JP7223600B2 - 断熱部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の内装部品などに用いられる断熱部材に関する。
自動車の環境対応、自動運転化の進展に伴い、従来のガソリン車に対し、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車といった電動車の比率が増加してきている。これらの車にはパワートレイン駆動用のバッテリが搭載されており、特に電力のみをエネルギー源として使用する電気自動車においては、電力消費率(電費)を向上させて、走行距離を延ばすことが求められる。現状では、電気自動車の電池エネルギーのうちの50%程度が空調関連で失われており、電費向上には空調の熱損失が大きな課題である。例えば車室内を暖房した場合、熱エネルギーの多くは天井材、ドアトリムなどの内装部品を暖めるために使われてしまい熱損失が大きい。熱損失を低減するためには、内装部品の断熱性を向上させて熱エネルギーの消費を抑えることが有効である。
特開2013-79073号公報 特表2015-528071号公報 特開2011-162902号公報 国際公開第2016/121757号 特開2018-118488号公報 特開2018-130932号公報
自動車の内装部品には、断熱性、吸音性、意匠性などが要求される。所望の要求を満足するよう、内装部品の多くは樹脂製の基材に表皮材などが積層された積層構造を有する(例えば特許文献1参照)。積層構造の一つとして熱伝導率が小さい断熱層を配置すると、内装部品の断熱性を高めることができる。
断熱層として用いられるシート状の断熱部材としては、特許文献2に、エアロゲル含有粒子およびバインダーの混合物が不織布に含浸されてなる可撓性絶縁体が記載されている。特許文献3には、エアロゲルを担持した不織布の一部がアルミナからなるコーティング層で被覆された断熱材が記載されている。特許文献4には、エアロゲル層と、熱線反射機能または熱線吸収機能を有する支持体と、が積層されたエアロゲル積層体が記載されている。特許文献5には、特許文献4に記載されているエアロゲル積層体に、さらに厚さ0.05~0.6mmの不織布などからなるスペーサ層を積層させたエアロゲル積層複合体が記載されている。特許文献6には、特許文献4に記載されているエアロゲル積層体と、当該エアロゲル積層体のエアロゲル層と支持体との分離を防止する接合部材または接合部と、を備えるエアロゲル積層複合体が記載されている。
これらの断熱部材に用いられているシリカエアロゲルは、シリカ微粒子が連結して骨格をなし、10~50nm程度の大きさの細孔構造を有する多孔質材料である。シリカエアロゲルは、熱伝導率が小さいため、部材の断熱性を高めるのに有用な材料である。しかし、シリカエアロゲルを製造するためには多くの工程、時間を要するため、製造コストが高いという課題がある。例えば、シリカエアロゲルを含む断熱層を形成する場合、その厚さを大きくすることにより断熱性を高めることができる。しかし、その分だけシリカエアロゲルの使用量が多くなり、断熱部材、ひいては内装部品が高価になってしまう。
また、特許文献2に記載されている可撓性絶縁体は、エアロゲルを含んだ混合物(スラリー)を不織布の一面に塗布し、不織布の一面側から当該混合物を含浸させて製造される。この場合、特許文献2の請求項3に記載されているように、エアロゲルを含んだ混合物が不織布の厚さ方向全体に含浸されると、不織布内の空隙が消失する。このため、熱の伝達方法は主に熱伝導になり、断熱性の向上効果は充分とはいえない。加えて、不織布に担持されたエアロゲル粒子は脱落しやすい。このため、特許文献2には、エアロゲル粒子が担持された不織布の表面に、保護層を配置することが記載されている。しかし、特許文献2の段落[0080]に記載されているように、保護層を配置するには、接着剤や機械的手段が必要になるため、部品点数や製造工数が増えコスト高になる。この点、特許文献3に記載されている断熱材も同じであり、同文献の請求項4、段落[0017]に記載されているように、エアロゲル粒子の脱落を抑制するために、コーティング層を形成するためには、所定の塗布液を調製して塗布する必要があるため、製造工数が増えコスト高になる。
また、特許文献4~6に記載されているエアロゲル層は、エアロゲルのゾル塗液を支持体に塗工して形成される。しかし、形成されるエアロゲル層は、バインダー成分を含まないエアロゲル単体で構成されるため、層の柔軟性が低く、支持体との密着性に劣るという問題がある。この点、特許文献6には、エアロゲル層と支持体との分離を防止するピンなどの接合部材を付加することが記載されているが、この手法では、部品点数が多くなる他、製造工数が増えコスト高になることは上述したとおりである。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、コストを抑制しつつ断熱性に優れた断熱部材、およびその製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の断熱部材は、第一断熱層と、該第一断熱層に積層される第二断熱層と、該第二断熱層に積層される熱反射層と、を備え、該第二断熱層は、複数の粒子が連結して骨格をなし、内部に細孔を有し、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する多孔質構造体と、水性バインダーと、を有し、該第一断熱層と該第二断熱層、および該第二断熱層と該熱反射層は、各々、該第二断熱層に含有される該水性バインダーにより接着されることを特徴とする。
(2)本発明の断熱部材の製造方法は、上述した本発明の断熱部材の製造方法であって、前記第一断熱層および前記熱反射層の一方を基層、他方を貼り合わせ層として、該基層に、前記多孔質構造体および前記水性バインダーを有する断熱塗料を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、形成された該塗膜に該貼り合わせ層を重ね合わせてから、該塗膜を硬化させる接着工程と、を有することを特徴とする。
(1)本発明の断熱部材は、第一断熱層および第二断熱層の二つの断熱層を備える。このうち第二断熱層は、多孔質構造体を有する。多孔質構造体の骨格と骨格との間に形成される細孔の大きさは10~50nm程度であり、細孔の多くは、50nm以下のいわゆるメソ孔である。メソ孔は、空気の平均自由行程よりも小さいため、熱の移動が阻害される。これにより、多孔質構造体は優れた断熱効果を発揮する。したがって、第二断熱層は、断熱性に優れる。
さらに第二断熱層は、水性バインダーを有する。水性バインダーは、水を溶媒とするバインダーであり、比較的柔軟である。このため、第二断熱層は柔軟であり、多孔質構造体単体からなる層と比較して、湾曲面などに配置しやすくなるだけでなく、ひび割れ、多孔質構造体の脱落(いわゆる粉落ち)も少ない。水性バインダーは、接着性を有し、第二断熱層に含有される多孔質構造体同士を結合するだけでなく、隣接する層を接着する役割も果たす。すなわち、水性バインダーにより、第二断熱層と、それに隣接する層(第一断熱層および熱反射層)と、が接着される。本発明の断熱部材においては、水性バインダーの作用により隣接する層同士が充分な強度で接着される。このため、本発明の断熱部材によると、隣接する層同士を接着するために、接着剤を用いたり、ピンなどの固定部材を用いる必要はない。したがって、本発明の断熱部材によると、製造工数の低減や、コスト削減を図ることができる。
本発明の断熱部材は、二つの断熱層に加えて熱反射層を備える。熱反射層は、主に熱を反射する役割を果たす。熱の移動現象には、「伝導、対流、放射」の三形態がある。二つの断熱層による断熱性の向上効果は、主に「伝導、対流」によるものである。二つの断熱層に熱反射層を加えると、「伝導、対流」に加えて「放射」の効果も利用することができ、断熱部材全体としての断熱性がより向上する。例えば、熱源が熱反射層側にある場合、熱源から放射された熱が熱反射層で反射されることにより、断熱部材への熱の伝達を抑制することができる。反対に、熱源が熱反射層とは反対側にある場合、熱源から放射された熱は、第一断熱層および第二断熱層を通過して、主に伝導および対流により熱反射層に到達する。この場合においても、熱反射層に到達した熱は、熱反射層で第二断熱層側に反射される。これにより、熱源から放射される熱の多くを断熱部材により遮断することができる。
このように、本発明の断熱部材によると、コストを抑制しつつ高い断熱性能を実現することができる。例えば、本発明の断熱部材を自動車の内装部品に適用すると、車室内外からの熱の伝達を抑制することができ、内装部品における熱エネルギーの消費を抑制することができる。その結果、空調の熱損失が小さくなり、電費を向上させることができる。
(2)本発明の断熱部材の製造方法においては、第一断熱層および熱反射層の一方に断熱塗料を塗布して塗膜を形成し、形成された塗膜が硬化する前に、他方を該塗膜に重ね合わせる。断熱塗料は、第二断熱層を形成するための材料であり、水に水性バインダーが溶解または分散したバインダー液に、多孔質構造体が分散している塗料である。断熱塗料を乾燥して硬化させると第二断熱層になる。よって、第一断熱層と熱反射層との間に断熱塗料の塗膜を挟んだ状態で当該塗膜を硬化させることにより、第一断熱層、第二断熱層、熱反射層が水性バインダーにより接着された積層体を製造することができる。すなわち、本発明の製造方法によると、断熱性に優れた断熱部材を、容易に比較的低コストで製造することができる。
第一実施形態のドアトリムの一部断面図である。 同ドアトリムの断熱部材における夏場の熱の移動現象を示す模式図である。 同ドアトリムの断熱部材における冬場の熱の移動現象を示す模式図である。 第二実施形態のドアトリムの一部断面図である。 熱反射層であるアルミ蒸着フィルムの反射率の測定結果を示すグラフである。 三点曲げ試験で得られた曲げひずみと曲げ応力の測定結果を示すグラフである。 カーエアコンを暖房運転した時の車室内の温度変化を示すグラフである。 カーエアコンを暖房運転した時のドアの各部分の温度変化を示すグラフである。
以下、本発明の断熱部材およびその製造方法の実施の形態について説明する。まず、第一、第二実施形態として、本発明の断熱部材を自動車のドアトリム(内装部品)に使用した形態を説明する。
<第一実施形態>
[構成]
まず、本実施形態のドアトリムの構成を説明する。図1に、本実施形態のドアトリムの一部断面図を示す。以下の図1~図3においては、部材の積層方向を表裏方向と定義する。表側は車室内側に、裏側は車室外側に対応する。図1に示すように、ドアトリム1は、基材10と断熱部材20と表皮材30とを備えている。
基材10は、ポリプロピレン製である。断熱部材20は、表側から順に第一断熱層21、第二断熱層22、熱反射層23が積層された積層体からなる。
第一断熱層21は、不織布からなる。第一断熱層21の厚さは1.0mmである。第二断熱層22は、多孔質構造体と、水性バインダーとしてのウレタン樹脂と、多糖類としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)と、を有している。多孔質構造体は、複数のシリカ粒子が連結して骨格をなし内部に細孔を有するシリカエアロゲルである。シリカエアロゲルは、表面および内部に疎水部位を有している。第二断熱層22の厚さは0.5mmである。第二断熱層22中のウレタン樹脂(水性バインダー)の含有量は、第二断熱層22の全体を100体積%とした場合の14.6体積%である。第一断熱層21と第二断熱層22とは、第二断熱層22に含有されるウレタン樹脂により接着されている。第二断熱層22の一部は、第一断熱層21の裏面近傍に含浸している。第一断熱層21における第二断熱層22の含浸深さは0.1mmである。
熱反射層23は、アルミ蒸着フィルムからなる。アルミ蒸着フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの表面にアルミニウムが蒸着され、さらにその蒸着面がポリエチレン(PE)樹脂でコーティングされてなる。すなわち、熱反射層23は、PETフィルムからなる樹脂層と、アルミニウムからなる金属層と、PE樹脂からなる樹脂層とが積層された積層体である。熱反射層23の厚さは0.05mmである。熱反射層23の反射率は、入射光の波長が780nm以上2500nm以下の領域で80%以上である。熱反射層23と第二断熱層22とは、第二断熱層22に含有されるウレタン樹脂(水性バインダー)により接着されている。第二断熱層22には、熱反射層23のPETフィルム側が接着されている。
表皮材30は、断熱部材20の表面を被覆している。表皮材30の表面は、車室内に表出する意匠面である。表皮材30は、断熱部材20側から、基布とウレタンフィルム層とが積層された積層体からなる。
[製造方法]
次に、本実施形態のドアトリムの製造方法を説明する。まず、水性バインダーとしてのウレタン樹脂エマルジョン、シリカエアロゲル、CMCを有する断熱塗料を調製した。次に、調製した断熱塗料を、第一断熱層21としての不織布の一面に塗布して塗膜を形成した(塗布工程)。続いて、形成した塗膜の表面に、熱反射層23としてのアルミ蒸着フィルムを加圧しながら重ね合わせた。そして、得られた積層体を100℃下で20分間乾燥し、塗膜を硬化させて第二断熱層22とすると共に、第一断熱層21と第二断熱層22、第二断熱層22と熱反射層23が各々接着されてなる断熱部材20を製造した(接着工程)。本実施形態においては、第一断熱層21が基層、熱反射層23が貼り合わせ層に相当する。それから、基材10の表面に断熱部材20を接着剤を用いて接着し、さらに断熱部材20の表面に表皮材30を接着剤を用いて接着して、ドアトリム1を製造した。
[作用効果]
次に、本実施形態のドアトリムの作用効果について説明する。本実施形態の断熱部材20を構成する第二断熱層22は、多孔質構造体および水性バインダーを有する。このため、柔軟で断熱性に優れる。そして、水性バインダーの作用により、第一断熱層21、第二断熱層22、熱反射層23が接着される。このため、断熱部材20においては、隣接する層同士を接着するために、接着剤を用いたり、ピンなどの固定部材を用いる必要はない。したがって、断熱部材20、ひいてはドアトリム1の製造に要する工数の低減や、コスト削減を図ることができる。
また、第二断熱層22は、多糖類を有する。後に詳しく説明するが、断熱塗料に多糖類を配合すると、断熱塗料の粘性が高くなると共に、多糖類が保護コロイドのような状態を作ることにより、バインダー液から多孔質構造体が分離しにくくなる。これにより、多孔質構造体の分散性が向上し、断熱塗料中に多孔質構造体を安定して保持させることができる。また、断熱塗料の粘性が高くなると液だれしにくくなるため、基材への塗布が容易になる。
また、第二断熱層22は、第一断熱層21の裏面近傍、すなわち第二断熱層22に接する表層部のみに含浸している。よって、第一断熱層21の空隙の多くは、第二断熱層22の材料で埋められることなく残存し、対流による熱伝達が確保される。
断熱部材20は、二つの断熱層21、22に加えて熱反射層23を備える。これにより、「伝導、対流」に加えて「放射」の効果も利用することができるため、断熱部材20全体としての断熱性が高くなる。
図2Aに、断熱部材20における夏場の熱の移動現象を模式的に示す。図2Bに、断熱部材20における冬場の熱の移動現象を模式的に示す。図2A、図2Bにおいては、説明の便宜上、基材10および表皮材30を省略して点線で示す。
夏場においては、外部の熱をできるだけ遮断して車室内の温度を低く維持することを目的にして、熱の移動現象を示している。図2Aに黒色矢印で示すように、夏場は、熱源が車室外(基材10側)にある。この場合、熱源から放射された熱の一部は、熱反射層23で反射される。これにより、断熱部材20に伝達される熱量を小さくすることができる。反射されずに熱反射層23を通過した熱量は、第二断熱層22、第一断熱層21を対流および伝導により通過する際の熱抵抗により、さらに小さくなる。このようにして、外部から放射される熱の多くを断熱部材20により遮断することができる。
冬場においては、暖房などによる車室内の熱をできるだけ外部に漏らさないことを目的にして、熱の移動現象を示している。図2Bに黒色矢印で示すように、冬場は、熱源が車室内(表皮材30側)にある。この場合、熱源から放射された熱は、第一断熱層21、第二断熱層22に伝わるが、対流および伝導による熱抵抗により、両層を通過する熱量は小さくなる。そして、熱反射層23に到達した熱は、熱反射層23で反射されるため、熱反射層23を通過する熱量はさらに小さくなる。このようにして、車室内の熱の多くを断熱部材により遮断して、車室内に保持することができる。
以上より、断熱部材20によると、コストを抑制しつつ高い断熱性能を実現することができる。したがって、車室内外からの熱の伝達を抑制することができ、ドアトリム1における熱エネルギーの消費を抑制することができる。その結果、空調の熱損失が小さくなり、電費を向上させることができる。
<第二実施形態>
本実施形態のドアトリムと第一実施形態のドアトリムとの相違点は、第二断熱層を第一断熱層の表裏両側に配置した点である。ここでは、相違点を中心に説明する。図3に、本実施形態のドアトリムの一部断面図を示す。図3中、図1と対応する部材については同じ符号で示す。
図3に示すように、ドアトリム11は、基材10と断熱部材40と表皮材30とを備えている。断熱部材40は、表側から順に第二断熱層24、第一断熱層21、第二断熱層22、熱反射層23が積層された積層体からなる。第二断熱層24の材質、厚さは、第二断熱層22のそれと同じである。第二断熱層24は、第一断熱層21の表面に接着されている。すなわち、第一断熱層21と第二断熱層24とは、第二断熱層24に含有されるウレタン樹脂により接着されている。第二断熱層24の一部は、第一断熱層21の表面近傍に含浸している。第一断熱層21における第二断熱層24の含浸深さは0.1mmである。
ドアトリム11の製造方法は以下のとおりである。まず、第一実施形態と同様にして、第一断熱層21と第二断熱層22、第二断熱層22と熱反射層23が各々接着されてなる断熱部材20を製造した後、断熱塗料を第一断熱層21の表面に塗布して塗膜を形成した。次に、塗膜を100℃下で20分間乾燥して硬化させ、第二断熱層24とすると共に、第一断熱層21と第二断熱層24とを接着した。このようにして、断熱部材40を製造した後、第一実施形態と同様にして、接着剤を用いて基材10、表皮材30を断熱部材40に接着した。
本実施形態のドアトリム11は、構成が共通する部分については、第一実施形態のドアトリム1と同様の作用効果を有する。ドアトリム11においては、断熱部材40の構成部材として第二断熱層24が追加されている。この分だけ熱抵抗が大きくなるため、断熱部材40全体としての断熱性能を高めることができる。
<その他の形態>
以上、本発明の断熱部材およびその製造方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
[断熱部材]
本発明の断熱部材は、第一断熱層と、第二断熱層と、熱反射層と、を備え、第一断熱層と第二断熱層、および第二断熱層と熱反射層は、各々、第二断熱層に含有される水性バインダーにより接着される。
(1)第一断熱層
例えば、自動車の内装部品への適用を考量すると、本発明の断熱部材は、断熱性に加えて吸音性も有するとよい。このような観点から、第一断熱層としては、空隙を有する材料が望ましく、不織布、発泡体などが挙げられる。不織布の場合、その目付量は150g/m以下であることが望ましい。発泡体としては、スラブウレタンなどが挙げられる。第一断熱層の厚さは、断熱性および吸音性の観点から、1mm以上、さらには2mm以上であることが望ましい。
(2)第二断熱層
第二断熱層は第一断熱層に積層されれば、上記第一実施形態のように第一断熱層の片側のみに配置されても、上記第二実施形態のように第一断熱層の両側に配置されてもよい。例えば、第二断熱層が第一断熱層の厚さ方向両側に配置される場合、熱反射層は、そのいずれか一方に積層されればよい。
第二断熱層は、多孔質構造体と、水性バインダーと、を有する。多孔質構造体は、複数の粒子が連結して骨格をなし内部に細孔を有する。骨格をなす粒子(一次粒子)の直径は、2~5nm程度、骨格と骨格との間に形成される細孔の大きさは、10~50nm程度であることが望ましい。細孔の多くは、50nm以下のいわゆるメソ孔である。多孔質構造体の形状は、球状、異形状の塊状など、特に限定されない。多孔質構造体の最大長さを粒子径とした場合、多孔質構造体の平均粒子径は、1~200μm程度が望ましい。多孔質構造体の粒子径が大きいほど、表面積が小さくなり細孔容積が大きくなるため、断熱性を高める効果は大きくなる。例えば、平均粒子径が10μm以上のものが好適である。一方、多孔質構造体をバインダー液に分散させた断熱塗料の安定性、塗工のしやすさ、さらには第二断熱層における多孔質構造体の脱落抑制などを考慮すると、平均粒子径が100μm以下のものが好適である。また、粒子径が異なる二種類以上を併用すると、小径の多孔質構造体が大径の多孔質構造体間の隙間に入りこむため、充填量を多くすることができ、断熱性を高める効果が大きくなる。
多孔質構造体には、表面や内部に親水部位を有する親水性のものと、疎水部位を有する疎水性のものと、がある。このうち、親水性の多孔質構造体は、脆く崩れやすい。また、内部に水分などが浸入して細孔が潰れるおそれがある。したがって、本発明の断熱部材においては、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する疎水性のものを使用する。疎水性の多孔質構造体を用いると、水を溶媒とする水性バインダーを用いた場合に、当該バインダーが多孔質構造体の細孔に浸入しにくいため、断熱性が阻害されにくい。また、多孔質構造体は、表面がシランカップリング剤などで表面処理されたものでもよい。表面処理を施すことにより、多孔質構造体の表面に疎水性などの機能を付与することができる。
多孔質構造体の種類は特に限定されない。一次粒子として、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどが挙げられる。なかでも化学的安定性に優れるという観点から、一次粒子がシリカである、すなわち複数のシリカ粒子が連結して骨格をなすシリカエアロゲルが望ましい。シリカエアロゲルは白色を呈し赤外線を反射する。よって、シリカエアロゲルを用いると、第二断熱層に遮熱効果を付与することができる。
表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有するシリカエアロゲルは、製造過程において、疎水基を付与するなどの疎水化処理を施して製造することができる。少なくとも表面に疎水部位を有すると、水分などの染み込みを抑制することができるため、細孔構造が維持され、断熱性が損なわれにくい。シリカエアロゲルの製造方法は、特に限定されず、乾燥工程を常圧で行ったものでも、超臨界で行ったものでも構わない。例えば、疎水化処理を乾燥工程前に行うと、超臨界で乾燥する必要がなくなる、すなわち常圧で乾燥すればよいため、より容易かつ低コストに製造することができる。シリカエアロゲルは、例えば、特許第5250900号公報に記載されている方法で製造すればよい。
第二断熱層における多孔質構造体の含有量は、第二断熱層の断熱性、柔軟性、機械的強度などを考慮して適宜決定すればよい。例えば、熱伝導率を小さくする(断熱性を高くする)という観点では、多孔質構造体の含有量は、第二断熱層全体の体積を100体積%とした場合の80体積%以上であることが望ましい。85体積%以上であるとより好適である。一方、多孔質構造体が多くなると、その分バインダーの含有量が少なくなるため、多孔質構造体が脱落しやすくなったり、隣接する層間の接着力が低下するおそれがある。このため、多孔質構造体の含有量は、第二断熱層全体の体積を100体積%とした場合の96体積%以下であることが望ましい。
水性バインダーは、水を溶媒としたバインダーであり、多孔質構造体同士、および隣接する層間を結合することができれば特に限定されない。水性バインダーとしては、水溶性のバインダー、エマルジョン状のバインダーがあるが、なかでもエマルジョン状のバインダー(水性エマルジョン系バインダー)が好適である。水性エマルジョン系バインダーは、界面活性剤または親水基の導入により乳化されている。水性エマルジョン系バインダーによると、乾燥時に界面活性剤や親水基が揮発することにより親水性が低下し、水に溶解しにくくなるため、断熱塗料の硬化後にべたつきが生じにくいと考えられる。エマルジョン化する方法としては、界面活性剤を乳化剤として使用した強制乳化型でも、親水基が導入された自己乳化型でも構わない。
バインダー成分は、樹脂でもゴムでもよい。多孔質構造体に対する粘着性が高く、第二断熱層を柔軟にしてひび割れしにくくするという観点から、バインダーのガラス転移温度(Tg)は-5℃以下、さらには-20℃以下であることが望ましい。例えば、水性エマルジョン系バインダーの場合、樹脂エマルジョンでもゴムエマルジョンでもよい。樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂とウレタン樹脂との混合物などが挙げられる。ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどが挙げられる。第二断熱層を柔軟にするという観点から、ウレタン樹脂、スチレンブタジエンゴムなどが好適である。バインダー部分の強度を高めて、第二断熱層の強度を向上させるという観点から、架橋剤などを併用してバインダー成分を架橋させてもよい。
水性バインダーの含有量は、第二断熱層の接着性、断熱性などを考慮して適宜決定すればよい。例えば、接着性を高めるという観点では、水性バインダーの含有量は、第二断熱層全体の体積を100体積%とした場合の4.0体積%以上であることが望ましい。6.0体積%以上、さらには9.0体積%以上であるとより好適である。一方、熱伝導率を小さくする(断熱性を高くする)という観点では、水性バインダーの含有量は、第二断熱層全体の体積を100体積%とした場合の20体積%以下であることが望ましい。15体積%以下であるとより好適である。
例えば、曲面に配置する場合などにおいてもひび割れせずに形状を保持できるという観点から、第二断熱層は柔軟であることが望ましい。第二断熱層の柔軟性を示す指標として、例えば、曲げひずみがある。本明細書において、曲げひずみは、JIS K7171:2016に準じた三点曲げ試験を行い、同JISの9.2に記載されている式(7)より算出された値を採用する。三点曲げ試験における支点間距離は50mm、試験速度は2mm/分とする。第二断熱層の曲げひずみは5%以上、さらには8%以上であることが望ましい。
表面や内部に疎水部位を有する多孔質構造体は、水になじみにくい。なかでもシリカエアロゲルは比重が小さいため、水に浮きやすい。よって、水を溶媒とするバインダー液にシリカエアロゲルを分散させるのは難しく、分散工程に時間を要する。また、断熱塗料を調製しても、シリカエアロゲルが水と分離して浮きやすいという問題がある。また、断熱塗料に圧力を加えると分離するおそれがあり、塗工機による塗工が難しく、連続生産に不向きである。
このような課題を解決するため、本発明の第二断熱層は、多孔質構造体、水性バインダーに加えて、多糖類を有することが望ましい。多糖類は、一種または二種以上の単糖類がグリコシド結合したものであり、高い粘性を有する。水に水性バインダーが溶解または分散したバインダー液に多孔質構造体を添加して断熱塗料を調製する場合、多糖類を配合すると、断熱塗料の粘性が高くなり、バインダー液から多孔質構造体が分離しにくくなる。よって、多孔質構造体の分散性が向上し、断熱塗料中に多孔質構造体を安定して保持させることができる。また、断熱塗料の粘性が高くなると液だれしにくくなるため、断熱塗料を塗布しやすい。多糖類は、分子鎖の絡み合いで増粘することにより多孔質構造体の分離を抑制する。このため、多糖類を配合しても、熱の伝達経路が形成されにくく、断熱性は低下しにくい。
例えば、親水部位と疎水部位の両方を有する多糖類を配合すると、疎水部位が多孔質構造体の疎水部位と選択的に結合し、親水部位が多孔質構造体の周りを囲むように配置されることにより、保護コロイドのような状態になる。この作用によっても、バインダー液と多孔質構造体との分離が抑制されると共に、多孔質構造体の分散性が向上する。これにより、分散に要する時間を短縮することができ、塗料化が容易になる。また、親水部位を有する多糖類は、疎水性の多孔質構造体の細孔に浸入しにくい。
多糖類としては、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、アガロース、カラギナンなどが挙げられる。なかでも主鎖が長く、側鎖がないか短いものは、分子鎖の絡み合いが多くなる。これにより、多孔質構造体の保持性が高くなるため、第二断熱層における多孔質構造体の脱落を抑制することができる。例えば、カルボキシメチルセルロースが好適である。
以上説明したように、第二断熱層は、多孔質構造体、水性バインダーに加えて、架橋剤、多糖類などの他の成分(添加剤)を含んでいてもよい。
断熱性を考慮すると、第二断熱層の厚さは、0.3mm以上、さらには0.5mm以上であることが望ましい。一方、第二断熱層が厚すぎると、コスト高になるだけでなく、強度が低下して脆くなる。よって、第二断熱層断の厚さは、1mm以下、さらには0.7mm以下であることが望ましい。第一断熱層が空隙を有する材料からなる場合には、第二断熱層の一部が第一断熱層に含浸していてもよい。含浸することより、両層の接着性が向上する。但し、含浸深さが大きくなると、第一断熱層内の対流による熱伝達が阻害されるおそれがあることから、含浸深さは第一断熱層の表層部のみ、例えば、0.1mm以上0.5mm以下程度にするとよい。
(3)熱反射層
熱反射層は、第二断熱層に積層される。断熱性を向上させるという観点から、熱反射層の反射率は、入射光の波長が780nm以上2500nm以下の領域(近赤外線領域)で80%以上であることが望ましい。熱反射層の反射率は、(株)島津製作所製、UV-VIS紫外可視分光光度計「Solid Spec-3700」により測定した。測定波長範囲は、300~2500nmとした。
熱反射層の材質は特に限定されないが、所望の反射率を実現するという観点から、金属層を有することが望ましい。好適な金属としては、アルミニウム、アルミニウム化合物、マグネシウム、マグネシウム化合物、ステンレス鋼、銀、チタン、チタン化合物、錫などが挙げられる。金属層の形態は、金属箔、蒸着膜などが挙げられる。後者の場合、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエチレン(PE)などからなる樹脂フィルムの表面に、金属を真空蒸着やスパッタリングにより蒸着すればよい。この場合、熱反射層は、金属層(蒸着膜)と、該金属層に積層される樹脂層(樹脂フィルム)と、を有する形態(いわゆる蒸着フィルム)になる。水性バインダーとの組合せにもよるが、金属層と樹脂層とが積層される形態においては、樹脂層を第二断熱層側に配置するとよい。また、蒸着膜の腐食抑制、保護の観点から、蒸着膜をさらに樹脂層で被覆してもよい。
強度の観点から、熱反射層の厚さは、0.01mm以上、さらには0.02mm以上であることが望ましい。一方、柔軟性の観点から、熱反射層の厚さは、0.05mm以下、さらには0.03mm以下であることが望ましい。
熱反射層は、第二断熱層に含有される水性バインダーにより、第二断熱層に接着される。接着力を大きくして耐久性を確保するという観点から、第二断熱層に対する熱反射層の剥離力は、0.1N/25mm以上であることが望ましい。0.6N/25mm以上、さらには1.0N/25mm以上であるとより好適である。本明細書において、熱反射層の剥離力には、JIS Z0237:2009の「10.4 引きはがし粘着力の測定」に準じて180°剥離試験を行い、剥離長さが25mmから75mmまでの50mm分の剥離力測定値の平均値を採用する。180°剥離試験は、室温下で、引張幅25mm、引張距離80mm以上、引張速度100mm/分の条件で行うものとする。
[断熱部材の製造方法]
本発明の断熱部材の好適な製造方法の一つである本発明の製造方法は、第一断熱層および熱反射層の一方を基層、他方を貼り合わせ層として、塗布工程と、接着工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
(1)塗布工程
本工程は、基層に、多孔質構造体および水性バインダーを有する断熱塗料を塗布して塗膜を形成する工程である。基層は、第一断熱層および熱反射層のどちらでもよい。断熱塗料は、第二断熱層を形成するための材料(多孔質構造体、水性バインダー、多糖類などの添加剤)を、水に分散、溶解して調製すればよい。各々の材料についてはついては先に説明したとおりである。多孔質構造体の分散性などを考慮して多糖類を配合する場合には、水に水性バインダーおよび多糖類を加えて液の粘度を高めてから、多孔質構造体を添加するとよい。
断熱塗料を塗布するには、ブレードコーター、バーコーター、ダイコーター、コンマコーター(登録商標)、ロールコーターなどの塗工機や、スプレーなどを使用すればよい。例えば、ブレードコート法によると、均一な厚さで塗布できるため好適である。基層が布や多孔質な材料からなる第一断熱層である場合には、塗布した断熱塗料の一部が基層の表層部に含浸する。
(2)接着工程
本工程は、前工程で形成された塗膜に貼り合わせ層を重ね合わせてから、該塗膜を硬化させる工程である。貼り合わせ層は、第一断熱層および熱反射層のうち、基層として用いなかった方である。塗膜と貼り合わせ層とを重ね合わせるには、例えば、ロール式ラミネート装置などを用いて、加圧しながら行うとよい。それから、得られた積層体を、80~120℃の温度下で、数分~数十分程乾燥させて、塗膜を硬化すればよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<反射率>
熱反射層として使用するアルミ蒸着フィルム(ケニス(株)製、アルミ蒸着シート、厚さ0.05mm)の反射率を測定した。反射率は、(株)島津製作所製、UV-VIS紫外可視分光光度計「Solid Spec-3700」により測定した。図4に、反射率の測定結果をグラフで示す。図4に示すように、アルミ蒸着フィルムの反射率は、入射光の波長が780nm以上2500nm以下の領域で、80%以上であることが確認された。
<剥離力>
上記第一実施形態の断熱部材において、第二断熱層中の水性バインダーの含有量が異なる四種類のサンプルを製造し、第二断熱層に対する熱反射層の剥離力を測定した。
[サンプルの製造]
(1)実施例1
まず、第二断熱層を形成するための断熱塗料を調製した。水に、水性エマルジョン系バインダーとしてのウレタン樹脂エマルジョン(三洋化成工業(株)製「パーマリン(登録商標)UA-368」、固形分50質量%)と、多糖類としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC:分子量38万)と、を添加して、撹拌羽根で撹拌しながら、表面および内部に疎水部位を有するシリカエアロゲル(平均粒子径90μm、中心細孔径30nm、密度0.11g/cm)を添加した。断熱塗料中のウレタン樹脂エマルジョン、CMC、シリカエアロゲルの含有割合は、順に、14.00質量%、0.32質量%、10.62質量%とした。シリカエアロゲルについては、特許第5250900号公報の段落[0102]~[0106]に記載されている方法に従って、次のようにして製造した。
まず、酢酸水溶液に界面活性剤および尿素を添加して溶解した。次に、メチルトリメトキシシラン(MTMS)を撹拌しながら添加した。この時のモル比は、MTMS:水:酢酸:尿素=1:15.9:0.0860(5mM):1.43とした。続いて、この混合溶液を室温で30分撹拌した後、密閉容器に入れ、60℃下で3日間静置して、ゲル化と熟成を行った。その後、得られた湿潤ゲルをメタノールに60℃下で8時間浸して洗浄した。洗浄は合計3回行った。続いて、洗浄した湿潤ゲルをヘキサンに55℃下で8時間浸して溶媒交換した。溶媒交換は合計2回行った。それから、溶媒交換した湿潤ゲルを空気中で一晩風乾し、100℃のオーブンで重量変化がなくなるまで乾燥した。このようにして、表面および内部に疎水部位を有するシリカエアロゲルを得た。得られたシリカエアロゲルは、粉砕機で粒子径が90μm程度になるまで粉砕して使用した。
次に、調製した断熱塗料を、第一断熱層としての不織布(目付量65g/m、厚さ1.0mm)の表面にブレードコート法により塗布して塗膜を形成した(塗布工程)。続いて、ロール式ラミネート装置を用いて、不織布の塗膜の表面に、熱反射層としてのアルミ蒸着フィルム(同上)を加圧しながら重ね合わせた。そして、得られた積層体を100℃下で20分間乾燥し、塗膜を硬化させて、第一断熱層/第二断熱層/熱反射層の三層からなる断熱部材を製造した(接着工程)。第二断熱層の厚さは0.5mm、第一断熱層への含浸深さは0.1mm、断熱部材全体の厚さは1.45mmである。このようにして製造された断熱部材を、実施例1の断熱部材と称す。実施例1の断熱部材の第二断熱層におけるシリカエアロゲルの含有量は95体積%、水性バインダーの含有量は4.2体積%である。
(2)実施例2~4
ウレタン樹脂エマルジョン(水性バインダー)の配合量を変更した点以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2~4の断熱部材を製造した。製造した断熱部材における水性バインダーおよびシリカエアロゲルの含有量は、後出の表1にまとめて示す。
[剥離試験]
JIS Z0237:2009の「10.4 引きはがし粘着力の測定」に準じて180°剥離試験を行い、第二断熱層に対する熱反射層(アルミ蒸着フィルム)の剥離力を測定した。180°剥離試験は、室温下で、引張幅25mm、引張距離80mm以上、引張速度100mm/分の条件で行った。剥離開始から25mmまでの測定値を無視し、その後の長さ50mm分の測定値を平均して平均剥離力を算出した。そして、平均剥離力が0.1N/25mm以上であり、目視観察においてもバインダーが凝集破壊した場合を接着性良好(表1中、〇印で示す)、平均剥離力は0.1N/25mm以上であるが、目視観察において部分的に剥がれが見られた場合を接着性やや不良(同表中、△印で示す)、平均剥離力が0.1N/25mm未満で、目視観察においてもほとんど接着しなかった場合を接着性不良、と評価した。
表1に、各断熱部材における水性バインダーおよびシリカエアロゲルの含有量、平均剥離力、接着性の評価をまとめて示す。
Figure 0007223600000001
表1に示すように、熱反射層の平均剥離力は、水性バインダーの含有量が増加するに従って大きくなり、接着性が向上することが確認された。なお、実施例1~4の断熱部材は、いずれも本発明の断熱部材の概念に含まれる。
<曲げひずみ>
剥離力を評価するために製造した実施例1の断熱部材における第二断熱層(シリカエアロゲルの含有量95体積%、水性バインダーの含有量4.2体積%)と同じ材質のサンプルと、シリカエアロゲルのみから製造したサンプルと、について曲げひずみを測定した。
[サンプルの製造]
上述した実施例1の第二断熱層を製造するために用いた断熱塗料を、成形型(金属枠)内に注入し、100℃の温度下で30分間乾燥した。得られたシートを後述するサンプルサイズにカットして、バインダー有りのサンプルとした。一方、同じシリカエアロゲルの単体ブロックを同じサンプルサイズにカットして、バインダー無しのサンプルとした。サンプルの大きさは、幅20mm、長さ80mm、厚さ10mmの長方形シート状とした。
[曲げ試験]
JIS K7171:2016に準じて三点曲げ試験を行い、同JISの9.2に記載されている式(7)より、二つのサンプルの曲げひずみを算出した。支点間距離は50mm、試験速度は2mm/分とした。図5に、三点曲げ試験で得られた曲げひずみと曲げ応力の測定結果をグラフで示す。図5に示すように、バインダー有りのサンプル(実施例1の第二断熱層)の曲げひずみは、バインダー無しのサンプル(シリカエアロゲル単体)のそれの3倍近くになった。これにより、本発明における水性バインダーを含有する第二断熱層は、柔軟で大きな曲げひずみにも耐えられることが確認された。
<断熱性>
実施例1の断熱部材を実際の自動車に使用して、冬場のエアコン効率に当該断熱部材がどの程度寄与するのかを調べた。
[実験方法]
剥離力を評価するために製造した実施例1の断熱部材を、自動車のドアトリムに使用して、カーエアコンを暖房運転した時の車室内などの温度変化を測定した。実施例1の断熱部材は、運転席横のドアトリムの表皮材裏に配置した。まず、車室内と車室外の温度を共に0℃に設定した。次に、カーエアコンを最大出力で暖房運転し、車室内の温度変化を測定した。車室内の温度は、運転席のヘッドレスト上方にて測定した。同時に、ドアトリムの車室内側表面、ドアトリムが取り付けられているドアのインナーパネルの車室内側表面、およびアウターパネルの車室外側表面の温度を測定した。
[実験結果]
図6に、車室内の温度変化のグラフを示す。図6中、実線は断熱部材有り、点線は断熱部材無しの結果を示す。図6に示すように、本発明の断熱部材を使用すると、車室内の温度が20℃に到達するまでの時間が、約2.5分短縮された。すなわち、本発明の断熱部材を用いると、その断熱効果によりエアコン効率が高くなることが確認された。
図7に、ドアの各部分の温度変化のグラフを示す。図7中、実線は断熱部材有り、点線は断熱部材無しの結果を示す。図7に示すように、ドアトリムの車室内側表面の温度は、断熱部材を使用した方が高くなった。反対に、断熱部材の外側に配置されているインナーパネルの車室内側表面の温度は、断熱部材を使用した方が低くなった。これらの結果から、断熱部材を使用すると、暖房による車室内の熱が車室外に逃げにくくなること、および車室外の冷気を通しにくいことがわかる。また、断熱部材を使用した方が、ドアトリムの車室内側表面と、インナーパネルの車室内側表面と、の温度差が大きくなった。この結果から、断熱部材の断熱効果が大きいことがわかる。
本発明の断熱部材は、ドアトリム、天井材、インストルメントパネル、コンソールボックス、アームレストなどの自動車用内装部品、住宅用断熱部材、家電用断熱部材、電子部品用断熱部材、保温保冷容器用断熱部材などに好適である。
1、11:ドアトリム、10:基材、20、40:断熱部材、21:第一断熱層、22、24:第二断熱層、23:熱反射層、30:表皮材。

Claims (14)

  1. 第一断熱層と、
    該第一断熱層に積層される第二断熱層と、
    該第二断熱層に積層される熱反射層と、を備え、
    該第二断熱層は、複数の粒子が連結して骨格をなし、内部に細孔を有し、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する多孔質構造体と、水性バインダーと、を有し、
    該第二断熱層中の該水性バインダーの含有量は、該第二断熱層の全体を100体積%とした場合の4.0体積%以上20体積%以下であり、
    該第一断熱層と該第二断熱層、および該第二断熱層と該熱反射層は、各々、該第二断熱層に含有される該水性バインダーにより接着されることを特徴とする断熱部材。
  2. 第一断熱層と、
    該第一断熱層に積層される第二断熱層と、
    該第二断熱層に積層される熱反射層と、を備え、
    該第二断熱層は、複数の粒子が連結して骨格をなし、内部に細孔を有し、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する多孔質構造体と、水性バインダーと、を有し、
    該第二断熱層の曲げひずみは5%以上であり、
    該第一断熱層と該第二断熱層、および該第二断熱層と該熱反射層は、各々、該第二断熱層に含有される該水性バインダーにより接着されることを特徴とする断熱部材。
  3. 第一断熱層と、
    該第一断熱層に積層される第二断熱層と、
    該第二断熱層に積層される熱反射層と、を備え、
    該第二断熱層は、複数の粒子が連結して骨格をなし、内部に細孔を有し、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する多孔質構造体と、水性バインダーと、を有し、
    該第一断熱層と該第二断熱層、および該第二断熱層と該熱反射層は、各々、該第二断熱層に含有される該水性バインダーにより接着され、該第二断熱層に対する該熱反射層の剥離力は0.1N/25mm以上であることを特徴とする断熱部材。
  4. 第一断熱層と、
    該第一断熱層の厚さ方向両側に積層される二つの第二断熱層と、
    該第二断熱層の一方に積層される熱反射層と、を備え、
    該第二断熱層は、複数の粒子が連結して骨格をなし、内部に細孔を有し、表面および内部のうち少なくとも表面に疎水部位を有する多孔質構造体と、水性バインダーと、を有し、
    該第一断熱層と該第二断熱層、および該第二断熱層と該熱反射層は、各々、該第二断熱層に含有される該水性バインダーにより接着されることを特徴とする断熱部材。
  5. 前記熱反射層の反射率は、入射光の波長が780nm以上2500nm以下の領域で80%以上である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の断熱部材。
  6. 前記水性バインダーは、バインダー成分として樹脂またはゴムを有するエマルジョン状のバインダーである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の断熱部材。
  7. 前記第二断熱層は、さらに多糖類を有する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の断熱部材。
  8. 前記熱反射層は、金属層を有する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の断熱部材。
  9. 前記熱反射層は、前記金属層に積層される樹脂層を有する請求項8に記載の断熱部材。
  10. 前記熱反射層の前記樹脂層が前記第二断熱層に接着される請求項9に記載の断熱部材。
  11. 前記第一断熱層は、不織布または発泡体からなる請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の断熱部材。
  12. 前記多孔質構造体は、複数のシリカ粒子が連結して骨格をなすシリカエアロゲルである請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の断熱部材。
  13. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の断熱部材の製造方法であって、
    前記第一断熱層および前記熱反射層の一方を基層、他方を貼り合わせ層として、
    該基層に、前記多孔質構造体および前記水性バインダーを有する断熱塗料を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
    形成された該塗膜に該貼り合わせ層を重ね合わせてから、該塗膜を硬化させる接着工程と、
    を有することを特徴とする断熱部材の製造方法。
  14. 請求項4に記載の断熱部材の製造方法であって、
    前記第一断熱層および前記熱反射層の一方を基層、他方を貼り合わせ層として、
    該基層に、前記多孔質構造体および前記水性バインダーを有する断熱塗料を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、
    形成された該塗膜に該貼り合わせ層を重ね合わせてから、該塗膜を硬化させることにより、該第一断熱層、前記第二断熱層、および該熱反射層が積層された積層体を製造する工程と、
    該第一断熱層において該熱反射層が積層されている側とは反対側に、さらに該断熱塗料を塗布して塗膜を形成し、該塗膜を硬化させる工程と、
    を有することを特徴とする断熱部材の製造方法。
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