JP7038916B1 - 空気調和機制御装置 - Google Patents

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Abstract

開示に係る空気調和機制御装置は、空気調和対象空間の空気調和を行う空気調和機を制御する空気調和機制御装置であって、空気調和対象空間に係る温熱環境に関するシミュレーションにおける気流側モデルを構築する気流側モデル構築部と、空気調和機が有する機器における挙動の制約および機器の能力を模擬する機器側モデルを構築する機器側モデル構築部と、空気調和対象空間における目的関数の値を計算する目的関数計算部および制御変数を変化させた場合の目的関数の変動である感度を導出する感度導出部を有し、気流側モデルに基づく目的関数と機器側モデルに基づく目的関数とを逆解析手法を用いて最適化し、最適解を計算する連成最適化実行部と、最適解から空気調和機の制御目標値を決定する制御目標値決定部とを備えるものである。

Description

この技術は、空気調和機制御装置に関するものである。特に、空気調和機が空気調和を行う空気調和対象空間の温熱環境の制御に係るものである。
従来、熱流体解析および逆解析の手法を用いて、空間内の所望の場所における温熱環境を制御する手法が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。この技術は、空気調和の対象となる空間(以下、空気調和対象空間という)の熱流体解析モデルを用いて、空気調和対象空間のシミュレーションとシミュレーション結果に基づく空気調和対象空間の逆解析とを実行するものである。実行によって推定された制御パラメータを用いて空気調和機の機器を制御することで、所望の場所を所望の温熱環境に制御することができる。
通常、空気調和機は、一般的に、温度を検出する温度センサが、1つ以上設置されている。空気調和機を制御する空気調和機制御装置は、温度センサの検出に係る温度を、所定の方法によって、設定温度などの制御目標値に近づけるように空気調和機を制御し、空気調和対象空間の温熱環境の制御を行っている。ここで、温度センサの検出に係る温度は、温度センサが設置された位置周辺の局所的な空間の温度であり、必ずしも空気調和対象空間の温度を反映しているわけではない。そこで、空気調和機制御装置は、空気調和対象空間の境界条件温度を把握して、空気調和対象空間の温熱環境自体をシミュレーションによって把握する。そして、空気調和機制御装置は、シミュレーション結果を用いて逆解析を行い、必要な吹出口温度などを求めて、所望の温熱環境に制御する方法などが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2015-36589号公報
原山和也・本田光弘・綛田長生原、「分布系シミュレーションを用いた室内任意空間の温熱環境制御技術の開発」、平成22年度大会、I-20、社団法人空気調和・衛生工学会、平成22年9月1日
しかしながら、前述した空気調和機制御装置による制御方法では、空気調和機の機器側をはじめとする条件について考慮されていない。このため、実際には、非効率な空気調和機の制御となる場合があるという問題点があった。
そこで、このような課題を解決するため、さらに効率のよい空気調和機の制御を実現することができる空気調和機制御装置を得ることを目的とする。
この開示に係る空気調和機制御装置は、空気調和対象空間の空気調和を行う空気調和機を制御する空気調和機制御装置であって、空気調和対象空間に係る温熱環境に関するシミュレーションにおける気流側モデルを構築する気流側モデル構築部と、空気調和機が有する機器における挙動の制約および機器の能力を模擬する機器側モデルを構築する機器側モデル構築部と、空気調和対象空間における目的関数の値を計算し、気流側モデルに係る目的関数に対して、機器側モデルに基づく目的関数の重み付けを行う係数を決定する目的関数計算部および制御変数を変化させた場合の目的関数の変動である感度を導出する感度導出部を有し、気流側モデルに基づく目的関数と機器側モデルに基づく目的関数とを逆解析手法を用いて最適化し、最適解を計算する連成最適化実行部と、最適解から空気調和機の制御目標値を決定する制御目標値決定部とを備えるものである。
この開示によれば、気流側モデル構築部および機器側モデル構築部を備え、連成最適化実行部が、気流側の目的関数だけでなく機器側の目的関数における制約を考慮した最適解を計算する。このため、快適かつ省エネルギーな空気調和機の運転条件を求めることができる。
実施の形態1に係る空気調和機制御装置1を含む空気調和システムの構成の一例を示す図である。 実施の形態1に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態1に係る温度センサ抽出部104の処理の一例を説明する図である。 実施の形態1に係る感度導出部108の処理の一例を説明する図である。 実施の形態1に係る連成最適化実行部106の処理の一例を説明する図である。 実施の形態1に係る連成最適化実行部106および制御目標値決定部109が行う処理の一例を説明する図である。 実施の形態2に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態2に係る空気調和対象領域に関するデータの取得を説明する模式図である。 実施の形態2に係る空気調和機制御装置1が行う処理を説明する図である。 実施の形態3に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態3に係る空気調和対象領域に関するデータの取得の一例を説明する模式図である。 実施の形態3に係る空気調和機制御装置1におけるウェアラブル端末装置H204に関する処理の一例を説明する図である。 実施の形態3に係る空気調和対象領域に関するデータの取得の別例を説明する模式図である。 実施の形態3に係る空気調和機制御装置1におけるモバイル端末装置H304に関する処理の一例を説明する図である。 実施の形態4に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態4に係る係数ωの決定に係る処理の一例を説明する図である。 実施の形態4に係る係数αおよび係数βの決定に係る処理の一例を説明する図である。 実施の形態4に係る係数決定部116が行う処理の一例を説明する図である。 実施の形態5に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態5に係る連成最適化実行部106などの処理の一例を説明する図である。
以下、空気調和機制御装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。ここで、以下の説明に係る図面における図は、概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされる場合がある。また、図において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適宜、適用することができる。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る空気調和機制御装置1を含む空気調和システムの構成の一例を示す図である。空気調和機制御装置1は、空気調和機2の運転を制御する装置である。空気調和機制御装置1は、制御ネットワーク5を介して、空気調和機2およびセンサ部4と通信可能に接続されている。空気調和機2は、室外機21、室内機22およびリモートコントローラ23を構成要素として有する。室外機21は、冷媒、水などの熱冷媒を冷却または加熱する。室内機22は、室内などの空気調和対象空間における空気と熱冷媒との間で熱交換を行い、空気調和対象空間の空気を加熱または冷却し、空気調和対象空間内の温度を調整する。リモートコントローラ23は、たとえば、居住者が室内機22のON/OFFの切り替え、設定温度、風量、風向などを手動で設定変更する際に用いる装置である。
センサ部4は、物理量を検出し、計測するためのセンサ群である。ここでは、温度、圧力などの空気調和対象空間内外の環境条件に係る各種物理量を検出する。図2では、センサ部として、センサ41およびセンサ42が設けられている。ここでは、主として空気調和対象空間内に複数の温度センサが設置されているものとして説明する。制御ネットワーク5は、空気調和機制御装置1と空気調和機2とセンサ部4とを接続する電気通信回線である。
図2は、実施の形態1に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。図2では、空気調和機制御装置1に入出力するデータについても示している。空気調和機制御装置1は、制御処理装置100およびデータ記憶装置120を有する。
ここで、制御処理装置100は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を中心とするコンピュータなどの制御演算処理を行う装置で構成されているものとする。そして、制御処理装置100は、後述する各部が行う処理の手順を、あらかじめプログラム化したものを実行して、処理を実現する。ただ、このような構成に限定するものではなく、制御処理装置100の各部が、専用機器(ハードウェア)で構成されてもよい。
データ記憶装置120は、制御処理装置100が処理を行う際に必要となるデータを記憶する装置である。特に、実施の形態1におけるデータ記憶装置120は、後述するデータ取得部101が取得した各種データを記憶する。また、実施の形態1のデータ記憶装置120は、前述したように、制御処理装置100の各部が行う処理の手順をプログラムとしたデータを有する。データ記憶装置120は、データを一時的に記憶できるランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性記憶装置(図示せず)およびソリッドステートディスク、データを長期的に記憶できるフラッシュメモリなどの不揮発性の補助記憶装置(図示せず)を有する。
実施の形態1の制御処理装置100は、データ取得部101、気流側モデル構築部102、対象領域指定部103、温度センサ抽出部104、機器側モデル構築部105、連成最適化実行部106、制御目標値決定部109および空気調和制御指令部110を有する。
データ取得部101は、センサ部4および外部の装置などから信号を受け、信号に含まれる各種データを取得する。ここでは、データ取得部101は、部屋形状データD1、機器情報データD2、空気温度データD3および領域情報データD4を取得する。データ取得部101は、取得したデータをデータ記憶装置120に記憶させる。部屋形状データD1は、部屋内となる室内の幅、奥行き、高さなどの空気調和対象空間の形状寸法に関わるデータである。機器情報データD2は、たとえば、空気調和機2における冷媒回路の構成、機器の定格能力および駆動系の機器の仕様などを含む空気調和機2が有する機器に関するデータである。また、空気温度データD3は、センサ部4から送られる空気調和対象空間に各種空気の温度に関するデータである。領域情報データD4は、空気調和対象空間内における居住エリアの領域に関する情報のデータである。
気流側モデル構築部102は、データ取得部101が取得した部屋形状データD1から、対象空間の幾何形状を反映した気流に関する気流側モデルを構築する処理を行う。また、対象領域指定部103は、気流側モデル構築部102が構築したモデル内において、領域情報データD4に基づいて、空気調和を行う領域を、空気調和対象領域として指定する処理を行う。さらに、温度センサ抽出部104は、空気調和機2が有するセンサ部4の中から、空気調和対象領域の近傍に位置する温度センサを、検出対象として抽出する処理を行う。
図3は、実施の形態1に係る温度センサ抽出部104の処理の一例を説明する図である。図3は、温度センサ抽出部104が行うフローチャートを表している。まず、ステップST300において、温度センサ抽出部104は、計算条件を変動させて温熱環境を計算するための複数の計算条件を生成する。次に、ステップST301において、温度センサ抽出部104は、生成した複数の計算条件をケースとする気流シミュレーションを行う。また、ステップST302において、温度センサ抽出部104は、シミュレーション結果における領域の空気温度と空気調和対象空間内の各温度センサが検出した温度との相関係数を求める。最後に、ステップST303において、温度センサ抽出部104は、相関係数が最大となる温度センサを、フィードバック制御に利用する、空気調和対象領域の温熱環境を反映する温度センサとして抽出する。
機器側モデル構築部105は、機器情報データD2を用いて、空気調和機2の機器における制約および能力を模擬した機器側モデルを構築する。機器側モデル構築部105は、たとえば、成績係数モデル構築部111を有する。
成績係数モデル構築部111は、空気調和機2における機器側モデルとして、成績係数(Coefficient Of Performance)を表す成績係数モデルを制御変数の関数として構築する。制御変数の関数としての成績係数モデルは、たとえば、式(1)で表される。式(1)は、成績係数の定義式である。ここで、式(1)において、COPは、成績係数である。また、Vinletは、空気調和機2の室内機22が吹出口から空気調和対象空間内に送り出す空気の吹出口風速である。そして、Tinletは、吹出口から空気調和対象空間内に送り出す空気の吹出口温度である。
Figure 0007038916000001
連成最適化実行部106は、気流側モデル構築部102が構築した気流側モデルおよび機器側モデル構築部105が構築した機器側モデルを利用して逆解析手法を用いた最適化を実行する。連成最適化実行部106は、目的関数計算部107および感度導出部108を有する。最適化問題は、たとえば、以下のように最小化問題として表すことができる。式(2)は、定式化された最小化問題を示す式である。式(2)において、Jは、目的関数である。また、Wは、流速および温度などの状態変数ベクトルである。さらに、Uは、吹出口風速および吹出口温度などの制御変数ベクトルである。また、Rは、非圧縮性ナビエ・ストークス方程式およびエネルギー方程式などの最小化問題における制約式である。
Figure 0007038916000002
連成最適化実行部106は、気流側モデル構築部102が構築した気流側モデルを用いて、CFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)を利用したシミュレーション(以下、CFDシミュレーションという)を実行する。CFDとは、空気調和対象空間を格子状に離散化して、各格子における支配方程式について解く方法である。CFDシミュレーションに用いる流体の支配方程式は、たとえば、以下の式となる。式(3)は、流体の質量保存を表す連続の式である。また、式(4)は、運動量保存を表す非圧縮性ナビエ・ストークス方程式である。そして、式(5)は、エネルギー方程式である。連成最適化実行部106は、これらの式を、適当な初期値および境界条件の下で解くことにより、分割した各領域の温度、風速などを算出する。
Figure 0007038916000003
Figure 0007038916000004
Figure 0007038916000005
式(3)~式(5)において、uは、3次元の速度ベクトル、tは、時間、pは、圧力、ρは、密度、μは、粘性係数、ρは、基準密度、gは、重力加速度、Cは、定圧比熱、Tは、温度、kは、熱伝導率およびQは、内部発熱量である。このような手法は、与えられた初期値および境界条件の下での対象空間内の各領域の温度、風速などを因果関係に準じたシミュレーションを行うため、順解析と呼ばれる。これに対して、逆解析手法を用いた最適化とは、CFDなどを用いた気流に関するシミュレーションにおいて、空気調和対象空間内の各領域の温度、風速などを指定して、因果関係を逆転させて初期値、境界条件について求める方法である。このような方法は、因果関係を逆転させているという意味で、逆解析と呼ばれる。
連成最適化実行部106は、また、機器側モデル構築部105が構築した機器側モデルを利用して、機器側のシミュレーションを実行する。これにより、機器側の挙動を考慮することができる。この際、連成最適化実行部106は、機器側モデルにより、CFDシミュレーションの結果から吸込口温度を計算して、空気調和機2が有する圧縮機などの冷媒回路を構成する駆動系の機器の挙動をシミュレーションする。このため、連成最適化実行部106は、後述するような消費電力量に関する目的関数として、消費電力量を計算することができる。ただし、このような方法では、機器側の挙動に関するシミュレーションを実行する時間を要する。このため、機器側のシミュレーションとして、式(1)のように、吹出口風速および吹出口温度のみで記述される簡素化した機器モデルを利用するシミュレーションの方法も含まれる。
目的関数計算部107は、気流側モデル構築部102が構築した気流側モデルによるCFDシミュレーションの結果および機器側モデル構築部105が構築した機器側モデルによる機器シミュレーションの結果から、あらかじめ設定された目的関数の値を計算する。あらかじめ設定した目的関数は、たとえば、以下のようになる。式(6)は、目的関数を計算する式である。ここで、Joptは、目的関数である。また、Jは、空気調和対象空間内の温熱環境に関する目的関数(以下、温熱環境目的関数という)である。さらに、Jは空気調和機2の消費電力量に関する目的関数(以下、電力目的関数という)である。そして、ωは、温熱環境目的関数Jおよび電力目的関数Jの大きさのバランスを調整する係数である。式(6)によって、気流側と機器側とに関する目的関数について、同時に最適化することが可能となる。
Figure 0007038916000006
実施の形態1の目的関数計算部107において、係数ωは、最適解に対する温熱環境目的関数Jおよび電力目的関数Jの影響度を規定するため、あらかじめ設定された値を用いる。ここで、室内にいる居住者の嗜好または空気調和機2の運転状況などに応じて、複数の係数ωを有する構成も含まれるようにしてもよい。
式(7)は、温熱環境目的関数Jの定義式である。uは、気流の速度であり、uは、目標となる気流の速度である。また、Tは、空気温度であり、Tは、目標となる空気温度である。そして、Dは、対象領域指定部103が指定した空気調和対象領域を示す。したがって、式(7)は、空気調和対象空間内の空気調和対象領域における状態変数のみを対象として体積積分を実行する式を表す。また、係数αおよび係数βは、気流の速度に関する項と温度に関する項の重み付けを行う係数である。これらの係数についても、式(1)の第1項と第2項の影響度を規定する係数である。このため、係数αおよび係数βは、あらかじめ設定された値を用いる。また、室内にいる居住者の嗜好または空気調和機2の運転状況などに応じて、複数の係数αおよび係数βを有する構成も含まれるようにしてもよい。
Figure 0007038916000007
式(8)は、電力目的関数Jの定義式の一例である。ここで、QRACは、空気調和能力量を表す。このように機器側の挙動について模擬した目的関数を設定する。
Figure 0007038916000008
式(9)は、QRACの定義式である。ここで、ρは、空気の密度、Cは、定圧比熱、VおよびAは、それぞれ空気調和機器の第i番目の吹出口速度および吹出口面積を表す。また、Ti,inletおよびTi,outletは、それぞれ空気調和機器の第i番目の吹出口温度および吸込口温度を表す。電力目的関数Jをこのように設定することで、成績係数モデルと合わせて、空気調和機2の機器の挙動は、機器内部のアクチュエータの挙動を記述する圧縮機の周波数などの変数を介さず、気流側モデルにおいてCFDの計算に用いられる変数により、直接的に求めることができる。このため、後述する随伴変数法を利用した方法でも、機器側の性能、制約などについて、気流側と条件を統一的に扱い、計算を高速化することが可能となる。
Figure 0007038916000009
感度導出部108は、目的関数計算部107が導出した目的関数値を利用して、制御変数の変更に対する目的関数の影響について表す感度を導出する。感度は、たとえば、以下のようになる。式(10)および式(11)は、それぞれ吹出口風速および吹出口温度についての感度の定義式である。ここで、Vinは、吹出口風速、Tinは吹出口温度であり、これらを制御変数とする。また、δVinおよびδTinは、それぞれVinおよびTinの微小な変動量である。
Figure 0007038916000010
Figure 0007038916000011
図4は、実施の形態1に係る感度導出部108の処理の一例を説明する図である。図4は、感度導出部108において随伴方程式を用いた場合の処理に関するフローチャートを表す。まず、ステップST400において、感度導出部108は、気流シミュレーションで順解析を行い、状態場を導出する。次に、ステップST401において、感度導出部108は、状態場を用いて随伴方程式を解き、随伴場を導出する。さらに、ステップST402において、感度導出部108は、状態場と随伴場とに基づいて感度を導出する。式(12)は、随伴法方程式の例である。ここで、Vは、随伴速度である。また、Tは、随伴温度である。そして、pは、随伴圧力である。これらを随伴場と呼び、状態場である速度V、温度Tおよび圧力pに対応するものである。
Figure 0007038916000012
また、式(13)は、随伴場および状態場を利用して導出する感度の一例を示す式である。
Figure 0007038916000013
図5は、実施の形態1に係る連成最適化実行部106の処理の一例を説明する図である。まず、ステップST500において、連成最適化実行部106は、気流側モデル構築部102が構築した気流側モデルおよび機器側モデル構築部105が構築した機器側モデルでシミュレーションを行う。また、ステップST501において、目的関数計算部107は、あらかじめ設定した目的関数について、目的関数値を導出する。さらに、ステップST502において、感度導出部108は、感度を導出する。また、ステップST503において、連成最適化実行部106は、導出した感度を用いて制御変数を更新する。式(14)は、制御変数の更新式の例である。ここで、式(14)は、制御変数の更新式の例である。式(14)において、xおよびxk+1は、それぞれ更新前および更新後の制御変数ベクトルである。また、αは、感度ベクトルである。さらにdは、制御変数の更新幅である。式(14)は、感度導出部108で導出した感度を利用した最急降下法を用いた更新方法である。ただし、これに限定するものではなく、より計算の収束性を良くするために同じく感度に関するデータを用いた準ニュートン法などの手法を用いた構成を含むものとする。
Figure 0007038916000014
そして、ステップST504において、連成最適化実行部106は、収束判定処理を行う。連成最適化実行部106は、目的関数値が収束したと判定すると、制御変数の最適値が算出されたとして処理を終了する。式(15)および式(16)は、収束判定を行う式の一例である。ここで、Jは、第k反復における目的関数値である。また、εは、収束判定のための微小値である。そして、∇Jは、第k反復の感度である。また、連成最適化実行部106は、目的関数値が収束していないと判定すると、ステップST500に戻って処理を続ける。
Figure 0007038916000015
Figure 0007038916000016
制御目標値決定部109は、連成最適化実行部106が導出した制御変数の最適値によって実現される対象空間内の温度分布において、温度センサ抽出部104で抽出されたセンサ位置における温度を制御目標値として決定する。そして、制御目標値決定部109は、決定した制御目標値をデータとして、データ記憶装置120に記憶する。また、空気調和制御指令部110は、制御目標値決定部109が導出した制御目標値を目標としてフィードバック制御を行ったときの、空気調和制御指令のデータD5を含む信号を出力する。
図6は、実施の形態1に係る連成最適化実行部106および制御目標値決定部109が行う処理の一例を説明する図である。まず、ステップST600において、連成最適化実行部106は、気流側モデル構築部102によって構築した気流側モデルおよび機器側モデル構築部105において構築された機器モデルが、既に計算を実行したモデル条件と同一であるかどうかを判定する。次に、ステップST601において、連成最適化実行部106は、気流側モデルの境界条件や機器側モデルの設定温度などの設定条件が、既に計算した結果と同一であるかどうかを判定する。
連成最適化実行部106が、2つの条件を両方とも満たすと判定すると、ステップST604において、制御目標値決定部109は、データ記憶装置120に記憶されたデータから2つの条件に合致する最適化の結果に係るデータを読み込む。そして、ステップST605において、制御目標値決定部109は、制御目標値を決定する。
一方、連成最適化実行部106は、ステップST600およびステップST601において、いずれかの条件を満たさないと判定すると、ステップST602において、前述したように、最適化に係る処理を実行する。そして、連成最適化実行部106は、ステップST603において、制御変数の最適値などの最適化の結果に係るデータをデータ記憶装置120に記憶し、保存しておく。そして、ステップST605において、制御目標値決定部109は、データ記憶装置120に記憶された計算結果から制御目標値を決定する。
<実施の形態1の効果>
以上のように、実施の形態1の空気調和機制御装置1によれば、機器側モデル構築部105を備え、機器側モデルを構築する。そして、連成最適化実行部106が、気流側だけでなく機器側の制約を考慮することによって、快適かつ省エネルギーな運転条件を求めることができ、このような条件による空気調和機2の制御を行うことができる。また、このとき、対象領域指定部103が、空気調和対象空間内の空気調和対象領域を指定する。このため、余分な領域について空気調和するためのエネルギーを浪費しない最適解を求めることができる。
さらに、空気調和機2に係るセンサ部4の中から、空気調和対象領域の温度を反映する温度センサを抽出する。このため、空気調和対象領域のフィードバック制御を行うことができ、空気調和対象領域の所望の温度に維持することができる。また、データ記憶装置120が、既に処理を実行した条件の結果をデータとして記憶し、保存しておくようにした。このため、条件が同じであるときには、制御目標値決定部109は、データ記憶装置120に保存されたデータに基づいて、制御目標値を決定することができるので、より速い応答を行うことができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。図7において、図2と同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1で説明したことと同様の処理などを行う。実施の形態2の空気調和機制御装置1は、画像取得部112および人影判定部113を有する。画像取得部112は、後述する画像センサH101などが撮像した空気調和対象空間の画像データD6を取得する。また、人影判定部113は、画像データD6の画像中から、一定のアルゴリズムに沿った処理を行い、人影の有無を判定する処理を行う。
図8は、実施の形態2に係る空気調和対象領域に関するデータの取得を説明する模式図である。図8において、H100は、実施の形態1において説明した室内機22である。また、H101は、たとえば、赤外線センサ、イメージセンサなどで構成され、室内機22が有する画像センサである。ここでは、画像センサH101は、熱画像センサでもよい。また、H102は、人影のある場所を含む空気調和対象領域である。そして、H103は、空気調和対象領域にいる居住者である。
図9は、実施の形態2に係る空気調和機制御装置1が行う処理を説明する図である。まず、ステップST900において、画像取得部112は、室内機22の画像センサH101が撮像した空気調和対象空間の画像データD6を取得する。次に、ステップST901において、人影判定部113は、画像取得部112が取得した画像データD6から人影の有無および人影の位置を判定する。そして、ステップST902において、対象領域指定部103は、人影判定部113が判定した人影が位置する領域を、空気調和対象領域として指定する。
<実施の形態2の効果>
以上のように、実施の形態2の空気調和機制御装置1によれば、人影判定部113は、画像取得部112が取得した画像データD6から人影の位置を判定する。対象領域指定部103は、判定した人影の位置に基づいて、空気調和対象領域を指定する。このため、空気調和対象空間内の居住者に対して、空気調和機2から空調空気を、より正確に送ることができる。したがって、快適性の向上をはかることができる。
実施の形態3.
図10は、実施の形態3に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。図10において、図2と同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1で説明したことと同様の処理などを行う。実施の形態3の空気調和機制御装置1は、端末情報取得部115および端末利用状態判定部114を有する。端末情報取得部115は、後述するウェアラブル端末装置H204、モバイル端末装置H304など、後述する居住者H203が有する端末装置の位置などを示す端末情報のデータD7を取得する。端末装置の位置データは、空気調和機2から送られる。また、端末利用状態判定部114では、一定のアルゴリズムに沿った処理を行い、居住者が端末装置を利用しているかどうかを判定する。
図11は、実施の形態3に係る空気調和対象領域に関するデータの取得の一例を説明する模式図である。図11において、H203は、空気調和対象領域にいる居住者である。また、H204は、ウェアラブル端末装置である。ウェアラブル端末装置H204には、利用者が腕時計のように腕などに巻き付けて利用する装置、利用者が身体に着衣して利用する装置などを含む。ウェアラブル端末装置H204は、たとえば、他の機器との通信を行う電波を発信する。さらに、室内機H200は、実施の形態1において説明した室内機22と同様に、空気調和対象空間の空気調和を行う。また、室内機H200は、ウェアラブル端末装置H204が発信する電波を受信し、ウェアラブル端末装置H204の空気調和対象空間内における位置を特定し、端末情報のデータD7を含む信号を、空気調和機制御装置1に送る。そして、H202は、ウェアラブル端末装置H204の位置を含む空気調和対象領域である。
図12は、実施の形態3に係る空気調和機制御装置1におけるウェアラブル端末装置H204に関する処理の一例を説明する図である。まず、ステップST1200において、端末情報取得部115は、ウェアラブル端末装置H204の位置を示す端末情報のデータD7を取得する。ステップST1201において、端末利用状態判定部114は、端末情報取得部115が取得した端末情報のデータD7によるウェアラブル端末装置H204の位置に基づき、居住者H203がウェアラブル端末装置H204を利用しているかどうかを判定する。ステップST1201において、端末利用状態判定部114は、ウェアラブル端末装置H204を身に着けるなどして利用していると判定すると、ウェアラブル端末装置H204の位置に係るデータを対象領域指定部103に送る。そして、ステップST1202において、対象領域指定部103は、端末利用状態判定部114からのウェアラブル端末装置H204の位置に係るデータに基づき、ウェアラブル端末装置H204の位置における領域を、空気調和対象領域として指定する。
図13は、実施の形態3に係る空気調和対象領域に関するデータの取得の別例を説明する模式図である。図13において、H303は、空気調和対象領域にいる居住者である。また、H304は、携帯電話、スマートフォンなどのモバイル端末装置である。モバイル端末装置H304は、たとえば、他の機器との通信を行う電波を発信する。さらに、室内機H300は、実施の形態1において説明した室内機22と同様に、空気調和対象空間の空気調和を行う。また、室内機H200は、モバイル端末装置H304が発信する電波を受信し、モバイル端末装置H304の空気調和対象空間内における位置を特定し、端末情報のデータD7を含む信号を、空気調和機制御装置1に送る。そして、H302は、モバイル端末装置H304の位置を含む空気調和対象領域である。
図14は、実施の形態3に係る空気調和機制御装置1におけるモバイル端末装置H304に関する処理の一例を説明する図である。まず、ステップST1400において、端末情報取得部115は、モバイル端末装置H304の位置を示す端末情報のデータD7を取得する。次に、ステップST1401において、端末利用状態判定部114は、端末情報取得部115が取得した端末情報のデータD7から得られるモバイル端末装置H304の位置に基づき、居住者H203がモバイル端末装置H304を携帯しているかどうかを判定する。ステップST1401において、端末利用状態判定部114は、モバイル端末装置H304を携帯していると判定すると、モバイル端末装置H304の位置に係るデータを対象領域指定部103に送る。そして、ステップST1402において、対象領域指定部103は、端末利用状態判定部114からのモバイル端末装置H304の位置に係るデータに基づき、モバイル端末装置H304の位置における領域を、空気調和対象領域として指定する。
<実施の形態3の効果>
以上のように、実施の形態3の空気調和機制御装置1によれば、端末利用状態判定部114は、端末情報取得部115が取得した端末情報のデータD7から端末装置の位置を判定する。対象領域指定部103は、端末装置の位置のデータに基づいて、空気調和対象領域を指定する。このため、空気調和対象空間内の居住者に対して、空気調和機2から空調空気を、より正確に送ることができる。したがって、快適性の向上をはかることができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。図15において、図2と同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1で説明したことと同様の処理などを行う。実施の形態4の空気調和機制御装置1は、係数決定部116を有する。係数決定部116は、連成最適化実行部106の目的関数計算部107が計算に利用する係数を決定する。係数決定部116が決定する係数は、実施の形態1において説明したように、たとえば、式(6)の係数ω並びに式(7)の係数αおよび係数βなどである。実施の形態1の目的関数計算部107は、係数にあらかじめ設定された値を用いていた。実施の形態4の目的関数計算部107は、係数決定部116が決定した係数を用いて計算する。
図16は、実施の形態4に係る係数ωの決定に係る処理の一例を説明する図である。図16のフローチャートに基づいて、係数ωの決定について説明する。まず、ステップST1600において、係数決定部116は、式(6)が示す目的関数において重みとなる係数ωを仮決定する。ここでは、仮に1などとする。次に、ステップST1601において、連成最適化実行部106の目的関数計算部107は、式(7)および式(8)に基づいて、空気調和対象空間内の温熱環境に関する温熱環境目的関数Jおよび空気調和機器の消費電力量に関する電力目的関数Jを計算する。さらに、連成最適化実行部106の目的関数計算部107は、式(6)に基づいて、係数決定部116が決定した係数ωで重み付けて合算した目的関数Joptを求める。
次に、ステップST1602において、連成最適化実行部106は、計算した目的関数Joptに基づいて最適解を導出する。そして、ステップST1603において、連成最適化実行部106は、得られた最適解における空気調和対象空間内についての温熱環境に関する温熱環境目的関数Jと温熱環境目的関数Jに関する上限の制約とを比較する。ステップST1604において、連成最適化実行部106は、制約を満足するかどうかを判定する。ステップST1605において、連成最適化実行部106は、制約を満足すると判定すると、係数決定部116が決定した係数ωによる最適解をそのまま利用する。一方、連成最適化実行部106は、制約を満たさないと判定すると、ステップST1600に戻って、係数ωの決定処理を行う。ここで、ステップST1600においては、係数決定部116は、係数ωを、0より大きいまたは等しい範囲で、現在の係数の値よりも小さくした値にして、再度、最適解を求める。これを、温熱環境目的関数Jが、制約を満足すると判定するまで繰り返す。
図17は、実施の形態4に係る係数αおよび係数βの決定に係る処理の一例を説明する図である。図17のフローチャートに基づいて、係数αおよび係数βの決定について説明する。まず、ステップST1700において、係数決定部116は、空気調和対象空間内の温熱環境に関する温熱環境目的関数Jにおける各項の重みである係数αと係数βとを仮決定する。ここでは、仮にそれぞれ1などとする。次に、ステップST1701において、連成最適化実行部106の目的関数計算部107は、式(7)および式(8)に基づいて、空気調和対象空間内の温熱環境に関する温熱環境目的関数Jおよび空気調和機器の消費電力量に関する電力目的関数Jを計算する。さらに、連成最適化実行部106の目的関数計算部107は、式(6)に基づいて、係数決定部116が決定した係数ωで重み付けを行って目的関数Joptを算出する。
次に、ステップST1702において、連成最適化実行部106は、計算した目的関数Joptに基づいて最適解を導出する。そして、ステップST1703において、連成最適化実行部106は、得られた最適解における空気調和対象空間内についての温熱環境に関する温熱環境目的関数Jの各項の制約である風速の偏差および温度の偏差の制約と、それらの上限の制約とを比較する。連成最適化実行部106は、制約を満足すると判定すると、ステップST1705において、係数決定部116が決定した係数αおよび係数βを利用した最適解をそのまま利用する。一方、連成最適化実行部106は、制約を満たさないと判定すると、ステップST1700に戻る。ステップST1700においては、係数決定部116は、係数αと係数βとを、後述する図18のように決定する。そして、決定された係数αと係数βとで、再度、最適解を求める。これを、温熱環境に関する目的関数の各項が、制約を満足すると判定するまで繰り返す。
図18は、実施の形態4に係る係数決定部116が行う処理の一例を説明する図である。係数決定部116は、図18に示すフローチャートに基づく処理を行い、係数αおよび係数βを決定する。ステップST1800において、係数決定部116は、係数αおよび係数βを選択する。ここでは、仮にそれぞれ1などとする。ステップST1801において、係数決定部116は、温熱環境に関する温熱環境目的関数Jの風速偏差に関する項が制約を満たしているかどうかを判定する。風速偏差に関する項が制約を満足しないと判定すると、ステップST1804において、係数決定部116は、係数βを、現在の値よりも大きく設定し、ステップST1801に戻り、再度判定を行う。
一方、風速偏差に関する項が制約を満たすと判定すると、ステップST1802において、係数決定部116は、さらに、温熱環境に関する温熱環境目的関数Jの温度偏差に関する項が制約を満たしているかどうかを判定する。温度偏差に関する項が制約を満足しないと判定すると、ステップST1805において、係数決定部116は、係数αを、現在の値よりも大きく設定し、ステップST1802に戻り、再度判定を行う。温度偏差に関する項が制約を満たすと判定すると、ステップST1803において、係数決定部116は、係数αと係数βとを決定する。
<実施の形態4の効果>
以上のように、実施の形態4の空気調和機制御装置1によれば、係数決定部116が、空気調和対象空間内の温熱環境に関する温熱環境目的関数Jを満たす係数ωを決定する。このため、快適性の制約は満たしつつ、さらに省エネルギーをはかることができる最適解をえることができる。また、係数決定部116が、空気調和対象空間内の温熱環境に関する温熱環境目的関数Jの各項の制約を満たすように係数αおよび係数βを決定する。したがって、風速偏差および温度偏差を考慮した解を選ぶことができる。
実施の形態5.
図19は、実施の形態5に係る空気調和機制御装置1の構成例を示す図である。図19において、図2と同じ符号を付している機器などについては、実施の形態1で説明したことと同様の処理などを行う。実施の形態5の空気調和機制御装置1は、スカラモデル構築部117を有する。スカラモデル構築部117は、空気調和対象空間内のパッシブスカラ分布について計算を行う。パッシブスカラとは、濃度など、流体の流れに影響を与えずに、流れに乗って運ばれて分布するもの、物理量などである。式(17)は、スカラ方程式の例を表す。ここで、cは、パッシブスカラの濃度である。また、Dcは、拡散係数である。そして、dは、パッシブスカラの発生項である。
Figure 0007038916000017
また、式(18)は、スカラモデル構築部117がスカラモデルによるスカラ分布を構築した場合における目的関数の例を表す。ここで、Jは、スカラモデルに基づく目的関数(以下、パッシブスカラ目的関数という)である。また、γは、温熱環境目的関数J、電力目的関数Jおよびパッシブスカラ目的関数Jとの間でバランスを調整する係数である。係数γは、あらかじめ設定した値でもよいし、実施の形態4で説明した係数決定部116が決定してもよい。
Figure 0007038916000018
そして、式(19)は、パッシブスカラ目的関数Jの定義式である。
Figure 0007038916000019
図20は、実施の形態5に係る連成最適化実行部106などの処理の一例を説明する図である。図20のフローチャートに基づいて、説明する。まず、ステップST2000において、気流側モデル構築部102は、構築した気流側モデルでCFDシミュレーションを行う。また、ステップST2001において、スカラモデル構築部117は、構築したスカラモデルを利用してスカラ分布を計算する。ステップST2002において、目的関数計算部107は、あらかじめ設定した目的関数について、その値を導出する。ステップST2003において、感度導出部108は、感度を導出する。ステップST2004において、連成最適化実行部106は、導出した感度を用いて設計変数を更新する。そして、ステップST2005において、連成最適化実行部106は、収束判定処理を行う。
<実施の形態5の効果>
以上のように、実施の形態5の空気調和機制御装置1によれば、スカラモデル構築部117を備え、スカラモデルを構築する。そして、連成最適化実行部106が、パッシブスカラ分布を含めた目的関数を計算することによって、パッシブスカラ分布とみなせる埃、飛沫などの濃度を低くすることができる。そして、空気調和対象空間にいる居住者にとって、快適な空間にすることができる。
1 空気調和機制御装置、2 空気調和機、4 センサ部、5 制御ネットワーク、21 室外機、22 室内機、23 リモートコントローラ、41,42 センサ、100 制御処理装置、101 データ取得部、102 気流側モデル構築部、103 対象領域指定部、104 温度センサ抽出部、105 機器側モデル構築部、106 連成最適化実行部、107 目的関数計算部、108 感度導出部、109 制御目標値決定部、110 空気調和制御指令部、111 成績係数モデル構築部、112 画像取得部、113 人影判定部、114 端末利用状態判定部、115 端末情報取得部、116 係数決定部、117 スカラモデル構築部、120 データ記憶装置、D1 部屋形状データ、D2 機器情報データ、D3 空気温度データ、D4 領域情報データ、D5 空気調和制御指令のデータ、D6 画像データ、D7 端末情報のデータ、H101 画像センサ、H200,H300 室内機、H203 居住者、H204 ウェアラブル端末装置、H304 モバイル端末装置。

Claims (6)

  1. 空気調和対象空間の空気調和を行う空気調和機を制御する空気調和機制御装置であって、
    前記空気調和対象空間に係る温熱環境に関するシミュレーションにおける気流側モデルを構築する気流側モデル構築部と、
    前記空気調和機が有する機器における挙動の制約および前記機器の能力を模擬する機器側モデルを構築する機器側モデル構築部と、
    前記空気調和対象空間における目的関数の値を計算し、前記気流側モデルに係る前記目的関数に対して、前記機器側モデルに基づく前記目的関数の重み付けを行う係数を決定する目的関数計算部および制御変数を変化させた場合の前記目的関数の変動である感度を導出する感度導出部を有し、前記気流側モデルに基づく前記目的関数と前記機器側モデルに基づく前記目的関数とを逆解析手法を用いて最適化し、最適解を計算する連成最適化実行部と、
    前記最適解から前記空気調和機の制御目標値を決定する制御目標値決定部と
    を備える空気調和機制御装置。
  2. 前記空気調和対象空間内において空気調和を行う空気調和対象領域を指定する対象領域指定部と、
    前記空気調和対象空間に設置された複数の温度センサのうち、前記空気調和対象領域の前記温熱環境が反映された温度を検出する前記温度センサを抽出する温度センサ抽出部とを備え、
    前記目的関数計算部は、
    前記空気調和対象空間の前記空気調和対象領域における前記目的関数の値を計算する請求項1に記載の空気調和機制御装置。
  3. 前記空気調和対象空間内にいる人影の位置を検出する人影判定部を備え、
    前記対象領域指定部は、
    前記人影判定部が検出した前記人影の位置を、前記空気調和対象領域に指定する請求項2に記載の空気調和機制御装置。
  4. 前記空気調和対象空間内にある端末装置の位置を検出する端末情報取得部を備え、
    前記対象領域指定部は、
    前記端末情報取得部の取得に係る前記端末装置の位置を、前記空気調和対象領域に指定する請求項2に記載の空気調和機制御装置。
  5. パッシブスカラ分布によるスカラモデルを構築するスカラモデル構築部を備え、
    前記目的関数計算部は、前記スカラモデルを含む前記目的関数の計算を行う請求項1~請求項のいずれか一項に記載の空気調和機制御装置。
  6. 空気調和対象空間の空気調和を行う空気調和機を制御する空気調和機制御装置であって、
    前記空気調和対象空間に係る温熱環境に関するシミュレーションにおける気流側モデルを構築する気流側モデル構築部と、
    前記空気調和機が有する機器における挙動の制約および前記機器の能力を模擬する機器側モデルを構築する機器側モデル構築部と、
    パッシブスカラ分布によるスカラモデルを構築するスカラモデル構築部と、
    前記スカラモデルを含む前記空気調和対象空間における目的関数の値を計算する目的関数計算部および制御変数を変化させた場合の前記目的関数の変動である感度を導出する感度導出部を有し、前記気流側モデルに基づく前記目的関数と前記機器側モデルに基づく前記目的関数とを逆解析手法を用いて最適化し、最適解を計算する連成最適化実行部と、
    前記最適解から前記空気調和機の制御目標値を決定する制御目標値決定部と
    を備える空気調和機制御装置。
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