本発明の変性シリコーンは、シリコーン油、エステル油、炭化水素油等の各種油性成分を、低添加量で増粘・ゲル化することで、良好な感触や弾性を有するゲル状若しくはゼリー状の油類組成物を形成できる新規な化合物であり、具体的には、下記の一般式(I-i)または、後述する一般式(II-i)で表される構造を有する変性シリコーンである。
(式中、R1、R2はそれぞれ独立して炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、X1、X2はそれぞれ独立して、水素原子又は、水酸基、アミノ基、下記の一般式(a-1)で表される基、下記の一般式(I-i-1)で表される基、下記の一般式(I-i-2)で表される基または下記の一般式(I-i-3)で表される基のいずれかの基を表し(ただしX1、X2の少なくとも一方は一般式(I-i-1)で表される基、一般式(I-i-2)で表される基または一般式(I-i-3)で表される基のいずれかである)、aの値は0~2000の数を表す。)
(式中、R11は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
(式中、R21はモノイソシアネート化合物の残基を表す。)
(式中、R22はモノイソシアネート化合物の残基を表す。)
(式中、R23はモノイソシアネート化合物の残基を表し、R12は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
一般式(I-i)のR1、R2はそれぞれ独立して炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~8の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内でエーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点から、R1、R2はそれぞれ、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~8の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基といった炭素数1~3の直鎖飽和炭化水素であることが特に好ましい。
aの値は0~2000の数を表す。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、0~1000が好ましく、0~500がより好ましく、1~200がさらに好ましく、1~100が特に好ましい。また、aの平均値は、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、2~500が好ましく、3~200がより好ましく、5~100がさらに好ましい。
一般式(a-1)のR11は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素鎖、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素鎖等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R11は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数2~8の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(I-i-1)のR21は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を1個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
一般式(I-i-2)のR22は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を1個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
一般式(I-i-3)のR23は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を1個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
R12は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素鎖、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素鎖等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R12は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素鎖であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素鎖であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素鎖であることが特に好ましい。
一般式(I-i)で表される変性シリコーンとしては、上述した構造を有することで各種油性成分への増粘・ゲル化能等を発揮することができるが、より増粘・ゲル化効果を高める観点からは、X1およびX2が一般式(I-i-1)または一般式(I-i-2)で表される基であることが好ましく、X1およびX2が一般式(I-i-2)で表される基であることがより好ましい。
一般式(I-i)で表される変性シリコーンの重量平均分子量は、増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、500~100,000であることが好ましく、2,000~40,000であることがより好ましく、3,000~10,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が100,000より大きく、または500より小さくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合がある。なお本発明において全ての重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定しスチレン換算で求めることができる。
一般式(I-i)で表される変性シリコーンの中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように各種油性成分への増粘・ゲル化能をより高める観点から、下記の一般式(I-ii)で表される構造を有する変性シリコーンが好ましい。
(式中、R3、R4はそれぞれ独立して炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、X3、X4はそれぞれ独立して水素原子又は、水酸基、アミノ基、下記の一般式(a’-1)で表される基、下記の一般式(I-ii-1)で表される基、下記の一般式(I-ii-2)で表される基または下記の一般式(I-ii-3)で表される基のいずれかの基を表し(ただしX3、X4の少なくとも一方は一般式(I-ii-1)で表される基、一般式(I-ii-2)で表される基または一般式(I-ii-3)で表される基である)、bの値は0~2000の数を表す。)
(式中、R13は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
(式中、pは0~29の数を表す)
(式中、qは0~29の数を表す)
(式中、R14は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、rは0~29の数を表す)
一般式(I-ii)のR3、R4はそれぞれ独立して炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~8の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R3、R4はそれぞれ、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~8の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基といった炭素数1~3の直鎖飽和炭化水素であることが特に好ましい。
bの値は0~2000の数を表す。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、0~1000が好ましく、0~500がより好ましく、1~200がさらに好ましく、1~100が特に好ましい。また、bの平均値は、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、2~500が好ましく、3~200がより好ましく、5~100がさらに好ましい。
一般式(a’-1)のR13は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素鎖、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素鎖等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R13は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素鎖であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素鎖であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素鎖であることが特に好ましい。
一般式(I-ii-1)のpは0~29の数を表す。中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、pは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
一般式(I-ii-2)のqは0~29の数を表す。中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、qは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
一般式(I-ii-3)のrは0~29の数を表す。中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、rは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
R14は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R14は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素鎖であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素鎖であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素鎖であることが特に好ましい。
一般式(I-ii)で表される変性シリコーンの重量平均分子量は、増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、500~100,000であることが好ましく、2,000~40,000であることがより好ましく、3,000~10,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が100,000より大きく、または500より小さくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合がある。
このような一般式(I-ii)で表される変性シリコーンの中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように各種油性成分への増粘・ゲル化能を高める観点から、X3およびX4が一般式(I-ii-1)または一般式(I-ii-2)で表される基あることが好ましく、X3およびX4が一般式(I-ii-2)で表される基であることがより好ましい。
次に、下記の一般式(II-i)で表される構造を有する本発明の変性シリコーンについて説明する。
(式中、R5、R6はそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、X5は水酸基、アミノ基または一般式(b-1)で表される基を表し、X6は下記の一般式(II―i-1)で表される基、下記の一般式(II-i-2)で表される基または下記の一般式(II-i-3)で表される基を表し、cの値は1~2000の数を表し、dの値は0~1000の数を表し、eの値は1~1000の数を表し、cとdとeの平均値の比c:d:eは200~0.1:0.99~0:1~0.01(dとeの比の合計は1)である。但し単位ユニットの配列はブロック状、ランダム状のいずれでもよく、ブロック状の部分とランダム状の部分との組合せでもよい。)
(式中、R15は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
(式中、R24はモノイソシアネート化合物の残基を表す。)
(式中、R25はモノイソシアネート化合物の残基を表す。)
(式中、R26はモノイソシアネート化合物の残基を表し、R16は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
一般式(II-i)のR5、R6はそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~20の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐不飽和炭化水素等が挙げられる。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R5、R6はそれぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~20の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(II-i)のcの値は1~2000の数を表し、dの値は0~1000の数を表し、eの値は1~1000の数を表す。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、cの値は1~1000が好ましく、1~500がより好ましく、2~200がさらに好ましく、dの値は0~500が好ましく、0~200がより好ましく、0~100がさらに好ましく、eの値は1~500が好ましく、1~300がより好ましく、1~200がさらに好ましい。またc、d、eの平均値は、前述の値を満たす限り特に制限されないが、例えば、cの平均値は2~1000であってもよく、dの平均値は0~300であってもよく、eの平均値は2~500であってもよい。またcとdとeの平均値の比c:d:eは200~0.1:0.99~0:1~0.01(dとeの比の合計は1)である。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように各種油性成分への増粘・ゲル化能を高める観点から、c:d:eは200~1:0.9~0:1~0.1(dとeの比の合計は1)であることが好ましく、200~1:0.5~0:1~0.5(dとeの比の合計は1)であることがより好ましく、200~1:0.2~0:1~0.8(dとeの比の合計は1)であることがさらにより好ましい。
一般式(b-1)のR15は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素鎖、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素鎖等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R15は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素鎖であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素鎖であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素鎖であることが特に好ましい。
一般式(II-i-1)のR24は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を一個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
一般式(II-i-2)のR25は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を一個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
一般式(II-i-3)のR26は、モノイソシアネート化合物の残基を表し、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基を含有する炭化水素基、炭素数3~8のシクロアルキル基を含有する炭化水素基、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基を含有する炭化水素基または炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基であることが好ましい。このうち炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基としては、増粘・ゲル化能を高める観点から、炭素数4~8の芳香環を1~2個を有する芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数6の芳香環を1~2個有する芳香族炭化水素基であることがさらに好ましく、炭素数6の芳香環を一個有する芳香族炭化水素基であることが特に好ましい。
R16は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R16は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数2~8の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(II-i)で表される変性シリコーンの重量平均分子量は、増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、500~100,000であることが好ましく、2,000~40,000であることがより好ましく、3,000~10,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が100,000より大きく、または500より小さくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合がある。
一般式(II-i)で表される変性シリコーンとしては、上述した構造を有することで各種油性成分に対する増粘・ゲル化能等を発揮することができるが、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能をより高める観点から、X6が一般式(II-i-2)または(II-i-3)で表される基であることが好ましく、一般式(II-i-3)で表される基であることがより好ましい。
また、一般式(II-i)で表される変性シリコーンの中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、下記の一般式(II-ii)で表される変性シリコーンであることが好ましい。
(式中、R7、R8はそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、X7は水酸基、アミノ基または一般式(b’-1)で表される基を表し、X8は下記の一般式(II-ii-1)で表される基または下記の一般式(II-ii-2)で表される基または下記の一般式(II-ii-3)で表される基を表し、fの値は1~2000の数を表し、gの値は0~1000の数を表し、hの値は1~1000の数を表し、fとgとhの平均値の比f:g:hは200~0.1:0.99~0:1~0.01(gとhの比の合計は1)である。但し単位ユニットの配列はブロック状、ランダム状のいずれでもよく、ブロック状の部分とランダム状の部分との組合せでもよい。)
(式中、R17は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
(式中、sは0~29の数を表す)
(式中、tは0~29の数を表す)
(式中、R18は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、uは0~29の数を表す)
一般式(II-ii)のR7、R8はそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~20の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐不飽和炭化水素等が挙げられる。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R7、R8はそれぞれ独立して、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~20の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(II-ii)のfの値は1~2000の数を表し、gの値は0~1000の数を表し、hの値は1~1000の数を表す。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、fの値は1~1000が好ましく、1~500がより好ましく、2~200がさらに好ましく、gの値は0~500が好ましく、0~200がより好ましく、0~100がさらに好ましく、hの値は1~500が好ましく、1~300がより好ましく、1~200がさらに好ましい。またf、g、hの平均値は、前述の値を満たす限り特に制限されないが、例えば、fの平均値は2~1000であってもよく、gの平均値は0~300であってもよく、hの平均値は2~500であってもよい。またfとgとhの平均値の比f:g:hは200~0.1:0.99~0:1~0.01(gとhの比の合計値は1)である。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように各種油性成分への増粘・ゲル化能を高める観点から、f:g:hは200~1:0.9~0:1~0.1(gとhの比の合計は1)であることが好ましく、200~1:0.5~0:1~0.5(gとhの比の合計は1)であることがより好ましく、200~1:0.2~0:1~0.8(gとhの比の合計は1)であることがさらにより好ましい。
一般式(b’-1)のR17は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素鎖、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素鎖等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R17は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素鎖であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素鎖であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素鎖であることが特に好ましい。
一般式(II-ii-1)のsは0~29の数を表す。中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、sは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
一般式(II-ii-2)のtは0~29の数を表す。中でも、良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、tは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
一般式(II-ii-3)のR18は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、R18は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数2~8の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
uは0~29の数を表す。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、uは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。
一般式(II-ii)で表される変性シリコーンの重量平均分子量は、増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、500~100,000であることが好ましく、2,000~40,000であることがより好ましく、3,000~10,000であることがさらに好ましい。重量平均分子量が100,000より大きく、または500より小さくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合がある。
このような一般式(II-ii)で表される変性シリコーンの中でも、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点からは、X8が一般式(II-ii-2)または(II-ii-3)で表される基であることが好ましく、一般式(II-ii-3)で表される基であることがより好ましい。
本発明の変性シリコーンは、下記の一般式(A)または一般式(B)で表される1種又は2種以上からなるシリコーン誘導体原料と、1種又は2種以上からなるモノイソシアネート化合物原料とを反応させることで得ることができ、より具体的には、シリコーン誘導体原料として、一般式(A)で表されるシリコーン誘導体原料を用いると前述した一般式(I-i)で表される変性シリコーンが得られ、また一般式(B)で表されるシリコーン誘導体原料を用いると前述した一般式(II-i)で表される変性シリコーンが得られる。
(式中、R31、R32はそれぞれ独立して炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、Y1、Y2はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、アミノ基または下記の一般式(c-1)で表される基を表し(ただしY1、Y2の少なくとも一方は水素原子ではない)、iの値は0~2000の数を表す。)
(式中、R41は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
(式中、R33は炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、Y3は水酸基、アミノ基または一般式(d-1)で表される基を表し、jの値は1~2000の数を表し、kの値は1~1000の数を表し、jとkの平均値の比j:kは200:1~1:1である。但し単位ユニットの配列はブロック状、ランダム状のいずれでもよく、ブロック状の部分とランダム状の部分との組合せでもよい。)
(式中、R42は炭素数1~10の炭化水素鎖を表す。)
本発明の変性シリコーンの製造原料として用いる、一般式(A)で表されるシリコーン誘導体について詳しく説明する。一般式の(A)のR31、R32はそれぞれ独立して、炭素数1~8の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~8の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐飽和炭化水素、炭素数2~8の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、モノイソシアネート化合物との反応性が良好であり、また得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点からは、R31、R32はそれぞれ、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~8の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基といった炭素数1~3の直鎖飽和炭化水素であることが特に好ましい。
一般式(A)のY1、Y2はそれぞれ独立して、水素原子、水酸基、アミノ基または下記の一般式(c-1)で表される基を表し、このときY1、Y2の少なくとも一方は水素原子以外の基である必要がある。得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果の観点から、Y1およびY2が同一の基であることが好ましい。中でも、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果や、油類組成物の感触や弾性の観点から、Y1およびY2がいずれもアミノ基であるか、いずれも水酸基であるか、いずれも一般式(c-1)で表される基であることが好ましく、いずれもアミノ基であるか、いずれも一般式(c-1)で表される基であることが特に好ましい。
一般式(A)のiの値は0~2000の数を表す。中でも、モノイソシアネート化合物との反応性が良好であり、また得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点からは、iの値は0~1000が好ましく、0~500がより好ましく、1~200がさらに好ましく、1~100が特に好ましい。このとき、変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、iの平均値は2~500が好ましく、3~200がより好ましく、5~100がさらに好ましい。
一般式(c-1)のR41は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、モノイソシアネート化合物との反応性および反応制御性が良好であり、また得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点からは、R41は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数2~8の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(A)で表されるシリコーン誘導体の重量平均分子量は、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、450~95,000であることが好ましく、1,900~35,000であることがより好ましく、2,900~9,500であることがさらに好ましい。重量平均分子量が95,000より大きくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合があり、450より小さいと、得られる変性シリコーンは増粘・ゲル化の効果が得られない場合がある。
一般式(A)で表されるシリコーン誘導体の官能基当量は、モノイソシアネート化合物と反応することが可能な限り特に限定されないが、例えば水酸基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は100~10,000g/molであることが好ましく、200~5,000g/molであることがより好ましく、300~3,000g/molであることがさらに好ましい。水酸基を含有するシリコーン誘導体の官能基当量は、JIS K 0070に記載の方法により測定される水酸基価[mgKOH/g]に基づき算出することができる。また、例えばアミノ基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は100~10,000g/molであることが好ましく、200~5,000g/molであることがより好ましく、300~3,000g/molであることがさらに好ましい。また、例えば一般式(c-1)で表される基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は100~10,000g/molであることが好ましく、200~5,000g/molであることがより好ましく、300~3,000g/molであることがさらに好ましい。アミノ基または一般式(c-1)で表される基を含有するシリコーン誘導体の官能基当量は、JIS K 7237に記載の方法に準拠して測定される全アミン価に基づき算出することができる。官能基当量がそれぞれこれらの範囲にあることで、モノイソシアネート化合物との結合点を十分に有し、また各種油性成分との親和性も十分に示すことができ、よって得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化剤としての特性を高めることができる。
一般式(A)で表されるシリコーン誘導体としては、1種のシリコーン誘導体を原料として用いてもよく、2種以上のシリコーン誘導体を用いてもよいが、本発明の効果を得られやすいことから1種のシリコーン誘導体を原料として用いる方が好ましい。
一般式(A)で表されるシリコーン誘導体は、公知の方法(例えば、特開平4-88024号、特開平11-323661号に記載の方法)で合成して得られたものを用いてもよく、また市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製の変性シリコーンオイル、側鎖型モノアミン変性タイプ反応性シリコーンオイル(製品名:KF-868、KF-865、KF-864)、側鎖型ジアミン変性タイプ反応性シリコーンオイル(製品名:KF-393、KF-859、KF-860、KF-861、KF-8002、KF-8004、KF-8005、KF-8021)、側鎖型モノアミノ・ポリエーテル変性タイプ反応性シリコーンオイル(製品名:X-22-3939A)等が挙げられる。
次に、本発明の変性シリコーンの原料として用いる、一般式(B)で表されるシリコーン誘導体について詳しく説明する。一般式(B)のR33は炭素数1~20の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~20の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐飽和炭化水素、炭素数2~20の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、モノイソシアネート化合物との反応性および反応制御性が良好であり、また得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点からは、R33は、炭素数1~20の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~20の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数1~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましい。
一般式(B)のY3は水酸基、アミノ基または一般式(d-1)で表される基を表す。中でも、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化能の観点から、アミノ基または一般式(d-1)で表される基であることが好ましく、一般式(d-1)で表される基であることが特に好ましい。
一般式(B)のjの値は1~2000の数を表し、kの値は1~1000の数を表す。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、jの値は1~1000が好ましく、1~500がより好ましく、2~300がさらに好ましく、3~200が特に好ましく、kの値は1~500が好ましく、1~300がより好ましく、1~200がさらに好ましい。また、j、kの平均値は、前述の値を満たす限り特に制限されないが、例えば、jの平均値は2~1000であってもよく、kの平均値は2~500であってもよい。
一般式(B)のjとkの平均値の比j:kは200:1~1:1である。jとkの平均値の比がこの範囲にあることで、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高めることができる。中でも、低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を高める観点から、jとkの平均値の比j:kは150:1~1.5:1であることが好ましく、100:1~2:1であることがより好ましく、20:1~2:1であることがさらに好ましく、10:1~2:1であることが特に好ましい。また単位ユニットの配列はブロック状、ランダム状のいずれでもよく、ブロック状の部分とランダム状の部分との組合せでもよい。
一般式(d-1)のR42は炭素数1~10の炭化水素鎖を表し、こうした炭化水素鎖としては、例えば、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素、炭素数1~10の直鎖不飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐飽和炭化水素、炭素数2~10の分岐不飽和炭化水素等が挙げられ、また本発明の効果を阻害しない範囲内で、エーテル基、カルボニル基、エステル基等の官能基を有していてもよい。中でも、モノイソシアネート化合物との反応性および反応制御性が良好であり、また得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点からは、R42は、炭素数1~10の直鎖飽和炭化水素または炭素数2~10の分岐飽和炭化水素であることが好ましく、炭素数1~8の直鎖飽和炭化水素であることがより好ましく、炭素数2~6の直鎖飽和炭化水素であることがさらに好ましく、炭素数2の直鎖飽和炭化水素であることが特に好ましい。
一般式(B)で表されるシリコーン誘導体の重量平均分子量は、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果が得られやすいことから、450~95,000であることが好ましく、1,900~35,000であることがより好ましく、2,900~9,500であることがさらに好ましい。重量平均分子量が95,000より大きくなると、増粘・ゲル化効果が低下する場合があり、450より小さいと、増粘・ゲル化の効果が得られない場合がある。
一般式(B)で表されるシリコーン誘導体の官能基当量は、モノイソシアネート化合物と反応することが可能な限り特に限定されないが、例えば水酸基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は、100~30,000g/molであることが好ましく、300~20,000g/molであることがより好ましく、500~10,000g/molであることがさらに好ましく、900~5,000g/molであることがさらに好ましい。また、例えばアミノ基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は、100~30,000g/molであることが好ましく、300~20,000g/molであることがより好ましく、500~10,000g/molであることがさらに好ましく、2,000~6,000g/molであることがさらに好ましい。また、例えば一般式(d-1)で表される基を含有するシリコーン誘導体である場合は、官能基当量は、100~60,000g/molであることが好ましく、150~20,000g/molであることがより好ましく、200~12,000g/molであることがさらに好ましく、250~6,000g/molであることがさらに好ましい。なおシリコーン誘導体の官能基当量は、前述した方法により測定することができる。官能基当量がそれぞれこれらの範囲にあることで、モノイソシアネート化合物との結合点を十分に有し、また各種油性成分との親和性も十分に示すことができ、よって得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化剤としての特性を高めることができる。
一般式(B)で表されるシリコーン誘導体は、公知の方法(例えば、特開平5-194969号、特開平11-323661号に記載の方法)で合成して得られたものを用いてもよく、また市販品を用いてもよい。このような市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製の変性シリコーンオイル、両末端型アミノ変性タイプ反応性シリコーンオイル(製品名:PAM-E、KF-8010、X-22-161A、X-22-161B、KF-8012,KF-8008、X-22-9409)、両末端型カルビノール変性タイプ反応性シリコーン(製品名:KF-6000,KF-6001、KF-6002、KF-6003)等が挙げられる。
本発明に用いる一般式(A)または一般式(B)で表されるシリコーン誘導体原料としては、一般式(A)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料を用いても、一般式(B)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料を用いても、また一般式(A)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料と一般式(B)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料とを用いてもよい。これらの中でも、得られる変性シリコーンに低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化能を付与する観点から、一般式(B)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料を用いることが好ましい。
次に、本発明の変性シリコーンの原料として用いる、モノイソシアネート化合物について詳しく説明する。モノイソシアネート化合物としては、一般式(A)または一般式(B)で表されるシリコーン誘導体原料と反応可能なイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、分子内に直鎖または分岐または環状アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物、分子内に直鎖または分岐不飽和炭化水素基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物、分子内に芳香族炭化水素基およびイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物等が挙げられ、このとき分子内に、カルボニル基、メトキシ基、シリル基、トシル基等の官能基を有していてもよい。このような化合物のうち、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化能の観点から、炭素数が1~30の直鎖アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物、少なくとも1つの炭素数3~8のシクロアルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。このうち、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物としては、例えば、t-ブチルイソシアネート、2-メチルプロピルイソシアネート、2-メチルヘキシルイソシアネート、2-エチルヘキシルイソシアネート等が挙げられ、これらの中でも、アルキル基の結晶化による変性シリコーンの増粘・ゲル化能の向上からは、2-エチルヘキシルイソシアネートが好ましい。また、少なくとも1つの炭素数3~8のシクロアルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物としては、例えば、シクロプロピルイソシアネート、シクロブチルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ジメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジエチレンシクロヘキシルイソシアネート、シクロヘプチルイソシアネート、シクロオクチルイソシアネート等が挙げられ、これらの中でもアルキル基の結晶化による変性シリコーンの増粘・ゲル化能の向上からは、シクロヘキシルイソシアネートが好ましい。また、炭素数4~12の芳香環を1~4個有する芳香族炭化水素基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物としては、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、トリルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネート、ジイソプロピルフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート、ビフェニルイソシアネート等が挙げられ、これらの中でも、芳香環に由来するπ―π相互作用による変性シリコーンの増粘・ゲル化能の向上からは、フェニルイソシアネートまたはベンジルイソシアネートが好ましく、フェニルイソシアネートがより好ましい。
このようなモノイソシアネート化合物を原料として用いることで、シリコーン油、エステル油、炭化水素油等の各種油性成分を、低添加量で増粘・ゲル化することのできる変性シリコーンを得ることができる。なおイソシアネート化合物として、イソシアネート基を分子内に2つ以上有する化合物を用いると、得られる変性シリコーンの会合力を増粘・ゲル化に適するように反応系を制御することが困難となるため副生成物等の含有や増粘・ゲル化能の不均一性の問題が生じるなど、本発明のような増粘・ゲル化能を有する変性シリコーンを得るには適さない。
モノイソシアネート化合物原料としては、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化効果を高める観点から、下記一般式(C)で表される、炭素数が1~30の直鎖アルキル基とイソシアネート基からなるモノイソシアネート化合物を含んでなる原料を用いることが好ましい。
一般式(C)のmは0~29の数を表す。得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化能の観点から、mは2~25であることが好ましく、9~23であることがより好ましく、13~21であることがさらに好ましく、15~19であることが特に好ましい。このようなモノイソシアネート化合物としては、公知の方法により合成して得られたものを用いてもよく、また市販品を用いてもよい。本発明においては、モノイソシアネート化合物原料として一般式(C)で表されるモノイソシアネート化合物を含む原料を用いることで、前述した一般式(I―ii)や一般式(II―ii)で表される変性シリコーンを得ることができる。
モノイソシアネート化合物原料としては、1種のモノイソシアネート化合物を用いても、2種以上のモノイソシアネート化合物を用いてもよいが、反応系の制御を容易とし得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化能を均一化する観点からは、1種のモノイソシアネート化合物を用いることが好ましく、低添加量で良好な感触や弾性を有するように変性シリコーンの増粘・ゲル化能を高める観点からは、2種以上のモノイソシアネート化合物を用いることが好ましい。2種以上のモノイソシアネート化合物を用いる場合は、反応系を制御し、より増粘・ゲル化能を高める観点からは、2種類のモノイソシアネート化合物を用いることが好ましく、例えば、炭素数が1~30の直鎖アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物と、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物または少なくとも1つの炭素数3~8のシクロアルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物とを用いることがより好ましい。
2種類以上のモノイソシアネート化合物を用いる場合の各モノイソシアネート化合物の仕込み量の比率は特に限定されないが、より増粘・ゲル化能を高める観点からは、例えば炭素数が1~30の直鎖アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物と、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物または少なくとも1つの炭素数3~8のシクロアルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物との2種のモノイソシアネート化合物を用いる場合、炭素数が1~30の直鎖アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数と、主鎖及び側鎖の合計炭素数が3~30の分岐アルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物または少なくとも1つの炭素数3~8のシクロアルキル基とイソシアネート基を含有するモノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数との比が、1:0.01~1:1であることが好ましく、1:0.1~1:0.8であることがより好ましく、1:0.2~1:0.5であることがさらに好ましい。
上記の一般式(A)または一般式(B)で表される1種または2種以上のシリコーン誘導体原料と、1種または2種以上のモノイソシアネート化合物原料とを反応させて本発明の変性シリコーンを製造する方法としては、例えば、シリコーン誘導体原料およびモノイソシアネート化合物原料を、公知の混合方法および、公知の反応温度、反応雰囲気下で反応させればよい。具体的な製造方法としては、例えば、シリコーン誘導体原料およびモノイソシアネート化合物と、必要に応じそのほかの原料とを反応系中に仕込み、40~120℃で0.1~10時間一括して反応させ、変性シリコーンを得てもよい。このとき、シリコーン誘導体原料およびモノイソシアネート化合物原料は、すべてを同時に混合し反応させてもよいし、反応の進行に応じて分割して混合して反応させてもよい。また二種以上のシリコーン誘導体原料や、二種以上のモノイソシアネート化合物原料を用いる場合においても同様に、すべてを同時に混合し反応させてもよいし、反応の進行に応じて分割して混合し反応させてもよい。また、シリコーン誘導体原料とモノイソシアネート化合物原料とを反応させる際に、目的に応じ、その他の反応性化合物や触媒等の存在下で反応させてもよい。
本発明の変性シリコーンを製造する際の各々の原料の仕込み量は特に規定されないが、シリコーン誘導体原料とモノイソシアネート化合物とを、シリコーン誘導体原料に由来する官能基当量から算出される水酸基およびアミノ基の数と、モノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数との比が10:1~1:10になるような仕込み量とすることが好ましく、3:1~1:3になるような仕込み量とすることがより好ましく、1.5:1~1:1.5になるような仕込み量とすることがさらに好ましい。シリコーン誘導体原料に由来する水酸基およびアミノ基の数と、モノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数をこのような比で反応させることによって、増粘・ゲル化に適するように反応系を制御することができ、得られる変性シリコーンの増粘・ゲル化能を低添加量で良好な感触や弾性を有するように高められるため好ましい。
溶媒は、使用しても使用しなくても本発明の変性シリコーンを製造することは可能であるが、系全体の粘度を低減し反応を均一的に進める観点から溶媒の使用は好ましく、また溶媒を使用すると、最終生成物の粘度が下がり取扱いが容易にもなる点からも好ましい。尚、溶媒を使用すると本発明の変性シリコーンは溶媒中に溶解した状態で得られ、この状態でも増粘剤・ゲル化剤として使用可能であるが、溶媒を除去して本発明の変性シリコーンからなる物質の状態としてもよい。溶媒の除去は公知の方法であればいずれの方法を使用してもよく、例えば、減圧蒸留、加温しての乾燥、スプレードライ、或いはこれらの方法の組み合わせ等が挙げられる。
上記の反応時に使用できる溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル分岐ブチルケトンミリスチン酸分岐プロピル、トリグリセライド類等のエステル系溶媒;各種シリコーン油等が挙げられる。中でも、イソシアネート基と反応する活性水素を分子中に持たない溶媒である方が本発明の変性シリコーンの製造に悪影響を及ぼさないため好ましい。溶媒を使用する場合の使用量は全体の系に対して95~30質量%であることが好ましく、85~50質量%であることがより好ましい。尚、シリコーン油や一部のエステル油を溶媒として使用する場合、得られるシリコーン油類組成物若しくはエステル油類組成物は、化粧料にそのまま利用することも可能である。
触媒は、使用しても使用しなくても本発明の変性シリコーンを製造することは可能であり、例えば、硫酸やトルエンスルフォン酸等の強酸;四塩化チタン、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化鉄、塩化スズ、フッ化硼素等の金属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ソジウムメチラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルコラート物、炭酸塩;酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ナトリウム等の金属酸化物;テトラ分岐プロピルチタネート、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)等の有機金属化合物;オクチル酸ナトリウム、オクチル酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム等の石鹸等が挙げられる。
本発明の変性シリコーンは、各種油性成分に対して増粘・ゲル化能を発揮できるため、各種油性成分に対する増粘・ゲル化剤として用いることができる。このような油性成分としては特に限定されないが、例えば、シリコーン油、エステル油、炭化水素油、動植物油、液状の高級脂肪酸、液状の高級アルコール類等が挙げられる。これらの中でも、シリコーン油、エステル油、炭化水素油に対する増粘・ゲル化剤として特に好適に用いることができる。
本発明の変性シリコーンが増粘・ゲル化できるシリコーン油としては、シロキサン骨格を有し常温で液体の化合物であれば特に限定されない(ただし一般式(I-i)または一般式(II―i)で表される変性シリコーンを除く)が、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラシクロシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、高級アルコール変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン等が挙げられる。中でも、増粘・ゲル化効果を好適に発揮する観点から、ジメチルポリシロキサン及び環状ジメチルポリシロキサンであることが好ましい。これらのシリコーン油の分子量や粘度に制限はないが、25℃におけるシリコーン油の動粘度は1~500mm2/sが好ましく、1~100mm2/sがより好ましく、1~50mm2/sが更により好ましく、1~20mm2/sが尚更に好ましい。
シリコーン油に対する本発明の変性シリコーンの添加量は特に規定されないが、シリコーン油に0.10~20.0質量%添加することが好ましく、0.50~15.0質量%がより好ましく、1.5~10.0質量%が更により好ましい。変性シリコーンの添加量が0.10質量%未満の場合はゲル化の効果が発現しない場合があり、20.0質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や、変性シリコーンがシリコーン油に完全に溶解しない場合がある。本発明の変性シリコーンをシリコーン油に添加し、シリコーン油類組成物を製造する場合は、シリコーン油に本発明の変性シリコーンを添加し、均一になるまで混合すればよい。混合時の温度は特に限定されるものではなく、例えば、室温~200℃程度に加熱して均一になるまで混合すればよい。
本発明の変性シリコーンが増粘・ゲル化できるエステル油としては特に限定されず、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸へキシル、酢酸デシル、プロピオン酸ブチル、水添ポリブテンミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸分岐プロピル、ジメチルオクタン酸へキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、セチルエチルヘキサノエート、トリエチルヘキサノイン、ポリグリセリル-2トリイソステアレート、ペンタエリスリチルテトライソステアレート等の合成エステル油;ラノリン、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等のトリグリセライド(トリエステル油)が挙げられる。
エステル油に対する本発明の変性シリコーンの添加量は特に規定されないが、エステル油に0.10~20.0質量%添加することが好ましく、0.50~15.0質量%がより好ましく、1.5~10.0質量%が更により好ましい。変性シリコーンの添加量が0.1質量%未満の場合はゲル化の効果が発現しない場合があり、20.0質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や、変性シリコーンがエステル油に完全に溶解しない場合がある。本発明の変性シリコーンをエステル油に添加し、エステル油類組成物を製造する場合は、エステル油に本発明の変性シリコーンを添加し、均一になるまで混合すればよい。混合時の温度は特に限定されるものではなく、例えば、室温~200℃程度に加熱して均一になるまで混合すればよい。尚、本発明の変性シリコーンは、あらかじめシリコーン油とエステル油を混合しておいた油に添加してもゲル化の効果を発揮する。
本発明の変性シリコーンが増粘・ゲル化できる炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ケロシン、デカリン、テトラリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
炭化水素油に対する本発明の変性シリコーンの添加量は特に規定されないが、炭化水素油に0.10~20.0質量%添加することが好ましく、0.50~15.0質量%がより好ましく、1.5~10.0質量%が更により好ましい。変性シリコーンの添加量が0.1質量%未満の場合はゲル化の効果が発現しない場合があり、20.0質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や、変性シリコーンが炭化水素油に完全に溶解しない場合がある。本発明の変性シリコーンを炭化水素油に添加し、炭化水素油類組成物を製造する場合は、炭化水素油に本発明の変性シリコーンを添加し、均一になるまで混合すればよい。混合時の温度は特に限定されるものではなく、例えば、室温~200℃程度に加熱して均一になるまで混合すればよい。
各種油性成分を本発明の変性シリコーンによって増粘・ゲル化した油類組成物の用途は特に限定されず、例えば、潤滑油、化粧料、医薬品、香料、塗料等の分野に用いることができる。これらの中でも、本発明の油類組成物は、増粘・ゲル化した組成物の形態や感触に特に優れるため、化粧料に用いることが好ましい。このとき、油類組成物における変性シリコーンの含有量は特に限定されず、求める特性によって調整すればよいが、例えば増粘・ゲル化した油類組成物として用いる場合は、油類組成物全量に対し変性シリコーンを0.10~20.0質量%含有することが好ましく、0.50~15.0質量%含有することがより好ましく、1.5~10.0質量%含有することが更により好ましい。また、各種の油類組成物の中でも、シリコーン油に変性シリコーンを配合したシリコーン油類組成物や、エステル油に変性シリコーンを配合したエステル油類組成物は、感触に特に優れるため、化粧料組成物として特に好適に用いることができる。このようなシリコーン油類組成物やエステル油類組成物を化粧料組成物として用いる場合、油性成分としての安定性や肌への塗りやすさ、載せやすさが良好になり、化粧料組成物の使用用途の拡大や機能性向上への寄与が期待できる。また目的に応じて、本発明のシリコーン油類組成物とエステル油類組成物は、これらを混合して使用することも可能であり、またシリコーン油類組成物およびエステル油類組成物以外の油類組成物を混合して使用することも可能である。
本発明の変性シリコーンを含有する油類組成物は、耐熱性、耐水性、耐食性、耐薬品性に優れたポリマーとなるため、増粘・ゲル化剤以外の様々な用途、例えば耐熱油、難燃油や新規溶媒等にも転用可能である。
本発明の化粧料組成物は、本発明の変性シリコーンによって増粘・ゲル化したシリコーン油類組成物、エステル油類組成物、炭化水素油類組成物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する化粧料組成物である。本発明の化粧料組成物においては、ヒトの健康への悪影響を避ける観点や、品質の安定性等の観点から、実質的に重金属を用いずにシリコーン誘導体原料とモノイソシアネート化合物を反応させて得られる変性シリコーンを含有してなることが好ましい。このとき具体的には、医薬部外品原料規格(2006)の一般試験法の部に記載の重金属試験法により測定される重金属含有量が鉛換算で20ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、5ppm以下であることがさらに好ましい。
化粧料組成物としての具体的な商品としては、例えば、各種紫外線防止剤を含有した日焼け止め、ファンデーション、W/O系の乳液、クリーム、クレンジングオイル、ヘアワックス、ヘアクリーム、香水等を挙げることができる。また、これらの化粧料組成物を製造するために、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内であれば、適宜様々な特性を付与する目的で、化粧料組成物で一般に使用されるその他の添加剤を使用することができる。例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、高分子化合物、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸及びその誘導体、有機アミン、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、血行促進剤、消炎剤、賦活剤、美白剤、抗脂漏剤、抗炎症剤、各種抽出物及び植物海藻エキス等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を任意に配合することができる。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
液体油脂としては、例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル;POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン、ジェランガム等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等);ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、エリトリトール、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプトース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
本発明の変性シリコーンの製造方法は、実質的に重金属含有触媒を用いずに一般式(A)または一般式(B)で表される1種または2種以上からなるシリコーン誘導体原料と、1種または2種以上からなるモノイソシアネート化合物原料と反応させる方法である。なお本発明の変性シリコーンの製造方法に用いる一般式(A)または一般式(B)で表されるシリコーン誘導体原料、モノイソシアネート化合物、溶媒および各原料の配合量や反応温度、反応雰囲気等の反応条件等については、それぞれ前述した化合物ならびに条件を用いることができる。
本発明の変性シリコーンの製造方法における、実質的に重金属含有触媒を用いずに、とは、使用原料に不可避的に含有されているような化合物を除き、錫系触媒といった重金属含有触媒に由来する重金属元素を含有する触媒を意図的に用いないことを表し、具体的には、触媒を用いない、もしくはアルカリ金属元素またはアルカリ土類金属元素のみを金属元素として含有する触媒を用いて変性シリコーンを製造する方法を表す。本発明の変性シリコーンの製造方法によれば、重金属含有触媒に由来する重金属元素が例えば鉛換算で20ppm以下であるような変性シリコーンを得ることができ、よって重金属元素の含有が好まれない化粧料分野等の材料としても好適に用いることができる変性シリコーンを得ることができる。さらには重金属含有触媒に由来する重金属元素を含まない油類組成物ならびにそれを配合した化粧料組成物を製造することができる。なお、ジイソシアネート化合物等の多官能イソシアネート化合物を用いて変性シリコーンを製造する方法においては、さらにイソシアヌレート等の副生成物が本来目的とする反応物に含まれてくるという問題が生じるが、本発明ではモノイソシアネートを用いているため、このような問題は生じず、生成物の特性の均質化や不純物の存在による材料劣化等も防ぐことができる。本発明の変性シリコーンの製造方法においては、反応系を制御し副生成物の発生を低減する観点から、シリコーン誘導体原料とモノイソシアネート化合物を、実質的に触媒を用いずに反応させることが好ましい。
本発明の変性シリコーンの製造方法においては、一般式(A)または一般式(B)で表されるシリコーン誘導体原料のシリコーン主鎖末端または側鎖に存在する水酸基またはアミノ基(一般式(a-1)および一般式(b-1)で表される基に含まれるアミノ基を含む)と、モノイソシアネート化合物のイソシアネート基とが反応し結合すると考えられ、例えば、シリコーン誘導体が水酸基を有する場合は、イソシアネート基と反応しウレタン結合を形成すると考えられ、またシリコーン誘導体がアミノ基を有する場合は、それぞれイソシアネート基と反応しウレア結合を形成すると考えられる。
本発明の変性シリコーンは、上述したウレタン結合が形成されたものでも、ウレア結合が形成されたものであっても、ウレタン結合およびウレア結合が形成されたものであってもよいが、幅広い種類の油性成分への増粘・ゲル化能の発現の観点からは、ウレタン結合が形成されたものであることが好ましく、また、各種油性成分を低添加量で良好な感触や弾性を有するように増粘・ゲル化する観点からは、ウレア結合が形成されたものであることが好ましい。
以下本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
本発明の変性シリコーンを製造する際に使用したシリコーン誘導体原料を以下に示す。
< 一般式(A)で表されるシリコーン誘導体 >
シリコーン誘導体1:
一般式(A)において、R31及びR32がプロピレン基であり、Y1及びY2がアミノ基であり、iの値が1~50であり、iの平均値が8.5であり、官能基当量が400g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体2:
一般式(A)において、R31及びR32がプロピレン基であり、Y1及びY2がアミノ基であり、iの値が5~100であり、iの平均値が56であり、官能基当量が2,200g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体3:
一般式(A)において、R31及びR32がメチレン基であり、Y1及びY2が水酸基であり、iの値が1~100であり、iの平均値が22であり、官能基当量が900g/molであるシリコーン誘導体
< 一般式(B)で表されるシリコーン誘導体 >
シリコーン誘導体4:
一般式(B)において、R33がプロピレン基であり、Y3がアミノ基であり、jの値が10~1000であり、kの値が1~100であり、jとkの平均値の比j:kが50:1であり、官能基当量が3,800g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体5:
一般式(B)において、R33がプロピレン基であり、Y3が、R42がエチレン基である一般式(d-1)で表される基であり、jの値が3~200であり、kの値が1~200であり、jとkの平均値の比j:kが2.5:1であり、官能基当量が350g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体6:
一般式(B)において、R33がプロピレン基であり、Y3が、R42がエチレン基である一般式(d-1)で表される基であり、jの値が3~500であり、kの値が1~50であり、jとkの平均値の比j:kが18:1であり、官能基当量が1,500g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体7:
一般式(B)において、R33がプロピレン基であり、Y3が、R42がエチレン基である一般式(d-1)で表される基であり、jの値が10~2000であり、kの値が1~50であり、jとkの平均値の比j:kが146:1であり、官能基当量が11,000g/molであるシリコーン誘導体
シリコーン誘導体8:
一般式(B)において、R33がメチレン基であり、Y3が水酸基であり、jの値が10~1000であり、kの値が1~100であり、jとkの平均値の比j:kが12:1であり、官能基当量が1,000g/molであるシリコーン誘導体
< モノイソシアネート化合物 >
化合物1:
オクタデシルイソシアネート(一般式(C)において、m=17である化合物)
化合物2:
フェニルイソシアネート
化合物3:
2-エチルヘキシルイソシアネート
化合物4:
シクロヘキシルイソシアネート
< 実施例1:変性シリコーン1の製造 >
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した4つ口フラスコにシリコーン誘導体1を25.00g、溶媒として酢酸ブチルを100g仕込み、系内を窒素置換してから75℃まで昇温した後、モノイソシアネート化合物1を17.18g添加し、70~80℃で2時間反応させ、赤外分校装置(IR)でイソシアネートの吸収がない(イソシアネートがすべて反応している)ことを確認して反応の終了とした。この反応系において、シリコーン誘導体原料に由来する水酸基及びアミノ基の数と、モノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数との比は1:1であった。反応後、得られた反応生成物から溶媒の酢酸ブチルをエバポレーターで除去して変性シリコーン1(ポリマー1)を得た。なお変性シリコーン1の製造においては、触媒は使用しなかった。
< 実施例2~13:変性シリコーン2~13の製造 >
表1に記載の配合量(g)に従い、実施例1と同様の方法により各原料を反応させ、変性シリコーン2~13(ポリマー2~13)を得た。いずれの例においても、シリコーン誘導体原料に由来する水酸基及びアミノ基の数と、モノイソシアネート化合物に由来するイソシアネート基の数との比は1:1であった。なお各実施例のうち、シリコーン誘導体として水酸基を有するシリコーン誘導体(シリコーン誘導体3およびシリコーン誘導体8)を用いた実施例においては、触媒としてラウリン酸カリウムを0.50g添加して反応させることで変性シリコーンを製造した。
なお、実施例3、6、11及び12は参考例である。
< 重量平均分子量Mwの測定 >
得られた変性シリコーン1~13(ただし変性シリコーン2,4,5,13を除く)について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、スチレン換算により重量平均分子量Mwを算出した。結果を表1に示す。
< 比較例1 >
オイル用の増粘・ゲル化剤として一般的に使用される12-ヒドロキシステアリン酸を比較化合物1とした。
増粘・ゲル化能評価
実施例の変性シリコーン1~13(ポリマー1~13)及び比較化合物1を、下記の3種類のオイルに対しそれぞれ2.0質量%、5.0質量%、10.0質量%添加し、80~90℃で加熱しながら1時間攪拌して均一化した。得られた各溶液を100mlのガラスビンの中に50ml入れ、25℃の恒温槽内に24時間放置し、放置後のオイルの状態及び外観を観察し、以下の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
< 使用したオイル >
オイル1:トリエチルヘキサノイン
オイル2:流動パラフィン
オイル3:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(25℃動粘度15mm2/s)
<オイルの状態の評価基準>
◎:弾力性のあるゲル状
○:均一な流動性を示す増粘オイル状
△:増粘しているが不均一な状態
×:ワックス状の弾力性のない固体状
結果、本発明の変性シリコーンであるポリマー1~13は、オイル1、オイル2、オイル3のいずれに対しても低添加量で増粘・ゲル化効果を示した。また、これらのエステル油、炭化水素油、シリコーン油を増粘・ゲル化した油類組成物は、重金属含有触媒を実質的に用いずに合成した変性シリコーンを増粘・ゲル化剤として使用しており、また感触や弾性に優れる油類組成物であることから、特に化粧料組成物に好適に用いることができる。