JP7224494B2 - 空調制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、CFD(Computational Fluid Dynamics)シミュレーションを利用した制御を行う空調制御装置に関する。
空調機には、一般的に、温度を把握するための温度センサが1つ以上設けられている。温度センサは、空調機の内部を通過する空気の温度などを計測している。温度センサで計測されたセンサ温度は、空調機が制御を行う制御対象として利用される。すなわち、空調機は、センサ温度を設定温度などの制御目標値に近づけることで、室温の制御を実施している。
スポットクーラなど吹出口温度を制御することが求められる空調機については、吹出口に設けられた温度センサのセンサ温度を直接的に制御対象とすることで所望の温度を得ることが出来る。
しかしながら、室内空間などの対象空間全体の温度を制御しようとする空調機の場合には、温度センサは、温度センサが設けられている局所的なエリアの温度を計測している。そのため、センサ温度をそのまま制御対象として利用した場合には、対象空間全体を所望の温度に制御することは難しい。このため、当該センサ温度を利用して、数理的な手法を用いて、対象空間の温度を推定する方法が多数提案されている。
従来においては、温度センサの値段などのコスト面の制約、温度センサとの通信手段に関する制約、並びに、空調機に搭載されたマイクロコンピュータの性能に関する制約など、種々の制約がある。そのため、少数の温度センサを用いて、それらの温度センサで計測したセンサ温度に基づいて、実験データなどから導いた簡単な推定式を用いて、対象空間の平均温度などの推定値を求めて、当該推定値を制御対象として用いていた。
しかしながら、このような方法では、対象空間の平均温度などの推定値は求められるが、対象空間内の温度分布を求めることは出来ない。また、推定式を導出した実験の条件とは異なる条件においては、妥当な推定値を得ることができない場合がある。
しかしながら、近年においては、センサ価格の低価格化、通信手段の多様化および高速化、並びに、マイクロコンピュータの性能向上が実現され、IoT(Internet of Things)技術も多く開発されている。従って、近年においては、上述した従来の課題が克服されている。
そのため、例えば特許文献1に記載のシステムにおいては、対象空間に複数のセンサを設けて、対象空間の温度、湿度、気流などを直接計測している。さらに、当該システムでは、それらのセンサから得られたセンサデータを利用して、数値流体動力学(以下、CFDとする)シミュレーションを実施して、対象空間の温度分布および気流分布を予測している。当該システムでは、それらの分布をもとに、対象空間の空調を実施している。
しかしながら、このように、センサデータを利用するだけでは、センサの測定誤差などにより、CFDシミュレーションで得られた室内温度と実際の温度との間に乖離が生じる可能性がある。上記の特許文献1に記載のシステムにおける方法では、センサデータをそのまま利用したCFDシミュレーションを行っているため、センサの測定誤差などにより、CFDシミュレーションの結果に誤差が生じていた。
CFDシミュレーションにおいては、主に、境界条件の設定の善し悪しがシミュレーション結果に影響を及ぼすと言われている。ここで、境界条件について簡単に説明する。一般的に、流体の流れは無限遠方まで続くが、CFDでは限られた領域しか解析することができない。そのため、CFDでは、解析対象領域を定め、当該解析対象領域を境界領域としている。また、境界領域を定義するためには、境界領域を示す境界の条件を設定する必要がある。当該条件を、境界条件という。境界条件が適切に設定されていないと、シミュレーション結果と実測したセンサデータとの誤差が大きくなる。そのため、シミュレーション結果をセンサデータに近づけるためには、キャリブレーションを実施して境界条件を補正することが必要である。
例えば特許文献2では、精度向上のために、CFDシミュレーションのキャリブレーションを実施する方法が提案されている。
特開2001-99462号公報 特開2015-148410号公報
上記の特許文献2に記載のキャリブレーションの方法では、CFDのシミュレーション結果と実測したセンサデータとの差分が許容範囲内に収まるまで、初期値の値を変更し直して、CFDシミュレーションを繰り返し行っている。このように、上記の特許文献2に記載のキャリブレーションの方法では、CFDシミュレーションを繰り返し行うことで、キャリブレーションを行っている。そのため、キャリブレーションのための計算量が多くなる。その結果、演算装置の性能によっては、計算速度が遅くなる、あるいは、実時間内に計算を終了することができないなどの課題があった。
この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、計算量を抑えながら、キャリブレーションの高速化を図ることが可能な空調制御装置を得ることを目的としている。
本発明に係る空調制御装置は、対象空間の寸法を含む建物条件、空調機の寸法を含む設備条件、および、センサの設置位置を示すセンサ座標値のうちの少なくとも1つを含む不変条件と、前記対象空間の環境条件および前記空調機の運用条件のうちの少なくとも1つを含む可変条件と、前記センサによって計測された前記対象空間のセンサデータとを取得する情報取得部と、前記情報取得部が取得した前記不変条件に基づいて、前記対象空間のCFDモデルを生成するモデル生成部と、前記可変条件および前記センサデータに基づいて、数値流体動力学を利用したCFDシミュレーションで用いられる境界条件を含む計算条件を生成する計算条件生成部と、前記モデル生成部が生成した前記CFDモデルおよび前記計算条件生成部が生成した前記計算条件を用いて、前記CFDシミュレーションを実施して、シミュレーション結果を出力する、CFD解析部と、前記CFD解析部の前記シミュレーション結果の中から、前記対象空間内の第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果を抽出する結果抽出部と、前記センサデータまたは前記運用条件に基づいて前記空調機の状態を判定して、当該判定の結果に従って前記計算条件の補正量を求める補正方式を選択する補正方式選択部と、前記結果抽出部が抽出した前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果と、前記第1のターゲット位置と同位置の前記センサデータと、前記補正方式選択部が選択した前記補正方式とに基づいて、前記計算条件の前記補正量を求めて前記計算条件を補正する補正実施部と、前記CFD解析部が行った前記CFDシミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、前記空調機に対する制御指令を生成する制御指令決定部とを備え、前記CFD解析部は、前記補正実施部が補正した前記計算条件を用いて前記CFDシミュレーションを再度実施し、前記結果抽出部は、前記CFD解析部が再度実施した前記シミュレーション結果の中から、前記対象空間内の前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果を、補正後のシミュレーション結果として抽出し、前記制御指令決定部は、前記結果抽出部が抽出した前記補正後のシミュレーション結果に基づいて、前記空調機に対する制御指令を生成するものである。
本発明に係る空調制御装置によれば、計算量を抑えながら、キャリブレーションの高速化を図ることができる。
実施の形態1に係る空調制御装置を含む空調システムの構成を示した構成図である。 実施の形態1に係る空調制御装置を含む冷媒回路のアクチュエータの構成を示した図である。 実施の形態1に係る空調制御装置の構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係る空調制御装置のモデル生成部が生成するCFDモデルの一例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る空調制御装置における補正方式選択部における判定方法の一例を説明するための模式図である。 実施の形態1に係る空調制御装置の補正実施部で実施されるキャリブレーションの模式図である。 実施の形態1に係る空調制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空調制御装置の構成を示す構成図である。 実施の形態2に係る空調制御装置の候補生成部の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空調制御装置の候補生成部による対象空間の分割の様子を示す平面図である。 図9のステップST201とステップST202との処理の様子を示す図である。 実施の形態2に係る空調制御装置の計算条件生成部が生成する計算条件テーブルの一例を示す図である。 実施の形態2に係る空調制御装置の結果抽出部が抽出した、同じ計算条件において行われたシミュレーション結果の時系列温度データにおける最高温度と最低温度との温度差を示すグラフである。 実施の形態2に係る空調制御装置の結果抽出部が抽出した、同じ計算条件において行われたシミュレーション結果の時系列温度データにおける最高温度と最低温度との温度差を示すグラフである。 実施の形態2に係る空調制御装置のテーブル生成部が生成するセンサ位置テーブルの一例を示す図である。 実施の形態2に係る空調制御装置において、モデル生成部のモデルの生成から、テーブル生成部のセンサ位置テーブルの生成までの処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空調制御装置のセンサ位置導出部の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態2に係る空調制御装置の動作を示すフローチャートである。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさ、および位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明は、重複を避けるために、省略する場合がある。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の実施の形態に示す構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含むものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空調制御装置1を含む空調システムの構成を示した構成図である。図1に示すように、空調システムは、空調制御装置1と、空調機2と、センサ群4と、制御ネットワーク5とを備えている。空調制御装置1は、データの通信を行うために、制御ネットワーク5を介して、空調機2およびセンサ群4と接続されている。また、空調制御装置1は、センサ群4からのセンサデータに基づいて、空調機2を制御する。
図1に示すように、空調機2は、室外機21と、室内機22と、リモートコントローラ23とを備えている。空調機2は、制御対象となる空間の空調を行う。以下では、空調機2の制御対象となる空間を「対象空間」と呼ぶ。
また、図2は、実施の形態1に係る空調制御装置を含む冷媒回路のアクチュエータの構成を示した図である。室外機21は、図2に示すように、対象空間の外部に設置されている。室外機21は、熱交換器R5を有し、熱交換器R5の内部に流れる冷媒と室外空気との間で熱交換を行い、冷媒を冷却または加熱する。なお、室外機21は、冷媒の代わりに、水などの熱冷媒を用いてもよい。室内機22は、対象空間に設置されている。室内機22は、熱交換器R1を有し、熱交換器R1の内部を流れる熱冷媒と室内空気との間で熱交換を行い、冷媒量を調整弁R2で調整することで、室内の温度を調整する。室外機21と室内機22とは、冷媒が流れる配管R6によって接続されている。配管R6内の冷媒を駆動するための圧縮機R4と、冷媒の流れの切り替えを行う四方弁R3と、熱交換器R5と、調整弁R2と、熱交換器R1とで冷媒回路を構成している。リモートコントローラ23は、ユーザーによって操作され、ユーザーからの入力を受け付ける装置である。ユーザーは、手動により、リモートコントローラ23を操作することで、空調機2のON/OFFの切替、並びに、温度、風量および風向などの設定または変更を行う。
センサ群4は、対象空間の内部および外部に設置され、計測対象の物理量を計測する。なお、センサ群4は、1つまたは複数のセンサ41から構成されている。以下では、センサ41の計測対象を「ターゲット」と呼ぶ。センサ41は、例えば、対象空間の内部および外部に設けられ、対象空間の内部および外部の温度、湿度、風量、風速などを計測する。あるいは、センサ41は、空調機2の吹出口に設けられ、空調機2の吹出口から吹き出される空気の温度、風量、および、風速を計測する。なお、以下では、空調機2の吹出口から吹き出される空気の温度、風量、および、風速を、単に、吹出口の温度、風量、および、風速と呼ぶ。さらに、センサ41は、対象空間の壁面および窓面に対して設けられ、壁面および窓面の温度を計測してもよい。また、センサ41は、対象空間に設置された棚、机および床などに設置され、棚、机および床などに置かれた荷物などの物体の表面温度を計測してもよい。従って、各センサ41は、必要に応じて、空調機2の吹出口、対象空間の壁面および窓面、対象空間に設置された棚および机などの、少なくとも1つ以上の位置に設置される。なお、以下では、各センサ41の設置位置を、XYZの3次元の座標系上の位置で表したものを、「センサ座標値」と呼ぶ。従って、センサ座標値は、X軸、Y軸、および、Z軸の3次元のデータである。X軸、Y軸、および、Z軸は、図11(a)を参照されたい。なお、図1では、2つのセンサ41を図示しているが、センサ41の個数は、1以上の必要な個数としてよい。なお、センサ群4が計測する物理量は、上記の例の中の少なくとも1つでよく、必要に応じて、いずれの物理量を計測するかが適宜決定される。
制御ネットワーク5は、空調制御装置1と空調機2とセンサ群4とを接続し、各種データを送信する通信用のネットワークである。制御ネットワーク5は、BlueTooth(登録商標)などの無線通信、または、家庭内LAN(Local Area Network)から構成される。
図3は、実施の形態1に係る空調制御装置1の構成の一例を示す図である。図3に示すように、空調制御装置1は、入出力装置104と、記憶装置105と、演算装置106とを備える。
図3に示すように、入出力装置104は、情報取得部110と、結果出力部111とを備える。情報取得部110は、例えば、ユーザーからの入力を受け付ける入力装置、および、制御ネットワーク5に接続されて各種データを受信する受信装置から構成される。結果出力部111は、例えば、ディスプレイなどの表示装置である。
情報取得部110は、不変条件100と、可変条件101と、センサデータ102とを取得する。
不変条件100は、建物条件100a、設備条件100b、および、センサ座標値100cの情報を含む。建物条件100aは、例えば、対象空間の幅、奥行き、および、高さ、または、対象空間が設置された建物の大きさなどの対象空間または建物の形状に関わる寸法のデータである。設備条件100bは、空調機2の吹出口の位置および形状などの空調機2の形状に関わる寸法のデータである。センサ座標値100cは、個々のセンサ41の設置位置の座標を示す3次元のデータである。不変条件100は、例えば、空調制御装置1の設置の際に、作業員などによって、情報取得部110に入力される。
可変条件101は、環境条件101aおよび運用条件101bの情報を含む。環境条件101aは、例えば、外気温度および外気湿度などの環境状態を示すデータである。環境条件101aは、室外に設置されたセンサによって計測されてもよく、あるいは、演算によって求められてもよい。あるいは、情報取得部110がインターネットに接続されている場合には、情報取得部110が、インターネットを介して環境条件101aを取得してもよい。環境条件には、夏期、冬期および中間期などの季節を示す情報が含まれていてもよい。運用条件101bは、例えば、設定温度、風量、風速、運転モードなどの、ユーザーによってリモートコントローラ23に入力されるデータである。運転モードには、暖房モード、冷房モード、および、除霜モードが含まれる。さらに、運転モードには、営業日モードおよび休業日モードなどが含まれていてもよい。可変条件101は、空調機2から、制御ネットワーク5を介して、情報取得部110に送信される。
なお、上記の説明においては、環境条件101aが、空調機2から情報取得部110に送信されるとして説明したが、この場合に限らず、環境条件101aの一部分は、センサ41によって計測されて、センサ41から情報取得部110に送信されてもよい。但し、以下の説明においては、説明を簡略化するために、環境条件101aは空調機2から情報取得部110に送信されるものとして説明する。
センサデータ102は、センサ41によって計測された物理量のデータである。センサデータ102は、上述したように、対象空間の内部および外部の温度、湿度、風量および風速、空調機2の吹出口の温度、湿度、風量および風速、対象空間の壁面および窓面の温度、並びに、対象空間に置かれた物体の表面温度のうちの少なくとも1つを含む。センサデータ102は、センサ41から、制御ネットワーク5を介して、情報取得部110に送信される。
結果出力部111は、出力データ103を出力する。出力データ103は、計算結果103aおよび制御指令値103bを含む。計算結果103aは、例えば、シミュレーションで算出された温度および湿度などのシミュレーション結果である。制御指令値103bは、例えば、空調機2に設けられたアクチュエータおよび圧縮機などの機器の動作内容を指定する指令値である。
記憶装置105は、入出力装置104が取得した、不変条件100、可変条件101、および、センサデータ102を記憶する記憶部として機能する。さらに、記憶装置105は、出力データ103を記憶する。記憶装置105は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、あるいは、磁気ディスク、光ディスクなどから構成される。
演算装置106は、CFDシミュレーションを行って、シミュレーション結果を、出力データ103の計算結果103aとして出力する。また、演算装置106は、シミュレーション結果に基づいて、空調機2に対する制御指令値を生成して、制御指令値103bとして出力する。
空調機2の対象空間が、例えば低温倉庫など断熱性の高い空間であった場合、空調機2がサーモオンの状態、すなわち、室内機22が冷気を吹き出している時には、室内機22の吹出口の温度が、演算装置106のシミュレーション結果に最も大きな影響を及ぼす。なお、サーモオンとは、対象空間の室温が設定温度に達しておらず、室外機21が稼働して、室内機22において室内熱交換器R1の冷媒の量を調整する調整弁R2の開度が或る定めた基準より大きい状態で、室内機22から冷風または暖風が吹き出され、対象空間に対して冷房または暖房の動作を行うことである。
一方、空調機2がサーモオフの状態、すなわち、室内機22の冷気の吹き出しが止まっている場合には、対象空間の壁面および対象空間に置かれた物体の表面温度が、演算装置106のシミュレーション結果に最も大きな影響を及ぼす。なお、サーモオフとは、対象空間の室温が設定温度に達したときに、室外機21が稼働しているが、室内機22において室内熱交換器R1の冷媒の量を調整する調整弁R2の開度が或る定めた基準より小さい状態で対象空間に対する冷房または暖房の動作を停止すること、または、室外機21が停止して、対象空間に対する冷房または暖房の動作を停止することである。
実施の形態1では、このことに着目して、演算装置106が、空調機2がサーモオンの状態かサーモオフの状態かに基づいて、CFDシミュレーションに用いる計算条件を補正する補正方式を選択する。以下、演算装置106について詳細に説明する。
図3に示すように、演算装置106は、モデル生成部120、CFD解析部121、計算条件生成部122、結果抽出部124、補正実施部125、制御指令決定部126、および、補正方式選択部127を備える。
モデル生成部120は、記憶装置105に記憶されている不変条件100に基づいて、対象空間のCFDモデル10を生成する。具体的には、モデル生成部120は、不変条件100に含まれる建物条件100aに基づいて、対象空間のCFDモデル10を生成する。図4は、実施の形態1に係る空調制御装置1のモデル生成部120が生成するCFDモデル10の一例を示す斜視図である。図4に示すCFDモデル10は、壁面および窓面で周囲を囲まれた対象空間の幾何形状を反映させたモデルである。図4に示すように、CFDモデル10は、モデルM100~M104およびM300を含んでいる。
モデルM100は、対象空間を囲む壁面のモデルである。モデルM100は、対象空間の周囲を囲う境界の1つとして解析される壁面の温度の境界条件M200を有している。
モデルM101は、対象空間に対して設けられた窓面のモデルである。モデルM101は、対象空間の周囲を囲う境界の別の1つとして解析される窓面の温度の境界条件M201を有している。
モデルM102は、空調機2のモデルであり、吹出口の温度および風速の境界条件M202を有している。モデルM102によって表される空調機2は、吹出口と吸込口とを有して、対象空間の空調を実施する役割を果たし、境界条件M202で規定される吹き出しを行う。
モデルM103は、対象空間に設置された熱源を示す内部熱源モデルである。モデルM103は、内部発熱の境界条件M203を有している。モデルM103は、境界条件M203で規定される発熱を境界条件として解析される。なお、熱源の例としては、対象空間内に存在する在室者、あるいは、対象空間内に設置されたパーソナルコンピュータなどの機器などが挙げられる。
モデルM104は、対象空間に配置されたセンサ41のセンサ設置位置を示すモデルである。モデルM104は、不変条件100のセンサ座標値を基に、CFDモデル10内に配置される。
モデルM300は、CFDシミュレーションによって計算されたシミュレーション結果である。モデルM300は、例えば、対象空間の温度分布である。
図3の説明に戻る。CFD解析部121は、モデル生成部120が生成したCFDモデル10、および、計算条件生成部122が生成する後述の計算条件を用いて、CFDシミュレーションを実施する。CFD解析部121は、シミュレーション結果を、出力データ103の計算結果103aとして出力する。計算結果103aは、記憶装置105に格納される。なお、ここで、CFDとは、対象空間を格子状に離散化して各格子における支配方程式を解く解析方法である。CFDシミュレーションに用いる流体の支配方程式は、例えば、以下の式(1)~(3)で示される。式(1)は、流体の質量保存を表す連続の式である。式(2)は、運動量保存を表す非圧縮性ナビエ・ストークス方程式である。式(3)は、エネルギー方程式である。CFD解析部121は、式(1)~(3)を、適当な初期値および境界条件の下で解くことにより、各格子で分割された各領域の温度、湿度、風速等を算出する。
Figure 0007224494000001
Figure 0007224494000002
Figure 0007224494000003
ここで、uは3次元の速度ベクトル、tは時間、pは圧力、ρは密度、μは粘性係数、ρ0は基準密度、gは重力加速度、Cpは定圧比熱、Tは温度、kは熱伝導率、Qは内部発熱量である。
計算条件生成部122は、可変条件101およびセンサデータ102を用いて、CFDシミュレーションで用いられる初期値と境界条件とを含む計算条件を生成して、CFD解析部121に出力する。ここで、可変条件101には、例えば、外気温および外湿度が含まれる。また、センサデータ102には、対象空間の壁面の温度および吹出口の温度などの温度に関するデータが含まれる。なお、センサデータ102は、温度だけでなく、湿度または他の項目に関するデータをさらに含んでいてもよい。
結果抽出部124は、記憶装置105に記憶される出力データ103の計算結果103aから、対象空間内の所望のターゲット位置のシミュレーション結果を抽出する。具体的には、空調機2がサーモオンのときには、吹出口に関するシミュレーション結果を抽出するために、結果抽出部124は、例えば、図4で示されるモデルM102のシミュレーション結果を抽出する。一方、空調機2がサーモオフのときには、壁面または物体に関するシミュレーション結果を抽出するために、結果抽出部124は、例えば、図4で示されるモデルM100およびモデルM104のシミュレーション結果を抽出する。このように、結果抽出部124は、運用条件101bに基づいて、空調機2がサーモオンかサーモオフかに従って「所望の位置」を決定する。
補正方式選択部127は、記憶装置105に記憶される運用条件101bに基づいて、空調機2の現時点の状態を判定し、判定結果に応じて、補正実施部125で用いられる補正方式を選択する。具体的には、補正方式選択部127は、運用条件101bに基づいて、空調機2がサーモオンの状態かサーモオフの状態かを判定して、当該判定の結果に従って、計算条件の補正量を求めるための補正方式を選択する。
空調機2がサーモオンの場合には、補正方式選択部127は、第1の補正方式を選択する。第1の補正方式では、空調機2の吹出口の温度の境界条件が補正される。第1の補正方式では、例えば下記の式(4)を用いて、計算条件の補正量ΔToutlet_modifyが算出される。ここで、補正量ΔToutlet_modifyは、吹出口の温度の境界条件を補正する補正量である。
Figure 0007224494000004
ここで、kは、対象空間に設置された1以上の吹出口の通し番号である。ΔToutlet_modify[k,t]は、番号kの吹出口の温度の境界条件に対する補正量である。ここで、係数αkは、予め設定された定数である。係数αkには、各センサ41の誤差を考慮して、事前の調整で、設計者によって、1または0.5などの値が設定される。あるいは、機械学習(machine learning)の手法などを利用することによって予め求められた値が、係数αkに設定される。ここで、温度差ΔT[t]は、各時刻tにおける、結果抽出部124が抽出した所望のターゲット位置のシミュレーション結果と、当該所望のターゲット位置と同位置のセンサデータ102との差分の平均値である。温度差ΔT[t]は、下記の式(5)によって求められる。
Figure 0007224494000005
ここで、Nは、対象空間に配置されたセンサ41の全個数である。Tsensor[i,t]は、センサ番号iのセンサ41から得られたセンサデータ102である。Ttarget[i,t]は、CFDモデル10内のセンサ番号iのターゲットの温度である。すなわち、Ttarget[i,t]は、結果抽出部124が抽出したセンサ番号iのターゲット位置のシミュレーション結果である。
一方、空調機2がサーモオフの場合には、補正方式選択部127は、第2の補正方式を選択する。第2の補正方式では、対象空間の壁面または対象空間に置かれた物体の温度の境界条件が補正される。第2の補正方式では、例えば下記の式(6)を用いて、計算条件の補正量ΔTpanel_modifyが算出される。ここで、補正量ΔTpanel_modifyは、対象空間の壁面の温度または物体の表面温度の境界条件を補正する補正量である。
Figure 0007224494000006
ここで、nは、対象空間の壁面、並びに、物体の表面温度に境界条件を与えるパネルなどに付された通し番号である。係数βは、予め設定された定数である。係数βkには、各センサ41の誤差を考慮して、事前の調整で、設計者によって、1または0.5などの値が設定される。あるいは、機械学習の手法などを利用することによって予め求められた値が、係数βkに設定される。なお、番号nと番号iとは、互いに関連付けて記憶装置105に記憶させておく。従って、例えば、番号iのセンサ41に最も近い壁面に番号nを付すなどして、番号nと番号iとを関連付ける。
また、式(6)における温度差ΔT[i,t]は、下記の式(7)によって求められる。
Figure 0007224494000007
ここで、iは、センサ41の番号であり、tは時間である。すなわち、温度差ΔT[i,t]は、時刻tにおける、結果抽出部124が抽出した所望のターゲット位置のシミュレーション結果と、当該所望のターゲット位置と同位置のセンサデータ102との差分である。Tsensor[i,t]は、センサ番号iのセンサ41から得られたセンサデータ102である。Ttarget[i,t]は、CFDモデル10内のセンサ番号iのターゲットの温度である。すなわち、Ttarget[i,t]は、結果抽出部124が抽出したセンサ番号iのターゲット位置のシミュレーション結果である。
上記の式(4)および式(6)に示されるように、補正実施部125は、結果抽出部124が抽出した所望のターゲット位置のシミュレーション結果と、当該所望のターゲット位置と同位置のセンサデータ102との差分を求める。そして、補正実施部125は、当該差分に、補正方式ごとに予め設定された係数αkおよびβkを乗算することにより、計算条件に含まれる境界条件の補正量を算出する。
また、上記の説明においては、補正実施部125が用いる補正方式が、上記の式(4)および式(6)の演算式による補正方式であると説明した。しかしながら、その場合に限定されない。例えば、補正実施部125は、別の演算式による補正方式を用いてもよい。さらに、補正実施部125は、演算式ではなく、テーブルを用いた補正方式を用いてもよい。その場合には、例えば、補正実施部125が、式(5)の温度差ΔT[t]と補正量ΔToutlet_modifyとを対応付けたテーブルを予め記憶装置105に記憶しておく。そして、補正実施部125が、当該テーブルを用いて、温度差ΔT[t]から補正量ΔToutlet_modifyを求める。同様に、補正実施部125が、式(7)の温度差ΔT[i,t]と補正量ΔTpanel_modifyとを対応付けたテーブルを予め記憶装置105に記憶しておく。そして、補正実施部125が、当該テーブルを用いて、温度差ΔT[i,t]から補正量ΔTpanel_modifyを求める。
また、上記の説明においては、補正方式選択部127が、運用条件101bに基づいて、空調機2がサーモオンの状態かサーモオフの状態かを判定すると説明した。しかしながら、この場合に限定されない。補正方式選択部127は、図5で説明するように、センサデータ102に基づいて、空調機2がサーモオンの状態かサーモオフの状態かを判定するようにしてもよい。図5は、実施の形態1に係る空調制御装置1における補正方式選択部127における判定方法の一例を説明するための模式図である。図5は、対象空間が低温倉庫の場合を例にしている。図5の上側のグラフにおいて、横軸は時間、縦軸は温度を示す。また、図5の上側のグラフにおいて、T100は、センサ41が計測した空調機2の吹出口の温度である。当該温度は、センサデータ102として記憶装置105に記憶されている。また、図5の上側のグラフにおいて、T101は、サーモオンかサーモオフかを判定するために事前に設けた基準値であり、ここでは、例えば、吹出口温度の平均値などが相当する。補正方式選択部127は、センサ41の検出温度T100が基準値T101以下のときに、空調機2はサーモオン状態であると判定する。一方、補正方式選択部127は、センサ41の検出温度T100が基準値T101を超えているときに、空調機2はサーモオフ状態であると判定する。なお、図5の下側のグラフにおいて、ONは、サーモオン状態を示し、OFFは、サーモオフ状態を示す。
図3の説明に戻る。補正実施部125は、結果抽出部124が抽出した所望のターゲット位置のシミュレーション結果と、当該所望のターゲット位置と同位置のセンサデータ102と、補正方式選択部127が選択した補正方式とに基づいて、計算条件の補正量を求める。補正実施部125は、求めた補正量を用いて、計算条件の補正を行う。
例えば、空調機2がサーモオンの場合には、補正実施部125は、補正方式選択部127が選択した上記の式(4)および式(5)を用いて補正量ΔToutlet_modifyを求める。また、補正実施部125は、下記の式(8)を用いて、吹出口の温度の境界条件Toutlet[k,t]に補正量ΔToutlet_modifyを加算することで、境界条件Toutlet[k,t]補正する。補正実施部125は、補正後の境界条件Toutlet_modify[k,t]を、CFD解析部121に出力する。
Figure 0007224494000008
また、空調機2がサーモオフの場合には、補正実施部125は、補正方式選択部127が選択した上記の式(6)および式(7)を用いて補正量ΔTpanel_modifyを求める。また、補正実施部125は、下記の式(9)を用いて、壁面の温度または物体の表面温度の境界条件Tpanel[k,t]に補正量ΔTpanel_modifyを加算することで、境界条件Tpanel[k,t]を補正する。補正実施部125は、補正後の境界条件Tpanel_modify[k,t]を、CFD解析部121に出力する。
Figure 0007224494000009
図6は、実施の形態1に係る空調制御装置1の補正実施部125で実施されるキャリブレーションの模式図である。キャリブレーションとは、計算条件を補正することである。図6において、時刻t2から時刻t3の間は、空調機2がサーモオンの状態である。また、図6において、時刻t1から時刻t2までの間、および、時刻t3から時刻t4までの間は、空調機2がサーモオフの状態である。また、図6の一番上のグラフにおいて、実線で示されるT200は、キャリブレーション後の吹出口の温度であり、点線で示されるT201は、キャリブレーション前の吹出口の温度である。また、矢印で示されるT202は、第1の補正方式で、例えば式(4)および(5)を用いて導出した補正量ΔToutlet_modifyを表す。また、同様に、図6の中央の図において、実線で示されるT203は、キャリブレーション後の壁面または荷物の温度の境界条件であり、点線で示されるT204は、キャリブレーション前の壁面または荷物の温度の境界条件である。また、矢印で示されるT205は、第2の補正方式で、例えば式(6)および(7)を用いて導出した補正量ΔTpanel_modifyを表す。
図6に示すように、補正実施部125は、空調機2がサーモオンの状態のときには、第1の補正方式で、吹出口の温度の境界条件を補正し、空調機2がサーモオフの状態のときには、第2の補正方式で、壁面または荷物の温度の境界条件を補正する。
補正実施部125で補正された補正後の境界条件は、計算条件生成部122を介して、CFD解析部121に送信される。CFD解析部121は、補正後の境界条件を用いて、再度、CFDシミュレーションを実施して、シミュレーション結果を出力する。当該シミュレーション結果は、記憶装置105に、出力データ103の計算結果103aとして記憶される。なお、補正実施部125で補正された補正後の境界条件は、計算条件生成部122を介さずに、直接、CFD解析部121に送信されてもよい。結果抽出部124は、記憶装置105に記憶される出力データ103の計算結果103aから、対象空間内の所望の位置のシミュレーション結果を抽出する。
図3の説明に戻る。制御指令決定部126は、結果抽出部124によって抽出された所望の位置のシミュレーション結果に基づいて、予め設定された方法で、空調機2に対する制御指令を生成し出力する。なお、ここで抽出されるシミュレーション結果は、補正実施部125で補正された補正後の境界条件を用いて行われたCFDシミュレーションのシミュレーション結果である。以下では、当該シミュレーション結果を、「補正後のシミュレーション結果」と呼ぶ。また、制御指令は、例えば、シミュレーション結果および設定温度に基づく、空調機2に設けられたアクチュエータおよび圧縮機などの動作内容を指定するものである。また、予め設定された方法とは、例えば、所望の位置の温度と設定された温度との差を最小化するように、吹出口の温度または圧縮機の周波数を制御するフィードバック制御などの方法が挙げられる。
なお、上記の説明においては、第2の補正方式においては、壁面の温度または物体の表面温度の境界条件を補正すると説明したが、物体は、対象空間内の荷物だけでなく、対象空間内の熱源体も含んでいてもよい。また、第2の補正方式においては、壁面だけでなく、窓面の境界条件の補正も行ってもよい。すなわち、第2の補正方式においては、対象空間の壁面および窓面、並びに、荷物および熱源体などの対象空間内の物体の表面温度の境界条件が補正される。
ここで、演算装置106のハードウェア構成について簡単に説明する。演算装置106の各部の機能は、処理回路によって実現される。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、演算装置106の各部の機能を実現する。処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、これらの組み合わせによって、演算装置106の各部の機能を実現することができる。
図7は、実施の形態1に係る空調制御装置1の動作を示すフローチャートである。
ステップST100では、情報取得部110が、不変条件100、可変条件101、および、センサデータ102を取得する。
ステップST101では、モデル生成部120が、ステップST100で取得した不変条件100を用いて、CFDモデル10を生成する。また、計算条件生成部122が、ステップST100で取得した可変条件101とセンサデータ102とを用いて、CFDで使用される計算条件を生成する。
ステップST102では、CFD解析部121が、ステップST101で生成されたCFDモデル10と計算条件とを用いて、CFDシミュレーションを実施する。
ステップST103では、補正方式選択部127が、空調機2がサーモオン状態かサーモオフ状態かに従って、計算条件の補正方式を選択する。
ステップST104では、補正実施部125が、結果抽出部124が抽出したシミュレーション結果と、センサデータ102と、補正方式選択部127が選択した補正方式とを用いて、計算条件の補正量を導出して、計算条件を補正する。
ステップST105では、CFD解析部121が、ステップST104で補正された補正後の計算条件を用いて、再度、CFDシミュレーションを実施する。
ステップST106では、結果抽出部124が、再度実施されたシミュレーション結果における所望のターゲット位置の温度を、補正後のシミュレーション結果として抽出する。
ステップST107では、制御指令決定部126が、ステップST106で抽出した所望のターゲット位置における温度に基づいて、空調機2に対する制御指令値を決定する。このように、制御指令決定部126は、補正後のシミュレーション結果に基づいて、空調機2に対する制御指令値を決定する。
<実施の形態1の効果>
実施の形態1においては、空調制御装置1が、不変条件100からCFDモデル10を生成し、また、可変条件101とセンサデータ102とから計算条件を生成し、CFDシミュレーションを実施する。また、空調制御装置1は、CFDシミュレーションの計算結果103aとセンサデータ102との間の差分を算出する。空調制御装置1は、CFDシミュレーションで用いる計算条件の補正量を求める補正方式を、空調機2の状態に応じて選択する。空調制御装置1は、算出した差分と選択した補正方式とを用いて、計算条件を補正する。空調制御装置1は、補正した計算条件を用いて、再度、CFDシミュレーションを行う。このように、実施の形態1では、空調制御装置1は、CFDシミュレーションで用いる計算条件の補正量を求める補正方式を、空調機2の状態に応じて変更する。これにより、空調制御装置1は、効率よく補正量を求めることができるので、計算量を抑え、且つ、高速なキャリブレーションを実現することができる。
また、対象空間が低温倉庫などの管理された空間の場合は、空調制御装置1は、空調機2がサーモオンかサーモオフかの状態ごとに、計算条件の補正値を計算する補正方式を変更する。空調制御装置1は、当該補正方式を用いて求めた補正量を計算条件に付与して、再度、CFDシミュレーションを実施することにより、1回の反復でキャリブレーションを実施することが出来る。このようにして、空調制御装置1は、高速で精度の良いシミュレーション結果を得て、これを利用することにより、対象空間の所望の位置の温度を精度良く制御することが出来る。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る空調制御装置1の構成を示す構成図である。図1に示した実施の形態1の構成と、図8に示した実施の形態2との違いについて説明する。実施の形態2では、図8に示すように、図1の構成に対して、センサ位置導出部128と、センサ位置テーブル生成部129とが追加されている。センサ位置テーブル生成部129は、候補生成部129a、変化率比較部129b、センサ位置決定部129c、および、テーブル生成部129dを備えている。
他の構成および動作については、実施の形態1と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。以下では、センサ位置導出部128およびセンサ位置テーブル生成部129について、主に、説明する。
センサ位置導出部128は、可変条件101に含まれる環境条件101aおよび運用条件101bの項目のうちの少なくとも2つの組み合わせに基づいて、記憶装置105に記憶されているセンサ位置テーブル103cから、センサ41の設置位置を取得する。センサ位置導出部128は、取得した設置位置にセンサ41が設置されていない場合には、作業員に通知する。作業員は、当該通知に従って、当該設置位置にセンサ41を設置する。センサ位置導出部128の動作については、後述する。
センサ位置テーブル生成部129は、センサ位置テーブル103cを事前に生成して、記憶装置105に記憶する。センサ位置テーブル103cは、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせごとに、センサ41の設置位置を定めたテーブルである。センサ位置テーブル103cについては、後述する。
以下、センサ位置テーブル生成部129に設けられた、候補生成部129a、変化率比較部129b、センサ位置決定部129c、および、テーブル生成部129dについて説明する。
候補生成部129aは、不変条件100に基づいて、計算条件を補正するキャリブレーションに用いるターゲットの物理量を計測するためのセンサ41を設置するセンサ候補位置を、CFDモデル10内に生成する。
候補生成部129aは、センサ位置候補を生成する前に、まず、不変条件100のセンサ座標値の有無を調べる。センサ座標位置が有る場合には、当該センサ座標位置にセンサ候補位置を設定する。一方、候補生成部129aは、不変条件100にセンサ座標位置が無い場合には、CFDモデル10を直方体に見なして、複数のエリアに分割することで、CFDモデル10内に格子を生成する。候補生成部129aは、それらの格子の格子点にセンサ候補位置を設定する。
図9は、実施の形態2に係る空調制御装置1の候補生成部129aの処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップST000では、候補生成部129aは、記憶装置105に記憶されている不変条件100にセンサ座標値が含まれているか否かを判定する。センサ座標値が無い場合には、候補生成部129aの処理はステップST200に進む。一方、センサ座標値がある場合には、候補生成部129aの処理はステップST203に進む。
ステップST200では、候補生成部129aは、対象空間を直方体に見なして、複数のエリアに分割する。図10は、実施の形態2に係る空調制御装置1の候補生成部129aによる対象空間の分割の様子を示す平面図である。候補生成部129aは、例えば、図10に示すように、対象空間の平面形状を長方形形状とみなす。また、このとき、例えば、吹出口を有する室内機22の個数をN個としたとき、候補生成部129aは、各室内機22が別々のエリアに属するように、2N個のエリアに対象空間を分割する。このとき、例えば、図10に示すように、候補生成部129aは、対象空間の平面視における各辺を等分割することで、2N個のエリアを生成する。図10の例では、対象空間の平面を6個のエリアに分割しており、X軸方向に延びた各辺を3等分し、Y軸方向に延びた各辺を2等分している。しかしながら、候補生成部129aによる分割方法は、図10に限定されず、エリアの個数は任意の個数としてよい。
図9に示すステップST201では、候補生成部129aは、ステップST200で生成された各エリアの境界線に沿って対象空間に格子を生成する。格子どうしの交点が、格子点となる。
ステップST202では、候補生成部129aは、対象空間の格子点上に、センサ候補位置を配置する。
図11は、図9のステップST201とステップST202との処理の様子を示す図である。図11の(a)~(d)がステップST201の処理を示し、図11の(e)がステップST202の処理を示す。
図11の(a)では、候補生成部129aは、対象空間を直方体と見なして、幅方向、奥行き方向および高さ方向に、それぞれ、X軸、Y軸およびZ軸を設定する。また、候補生成部129aは、それぞれの辺の長さを、x、yおよびzとする。
図11の(b)では、候補生成部129aは、例えば、X軸方向にn個のセンサ41を置く場合、X軸に直交する直線を等間隔にn本引く。このとき、直線どうしの間隔は、x/(n+1)である。また、Y軸方向を、例えば、n+1個に等分割する場合、候補生成部129aは、Y軸に直交する直線を、等間隔にn本引く。このとき、直線どうしの間隔は、y/(n+1)である。
図11の(c)では、候補生成部129aは、図11の(b)で引いた直線の交点に基づいて、センサの候補位置のXY座標を導出する。
図11の(d)では、候補生成部129aは、例えば、Z軸方向を、n+1個に等分割する場合、Z軸に直交する平面を、等間隔にn個生成する。このとき、平面どうしの間隔は、z/(n+1)である。
図11の(e)では、(d)で生成した各平面上に、(c)で決定したセンサの候補位置を配置する。候補生成部129aは、配置した候補位置に基づいて、センサの候補位置のXYZ座標を導出する。
一方、図9のステップST203では、候補生成部129aは、不変条件100のセンサ座標値に、センサ候補位置を設定する。
図8の説明に戻る。変化率比較部129bは、CFD解析部121が行ったシミュレーション結果を用いて、センサ候補位置のそれぞれの時系列温度データの温度変化率を求める。なお、このときのCFD解析部121のCFDシミュレーションは、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせごとに行われたものである。当該組み合わせは、例えば、図12に示すように、夏期、冬期および中間期の季節と、営業日モードおよび休業日モードの運転モードとの組み合わせである。図12は、実施の形態2に係る空調制御装置1の計算条件生成部122が生成する計算条件テーブル130の一例を示す図である。図12については後述する。また、温度変化率としては、各センサ候補位置の時系列温度データの最高温度と最低温度との温度差を求める。なお、温度変化率は、これに限定されない。各センサ候補位置の温度変化率を示す指標であれば、いずれの指標を温度変化率として使用することができる。
変化率比較部129bについて、さらに詳細に説明する。まず、変化率比較部129bは、候補生成部129aで導出されたセンサ候補位置をターゲット位置に設定して、結果抽出部124がシミュレーション結果を取得できるようにする。次に、変化率比較部129bは、計算条件生成部122に対して指示を送信する。計算条件生成部122は、当該指示に従って、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせごとに、図12に示す計算条件(1)~(6)を生成して、計算条件テーブル130を生成する。計算条件テーブル130は、記憶装置105に記憶される。計算条件テーブル130では、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせごとに、計算条件が設定されている。例えば、図12に示すように、季節が夏期で、且つ、営業日モードの計算条件は、計算条件(1)に設定されている。また、季節が中間期で、且つ、休業日モードの計算条件は、計算条件(6)に設定されている。次に、変化率比較部129bは、CFD解析部121に指示を送信する。CFD解析部121は、当該指示に従って、計算条件テーブル130の計算条件(1)~(6)ごとに、CFDシミュレーションを複数回ずつ実施する。これにより、計算条件(1)~(6)ごとに、時系列温度データが生成される。その後、変化率比較部129bは、結果抽出部124に指示を送信する。結果抽出部124は、当該指示に従って、シミュレーション結果から、各センサ候補位置に対応するターゲット位置の時系列の温度データを抽出する。
図13および図14は、実施の形態2に係る空調制御装置1の結果抽出部124が抽出した、同じ計算条件において行われたシミュレーション結果の時系列温度データにおける最高温度と最低温度との温度差を示すグラフである。図13および図14において、横軸は、同じエリアに属する各センサ候補位置を示す。また、縦軸は、当該ターゲット位置の時系列の温度データにおける最高温度と最低温度との温度差を示す。なお、図13は、同じ計算条件において取得したエリアA1に属する複数のセンサ候補位置の最高温度と最低温度との温度差を示す。図14は、同じ計算条件において取得したエリアB1に属する複数のターゲット位置の最高温度と最低温度との温度差を示す。
変化率比較部129bは、各センサ候補位置の温度変化率を求めて比較する。この比較は、同じエリアに属するセンサ候補位置同士で行う。図13において、温度差が最も大きいのはセンサ候補位置P1であり、温度差が最も小さいのはセンサ候補位置P2である。図14において温度差が最も大きいセンサ候補位置P3であり、温度差が最も小さいのはセンサ候補位置P4である。そのため、変化率比較部129bは、エリアA1については、センサ候補位置P1とセンサ候補位置P2とを選択する。また、変化率比較部129bは、エリアB1については、センサ候補位置P3とセンサ候補位置P4とを選択する。なお、このとき、図14のエリアB1のように、最高温度の候補位置が複数ある場合には、その中でどれを選んでも良いため、それらの中からランダムに1つのセンサ候補位置を選ぶものとする。同様に、図14のエリアB1のように、最低温度のセンサ候補位置が複数ある場合には、その中でどれを選んでも良いため、それらの中からランダムに1つのセンサ候補位置を選ぶものとする。
なお、温度変化率が最大のセンサ候補位置は、空調機2からの吹出にもっとも影響を受ける位置だと考えられる。また、温度変化率が最小のセンサ候補位置は、壁面からの影響を受けている位置だと考えられる。そのため、変化率比較部129bは、各センサ41の中から、温度変化率が最大のセンサ候補位置と、温度変化率が最小のセンサ候補位置とを選択する。なお、温度変化率が最大のセンサ候補位置のセンサデータ102は、実施の形態1で説明した上記の第1の補正方式で使用され、温度変化率が最小のセンサ候補位置のセンサデータ102は、実施の形態1で説明した上記第2の補正方式で使用される。
図8の説明に戻る。センサ位置決定部129cは、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせごとに、変化率比較部129bが求めた温度変化率に基づいて、センサ位置候補の中から、センサ41の設置位置を決定する。ここでは、センサ位置決定部129cは、変化率比較部129bが求めた温度変化率に基づいて、温度変化率が最も大きいセンサ候補位置と、温度変化率が最も小さいセンサ候補位置とを、センサ41の設置位置として決定する。例えば、図13のエリアA1の例においては、センサ位置決定部129cは、センサ候補位置P1とセンサ候補位置P2とを、実際のセンサ設置位置として決定する。
テーブル生成部129dは、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせと、センサ位置決定部129cが決定したセンサの設置位置とを対応させて、センサ位置テーブル103cを生成する。具体的には、テーブル生成部129dは、センサ位置決定部129cで決定されたセンサ設置位置とそのときの計算条件とを合わせて、図15に示すセンサ位置テーブル103cを生成する。図15は、実施の形態2に係る空調制御装置1のテーブル生成部129dが生成するセンサ位置テーブル103cの一例を示す図である。図15に示すように、センサ位置テーブル103cでは、夏期、冬期および中間期の季節ごとに、営業日モードか休業日モードかに応じて、センサ位置決定部129cで決定されたセンサ位置が設定されている。例えば、図15に示すセンサ位置テーブル103cでは、季節が夏期で、且つ、営業日モードのセンサ設置位置は、センサ位置Aに設定されている。また、季節が中間期で、且つ、休業日モードのセンサ設置位置は、センサ位置Fに設定されている。このように、センサ位置テーブル103cは、可変条件101に含まれる環境条件および運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせに対して、センサ設置位置を定めている。センサ位置テーブル103cは、記憶装置105に記憶される。
図16は、実施の形態2に係る空調制御装置1において、モデル生成部120のモデルの生成から、テーブル生成部129dのセンサ位置テーブル103cの生成までの処理の流れを示すフローチャートである。
ステップST300では、モデル生成部120が、情報取得部110で取得した不変条件100に基づいて、CFDモデル10を生成する。
ステップST301では、情報取得部110で取得した可変条件101を用いて、計算条件生成部122が、図12に示す可変条件101の組合せを利用して、複数の計算条件(1)~(6)を生成する。
ステップST302では、このようにして生成した複数の計算条件(1)~(6)とCFDモデル10とを用いて、CFD解析部121においてCFDシミュレーションを複数回実施する。
ステップST303では、候補生成部129aが、図9のフローに従って、CFDモデル10内にセンサ候補位置を生成する。
ステップST304では、結果抽出部124が、各センサ候補位置におけるシミュレーション結果を抽出する。当該抽出は、複数回のCFDシミュレーションによって得られた時系列の結果である。
ステップST305では、変化率比較部129bが、各センサ候補位置における変化率を計算する。ここでは、変化率比較部129bは、変化率として、最高温度と最低温度との温度差を計算する。
ステップST306では、センサ位置決定部129cが、変化率比較部129bで計算された温度差に基づいて、最も温度差が大きいセンサ候補位置と最も温度差が小さいセンサ候補位置とを、実際のセンサ設置位置に設定する。
ステップST307は、テーブル生成部129dが、センサ位置決定部129cが決定したセンサ設置位置を、計算条件(1)~(6)ごとにそれぞれ設定した、図15に示すセンサ位置テーブル103cを生成して、記憶装置105に保存する。
図17は、実施の形態2に係る空調制御装置1のセンサ位置導出部128の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップST400では、センサ位置導出部128が、可変条件101から決定される計算条件に応じたセンサ設置位置を、センサ配置テーブルから導出する。例えば、図15に示すように、夏期における営業日の運用であれば、事前に生成したセンサ配置テーブルより、その条件に応じた「センサ位置A」を導出する。
ステップST401では、センサ位置導出部128が、記憶装置105に記憶されている不変条件100の中に、ステップST400で導出したセンサ設置位置のセンサ座標値の有無を調べる。不変条件100の中に、当該センサ設置位置のセンサ座標値が無い場合には、センサ位置導出部128の処理は、ステップST402に進む。一方、当該センサ設置位置のセンサ座標値がある場合には、必要な場所にセンサ41がすでに設置されているため、ステップST402の処理は不要である。そのため、センサ位置導出部128の処理は、ステップST403に進む。
ステップST402では、センサ位置導出部128が、結果出力部111を介して、センサ配置指示103dを出力して、作業員に対し、ステップST400で導出されたセンサ設置位置にセンサ41を配置するように通知する。作業員は、当該通知に従って、ステップST400で導出されたセンサ設置位置に、センサ41を設置する。
ステップST403では、結果出力部111が、センサ位置導出部128において導出されたセンサ設置位置を出力する。これにより、キャリブレーションのために結果抽出部124が抽出すべきターゲット位置に、確実にセンサ41を設置することができる。
図18は、実施の形態2に係る空調制御装置1の動作を示すフローチャートである。図18と図7との違いは、図18においては、ステップST108が追加されている点である。図18について、以下に説明する。
図18に示すように、ステップST100では、情報取得部110が、不変条件100、可変条件101、および、センサデータ102を取得する。
ステップST101では、モデル生成部120が、ステップST100で取得した不変条件100を用いて、CFDモデル10を生成する。また、計算条件生成部122が、ステップST100で取得した可変条件101とセンサデータ102とを用いて、CFDで使用される計算条件を生成する。
次に、ステップST102では、CFD解析部121が、ステップST101で生成されたCFDモデル10と計算条件とを用いて、CFDシミュレーションを実施する。
次に、ステップST108では、センサ位置導出部128が、センサ位置テーブル103cから、結果抽出部124がシミュレーション結果を抽出する対象空間のターゲット位置に対応するセンサ設置位置を取得する。
次に、ステップST103では、補正方式選択部127が、空調機2がサーモオン状態かサーモオフ状態かに従って、計算条件の補正方式を選択する。
次に、ステップST104では、補正実施部125が、結果抽出部124が抽出したシミュレーション結果と、センサデータ102と、補正方式選択部127が選択した補正方式とを用いて、計算条件の補正量を導出して、計算条件を補正する。
次に、ステップST105では、CFD解析部121が、ステップST104で補正された補正後の計算条件を用いて、再度、CFDシミュレーションを実施する。
次に、ステップST106では、結果抽出部124が、シミュレーション結果におけるターゲット位置の温度を抽出する。
次に、ステップST107では、制御指令決定部126が、ステップST106で抽出したターゲット位置における温度に基づいて、空調機2に対する制御指令値を決定する。
<実施の形態2の効果>
実施の形態2においても、上記の実施の形態1と同様に、計算量を抑え、且つ、高速なキャリブレーションを実現するという効果を得ることができる。
さらに、実施の形態2では、空調制御装置1が、センサ位置テーブル103cを事前に生成することで、さらに、効率よくキャリブレーションを実施することが可能である。すなわち、温度変化率が最大のセンサ設置位置は、空調機2からの吹出にもっとも影響を受ける位置だと考えられる。また、温度変化率が最小のセンサ設置位置は、壁面境界条件より影響を受けている位置だと考えられる。そのため、センサ位置導出部128は、事前に生成されたセンサ位置テーブル103cから、温度変化率が最大のセンサ設置位置に設置されたセンサ41と、温度変化率が最小のセンサ設置位置に設置されたセンサ41とを抽出する。そして、結果抽出部124が、それらのセンサ41のシミュレーション結果を抽出して、補正実施部125がキャリブレーションを行う。その結果、空調制御装置1が処理する情報量を減らすことができ、さらに高速に、精度よくキャリブレーションを行うことができる。
1 空調制御装置、2 空調機、4 センサ群、5 制御ネットワーク、10 CFDモデル、21 室外機、22 室内機、23 リモートコントローラ、41 センサ、100 不変条件、100a 建物条件、100b 設備条件、100c センサ座標値、101 可変条件、101a 環境条件、101b 運用条件、102 センサデータ、103 出力データ、103a 計算結果、103b 制御指令値、103c センサ位置テーブル、104 入出力装置、105 記憶装置、106 演算装置、110 情報取得部、111 結果出力部、120 モデル生成部、121 CFD解析部、122 計算条件生成部、124 結果抽出部、125 補正実施部、126 制御指令決定部、127 補正方式選択部、128 センサ位置導出部、129 センサ位置テーブル生成部、129a 候補生成部、129b 変化率比較部、129c センサ位置決定部、129d テーブル生成部、130 計算条件テーブル、R1 室内熱交換器、R2 調整弁、R3 四方弁、R4 圧縮機、R5 室外熱交換器、R6 配管。

Claims (10)

  1. 対象空間の寸法を含む建物条件、空調機の寸法を含む設備条件、および、センサの設置位置を示すセンサ座標値のうちの少なくとも1つを含む不変条件と、前記対象空間の環境条件および前記空調機の運用条件のうちの少なくとも1つを含む可変条件と、前記センサによって計測された前記対象空間のセンサデータとを取得する情報取得部と、
    前記情報取得部が取得した前記不変条件に基づいて、前記対象空間のCFDモデルを生成するモデル生成部と、
    前記可変条件および前記センサデータに基づいて、数値流体動力学を利用したCFDシミュレーションで用いられる境界条件を含む計算条件を生成する計算条件生成部と、
    前記モデル生成部が生成した前記CFDモデルおよび前記計算条件生成部が生成した前記計算条件を用いて、前記CFDシミュレーションを実施して、シミュレーション結果を出力する、CFD解析部と、
    前記CFD解析部の前記シミュレーション結果の中から、前記対象空間内の第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果を抽出する結果抽出部と、
    前記センサデータまたは前記運用条件に基づいて前記空調機の状態を判定して、当該判定の結果に従って前記計算条件の補正量を求める補正方式を選択する補正方式選択部と、
    前記結果抽出部が抽出した前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果と、前記第1のターゲット位置と同位置の前記センサデータと、前記補正方式選択部が選択した前記補正方式とに基づいて、前記計算条件の前記補正量を求めて前記計算条件を補正する補正実施部と、
    前記CFD解析部が行った前記CFDシミュレーションの前記シミュレーション結果に基づいて、前記空調機に対する制御指令を生成する制御指令決定部と
    を備え、
    前記CFD解析部は、前記補正実施部が補正した前記計算条件を用いて前記CFDシミュレーションを再度実施し、
    前記結果抽出部は、前記CFD解析部が再度実施した前記シミュレーション結果の中から、前記対象空間内の前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果を、補正後のシミュレーション結果として抽出し、
    前記制御指令決定部は、前記結果抽出部が抽出した前記補正後のシミュレーション結果に基づいて、前記空調機に対する制御指令を生成する、
    空調制御装置。
  2. 前記補正方式選択部は、前記センサデータまたは前記運用条件に基づいて前記空調機がサーモオンの状態かサーモオフの状態かを判定して、当該判定の結果に従って前記計算条件の補正量を求める補正方式を選択する、
    請求項1に記載の空調制御装置。
  3. 前記補正実施部は、前記結果抽出部が抽出した前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果と、前記第1のターゲット位置と同位置の前記センサデータとの差分に、前記補正方式ごとに予め設定された係数を乗算することにより、前記計算条件の補正量を算出する、
    請求項1または2に記載の空調制御装置。
  4. 前記補正方式は、
    前記空調機の吹出口の温度に関する境界条件を補正する第1の補正方式と、
    前記対象空間の壁面の温度または前記対象空間に置かれた物体の表面温度に関する境界条件を補正する第2の補正方式と
    を含み、
    前記補正方式選択部は、
    前記空調機がサーモオンの状態の場合には、前記第1の補正方式を選択し、
    前記空調機がサーモオフの状態の場合には、前記第2の補正方式を選択する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の空調制御装置。
  5. 前記結果抽出部は、前記第1のターゲット位置の前記シミュレーション結果として、
    前記空調機がサーモオンの状態の場合には、前記空調機の吹出口の温度の前記シミュレーション結果を抽出し、
    前記空調機がサーモオフの状態の場合には、前記対象空間の壁面の温度または前記対象空間に置かれた物体の表面温度の前記シミュレーション結果を抽出する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の空調制御装置。
  6. 前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせに対して、前記センサの設置位置を定めた、センサ位置テーブルを記憶した、記憶部と、
    前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの組み合わせに基づいて、前記センサ位置テーブルから前記センサの設置位置を取得するセンサ位置導出部と
    をさらに備え、
    前記結果抽出部は、前記CFD解析部の前記シミュレーション結果の中から、前記第1のターゲット位置の代わりに、前記センサ位置導出部が決定した前記センサの設置位置に対応するターゲット位置の前記シミュレーション結果を抽出する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の空調制御装置。
  7. 前記センサ位置テーブルを生成するセンサ位置テーブル生成部をさらに備え、
    前記センサ位置テーブル生成部は、
    前記不変条件に基づいて、前記補正量を算出する際に用いる前記ターゲット位置のデータを計測するためのセンサを設置するセンサ候補位置を前記CFDモデル内に生成する候補生成部と、
    前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの前記組み合わせごとに前記CFD解析部が行った前記シミュレーション結果を用いて、前記センサ候補位置のそれぞれの時系列温度データの温度変化率を求める変化率比較部と、
    前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの前記組み合わせごとに、前記変化率比較部が求めた前記温度変化率に基づいて、前記センサの設置位置を決定するセンサ位置決定部と、
    前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの前記組み合わせと、前記センサ位置決定部が決定した前記センサの設置位置とを対応させて、前記センサ位置テーブルを生成する、テーブル生成部と
    を有している、
    請求項6に記載の空調制御装置。
  8. 前記候補生成部は、
    前記不変条件の中に前記センサ座標値が有る場合には、当該センサ座標値を前記センサ候補位置に設定し、
    前記不変条件の中に前記センサ座標値が無い場合には、前記CFDモデルを直方体と見なして複数のエリアに分割することで、前記CFDモデル内に格子を生成し、それらの格子の格子点を前記センサ候補位置に設定する、
    請求項7に記載の空調制御装置。
  9. 前記変化率比較部は、
    前記センサ候補位置のそれぞれの前記時系列温度データの最高温度と最低温度との温度差を前記温度変化率として求めて、前記温度差が最大の前記センサ候補位置と前記温度差が最小の前記センサ候補位置とを出力する、
    請求項7または8に記載の空調制御装置。
  10. 前記センサ位置決定部は、
    前記可変条件に含まれる前記環境条件および前記運用条件の項目のうちの少なくとも2つの前記組み合わせごとに、前記変化率比較部が求めた前記温度変化率に基づいて、前記温度変化率が最も大きい前記センサ候補位置と、前記温度変化率が最も小さい前記センサ候補位置とを、前記センサの設置位置として決定する、
    請求項7~9のいずれか1項に記載の空調制御装置。
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