JP7221136B2 - 熱交換器 - Google Patents

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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

この発明は、金属箔層に樹脂層が積層されたラミネート材を利用して製作される熱交換器に関する。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来から多く提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、大容量の充電あるいは放電を連続して行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策も提案されている。
ところで、上記のスマートフォンやパーソナルコンピュータのような電子機器では筐体が薄く、その薄い筐体内における限られたスペースに多数の電子部品や冷却器が組み込まれるため、冷却器自体も薄型のものが用いられることになる。
従来において、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は一般的に、アルミニウム等の伝熱性が高い金属を加工して得られた複数の金属加工部品をろう付けや拡散接合等で接合することにより製作するようにしている(特許文献1~3等)。
ところが、上記従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品が鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の金属加工(機械加工)によって製作されているため、面倒で制約も厳しく、特に薄型化に限界があり、現行以上の薄型化を図ることは困難である。
その上さらに、上記従来の冷却器は、各構成部品を接合する際に難易度が高いろう付けや拡散接合等の金属加工(金属間接合)を用いて製作する必要があり、製作が困難であるばかりか、生産効率が低下してコストも増大してしまう。
特開2015-59693号公報 特開2015-141002号公報 特開2016-189415号公報
このような状況下にあって、本願出願人は、金属箔層に樹脂層が積層されたラミネート材を熱交換器の外包材(ケーシング)として用いる技術に関して研究を進めている。
この種の熱交換器においては、ケーシングをラミネート材によって構成しているため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できて生産性の向上およびコストの削減を図ることができる。
しかしながら、上記のような冷却器(熱交換器)の技術分野においては、熱交換性能を十分に確保しつつ、より一層、生産性の向上およびコストの削減を図り得る技術の開発が可及的に求められているのが現状である。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、熱交換性能を十分に確保しつつ、生産性の向上およびコストの削減を図ることができる熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]内部を熱交換媒体が流通するケーシングを備えた熱交換器であって、
前記ケーシングの外周壁が、金属箔層と、その金属箔層の内面側に積層された樹脂製のシーラント層とを備えたラミネート材によって構成され、
前記ケーシングの外周壁の表面側に凹陥変形部が形成されて、その凹陥変形部の裏面側が前記ケーシングの内部に突出するインナーフィンとして構成されていること特徴とする熱交換器。
[2]前記ケーシングの外周壁には、一対の対向壁が設けられ、
前記一対の対向壁のうち、一方の対向壁に前記インナーフィンが形成されるとともに、そのインナーフィンの先端が他方の対向壁に対向して配置されている前項1に記載の熱交換器。
[3]前記インナーフィンの先端が前記他方の対向壁に接触した状態に配置されている前項2に記載の熱交換器。
[4]前記インナーフィンが複数設けられ、各インナーフィンが同じ高さに設定されている前項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
[5]前記インナーフィンは、熱交換媒体が流通する方向に沿って連続する突筋状に形成されている前項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
[6]前記ラミネート材における金属箔層の外面側に樹脂製の保護層が積層されている前項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
[7]前記ラミネート材における前記金属箔層および前記シーラント層間に腐食防止層が形成されている前項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
[8]前記ケーシングの出入口に設置されるジョイント部材を備え、
前記ジョイント部材は、前記出入口に貫通状態に配置されるパイプ部と、前記パイプ部に連結され、かつ前記ケーシングの内部に収容された取付部とを有し、
前記取付部における少なくとも表皮部が、前記ラミネート材のシーラント層と同種の熱融着樹脂によって構成されている前項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
発明[1][2]の熱交換器によれば、ケーシングの外周壁に凹陥変形部を形成して、その凹陥変形部の裏面側をケーシングの内部に突出するインナーフィンとして構成しているため、ケーシング内に、インナーフィンを形成するためのフィン材を別途組み付ける必要がなく、その分、部品点数および組付部品数を削減できて、製作を簡単に行うことができ、生産性の向上およびコストの削減を図ることができる。また本発明の熱交換器においては、ケーシング内にインナーフィンが配置されているため、伝熱面積を十分に確保できて、所望の熱交換性を確実に得ることができる。
発明[3]の熱交換器によれば、一方の対向壁に設けられたインナーフィンを他方の対向壁に接触させているため、インナーフィンが一対の対向壁を支持するスペーサとして機能し、外圧や内圧の変動に対しても、ケーシングの有害な変形を防止できて、耐圧性および耐久性を向上させることができる。
発明[4]の熱交換器によれば、複数のインナーフィンの各フィン高さを同じに設定しているため、インナーフィンの形成領域全域において均等に熱交換できて、良好な熱交換性能を得ることができる。
発明[5]の熱交換器によれば、インナーフィンを熱交換媒体の流通方向に沿って形成しているため、熱交換媒体をインナーフィンに沿ってスムーズに流動させることができ、熱交換媒体の流動特性を向上できて、熱交換性能をより向上させることができる。
発明[6]の熱交換器によれば、ラミネート材における金属箔層の外面側に保護層が形成されているため、結露等による水分が金属箔層に触れることがなく、金属箔層の腐食等を防止することができる。
発明[7]の熱交換器によれば、ケーンシグを構成するラミネート材の金属箔層とシーラント層との間に腐食防止層を形成しているため、何らかの要因で、シーラント層の一部が欠如したとしても、その欠如部において腐食防止層が金属箔層を覆った状態に保持され、金属箔層が腐食してしまうのを有効に防止することができる。
発明[8]の熱交換器によれば、ジョイント部材のパイプ部をケーシングの出入口に貫通した状態に配置しているため、パイプ部を介してケーシングに対し熱交換媒体をスムーズかつ安定した状態で流出入させることができ、熱交換性能をより一層向上させることができる。さらにケーシングを構成するラミネート材のシーラント層と、それに接合されるジョイント部材の表皮部とが同種の熱融着性樹脂によって構成されているため、ジョイント部材とケーシングとを十分な取付強度で確実に熱融着することができ、出入口の周縁部分において液漏れ等の不具合が発生するのを確実に防止することができる。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図である。 図2は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。 図3は実施形態の熱交換器におけるインナーフィン形成部の断面図である。 図4は実施形態の熱交換器におけるジョイント部材組付部の断面図である。 図3の一部を拡大して示す断面図である。 図6はこの発明の第1変形例である熱交換器を示す断面図である。 図7はこの発明の第2変形例である熱交換器を示す断面図である。 図8はこの発明の第3変形例である熱交換器を示す断面図である。 図9はこの発明の第4変形例である熱交換器を示す断面図である。 図10はこの発明の第5変形例である熱交換器を示す断面図である。 図11はこの発明の第6変形例である熱交換器を示す断面図である。 図12はこの発明の第7変形例である熱交換器を示す断面図である。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図、図2は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図、図3は図1のA-A線断面図、図4は図1のB-B線断面図、図5は図3の一点鎖線で囲まれる部分を拡大して示す断面図である。なお本明細書においては、発明の理解を容易にするため、図1および図2の紙面に向かって左右方向を「長さ方向」として説明し、さらに図3および図4の紙面に向かって左右方向を「幅方向」、上下方向を「上下方向」または「厚み方向」として説明する。
これらの図に示すように本実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング1と、ケーシング1の長さ方向(図1および図2の左右方向)の両端部内に収容される一対のジョイント部材4,4とを備えている。
ケーシング1は、平面視矩形状のケーシング本体2と、平面視がケーシング本体2と同一の矩形状に形成されたカバー部材3とによって構成されている。
ケーシング本体2およびカバー部材3は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートであるラミネート材Lによって構成されている。
図5に示すようにラミネート材Lは、金属箔製の金属箔層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の腐食防止層55と、腐食防止層55の一面(内面)に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製のシーラント層(熱融着層)52と、金属箔層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の保護層(耐熱層)53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
ラミネート材Lにおける金属箔層51としては、1000系、3000系、5000系、8000系のアルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、チタン箔等を好適に用いることができる。なお本実施形態において、「アルミニウム」「銅」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
金属箔層51は、伝熱層、集熱層、バリア層とも称されるものであり、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
また金属箔層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、金属箔層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上等を図ることができ、より一層耐久性を向上させることができる。
化成処理は、例えば次のような処理を施す。すなわち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、下記の1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
上記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m~50mg/mに設定するのが好ましく、特に2mg/m~20mg/mに設定するのがより一層好ましい。
腐食防止層55は、シーラント層52が部分的に破断したり溶融したりしてシーラント層52が欠如した際にその欠如部において、腐食防止層55が残存して、金属箔層51に対する被覆状態を維持することによって、金属箔層51が露出するのを防止し、それにより金属箔層51の腐食を防止するためのものである。従って腐食防止層55としては、シーラント層52よりも強度が強く、融点が高い樹脂によって構成するのが好ましい。
腐食防止層55としては例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム等を好適に用いることができる。
また腐食防止層55は、ドライな状態で成膜するドライラミネートで成膜することができる。
また本実施形態において、腐食防止層55としては、厚みが5μm~50μmのものを用いるのが好ましい。
シーラント層52としては、ポリオレフィン(無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(LDPE、LLDPE等))またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
このシーラント層52は、厚みが20μm~1000μmのものを好適に用いることができる。
保護層53としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル樹脂、延伸ナイロン(ONy)等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
本実施形態において保護層53としてのフィルムないしシートは、接着剤を介して金属箔層51に接着するのが基本構造であるが、必要に応じて接着剤を用いずに、保護層を構成する樹脂を金属箔層51に塗布コートして保護層53を積層(成膜)するようにしても良い。
保護層53は、金属箔層51への結露や大気中の腐食成分等からの悪影響を回避するためのものであるため、金属箔層51が保護されていれば熱融着性の樹脂を用いることもできる。
さらに保護層53は、電池等の冷却対象部材(熱交換対象部材)に直接接触するものであるから、熱交換性能(伝熱性)を向上させるために薄い方が好ましい。具体的には、保護層53としては、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが好ましい。
またラミネート材Lを構成する金属箔層51、腐食防止層55、シーラント層52および保護層53の各層間を接着するための接着層としては、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
上記のラミネート材Lによって構成されるケーシング本体2は、その外周縁部を除く中間領域が下方に深絞り成型や、押出成形等の冷間成形の手法を用いて凹陥形成されて、平面視矩形状の凹部21が形成されるとともに、凹部21の開口縁部周辺に外方に突出するようにフランジ部25が一体に形成されている。
カバー部材3は、平面視においてケーシング本体2と実質的に同一の形状を有しており、後述するように外周縁部がケーシング本体2のフランジ部25の上面に熱融着(熱接着)されて、このカバー部材3によりケーシング本体2における凹部21の上端開口部が覆われて、ケーシング1が製作されるように構成されている。
ここで本実施形態において、カバー部材3におけるケーシング本体2の凹部21に対応する領域を「中間領域」と称しており、その中間領域と、ケーシング本体2における凹部底壁とによって、一対の対向壁が構成されている。なお言うまでもなく、本発明において、一対の対向壁のうち、一方の対向壁は中間領域および凹部底壁のいずれの壁部によって構成されていても良く、他方の対向壁は、一方の対向壁として選択された壁部とは異なる側の壁部によって構成されることとなる。
また本発明においては、ケーシング1の中空部(凹部21)を囲う壁部の全域、具体的にはケーシング本体2の凹部周壁および底壁と、カバー部材3の中間領域が、外周壁として構成されるものである。
図1~図3に示すように、カバー部材3の中間領域には、その長さ方向の両端部を除いて複数本のインナーフィン(内部フィン)30が一体に形成されている。すなわちリブ成形等の熱成形によってカバー部材3の中間領域におけるフィン形成部が凹陥形成されて、中間領域の表面側に凹陥変形部32が形成されるとともに、凹陥変形部32に対応する裏面側の部分(凹陥変形部32の裏面側)が下方に突出するように形成されて、その突出部がインナーフィン30として構成されている。本実施形態において、インナーフィン30は複数形成されており、各インナーフィン30は、カバー部材3の長さ方向(冷媒の流通方向)に連続する突筋状に形成され、かつカバー部材3の幅方向に等間隔おきに並列に配置されている。
なお本実施形態において、複数のインナーフィン30の各フィン高さは同一に設定されている。
またカバー部材3における長さ方向の両端部には、円形の出入口35,35が形成されている。
一方、一対のジョイント部材4,4は、硬質合成樹脂の成形品によって構成されている。
ジョイント部材4は、一側面に開口部42を有する箱状の取付箱部41と、取付箱部41の上壁に設けられたパイプ部43とを備えている。パイプ部43は取付箱部41内に連通しており、パイプ部43の内部と取付箱部41の内部との間で冷媒(熱交換媒体)が往来できるように構成されている。なお本実施形態においてはジョイント部材4の取付箱部41が取付部を構成するものである。
本実施形態において、ジョイント部材4の素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱融着樹脂を好適に用いることができ、特に高密度ポリエチレン(HDPE)等の熱融着樹脂(熱接着性樹脂)を用いるのが好ましい。なお本実施形態において、ジョイント部材4は、その少なくとも外表面(表皮部)が外ケーシング1を構成するラミネート材Lのシーラント層52と同種(同一も含む)の熱融着樹脂によって構成されている。
このジョイント部材4の取付箱部41がケーシング本体2の凹部21における両端部に配置される。この場合、ジョイント部材4のパイプ部43を上向きに配置するとともに、取付箱部41の開口部42を内側に向けて、つまり長さ方向中央側に向けて配置する。
こうしてケーシング本体2内にジョイント部材4,4を収容して、カバー部材3をケーシング本体2にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材3のインナーフィン30をジョイント部材4,4間に配置しつつ、カバー部材2の出入口35,35内に、ジョイント部材4,4の上向きのパイプ部43,43を挿通配置する。なおこの状態においては、インナーフィン30の先端(下端)は、ケーシング本体2の凹部底壁に接触した状態に配置されている。
こうして仮組された熱交換器を減圧加熱することによって、接触し合う部材(熱融着樹脂)同士を熱融着して接合一体化する。
すなわちケーシング本体2のフランジ部25のシーラント層52と、カバー部材3の外周縁部のシーラント層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。ここでケーシング本体2のシーラント層52と、カバー部材3のシーラント層52とは同一の樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
さらにインナーフィン30の先端部(下端部)のシーラント層52と、ケーシング本体2の底面のシーラント層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化する。ここでインナーフィン30(カバー部材3)のシーラント層52と、ケーシング本体2のシーラント層52とは同一の樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
さらにジョイント部材4,4の取付箱部31,31の外周面と、ケーシング本体2およびカバー部材3のシーラント層52,52とを熱接着(熱融着)により接合一体化する。ここでジョイント部材4,4と、ケーシング本体2およびカバー部材3のシーラント層52,52とは同種の樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。従ってジョイント部材4,4のパイプ部43,43の周辺部が、カバー部材3の出入口35,35の周縁部に液密ないし気密状態に接着され、出入口16,16の周縁部分において液漏れ等の不具合が発生するのを確実に防止できて、品質をより一層向上させることができる。
こうして組み付けられた熱交換器は、ケーシング1における両端部の上壁(カバー部材3)からジョイント部材4,4のパイプ部43,43が上方に突出するように配置されている。
以上の構成における本実施形態の熱交換器は、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却する冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部43に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部43に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器のケーシング1における上壁(中央領域)および/または下壁(凹部底壁)に冷却対象部材としての電池を接着させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部43から冷却液を一方のジョイント部材4を介してケーシング1内に流入し、その冷却液を並列配置のインナーフィン30各間に流通させて、他方のジョイント部材4を介して他方のパイプ部43から流出させる。こうして冷却液をケーシング1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン30を含むケーシング1の上壁および/または下壁を介して熱交換されることにより、電池が冷却されるものである。
以上の構成の本実施形態の熱交換器によれば、カバー部材3に凹陥変形部32を形成して、その凹陥変形部32の裏面側をケーシング1の内部において突出するインナーフィン30として構成することにより、カバー部材3にインナーフィン30を一体に形成しているため、カバー部材3をケーシング本体2に組み付けるだけでケーシング1内にインナーフィン30を形成することができる。このため熱交換器を製作するに際して、インナーフィン30を形成するためのフィン材を別途取り付ける必要がなく、その分、部品点数および組付部品数を削減できて、製作を簡単に行うことができ、生産性の向上およびコストの削減を図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器においては、ケーシング1内にインナーフィン30が配置されているため、伝熱面積を十分に確保できて、所望の冷却性能(熱交換性能)を確実に得ることができる。
特に本実施形態においては、インナーフィン30を複数形成しているため、伝熱面積をより大きくすることができ、所望の冷却性能をより確実に得ることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、カバー部材3の内面に一体形成されたインナーフィン30の先端をケーシング本体2の底面に接触させているため、ケーシング本体2の外面(下面)からインナーフィン30への伝熱性を一層向上させることができ、熱交換性能を一層向上させることができる。
さらに本実施形態の熱交換器においては、インナーフィン30の先端を対向壁(ケーシング下壁)に接触させて融着固定しているため、インナーフィン30がケーシング1の上下壁を支持するスペーサとして機能し、外圧や内圧の変動に対しても、ケーシング1の圧縮変形および膨張変形を防止することができる。このため耐圧性を向上できて、圧力変動に起因する水漏れ等を防止できて、安定した熱交換性能を長期間維持できて、耐久性を向上させることができる。
さらに本実施形態の熱交換器においては、複数のインナーフィン30の各フィン高さを一定に設定しているため、ケーシング1の上下壁間の寸法(厚み)を平面方向(長さ方向および幅方向)の全域にわたってほぼ均一に形成することができ、ケーシング1の平面方向の全域で均等に熱交換できて、良好な熱交換性能を得ることができる。
なお、本発明においては、カバー部材中央領域等の一方の対向壁に形成されたインナーフィン30の先端を、ケーシング本体底壁等の他方の対向壁に必ずしも接触させる必要はなく、インナーフィン30の先端を対向壁から離間して配置するようにしても良い。この場合には、冷媒がケーシング1の幅方向にも冷媒が自在に移動できるため、冷媒の流動特性を向上できて、良好な熱交換性能を得ることができる。
さらにインナーフィン30の先端を対向壁から離間させている場合であっても、複数のインナーフィン30の各フィン高さを一定に設定することによって、ケーシング1の全域において均等に熱交換できて、より良好な熱交換性能を得ることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、インナーフィン30は、ケーシング1の長さ方向、つまり冷媒が流通する方向(長さ方向)に沿って連続する突筋状に形成しているため、冷媒の流れを妨げることなく、インナーフィン30に沿ってスムーズに流動させることができ、冷媒の流動特性を一層向上できて、熱交換性能を一層向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、ケーシング1の金属箔層51とシーラント層52との間に、高強度かつ高融点の腐食防止層55が設けられているため、何らかの要因で、シーラント層52に欠如部が発生したとしても、その欠如部においては、腐食防止層55によって金属箔層51が覆われた状態に保持される。このため金属箔層51が腐食してしまうのを防止できて、ピンホールおよび液漏れの発生等を確実に防止できて、耐久性等を一層向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、ケーシング1の両端部に設けられるジョイント部材4のパイプ部43を、ケーシング1の出入口35に貫通した状態に配置しているため、パイプ部43を介してケーシング1に対し冷却液をスムーズにかつ安定した状態で流出入させることができ、冷却性能をより一層向上させることができる。
ここで図3に示すように本実施形態において、隣り合うインナーフィン30間の間隔(フィンピッチ)を「Fp」とし、ケーシング本体2の凹部21の深さ(一対の対向壁間の間隔)を「Rd」としたとき、ケーシング1(ケーシング本体2およびカバー部材3)の成形性を考慮すると、「Rd>Fp」の関係を成立させるのが好ましい。
なお言うまでもなく本発明において、インナーフィン30の形状は特に限定されるものではない。例えば図6に示すようにインナーフィン30の形状を断面三角形状に形成したり、図7に示すように断面円弧状に形成するようにしても良い。さらに図8に示すようにインナーフィン30の形状を断面矩形状に形成したり、図9に示すように断面台形状に形成するようにしても良い。
このようにインナーフィン30の形状はどのような形状でも良いが、断面三角形状のインナーフィン30(図6)や断面円弧状のインナーフィン30(図7)では、インナーフィン30の先端が対向壁(ケーシング下壁)に対し線接触状態となるため、インナーフィン30の先端と対向壁との間の取付強度を十分に確保できないおそれがある。これに対し、断面矩形状のインナーフィン30(図8)や台形状のインナーフィン30(図9)では、インナーフィン30の先端が対向壁(ケーシング下壁)に対し面接触状態となるため、インナーフィン30の先端と対向壁との間の取付強度を十分に確保するこことができる。このためフィン幅FwおよびフィンピッチFp(図3参照)が同じであっても、図6および図7に示す線接触のインナーフィン30は、図8および図9に示す面接触のインナーフィン30と比べると、内圧および外圧特に内圧に対する耐圧性が低くなってしまう。このため図6および図7に示す線接触のインナーフィン30は、耐圧性を高くするためにはフィンピッチFpを小さく設定する必要があるが、そうすると、インナーフィン30の各間によって構成される冷媒流通路の幅が狭くなり、冷媒の流通量が少なくなり、冷却性能が低下するおそれがある。これに対し、図8および図9に示す面接触のインナーフィン30は、十分な耐圧性を確保できるため、フィンピッチFpを大きく設定でき、冷媒の流通量を多くできて、冷却性能を向上させることができる。その中でも図9に示す台形状のインナーフィン30は、図8に示す矩形状のインナーフィン30に比べて、フィン30間の冷媒流通路を広く設定できるため、冷媒の流通量を一層多く確保できて、より一層冷却性能を向上させることができる。従って本発明においては図9に示す台形状のインナーフィン30を採用するのが好ましい。
また上記実施形態においては、インナーフィン30をカバー部材3側に形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、インナーフィン30をケーシング本体2側に形成するようにしても良い。例えば図10に示すようにケーシング本体2の凹部底壁の所要部分をその表面側(下面側)から上方に凹陥形成して凹陥変形部22を形成し、その凹陥変形部22の裏面側(上面側)をケーシング1内に突出するインナーフィン20として形成するようにしても良い。
また本発明においては、インナーフィンをケーシング本体2およびカバー部材3の双方に設けるようにしても良い。例えば図11に示すようにケーシング本体2の凹部底壁の所要部分を表面側(下面側)から上方に凹陥形成して凹陥変形部22を形成し、その凹陥変形部22の裏面側(上面側)をケーシング1内に突出するインナーフィンと20として形成する一方、カバー部材3の中間領域を上方へ凹陥形成して凹部31を形成し、その凹部上壁における上記インナーフィン20に対応する部分を表面側(上面側)から下方に凹陥形成して凹陥変形部32を形成し、その凹陥変形部32の裏面側(下面側)をケーシング1内に突出するインナーフィン30として形成する。そして対向し合うインナーフィン20,30の先端同士を熱融着によって接合一体化するようにしている。
さらに図12に示すようにケーシング本体2の凹部底壁の所要部分を表面側(下面側)から上方に凹陥形成して凹陥変形部22を形成し、その凹陥変形部22の裏面側(上面側)をケーシング1内に突出するインナーフィンと20として形成する一方、カバー部材3の中間領域における上記インナーフィン20の各間に対応する部分を表面側(上面側)から下方に凹陥形成して凹陥変形部32を形成し、その凹陥変形部32の裏面側(下面側)をケーシング1内に突出するインナーフィン30として形成するようにしても良い。
もっとも本発明においては、ケーシング1の上壁(カバー部材)または下壁(凹部底壁)に電池等の熱交換対象部材を接触させて熱交換するものであるため、良好な接触性(熱交換性)を確保するには、熱交換対象部材との接触面(接触壁)が平坦であるのが好ましい。従って、ケーシング1の上壁および下壁の少なくともいずれか一方には、インナーフィン(凹陥変形部)を形成せずに平坦面(平坦壁)としておき、その平坦壁側に熱交換対象部材を接触させるのが好ましい。換言すると、本発明においては、ケーシング1の上壁および下壁のうち一方だけにインナーフィン(凹陥変形部)を形成するのが好ましい。
また上記実施形態においては、ケーシング1をケーシング本体2およびカバー部材3との2枚のラミネート材Lによって製作する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、1枚のラミネート材Lによって構成することも可能である。例えば1枚のラミネート材の一方側半部をケーシング本体として構成し、他方側半部をカバー部材として構成しておき、一方側半部を他方側半部に折り重ねて、重なり合ったラミネート材のうち、折り返し部を除く外周縁部を熱融着等によって接着することにより、ケーシングを製作するようにしても良い。さらに言うまでもなく、本発明においては3枚以上のラミネート材を用いてケーシングを製作するようにしても良い。
また上記実施形態においては、ラミネート材Lとして4層構造のものを用いているが、それだけに限られず、本発明においては、ラミネート材は少なくとも金属箔層とシーラント層とが含まれていれば良い。従って本発明においては、2層構造、3層構造または5層以上の構造のラミネート材を使用するようにしても良い。
また上記実施形態においては、本発明の熱交換器を自動車用等の電池パックの冷却器として用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、電池パックの冷却器以外の冷却器に適用できるとともに、ケーシング内に加熱用の熱媒体(熱媒)を流通させることにより、加熱器として適用することもできる。具体的には、自動車用電池パックの加熱用の熱交換器、自動車の電動機、産業機械、家電、情報端末等の電力駆動機器の主電力を制御するための電力用半導体素子(パワーモジュール)の冷却用の熱交換器、パーソナルコンピュータのCPU(中央演算処理装置)の冷却用の熱交換器、家庭用または業務用蓄電池の冷却/加熱用の熱交換器、パーソナルコンピュータの電池パック(電池モジュール)の冷却用の熱交換器、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイの冷却用の熱交換器や、床暖房設備、寒冷地域での屋根、通路、道路等の融雪設備の熱交換器としても用いることができる。
<実施例>
図1~図3に示す上記実施形態の熱交換器に準拠して、以下のように実施例の熱交換器を製作した。
1.ラミネート材Lの作製
(1)金属箔層としてのJIS H4160のA8021のアルミニウム箔(厚さ100μm)にクロメート処理を行い、下地層を両面にコーティングする(クロム付着量は片面当たり10g/m)。
(2)アルミニウム箔の一方の面(外面)に、ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介して保護層53としてPETフィルム(厚さ12μm)を積層する。
(3)アルミニウム箔の他方の面(内面)に、ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介して腐食防止層55としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ12μm)を積層する。
(4)腐食防止層55としての上記2軸延伸PETフィルムの他方の面(内面)に、ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介してシーラント層52としてのLLDPE(厚さ40μm)を積層する。
2.ジョイント部材3の作製
縦60mm×横15mm×高さ4mmの取付箱部41に、パイプ部43が一体に成形されたHDPE製のジョイント部材4を準備した。パイプ部43は、内径φ10mm、外径φ12mm、長さが3mmである。
3.熱交換器の構成部品の準備
(1)ケーシング本体2の作製
ラミネート材LをそのLLDPE側(内面側)を凹ませるように、下記のプレス条件で深絞り成形して、長さ180mm×幅60mm×深さ4mmの凹部20を成形した。プレス条件は、しわ押え圧がゲージ圧で0.475MPa、実圧(計測値)が0.7MPaである。
そして凹部20を成形した上記ラミネート材Lを、凹部20の外側全周に幅10mmのフランジ部25が形成されるように外周縁部をカット(トリミング)して、上記凹部20付きの長さ200mm×幅80mmのケーシング本体2を作製した。
(2)カバー部材3の作製
ラミネート材Lに対し、幅8mm×長さ100mm×高さ4mmのR付きのリブ(成形型)を用いて、LLDPE側(内面側)が凸となるように上記と同様のプレス条件で成形することによって、ピッチ(間隔)が幅方向に16mmで4本のインナーフィン30を並列に形成した後、全体のサイズが長さ200mm×幅80mmになるようにカットし、さらに両端に内径φ10mmの出入口35を形成してカバー部材3を作製した。
4.部品の組み立ておよび接合
(1)ケーシング本体2の凹部20内における両端部に、ジョイント部材4をそのパイプ部43を上向きにして配置し、そのケーシング本体2の上に凹部20を閉塞するようにカバー部材3を配置して、熱交換器仮組品を作製する。この際、カバー部材3はそのインナーフィン30を下向きにして先端(下端)を凹部底面に接触した状態で凹部20内に収容するとともに、両側の出入口35にジョイント部材4のパイプ部43を挿通させるように配置する。
(2)上記の熱交換器仮組品を、チャンバー式の減圧機内で、200mmHg(0.0267MPa)に減圧した状態で、200℃に加熱した上下一対の熱板によって、0.2MPa×5秒間のヒートシールを行い、ケーシング本体2、カバー部材3およびジョイント部材4の各接触部を熱融着して固定し、実施例の熱交換器を作製した。なお一対の熱板のうち、上側の熱板には、ヒートシール時にジョイント部材4のパイプ部43と干渉しないように、パイプ部43を収容可能な内径φ12mmの孔が形成されている。
<比較例>
カバー部材として、インナーフィンが形成されていない平板状(平坦シート状)のものを使用し、それ以外は上記実施例と同様にして、比較例の熱交換器を作製した。
<参考例>
1.インナーフィン部材用ラミネート材(フィン材)の作製
JIS H4160のA8021のアルミニウム箔(厚さ100μm)にクロメート処理を行い、下地層を両面にコーティングする(クロム付着量は片面当たり10g/m)。さらにそのアルミニウム箔の両面にウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介してLLDPE(厚さ40μm)をそれぞれ積層してフィン材を作製した。
2.インナーフィン部材の作製(成形)
上記のフィン材を長さ100mm×幅60mmにカットし、幅方向に4.5mmの間隔で順次折り返すようにコルゲート加工を行って、各山の高さが4mmのつづら折り状のインナーフィン部材を作製した。
3.部品の組み立ておよび接合
実施例と同様のケーシング本体の凹部内における両端部に、実施例と同様のジョイント部材を同様に配置するとともに、凹部内における両ジョイント部材間に上記インナーフィン部材を配置し、さらに比較例と同様のカバー部材をケーシング本体上に配置して、参考例の熱交換器仮組品を作製した。この仮組品において、インナーフィン部材の山頂部はカバー部材の内面に接触し、かつ谷底部はケーシング本体の凹部底面に接触した状態となっている。
この熱交換機仮組品を上記実施例と同様の条件でヒートシールを行い、ケーシング本体、カバー部材、ジョイント部材およびインナーフィン部材の各接触部を熱融着して固定し、参考例の熱交換器を作製した。なおこの参考例の熱交換器は、インナーフィン部材を取り除けば、比較例の熱交換器と同様な構成となる。
<評価試験>
1.冷却性能試験
実施例の熱交換器におけるケーシング本体の平面中央部(底壁中央部)に、80℃に加熱した縦30mm×横30mm×厚さ10mmのアルミニウムブロックを設置し、その状態で、一方のジョイント部材から22℃の常温水を1L/分の流速でケーシング内に流入するとともに、他方のジョイント部材から流出させることにより常温水を循環し、アルミニウムブロックを冷却した。そして冷却開始後から10秒後、20秒後、30秒後のアルミニウムブロック表面の温度を測定した。その結果を表1に示す。
比較例および参考例の熱交換器に対しても同様の測定を行った。その結果を表1に併せて示す。
Figure 0007221136000001
表1から判るように、実施例および参考例の熱交換器は、良好な冷却性能を備えているのに対し、インナーフィンの無い比較例の熱交換器は、冷却性能が不十分であった。
2.漏れ試験
実施例の熱交換器における一方のジョイント部材から0.2MPaの水圧で水を流入させつつ、他方のジョイント部材から流出させるという通水処理を3分間保持し、その後、ジョイント部材以外の部分から水漏れがないかを目視により確認した。
その結果、実施例および参考例の熱交換器はどこからも水漏れが認められなかったが、比較例の熱交換器は、フランジシール部の一部から水漏れが確認された。これは、比較例の熱交換器は、内部にインナーフィン等のスペーサとして機能する部材が配置されておらず、ケーシング上下壁の支持が不十分となり、十分な耐圧性が得られなかったためと考えられる。換言すると、実施例の熱交換器は、インナーフィンによってケーシング上下壁が十分に支持されるため、高い耐圧性が得られていると考えられる。
この発明の熱交換器は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等のCPU回りや電池回りの発熱対策、液晶TV、有機ELTV、プラズマTV等のディスプレイ回りの発熱対策、自動車のパワーモジュール回りや電池回りの発熱対策、定置型やスーパーコンピュータ等の発熱対策に用いられる冷却器の他、床暖房や融雪等の吸熱対策に用いられる加熱器等に利用することができる。
1:ケーシング
2:ケーシング本体
20:インナーフィン
22:凹陥変形部
30:インナーフィン
32:凹陥変形部
35:出入口
4:ジョイント部材
41:取付箱部(取付部)
43:パイプ部
51:金属箔層
52:シーラント層
53:保護層
55:腐食防止層
L:ラミネート材

Claims (8)

  1. 内部を熱交換媒体が流通するケーシングを備えた熱交換器であって、
    前記ケーシングの外周壁が、金属箔層と、その金属箔層の内面側に積層された樹脂製のシーラント層とを備えたラミネート材によって構成され、
    前記ケーシングの外周壁の表面側に凹陥変形部が形成されて、その凹陥変形部の裏面側が前記ケーシングの内部に突出するインナーフィンとして構成されていること特徴とする熱交換器。
  2. 前記ケーシングの外周壁には、一対の対向壁が設けられ、
    前記一対の対向壁のうち、一方の対向壁に前記インナーフィンが形成されるとともに、そのインナーフィンの先端が他方の対向壁に対向して配置されている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記インナーフィンの先端が前記他方の対向壁に接触した状態に配置されている請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記インナーフィンが複数設けられ、各インナーフィンが同じ高さに設定されている請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記インナーフィンは、熱交換媒体が流通する方向に沿って連続する突筋状に形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記ラミネート材における金属箔層の外面側に樹脂製の保護層が積層されている請求項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 前記ラミネート材における前記金属箔層および前記シーラント層間に腐食防止層が形成されている請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記ケーシングの出入口に設置されるジョイント部材を備え、
    前記ジョイント部材は、前記出入口に貫通状態に配置されるパイプ部と、前記パイプ部に連結され、かつ前記ケーシングの内部に収容された取付部とを有し、
    前記取付部における少なくとも表皮部が、前記ラミネート材のシーラント層と同種の熱融着樹脂によって構成されている請求項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
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