電極一体型セパレータの表面抵抗率は、膜の上下面を電極で挟み込み、測定した。
表8に、実施例のインクセット、比較例のインクを用いた場合の電極一体型セパレータの表面抵抗率の評価結果を示す。
Figure 0007225846000012
表8から、実施例のインクセットは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が高いことがわかる。
これに対して、比較例のインクは、電極一体型セパレータの表面抵抗率が低い。
特開2000-277386号公報 特開2006-173001号公報

Claims (14)

  1. 電極基体と、
    前記電極基体上に設けられた電極合材と、
    前記電極合材上に設けられた絶縁膜と、を備え、
    前記絶縁膜は、異形粒子を含む第1の膜と、無機絶縁粒子を含む第2の膜と、を有する多層膜であり、
    前記異形粒子のアスペクト比は250以上であることを特徴とするセパレータ一体型電極。
  2. 前記異形粒子のアスペクト比は750以上であることを特徴とする請求項1に記載のセパレータ一体型電極。
  3. 電極基体と、
    前記電極基体上に設けられた電極合材と、
    前記電極合材上に設けられた絶縁膜と、を備え、
    前記絶縁膜は、異形粒子を含む第1の膜と、無機絶縁粒子を含む第2の膜と、を有する多層膜であり、
    前記異形粒子はファイバー状であることを特徴とするセパレータ一体型電極。
  4. 前記異形粒子の最短辺の長さは1μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極。
  5. 前記異形粒子は無機酸化物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極。
  6. 前記無機酸化物は酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項5に記載のセパレータ一体型電極。
  7. 前記無機絶縁粒子は表面抵抗率が1×10 Ω・m以上であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極。
  8. 前記無機絶縁粒子は粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極。
  9. 前記無機絶縁粒子は粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極。
  10. アスペクト比が250以上である異形粒子を含有する第1のインクと、
    無機絶縁粒子を含有する第2のインクを有することを特徴とするインクセット。
  11. 請求項10に記載のインクセットを用いて絶縁膜を形成する方法であって、
    被吸収媒体上で、前記異形粒子と、前記無機絶縁粒子を接触させることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
  12. 前記被吸収媒体上に、前記第1のインクを塗布して第1の膜を形成する工程と、
    該第1の膜が形成された被吸収媒体上に、前記第2のインクを塗布して第2の膜を形成する工程を含有することを特徴とする請求項11に記載の絶縁膜の形成方法。
  13. 前記被吸収媒体は、電極基体と、前記電極基体上に設けられた電極合材と、を有することを特徴とする請求項11または12に記載の絶縁膜の形成方法。
  14. 請求項1~9のいずれか一項に記載のセパレータ一体型電極を有することを特徴とするリチウムイオン2次電池。
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