JP7222829B2 - 巻線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、素線をスプールに巻回してコイルを製造する巻線装置に関する。
スプール或いはボビンと称される巻枠に、素線例えば銅線を高速で巻回して巻き数の大きいコイルを製造する巻線装置が知られている。この種の巻線装置は、大きく分けて、巻取機構と、その巻取機構に対して素線を供給する供給機構とを備えて構成される。巻取機構は、スプールがセットされるスピンドルを高速回転させる巻取モータ、素線供給ノズルを前記サーボモータの回転に同期して軸方向に往復移動させる往復移動機構等から構成される。また、供給機構は、素線が巻回されているドラムから素線を送り出す送りローラを回転駆動する送出モータ、素線供給ノズルに供給される素線のテンションを調整するテンション装置等から構成される(例えば特許文献1参照)。
特開2011-98807号公報
上記したテンション装置は、素線のテンションに変動に連動して揺動する竿と、この竿を目標角度になるように前記送出モータによる素線の送り出し量を制御する制御部とを備えている。この場合、送出モータによる素線の送り出し量が巻取モータにより巻取量に比べて小さいと、素線のテンションが基準よりも大きくなる。そのため、竿が目標角度からテンションの高い側に倒れるようになるので、制御部は、送出モータによる素線の送り出し量を大きくする。逆に、素線のテンションが基準よりも小さくなると、竿がテンションの低い側に倒れるようになるので、制御部は、送出モータによる素線の送り出し量を小さくする。
ところが、特にスピンドルの加速、減速時に、素線のテンション変動が大きくなる事情があり、上記従来の巻線装置では、制御部による送出モータの制御が、素線のテンションの変動に対して良好に追従できなくなる虞があった。素線のテンションが適切なテンションの範囲を超えてしまうと、テンションが大きくなり過ぎて断線が発生したり、テンションが小さくなり過ぎてコイルの巻緩み不良が発生したりする虞があった。それを防止するためには、スピンドルの加速、減速をある程度緩やかに行うようにすれば良いが、それでは、高速で巻線作業を行うという本来の目的から逸脱してしまうことになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、スピンドルの急激な加減速に対しても、素線の送り出しのテンションを良好に追従させることができる巻線装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の巻線装置(11)は、素線(3)をスプール(2)に巻回してコイル(1)を製造するものであって、前記スプールがセットされるスピンドル(17)を巻取モータ(18)により回転させるように構成された巻取機構(15)と、前記スプール部分に前記素線を供給する供給ノズル(20)を有し、該供給ノズルを前記スピンドルの回転と同期して該スピンドルの軸方向に平行に往復移動させる往復移動機構(16)と、前記素線の供給源(23)から送出モータ(28)により該素線を前記供給ノズルに向けて送り出す送出機構(24)と、前記供給ノズルに向けて送り出される前記素線のテンションに応じて前記送出モータを制御するテンション調整機構(25)と、前記巻取機構の巻取モータの回転速度に関する信号に基づいて、前記送出モータによる前記素線の送り出し量を補正する送出量補正部(33)とを備えている。
上記構成によれば、巻取り側では、巻取機構においてスプールがセットされたスピンドルが巻取モータにより回転されると共に、供給ノズルが往復移動機構により前記スピンドルの回転と同期して該スピンドルの軸方向に平行に往復移動される。これにより、供給ノズルから供給された素線がスプールに巻回されコイルが製造される。一方、素線の送り出し側では、送出機構により、素線の供給源から送出モータにより該素線が前記供給ノズルに向けて送り出され、供給ノズルに向けて送り出される素線のテンションに応じて、テンション調整機構により送出モータが制御される。
そして、送出量補正部により、巻取機構の巻取モータの回転速度に関する信号に基づいて、送出モータによる素線の送り出し量が補正される。これにて、巻取機構の制御と、送出機構の制御との間で、制御的なつながりを持たせることができ、例えば巻取モータの加減速時に、送出モータによる素線の送り出し量を速やかに追従させることが可能となる。ひいては、テンション調整の応答性が良好となり、素線のテンションの過剰な変動を未然に防止することができる。この結果、スピンドルの急激な加減速に対しても、素線の送り出しのテンションを良好に追従させることができるという優れた効果を奏する。
第1の実施形態を示すもので、巻線装置の全体構成を概略的に示す図 サーボ制御部の制御ブロックを示す図 第2の実施形態を示すもので、サーボ制御部の制御ブロックを示す図
(1)第1の実施形態
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。本実施形態では、例えば自動車エンジンの点火装置用のイグニッションコイルの二次コイルを製造する場合を具体例としている。図1に一部示すように、二次コイルであるコイル1は、合成樹脂製のスプール2に、素線としての銅線3を巻回して構成される。このとき、スプール2には、6個のスロットが形成され、コイル1は、直列接続された複数例えば6個のセグメントで構成される。銅線3の巻数としては、全体で例えば7000~10000巻とされる。
ここで、銅線3をスプール2に対して自動で巻回する、本実施形態に係る巻線装置11について以下説明する。図1は、本実施形態に係る巻線装置11の全体的な構成を概略的に示している。この巻線装置11は、大きく分けて、銅線3を巻取る巻取部12と、銅線3を巻取部12に送り出す送出部13と、全体を制御するコントローラとしての制御PLC14とを備える。前記巻取部12は、更に、巻取機構15と往復移動機構16とを含んでいる。
そのうち巻取機構15は、前記スプール2がセットされるスピンドル17を備えると共に、そのスピンドル17を高速回転させる巻取モータ18を備えている。前記巻取モータ18はサーボモータからなり、後述するように、前記制御PLC14に設けられたサーボ制御部19(図2参照)により制御される。このとき、巻取モータ18には、ロータリエンコーダ35(図2参照)が設けられている。前記往復移動機構16は、銅線3を供給する供給ノズル20を有すると共に、サーボモータ21及びボールねじ機構22等を有している。この往復移動機構16は、供給ノズル20を前記スピンドル17の回転と同期して該スピンドル17の軸方向に平行即ち図で上下方向に往復移動させるように構成されている。
これにて、巻取部12においては、巻取機構15によってスプール2が回転されながら、供給ノズル20が往復移動機構16によって軸方向に平行に往復移動されることにより、銅線3がスプール2の各スロット内に順に巻回され、コイル1が製造されるようになっている。このとき、スプール2のスロットに銅線3を巻回している際には、巻取モータ18即ちスピンドル17は、例えば30000rpmの高速で回転され、巻回が終ったスロットから次のスロットに銅線3を移動させるいわゆる渡りの部分では、200rpm程度に減速される。
一方、前記送出部13は、銅線供給源23から銅線3を引き出して前記供給ノズル20に向けて送り出す送出機構24と、送り出される銅線3のテンションを調整するテンション調整機構25とを備えている。前記銅線供給源23は、例えば長尺な銅線3をボビンに巻回したものから構成される。前記送出機構24は、銅線供給源23から銅線3を引き出して送るための送りローラ26及び例えば複数のピンチローラ27を備えている。送りローラ26は、サーボモータからなる送出モータ28により回転される。これにて、送出モータ28により送りローラ26が回転することにより、矢印Aで示すように、銅線供給源23から引き出された銅線3が、巻取部12側に送られ、ガイドローラ29を通って前記供給ノズル20に供給される。
前記テンション調整機構25は、銅線3のうち前記送りローラ26とガイドローラ29との間の部分のテンションを検出するために、テンション検出用の竿部材30を備えると共に、その竿部材30の傾斜角度θを検出するポテンショメータ31(図2参照)を備えている。前記竿部材30は、その基端部(図で下端部)が枢支されて矢印B及び矢印C方向に揺動可能に設けられ、先端のローラ30a部分に前記銅線3が掛けられるようになっている。また、竿部材30は、コイルばね32によって、矢印C方向、つまり銅線3のテンションに抗する方向に付勢されている。
そして、テンション調整機構25は、供給ノズル20に向けて送り出される銅線3のテンションに応じて送出モータ28を制御する。即ち、銅線3のテンションが適正値よりも大きくなって、竿部材30の傾斜角度θが目標角度よりも大きくなった場合には、ポテンショメータ31の検出信号に基づいて送出モータ28により銅線3の送り量を大きくしてテンションが下げられる。他方、銅線3のテンションが適正値よりも小さくなって、竿部材30の傾斜角度θが目標角度よりも小さくなった場合には、ポテンショメータ31の検出信号に基づいて送出モータ28により銅線3の送り量を小さくしてテンションが上げられる。
このとき、後述するように、前記送出モータ28は、前記制御PLC14とは別体のマイコンに設けられたサーボ制御部33(図2参照)により制御される。図2に示すように前記送出モータ28には、ロータリエンコーダ36が設けられている。また、サーボ制御部33においては、前記ポテンショメータ31の検出信号、即ち竿部材30の傾斜角度θに応じて、前記送出モータ28に対するフィードバック制御が行われる。
さて、本実施形態の巻線装置11にあっては、図2に示すように、前記送出機構24における前記テンション調整機構25に加えて、送出量補正部34が設けられる。送出量補正部34は、巻取機構15の巻取モータ18の回転速度に関する信号に基づいて、送出モータ28による銅線3の送り出し量を補正する機能を実現する。
具体的には、後の作用説明でも述べるように、送出量補正部34は、巻取モータ18の回転速度に関する信号としての巻取モータ18に対する動作指令信号に基づいて、送出モータ28により送り出されるべき銅線3の線速を計算し、線速の計算結果から送出モータ28の目標値を調整する。このとき本実施形態では、前記巻取機構15側の制御PLC14において前記線速を計算し、その結果に相当する速度信号この場合アナログ信号が、送出モータ28のサーボ制御部33に入力されるようになっている。
図2は、上記した巻取モータ18を制御するサーボ制御部19、及び、前記送出モータ28を制御するサーボ制御部33の制御ブロック構成を示している。これら制御ブロックはソフトウエア的に実現される。まず、サーボ制御部19は、位置制御部37、速度制御部38、トルク制御部39を備えている。それら位置制御部37、速度制御部38、トルク制御部39には、必要な関数即ちフィルタ/ゲインが定められており、演算を行って指令値を出力する。
即ち、位置制御部37は、制御PLC14から与えられた目標位置指令値に基づいて速度指令値を算出し、速度制御部38は、位置制御部37から与えられた速度指令値に基づいてトルク指令値を算出する。トルク制御部39は、速度制御部38から与えられたトルク指令値に基づいてトルクを算出し、電流信号に変換して巻取モータ18を駆動する。このとき、前記ロータリエンコーダ35における検出値が、位置、速度、電流のフィードバック信号として、前記各制御部37、38、39に入力され、フィードバック制御が実行される。
一方、前記サーボ制御部33は、位置制御部40、速度制御部41、トルク制御部42を備えている。やはり、それら位置制御部40、速度制御部41、トルク制御部42には、必要な関数即ちフィルタ/ゲインが定められており、演算を行って指令値を出力する。このとき、同様に、位置制御部40は、与えられた目標位置指令値に基づいて速度指令値を算出し、速度制御部41は、位置制御部40から与えられた速度指令値に基づいてトルク指令値を算出する。トルク制御部42は、速度制御部41から与えられたトルク指令値に基づいてトルクを算出し、電流信号に変換して送出モータ28を駆動する。
このとき、前記ロータリエンコーダ36における検出値が、位置、速度、電流のフィードバック信号として、前記各制御部40、41、42に入力され、フィードバック制御が実行される。更に、前記テンション調整機構25のポテンショメータ31の検出信号が、位置フィードバック信号として、位置制御部40に入力される。従って、送出モータ28の制御には、竿部材30及びポテンショメータ31によるフィードバック制御が併用されるようになっている。
そして、上記巻取モータ18を制御するサーボ制御部19には、線速計算部43が設けられ、サーボ制御部33に対し、この線速計算部43から目標位置指令値が与えられるように構成されている。本実施形態では、この線速計算部43等から前記送出量補正部34が構成される。この線速計算部43には、巻取モータ18の回転速度を銅線3の理論線速に変換する関数が定められている。線速計算部43には、巻取モータ18に対する動作指令信号である前記ロータリエンコーダ35の検出に基づく速度指令信号が入力され、理論線速の計算結果に相当する速度信号としてのアナログ信号が、目標位置指令値としてサーボ制御部33に与えられる。このとき、例えば線速40m/sが電圧4.0Vとなるように電圧換算が行われる。これにより、巻取モータ18の指令速度に応じた、送出モータ28の目標位置指令が与えられるのである。
次に、上記のように構成された巻線装置11の作用について述べる。巻線装置11にあっては、スプール2に銅線3を巻回してコイル1を製造する作業が、以下のようにして行われる。まず、巻取機構15のスピンドル17に、スプール2がセットされると共に、送出機構24から引出された銅線3が供給ノズル20を通され、その銅線3の先端部がスプール2に保持されてセットされる。
巻回の作業が開始されると、巻取部12側では、巻取機構15において、スプール2がセットされたスピンドル17が巻取モータ18により高速回転されると共に、供給ノズル20が往復移動機構16によりスピンドル17の回転と同期して該スピンドル17の軸方向に1スロット分ずつ平行に往復移動される。送出部13側では、送出機構24により、銅線供給源23から送出モータ28により銅線3が前記供給ノズル20に向けて送り出される。これにより、供給ノズル20から供給された銅線3がスプール2に巻回されコイル1が製造される。
この巻線の工程においては、スプール2の1番目のスロットから順に巻回作業が実行されるのであるが、巻回作業が開始されると、巻取モータ18即ちスピンドル17が、目標回転数例えば30000rpmまで加速され、その目標回転数を維持した状態で、当該スロットに対する巻回作業が行われる。1スロット分の巻回作業の終了時には、スピンドル17ひいては巻取モータ18が所定の低速状態例えば200rpmまで減速され、その状態で、次のスロットに銅線を渡す渡りの工程が行われる。渡りの工程が行われると、スピンドル17ひいては巻取モータ18が目標回転数まで加速され、次のスロットに対する巻回の作業が行われる
ここで、上記したスピンドル17ひいては巻取モータ18の加速、減速時等には、供給される銅線3のテンションが変動し、銅線3のテンションが大きくなって断線が発生したり、銅線3のテンションが小さくなって巻緩みが生じたりする虞がある。そこで、そのような銅線3の断線や巻緩みを防止するために、供給ノズル20に向けて送り出される銅線3のテンションに応じて、テンション調整機構25において送出モータ28に対する送り量の制御がなされて、テンションが調整される。このテンションの調整は、ポテンショメータ31により竿部材30の角度θを検出することに基づくフィードバック制御により行われる。
しかしこのとき、巻取モータ18の短時間で急激な加減速が行われると、テンション調整機構25による制御がついていけず、テンション調整が後手に回って、銅線3の断線や巻緩みが発生する虞が依然として残る。これに対し、本実施形態では、テンション調整機構25に加えて、巻取モータ18の回転速度に関する信号に基づいて、送出モータ28による銅線3の送り出し量を補正する送出量補正部34を設けた。これにより、巻取機構15の制御と、送出機構24の制御との間で、制御的なつながりを持たせることができ、巻取モータ18の加減速時に、送出モータ28による銅線3の送り出し量を速やかに追従させることが可能となった。
尚、実際の巻回作業時においては、送出機構24における各ローラの滑り、銅線3の伸び、スプール2における巻線の巻太り、スプール2形状のばらつき等の影響を受けるため、実際に必要な送出モータ28による銅線3の送り出し量を完全に求めることはできない。ところが、それらの要因に基づく誤差分に関しては、テンション調整機構25におけるフィードバック制御を併用することにより十分に対応することが可能となる。
このように本実施形態においては、送出量補正部34を設けたことにより、送出機構24における銅線3のテンション調整の応答性が良好となり、巻取モータ18の急激な加減速時においても銅線3のテンションの過剰な変動を未然に防止することができる。この結果、本実施形態によれば、スピンドル17の急激な加減速に対しても、銅線3の送り出しのテンションを良好に追従させることができ、ひいては、銅線3の切断や巻緩み不良を抑制しつつも、高い能率でコイル1の製造作業を行うことができるという優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、送出量補正部34を、巻取モータ18の回転速度に関する信号としてのサーボ制御部18における速度指令信号に基づいて、送出モータ28によって送り出されるべき銅線3の線速を線速計算部43により計算し、線速の計算結果から送出モータ28の目標位置を調整する構成とした。この場合、制御PLC14側に線速計算部43を設けて銅線3の線速の計算を行うことにより、短時間でより緻密な計算が可能となり、テンション調整を高精度で行うことが可能となった。そして、線速計算部43は、線速の計算結果を換算した電圧値からなる速度信号としてのアナログ信号を、送出モータ28のサーボ制御部33に入力する構成としたので、送出モータ28の制御が容易となってテンション調整を安定して行うことができる。
(2)第2の実施形態、その他の実施形態
図3は、第2の実施形態を示すものである。この第2の実施形態では、巻取装置11のハードウエア的構成などについては、上記第1の実施形態と共通する。従って、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して詳しい説明を省略し、以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に述べる。
図3は、巻取モータ18を制御するサーボ制御部51、及び、送出モータ28を制御するサーボ制御部52の制御ブロック構成を示している。これら制御ブロックはソフトウエア的に実現される。まず、サーボ制御部51は、上記第1の実施形態と同様に、位置制御部37、速度制御部38、トルク制御部39を備えている。このとき、ロータリエンコーダ35における検出信号に基づきフィードバック制御が行われる。
一方、送出モータ28を制御するサーボ制御部52は、やはり上記第1の実施形態と同様に、位置制御部40、速度制御部41、トルク制御部42を備えている。このとき、ロータリエンコーダ36における検出信号に基づいてフィードバック制御が行われる。また、送出モータ28の制御には、テンション調整機構25の竿部材30及びポテンショメータ31によるフィードバック制御が併用されるようになっている。
そして、本実施形態では、前記サーボ制御部52には、巻取モータ18の回転速度に関する信号に基づいて、送出モータ28による銅線3の送り出し量を補正する送出量補正部を構成する目標値計算部53が設けられる。この目標値計算部53には、制御周期例えば250μs毎に、ロータリエンコーダ35の検出に基づく速度指令信号が、アナログ電圧信号からなる回転速度信号として入力される。目標値計算部53には、1周期前の回転速度信号と比較して目標値を計算する関数が定められており、入力信号を1周期前の回転速度信号速度と比較して、加速中か、減速中かの判断、及びその加減速の大きさの傾向を、加減速情報として計算する。そして、目標値計算部53から、計算された加減速情報に応じた補正値が出力され、送出モータ28の目標位置信号に加算される。
このような第2の実施形態においても、テンション調整機構25に加えて、巻取モータ18の回転速度に関する信号に基づいて、送出モータ28による銅線3の送り出し量を補正する送出量補正部としての目標値計算部53を設けた。これにより、巻取機構15の制御と、送出機構24の制御との間で、制御的なつながりを持たせることができ、巻取モータ18の加減速時に、送出モータ28による銅線3の送り出し量を速やかに追従させることが可能となった。
従って、この第2の本実施形態においても、送出量補正部を設けたことにより、送出機構24における銅線3のテンション調整の応答性が良好となり、巻取モータ18の急激な加減速時においても銅線3のテンションの過剰な変動を未然に防止することができる。この結果、スピンドル17の急激な加減速に対しても、銅線3の送り出しのテンションを良好に追従させることができ、ひいては、銅線3の切断や巻緩み不良を抑制しつつも、高い能率でコイル1の製造作業を行うことができるという優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、送出量補正部としての目標値計算部53を、巻取モータ18の回転速度に関する信号としての回転速度信号を取得し、制御周期における1周期前の回転速度信号と比較して加減速の情報を計算し、その加減速情報に基づいて送出モータ28の目標値を補正する構成とした。これにより、巻取モータ18の加減速の傾向に基づいて送出モータ28の目標値を調整することができる。この場合、加減速の傾向を用いることで、テンション調整を応答性良く行うことが可能となる。そして、巻取モータ18の回転速度に比例した電圧値としてのアナログ電圧値を有する回転速度信号を取得し、アナログ電圧値の変動の傾向から加減速情報を求めるようにしたので、計算のためのリソースを節約し、制御のための構成を簡単にしながら、速やかな追従を可能とすることができる。
尚、上記した実施形態では、自動車エンジンの点火装置用のイグニッションコイルを製造する場合を具体例としてあげたが、素線をスプールに巻回してコイルを製造するもの全般に適用することができる。テンション調整装置の具体的な構成としても、竿部材やポテンショメータを用いるものに限らず、様々な変更が可能である。また、通信方式としてアナログ通信に限らず、各種ネットワーク通信を使用して速度信号を伝達しても良い。その他、巻線装置11の全体的なシステム構成や配置、モータに対する制御構成等などについても、種々変更して実施することができる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
図面中、1はコイル、2はスプール、3は銅線(素線)、11は巻線装置、12は巻取部、13は送出部、14は制御PLC、15は巻取機構、16は往復移動機構、17はスピンドル、18は巻取モータ、19、51はサーボ制御部、20は供給ノズル、23は銅線供給源、24は送出機構、25はテンション調整機構、28は送出モータ、30は竿部材、31はポテンショメータ、33、52はサーボ制御部、34は送出量補正部、35、36はロータリエンコーダ、43は線速計算部、53は目標値計算部を示す。

Claims (5)

  1. 素線(3)をスプール(2)に巻回してコイル(1)を製造する巻線装置(11)であって、
    前記スプールがセットされるスピンドル(17)を巻取モータ(18)により回転させるように構成された巻取機構(15)と、
    前記スプール部分に前記素線を供給する供給ノズル(20)を有し、該供給ノズルを前記スピンドルの回転と同期して該スピンドルの軸方向に平行に往復移動させる往復移動機構(16)と、
    前記素線の供給源(23)から送出モータ(28)により該素線を前記供給ノズルに向けて送り出す送出機構(24)と、
    前記供給ノズルに向けて送り出される前記素線のテンションに応じて前記送出モータを制御するテンション調整機構(25)と、
    前記巻取機構の巻取モータの回転速度に関する信号に基づいて、前記送出モータによる前記素線の送り出し量を補正する送出量補正部(33)とを備える巻線装置。
  2. 前記送出量補正部は、前記巻取モータの回転速度に関する信号としての前記巻取モータに対する動作指令信号に基づいて、前記送出モータにより送り出されるべき素線の線速を計算し、線速の計算結果から前記送出モータの目標値を調整する請求項1記載の巻線装置。
  3. 前記送出量補正部は、前記巻取機構側において前記線速を計算し、その結果に相当する速度信号を、前記送出モータのサーボ制御部に入力する請求項2記載の巻線装置。
  4. 前記送出量補正部は、前記巻取モータの回転速度に関する信号としての前記巻取モータの回転速度信号を取得し、制御周期における1周期前の回転速度信号と比較して加減速の情報を計算し、その加減速情報に基づいて前記送出モータの目標値を補正する請求項1記載の巻線装置。
  5. 前記送出量補正部は、前記巻取機構側から前記巻取モータの回転速度に比例した電圧値を有する回転速度信号を取得し、前記電圧値の変動の傾向から加減速情報を求める請求項4記載の巻線装置。
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