JP7221825B2 - トモシンセシス撮影制御装置、トモシンセシス撮影制御装置の作動方法、トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラム - Google Patents

トモシンセシス撮影制御装置、トモシンセシス撮影制御装置の作動方法、トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラム Download PDF

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Description

本開示の技術は、トモシンセシス撮影制御装置、トモシンセシス撮影制御装置の作動方法、トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラムに関する。
被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影が行われている。特許文献1には、1個の放射線管で構成される放射線源を、複数の照射角度に対応する複数の照射可能位置に移動させてトモシンセシス撮影を行う技術が記載されている。
特開2016-135319号公報
断層画像の画質は、照射可能位置のうちの放射線を照射する照射位置を多くしたり、放射線を照射する照射位置同士の間隔を狭めたりすることで向上する。しかしながら、厚み、組織分布といった被写体の状態によっては、照射位置がさほど多くなくても、あるいは照射位置同士の間隔がさほど狭くなくても、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得られる場合がある。このため、照射位置を多くしたり、照射位置同士の間隔を狭めたりして、断層画像の画質を向上させても、被写体の状態によってはオーバースペックになることがある。断層画像の画質がオーバースペックであった場合、本来不必要な放射線の照射に時間が割かれることになる。また、本来不必要な放射線が被写体に照射されることになる。
しかしながら、断層画像の画質がオーバースペックになることを避けるため、逆に照射位置を少なくしたり、照射位置同士の間隔を広げたりすると、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像が得られない場合が生じる。診断に必要なレベルの画質を有する断層画像が得られない場合は、照射位置を多くしたり、照射位置同士の間隔を狭めたりして再撮影を行う必要がある。特許文献1に記載の技術は、前述のように、1個の放射線管で構成される放射線源を移動させる構成であるため、再撮影を行う必要がある場合は撮影が長時間化する。
本開示の技術は、無駄な被曝および撮影の長時間化を避けつつ、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得ることが可能なトモシンセシス撮影制御装置、トモシンセシス撮影制御装置の作動方法、トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示のトモシンセシス撮影制御装置は、被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、放射線管の動作を制御することにより、照射角度に対応して予め設定された照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線を照射させる制御部と、照射位置における放射線の照射によって得られた判定用画像に基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得るために、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定部と、を備える。
断層画像は、照射位置における放射線の照射によって得られた全ての投影画像から生成されることが好ましい。
制御部は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線を追加照射する必要があると判定部において判定した場合、異なる照射可能位置のうちの追加照射位置において放射線を追加照射させ、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線を追加照射する必要がないと判定部において判定した場合、トモシンセシス撮影を終了することが好ましい。
判定部は、少なくとも2箇所の照射位置における放射線の照射によって得られた、少なくとも2枚の投影画像から生成された判定用断層画像を、判定用画像として判定を行うことが好ましい。
判定部は、判定用断層画像の画質評価値と予め設定された画質評価閾値との比較により判定を行うことが好ましい。この場合、画質評価値は、被写体の病変部の値であることが好ましい。
判定部は、判定用断層画像が判定用画像として入力され、入力された判定用断層画像の画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する第1機械学習モデルを用いて判定を行うことが好ましい。
判定部は、判定用断層画像から被写体の病変部の領域を切り出した切り出し画像が判定用画像として入力され、入力された切り出し画像の画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する第2機械学習モデルを用いて判定を行うことが好ましい。
判定用断層画像を表示する制御を行う表示制御部と、判定用断層画像の画質が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示を受け付ける受付部とを備え、判定部は、受付部において受け付けた選択指示に基づいて判定を行うことが好ましい。
画質は粒状度および深さ分解能を含み、判定部は、判定用断層画像の粒状度が診断に必要なレベルであるか否か、および判定用断層画像の深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを個別に判定し、深さ分解能は診断に必要なレベルであるが、粒状度は診断に必要なレベルでない場合と、粒状度は診断に必要なレベルであるが、深さ分解能は診断に必要なレベルでない場合と、粒状度および深さ分解能が診断に必要なレベルでない場合とで、追加照射位置が変更されることが好ましい。
制御部により放射線が照射された照射位置に関する情報が被検者毎に登録された照射位置関連情報テーブルを記憶する制御を行う記憶制御部を備え、照射位置関連情報テーブルに基づいて、初めの照射位置が設定されることが好ましい。
判定部は、少なくとも2箇所の初めの照射位置における放射線の照射によって得られた、少なくとも2枚の投影画像から生成された判定用断層画像が判定用画像として入力され、画質が診断に必要なレベルの断層画像を生成するために放射線の照射が必須の照射位置を出力する第3機械学習モデルを用いて判定を行うことが好ましい。
判定部は、初めの照射位置における放射線の照射によって得られた投影画像が判定用画像として入力され、画質が診断に必要なレベルの断層画像を生成するために放射線の照射が必須の照射位置を出力する第4機械学習モデルを用いて判定を行うことが好ましい。
判定用画像は、放射線検出器から出力された画像と比べて画素が間引かれた画像であることが好ましい。
線対称な照射可能位置、および/または、等間隔な照射可能位置が、一度に照射位置として設定されることが好ましい。
最大の照射角度に対応する照射可能位置が、初めの照射位置として設定されることが好ましい。
前回の照射位置よりも照射角度が狭い照射可能位置が、追加照射位置として設定されることが好ましい。
放射線管は照射可能位置に固定されていることが好ましい。
放射線管は、少なくとも2箇所の照射可能位置の間を移動することが好ましい。
本開示のトモシンセシス撮影制御装置の作動方法は、被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、放射線管の動作を制御することにより、照射角度に対応して予め設定された照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線を照射させる制御ステップと、照射位置における放射線の照射によって得られた判定用画像に基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得るために、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定ステップと、を備える。
本開示のトモシンセシス撮影制御装置の作動プログラムは、被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、放射線管の動作を制御することにより、照射角度に対応して予め設定された照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線を照射させる制御部と、照射位置における放射線の照射によって得られた判定用画像に基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得るために、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定部として、コンピュータを機能させる。
本開示の技術によれば、無駄な被曝および撮影の長時間化を避けつつ、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を得ることが可能なトモシンセシス撮影制御装置、トモシンセシス撮影制御装置の作動方法、トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラムを提供することができる。
乳房撮影装置等を示す図である。 乳房撮影装置の装置本体を示す図である。 放射線管を示す図である。 検出器収容部の部分を示す図である。 CC撮影の様子を示す図である。 MLO撮影の様子を示す図である。 トモシンセシス撮影の様子を示す図である。 トモシンセシス撮影で得られた複数の投影画像から断層画像を生成する様子を示す図である。 制御装置を構成するコンピュータを示すブロック図である。 主に制御装置のCPUの処理部を示すブロック図である。 設定条件を示す図である。 動作設定情報を示す図である。 各回の撮影セットにおける判定用断層画像の生成に用いる投影画像を示す表である 判定部の詳細を示す図である。 判定条件を示す図である。 判定結果情報および動作設定情報の例を示す図である。 判定結果情報および動作設定情報の例を示す図である。 判定結果情報の例を示す図である。 判定結果情報の例を示す図である。 画像表示画面を示す図である。 放射線を照射していない放射線管が存在する旨を通知する通知画面を示す図である。 診断に必要なレベルの画質を有する断層画像を生成できなかった旨を通知する通知画面を示す図である。 制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 設定条件の別の例を示す図である。 判定用断層画像内の病変部が認識されて、病変部情報が出力される様子を概念的に示す図である。 第2実施形態の判定部の詳細を示す図である。 第3実施形態の判定部の詳細を示す図である。 第3実施形態の判定条件を示す図である。 第3実施形態の設定条件を示す図である。 第3実施形態の第1回の撮影セットにおけるバリエーションを示す図であり、図30Aは、判定用断層画像の深さ分解能は診断に必要なレベルであるが、粒状度は診断に必要なレベルでない場合、図30Bは、判定用断層画像の粒状度は診断に必要なレベルであるが、深さ分解能は診断に必要なレベルでない場合、図30Cは、判定用断層画像の粒状度および深さ分解能が診断に必要なレベルでない場合、図30Dは、判定用断層画像の粒状度および深さ分解能が診断に必要なレベルである場合をそれぞれ示す。 第4実施形態の判定部の詳細を示す図である。 第1機械学習モデルの学習フェーズにおける処理を示す図である。 第1機械学習モデルの出力データを示す図であり、図33Aは、判定用断層画像の画質が診断に必要なレベルでない場合、図33Bは、判定用断層画像の画質が診断に必要なレベルである場合をそれぞれ示す。 第4実施形態の判定条件を示す図である。 第5実施形態の判定部の詳細を示す図である。 画質判断選択画面、および第6実施形態の制御装置のCPUの処理部を示す図である。 第6実施形態の判定条件を示す図である。 記憶制御部により、動作設定履歴を動作設定情報テーブルに登録する様子を示す図である。 動作設定情報テーブルに基づいて、初めの照射位置が設定される様子を示す図である。 第8実施形態の判定部の詳細を示す図である。 第3機械学習モデルの学習フェーズにおける処理を示す図である。 第3機械学習モデルの出力データを示す図である。 第8実施形態の判定条件を示す図である。 第8実施形態の設定条件を示す図である。 第8実施形態の第1回の撮影セットにおけるバリエーションを示す図であり、図45Aは、第1回の撮影セットの放射線管に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データにあった場合、図45Bは、第1回の撮影セットの放射線管に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データになかった場合をそれぞれ示す。 第8実施形態の制御装置の処理手順を示すフローチャートである。 第9実施形態の判定部の詳細を示す図である。 第10実施形態の制御装置のCPUの処理部を示す図である。 放射線管が移動される放射線源を示す図である。 放射線管が移動される放射線源の別の例を示す図である。 放射線の焦点が、円弧状に、等間隔で並ぶ設定とされた複数の照射可能位置に、放射線管を配した例を示す図である。 手術用の撮影装置を示す図である。
[第1実施形態]
図1および図2において、乳房撮影装置10は、被検者Hの乳房Mを被写体とする。乳房撮影装置10は、乳房MにX線、γ線といった放射線37(図3等参照)を照射して、乳房Mの放射線画像を撮影する。
乳房撮影装置10は、装置本体11と、本開示の技術に係る「トモシンセシス撮影制御装置」の一例である制御装置12とで構成される。装置本体11は、例えば医療施設の放射線撮影室に設置される。制御装置12は、例えば放射線撮影室の隣室の制御室に設置される。制御装置12は、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。制御装置12は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク13を介して、画像データベース(以下、DB;Data Base)サーバ14と通信可能に接続されている。画像DBサーバ14は、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)サーバであり、乳房撮影装置10から放射線画像を受信し、放射線画像を蓄積管理する。
ネットワーク13には、端末装置15も接続されている。端末装置15は、例えば、放射線画像に基づく診療を行う医師が使用するパーソナルコンピュータである。端末装置15は、画像DBサーバ14から放射線画像を受信し、放射線画像をディスプレイに表示する。
装置本体11は、スタンド20とアーム21とを有する。スタンド20は、放射線撮影室の床面に設置される台座20Aと、台座20Aから高さ方向に延びる支柱20Bとで構成される。アーム21は横から見た形状が略C字状であり、接続部21Aを介して、支柱20Bに接続されている。この接続部21Aにより、アーム21は支柱20Bに対して高さ方向に移動可能で、被検者Hの身長に応じた高さ調節が可能となっている。また、アーム21は、接続部21Aを貫く、支柱20Bに垂直な回転軸回りに回転可能である。
アーム21は、線源収容部22、検出器収容部23、および本体部24で構成される。線源収容部22は放射線源25を収容する。検出器収容部23は放射線検出器26を収容する。また、検出器収容部23は、乳房Mが載せられる撮影台としても機能する。本体部24は、線源収容部22と検出器収容部23とを一体的に接続する。線源収容部22は高さ方向の上側に配されており、検出器収容部23は、線源収容部22と対向する姿勢で、高さ方向の下側に配されている。
放射線源25は、複数、例えば15個の放射線管27と、放射線管27を5個ずつ収容する3つのハウジング28とで構成される。放射線管27は、乳房Mに対する照射角度が異なる複数の投影画像P(図7参照)を放射線画像として撮影するトモシンセシス撮影に用いられる。放射線検出器26は、乳房Mを透過した放射線37を検出して放射線画像を出力する。なお、放射線管27の個数は、上記例の15個に限らない。
本体部24の線源収容部22と検出器収容部23との間には、圧迫板29が取り付けられている。圧迫板29は、放射線37を透過する材料で形成されている。圧迫板29は、検出器収容部23と対向配置されている。圧迫板29は、検出器収容部23に向かう方向と検出器収容部23から離間する方向とに移動可能である。圧迫板29は、検出器収容部23に向かって移動して、検出器収容部23との間で乳房Mを挟み込んで圧迫する。
線源収容部22の正面下部には、フェイスガード30が取り付けられている。フェイスガード30は、被検者Hの顔を放射線37から防護する。
支柱20B内には、放射線管27に印加する管電圧を発生する管電圧発生器(図示せず)が設けられている。また、支柱20B内には、管電圧発生器から延びる電圧ケーブル(図示せず)が配設されている。電圧ケーブルは、さらに接続部21Aからアーム21を通って線源収容部22内に導入され、放射線源25に接続される。
図3において、放射線管27は、陰極35と陽極36とを有している。陰極35は、電子を放出する。陽極36は、電子が衝突することで放射線37を発する。陰極35と陽極36とは、略円筒形状の真空のガラス管38に収容されている。陰極35は冷陰極である。より詳しくは、陰極35は、電界放出現象を利用して、陽極36に向けて電子線EBを放出する電子放出源を有する電界放出型である。陽極36は、回転機構により回転する回転陽極とは異なり、回転せずに位置が固定された固定陽極である。
陰極35と陽極36との間には、管電圧発生器からの管電圧が印加される。管電圧の印加により、陰極35から陽極36に向けて電子線EBが放出される。そして、電子線EBが衝突した陽極36の点(以下、焦点)Fから、放射線37が発せられる。
ハウジング28には、放射線37を透過する放射線透過窓39が設けられている。陽極36から発せられた放射線37は、この放射線透過窓39を通じて、ハウジング28外に出射される。なお、ハウジング28内は、絶縁油で満たされている。
放射線透過窓39の高さ方向の下側には、照射野限定器40(図1および図2では不図示)が設けられている。照射野限定器40はコリメータとも呼ばれ、放射線検出器26の撮像面45(図4参照)における放射線37の照射野を設定する。より詳しくは、照射野限定器40は、放射線透過窓39を透過した放射線37を遮蔽する鉛等の複数枚の遮蔽板41を有している。そして、この遮蔽板41で画定される、例えば矩形状の照射開口の大きさを、遮蔽板41を移動させて変更することで、放射線37の照射野を設定する。
検出器収容部23の部分を示す図4において、放射線検出器26は撮像面45を有する。撮像面45は、乳房Mを透過した放射線37を検出して乳房Mの投影画像を撮像する面である。より詳しくは、撮像面45は、放射線37を電気信号に変換する画素が二次元配列された二次元平面である。このような放射線検出器26は、FPD(Flat Panel Detector)と呼ばれる。放射線検出器26は、放射線37を可視光に変換するシンチレータを有し、シンチレータが発する可視光を電気信号に変換する間接変換型でもよいし、放射線37を直接電気信号に変換する直接変換型でもよい。
図5および図6は、乳房撮影装置10における乳房Mの撮影方式を示す。図5は頭尾方向(CC;Craniocaudal view)撮影、図6は内外斜位方向(MLO;Mediolateral Oblique view)撮影である。CC撮影は、検出器収容部23と圧迫板29とで、乳房Mを上下に挟み込んで圧迫して撮影する撮影方式である。この場合、放射線検出器26は、投影画像としてCC画像を出力する。対してMLO撮影は、検出器収容部23と圧迫板29とで、乳房Mを60°程度の角度で斜めに挟み込んで圧迫して撮影する撮影方式である。この場合、放射線検出器26は、投影画像としてMLO画像を出力する。なお、図5および図6では、簡単化のために1個の放射線管27だけを図示している。また、図5および図6では、右の乳房Mを示しているが、もちろん左の乳房Mの撮影も可能である。
支柱20B側から放射線源25および放射線検出器26を平面視した図7において、撮像面45の法線方向をZ方向、撮像面45の辺に沿う方向をX方向、Z方向およびX方向と直交する撮像面45の奥行方向をY方向とする。放射線管27は、撮像面45に対する放射線37の照射角度が異なる計15箇所の照射可能位置SP1、SP2、・・・、SP14、SP15に配置されている。各照射可能位置SP1~SP15における放射線管27の放射線37の焦点F1~F15は、直線状に、等しい間隔Dで並んでいる。
X方向の撮像面45の辺の中心点CPから延びる撮像面45の法線NRに、照射可能位置SP8が配されている。照射可能位置SP8以外の他の照射可能位置は、法線NRの左側に照射可能位置SP1~SP7、法線NRの右側に照射可能位置SP9~SP15というように、法線NRに関して左右対称に設定されている。すなわち、照射可能位置SP1~SP7の放射線管27と照射可能位置SP9~SP15の放射線管27とは、線対称な位置に配置されている。
ここで、照射可能位置SP1~SP15が設定される直線GLは、放射線源25および放射線検出器26をZ方向から平面視した場合に、X方向の撮像面45の辺と平行な線である。そして、直線GLは、Y方向に関して、手前側(支柱20Bとは反対側)にオフセットされている。なお、焦点F1~F15の間隔Dは、完全に一致する場合に限らず、例えば±5%の誤差を許容する。
放射線37の照射角度は、法線NRと、各照射可能位置SP1~SP15における放射線管27の放射線37の焦点F1~F15および中心点CPを結んだ線とのなす角度である。このため、法線NRと一致する照射可能位置SP8における照射角度は0°である。図7では、照射可能位置SP1における焦点F1および中心点CPを結んだ線L1、および法線NRと線L1とのなす角度である照射角度θ(1)を、一例として図示している。
符号Ψで示す角度は、トモシンセシス撮影の最大スキャン角度である。最大スキャン角度Ψは、照射可能位置SP1~SP15のうちの両端の照射可能位置SP1、SP15で規定される。具体的には、最大スキャン角度Ψは、照射可能位置SP1における焦点F1および中心点CPを結んだ線L1と、照射可能位置SP15における焦点F15および中心点CPを結んだ線L15とのなす角度である。
通常の1回のトモシンセシス撮影においては、各照射可能位置SP1~SP15の放射線管27が各々動作されて、各照射可能位置SP1~SP15から乳房Mに向けて放射線37が照射される。放射線検出器26は、各照射可能位置SP1~SP15において照射された放射線37をその都度検出し、各照射可能位置SP1~SP15における投影画像Pを出力する。トモシンセシス撮影は、図5で示したCC撮影、および図6で示したMLO撮影の両撮影方式でそれぞれ行うことが可能である。なお、図5で示したCC撮影、および図6で示したMLO撮影を単独で行う単純撮影の場合は、照射角度が0°の照射可能位置SP8に配置された放射線管27のみが動作される。
図8に示すように、乳房撮影装置10は、通常、図7で示したトモシンセシス撮影で得られた、複数の照射可能位置SP1~SP15における複数の投影画像Pから、乳房Mの任意の断層面TF1~TFNに対応する断層画像T1~TNを生成する。乳房撮影装置10は、断層画像T1~TNの生成に、フィルタ補正逆投影法等の周知の方法を用いる。断層画像T1~TNは、各断層面TF1~TFNのそれぞれに存在する構造物を強調した画像である。
図9において、制御装置12を構成するコンピュータは、ストレージデバイス50、メモリ51、CPU(Central Processing Unit)52、通信部53、ディスプレイ54、および入力デバイス55を備えている。これらはバスライン56を介して相互接続されている。
ストレージデバイス50は、制御装置12を構成するコンピュータに内蔵、またはケーブル、ネットワークを通じて接続されたハードディスクドライブである。もしくはストレージデバイス50は、ハードディスクドライブを複数台連装したディスクアレイである。ストレージデバイス50には、オペレーティングシステム等の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、およびこれらのプログラムに付随する各種データ等が記憶されている。なお、ハードディスクドライブに代えてソリッドステートドライブを用いてもよい。
メモリ51は、CPU52が処理を実行するためのワークメモリである。CPU52は、ストレージデバイス50に記憶されたプログラムをメモリ51へロードして、プログラムにしたがった処理を実行することにより、コンピュータの各部を統括的に制御する。
通信部53は、ネットワーク13を介した各種情報の伝送制御を行うネットワークインターフェースである。ディスプレイ54は各種画面を表示する。各種画面にはGUI(Graphical User Interface)による操作機能が備えられる。制御装置12を構成するコンピュータは、各種画面を通じて、入力デバイス55からの操作指示の入力を受け付ける。入力デバイス55は、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
図10において、制御装置12のストレージデバイス50には、作動プログラム60が記憶されている。作動プログラム60は、コンピュータを制御装置12として機能させるためのアプリケーションプログラムである。すなわち、作動プログラム60は、本開示の技術に係る「トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラム」の一例である。ストレージデバイス50には、作動プログラム60の他に、設定条件61および判定条件62が記憶されている。
作動プログラム60が起動されると、制御装置12のCPU52は、メモリ51等と協働して、設定部65、制御部66、生成部67、判定部68、および表示制御部69として機能する。
設定部65は、設定条件61にしたがって、トモシンセシス撮影において動作させる放射線管27を設定する。具体的には、設定部65は、各照射可能位置SP1~SP15に配された各放射線管27の中から、放射線37を照射する放射線管27を設定する。設定部65は、15個の放射線管27よりも少ない数の放射線管27を設定する。本例では、各照射可能位置SP1~SP15に各放射線管27が固定されている。このため、「各放射線管27の中から、放射線管27の総数よりも少ない、放射線37を照射する放射線管27を設定する」ことは、「各照射可能位置SP1~SP15の中から、各照射可能位置SP1~SP15の総数よりも少ない照射位置を設定する」ことと同義である。
乳房撮影装置10では、複数回の撮影セットに分けてトモシンセシス撮影を行う。設定部65は、各回の撮影セットの都度、放射線37を照射する放射線管27を設定する。設定部65は、設定した放射線管27を一意に識別するための情報、例えば放射線管27の放射線管ID(Identification Data)が登録された動作設定情報75を制御部66に出力する。放射線管IDは、照射可能位置SP1に配された放射線管27がRT01、照射可能位置SP2に配された放射線管27がRT02、・・・、照射可能位置SP14に配された放射線管27がRT14、照射可能位置SP15に配された放射線管27がRT15(いずれも図11参照)というように、各照射可能位置SP1~SP15と数字がリンクしている。
制御部66は、放射線源25および放射線検出器26の動作を制御する。制御部66は、設定部65からの動作設定情報75を受け取る。制御部66は、動作設定情報75に放射線管IDが登録された放射線管27を動作させ、放射線37を照射させる。動作設定情報75には、前述のように、各照射可能位置SP1~SP15の中から設定された、各照射可能位置SP1~SP15の総数よりも少ない照射位置に対応する放射線管27の放射線管IDが登録されている。このため、「動作設定情報75の放射線管IDに登録された放射線管27から放射線37を照射させる」ことは、「照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線37を照射させる」ことに他ならない。制御部66は、照射位置における放射線37の照射により放射線検出器26で検出された投影画像Pを、放射線検出器26から生成部67に出力させる。
生成部67は、制御部66の制御の下、各回の撮影セットの都度、放射線検出器26からの複数の投影画像Pに基づいて、判定用断層画像JTを生成する。生成部67は、判定用断層画像JTを判定部68に出力する。
判定部68は、生成部67からの判定用断層画像JTを受け取る。判定部68は、判定用断層画像JTおよび判定条件62に基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得るために、設定部65において設定した放射線管27に対応する照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かを判定する。判定部68は、各断層面TF1~TFNのうちの代表的な1つの断層面、例えば中間の断層面の1枚の判定用断層画像JTを判定に用いる。判定部68は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かの判定結果情報76を、設定部65および制御部66に出力する。
設定部65は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定部68において判定した場合、異なる照射可能位置の中から追加照射位置を設定する。具体的には、設定部65は、異なる照射可能位置に対応する放射線管27の中から、追加照射する放射線管27を設定する。設定部65は、追加照射する放射線管27の放射線管IDが登録された動作設定情報75を制御部66に出力する。
制御部66は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定部68において判定した場合、設定部65において追加照射すると設定された放射線管27を動作させる。これにより、制御部66は、異なる照射可能位置のうちの追加照射位置において放射線37を追加照射させる。
一方、制御部66は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定部68において判定した場合、トモシンセシス撮影を終了する。この場合、生成部67は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定部68において判定した判定用断層画像JTを、診断に供する断層画像Tとして表示制御部69に出力する。
表示制御部69は、生成部67からの断層画像Tを受け取る。表示制御部69は、受け取った断層画像Tを表示する画像表示画面90(図20参照)を生成し、生成した画像表示画面90をディスプレイ54に表示する制御を行う。表示制御部69は、画像表示画面90の他にも、各種画面をディスプレイ54に表示する制御を行う。
図11において、設定条件61には、各回の撮影セットにおける放射線管IDが登録されている。本例では、撮影セットは第1回から第8回まである。第1回にはRT01、RT15が、第2回にはRT02、RT14が、第3回にはRT03、RT13が、第4回にはRT04、RT12が、それぞれ登録されている。また、第5回にはRT05、RT11が、第6回にはRT06、RT10が、第7回にはRT07、RT09が、第8回にはRT08が、それぞれ登録されている。第1回の放射線管IDの放射線管27に対応する照射位置は、本開示の技術に係る「初めの照射位置」の一例である。また、第2回~第8回の放射線管IDの放射線管27に対応する照射位置は、本開示の技術に係る「追加照射位置」の一例である。なお、図11では、理解を助けるために、照射位置SP1~SP15を併記し、各回の撮影セットにおいて放射線37を照射する放射線管27を、破線矢印の右側のイラストにおいてハッチングで示している。
第8回を除く各回の撮影セットの放射線管IDの放射線管27に対応する照射位置である照射可能位置SP1と照射可能位置SP15、照射可能位置SP2と照射可能位置SP14、照射可能位置SP3と照射可能位置SP13、照射可能位置SP4と照射可能位置SP12、照射可能位置SP5と照射可能位置SP11、照射可能位置SP6と照射可能位置SP10、および照射可能位置SP7と照射可能位置SP9は、線対称な位置である。すなわち、一度に照射位置として設定されるのは、線対称な照射可能位置である。
また、初めの照射位置に相当する第1回の照射位置である照射可能位置SP1と照射可能位置SP15は、最大の照射角度に対応する位置である。すなわち、初めの照射位置には、最大の照射角度に対応する位置が設定される。
さらに、第2回から第7回までの照射位置は、回を追うごとに、前回よりも照射角度が狭まっている。すなわち、追加照射位置には、前回設定した照射位置よりも照射角度が狭い照射可能位置が設定される。
図12は、設定条件61が図11に示す例であった場合の、各回の撮影セットにおける動作設定情報75を示す。例えば第3回の撮影セットにおける動作設定情報75には、放射線管IDとしてRT03、RT13が登録されている。この場合、制御部66は、放射線管IDがRT03、RT13の、照射可能位置SP3、SP13に配置された放射線管27を動作させ、放射線37を照射させる。また、第7回の撮影セットにおける動作設定情報75には、放射線管IDとしてRT07、RT09が登録されている。この場合、制御部66は、放射線管IDがRT07、RT09の、照射可能位置SP7、SP9に配置された放射線管27を動作させ、放射線37を照射させる。
図13において、表80は、各回の撮影セットにおいて、生成部67が判定用断層画像JTの生成に用いる投影画像Pを示す。第1回の撮影セットでは、生成部67は、放射線管IDがRT01、RT15の放射線管27の、照射可能位置SP1、SP15における放射線37の照射によって得られた2枚の投影画像Pを用いて判定用断層画像JTを生成する。第2回の撮影セットでは、生成部67は、第1回の照射可能位置SP1、SP15に加えて、放射線管IDがRT02、RT14の放射線管27の、照射可能位置SP2、SP14における放射線37の照射によって得られた4枚の投影画像Pを用いて判定用断層画像JTを生成する。以後、生成部67は、それまでの照射位置と今回の照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pを用いて判定用断層画像JTを生成する。そして、第8回の撮影セットでは、生成部67は、放射線管IDがRT01~RT15の全ての放射線管27の、全ての照射可能位置SP1~SP15における放射線37の照射によって得られた15枚の投影画像Pを用いて判定用断層画像JTを生成する。
図14において、判定部68は、導出部85、比較部86、および出力部87を有している。
導出部85は、判定用断層画像JTの画質を表す画質評価値QEVを導出する。画質評価値QEVは、判定用断層画像JTの粒状度(ざらつき度と言い換えてもよい)を表す指標であるSN(Signal-Noise)比、判定用断層画像JTの深さ分解能を表す指標である深さ方向の点拡がり関数(PSF;Point Spread Function)の半値幅等のうちの1つである。導出部85は、例えば判定用断層画像JTを複数の領域に等分し、各領域の画質評価値QEVを導出して、導出した各領域の画質評価値QEVの平均値といった代表値を、最終的に出力する画質評価値QEVとする。導出部85は、導出した画質評価値QEVを比較部86に出力する。
比較部86は、導出部85からの画質評価値QEVを受け取る。また、比較部86は、画質評価閾値QETを受け取る。画質評価閾値QETは、ストレージデバイス50に予め記憶されており、ストレージデバイス50から読み出されて比較部86に出力される。比較部86は、画質評価値QEVと画質評価閾値QETの大小を比較し、その比較結果を出力部87に出力する。
出力部87は、比較部86からの比較結果を受け取る。出力部87は、比較結果と判定条件62に基づいて判定結果情報76を出力する。
図15において、判定条件62は、判定用断層画像JTの画質評価値QEVが、画質評価閾値QET未満であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容である。この場合、出力部87は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力する。また、判定条件62は、判定用断層画像JTの画質評価値QEVが、画質評価閾値QET以上であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容である。この場合、出力部87は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力する。
なお、図15で示した判定条件62は、判定用断層画像JTの画質が高いほど、画質評価値QEVが大きい場合の例である。判定用断層画像JTの画質が高いほど、画質評価値QEVが小さい場合は、図15で示した判定条件62とは逆になる。すなわち、判定用断層画像JTの画質評価値QEVが、画質評価閾値QET以上であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容となる。また、判定用断層画像JTの画質評価値QEVが、画質評価閾値QET未満であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容となる。
図16~図19は、判定結果情報76の様々なバリエーションを示す。図16および図17は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76の場合である。対して図19および図20は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76の場合である。
図16は、第1回の撮影セットにおける判定結果情報76が、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の場合を例示している。この場合、設定部65は、放射線管IDとしてRT02、RT14が設定された、第2回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。制御部66は、放射線管IDがRT02、RT14の、照射可能位置SP2、SP14に配置された放射線管27を動作させ、放射線37を照射させる。生成部67は、照射可能位置SP1、SP2、SP14、SP15における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから判定用断層画像JTを生成する。
図17は、第4回の撮影セットにおける判定結果情報76が、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の場合を例示している。この場合、設定部65は、放射線管IDとしてRT05、RT11が設定された、第5回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。制御部66は、放射線管IDがRT05、RT11の、照射可能位置SP5、SP11に配置された放射線管27を動作させ、放射線37を照射させる。生成部67は、照射可能位置SP1~SP5、SP11~SP15における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから判定用断層画像JTを生成する。
図18は、第3回の撮影セットにおける判定結果情報76が、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の場合を例示している。この場合、制御部66はトモシンセシス撮影を終了する。生成部67は、照射可能位置SP1~SP3、SP13~SP15における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから生成した判定用断層画像JTを、断層画像Tとして表示制御部69に出力する。
図19は、第6回の撮影セットにおける判定結果情報76が、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の場合を例示している。この場合も図18の場合と同じく、制御部66はトモシンセシス撮影を終了する。生成部67は、照射可能位置SP1~SP6、SP10~SP15における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから生成した判定用断層画像JTを、断層画像Tとして表示制御部69に出力する。
図20において、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される画像表示画面90には、撮影情報表示領域91および断層画像表示領域92が設けられている。撮影情報表示領域91には、撮影日時、断層画像Tを識別するための画像ID、被検者Hの氏名といった撮影情報が表示される。断層画像表示領域92には、断層画像Tが表示される。図20では、CC撮影による断層画像Tを示している。断層画像表示領域92の断層画像Tは、下部の送りボタン93および戻しボタン94を操作することで、断層面TFの切替が可能である。画像表示画面90は、確認ボタン95を選択することで表示が消える。
図21に示す通知画面100は、放射線37を照射していない放射線管27が存在する場合に、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される。放射線37を照射していない放射線管27が存在する場合とは、判定部68により、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定され、制御部66によりトモシンセシス撮影が途中で終了された場合である。通知画面100は、画像表示画面90上にポップアップ表示される。通知画面100には、放射線37を照射していない放射線管27が存在するが、断層画像Tの画質は問題ない旨のメッセージ101が表示される。通知画面100は、確認ボタン102を選択することで表示が消える。なお、図21では、第5回の撮影セットでトモシンセシス撮影が終了され、第6回以降の撮影セットの放射線管IDがRT06~RT10(図ではNo.6~No.10と表現)の放射線管27から放射線37を照射していない場合を例示している。
図22に示す通知画面105は、第8回の撮影セットにおいても、判定部68により、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定された場合に、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される。通知画面105は、画像表示画面90に代えて表示される。通知画面105には、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tが生成できなかった旨と、再度撮影を促す旨のメッセージ106が表示される。通知画面105は、確認ボタン107を選択することで表示が消える。
なお、第8回の撮影セットにおいても、判定部68により、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定される状況としては、以下が考えられる。例えば、被検者Hの体動により乳房Mがぶれる等して、投影画像P、ひいては判定用断層画像JTの画質が著しく劣化した場合等である。
次に、上記構成による作用について、図23に示すフローチャートを参照して説明する。作動プログラム60が起動されると、図10および図14で示したように、制御装置12のCPU52が、設定部65、制御部66、生成部67、判定部68(導出部85、比較部86、および出力部87)、および表示制御部69として機能される。
まず、ステップST100に示すように、設定部65において、図11で示した設定条件61にしたがって、第1回の撮影セットにおける、放射線37を照射させる放射線管27が設定される。具体的には、設定部65において、図12で示した第1回の撮影セットの動作設定情報75が生成される。そして、生成された動作設定情報75が設定部65から制御部66に出力される。
制御部66によって、第1回の撮影セットの動作設定情報75に登録された、放射線管IDがRT01、RT15の放射線管27が動作され、放射線37が照射される(ステップST110)。これにより、放射線検出器26から生成部67に、照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pが出力される。なお、ステップST110は、本開示の技術に係る「制御ステップ」の一例である。
生成部67では、図13の表80で示したように、放射線検出器26からの投影画像Pに基づいて、判定用断層画像JTが生成される(ステップST120)。判定用断層画像JTは、生成部67から判定部68に出力される。
判定部68では、判定用断層画像JT、および図15で示した判定条件62に基づいて、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かが判定される(ステップST130)。より詳しくは図14で示したように、判定用断層画像JTの画質評価値QEVが導出部85において導出される。次いで、画質評価値QEVと画質評価閾値QETの大小が比較部86において比較される。そして、画質評価値QEVと画質評価閾値QETの大小の比較結果に応じた判定結果情報76が出力部87において生成される。判定結果情報76は、出力部87から設定部65および制御部66に出力される。なお、ステップST130は、本開示の技術に係る「判定ステップ」の一例である。
判定部68において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定された場合(ステップST140でYES)、設定部65において追加照射する放射線管27が再設定される(ステップST150)。より詳しくは図16で示したように、設定部65において第2回の撮影セットの動作設定情報75が生成され、制御部66に出力される。そして、ステップST110~ステップST130の処理が繰り返される。
ステップST150の追加照射する放射線管27の再設定およびステップST110~ステップST130の処理の繰り返しは、図18および図19で示したように、判定部68において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定される(ステップST140でNO)か、全ての照射可能位置SP1~SP15において放射線37が照射されるまで、すなわち第8回の撮影セットが終了する(ステップST160でYES)まで続けられる。
判定部68において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定された場合(ステップST140でNO)、制御部66によりトモシンセシス撮影が終了される。そして、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定部68において判定した判定用断層画像JTが、断層画像Tとして生成部67から表示制御部69に出力される。
表示制御部69により、図20で示した画像表示画面90がディスプレイ54に表示され、断層画像Tがオペレータの閲覧に供される(ステップST170)。この際、制御部66によりトモシンセシス撮影が途中で終了され、放射線37を照射していない放射線管27が存在していた場合は、図21で示した通知画面100が表示制御部69によりポップアップ表示される。これにより、放射線37を照射していない放射線管27が存在する旨がオペレータに通知される。
判定部68において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定され(ステップST140でYES)、かつ、全ての照射可能位置SP1~SP15において放射線37が照射された場合、すなわち第8回の撮影セットが終了した場合(ステップST160でYES)、表示制御部69により、図22で示した通知画面105がディスプレイ54に表示される。これにより、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tが生成できなかった旨と、再度撮影を促す旨がオペレータに通知される。
以上説明したように、制御装置12は、制御部66と判定部68とを備える。制御部66は、放射線管27の動作を制御して、照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線37を照射させる。判定部68は、照射位置における放射線37の照射によって得られた判定用断層画像JTに基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得るために、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かを判定する。
このように、制御装置12は、一挙に全ての照射可能位置SP1~SP15から放射線37を照射するのではなく、照射可能位置SP1~SP15の総数よりも少ない数の照射位置から放射線37を照射してみて、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得られたか否かを検証する。そして、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得られるまで、放射線37を追加照射していく。したがって、断層画像Tの画質がオーバースペックになったり、断層画像Tの画質が診断に必要なレベル未満となることを避けることができる。また、複数の放射線管27を用いているので、1個の放射線管で構成される放射線源を移動させる従来の構成と比べて、照射位置における放射線37の照射を短時間で済ませることができる。したがって、無駄な被曝および撮影の長時間化を避けつつ、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得ることが可能となる。
例えば乳房Mの状態を認識するために試しに放射線37を照射する、いわゆるプレ撮影を行って本撮影の照射条件を決定する場合は、プレ撮影で照射された放射線37に基づく放射線画像は、最終的に診断に供する画像とはならない。このためプレ撮影で照射された放射線37は無駄になる。対して本開示の技術では、照射位置における放射線37の照射によって得られた全ての投影画像Pから断層画像Tが生成される。したがって、各照射位置における放射線37の照射が無駄になることがない。
照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定部68において判定した場合、制御部66は、異なる照射可能位置のうちの追加照射位置において放射線を追加照射させる。したがって、オペレータの手を煩わさずに、追加照射位置における放射線37の追加照射を行わせることができる。一方、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定部68において判定した場合、制御部66は、トモシンセシス撮影を終了する。したがって、無駄な被曝を確実になくすことができ、撮影を短時間で済ませることもできる。
判定部68は、少なくとも2箇所の照射位置における放射線37の照射によって得られた、少なくとも2枚の投影画像Pから生成された判定用断層画像JTを、判定用画像として判定を行う。したがって、診断に必要なレベルの画質を有する断層画像Tを得るために、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かを判定するという、判定部68の判定結果の妥当性を確保することができる。
判定部68は、判定用断層画像JTの画質評価値QEVと予め設定された画質評価閾値QETとの比較により、判定を行う。したがって、判定ロジックが明確で、判定結果に疑念を差し挟む余地がない。
線対称な照射可能位置が一度に照射位置として設定される。このため、得られる投影画像Pも線対称な関係となる。したがって、投影画像Pに線対称の関係性がない場合と比べて、投影画像Pに基づく判定用断層画像JTの生成に係る処理を簡便に済ませることができる。
また、最大の照射角度に対応する照射可能位置が、初めの照射位置として設定される。最大の照射角度に対応する照射可能位置は、断層画像Tの深さ分解能に関わる位置である。そして、深さ分解能は、断層画像Tの画質のうちで最も重要な項目である。したがって、最大の照射角度に対応する照射可能位置を、初めの照射位置として設定すれば、真っ先に深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを検証することができる。
さらに、前回設定した照射位置よりも照射角度が狭い照射可能位置が、追加照射位置として設定される。照射角度が狭い照射可能位置は、断層画像Tの粒状度に関わる位置である。そして、粒状度は、断層画像Tの画質のうちで深さ分解能の次に重要な項目である。したがって、前回設定した照射位置よりも照射角度が狭い照射可能位置を、追加照射位置として設定すれば、診断に必要なレベルであるか否かの検証を、深さ分解能から粒状度に徐々にシフトさせることができる。
放射線管27は各照射可能位置SP1~SP15に固定されている。したがって、放射線管27の移動に時間が割かれることがなく、撮影に掛かる時間をより短くすることができる。
判定用断層画像JTを、全ての断層面TF1~TFNのうちの複数の断層面の複数枚の断層画像としてもよい。この場合、判定部68は、複数枚、例えば50枚の判定用断層画像JTについてそれぞれ判定を行う。そして、50枚の判定用断層画像JTのうちの規定枚以上、例えば40枚以上の判定用断層画像JTについての判定結果情報76が、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないという内容となった場合に、制御部66がトモシンセシス撮影を終了する。あるいは、複数枚の判定用断層画像JTについての判定結果情報76が全て、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないという内容となった場合に、制御部66がトモシンセシス撮影を終了してもよい。
なお、設定条件は、図11で例示した設定条件61に限らない。例えば図24に示す設定条件110を用いてもよい。
図24において、設定条件110には、第1回から第3回までの撮影セットがある。第1回には放射線管IDとしてRT01、RT04、RT07、RT10、RT13が登録されている。第2回にはRT02、RT05、RT08、RT11、RT14が登録されている。第3回にはRT03、RT06、RT09、RT12、RT15が登録されている。各回の撮影セットの照射位置は、いずれも2箇所の位置が間に挟まっており、等間隔な位置である。すなわち、この設定条件110の場合、一度に照射位置として設定されるのは、等間隔な位置である。この場合も線対称な位置を一度に照射位置として設定する場合と同じく、照射位置に規則性があるため、投影画像Pに基づく判定用断層画像JTの生成に係る処理を簡便に済ませることができる。
[第2実施形態]
断層画像Tを用いた診断の際に注目されるのは、石灰化部、腫瘤部といった病変部である。そこで、図25および図26に示す第2実施形態では、画質評価値QEVを病変部の値とする。
図25は、判定用断層画像JT内の病変部115が認識されて、認識された病変部115の情報である病変部情報116が出力される様子を概念的に示す。病変部情報116は、病変部115の判定用断層画像JT内における位置座標を示す。病変部115が図示のように矩形の領域として認識される場合は、病変部情報116は、矩形の4隅のそれぞれの位置座標である。病変部115は、周知の画像認識技術、診断支援技術を用いて認識してもよいし、判定用断層画像JTをディスプレイ54に表示させて、オペレータに病変部115を指定させることで認識してもよい。以前に同じ被検者Hの乳房Mをトモシンセシス撮影した際に認識された病変部115の病変部情報116を流用してもよい。
図26において、第2実施形態の判定部120は、基本的な構成は上記第1実施形態の判定部68と同じであるが、導出部121の働きが異なる。具体的には、導出部121には、判定用断層画像JTに加えて、病変部情報116が入力される。導出部121は、病変部情報116に登録された病変部115の領域の画質評価値QEVを導出する。以降の処理は上記第1実施形態と同じであるため説明を省略する。
このように、第2実施形態では、画質評価値QEVを病変部115の値とする。したがって、断層画像Tを用いた診断の際に注目される病変部115の画質を、確実に診断に必要なレベルとすることができる。また、判定用断層画像JT全体を対象とする上記第1実施形態の場合と比べて、画質評価値QEVを導出する処理の負荷を軽減することができる。
なお、病変部115が複数あった場合は、複数の病変部115のうちの1つの病変部115をオペレータに選択させる。あるいは、複数の病変部115の各々について、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かを判定してもよい。この場合、複数の病変部115のうちの1つでも、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定された場合は、トモシンセシス撮影を継続する。
[第3実施形態]
前述のように、断層画像Tの画質には、主に粒状度と深さ分解能とがあるが、上記各実施形態では、これらを区別せずに単に「画質」としてまとめて評価している。そこで、図27~図30に示す第3実施形態では、判定用断層画像JTの粒状度が診断に必要なレベルであるか否か、および判定用断層画像JTの深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを個別に判定する。
図27において、第3実施形態の判定部125は、第1導出部126、第2導出部127、第1比較部128、第2比較部129、および出力部130を有している。
第1導出部126は、判定用断層画像JTの粒状度を表す粒状度評価値QEV_Gを導出する。粒状度評価値QEV_Gは、例えばSN比である。第2導出部127は、判定用断層画像JTの深さ分解能を表す分解能評価値QEV_Rを導出する。深さ分解能評価値QEV_Rは、例えば深さ方向の点拡がり関数の半値幅である。第1導出部126および第2導出部127は、上記第1実施形態の導出部85と同じく、例えば判定用断層画像JTを複数の領域に等分し、各領域の粒状度評価値QEV_Gおよび深さ分解能評価値QEV_Rを導出する。そして、導出した各領域の粒状度評価値QEV_Gおよび深さ分解能評価値QEV_Rの平均値といった代表値を、最終的に出力する粒状度評価値QEV_Gおよび深さ分解能評価値QEV_Rとする。第1導出部126は、導出した粒状度評価値QEV_Gを第1比較部128に出力する。第2導出部127は、導出した深さ分解能評価値QEV_Rを第2比較部129に出力する。
第1比較部128は、第1導出部126からの粒状度評価値QEV_Gを受け取る。また、第1比較部128は、粒状度評価閾値QET_Gを受け取る。粒状度評価閾値QET_Gは、ストレージデバイス50に予め記憶されており、ストレージデバイス50から読み出されて第1比較部128に出力される。第1比較部128は、粒状度評価値QEV_Gと粒状度評価閾値QET_Gの大小を比較し、その比較結果を出力部130に出力する。
第2比較部129は、第2導出部127からの深さ分解能評価値QEV_Rを受け取る。また、第2比較部129は、深さ分解能評価閾値QET_Rを受け取る。深さ分解能評価閾値QET_Rは、粒状度評価閾値QET_Gと同じく、ストレージデバイス50に予め記憶されており、ストレージデバイス50から読み出されて第2比較部129に出力される。第2比較部129は、深さ分解能評価値QEV_Rと深さ分解能評価閾値QET_Rの大小を比較し、その比較結果を出力部130に出力する。
出力部130は、第1比較部128および第2比較部129からの比較結果を受け取る。出力部130は、第1比較部128および第2比較部129のそれぞれの比較結果と判定条件131に基づいて判定結果情報76を出力する。
図28において、判定条件131は、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G未満であった場合、または、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R未満であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容である。この場合、出力部130は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力する(図30A~図30C参照)。また、判定条件131は、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G以上であった場合、および、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R以上であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容である。この場合、出力部130は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力する(図30D参照)。つまり、放射線37を照射する必要がないと判定されるためには、判定用断層画像JTの粒状度および深さ分解能の両方が、診断に必要なレベルに達していなければならないということである。
図29において、第3実施形態の設定条件133には、第1回の撮影セットのみが登録されている。すなわち、放射線管IDとしてRT04、RT12が登録されている。
図30は、第3実施形態の第1回の撮影セットにおけるバリエーションを示す。図30A~図30Cは、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76の場合である。対して図30Dは、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76の場合である。
図30Aは、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G未満、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R以上であった場合である。言い換えれば、判定用断層画像JTの深さ分解能は診断に必要なレベルであるが、粒状度は診断に必要なレベルでない場合である。この場合、第3実施形態の設定部135は、放射線管IDとしてRT06、RT10が設定された、第2回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。
図30Bは、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G以上、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R未満であった場合である。言い換えれば、判定用断層画像JTの粒状度は診断に必要なレベルであるが、深さ分解能は診断に必要なレベルでない場合である。この場合、設定部135は、放射線管IDとしてRT01、RT15が設定された、第2回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。
図30Cは、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G未満、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R未満であった場合である。言い換えれば、判定用断層画像JTの粒状度および深さ分解能が診断に必要なレベルでない場合である。この場合、設定部135は、放射線管IDとしてRT01、RT06、RT10、RT15が設定された、第2回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。
図30Dは、判定用断層画像JTの粒状度評価値QEV_Gが、粒状度評価閾値QET_G以上、判定用断層画像JTの深さ分解能評価値QEV_Rが、深さ分解能評価閾値QET_R以上であった場合である。この場合は制御部66によりトモシンセシス撮影が終了されるので、設定部135は動作設定情報75を出力しない。
放射線管IDがRT06、RT10の放射線管27に対応する照射可能位置SP6、SP10は、放射線管IDがRT01、RT15の放射線管27に対応する照射可能位置SP1、SP15よりも照射角度が狭い照射可能位置であり、断層画像Tの粒状度に関わる位置である。このため、粒状度が診断に必要なレベルでない図30Aおよび図30Cの場合に、設定部135は、照射可能位置SP6、SP10に対応する放射線管27の放射線管IDであるRT06、RT10を設定する。対して、照射可能位置SP1、SP15は、前述のように最大の照射角度に対応する照射可能位置であり、断層画像Tの深さ分解能に関わる位置である。このため、深さ分解能が診断に必要なレベルでない図30Bおよび図30Cの場合に、設定部65は、照射可能位置SP1、SP15に対応する放射線管27の放射線管IDであるRT01、RT15を設定する。
このように、第3実施形態では、判定部125は、判定用断層画像JTの粒状度が診断に必要なレベルであるか否か、および判定用断層画像JTの深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを個別に判定する。そして、判定部125の判定結果に応じて、追加照射位置が変更される。より詳しくは、深さ分解能は診断に必要なレベルであるが、粒状度は診断に必要なレベルでない場合、照射角度が比較的狭い照射可能位置が追加照射位置とされる。粒状度は診断に必要なレベルであるが、深さ分解能は診断に必要なレベルでない場合、照射角度が比較的広い照射可能位置、例えば最大の照射角度に対応する照射可能位置が追加照射位置とされる。粒状度および深さ分解能が診断に必要なレベルでない場合、照射角度が比較的狭い照射可能位置と比較的広い照射可能位置の両方が追加照射位置とされる。このため、次回の撮影セットにおいて、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定される可能性が高まる。したがって、撮影時間の短縮化および無駄な被曝の軽減に寄与することができる。
なお、上記第2実施形態を適用して、病変部115の粒状度評価値QEV_Gおよび深さ分解能評価値QEV_Rを導出してもよい。
[第4実施形態]
上記各実施形態では、画質評価値QEV(粒状度評価値QEV_Gおよび深さ分解能評価値QEV_Rを含む)により判定を行っているが、図31~図34に示す第4実施形態では、第1機械学習モデル143を用いて判定を行う。
図31において、第4実施形態の判定部140は、処理部141および出力部142を有している。処理部141は、第1機械学習モデル143に判定用断層画像JTを入力して、第1機械学習モデル143から出力データ144を出力させる。処理部141は、出力データ144を出力部142に出力する。出力データ144は、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを示す(図33参照)。出力部142は、出力データ144と判定条件145に基づいて判定結果情報76を出力する。
図32は、第1機械学習モデル143の学習フェーズにおける処理を示す。第1機械学習モデル143は、学習データ150を用いて学習される。学習データ150は、学習用断層画像LTおよび判断データ151の組で構成される。学習用断層画像LTは、文字通り第1機械学習モデル143の学習のための断層画像である。学習用断層画像LTには、病変部115が存在するものもあれば、存在しないものもある。判断データ151は、学習用断層画像LTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを、オペレータ等が判断したデータである。
学習フェーズにおいて、学習用断層画像LTは第1機械学習モデル143に入力される。これにより第1機械学習モデル143から学習用出力データ152が出力される。学習用出力データ152は、出力データ144と同様に、学習用断層画像LTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを示す。
判断データ151は、学習用出力データ152とのいわば答え合わせを行うためのデータである。学習フェーズにおいて、判断データ151と学習用出力データ152は、第1機械学習モデル143の予測精度の評価に用いられる。
判断データ151と学習用出力データ152の内容が一致している場合は、第1機械学習モデル143の予測が合っていると評価される。この場合は第1機械学習モデル143のパラメータは更新されない。なお、判断データ151と学習用出力データ152の内容が一致している場合は、以下の2通りがある。すなわち、判断データ151と学習用出力データ152の両方とも、学習用断層画像LTの画質が診断に必要なレベルであるという内容の場合と、判断データ151と学習用出力データ152の両方とも、学習用断層画像LTの画質が診断に必要なレベルでないという内容の場合とである。
対して、判断データ151と学習用出力データ152の内容が一致していない場合は、第1機械学習モデル143の予測が間違っていると評価される。この場合は、予測精度を高めるために第1機械学習モデル143のパラメータが更新される。
学習フェーズにおいては、第1機械学習モデル143への学習用断層画像LTの入力、第1機械学習モデル143からの学習用出力データ152の出力、判断データ151と学習用出力データ152を用いた第1機械学習モデル143の予測精度の評価、および第1機械学習モデル143のパラメータの更新が、学習データ150が変更されつつ、繰り返される。学習フェーズでは、こうして第1機械学習モデル143の予測精度が高められる。そして、予測精度が予め設定されたレベル以上に達した第1機械学習モデル143が、処理部141に与えられる。なお、病変部115が存在する学習用断層画像LTを、病変部115が存在しない学習用断層画像LTよりも多くして、病変部115が存在する学習用断層画像LTが重点的に学習されるようにしてもよい。
図33Aは、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルでない場合の出力データ144を示す。対して図33Bは、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルである場合の出力データ144を示す。
図34において、判定条件145は、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルでないという内容の出力データ144であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容である。この場合、出力部142は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力する。また、判定条件145は、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるという内容の出力データ144であった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容である。この場合、出力部142は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力する。
このように、第4実施形態では、判定部140は、第1機械学習モデル143を用いて判定を行う。第1機械学習モデル143は、判定用断層画像JTが判定用画像として入力され、入力された判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する。したがって、直接的に判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを判定することができ、上記各実施形態のように、画質評価値QEVを導出したり、画質評価値QEVと画質評価閾値QETの大小を比較したりする手間を省くことができる。
なお、上記第3実施形態を適用して、判定用断層画像JTの粒状度が診断に必要なレベルであるか否か、および判定用断層画像JTの深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを、第1機械学習モデル143に個別に判定させてもよい。
[第5実施形態]
図35に示す第5実施形態では、判定用断層画像JTから病変部115の領域を切り出した切り出し画像JT_CO、および第2機械学習モデル158を用いて判定を行う。
図35において、第5実施形態の判定部155は、処理部156および出力部157を有している。処理部156は、第2機械学習モデル158に、判定用断層画像JTから病変部115の領域を切り出した切り出し画像JT_COを入力して、第2機械学習モデル158から出力データ159を出力させる。処理部156は、出力データ159を出力部157に出力する。出力データ159は、切り出し画像JT_COの画質が診断に必要なレベルであるか否かを示す。出力部157は、出力データ159と判定条件160に基づいて判定結果情報76を出力する。なお、第2機械学習モデル158の学習フェーズは、学習用断層画像LTが学習用切り出し画像に変わるだけで、上記第4実施形態と同様であるため、図示および説明を省略する。また、出力データ159、判定条件160等は、判定用断層画像JTが切り出し画像JT_COに変わるだけで、上記第4実施形態と同様であるため、図示および説明を省略する。
このように、第5実施形態では、判定部155は、第2機械学習モデル158を用いて判定を行う。第2機械学習モデル158は、判定用断層画像JTから病変部115の領域を切り出した切り出し画像JT_COが判定用画像として入力され、入力された切り出し画像JT_COの画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する。したがって、上記第4実施形態と同じ効果に加えて、以下の効果を奏する。すなわち、上記第2実施形態の場合と同じく、断層画像Tを用いた診断の際に注目される病変部115の画質を、確実に診断に必要なレベルとすることができる。また、判定用断層画像JT全体を対象とする上記第4実施形態の第1機械学習モデル143と比べて、出力データ159を出力する処理の負荷を軽減することができる。
なお、上記第3実施形態を適用して、切り出し画像JT_COの粒状度が診断に必要なレベルであるか否か、および切り出し画像JT_COの深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かを、第2機械学習モデル158に個別に判定させてもよい。
[第6実施形態]
図36および図37に示す第6実施形態では、判定用断層画像JTを表示し、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示を受け付け、選択指示に基づいて判定を行う。
図36において、画質判断選択画面165は、生成部67において判定用断層画像JTが生成された場合に、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される。画質判断選択画面165には、判定用断層画像表示領域166が設けられている。判定用断層画像表示領域166には判定用断層画像JTが表示される。判定用断層画像表示領域166に表示される判定用断層画像JTは、各断層面TF1~TFNのうちの代表的な1つの断層面、例えば中間の断層面の1枚の判定用断層画像JTである。
判定用断層画像JTの下部には、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かを、オペレータに選択させるためのラジオボタン167A、167Bが設けられている。ラジオボタン167A、167Bは択一式のボタンである。ラジオボタン167Aは、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルである場合(図では画質OKと表現)に選択される。一方、ラジオボタン167Bは、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルでない場合(図では画質NGと表現)に選択される。
第6実施形態においては、制御装置のCPUに受付部170が構築される。ラジオボタン167A、167Bのいずれかが選択されて、指示ボタン168が選択された場合、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示が、受付部170において受け付けられる。受付部170は、受け付けた選択指示を判定部171に出力する。判定部171は、選択指示と判定条件172に基づいて判定結果情報76を出力する。
図37において、判定条件172は、ラジオボタン167Bが選択されて、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルでないとの選択指示を受付部170において受け付けた場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容である。この場合、判定部171は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力する。また、判定条件172は、ラジオボタン167Aが選択されて、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるとの選択指示を受付部170において受け付けた場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容である。この場合、判定部171は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力する。
このように、第6実施形態では、表示制御部69により判定用断層画像JTを表示し、判定用断層画像JTの画質が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示を受付部170において受け付け、選択指示に基づいて判定部171において判定を行う。したがって、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があるか否かを、オペレータの判断に委ねることができる。上記第1~第3実施形態のように画質評価値QEVを導出したり、上記第4、第5実施形態のように第1機械学習モデル143、第2機械学習モデル158を用いる必要がない。
なお、上記第3実施形態を適用して、判定用断層画像JTの粒状度が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示、および判定用断層画像JTの深さ分解能が診断に必要なレベルであるか否かの選択指示を、受付部170において個別に受け付けてもよい。
上記第1実施形態と同様に、判定用断層画像JTを、全ての断層面TF1~TFNのうちの複数の断層面の複数枚の断層画像としてもよい。
[第7実施形態]
図38および図39に示す第7実施形態では、制御部66により放射線37が照射された照射位置に関する情報が被検者毎に登録された照射位置関連情報テーブルを記憶し、照射位置関連情報テーブルに基づいて、初めの照射位置の設定を行う。
図38に示すように、第7実施形態においては、制御装置のCPUに記憶制御部175が構築される。記憶制御部175は、ストレージデバイス50への情報の記憶、およびストレージデバイス50からの情報の読み出しを制御する。
第7実施形態の設定部176は、1回のトモシンセシス撮影の終了後、動作設定履歴177を記憶制御部175に出力する。動作設定履歴177には、当該トモシンセシス撮影において設定部176により設定された全ての放射線管IDが、被検者Hを識別するための被検者IDと関連付けて登録されている。
記憶制御部175は、設定部176からの動作設定履歴177を受け取る。記憶制御部175は、受け取った動作設定履歴177を、ストレージデバイス50内の動作設定情報テーブル178に登録する。動作設定情報テーブル178は、直近のトモシンセシス撮影において、制御部66により放射線37が照射された放射線管27の放射線管IDが、被検者ID毎に登録された情報である。すなわち、この場合、動作設定履歴177が、本開示の技術に係る「制御部により放射線が照射された照射位置に関する情報」の一例である。また、動作設定情報テーブル178が、本開示の技術に係る「照射位置関連情報テーブル」の一例である。図38では、被検者ID「P0001」、放射線管ID「RT01、RT03、RT06、RT08、RT10、RT13、RT15」の動作設定履歴177が、動作設定情報テーブル178に登録される様子を示している。
図39は、これからトモシンセシス撮影を開始する場合を示している。記憶制御部175は、被検者IDを含む被検者情報179を受け取る。被検者情報179は、入力デバイス55を介してオペレータにより入力される。記憶制御部175は、被検者情報179の被検者IDに対応する動作設定履歴177を、ストレージデバイス50内の動作設定情報テーブル178から読み出す。記憶制御部175は、読み出した動作設定履歴177を設定部176に出力する。設定部176は、動作設定履歴177に応じた、第1回の撮影セットの動作設定情報75を生成し、制御部66に出力する。
図39では、被検者ID「P0002」の被検者Hのトモシンセシス撮影を行う場合を例示している。動作設定情報テーブル178に登録された動作設定履歴177によれば、被検者ID「P0002」の被検者Hの直近のトモシンセシス撮影で、制御部66により放射線37が照射された放射線管27の放射線管IDは、「RT01、RT04、RT08、RT11、RT15」である。このため設定部176は、放射線管IDとしてRT01、RT04、RT08、RT11、RT15が登録された動作設定情報75を制御部66に出力する。
このように、第7実施形態では、制御部により放射線が照射された照射位置に関する情報が被検者毎に登録された照射位置関連情報テーブルである動作設定情報テーブル178を記憶制御部175により記憶する。そして、動作設定情報テーブル178に基づいて、初めの照射位置の設定が行われる。動作設定情報テーブル178に登録された放射線管IDは、各被検者Hの直近のトモシンセシス撮影において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定された場合に設定された全放射線管IDである。このため、第1回の撮影セットの終了後に照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定され、第1回の撮影セットを行うだけでトモシンセシス撮影を終了することができる可能性が高まる。したがって、撮影時間の短縮化に寄与することができる。
なお、図38および図39では表現していないが、動作設定情報テーブル178は、実際には、CC撮影およびMLO撮影毎、左右の乳房M毎、管電圧および管電流照射時間積といった照射条件毎、撮影目的毎等、より細分化されている。そして、被検者情報179には、CC撮影およびMLO撮影のいずれかを示す情報、左右の乳房Mのいずれかを示す情報、照射条件、撮影目的等が含まれている。
放射線管IDに代えて、照射位置のIDを「制御部により放射線が照射された照射位置に関する情報」として記憶してもよい。
[第8実施形態]
図40~図46に示す第8実施形態では、第3機械学習モデル183を用いて判定を行う。
図40において、第8実施形態の判定部180は、処理部181および出力部182を有している。処理部181は、第3機械学習モデル183に判定用断層画像JTを入力して、第3機械学習モデル183から出力データ184を出力させる。判定用断層画像JTは、第1回の撮影セットの照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから生成された断層画像である。処理部181は、出力データ184を出力部182に出力する。出力データ184は、画質が診断に必要なレベルの断層画像Tを生成するために放射線37の照射が必須の照射位置(以下、照射必須位置という)を示す(図42参照)。出力部182は、出力データ184と判定条件185に基づいて判定結果情報76を出力する。
図41は、第3機械学習モデル183の学習フェーズにおける処理を示す。第3機械学習モデル183は、学習データ190を用いて学習される。学習データ190は、学習用断層画像LTおよび判断データ191の組で構成される。学習用断層画像LTは、上記第4実施形態の第1機械学習モデル143の場合と同様、第3機械学習モデル183の学習のための断層画像である。学習用断層画像LTは、第1回の撮影セットの照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから生成された断層画像である。判断データ191は、学習用断層画像LTを生成したトモシンセシス撮影において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定されるまでに設定された全照射位置のデータである。
上記第4実施形態と同様に、学習フェーズにおいて、学習用断層画像LTは第3機械学習モデル183に入力され、これにより第3機械学習モデル183から学習用出力データ192が出力される。学習用出力データ192は、出力データ184と同様に、照射必須位置を示す。判断データ191と学習用出力データ192は、第3機械学習モデル183の予測精度の評価に用いられる。
上記第4実施形態と同様に、判断データ191と学習用出力データ192の内容が一致している場合は、第3機械学習モデル183の予測が合っていると評価される。この場合は第3機械学習モデル183のパラメータは更新されない。対して、判断データ191と学習用出力データ192の内容が一致していない場合は、第3機械学習モデル183の予測が間違っていると評価される。この場合は、予測精度を高めるために第3機械学習モデル183のパラメータが更新される。
上記第4実施形態と同様に、学習フェーズにおいては、第3機械学習モデル183への学習用断層画像LTの入力、第3機械学習モデル183からの学習用出力データ192の出力、判断データ191と学習用出力データ192を用いた第3機械学習モデル183の予測精度の評価、および第3機械学習モデル183のパラメータの更新が、学習データ190が変更されつつ、繰り返される。学習フェーズでは、こうして第3機械学習モデル183の予測精度が高められる。そして、予測精度が予め設定されたレベル以上に達した第3機械学習モデル183が、処理部181に与えられる。
図42は、照射必須位置として照射可能位置SP1、SP4、SP7、SP8、SP9、SP12、SP15が登録された出力データ184を示す。
図43において、判定条件185は、第1回の撮影セットの放射線管27に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データ184にあった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要があると判定する、という内容である。この場合、出力部182は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力する(図45A参照)。また、判定条件185は、第1回の撮影セットの放射線管27に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データ184になかった場合、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がないと判定する、という内容である。この場合、出力部182は、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力する(図45B参照)。
図44において、第8実施形態の設定条件195には、第1回の撮影セットのみが登録されている。すなわち、放射線管IDとしてRT01、RT08、RT15が登録されている。
図45は、第8実施形態の第1回の撮影セットにおけるバリエーションを示す。図45Aは、第1回の撮影セットの放射線管27に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データ184にあり、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がある、という内容の判定結果情報76を出力部182から出力した場合である。対して図45Bは、第1回の撮影セットの放射線管27に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データ184になく、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を照射する必要がない、という内容の判定結果情報76を出力部182から出力した場合である。
図45Aは、図42で示した例と同じく、出力データ184に照射必須位置として照射可能位置SP1、SP4、SP7、SP8、SP9、SP12、SP15が登録されていた場合である。この場合、第1回の撮影セットの放射線管IDの放射線管27に対応する照射位置(照射可能位置SP1、SP8、SP15)にない照射必須位置は、照射可能位置SP4、SP7、SP9、SP12である。このため、第8実施形態の設定部200は、照射可能位置SP4、SP7、SP9、SP12に対応する放射線管27の放射線管IDである、RT04、RT07、RT09、RT12が設定された、第2回の撮影セットの動作設定情報75を制御部66に出力する。
図45Bは、出力データ184に照射必須位置として照射可能位置SP1、SP8、SP15が登録されていた場合である。この場合は制御部66によりトモシンセシス撮影が終了されるので、設定部200は動作設定情報75を出力しない。
第8実施形態の制御装置の処理手順を示す図46において、まず、ステップST200に示すように、設定部200において、図44で示した設定条件195にしたがって、第1回の撮影セットにおける、放射線37を照射させる放射線管27が設定される。
制御部66によって、第1回の撮影セットの動作設定情報75に登録された、放射線管IDがRT01、RT08、RT15の放射線管27が動作され、放射線37が照射される(ステップST210)。これにより、放射線検出器26から生成部67に投影画像Pが出力される。なお、ステップST210は、本開示の技術に係る「制御ステップ」の一例である。
生成部67では、放射線検出器26からの投影画像Pに基づいて、判定用断層画像JTが生成される(ステップST220)。判定用断層画像JTは、生成部67から判定部180に出力される。
判定部180では、判定用断層画像JT、第3機械学習モデル183、および図43で示した判定条件185に基づいて、第1回の撮影セットの照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かが判定される(ステップST230)。より詳しくは、処理部181によって、判定用断層画像JTが第3機械学習モデル183に入力され、これにより第3機械学習モデル183から出力データ184が出力される。そして、第1回の撮影セットの放射線管IDの放射線管27に対応する照射位置にない照射必須位置が出力データ184にあるか否かによって、放射線37を追加照射する必要があるか否かが判定される。なお、ステップST230は、本開示の技術に係る「判定ステップ」の一例である。
判定部180において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があると判定された場合(ステップST240でYES)、設定部200において追加照射する放射線管27が再設定される(ステップST250)。そして、制御部66により、再設定された放射線管27が動作され、放射線37が追加照射される(ステップST260)。続いて、生成部67により、第1回および第2回の撮影セットの各照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pから断層画像Tが生成され、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される(ステップST270)。
判定部180において、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要がないと判定された場合(ステップST240でNO)、制御部66によりトモシンセシス撮影が終了される。この場合は第1回の撮影セットの判定用断層画像JTが断層画像JTとして生成部67から表示制御部69に出力され、表示制御部69によりディスプレイ54に表示される(ステップST270)。
このように、第8実施形態では、判定部180は、第3機械学習モデル183を用いて判定を行う。第3機械学習モデル183は、少なくとも2箇所の初めの照射位置における放射線37の照射によって得られた、少なくとも2枚の投影画像Pから生成された判定用断層画像JTが判定用画像として入力され、画質が診断に必要なレベルの断層画像Tを生成するために放射線37の照射が必須の照射位置である照射必須位置を出力する。上記第1実施形態では、第8回の撮影セットまで行わなければトモシンセシス撮影を終了させることができない場合がある。対して第8実施形態によれば、最長でも第2回の撮影セットでトモシンセシス撮影を確実に終了させることができ、撮影時間の短縮化に寄与することができる。
なお、上記第5実施形態のように、判定用断層画像JTの代わりに、病変部115の切り出し画像JT_COを第3機械学習モデル183に入力して、第3機械学習モデル183から照射必須位置を出力させてもよい。
[第9実施形態]
図47に示す第9実施形態では、第4機械学習モデル208を用いて判定を行う。
図47において、第9実施形態の判定部205は、処理部206および出力部207を有している。処理部206は、第4機械学習モデル208に投影画像Pを入力して、第4機械学習モデル208から出力データ209を出力させる。投影画像Pは、第1回の撮影セットの照射位置における放射線37の照射によって得られたものである。処理部206は、出力データ209を出力部207に出力する。出力データ209は、上記第8実施形態の出力データ184と同じく、照射必須位置を示す。出力部207は、出力データ209と判定条件210に基づいて判定結果情報76を出力する。なお、第4機械学習モデル208の学習フェーズは、学習用断層画像LTが学習用投影画像に変わるだけで、上記第8実施形態と同様であるため、図示および説明を省略する。また、判定条件210は、上記第8実施形態の判定条件185と同じであるため、図示および説明を省略する。
このように、第9実施形態では、判定部205は、第4機械学習モデル208を用いて判定を行う。第4機械学習モデル208は、初めの照射位置における放射線37の照射によって得られた投影画像Pが判定用画像として入力され、画質が診断に必要なレベルの断層画像Tを生成するために放射線の照射が必須の照射位置である照射必須位置を出力する。したがって、上記第8実施形態と同じ効果に加えて、判定用断層画像JTを生成する手間を省くことができるという効果を奏する。
なお、第4機械学習モデル208に入力する投影画像Pは、例えば照射可能位置SP1における放射線37の照射によって得られた投影画像P等、1箇所の位置に基づく投影画像Pでもよい。
投影画像Pの代わりに、投影画像Pから病変部115の領域を切り出した切り出し画像を第4機械学習モデル208に入力して、第4機械学習モデル208から照射必須位置を出力させてもよい。
判定用断層画像JTと投影画像Pが入力され、照射必須位置を示す出力データを出力する、上記第8実施形態の第3機械学習モデル183と本実施形態の第4機械学習モデル208を併せたような機械学習モデルを用いて判定を行ってもよい。
[第10実施形態]
図48に示す第10実施形態では、判定部が判定に用いる判定用画像を、放射線検出器26から出力された画像と比べて画素が間引かれた画像とする。
図48に示すように、第10実施形態においては、制御装置のCPUに画素間引き部215が構築される。画素間引き部215は、生成部216と判定部217の間に設けられている。画素間引き部215は、生成部216から、判定用断層画像JTの元となる断層画像を受け取る。画素間引き部215は、受け取った断層画像に対して画素間引き処理を施す。画素間引き処理は、例えば、隣接する9画素の画素値を統合して1画素の画素値とする等、画像の解像度を落とす処理である。画素間引き部215は、画素間引き処理後の断層画像を、判定用断層画像JTとして判定部217に出力する。
このように、第10実施形態では、画素間引き部215により、断層画像の画素を間引いて判定用断層画像JTとする。したがって、判定部217の処理負荷を軽減することができる。
なお、上記第5実施形態等、判定用画像として切り出し画像JT_COを用いる場合には、切り出し画像JT_COに対して画素間引き処理を施す。また、上記第9実施形態等、判定用画像として投影画像Pを用いる場合には、放射線検出器26から出力された投影画像Pの元となる放射線画像に対して画素間引き処理を施す。
[第11実施形態]
上記各実施形態では、各照射可能位置SP1~SP15に放射線管27が固定されている場合を例示したが、これに限らない。図49に示す第11実施形態では、放射線管27を移動可能とする。
図49において、第11実施形態の放射線源220は、放射線37の照射角度が異なる計16箇所の照射可能位置SP1~SP16が設定されている。各照射可能位置SP1~SP16は、直線状に等しい間隔で並んだ焦点F1~F16と対応している。
放射線管27は、照射可能位置SP1~SP16の16箇所の半分の8箇所に設けられ、1箇所おきに配置されている。そして、放射線源220は、破線の矢印で示すように、X方向に往復移動する。この放射線源220のX方向の往復移動に伴い、各放射線管27は隣り合う2箇所の間を移動する。例えば、左端の放射線管27は照射可能位置SP1と照射可能位置SP2の間を移動し、右端の放射線管27は照射可能位置SP15と照射可能位置SP16の間を移動する。つまり、1個の放射線管27で、2箇所の位置の放射線37の照射を受けもつ。
このように、第11実施形態では、2箇所の照射可能位置の間で放射線管27を移動させる。したがって、各照射可能位置SP1~SP15に放射線管27が固定されている場合と比べて放射線管27の個数を減らすことができ、部品コストを削減することができる。
図50に示す放射線源225のように、放射線源225自体はX方向に往復移動させず、放射線源225の内部で、放射線管27を移動させてもよい。このように、少なくとも2箇所の照射可能位置の間で放射線管27を移動させる形態は、図49で示した、放射線管を内蔵する放射線源を移動させる形態と、図50で示した、放射線源内で放射線管を移動させる形態とを含む。なお、図50では、図49と同じく、照射可能位置SP1~SP16の16箇所の半分の8箇所に、1箇所おきに放射線管27を設け、隣り合う2箇所の間を移動させる例を示している。
なお、1個の放射線管27を移動させる位置は、図49および図50で例示した2箇所より多くてもよい。また、全ての放射線管27を移動させるのではなく、一部の放射線管27は固定で、残りの放射線管27を移動させてもよい。さらに、放射線管27を1個ずつ移動させるのではなく、5個の放射線管27等、複数個の放射線管27で構成されるユニットを移動させてもよい。
なお、第11実施形態の場合の動作設定情報75は、上記各実施形態の放射線管IDに加えて、当該放射線管IDの放射線管27が受けもつ照射可能位置のうちのどの位置で放射線37を照射させるかを示す情報も含む。例えば図49および図50において、照射位置が照射可能位置SP4であった場合の動作設定情報75は、照射可能位置SP4を受けもつ、左から2番目の放射線管27の放射線管IDと、照射可能位置SP4のIDまたは位置座標とを含む。
投影画像Pが入力され、入力された投影画像Pから生成されるであろう断層画像Tの画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する機械学習モデルを用いて判定を行ってもよい。また、投影画像Pから病変部115の領域を切り出した切り出し画像が入力され、入力された切り出し画像の元の投影画像Pから生成されるであろう断層画像Tの画質が診断に必要なレベルであるか否かを出力する機械学習モデルを用いて判定を行ってもよい。
上記各実施形態では、焦点Fが配される位置を直線状としているが、これに限定されない。図51に示すように、焦点F1~F15が配される複数の照射可能位置SP1~SP15を、円弧状に、等しい間隔Dで並べてもよい。この場合も、上記第11実施形態のように放射線管27を移動させてもよい。
図5で示したCC撮影、および図6で示したMLO撮影を単独で行う単純撮影の代わりに、単純撮影で得られる放射線画像と等価な合成放射線画像を生成してもよい。合成放射線画像は、トモシンセシス撮影で得られた複数の投影画像P、および生成部で生成した複数の断層画像Tのうちの少なくともいずれかに、最小値投影法等の周知の合成画像生成処理を施すことで生成される。
上記各実施形態では、乳房撮影装置10を例示した。従来、乳房撮影装置10においてトモシンセシス撮影を行うことは、乳房Mの微小石灰化等の病変の発見を容易にするための手法として有用性が認められている。したがって、本開示のトモシンセシス撮影制御装置を、乳房撮影装置10に適用することは好ましい。
もちろん、乳房撮影装置10に限らず、本開示のトモシンセシス撮影制御装置を、他の撮影装置に適用してもよい。例えば、手術時に被検者Hを撮影する、図52に示す撮影装置230に、本開示のトモシンセシス撮影制御装置を適用してもよい。
撮影装置230は、制御装置231を内蔵する装置本体232と、横から見た形状が略C字状のアーム233とを備えている。装置本体232には台車234が取り付けられ、装置本体232は移動可能となっている。アーム233は、線源収容部235、検出器収容部236、および本体部237で構成される。図1で示した乳房撮影装置10と同じく、線源収容部235は放射線源238を収容する。また、検出器収容部236は放射線検出器239を収容する。線源収容部235と検出器収容部236とは、本体部237により対向した姿勢で保持される。
放射線源238および放射線検出器239は、図1で示した放射線源25および放射線検出器26と基本的な構成は同じである。ただし、撮影装置230では、被検者Hの胸部全体等、乳房Mよりも大きな被写体を撮影する。このため、放射線源238を構成する放射線管240は、乳房撮影装置10の各放射線管27よりも径が大きい。また、放射線検出器239も、その撮像面241は、放射線検出器26の撮像面45よりも面積が大きい。なお、大きな被写体の撮影に対応するため、放射線管240の配列個数を増やしてもよい。
検出器収容部236は、被検者Hが仰臥する寝台242の下方に挿入される。寝台242は放射線37を透過する材料で形成されている。線源収容部235は、被検者Hの上方であって、被検者Hを挟んで検出器収容部236と対向する位置に配置される。
撮影装置230では、乳房撮影装置10と同じく、制御装置231において、照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において放射線37を照射させ、照射位置とは異なる照射可能位置において放射線37を追加照射する必要があるか否かを判定する。なお、撮影装置230においても、トモシンセシス撮影の他に、1つの放射線管240を用いて単純撮影を行うことが可能である。また、単純撮影を行う代わりに合成放射線画像を生成することも可能である。さらに、撮影装置230は、静止画の放射線画像を撮影する他、動画の放射線画像を撮影することも可能である。なお、符号243は、放射線源238のハウジングである。
本開示のトモシンセシス撮影制御装置は、こうした手術用の撮影装置230以外にも、天井吊り下げ型の放射線源と、放射線検出器がセットされる立位撮影台または臥位撮影台とを組み合わせた一般的な放射線撮影装置に適用することも可能である。また、病棟を巡回して被検者Hを撮影するために用いられる、カート型の移動式放射線撮影装置に、本開示のトモシンセシス撮影制御装置を適用することも可能である。
上記各実施形態では、動作設定情報75として、放射線管ID(放射線管27が照射可能位置に固定の場合)、放射線管IDおよび照射位置のIDまたは位置座標(少なくとも2箇所の照射可能位置の間で放射線管27が移動可能な場合)を例示して説明したが、これに限らない。照射位置のIDまたは位置座標を動作設定情報75としてもよい。この場合、照射位置のIDまたは位置座標を、制御部66において放射線管IDに置換する等して、照射位置において放射線37を照射させる。
トモシンセシス撮影制御装置を構成するコンピュータのハードウェア構成は種々の変形が可能である。例えば、トモシンセシス撮影制御装置を、処理能力および信頼性の向上を目的として、ハードウェアとして分離された複数台のコンピュータで構成することも可能である。例えば、設定部65、制御部66、生成部67、および表示制御部69の機能と、判定部68の機能とを、2台のサーバコンピュータに分散して担わせる。この場合は2台のサーバコンピュータでトモシンセシス撮影制御装置を構成する。
このように、コンピュータのハードウェア構成は、処理能力、安全性、信頼性等の要求される性能に応じて適宜変更することができる。さらに、ハードウェアに限らず、作動プログラム60等のアプリケーションプログラムについても、安全性および信頼性の確保を目的として、二重化したり、あるいは、複数のストレージデバイスに分散して格納することももちろん可能である。
上記各実施形態において、例えば、設定部65、135、176、200、制御部66、生成部67、216、判定部68、120、125、140、155、171、180、205、217、表示制御部69、導出部85、121、比較部86、出力部87、130、142、157、182、207、第1導出部126、第2導出部127、第1比較部128、第2比較部129、処理部141、156、181、206、受付部170、記憶制御部175、および画素間引き部215といった各種の処理を実行する処理部(Processing Unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(Processor)を用いることができる。各種のプロセッサには、ソフトウェアを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU52に加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、および/またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、および/または、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントおよびサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)を用いることができる。
以上の記載から、以下の付記項1に記載の発明を把握することができる。
[付記項1]
被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から前記被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、前記放射線管の動作を制御することにより、前記照射角度に対応して予め設定された照射可能位置の総数よりも少ない照射位置において前記放射線を照射させる制御プロセッサと、
前記照射位置における前記放射線の照射によって得られた判定用画像に基づいて、診断に必要なレベルの画質を有する前記断層画像を得るために、前記照射位置とは異なる前記照射可能位置において前記放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定プロセッサと、
を備えるトモシンセシス撮影制御装置。
本開示の技術は、上述の種々の実施形態および/または種々の変形例を適宜組み合わせることも可能である。また、上記各実施形態に限らず、要旨を逸脱しない限り種々の構成を採用し得ることはもちろんである。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「Aおよび/またはB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、AおよびBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「および/または」で結び付けて表現する場合も、「Aおよび/またはB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願および技術規格は、個々の文献、特許出願および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 乳房撮影装置
11、232 装置本体
12、231 制御装置(トモシンセシス撮影制御装置)
13 ネットワーク
14 画像データベースサーバ(画像DBサーバ)
15 端末装置
20 スタンド
20A 台座
20B 支柱
21、233 アーム
21A 接続部
22、235 線源収容部
23、236 検出器収容部
24、237 本体部
25、220、225、238 放射線源
26、239 放射線検出器
27、240 放射線管
28、243 ハウジング
29 圧迫板
30 フェイスガード
35 陰極
36 陽極
37 放射線
38 ガラス管
39 放射線透過窓
40 照射野限定器
41 遮蔽板
45、241 撮像面
50 ストレージデバイス
51 メモリ
52 CPU
53 通信部
54 ディスプレイ
55 入力デバイス
60 作動プログラム(トモシンセシス撮影制御装置の作動プログラム)
61、110、133、195 設定条件
62、131、145、160、172、185、210 判定条件
65、135、176、200 設定部
66 制御部
67、216 生成部
68、120、125、140、155、171、180、205、217 判定部
69 表示制御部
75 動作設定情報
76 判定結果情報
80 表
85、121 導出部
86 比較部
87、130、142、157、182、207 出力部
90 画像表示画面
91 撮影情報表示領域
92 断層画像表示領域
93 送りボタン
94 戻しボタン
95、102、107 確認ボタン
100、105 通知画面
101、106 メッセージ
115 病変部
116 病変部情報
126、127 第1、第2導出部
128、129 第1、第2比較部
141、156、181、206 処理部
143 第1機械学習モデル
144、159、184、209 出力データ
150、190 学習データ
151、191 判断データ
152、192 学習用出力データ
158 第2機械学習モデル
165 画質判断選択画面
166 判定用断層画像表示領域
167A、167B ラジオボタン
168 指示ボタン
170 受付部
175 記憶制御部
177 動作設定履歴
178 動作設定情報テーブル
179 被検者情報
183 第3機械学習モデル
208 第4機械学習モデル
215 画素間引き部
230 撮影装置
234 台車
242 寝台
CP 撮像面の辺の中心点
D 焦点の間隔
EB 電子線
F、F1~F16 放射線の焦点
GL 焦点の位置が設定される直線
H 被検者
JT 判定用断層画像
JT_CO 切り出し画像
L、L1、L15 焦点と中心点とを結んだ線
LT 学習用断層画像
M 乳房(被写体)
NR 撮像面の辺の中心点から延びる撮像面の法線
P 投影画像
QET 画質評価閾値
QET_G 粒状度評価閾値
QET_R 深さ分解能評価閾値
QEV 画質評価値
QEV_G 粒状度評価値
QEV_R 深さ分解能評価値
RT01~RT15 放射線管ID
SP、SP1~SP16 放射線管の位置
ST100、ST120、ST140、ST150、ST160、ST170、ST200、ST220、ST240、ST250、ST270 ステップ
ST110、ST210、ST260 ステップ(制御ステップ)
ST130、ST230 ステップ(判定ステップ)
T、T1~TN 断層画像
TF、TF1~TFN 断層面
θ 放射線の照射角度
Ψ トモシンセシス撮影の最大スキャン角度

Claims (17)

  1. 被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から前記被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、前記放射線管の動作を制御する制御部であって、複数の前記照射角度に対応する複数の照射可能位置から少なくとも2箇所の照射位置を設定し、設定された照射位置から前記放射線を照射させる制御部と、
    複数の照射位置で得られた複数の投影画像から断層画像を生成する生成部と、
    1以上の整数をNとし、かつ、設定された複数の照射位置から前記放射線を照射させるN回目の撮影が行われ、前記N回目の撮影によって得られた複数の投影画像から生成された断層画像をN回目の断層画像とした場合において、前記N回目の断層画像の画質に基づいて、前記N回目の撮影における照射位置とは異なる追加照射位置において前記放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記判定部において、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要があると判定された場合、前記制御部は、前記追加照射位置において前記放射線を追加照射させるN+1回目の撮影を行わせ、さらに、前記N回目の撮影で得られた投影画像に加えて前記N+1回目の撮影で得られた投影画像を用いたN+1回目の断層画像の生成を、前記生成部に行わせることにより、前記断層画像の生成に用いる前記投影画像の数を段階的に増加させる処理を行い、
    一方、前記判定部において、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要がないと判定された場合、前記制御部は、N回目の前記断層画像を、診断用の断層画像として出力するトモシンセシス撮影制御装置。
  2. 前記判定部は、前記N回目の断層画像の画質評価値と予め設定された画質評価閾値との比較により前記判定を行う請求項1に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  3. 前記画質評価値は、前記被写体の病変部の値である請求項2に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  4. 前記判定部は、入力された前記N回目の断層画像の前記画質が予め設定された条件を満足するか否かを出力する第1機械学習モデルを用いて前記判定を行う請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  5. 前記判定部は、前記N回目の断層画像から前記被写体の病変部の領域を切り出した切り出し画像が入力され、入力された前記切り出し画像の前記画質が予め設定された条件を満足するか否かを出力する第2機械学習モデルを用いて前記判定を行う請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  6. 前記N回目の断層画像を表示する制御を行う表示制御部と、
    前記N回目の断層画像の前記画質が予め設定された条件を満足するか否かの選択指示を受け付ける受付部とを備え、
    前記判定部は、前記受付部において受け付けた前記選択指示に基づいて前記判定を行う請求項1に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置において、
    前記画質は粒状度および深さ分解能を含み、
    前記判定部は、前記N回目の断層画像の前記粒状度が予め設定された条件を満足するか否か、および前記N回目の断層画像の前記深さ分解能が予め設定された条件を満足するか否かを個別に判定し、
    前記深さ分解能は予め設定された条件を満足するが、前記粒状度は予め設定された条件を満足しない場合と、前記粒状度は予め設定された条件を満足するが、前記深さ分解能は予め設定された条件を満足しない場合と、前記粒状度および前記深さ分解能が予め設定された条件を満足しない場合とで、前記追加照射位置が変更されるトモシンセシス撮影制御装置。
  8. 前記制御部により前記放射線が照射された前記照射位置に関する情報が被検者毎に登録された照射位置関連情報テーブルを記憶する制御を行う記憶制御部を備え、
    前記照射位置関連情報テーブルに基づいて、1回目の撮影の前記照射位置が設定される請求項1から請求項のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  9. 前記判定部は、1回目の撮影の少なくとも2箇所の前記照射位置における前記放射線の照射によって得られた、少なくとも2枚の投影画像から生成された断層画像が入力され、予め設定された条件の画質を得るための必須の前記照射位置を出力する第3機械学習モデルを用いて前記判定を行う請求項1から請求項のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  10. 前記N回目の前記断層画像は、放射線検出器から出力された画像と比べて画素が間引かれた画像である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  11. 線対称な前記照射可能位置、および/または、等間隔な前記照射可能位置が、一度に前記照射位置として設定される請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  12. 最大の前記照射角度に対応する前記照射可能位置が、1回目の撮影の前記照射位置として設定される請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置において、
    N回目の撮影の前記照射位置よりも照射角度が狭い前記照射可能位置が、前記追加照射位置として設定されるトモシンセシス撮影制御装置。
  14. 前記放射線管は前記照射可能位置に固定されている請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  15. 前記放射線管は、少なくとも2箇所の前記照射可能位置の間を移動する請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のトモシンセシス撮影制御装置。
  16. 被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から前記被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、前記放射線管の動作を制御する制御ステップであって、複数の前記照射角度に対応する複数の照射可能位置から少なくとも2箇所の照射位置を設定し、設定された照射位置から前記放射線を照射させる制御ステップと、
    複数の照射位置で得られた複数の投影画像から断層画像を生成する生成ステップと、
    1以上の整数をNとし、かつ、設定された複数の照射位置から前記放射線を照射させるN回目の撮影が行われ、前記N回目の撮影によって得られた複数の投影画像から生成された断層画像をN回目の断層画像とした場合において、前記N回目の断層画像の画質に基づいて、前記N回目の撮影における照射位置とは異なる追加照射位置において前記放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定ステップと、を備え、
    前記判定ステップにおいて、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要があると判定された場合、前記制御ステップは、前記追加照射位置において前記放射線を追加照射させるN+1回目の撮影を行わせ、さらに、前記N回目の撮影で得られた投影画像に加えて前記N+1回目の撮影で得られた投影画像を用いたN+1回目の断層画像の生成を、前記生成ステップにおいて行うことにより、前記断層画像の生成に用いる前記投影画像の数を段階的に増加させる処理を行い、
    一方、前記判定ステップにおいて、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要がないと判定された場合、前記制御ステップは、N回目の前記断層画像を、診断用の断層画像として出力するトモシンセシス撮影制御装置の作動方法。
  17. 被写体の任意の断層面における断層画像を生成するために、異なる複数の照射角度から前記被写体に放射線を照射するトモシンセシス撮影を、複数の放射線管を用いて行う場合に、前記放射線管の動作を制御する制御部であって、複数の前記照射角度に対応する複数の照射可能位置から少なくとも2箇所の照射位置を設定し、設定された照射位置から前記放射線を照射させる制御部と、
    複数の照射位置で得られた複数の投影画像から断層画像を生成する生成部と、
    1以上の整数をNとし、かつ、設定された複数の照射位置から前記放射線を照射させるN回目の撮影が行われ、前記N回目の撮影によって得られた複数の投影画像から生成された断層画像をN回目の断層画像とした場合において、前記N回目の断層画像の画質に基づいて、前記N回目の撮影における照射位置とは異なる追加照射位置において前記放射線を追加照射する必要があるか否かを判定する判定部として、コンピュータを機能させるトモシンセシス撮影制御装置の作動プログラムであって、
    前記判定部において、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要があると判定された場合、前記制御部は、前記追加照射位置において前記放射線を追加照射させるN+1回目の撮影を行わせ、さらに、前記N回目の撮影で得られた投影画像に加えて前記N+1回目の撮影で得られた投影画像を用いたN+1回目の断層画像の生成を、前記生成部に行わせることにより、前記断層画像の生成に用いる前記投影画像の数を段階的に増加させる処理を行い、
    一方、前記判定部において、N回目の前記断層画像の画質に基づいて前記放射線を追加照射する必要がないと判定された場合、前記制御部は、N回目の前記断層画像を、診断用の断層画像として出力するトモシンセシス撮影制御装置の作動プログラム
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