JP7221300B2 - レーザ加工装置及び被加工物の加工方法 - Google Patents
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Description
高分子材料における化学結合は、結合エネルギーよりも高いフォトンエネルギーをもつエキシマレーザ光によって切断することができる。そのため、エキシマレーザ光によって高分子材料の非加熱加工が可能となり、加工形状が綺麗になることが知られている。
また、ガラスやセラミックス等はエキシマレーザ光に対する吸収率が高いので、可視及び赤外線レーザ光では加工することが難しい材料であっても、エキシマレーザ光により加工できることが知られている。
1.比較例に係るレーザ加工装置及びレーザ加工システム
1.1 構成
1.1.1 レーザ装置の構成
1.1.2 レーザ加工装置の構成
1.2 動作
1.2.1 レーザ装置の動作
1.2.2 レーザ加工装置の動作
1.2.3 マスクにおける照射領域の移動
1.2.4 被加工物における照射領域の移動
1.2.5 レーザ加工制御部の動作
1.2.5.1 メインフロー
1.2.5.2 レーザ加工条件パラメータの読込の詳細
1.2.5.3 制御パラメータの計算及び設定の詳細
1.2.5.4 ビームスキャン加工の詳細
1.3 課題
2.縦横の照射幅を独立に変更可能なレーザ加工装置
2.1 構成
2.2 動作
2.2.1 制御パラメータの計算及び設定
2.2.2 マスクにおける照射領域の移動
2.3 作用
2.4 整形光学系の構成例
3.マスク幅に照射幅を合わせるレーザ加工装置
3.1 概要
3.2 動作
3.2.1 レーザ加工条件パラメータの読込
3.2.2 制御パラメータの計算及び設定
3.2.3 マスクにおける照射領域の移動
3.3 作用
4.マスクを複数回スキャンするレーザ加工装置
4.1 構成
4.2 動作
4.2.1 レーザ加工条件パラメータの読込
4.2.2 制御パラメータの計算及び設定
4.2.3 ビームスキャン加工
4.2.4 マスクにおける照射領域の移動
4.2.5 被加工物における照射領域の移動
4.3 作用
5.整形光学系への入射光を拡大縮小可能なレーザ加工装置
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用
6. その他
1.1 構成
図1は、比較例に係るレーザ加工装置14を含むレーザ加工システム10の構成を概略的に示す。レーザ加工システム10は、レーザ装置12と、光路管13と、レーザ加工装置14と、を含む。
レーザ装置12は、紫外線のレーザ光を出力するレーザ装置である。例えば、レーザ装置12は、F2、ArF、KrF、XeCl、又はXeFをレーザ媒質とする放電励起式レーザ装置であってよい。レーザ装置12は、発振器20と、モニタモジュール24と、シャッタ26と、レーザ制御部28と、を含む。
チャンバ30は、一対の電極43及び44と、絶縁部材45と、ウインドウ47及び48と、を含む。絶縁部材45には複数の導電部材29が埋め込まれている。電極43は絶縁部材45に支持されている。電極43は、導電部材29を介してパルスパワーモジュール38に電気的に接続されている。電極44は、チャンバ30を構成する導電性の部材を介して接地電位に接続されている。
シャッタ26は、ビームスプリッタ50を通過したレーザ光の光路に配置される。
レーザ光の光路は、筐体60及び光路管13によってシールされ、N2ガスでパージされていてもよい。
レーザ加工装置14は、照射光学システム70と、フレーム72と、XYZステージ74と、レーザ加工制御部100と、を含む。
整形光学系130に含まれる高反射ミラー133は、入射したレーザ光をフライアイレンズ134に入射させるように配置される。
フライアイレンズ134は、フライアイレンズ134の焦点面とコンデンサレンズ136の前側焦点面とが一致するように配置される。コンデンサレンズ136は、コンデンサレンズ136の後側焦点面とマスク140の位置とが一致するように配置される。
整形光学系130は、以上の構成により、マスク140をケーラー照明する。
1.2.1 レーザ装置の動作
レーザ装置12において、レーザ制御部28は、レーザ加工制御部100から受信した目標パルスエネルギーEtのデータに基づいて、充電器36に充電電圧の設定信号を送信する。また、レーザ制御部28は、レーザ加工制御部100から受信した発光トリガに基づいて、パルスパワーモジュール38に含まれるスイッチ39に発光トリガを送信する。
XYZステージ74は、被加工物160の所望の加工対象領域にマスク140の倒立像が形成されるように、テーブル76を位置決めする。
図2Bは、比較例においてレーザ光が照射されるマスク140の例を示す平面図である。マスク140は、マスクパターンが形成されたパターン領域140pを有する。1軸ステージ138を駆動することにより、照射領域141は、図2Bの左端に位置する初期位置141sから右方向に移動する。これにより、パターン領域140pの全体にレーザ光が照射される。
図3は、ビームスキャン方式による被加工物160のレーザ加工方法の例を示す平面図である。図3において、被加工物160の加工面は、「S#1」から「S#12」までの12個の加工対象領域に区画されている。「S#1」から「S#12」までの符号の順番は、ビームスキャン方式による被加工物160の加工順番に相当する。一点鎖線の矢印は、それぞれの加工対象領域における照射領域161の移動方向を示す。
1.2.5.1 メインフロー
図4は、レーザ加工制御部100の動作を示すフローチャートである。以下のようにしてビームスキャン方式によるレーザ加工が行われる。
図5は、レーザ加工条件パラメータの読込の処理内容の例を示すフローチャートである。図5に示されるフローチャートは、図4のステップS12のサブルーチンに相当する。
(a)被加工物160の表面でのフルーエンスの目標値Ft
(b)同じ位置への照射パルス数Np
(c)繰り返し周波数f
同じ位置への照射パルス数Npは、例えば2以上の整数である。
図6は、レーザ加工装置14の制御パラメータの計算及び設定の処理内容の例を示すフローチャートである。図6に示されるフローチャートは、図4のステップS16のサブルーチンに相当する。
F=M-2(T・Tp・Et)/(Bx・By) ・・・(1)
Tt=(M2/Tp)(Ft/Et)(Bx・By) ・・・(2)
Vxmi=f・Bx/Np ・・・(3)
図7は、ビームスキャン加工の処理内容の例を示すフローチャートである。図7に示されるフローチャートは、図4のステップS20のサブルーチンに相当する。
ステップS71にてYESと判定された場合、すなわち、パラメータXaの値が1である場合には、レーザ加工制御部100は、ステップS72に進み、パラメータXaの値を-1に設定する。
図4のステップS17では、例としてパラメータXaの値が初期値-1に設定されている。この場合に、図7の処理を初めて実行するときは、ステップS73においてパラメータXaの値は1に設定される。
パラメータXaの値が1である場合、被加工物160の表面を照射領域161が移動する方向は、例えばX軸の正の方向であり、図3における左方向である。パラメータXaの値が-1である場合、被加工物160の表面を照射領域161が移動する方向はX軸の負の方向であり、図3における右方向である。
ステップS72又はS73の後、レーザ加工制御部100は、S74に進む。
Vxm=-Xa・Vxmi ・・・(4)
ステップS74においては、さらに、等速直線運動の前後の加速及び減速のそれぞれが所定の時間で行われるように、1軸ステージ138を制御するための各種パラメータがセットされてもよい。
式(4)によって決定される移動速度Vxmの値が正の場合は、1軸ステージ138の駆動方向はX軸の正の方向となる。その結果、被加工物160におけるレーザ光の照射領域161の移動方向は、X軸の負の方向となる。
ステップS78において、レーザ加工制御部100は、発光トリガの出力を停止する。これにより、レーザ装置12からのレーザ光の出力が停止される。
以上説明した比較例においては、フルーエンスFを目標値Ftに近づけるために、アッテネータ120の透過率が変更されている。このため、レーザ装置12において生成されたレーザ光のエネルギーのうち、アッテネータ120における減衰分が無駄となる。加工に必要なフルーエンスFの目標値Ftが低くなるほど、アッテネータ120の透過率を低くしなければならず、エネルギーの無駄が大きくなる。
一方、加工に必要なフルーエンスFの目標値Ftが高い場合に備えて、アッテネータ120の透過率を最大とした場合のフルーエンスFは高くしておく必要がある。例えば、照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxは小さい値に設定しておく必要がある。
2.1 構成
図8は、本開示の第1の実施形態に係るレーザ加工装置14を含むレーザ加工システム10の構成を概略的に示す。第1の実施形態において、レーザ加工装置14に含まれる整形光学系130は、図1を参照しながら説明したコンデンサレンズ136の代わりに、ズームコンデンサレンズ136aを含む。また、第1の実施形態において、レーザ加工装置14は、図1を参照しながら説明したアッテネータ120を含まなくてもよい。
他の点については、第1の実施形態の構成は比較例の構成と同様である。
2.2.1 制御パラメータの計算及び設定
図9は、第1の実施形態において実行されるレーザ加工装置14の制御パラメータの計算及び設定の処理内容の例を示すフローチャートである。図9に示されるフローチャートは、図4のステップS16のサブルーチンに相当しており、上述の比較例における図6のフローチャートの代わりに実行される。
Fmt=M2・Ft ・・・(5)
Bxt=Et/(Fmt・By) ・・・(6)
図10A及び図10Bは、第1の実施形態においてレーザ光が照射されるマスク140の例を示す平面図である。ズームコンデンサレンズ136aは、照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxを変更可能に構成されている。図10A及び図10Bの各々に示される初期位置141sの形状及び大きさは、マスク140におけるレーザ光の照射領域141の形状及び大きさに相当する。
他の点については、第1の実施形態の動作は比較例の動作と同様である。
第1の実施形態によれば、フルーエンスの目標値Fmtに応じて照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxを変更するので、アッテネータ120を使用しなくてもフルーエンスを調整することができる。これにより、レーザ光のエネルギーの無駄を抑制できる。
図11A及び図11Bは、フライアイレンズ134及びズームコンデンサレンズ136aの構成例を示す。図11AはY軸方向に沿ってこれらのレンズを見た図であり、図11BはX軸方向に沿ってこれらのレンズを見た図である。
Y方向フライアイレンズ134yは、Y方向フライアイレンズ134yの焦点面とY方向ズームコンデンサレンズ136yの前側焦点面とが一致するように配置される。Y方向ズームコンデンサレンズ136yは、Y方向ズームコンデンサレンズ136yの後側焦点面とマスク140の位置とが一致するように配置される。
Y軸方向についても同様に、Y方向フライアイレンズ134yとY方向ズームコンデンサレンズ136yとによってY軸方向の光強度分布が均一化される。
X方向ズームコンデンサレンズ136xを構成する3枚のシリンドリカルレンズは、2枚のシリンドリカル凸レンズと、2枚のシリンドリカル凸レンズの間に配置された1枚のシリンドリカル凹レンズとを含む。
(1)瞳面(X方向フライアイレンズ134x)から像面(マスク140)までの距離が一定である。
(2)瞳面及び像面でのテレセントリシティが実質的に変化しない。
これにより、照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxと長辺に平行な方向における照射幅Byとを独立に変更することができる。
例えば、図9及び図10を参照しながら説明したように長辺に平行な方向における照射幅Byを固定し、短辺に平行な方向における照射幅Bxのみ変更してフルーエンスを調整可能としてもよい。その場合には、Y方向ズームコンデンサレンズ136yの代わりに、シリンドリカルレンズを含むコンデンサレンズが用いられてもよい。
また例えば、短辺に平行な方向における照射幅Bxを固定し、長辺に平行な方向における照射幅Byのみ変更してフルーエンスを調整可能としてもよい。その場合には、X方向ズームコンデンサレンズ136xの代わりに、シリンドリカルレンズを含むコンデンサレンズが用いられてもよい。
3.1 概要
次に本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の構成は、図8を参照しながら説明した第1の実施形態の構成と同様である。第2の実施形態においては、マスク140のY軸方向におけるマスク幅Bmyに、照射領域141の長辺に平行な方向における照射幅Byを一致させる。
3.2.1 レーザ加工条件パラメータの読込
図13は、第2の実施形態において実行されるレーザ加工条件パラメータの読込の処理内容の例を示すフローチャートである。図13に示されるフローチャートは、図4のステップS12のサブルーチンに相当しており、上述の比較例における図5のフローチャートの代わりに実行される。
(a)被加工物160の表面でのフルーエンスの目標値Ft
(b)同じ位置への照射パルス数Np
(c)繰り返し周波数f
(d)Y軸方向におけるマスク幅Bmy
上記(a)~(c)については比較例と同様である。(d)のY軸方向は、照射領域141の長辺に平行な方向に相当する。マスク幅Bmyは、マスクパターンが形成されたパターン領域140pの幅でもよい。
レーザ加工制御部100は、ステップS31bの後、図4のメインフローに復帰する。
図14は、第2の実施形態において実行されるレーザ加工装置14の制御パラメータの計算及び設定の処理内容の例を示すフローチャートである。図14に示されるフローチャートは、図4のステップS16のサブルーチンに相当しており、上述の比較例における図6のフローチャートの代わりに実行される。
Bxt=Et/(Fmt・Bmy) ・・・(7)
図15A及び図15Bは、第2の実施形態においてレーザ光が照射されるマスク140の例を示す平面図である。ズームコンデンサレンズ136aは、マスク140におけるレーザ光の照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxと長辺に平行な方向における照射幅Byとの両方を変更可能に構成されている。図15A及び図15Bの各々に示される初期位置141sの形状及び大きさは、照射領域141の形状及び大きさに相当する。
他の点については、第2の実施形態の動作は第1の実施形態の動作と同様である。
第2の実施形態によれば、長辺に平行な方向における照射幅ByをY軸方向におけるマスク幅Bmyに設定するので、マスク140のパターン領域140pを効率よく照射することができ、レーザ光のエネルギーの無駄を抑制できる。
4.1 構成
図16は、本開示の第3の実施形態に係るレーザ加工装置14を含むレーザ加工システム10の構成を概略的に示す。第3の実施形態において、レーザ加工装置14は、図8に示される1軸ステージ138の代わりに、2軸ステージ138cを含む。なお、1軸ステージ138および2軸ステージ138cは、本開示における移動装置に相当する。
他の点については、第3の実施形態の構成は第1及び第2の実施形態の構成と同様である。
第3の実施形態において、照射領域141の長辺に平行な方向における照射幅Byは、マスク140のY軸方向におけるマスク幅Bmyの1/n倍に設定される。nは自然数である。そして、レーザ光をX軸方向に1回スキャンするごとに、照射領域141をY軸方向にBmy/n移動させ、n回スキャンすることによってパターン領域140pの全体を照射する。
4.2.1 レーザ加工条件パラメータの読込
図17は、第3の実施形態において実行されるレーザ加工条件パラメータの読込の処理内容の例を示すフローチャートである。図17に示されるフローチャートは、図4のステップS12のサブルーチンに相当しており、上述の比較例における図5のフローチャートの代わりに実行される。
(a)被加工物160の表面でのフルーエンスの目標値Ft
(b)同じ位置への照射パルス数Np
(c)繰り返し周波数f
(d)Y軸方向におけるマスク幅Bmy
(e)照射幅の下限値Bxl
上記(a)~(d)については第2の実施形態と同様である。
光学系において、ラグランジュの不変量と呼ばれる値は伝搬により大きくなることはあっても小さくなることはない。像の高さをhとし、最大光線角度をθとすると、ラグランジュの不変量はh・tanθで与えられる。
Bxl=L・θd/NA ・・・(8)
レーザ加工制御部100は、ステップS31cの後、図4のメインフローに復帰する。
図18は、第3の実施形態において実行されるレーザ加工装置14の制御パラメータの計算及び設定の処理内容の例を示すフローチャートである。図18に示されるフローチャートは、図4のステップS16のサブルーチンに相当しており、上述の比較例における図6のフローチャートの代わりに実行される。
Bxt=n・Et/(Fmt・Bmy) ・・・(9)
この式は、右辺にスキャン回数nが乗算されている点で、第2の実施形態における式(7)と異なる。第3の実施形態においては、マスク140をn回スキャンすることにより、Y軸方向におけるマスク幅Bmyの全体を照射する。
ステップS57cにおいて、レーザ加工制御部100は、nの値に1を加算してnの値を更新し、その後ステップS55cに戻る。こうして、光が投影光学系145の有効径からはみ出ないような照射幅Bxの目標値Bxtが算出されるまで、スキャン回数nに1ずつ加算する。
ステップS58cにおいて、レーザ加工制御部100は、2軸ステージ138cのX軸方向の駆動速度の絶対値Vxmiを計算する。ステップS58cの処理は、図6を参照しながら説明したステップS58の処理と同様である。
図19は、第3の実施形態において実行されるビームスキャン加工の処理内容の例を示すフローチャートである。図19に示されるフローチャートは、図4のステップS20のサブルーチンに相当し、上述の比較例における図7のフローチャートの代わりに実行される。
ステップS72又はS73の後、レーザ加工制御部100は、S74cに進む。
ステップS75cにおいて、レーザ加工制御部100は、2軸ステージ138cのX軸方向の駆動を開始させる。
ステップS74c及びS75cの処理は、それぞれ、図7を参照しながら説明したステップS74及びS75の処理と同様である。
ステップS77において、レーザ加工制御部100は、設定されたビームスキャン方向のビームスキャンが終了したか否かの判定を行う。
ステップS77にてYESと判定された場合、レーザ加工制御部100は、ステップS78において、発光トリガの出力を停止する。
ステップS76~S78の処理は、図7を参照しながら説明したものと同様である。
ステップS81cにおいて、レーザ加工制御部100は、2軸ステージ138cをY軸方向にBmy/n駆動する。Bmy/nは、図18のステップS59cにおいて設定された長辺に平行な方向における照射幅に相当する。
ステップS81cの後、レーザ加工制御部100は、ステップS71に戻り、ビームスキャン方向を切り替えて、n回のビームスキャンが終了するまでステップS71からステップS80cまでの処理を繰り返す。
図20A及び図20Bは、第3の実施形態においてレーザ光が照射されるマスク140の例を示す平面図である。ズームコンデンサレンズ136aは、マスク140におけるレーザ光の照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxと長辺に平行な方向における照射幅Byとの両方を変更可能に構成されている。図20A及び図20Bの各々に示される初期位置141sの形状及び大きさは、照射領域141の形状及び大きさに相当する。
図21は、第3の実施形態における被加工物160のレーザ加工方法の例を示す平面図である。図21に示される「S#1」から「S#12」までの加工対象領域は図3を参照しながら説明したものと同様である。
そして、マスク140にレーザ光を照射し、マスク140におけるレーザ光の照射領域141を、2軸ステージ138cにより図20Bの初期位置141sから右方向に移動させる。これにより、被加工物160におけるレーザ光の照射領域161が、図21における加工対象領域S#1の初期位置161sから左方向に移動する。1回目のビームスキャン動作が終わったら、レーザ光の照射を停止させる。
そして、マスク140にレーザ光を照射し、マスク140におけるレーザ光の照射領域141を、2軸ステージ138cにより図20Bの初期位置142sから左方向に移動させる。これにより、被加工物160におけるレーザ光の照射領域161が、図21における加工対象領域S#1の初期位置162sから右方向に移動する。2回目のビームスキャン動作が終わったら、レーザ光の照射を停止させる。
n回のビームスキャン動作によって、加工対象領域S#1の加工が完了する。
他の点については、第3の実施形態の動作は第1の実施形態の動作と同様である。
第3の実施形態によれば、照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxを小さくしても所望のフルーエンスを得られない場合に、長辺に平行な方向における照射幅Byを小さくする。これにより、レーザ装置12の設定を変えなくても、高いフルーエンスでのレーザ加工が可能となる。
5.1 構成
図22は、本開示の第4の実施形態に係るレーザ加工装置14を含むレーザ加工システム10の構成を概略的に示す。第4の実施形態において、レーザ加工装置14は、拡大縮小光学系170dを含む。拡大縮小光学系170dは、高反射ミラー112と整形光学系130との間のレーザ光の光路に配置されている。
さらに、第1の光学系と第2の光学系との両方が配置されてもよい。
第4の実施形態においては、X方向ズームコンデンサレンズ136xの倍率を小さくして照射領域141の短辺に平行な方向における照射幅Bxを小さくする場合に、拡大縮小光学系170dにより照射領域131の短辺に平行な方向における照射幅Bxfを小さくする。逆に、照射幅Bxを大きくする場合に、照射幅Bxfを大きくする。長辺に平行な方向すなわちY軸方向についても同様である。その理由は以下の通りである。
まず、拡大縮小光学系170dの倍率Moを、次の式(10)に基づいて計算する。
Fz/Fzmin=Mo/Mzmin ・・・(10)
Fzは、ズームコンデンサレンズ136aの焦点距離である。
Fzminは、マスク140におけるレーザ光の照射領域141の照射幅を最小としたときのズームコンデンサレンズ136aの焦点距離である。
Mzminは、マスク140におけるレーザ光の照射領域141の照射幅を最小としたときのズームコンデンサレンズ136aの倍率である。
Fo=Mo・Fomin ・・・(11)
Fominは、フライアイレンズ134におけるレーザ光の照射領域131の照射幅を最小としたときの拡大縮小光学系170dの焦点距離である。
算出された焦点距離Foに基づいて、拡大縮小光学系170dを構成する3枚のシリンドリカルレンズの位置が決定される。
第4の実施形態によれば、ズームコンデンサレンズ136aの調節に連動して、拡大縮小光学系170dを調節する。これにより、ズームコンデンサレンズ136aの倍率を変化させても、加工性能の意図しない変化が抑制される。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
Claims (14)
- 被加工物を載置する載置台と、
レーザ光の一部を遮断するように構成されたマスクにおける前記レーザ光の第1の照射領域が短辺及び長辺を有する矩形状となるように、前記レーザ光を整形し、前記短辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第1の照射幅と、前記長辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第2の照射幅と、の一方を固定し他方を変更可能に構成され、フライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過した前記レーザ光が入射するズームレンズと、を含む整形光学系と、
前記フライアイレンズにおける前記レーザ光の第3の照射領域の大きさを変更するように構成された拡大縮小光学系と、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影するように構成された投影光学系と、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させて、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光の第2の照射領域を移動させる移動装置と、
を備えた、レーザ加工装置。 - 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記整形光学系は、前記第2の照射幅を固定し前記第1の照射幅を変更可能に構成され、
前記制御部は、前記第1の照射幅を変更することにより、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光のフルーエンスが目標値に近づくように、前記整形光学系を制御する、
レーザ加工装置。 - 請求項2記載のレーザ加工装置であって、
前記レーザ光はパルスレーザ光であり、
前記制御部は、前記第1の照射領域の前記短辺に平行な方向の移動速度Vxmの絶対値が以下の値に近づくように前記移動装置を制御する、
|Vxm|=f・Bx/Np
但し、fは前記パルスレーザ光の繰り返し周波数、Bxは前記第1の照射幅、Npは同じ位置への照射パルス数である、
レーザ加工装置。 - 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記整形光学系は、前記第1の照射幅を固定し前記第2の照射幅を変更可能に構成され、
前記制御部は、前記第2の照射幅が前記長辺に平行な方向における前記マスクの幅に近づくように、前記整形光学系を制御する、
レーザ加工装置。 - 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記整形光学系は、前記第1の照射幅を固定し前記第2の照射幅を変更可能に構成され、
前記制御部は、
前記第2の照射幅が前記長辺に平行な方向における前記マスクの幅より小さくなるように、前記整形光学系を制御し、
前記第1の照射領域が前記短辺に平行な方向に移動した後、前記第1の照射領域が前記長辺に平行な方向に移動し、その後、前記第1の照射領域が前記短辺に平行な方向に移動するように、前記移動装置を制御する、
レーザ加工装置。 - 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
前記ズームレンズは3枚のシリンドリカルレンズを含む、
レーザ加工装置。 - 請求項1記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記整形光学系を制御して前記第1の照射領域を小さくする場合に、前記拡大縮小光学系を制御して前記第3の照射領域を縮小し、
前記整形光学系を制御して前記第1の照射領域を大きくする場合に、前記拡大縮小光学系を制御して前記第3の照射領域を拡大する、
レーザ加工装置。 - 被加工物を載置する載置台と、
レーザ光の一部を遮断するように構成されたマスクにおける前記レーザ光の第1の照射領域が短辺及び長辺を有する矩形状となるように、前記レーザ光を整形し、前記短辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第1の照射幅と、前記長辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第2の照射幅と、を独立に変更可能に構成され、フライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過した前記レーザ光が入射するズームレンズと、を含む整形光学系と、
前記フライアイレンズにおける前記レーザ光の第3の照射領域の大きさを変更するように構成された拡大縮小光学系と、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影するように構成された投影光学系と、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させて、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光の第2の照射領域を移動させる移動装置と、
を備えた、レーザ加工装置。 - 請求項8記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の照射幅を変更することにより、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光のフルーエンスが目標値に近づくように、前記整形光学系を制御する、
レーザ加工装置。 - 請求項9記載のレーザ加工装置であって、
前記レーザ光はパルスレーザ光であり、
前記制御部は、前記第1の照射領域の前記短辺に平行な方向の移動速度Vxmの絶対値が以下の値に近づくように前記移動装置を制御する、
|Vxm|=f・Bx/Np
但し、fは前記パルスレーザ光の繰り返し周波数、Bxは前記第1の照射幅、Npは同じ位置への照射パルス数である、
レーザ加工装置。 - 請求項8記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2の照射幅が前記長辺に平行な方向における前記マスクの幅に近づくように、前記整形光学系を制御する、
レーザ加工装置。 - 請求項8記載のレーザ加工装置であって、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第2の照射幅が前記長辺に平行な方向における前記マスクの幅より小さくなるように、前記整形光学系を制御し、
前記第1の照射領域が前記短辺に平行な方向に移動した後、前記第1の照射領域が前記長辺に平行な方向に移動し、その後、前記第1の照射領域が前記短辺に平行な方向に移動するように、前記移動装置を制御する、
レーザ加工装置。 - 被加工物の加工方法であって、
前記被加工物を載置する載置台と、
レーザ光の一部を遮断するように構成されたマスクにおける前記レーザ光の第1の照射領域が短辺及び長辺を有する矩形状となるように、前記レーザ光を整形し、前記短辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第1の照射幅と、前記長辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第2の照射幅と、の一方を固定し他方を変更可能に構成され、フライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過した前記レーザ光が入射するズームレンズと、を含む整形光学系と、
前記フライアイレンズにおける前記レーザ光の第3の照射領域の大きさを変更するように構成された拡大縮小光学系と、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影するように構成された投影光学系と、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させて、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光の第2の照射領域を移動させる移動装置と、
を備えたレーザ加工装置を用いて、
前記第1の照射領域が矩形状となるように前記レーザ光を整形し、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影し、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させること
を含む被加工物の加工方法。 - 被加工物の加工方法であって、
前記被加工物を載置する載置台と、
レーザ光の一部を遮断するように構成されたマスクにおける前記レーザ光の第1の照射領域が短辺及び長辺を有する矩形状となるように、前記レーザ光を整形し、前記短辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第1の照射幅と、前記長辺に平行な方向における前記第1の照射領域の第2の照射幅と、を独立に変更可能に構成され、フライアイレンズと、前記フライアイレンズを通過した前記レーザ光が入射するズームレンズと、を含む整形光学系と、
前記フライアイレンズにおける前記レーザ光の第3の照射領域の大きさを変更するように構成された拡大縮小光学系と、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影するように構成された投影光学系と、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させて、前記載置台に載置された前記被加工物における前記レーザ光の第2の照射領域を移動させる移動装置と、
を備えたレーザ加工装置を用いて、
前記第1の照射領域が矩形状となるように前記レーザ光を整形し、
前記マスクのパターンを前記載置台に載置された前記被加工物に投影し、
前記第1の照射領域を少なくとも前記短辺に平行な方向に移動させること
を含む被加工物の加工方法。
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