JP2022026195A - 熱交換器 - Google Patents

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広治 南谷
Koji Minamitani
克美 田中
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Abstract

【課題】外包体の成形性に優れた熱交換器を提供する。【解決手段】本発明は、入口および出口が設けられた外包体1を備え、入口から流入した熱交換媒体が外包体1内を通って出口から流出するようにした熱交換器を対象とする。外包体1が、金属製の伝熱層51の少なくとも内面側に樹脂製の熱融着層52が設けられた外包ラミネート材L1によって構成される。外包体1の伝熱層51が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されている。【選択図】図4

Description

この発明は、金属製の伝熱層に樹脂製の熱融着層が積層されたラミネート材を用いて製作される熱交換器に関する。
なお本発明においては、「アルミニウム(Al)」という用語は「アルミニウム合金(Al合金)」も含む意味で用いられている。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来より提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、充電と放電とを繰り返し行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策が提案されている。
従来、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は、複数の金属製の構成部品をろう付け等で接合する金属製のものが主流であった(特許文献1~3)。
このような金属製の冷却器は、各構成部品が、鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の面倒な金属加工(機械加工)によって製作されるため、現行以上の薄型化は困難である。
そこで、ケーシングとしての外包体やインナーフィン(内芯材)をラミネート材によって構成した冷却器が提案されている。ラミネート材は、金属箔層に樹脂製の熱融着層が積層されて構成されており、外包体用のラミネート材の熱融着層が、インナーフィン用のラミネート材の熱融着層にヒートシール(熱融着)されて、冷却器が形成されている。
ラミネート材製の冷却器は、面倒な金属加工が不要で、製作の容易化、コストの削減、薄型化等を図ることができるため近年、注目を集めている。
特開2015-59693号公報 特開2015-141002号公報 特開2016-189415号公報
このような技術背景の下、ラミネート材を利用した熱交換器の伝熱性の向上を図るためには、外包体を電池等の冷却対象部材に対し確実に接触させるのが好ましい。その一環として、従来においては、ラミネート材を用いた冷却器において、外包体を冷却対象部材に対し隙間なく密着できるように、外包体の成形性を向上させることが切望されている。
同様な観点から、従来においては、外包体とその内部に収容されるインナーフィンとの伝熱性を向上させるために、インナーフィンを外包体に対し確実に接触できるように、インナーフィンの成形性を向上させることも切望されている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ラミネート材を用いた熱交換器において、成形性に優れた外包体および/またはインナーフィンを得ることができ、伝熱性、ひいては熱交換性能を向上させることができる熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]入口および出口が設けられた外包体を備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
前記外包体が、金属製の伝熱層の少なくとも内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
前記外包体の前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されていることを特徴とする熱交換器。
[2]前記外包体の前記伝熱層が軟質材のO材によって構成されている請求項1に記載の熱交換器。
[3]凹凸部を有するインナーフィンが前記外包体内に配置され、
前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンの前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079H、A1085H、A1070H、A1050H、A1N30H、A1100Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されている前項1または2に記載の熱交換器。
[4]入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体の内部に配置され、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
前記外包体が、金属製の伝熱層の少なくとも内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンの前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079H、A1085H、A1070H、A1050H、A1N30H、A1100Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されていることを特徴とする熱交換器。
[5]前記インナーフィンの前記伝熱層が軟質材のO材によって構成されている前項3または4に記載の熱交換器。
[6]前記外包体は、一対の対向壁を有し、その一対の対向壁間に前記インナーフィンが配置され、
前記インナーフィンが、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成されている前項3~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
発明[1]の熱交換器によれば、外包体の伝熱層として、成形性に優れた特有のアルミニウムを使用しているため、優れた成形性の外包体を得ることができ、外包体を高精度かつ安定した形状に確実に成形することができる。このため外包体を熱交換対象部材に適切に密着できるように成形でき、外包体および熱交換対象部材間の伝熱性を向上でき、ひいては熱交換性能を向上させることができる。
発明[2]の熱交換器によれば、外包体の伝熱層として、より一層成形性に優れたアルミニウムのO材を使用しているため、より一層優れた成形性を得ることができる。
発明[3][4]の熱交換器によれば、インナーフィンの伝熱層として、成形性に優れた特有のアルミニウムを使用しているため、優れた成形性のインナーフィンを得ることができ、インナーフィンを高精度かつ安定した形状に確実に成形することができる。このため、インナーフィンを外包体に適切に密着できるように成形でき、インナーフィンおよび外包体間の伝熱性を向上でき、ひいては熱交換性能を向上させることができる。
発明[5]の熱交換器によれば、インナーフィンの伝熱層として、なお一層成形性に優れたアルミニウムのO材を使用しているため、なお一層優れた成形性を得ることができる。
発明[6]の熱交換器によれば、インナーフィンを角波形状に形成しているため、インナーフィンの凹部底壁および凸部頂壁が平坦となり、外包体との接触面積を増大させることができる。このためインナーフィンおよび外包体間の伝熱性をより一層向上できて、熱交換性能をより一層向上させることができる。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図である。 図2は実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB-B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC-C線断面に相当する正面断面図である。 図3は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。 図4は実施形態の熱交換器に適用された外包体およびインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図5は実施形態のインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図6はこの発明に関連した実施例の熱交換器に採用されたトレイ部材を示す平面図である。 図7は実施例のトレイ部材における端部断面図である。 図8は実施例において模擬セルが設置された熱交換器を概略的に示す平面図である。 図9は実施例および比較例の各熱交換器における模擬セルの温度と経過時間との関係を示すグラフである。
図1~図3はこの発明の実施形態である熱交換器を示す図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図2(a)の左右方向を「前後方向」として説明し、さらに図2(b)の上下方向を「上下方向(厚さ方向)」として説明する。
図1~図3に示すように、本実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング(容器)としての外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の両端部内に収容される一対(両側)のヘッダー(ジョイント部材)3,3とを備えている。
外包体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
トレイ部材10は、外包ラミネート材L1の成形品によって構成されており、深絞り成形や、押出成型等の冷間成形の手法を用いて、外周縁部を除く中間領域全域が下方に凹陥形成されて、平面視矩形状の凹陥部11が形成されるとともに、凹陥部11の開口縁部外周に外方突出状のフランジ部12が一体に形成されている。
またカバー部材15は、トレイ部材10における凹陥部11の前後両端部に対応して一対の出入口16,16が形成されている。言うまでもなく本実施形態においては、一対の出入口16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
トレイ部材10およびカバー部材15は、柔軟性および可撓性を有するラミネートシートないしフィルムである外包ラミネート材L1によって構成されている。
図4に示すように外包ラミネート材L1は、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
外包ラミネート材L1における伝熱層51を構成する金属としては、本発明特有のアルミニウム(その合金も含む)が用いられる。すなわち伝熱層51は、JIS H4160の規定に準拠して、A8021H、A8079Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウム箔によって構成されている。中でも特に本実施形態において外包ラミネート材L1の伝熱層51としては、質別「O」の軟質材であるO材を用いるのが好ましい。
本実施形態において、外包ラミネート材L1の伝熱層51として、特有のアルミニウム箔を用いることによって、外包ラミネート材L1、つまり外包体1として良好な成形性を得ることができて、高精度の安定した形状の外包体1を得ることができる。
伝熱層51は、集熱層とも称されるものであり、厚みが30μm~200μmのものを用いるのが良く、より好ましくは40μm~180μmのものを用いるのが良い。すなわち伝熱層51の厚みが薄過ぎる場合には、外圧に対して変形し易くなり、強度が低下するおそれがあり、好ましくない。逆に伝熱層51の厚みが厚過ぎる場合には、柔軟性が低下し、成形加工性が低下するおそれがあり、好ましくない。
また伝熱層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、伝熱層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
熱融着層52としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
熱融着層52としては、厚みが20μm~500μmのものを用いるのが好ましい。
熱融着層52としては特に、3層(ランダムPP/ブロックPP/ランダムPP)の共押しフィルムからなる厚さ20μm~500μm、より好ましくは厚さ30μm~80μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)を好適に用いることができる。
また保護層53としては、熱融着層52に対し融点が10℃以上、より好ましくは20℃以上高い延伸ポリエステル樹脂(PET、PBT等)、延伸ポリアミド樹脂(ONY)等のフィルムないしシートを好適に用いることができる。
さらに保護層53としては、厚みが6μm~100μmのものを用いるのが良い。
また外包ラミネート材L1を構成する伝熱層51、熱融着層52および保護層53の各間を接着するための接着剤としては、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態においては、外包体1を構成するラミネート材L1として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、伝熱層と熱融着層との2層構造のシートを用いても良いし、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。4層以上の構造のシートを用いる場合には例えば、保護層と伝熱層との間に他の層を介在させたり、伝熱層と熱融着層との間に他の層を介在したりして、4層以上に構成するようにしても良い。
以上の構成の外包ラミネート材L1によって、外包体1のトレイ部材10およびカバー部材15が構成されている。そして後に詳述するようにカバー部材15がトレイ部材10にその凹陥部11の開口を閉塞するように取り付けられることによって、外包体1が形成されるものである。
なお本実施形態においては、トレイ部材10における凹陥部11の底壁(下壁)111と、トレイ部材10に取り付けられたカバー部材15における凹陥部11に対応する部分の天壁(上壁)151とによって、一対の対向壁111,151が構成されるものである。
図1~図4に示すように外包体1の中空部(凹陥部)11内に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートないしフィルムである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
図4に示すように内芯ラミネート材L2は、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
内芯ラミネート材L2における伝熱層61を構成する金属としては、本発明特有のアルミニウムが用いられる。すなわち伝熱層61は、JIS H4160の規定に準拠して、A8021H、A8079H、A1085H、A1070H、A1050H、A1N30H、A1100Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウム箔によって構成されている。中でも特に本実施形態において内芯ラミネート材L2の伝熱層61としては、質別「O」の軟質材であるO材を用いるのが好ましい。
本実施形態において、内芯ラミネート材L2の伝熱層61として、特有のアルミニウム箔を用いることによって、内芯ラミネート材L2、つまりインナーフィン2として良好な成形性を得ることができて、高精度の安定した形状のインナーフィン2を得ることができる。
伝熱層61としては、厚みが30μm~200μmのものを用いるのが良く、より好ましくは40μm~180μmのものを用いるのが良い。すなわち伝熱層61の厚みが薄過ぎる場合には、外圧に対して変形し易くなり、強度が低下するおそれがあり、好ましくない。逆に伝熱層61の厚みが厚過ぎる場合には、柔軟性が低下し、成形加工性が低下するおそれがあり、好ましくない。
熱融着層62としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、無延伸ポリプロピレン(CPP)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
熱融着層62としては、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm~80μmのものを用いるのが良い。
なお本実施形態においては、インナーフィン2を構成するラミネート材L2として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば熱融着層と伝熱層との間に他の層を介在させることによって、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
またインナーフィン2の加工方法は、特に限定されるものではないが、例えば内芯ラミネート材L2を一対のエンボスロールまたは一対のコルゲートロールによって挟み込みつつ、その一対のロール間に通過させることにより、凹凸を成形する方法を例示することができる。さらにはプレス機や、プレス金型を用いて、内芯ラミネート材L2に凹凸部を成形する方法を例示することができる。
図2~図5に示すようにインナーフィン2は、凹部25および凸部26が交互に連続して形成された角波形状(矩形波形状)、いわゆるデジタル信号波形に形成されている。すなわち本実施形態のインナーフィン2における凹部底面(底壁)および凸部頂面(頂壁)は、平坦に形成され、かつ熱交換器組付状態において、トレイ部材10の底壁(下壁)111およびカバー部材15の天壁(上壁)151に対し平行に配置されている。さらにインナーフィン2は、隣り合う凹部底壁および凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が、凹部底壁および凸部頂壁に対し、または熱交換器組付状態における外包体1の上下壁111,151に対し垂直に配置されている。
なお本実施形態においては、角波形状のインナーフィン2を用いているが、それだけに限られず、本発明においては、断面円弧状凹部および凸部が交互に連続して形成された一般的な波形状(正弦波形状)、いわゆるアナログ信号波形に形成されたものを用いても良い。もっとも本発明においては、インナーフィンは、外包体の内周面に接合される凹部および凸部が設けられていれば、どのような形状のものでも使用することができる。
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹陥部11内に収容される。この場合、インナーフィン2は、トレイ部材10の凹陥部11における前後両端部を除いた中間部に収容される。さらにインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の前後方向(図1の左右方向)に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部が、熱交換流路として構成されている。この熱交換流路は、トレイ部材10の前後方向(長さ方向)に沿うように配置され、かつ幅方向(左右方向)に並列に複数配置されており、熱交換媒体(熱媒体)が各熱交換流路を通って均等に分散しながら外包体1の前後方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
一方図2および図3に示すように、外包体1の両端部に配置される一対のヘッダー3,3は、合成樹脂の成形品によって構成されている。
ヘッダー3を構成する樹脂としては、上記外包体1およびインナーフィン2の熱融着層52,62を構成する樹脂と同種の樹脂を用いるのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等を好適に用いることができる。
ヘッダー3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31の上壁に設けられたパイプ部33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。
ヘッダー3の成形方法は特に限定されるものではないが、例えば射出成型を用いて成形する方法を好適に採用することができる。
このヘッダー3の取付箱部31がトレイ部材10の凹陥部11におけるインナーフィン2の両側に配置される。さらにヘッダー3のパイプ部33が上向きに配置されるとともに、取付箱部31の開口部32が内側に向けて、つまりインナーフィン2に対向して配置される。
こうしてヘッダー3,3をトレイ部材10内に収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、ヘッダー3,3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
こうして仮組された熱交換器仮組品を加熱することによって、接触し合う部材同士を熱融着して接合一体化する。
この熱融着においてはまず、外包体1におけるトレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との重ね合わせ部分を、上下一対の加熱シール型によって挟み込みながら加熱する(外包体融着工程)。これにより、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)して、外包体1の中空部を気密ないし液密状態に封止する。
続いて、外周縁部を熱溶着した外包体1の中間領域(下壁111および上壁151)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これにより、インナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62と、トレイ部材10の底壁111およびカバー部材15の中間領域(上壁)151の熱融着層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する(フィン融着工程)。さらにこのフィン融着工程においては、ヘッダー3,3の取付箱部31,31の外周面と、それに対応するトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。
こうして組み付けられた熱交換器は、外包体1における両端部の上壁(カバー部材15)からヘッダー3,3のパイプ部33,33が上方に突出するように配置されている。
ここでインナーフィン2およびヘッダー3,3と、外包体1との熱融着部を同種の樹脂によって構成している場合には、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
なお本実施形態において、熱融着処理(加熱処理)を減圧下で行うことで、トレイ部材10とカバー部材15との間、トレイ部材10およびカバー部材15とそれらと接触しているインナーフィン2およびヘッダー3,3との間の密着性が高い状態で熱接着を強く行うことができ、接着面積を広くすることができる。従って熱融着処理を減圧下で行うのが好ましい。
本実施形態において、熱融着処理時の加熱温度(溶着温度)は、160℃~250℃に設定するのが良く、より好ましくは170℃~210℃に設定するのが良い。さらに熱融着時の圧力(溶着圧力)は、0.1MPa~0.5MPaに設定するのが良く、より好ましくは0.15MPa~0.4MPaに設定するのが良い。さらに融着時間(溶着時間)は、2秒~10秒に設定するのが良く、より好ましくは3秒~7秒に設定するのが良い。
また本実施形態においては、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部とを熱融着する外包体融着工程と、インナーフィン2およびヘッダー3,3と外包体1とを熱融着するフィン融着工程とを別々の熱処理で行うようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、外包体融着工程と、フィン融着工程とを同じ熱処理(1段の熱融着処理)で行うようにしても良い。
また本実施形態では、融着工程特に、フィン融着工程においては、外包体1の下壁111および上壁151を挟み込む一対の加熱板における外包体1との接触面に、伝熱性ゴム層を配置しておくことによって、外包体1の下壁111および上壁151と、インナーフィン2の凹部底面および凸部頂面とを確実に接触させることができ、高精度で熱融着処理を行うことができる。
以上の構成の熱交換器は、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却するための冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部33に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部33に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器の外包体1における下壁111および/または上壁151に冷却対象部材としての電池を接触させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部33から冷却液を一方のヘッダー3を介して外包体1の内部に流入し、その冷却液をインナーフィン2の部分を流通させて、他方のヘッダー3を介して他方のパイプ部33から流出させる。こうして冷却液を外包体1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン2および外包体1の上下壁を介して熱交換されて、電池が冷却されるものである。
本実施形態の熱交換器は、その使用形態は特に限定されるものではなく、1つだけで使用することもできるし、2つ以上で使用することもできる。1つでの使用は、既述した通り、熱交換器の上下面に熱交換対象部材を接触させて使用するものである。2つで使用する場合には、例えば2つの熱交換器によって熱交換対象部材を挟み込むように配置して使用することができる。さらに2つ以上で使用する場合、熱交換器と熱交換対象部材とを交互に重ね合わせるように配置して使用することもできる。
以上のように本実施形態の熱交換器によれば、外包体1の外包ラミネート材L1として、伝熱層51が上記特有のアルミニウム箔のものを用いているため、優れた成形性(柔軟性)を有する外包体1を得ることができ、高い寸法精度を有し、かつ安定した形状の外包体1を確実に形成することができる。このため外包体1を、成形加工による金属割れ等の不具合を防止しつつ、電池等の冷却対象部材の形状に適切に密着できるように成形でき、外包体1と冷却対象部材との間の伝熱性を向上でき、ひいては熱交換性能を確実に向上させることができる。さらに外包体1として十分な強度を得ることができて、早期の劣化を防止できて、耐久性を向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、上記外包体1と同様、インナーフィン2の内芯ラミネート材L2として、伝熱層61が上記特有のアルミニウム箔のものを用いているため、優れた成形性(柔軟性)を有するインナーフィン2を得ることができ、高い寸法精度を有し、かつ安定した形状のインナーフィン2を確実に形成することができる。このためインナーフィン2を、成形加工による金属割れ等の不具合を防止しつつ、凹凸部25,26を外包体1の一対の対向壁111,151に対し、確実に密着できるように成形でき、インナーフィン2と外包体1との間の伝熱性を向上でき、ひいては熱交換性能をより確実に向上させることができる。さらにインナーフィン2として十分な強度を得ることができて、早期の劣化を防止できて、耐久性を向上させることができる。
その上さらに本実施形態において、外包体1の伝熱層51およびインナーフィン2の伝熱層61として、軟質材であるO材を用いる場合には、外包体1およびインナーフィン2においてより一層成形性を向上させることができ、より一層伝熱性を向上させることができる。
また本実施形態においては、角波形状のインナーフィン2を用いているため、凹部底壁および凸部頂壁が平坦となり、外包体1の一対の対向壁111,151との接触面積を増大させることができる。このためインナーフィン2と外包体1との間の伝熱性をより一層向上させることができる。さらにインナーフィン2と外包体1との接触面積を大きく確保できるため、インナーフィン2の外包体1に対する取付強度を向上でき、接触不良の発生等をより確実に防止することができる。
また本実施形態においては、インナーフィン2を角波形状に形成しているため、凹部底壁と凸部頂壁との間を連結する立ち上がり壁が、外包体1の対向する上下壁111,151に対し直交した状態で多数配置される。このためインナーフィン2が補強部材としての機能を十分に発揮でき、例えば外圧による圧縮方向の応力に対しては突っ張るように作用し、内圧による膨張方向の応力に対しては引っ張るように作用するため、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても高い強度を確保でき、変形を防止できて安定した形状を確実に維持でき、動作信頼性をより一層向上させることができる。特に熱交換器を複数重ね合わせて使用するような場合には、十分な耐圧性を確保でき、安定した形態(形状)を確実に維持でき、高い熱交換性能を確実に得ることができる。その上さらに、十分な耐圧性を確保できるため、補強部材を別途設ける必要がなく、その分、部品点数を省略できて、構造の簡素化およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、構成部材としてのトレイ部材10、カバー部材15、インナーフィン2およびヘッダー3が合成樹脂を基に製作されているため、各構成部材を適宜熱融着するだけで簡単に製作することができる。このため本実施形態の熱交換器は、ろう付け接合等の難易度が高くて面倒な接合加工によって製作する従来の金属製の熱交換器に比べて、コストの削減および生産性の向上を図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、金属の塑性加工や切削加工等の面倒かつ制約のある金属加工を用いる場合と異なり、より一層生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器は、薄型のラミネート材L1からなるトレイ部材10およびカバー部材15を貼り合わせて形成するものであるため、十分な薄肉化および軽量化を確実に図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、外包体1がラミネート材L1であるため、熱交換器自体の形状や大きさを簡単に変更できるとともに、既述した通り、厚みや強度、熱交換性能等も簡単に変更できるので、熱交換器取付位置等に合わせて適切な構成に簡単に仕上げることができ、設計の自由度が増し、汎用性も向上させることができる。
なお上記実施形態においては、外包体1のカバー部材15として、成形されていないシート状のものを使用しているが、それだけに限られず、本発明においては、カバー部材15に成形加工を施すようにしても良い。例えばカバー部材を、中央部が上方に凹陥形成された断面ハット状の成形品によって構成し、そのハット状のカバー部材を、上記のようなトレイ状のトレイ部材10にその上方から覆うように外周縁部を接合一体化して、外包体を形成するようにしても良い。
Figure 2022026195000002
<実施例1>
(1)外包ラミネート材L1の準備
表1に示すように、実施例1の外包ラミネート材(外包材)L1の伝熱層51用のアルミニウム箔として、JIS H4160に規定されたA8021-Oのアルミニウム箔(厚さ120μm)を準備した。このアルミニウム箔を伝熱層51として、その一面(内面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを貼り合わせるとともに、伝熱層(アルミニウム箔)の他面(外面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り合わせて、外包ラミネート材L1を作製した。なお表1には実施例および比較例で用いられたアルミニウム箔の引張強さおよび伸びも併せて示す。
(2)内芯ラミネート材L2の準備
表1に示すように、実施例1の内芯ラミネート材(内芯材)L2の伝熱層61用のアルミニウム箔として、上記と同様のアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔を伝熱層61として、その両面にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを貼り合わせて、内芯ラミネート材L2を作製した。
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
図1~図3に示す実施形態に準拠して、上記外包ラミネート材L1をカットして得られたシート材を、プレス金型を用いた深絞り成形により、図6および図7に示すように幅(Wr)90mm×長さ(Lr)140mm×深さ(Dr)4mmの凹陥部11と、凹陥部11の開口縁部の全周に形成された幅(Wf)10mmのフランジ部12とを有するトレイ部材11を作製した。
なお一般的に熱交換器は、冷却対象部材である立方体の電池の側面(最大面積部)に密着するように設置されるため、外包体1のトレイ部材10のコーナー半径(R1)、ダイス肩半径(R2)、パンチ肩半径(R3)はできる限り小さい、シャープな成形形状に加工したトレイ部材10を作製した。具体的には、凹陥部11における四隅コーナー半径(R1)が1.0mm、ダイス肩半径(R2)が0.5mm、パンチ肩半径(R3)が0.5mm、ダイスおよびパンチ間のクリアランスは0.25mmである。
また上記外包ラミネート材L1をカットして、トレイ部材11の上面に対応する大きさ(110mm×160mm)のシート状のカバー部材15であって、トレイ部材11の凹陥部11の両側に対応して出入口16(図1~図3参照)が形成されたものを作製した。
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をギアエンボス機によって、図5に示すようにフィン高さ(Hf)が4.1mm、フィンピッチ(Pf)が4mm、フィン厚み(Tf)が0.2mmの角波形状に形成し、その角波シートを、長さ100mm×幅90mmにカットしてインナーフィン2を作製した。なおインナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、長さ方向(縦方向)に沿うように配置されている。さらにインナーフィン2においても、トレイ部材11と同様、シャープな形状とするために、外側コーナー半径(R4)を0.3mmに設定した。
(5)ヘッダー3の作製
図2および図3に示すように、PP製の樹脂材を射出成型することによって、高さ4mm×長さ90mm×幅20mmの取付箱部31に、内径φ10mm、外径φ12mm、長さ3mmのパイプ部33が一体に形成されたヘッダー3を作製した。
(6)熱交換器の組立
実施例1で製作した外包体1、インナーフィン2、ヘッダー3を用いて実施例1の熱交換器を作製した。すなわちトレイ部材10の凹陥部11における両端部にヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に上記のインナーフィン2を収容した。
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下のシール金型を用いて、190℃×0.3MPa×7秒間のシール条件で、1段のヒートシール(1段の融着処理)を行い、仮組品における各部品間の接合部を熱接着(熱融着)して、実施例1の熱交換器を作製した。
<実施例2>
内芯ラミネート材L2の伝熱層61用のアルミニウム箔として、JIS H4000に規定されたA5052-H38のアルミニウム箔(厚さ120μm)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして内芯ラミネート材L2を作製し、その内芯ラミネート材L2を実施例1と同様に加工して、実施例2のインナーフィン2を作製した。
さらに実施例2のインナーフィン2を用いた以外は、上記実施例1と同様にして実施例2の熱交換器を作製した。
<実施例3>
外包ラミネート材L1の伝熱層51用のアルミニウム箔として、JIS H4160に規定されたA1100-Oのアルミニウム箔(厚さ120μm)を用いた以外は、上記実施例1と同様にして外包ラミネート材L1を作製し、その外包ラミネート材L1を実施例1と同様に加工して、実施例3のトレイ部材10およびカバー部材15を作製した。
さらに実施例3のトレイ部材10およびカバー部材15を用いた以外は、上記実施例1と同様にして実施例3の熱交換器を作製した。
<比較例1>
実施例3と同様のトレイ部材およびカバー部材15と、実施例2と同様のインナーフィン2を用いた以外は、上記実施例1と同様にして比較例1の熱交換器を作製した。
<トレイ成形性およびフィン成形性の評価試験>
実施例1~3および比較例1において、熱交換器を組み立てる前のトレイ部材10の成形加工性およびインナーフィン2の成形加工性について評価した。
まずトレイ部材(成形品)10に対しては、暗室にて、トレイ部材内側に照明を当て、トレイ部材コーナー部付近の光の透過の有無をチェックし、ピンホール、クラックの有無を目視で検査した。その結果、ピンホール、クラック等の発生がなく、しわ等の発生もないものを「○(良好)」、ピンホール、クラック等の発生はないが、4コーナー部にしわの発生があったものを「△(通常)」、ピンホール、クラック等の発生があったものを「×(不良)」と評価した。その評価結果を表1に示す。
またインナーフィン2に対しては、インナーフィン2に照明を当て、拡大鏡を用いて目視で観察した。その結果、外側コーナー(R4)付近に、くびれ(肉厚減少)やクラックの発生がないものを「○(良好)」、くびれや微細なクラックが発生したものを「△(通常)」、くびれによる破断が発生したものを「×(不良)」と評価した。その評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1は、トレイ成形性およびフィン成形性のいずれにおいても「良好」であり、実施例2,3は、いずれか一方が「良好」であり、本発明に関連した実施例1~3のものは成形加工性に優れているのが判る。
これに対し、本発明の要旨を逸脱する比較例1では、トレイ成形性およびフィン成形性のいずれも「普通」であり、成形加工性に優れているとは言えなかった。
<熱交換性能の評価試験>
実施例1~3および比較例1の熱交換器を垂直姿勢で配置可能な恒温恒湿試験機を準備した。図8に示すようにこの試験器に設置された熱交換器にはその外包体2の最外面(伝熱面)に縦100mm×横90mm×厚さ30mmのアルミニウムブロック製の模擬セル7を接触した状態に設置できるように構成されている。
そして恒温恒湿試験器内を25℃×90%RH雰囲気に設定し、その中に実施例1~3および比較例1の各熱交換器を設置するとともに、恒温槽で80℃に加熱した模擬セル7を各熱交換器の最外面に載置した。その状態で、各熱交換器に水温21℃の水道水(冷却水)を流通して、模擬セルCの中心位置7cの表面温度を所定時間毎に測定した。
その測定結果を表1に併せて示す。さらに図9にはその測定結果を基に作製した、模擬セル7の中心温度(℃)と経過時間(秒)との関係を示すグラフを示す。
表1および図9のグラフから明らかなように、実施例1~3の熱交換器は、比較例1の熱交換器と比べて冷却速度が速く、熱交換性能に優れているのが判る。特に実施例1の熱交換器はひときわ高い熱交換性能を備えるものであった。
1:外包体
111:底壁(対向壁)
151:上壁(対向壁)
16:出入口
2:インナーフィン
25:凹部
26:凸部
51:伝熱層
52:熱融着層
61:伝熱層
62:熱融着層
L1:外包ラミネート材
L2:内芯ラミネート材

Claims (6)

  1. 入口および出口が設けられた外包体を備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の少なくとも内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記外包体の前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記外包体の前記伝熱層が軟質材のO材によって構成されている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 凹凸部を有するインナーフィンが前記外包体内に配置され、
    前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンの前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079H、A1085H、A1070H、A1050H、A1N30H、A1100Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されている請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 入口および出口が設けられた外包体と、前記外包体の内部に配置され、かつ凹凸部を有するインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の少なくとも内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンの前記伝熱層が、JIS H4160で規定される、A8021H、A8079H、A1085H、A1070H、A1050H、A1N30H、A1100Hの中から選択される少なくとも1種のアルミニウムによって構成されていることを特徴とする熱交換器。
  5. 前記インナーフィンの前記伝熱層が軟質材のO材によって構成されている請求項3または4に記載の熱交換器。
  6. 前記外包体は、一対の対向壁を有し、その一対の対向壁間に前記インナーフィンが配置され、
    前記インナーフィンが、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成されている請求項3~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
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