JP2021103764A - 熱交換器およびそのインナーフィン - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く簡単に製作できる熱交換器を提供する。【解決手段】本発明は、出入口16が設けられ,かつ一対の対向壁を有する外包体1と、一対の対向壁間に配置され、かつ凹部25および凸部26が交互に連続して設けられる波状のインナーフィン2とを備えた熱交換器を対象とする。外包体1が、金属製の伝熱層51の内面側に樹脂製の熱融着層52が設けられた外包ラミネート材L1によって構成され、インナーフィン2が、金属製の伝熱層61の両面側に熱融着層62が設けられた内芯ラミネート材L2によって構成される。インナーフィン2が、その凹部底壁および凸部頂壁が一対の対向壁に対し平行に配置され、かつ凹部底壁および凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成される。【選択図】図2

Description

この発明は、金属製の伝熱層に樹脂製の熱融着層が積層されたラミネートシート等のラミネート材を用いて製作される熱交換器およびそのインナーフィンに関する。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来より提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、充電と放電とを繰り返し行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策が提案されている。
ところで、上記のスマートフォンやパーソナルコンピュータのような電子機器では筐体が薄く、その薄い筐体内における限られたスペースに多数の電子部品や冷却器が組み込まれるため、冷却器自体も薄型のものが用いられることになる。
従来において、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は一般的に、アルミニウム等の伝熱性が高い金属を加工して得られた複数の金属加工部品をろう付けや拡散接合等で接合することにより製作するようにしている(特許文献1〜3等)。
特開2015−59693号公報 特開2015−141002号公報 特開2016−189415号公報
しかしながら、上記従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品が、鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の金属加工(機械加工)によって製作されているが、このような金属加工は、面倒で制約も厳しいため、薄型化に限界があり、現行以上に薄型化を図ることが困難であるという課題があった。
また従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品を接合する際に難易度の高いろう付けや拡散接合等の金属加工(金属間接合)を用いて製作する必要があり、製作が困難であるばかりか、生産効率が低下してコストも増大するという課題があった。
その上さらに、従来の冷却器は、制約のある金属加工を用いて製作しているため、形状や大きさを簡単に変更することができず、設計の自由度に乏しく、汎用性に欠けるという課題も抱えている。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、十分な薄型化を図ることができるとともに、設計の自由度が高く汎用性に優れる上さらに、効率良く簡単に製作できてコストも削減することができる熱交換器およびそのインナーフィンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]入口および出口が設けられ,かつ一対の対向壁を有する外包体と、前記一対の対向壁間に配置され、かつ凹部および凸部が交互に連続して設けられる波状のインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンが、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成され、
前記インナーフィンにおける凹部底面および凸部頂面と、前記一対の対向壁とが接合されていることを特徴とする熱交換器。
[2]前記インナーフィンの凹部底面の幅を「W11」とし、凸部頂面の幅を「W12」としたとき、
0.9≦W12/W11≦1.1
の関係が成立するように構成されている前項1に記載の熱交換器。
[3]前記インナーフィンのフィンピッチを「Pf」とし、フィン高さを「Hf」としたとき、
Pf/2=0.1Hf〜10Hf
の関係が成立するように構成されている前項1または2に記載の熱交換器。
[4]前記外包体は、中間領域に前記インナーフィンを収容するための凹陥部が形成されたトレイ部材と、前記トレイ部材の凹陥部を閉塞するように配置されるカバー部材とによって構成されている前項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
[5]前記外包体は、前記インナーフィンを介して重ね合わされた2枚の前記外包ラミネート材の外周縁部同士が接合一体化されて形成されている前項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
[6]入口および出口が設けられ,かつ一対の対向壁を有する外包体における前記一対の対向壁間に配置され、前記入口から流入した熱交換媒体を通過させて前記出口から流出させるようにした熱交換器のインナーフィンであって、
金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
凹部および凸部が交互に連続して設けられる波状であって、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され形成され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成され、
前記凹部底面および前記凸部頂面が、一対の対向壁に接合されるように構成されていることを特徴とする熱交換器のインナーフィン。
発明[1]の熱交換器によれば、インナーフィンを角波形状に形成しているため、凹部底壁と凸部頂壁との間を連結する立ち上がり壁が、外包体の対向する一対の対向壁に対し直交した状態で多数配置される。このためインナーフィンが補強部材としての機能を十分に発揮でき、高い強度を確保できるため、外圧や内圧に対し形状を安定させることができ、動作信頼性を向上できて、熱交換性能を向上させることができる。また本発明の熱交換器においては、ラミネート材等を熱融着して製作するものであるため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できてコストを削減できるとともに、十分な薄型化を図ることができる。さらに本発明の熱交換器において、外包体やインナーフィンとしてのラミネート材はその形状や大きさを簡単に変更できるため、設計の自由度が増して、汎用性を向上させることができる。
発明[2]の熱交換器によれば、インナーフィンの一対の対向壁(両側壁)に対するそれぞれ接合面積がほぼ等しくなるため、外圧や内圧を両側壁において均等に分散させてバランス良く受け止めることができ、外圧や内圧による熱交換器の変形等の不具合を確実に防止することができる。
発明[3]の熱交換器によれば、フィンピッチをフィン高さに対し特定の値に設定しているため、熱交換媒体の流動性を良好にしつつ、内圧および外圧に対して十分な強度を確保でき、動作信頼性および熱交換性能を一層向上させることができる。
発明[4][5]の熱交換器によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[6]の熱交換器のインナーフィンによれば、角波形状に形成しているため、インナーフィンを用いて熱交換器を製作することによって、上記発明の熱交換器と同様の効果を奏する熱交換器を確実に製作することができる。
図1は本発明の熱交換器を示す斜視図である。 図2は第1実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。 図3は第1実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。 図4は第1実施形態の熱交換器に適用された外包体およびインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図5は第1実施形態のインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図6はこの発明の変形例である熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図である。 図7は比較例1の熱交換器に適用されたインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図8は比較例2の熱交換器に適用されたインナーフィンを説明するための正面断面図である。 図9は本発明の熱交換器に電池を載置した状態を示す斜視図である。 図10は第2実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。 図11は第3実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。
本発明の熱交換器は、主に車載用電池を冷却する冷却器として用いられるものであり、外部から大きな圧力が加えられてもその外圧に耐え得る構成を有するものである。
<第1実施形態>
図1〜図3は第1実施形態の熱交換器を示す図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図2(a)の左右方向(長手方向)を「前後方向」とし、また図2(a)の紙面上における前後方向に対する垂直方向を「幅方向」として説明し、さらに、図2(b)の上下方向を「上下方向(厚さ方向)」として説明する。
図1〜図3に示すように、本第1実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシング(容器)としての外包体1と、外包体1の内部に収容されるインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の両端部内に収容される一対(両側)のヘッダー(ジョイント部材)3,3とを備えている。
外包体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
トレイ部材10は、外包ラミネート材L1の成形品によって構成されており、外周縁部を除く中間領域全域が下方に深絞り成形や、押出成型等の冷間成形の手法を用いて凹陥形成されて、平面視矩形状の凹陥部11が形成されるとともに、凹陥部11の開口縁部外周に外方に突出するフランジ部12が一体に形成されている。
またカバー部材15は、トレイ部材10における凹陥部11の前後両端部に対応して一対の出入口16,16が形成されている。言うまでもなく本実施形態においては、一対の出入口16のうち、一方の出入口16が入口として構成され、他方の出入口16が出口として構成されている。
トレイ部材10およびカバー部材15は、柔軟性および可撓性を有するラミネートシートである外包ラミネート材L1によって構成されている。
図4に示すように外包ラミネート材L1は、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
外包ラミネート材L1における伝熱層51としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。これらの中でもコストおよび熱伝導性に鑑みるとアルミニウム箔を用いることが好ましい。
さらにアルミニウム箔の中でも、純アルミニウム、Mnを1.0%〜1.5%含有するAl−Mn系合金、あるいはFeを0.7%〜1.7%含有するAl−Fe系合金を用いることが好ましい。これらの中でも、成形性、内圧及び外圧に対する耐久性に鑑みると、Feを0.7%〜1.7%含有するAl−Fe系合金を用いることが特に好ましい。
なお本実施形態において、「銅」「アルミニウム」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
伝熱層51は、集熱層とも称されるものであり、厚みが8μm〜300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
また伝熱層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、伝熱層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
化成処理は、例えば次のような処理を施す。即ち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、下記の1)〜3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
上記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m〜50mg/mに設定するのが好ましく、特に2mg/m〜20mg/mに設定するのがより一層好ましい。
熱融着層52としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、無延伸ポリプロピレン(CPP)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
なお、熱融着層52としては、厚みが20μm〜5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm〜80μmのものを用いるのが良い。
また保護層53としては、耐熱性樹脂であるポリエステル樹脂(PET)、ポリアミド樹脂(ONY)等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
ここで保護層53を構成する耐熱性樹脂としては、外包体1やインナーフィン2などを熱融着処理する際の加熱温度で溶融しないものを用いる。この耐熱性樹脂としては、熱融着性樹脂の融点より10℃以上高い融点を有するものを用いることが好ましく、さらに、熱融着性樹脂の融点より20℃以上高い融点を有するものを用いることが特に好ましい。
さらに保護層53としては、厚みが6μm〜100μmのものを用いるのが良い。
また外包ラミネート材L1を構成する伝熱層51、熱融着層52および保護層53の各間を接着するための接着剤としては、厚みが1μm〜5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態においては、外包体1を構成するラミネート材L1として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば保護層と伝熱層との間に他の層を介在させたり、伝熱層と熱融着層との間に他の層を介在したりして、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
以上の構成の外包ラミネート材L1によって、外包体1のトレイ部材10およびカバー部材15が構成されている。そして後に詳述するようにカバー部材15がトレイ部材10にその凹陥部11の開口を閉塞するように取り付けられることによって、外包体1が形成されるものである。
なお本実施形態においては、トレイ部材10における凹陥部11の底壁(下壁)111と、トレイ部材10に取り付けられたカバー部材15における凹陥部11に対応する部分の天壁(上壁)151とによって、一対の対向壁が構成されるものである。
図1〜図4に示すように外包体1の中空部(凹陥部)11内に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
図4に示すように内芯ラミネート材L2は、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
内芯ラミネート材L2における伝熱層61としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ加工した銅箔、ニッケルと銅箔からなるクラッドメタル等を好適に用いることができる。これらの中でもコストおよび熱伝導性に鑑みるとアルミニウム箔を用いることが好ましい。
さらにアルミニウム箔の中でも、純アルミニウム、Mnを1.0%〜1.5%含有するAl−Mn系合金、あるいはFeを0.7%〜1.7%含有するAl−Fe系合金を用いることが好ましい。これらの中でも、成形性、内圧及び外圧に対する耐久性に鑑みると、Feを0.7%〜1.7%含有するAl−Fe系合金を用いることが特に好ましい。
伝熱層61は、厚みが8μm〜300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
熱融着層62としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。中でも特に、無延伸ポリプロピレン(CPP)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)によって構成されるフィルムないしシートを用いるのが好ましい。
熱融着層62としては、厚みが20μm〜5000μmのものを用いるのが良く、より好ましくは30μm〜80μmのものを用いるのが良い。
また内芯ラミネート材L2を構成する伝熱層61および熱融着層62の各間を接着するための接着剤としては、上記外包ラミネート材L1と同様、厚みが1μm〜5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態においては、インナーフィン2を構成するラミネート材L2として、3層構造のシートを用いるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、4層以上の構造のシートを用いるようにしても良い。例えば熱融着層と伝熱層との間に他の層を介在させることによって、4層以上の構造のシートを採用するようにしても良い。
またインナーフィン2の加工方法は、切削加工、射出成型、シート成形(真空成形、圧空成形等)の他、コルゲート加工やエンボス加工を用いることができる。なお言うまでもなく、インナーフィン2の加工方法は限定されるものではない。
図2〜図5に示すようにインナーフィン2は、凹部25および凸部26が交互に連続して形成された角波形状(矩形波形状)、いわゆるデジタル信号波形に形成されている。すなわち本実施形態のインナーフィン2における凹部底面(底壁)および凸部頂面(頂壁)は、平坦に形成され、かつ熱交換器組付状態において、トレイ部材10の底壁(下壁)111およびカバー部材15の天壁(上壁)151に対し平行に配置されている。さらにインナーフィン2は、隣り合う凹部底壁および凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が、凹部底壁および凸部頂壁に対し、または熱交換器組付状態における外包体1の上下壁111,151に対し垂直に配置されている。
本実施形態においてインナーフィン2は、隣り合う凹部25,25(または隣り合う凸部26,26)において一方の凹部25(一方の凸部26)の中心線から他方の凹部25(他方の凸部26)の中心線までの間隔をフィンピッチPfとし、隣り合う凹凸部25,26において、凹部25の中心線から凸部26の中心線までの間隔をハーフピッチ(Pf/2)としている。そして、フィンピッチPfおよびハーフピッチPf/2が、等ピッチで配置されている。換言すると、凹部底壁の幅寸法(図5の紙面に向かって左右方向の幅寸法)W11と、凸部頂壁の幅方向W12の寸法とが等しく設定されている。なお本発明においては、フィンピッチP、ハーフピッチPf/2を、必ずしも等ピッチに設定する必要はなく、ピッチ間隔を異ならせるようにしても良いし、各凹部底壁の幅寸法W11を異ならせても良いし、各凸部頂壁の幅寸法W12を異ならせても良いし、さらに凹部底壁の幅寸法W11と凸部頂壁W12の幅寸法W12とを異ならせるようにしても良い。要は本発明のインナーフィン2は、角波形状であれば、どのような形状のものであっても採用することができる。
本実施形態においては、ハーフピッチPf/2を1mm〜5mmに設定するのが良い。すなわちハーフピッチPf/2が狭過ぎると、加工が困難になるとともに、熱交換媒体の圧力損失も大きくなり、好ましくない。逆にハーフピッチPf/2が広過ぎると、外圧によって変形し易くなり、耐圧性の低下を招くおそれがあり、好ましくない。
さらに本実施形態においては、ハーフピッチPf/2を、フィン高さHfの0.1倍〜10倍に設定するのが好ましい。つまり、0.1Hf≦Pf/2≦10Hfの関係を成立させるのが好ましい。このようにフィンピッチ(ハーフピッチ)を特定の値に設定する場合には、熱交換媒体の流動性を良好にしつつ、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても十分な強度を確保でき、動作信頼性および熱交換性能を向上させることができる。
本実施形態においては、凹部底面幅W11に対する凸部頂面幅W12の比率W12/W11を0.9〜1.1に設定するのが好ましい。つまり0.9≦W12/W11≦1.1の関係を成立させるのが好ましい。この関係が成立する場合には、インナーフィン2の下壁111および下壁151に対する接合面積がほぼ等しくなり、外圧や内圧を上下両側において均等に分散させてバランス良く受け止めることができ、外圧や内圧に対する熱交換器の変形等の不具合を確実に防止することができる。
また本実施形態において、インナーフィン2のフィン高さHfを0.1mm〜50mmに設定するのが好ましい。
また、フィン厚みTfについては、0.1mm〜2mmに設定するのが良い。すなわちフィン厚みTfが薄過ぎると外圧に対する強度が低下し、厚過ぎると熱伝達や熱媒体の流量に悪影響を与えるおそれがあるからである。
また本実施形態のインナーフィン2においては、製法上の観点等から、凸部頂壁(または凹部底壁)と立ち上がり壁との間のコーナー部における外側コーナー半径(外側曲率半径)R1を0.2mm〜7mmに設定するのが良く、内側コーナー半径(内側曲率半径)R2を0.1mm〜1mmに設定するのが良い。
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹陥部11内に収容される。この場合、インナーフィン2は、トレイ部材10の凹陥部11における前後両端部を除いた中間部に収容される。さらにインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向がトレイ部材10の前後方向(図1の左右方向)に一致するように配置される。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部によって形成されるトンネル部および溝部が、熱交換流路として構成されている。この熱交換流路は、トレイ部材10の前後方向(長さ方向)に沿うように配置され、かつ幅方向(左右方向)に並列に複数配置されており、熱交換媒体(熱媒体)が各熱交換流路を通って均等に分散しながら外包体1の前後方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
一方図2および図3に示すように、外包体1の両端部に配置される一対のヘッダー3,3は、合成樹脂の成形品によって構成されている。
ヘッダー3を構成する樹脂としては、上記外包体1およびインナーフィン2の熱融着層52,62を構成する樹脂と同種の樹脂を用いるのが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等を好適に用いることができる。
ヘッダー3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31の上壁に設けられたパイプ部33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。
このヘッダー3の取付箱部31がトレイ部材10の凹陥部11におけるインナーフィン2の両側に配置される。さらにヘッダー3のパイプ部33が上向き配置されるとともに、取付箱部31の開口部32が内側に向けて、つまりインナーフィン2に対向して配置される。
こうしてヘッダー3,3をトレイ部材10内に収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、ヘッダー3,3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
こうして仮組された熱交換器仮組品を加熱することによって、接触し合う部材同士を熱融着して接合一体化する。
まず、外包体1におけるトレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との重ね合わせ部分を、上下一対の加熱シール型によって挟み込みながら加熱する(外包体融着工程)。これにより、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)して、外包体1の中空部を気密ないし液密状態に封止する。
続いて、外周縁部を熱溶着した外包体1の中間領域(下壁111および上壁151)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これにより、インナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62と、トレイ部材10の底壁111およびカバー部材15の中間領域(上壁)151の熱融着層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する(フィン融着工程)。さらにこのフィン融着工程においては、ヘッダー3,3の取付箱部31,31の外周面と、それに対応するトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。
こうして組み付けられた熱交換器は、外包体1における両端部の上壁(カバー部材15)からヘッダー3,3のパイプ部33,33が上方に突出するように配置されている。
ここでインナーフィン2およびヘッダー3,3と、外包体1との熱融着部を同種の樹脂によって構成している場合には、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
なお本実施形態において、熱融着処理(加熱処理)を減圧下で行うことで、トレイ部材10とカバー部材15との間、トレイ部材10およびカバー部材15とそれらと接触しているインナーフィン2およびヘッダー3,3との間の密着性が高い状態で熱接着を強く行うことができ、接着面積を広くすることができる。従って熱融着処理を減圧下で行うのが好ましい。
本実施形態において、熱融着処理時の加熱温度(溶着温度)は、140℃〜250℃に設定するのが良く、より好ましくは160℃〜200℃に設定するのが良い。さらに熱融着時の圧力(溶着圧力)は、0.1MPa〜0.5MPaに設定するのが良く、より好ましくは0.15MPa〜0.4MPaに設定するのが良い。さらに融着時間(溶着時間)は、2秒〜10秒に設定するのが良く、より好ましくは3秒〜7秒に設定するのが良い。
また本実施形態においては、トレイ部材10のフランジ部12と、カバー部材15の外周縁部とを熱融着する外包体融着工程と、インナーフィン2およびヘッダー3,3と外包体1とを熱融着するフィン融着工程とを別々の熱処理で行うようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、外包体融着工程と、フィン融着工程とを同じ熱処理で行うようにしても良い。
また本実施形態では、融着工程特に、フィン融着工程においては、外包体1の下壁111および上壁151を挟み込む一対の加熱板における外包体1との接触面に、伝熱性ゴム層を配置しておくことによって、外包体1の下壁111および上壁151と、インナーフィン2の凹部底面および凸部頂面とを確実に接触させることができ、高精度で熱融着処理を行うことができる。
以上の構成の熱交換器は、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却する冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部33に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部33に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器の外包体1における下壁111および/または上壁151に冷却対象部材としての電池を接触させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部33から冷却液を一方のヘッダー3を介して外包体1の内部に流入し、その冷却液をインナーフィン2の部分を流通させて、他方のヘッダー3を介して他方のパイプ部33から流出させる。こうして冷却液を外包体1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン2および外包体1の上下壁を介して熱交換されて、電池が冷却されるものである。
本実施形態の熱交換器は、その使用形態は特に限定されるものではなく、1つだけで使用することもできるし、2つ以上で使用することもできる。1つでの使用は、既述した通り、熱交換器の上下面に熱交換対象部材を接触させて使用するものである。2つで使用する場合には、例えば2つの熱交換器によって熱交換対象部材を挟み込むように配置して使用することができる。さらに2つ以上で使用する場合、熱交換器と熱交換対象部材とを交互に重ね合わせるように配置して使用することもできる。
以上のように本第1実施形態の熱交換器によれば、インナーフィン2を角波形状に形成しているため、外包体1との接触面積を十分に確保でき、外包体1の外面に接触する冷却対象部材との間の熱交換効率を向上させることができ、高い熱交換性能を得ることができる。さらにインナーフィン2と外包体1との接触面積を大きく確保できるため、インナーフィン2の外包体1に対する取付強度を向上でき、接触不良の発生等を確実に防止することができる。
またインナーフィン2を角波形状に形成しているため、凹部底壁と凸部頂壁との間を連結する立ち上がり壁が、外包体1の対向する上下壁111,151に対し直交した状態で多数配置される。このためインナーフィン2が補強部材としての機能を十分に発揮でき、例えば外圧による圧縮方向の応力に対しては突っ張るように作用し、内圧による膨張方向の応力に対しては引っ張るように作用するため、内圧および外圧のいずれの圧力に対しても高い強度を確保でき、変形を防止できて安定した形状を確実に維持でき、動作信頼性をより一層向上させることができる。特に熱交換器を複数重ね合わせて使用するような場合には、十分な耐圧性を確保でき、安定した形態(形状)を確実に維持でき、高い熱交換性能を確実に得ることができる。その上さらに、十分な耐圧性を確保できるため、補強部材を別途設ける必要がなく、その分、部品点数を省略できて、構造の簡素化およびコストの削減を図ることができる。
さらに本実施形態では図9に示すように、熱交換器のカバー部材15上面に、多数個の電池Bからなる組電池が載置されており、組電池を構成する電池Bの総重量が熱交換器にかかっている。このように本実施形態では組電池を構成する多数個の電池Bが載置されても、熱交換流路が潰れることのない熱交換器を提供することもできる。
また本実施形態の熱交換器においては、インナーフィン2の位置をヘッダー3,3によって規制することができるため、熱交換媒体の流通によってインナーフィン2が揺れ動いたり、ばたついたりすることがなく、その動きによって発生する熱交換媒体の滞留を防止することができる。このため熱交換媒体の流動性を向上させることができ、熱交換性能を一層向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、構成部材としてのトレイ部材10、カバー部材15、インナーフィン2およびヘッダー3が合成樹脂を基に製作されているため、各構成部材を適宜熱融着するだけで簡単に製作することができる。このため本実施形態の熱交換器は、ろう付け接合等の難易度が高くて面倒な接合加工によって製作する従来の金属製の熱交換器に比べて、コストの削減および生産性の向上を図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、金属の塑性加工や切削加工等の面倒かつ制約のある金属加工を用いる場合と異なり、より一層生産効率の向上およびコストの削減を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器は、薄型のラミネートシート(ラミネート材)L1からなるトレイ部材10およびカバー部材15を貼り合わせて形成するものであるため、十分な薄肉化および軽量化を確実に図ることができる。
さらに本実施形態の熱交換器は、外包体1がラミネート材L1であるため、熱交換器自体の形状や大きさを簡単に変更できるとともに、既述した通り、厚みや強度、熱交換性能等も簡単に変更できるので、熱交換器取付位置等に合わせて適切な構成に簡単に仕上げることができ、設計の自由度が増し、汎用性も向上させることができる。
<第2実施形態>
図10は第2実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。
図10に示すように、第2実施形態の熱交換器は外包体1と、外包体1の内部に収容される2つのインナーフィン(内芯材)2と、外包体1の両端部内に収容される一対(両側)のヘッダー(ジョイント部材)3,3と、インナーフィン2の凹凸方向と平行に、かつ幅方向の中央部(2つのインナーフィン2に挟まれた位置)に樹脂ブロック7とを備えている。
第2実施形態における外包体1は第1実施形態と同様に、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されており、トレイ部材10およびカバー部材15も第1実施形態と同様に、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートである外包ラミネート材L1によって構成されている。
第2実施形態の外包ラミネート材L1も、金属(金属箔)製の伝熱層51と、その伝熱層51の一面(内面)に接着剤を介して積層された熱融着性の樹脂フィルムないし熱融着性の樹脂シート製の熱融着層52と、伝熱層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された耐熱性の樹脂フィルムないし耐熱性の樹脂シート製の保護層53とを備えている。
なお第2実施形態においても、「箔」という用語はフィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
第2実施形態の伝熱層51としては厚さが30μm〜300μmのものを用いることが好ましい。
第2実施形態の外包ラミネート材L1は、伝熱層51として上記厚さのものが用いられること以外は、第1実施形態と同様のものが用いられる。
第2実施形態における外包体1の他の構成は、第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
第2実施形態の外包体1内部には2つのインナーフィン2が収容されている。
第2実施形態のインナーフィン2も、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートである内芯ラミネート材L2によって構成されている。
また第2実施形態の内芯ラミネート材L2も、金属箔製の伝熱層61と、伝熱層61の両面に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の熱融着層62,62とを備えている。
伝熱層61としては銅箔、アルミニウム箔を好適に用いることができ、厚みは30μm〜300μmのものを用いることが好ましい。
熱融着層62としては第1実施形態と同様のものが用いられる。
また内芯ラミネート材L2に凹凸部を形成する方法としては、内芯ラミネート材L2を一対のエンボスロールまたは一対のコルゲートロールによって挟み込みつつ、その一対のロール間に通過させることにより、内芯ラミネート材L2に凹凸部を形成する方法を採用することができる。あるいはプレス機、プレス金型により内芯ラミネート材L2に凹凸部を形成する方法を採用してもよい。
第2実施形態におけるインナーフィン2の他の構成は、第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
外包体1の両端部には一対のヘッダー3,3が配置されている。
第2実施形態のヘッダー3も合成樹脂の成形品によって構成されており、樹脂としては第1実施形態と同様のものを用いることができる。
また第2実施形態のヘッダー3を作製する方法としては射出成型等を採用することができる。
第2実施形態におけるヘッダー3の他の構成は、第1実施形態と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
図10(a)〜(c)に示すように、外包体1内部には樹脂ブロック7が配置されている。
樹脂ブロック7は外圧や内圧に対する補強部材としての機能を担うものである。
樹脂ブロック7を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル樹脂等を用いることが好ましい。中でもブロックコポリマー系ポリプロピレンを用いることが好ましい。
また樹脂ブロック7は、外包ラミネート材L1の熱融着層52を構成する樹脂と同種のものを用いることが好ましい。このように同種の樹脂を用いることで、樹脂ブロック7と外包体1とを十分な取付強度で確実に固着することができるためである。
また樹脂ブロック7の硬さとしては、引張強度が0.3Kgf/mm〜10Kgf/mmのものを用いることが好ましい。この引張強度はJIS K 7127に準拠して測定した値である。
第2実施形態では樹脂ブロック7が熱交換器の幅方向における中央部に、かつインナーフィン2の凹凸部25、26の方向と平行に配置されている。なお図10(a)および(c)に示すように第2実施形態では、樹脂ブロック7がその両側のインナーフィン2で挟まれた配置となっているため、インナーフィン2は2つ必要となる。
このように樹脂ブロック7を熱交換器の幅方向における中央部に配置する、すなわち樹脂ブロック7を2つのインナーフィン2で挟むように配置することで、強い外圧がかかっても樹脂ブロック7に負荷がかかるため、インナーフィン2が変形して熱交換媒体の流れを阻害することを防止することができる。
また樹脂ブロック7をインナーフィン2の凹凸部25、26の方向と平行に配置することで、熱交換媒体の流れを塞ぐことなく冷却対象部材(熱交換対象部材)を冷却することができる。
なお、第2実施形態の樹脂ブロック7は熱交換器の幅方向における中央部にのみ配置されているが、熱交換器にさらなる補強が必要な場合は中央部以外の位置にも樹脂ブロック7を追加配置してもよい。
また第2実施形態の樹脂ブロック7は射出成型あるいは樹脂板等を切削することにより直方体状に形成されており、前後方向の長さはインナーフィン2と同一であり、幅方向の長さはインナーフィン2の半分以下となっている。
また第2実施形態の樹脂ブロック7の高さは、インナーフィン2の凹凸部25、26の高さと同一になるように構成されている。このように樹脂ブロック7の高さをインナーフィン2の凹凸部25、26の高さと同一にすることで、熱交換器の表面の平滑性を向上させることができ、電子デバイス等との密着性を向上させることで、熱交換機能を向上させることができる。
また第2実施形態の樹脂ブロック7はトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52と熱融着(熱接着)により接合一体化されている。また樹脂ブロック7はその全体が樹脂で構成されている必要はなく、少なくともトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52と接着される面が樹脂で構成されていればよい。
第2実施形態では、樹脂ブロック7とトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52との接合を熱融着により行っているが、熱融着による接合だけに限られず、例えば、変性ポリオレフィン系、アクリル系、あるいはエポキシ系接着剤などを含有する接着剤や粘着テープを用いて固定してもよい。
以上のように第2実施形態の熱交換器によれば、樹脂ブロック7を外包ラミネート材L1(トレイ部材10およびカバー部材15)の熱融着層52と熱融着して固定することで、外からの強い圧力がかかっても熱交換器の変形を防ぐことができる。また樹脂ブロック7として外包ラミネート材L1の熱融着層52を構成する樹脂と同種のもの、あるいは強固に接着する樹脂を用いることで、熱交換器に内圧が発生した場合も外包体1の膨れを防ぐことができる。また樹脂ブロック7の幅を1mm以上にすることで熱融着時の変形を防止することもできる。
また第2実施形態の熱交換器においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
図11は第3実施形態の熱交換器を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は図(a)のB−B線断面に相当する側面断面図、図(c)は図(a)のC−C線断面に相当する正面断面図である。
第3実施形態では樹脂ブロック7が熱交換器の前後方向における中央部(2つのインナーフィン2に挟まれた位置)に、かつインナーフィン2の凹凸部25、26の方向と垂直に配置されている。なお図11(a)に示すように第3実施形態においても、樹脂ブロック7がその前後のインナーフィン2で挟まれた配置となっているため、インナーフィン2は2つ必要となる。
また図11(c)に示すように、第3実施形態では樹脂ブロック7に貫通孔71が形成されている。
第3実施形態では樹脂ブロック7がインナーフィン2の凹凸部25、26の方向と垂直、すなわち熱交換流路を塞ぐように配置されており、熱交換媒体が流れる流路を確保するために、樹脂ブロック7に貫通孔71が形成されている。
図11(c)において、樹脂ブロック7の表面積をS1、貫通孔71に相当する部分の全表面積をS2とすると、第3実施形態ではS2は、S1とS2との和の30%〜80%とすることが好ましい。
第3実施形態の熱交換器における上記以外の他の構成は第2実施形態の熱交換器と実質的に同様であるため、同一または相当部分に同一符号を付して重複説明は省略する。
以上のように第3実施形態の熱交換器によれば、樹脂ブロック7に貫通孔71が形成されているため、熱交換媒体の流れを阻害することなく冷却対象部材(熱交換対象部材)を冷却することができる。
また第3実施形態の熱交換器においても、上記第1および第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお第3実施形態においても、第2実施形態と同様に熱交換器にさらなる補強が必要な場合は中央部以外の位置にも樹脂ブロック7を追加配置してもよい。
<変形例>
図6はこの発明の変形例の熱交換器を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は側面断面図である。
図6に示すようにこの変形例の熱交換器は、袋状の外包体1と、その外包体1の内部に配置されるインナーフィン2とを備え、外包体1の前端および後端に、出入口16,16が設けられている。
外包体1は、矩形状に形成された一対(2枚)のシート状の外包体基材である外包ラミネート材L1によって構成されている。この2枚の外包ラミネート材L1が、インナーフィン2を介して上下に重ね合わされて、外包ラミネート材L1の外周縁部の熱融着層52同士が熱融着(ヒートシール)によって接合一体化されることにより、この変形例の熱交換器が形成されている。
またこの変形例において、外包体1における出入口16,16にはジョイントパイプ33が設けられる。このジョイントパイプ33は、外包体1を構成する2枚の外包ラミネート材1aの前端部間および後端部間に挟み込まれるように配置されて、各ジョイントパイプ33,33の外周面(熱融着層)が、それに対応する外包ラミネート材L1の熱融着層52に熱融着によって接合一体化されている。これによりジョイントパイプ33,33が外包体1の出入口16,16の位置において外包体1の前端部および後端部を貫通した状態で外包体1に固定されている。
この変形例の熱交換器において、外包体1を構成するラミネート材L1、インナーフィン2を構成する内芯ラミネート材L2は、上記図1〜図5に示す実施形態のラミネート材L1,L2と実質的に同様の素材によって構成されており、変形例のインナーフィン2は上記実施形態と同様、角波形状に形成されている。さらに変形例のジョイントパイプ33は、上記実施形態のヘッダー3と同様な素材によって構成されている。
この変形例の熱交換器において、一対の外包ラミネート材L1における対向し合う一対の中間領域、換言するとインナーフィン2の設置領域によって一対の対向壁1a,1aが形成されている。
この熱交換器においては、一方のジョイントパイプ33から冷却液等の熱交換媒体を外包体1内に流入させて、他方のジョイントパイプ33から流出させることにより、冷却液を外包体1内に循環させるとともに、循環する冷却液と、外包体1の外表面に接触させた熱交換対象部材との間で熱交換させて、熱交換対象部材を冷却するものである。
この変形例の熱交換器においても、上記実施形態の熱交換器と同様の効果を得ることができる。
<実施例1>
(1)外包ラミネート材L1の準備
伝熱層51としてのFe1.5%を含有するアルミニウム箔(厚さ120μm)の一面(内面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを貼り合わせるとともに、伝熱層(アルミニウム箔)の他面(外面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせて、外装ラミネート材L1を作製した。
(2)内芯ラミネート材L2の準備
伝熱層61としてのFe1.0%およびSi0.18%を含有する軟質アルミニウム箔(厚さ120μm)の両面にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを貼り合わせて、厚さ0.2mmの内芯ラミネート材L2を作製した。
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
図1〜図3に示す実施形態に準拠して、上記外包ラミネート材L1をカットして得られたシート材を、プレス金型を用いた深絞り成形により、幅60mm×長さ180mmで、角Rが0.2mm、深さが4mmの凹陥部11と、凹陥部11の開口縁部の全周に形成された幅10mmのフランジ部12とを有するトレイ部材11を作製した。
上記外包ラミネート材L1をカットして、トレイ部材11の上面に対応する大きさ(80mm×200mm)のシート状のカバー部材15であって、トレイ部材11の凹陥部11の両側に対応して出入口16が形成されたものを作製した。
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をギアエンボス機によって、図5に示すようにフィン高さがHf4mm、フィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11および凸部頂壁幅W12が4mm、外側コーナー半径R1が0.3mm、内側コーナー半径R2が0.1mmの角波形状に形成し、その角波シートを、長さ120mm×幅60mmにカットしてインナーフィン2を作製した。なおインナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、長さ方向(縦方向)に沿うように配置されている。
(5)ヘッダー3の作製
図2および図3に示すように、HDPE製の樹脂材を射出成型することによって、高さ4mm×長さ60mm×幅30mmの取付箱部31に、内径φ10mm、外径φ12mm、長さ3mmのパイプ部33が一体に形成されたヘッダー3を作製した。
(6)熱交換器の組立
トレイ部材10の凹陥部11における両端部にヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に上記のインナーフィン2を収容した。
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材の15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下のシール金型で、200℃×6秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、仮組品における各部品間の接合部を熱接着(熱融着)して、実施例1の熱交換器を作製した。
<実施例2>
インナーフィン2として、フィン高さHfが4mmフィンピッチPfが4mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11が2.2mm、凸部頂壁幅W12が2.2mm、外側コーナー半径R1が0.5mm、内側コーナー半径R2が0.3mmの角波形状のものを使用し、それ以外は上記実施形態と同様にして、実施例2の熱交換器を作製した。
<実施例3>
インナーフィン2として、フィン高さHfが4mmフィンピッチPfが12mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11が7.2mm、凸部頂壁幅W12が5.2mm、外側コーナー半径R1が1mm、内側コーナー半径R2が0.8mmの角波形状のものを使用し、それ以外は上記実施形態と同様にして、実施例3の熱交換器を作製した。
上記実施例1〜3の幅60mm×長さ180mmの熱交換器は、1個あたりの前後方向の幅が20mmおよび重量が2kgの電池Bを、カバー部材15上面における前後方向の幅が120mmの範囲内に図9に示すように載置した場合、電池Bが6個載置されることになり12kgの荷重に耐え得るものである。なお実施例1〜3の熱交換器は50kg〜60kg程度の荷重にまで耐え得るものである。
<実施例4>
(1)外包ラミネート材L1の準備
伝熱層51としてのFe1.5%を含有するアルミニウム箔(厚さ120μm)の一面(内面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを貼り合わせるとともに、伝熱層(アルミニウム箔)の他面(外面)にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を貼り合わせて、外装ラミネート材L1を作製した。
(2)内芯ラミネート材L2の準備
伝熱層61としてのFe1.0%およびSi0.18%を含有する軟質アルミニウム箔(厚さ120μm)の両面にウレタン系接着剤(厚さ3μm)を介して、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムを貼り合わせて、厚さ0.2mmの内芯ラミネート材L2を作製した。
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
上記第2実施形態に準拠して、上記外包ラミネート材L1をカットして得られたシート材を、プレス金型を用いた深絞り成形により、幅65mm×長さ180mmで、角Rが0.2mm、深さが4mmの凹陥部11と、凹陥部11の開口縁部の全周に形成された幅10mmのフランジ部12とを有するトレイ部材11を作製した。
上記外包ラミネート材L1をカットして、トレイ部材11の上面に対応する大きさ(85mm×200mm)のシート状のカバー部材15であって、トレイ部材11の凹陥部11の両側に対応して出入口16が形成されたものを作製した。
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をコルゲート加工によって、図5に示すように、フィン高さHfが4mm、フィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11および凸部頂壁幅W12が4mm、外側コーナー半径R1が0.3mm、内側コーナー半径R2が0.1mmの角波形状に形成し、その角波シートを、長さ120mm×幅30mmにカットしてインナーフィン2を2個作製した。なおインナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、前後方向に沿うように配置されている。
(5)ヘッダー3の作製
図2および図3に示すように、ポリプロピレン製の樹脂材を射出成型することによって、高さ4mm×長さ65mm×幅30mmの取付箱部31に、内径φ10mm、外径φ12mm、長さ3mmのパイプ部33が一体に形成されたヘッダー3を作製した。
(6)樹脂ブロック7の作製
厚さ4mmのポリプロピレン板を削り出すことによって、幅5mm×長さ120mmの樹脂ブロック7を作製した。
(7)熱交換器の組立
図10に示すように、トレイ部材10の凹陥部11における両端部にポリプロピレン製ジョイントパイプ付きヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に上記のインナーフィン2を2個収容し、これらのインナーフィン2の間であって、インナーフィン2の凹凸部25、26の方向と平行にポリプロピレン製の樹脂ブロック7を収容した。
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下の金属製シール金型(伝熱性ゴム無し)を用いて、2段階の熱融着(熱接着)を行った。
まず190℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、トレイ部材10のフランジ部12とカバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)した。
続いて、200℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、外包体1、インナーフィン2、ヘッダー3ならびに樹脂ブロック7間の各接合部を熱接着(熱融着)して、実施例4の熱交換器を作製した。
<実施例5>
(1)外包ラミネート材L1の準備
実施例4と同様にして外包ラミネート材L1を準備した。
(2)内芯ラミネート材L2の準備
実施例4と同様にして内芯ラミネート材L2を準備した。
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
実施例4と同様にしてトレイ部材10およびカバー部材15を作製した。
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をコルゲート加工によって、フィン高さHfが4mm、フィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11および凸部頂壁幅W12が4mm、外側コーナー半径R1が0.3mm、内側コーナー半径R2が0.1mmの角波形状に形成し、その角波シートを、長さ57.5mm×幅65mmにカットしてインナーフィン2を2個作製した。なお、インナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、前後方向に沿うように配置されている。
(5)ヘッダー3の作製
実施例4と同様にしてヘッダー3を作製した。
(6)樹脂ブロック7の作製
厚さ4mmのポリプロピレン板を削り出すことによって、幅65mm×長さ5mmの樹脂ブロック7を作製した。さらに樹脂ブロック7の腹部(熱交換流路と交差する面)に幅5mm×高さ2mmの貫通孔71を12mmピッチ間隔で開けた。
(7)熱交換器の組立
図11に示すように、トレイ部材10の凹陥部11における両端部にポリプロピレン製ジョイントパイプ付きヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に上記のインナーフィン2を2個収容し、これらのインナーフィン2の間であって、インナーフィン2の凹凸部25、26の方向と垂直にポリプロピレン製の樹脂ブロック7を収容した。
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下の金属製シール金型(伝熱性ゴム無し)を用いて、実施例4と同様にして2段階の熱融着(熱接着)を行い、実施例5の熱交換器を作製した。
<比較例1>
図7に示すようにインナーフィンとして、フィン高さHfが4mmフィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、内面側の半径Dが3.5mmの凹部および凸部が連続して形成された波状のものを使用し、それ以外は上記実施例1と同様にして、比較例1の熱交換器を作製した。
<比較例2>
図8示すようにインナーフィンとして、三角形と、逆三角形とが交互に連続して配置されるようなインナーフィン2を準備した。すなわち、インナーフィンとしてフィン高さHfが4mmフィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11および凸部頂壁幅W12が6.0mm、隣り合う凸部頂壁間の隙間(隣り合う凹部底壁間の隙間)Sが1.6mmの変形波状のものを使用し、それ以外は上記実施例1と同様にして、比較例2の熱交換器を作製した。
<比較例3>
(1)外包ラミネート材L1の準備
実施例4と同様にして外包ラミネート材L1を準備した。
(2)内芯ラミネート材L2の準備
実施例4と同様にして内芯ラミネート材L2を準備した。
(3)トレイ部材10およびカバー部材15の作製
実施例4と同様にしてトレイ部材10およびカバー部材15を作製した。
(4)インナーフィン2の作製
上記内芯ラミネート材L2をコルゲート加工によって、フィン高さHfが4mm、フィンピッチPfが7.6mm、フィン厚みTfが0.2mm、凹部底壁幅W11および凸部頂壁幅W12が4mm、外側コーナー半径R1が0.3mm、内側コーナー半径R2が0.1mmの角波形状に形成し、その角波シートを長さ120mm×幅65mmにカットしてインナーフィン2を作製した。なお、インナーフィン2の山筋方向および谷筋方向は、前後方向に沿うように配置されている。
(5)ヘッダー3の作製
実施例4と同様にしてヘッダー3を作製した。
(6)熱交換器の組立
トレイ部材10の凹陥部11における両端部にポリプロピレン製ジョイントパイプ付きヘッダー3,3を、各パイプ部33が上方に向くようにして収容した。さらに凹陥部11内におけるヘッダー3,3間に上記のインナーフィン2を収容した。
次にトレイ部材10にその凹陥部11を上から閉塞するようにカバー部材15を配置した。この際、カバー部材15の出入口16,16にヘッダー3,3のパイプ部33,33を挿通してカバー部材15の上方に突出させた。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下の金属製シール金型(伝熱性ゴム無し)を用いて、2段階の熱融着(熱接着)を行った。
まず190℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、トレイ部材10のフランジ部12とカバー部材15の外周縁部との熱融着層52同士を熱融着(熱接着)した。
続いて、200℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、外包体1、インナーフィン2ならびにヘッダー3間の各接合部を熱接着(熱融着)して、比較例3の熱交換器を作製した。
<内圧試験>
Figure 2021103764
実施例1〜3および比較例1,2の各熱交換器を20個ずつ準備し、各熱交換器に対し、水道水を0.2MPaの流水圧で336時間(14日間)連続して流通(循環)して、各熱交換器のいずれかの部位に、剥がれが起きたか否かを評価した。
具体的には、外包体1とインナーフィン2との間の剥がれが20個中1個以下のものは、合格「△」と評価し、外包体1とインナーフィン2との間の剥がれが20個中2個以上のものは、不合格「×」と評価した。また合格品の中でも、剥がれが全く生じなかったものは、極めて良好「○」と評価した。その結果を表1に示す。
<外圧試験>
外包体1におけるヘッダー3の部分を除く位置に、50mm×50mmの平面金型で500kgの荷重を押し付けて、つぶれ具合を評価した。
具体的には、つぶれ高さ(量)が0.5mm未満のものは、合格「△」と評価し、つぶれ高さが1mm以上のものは、不合格「×」と評価した。また合格品の中でも、全くつぶれなかったもの(つぶれ高さが「0」のもの)は、極めて良好「○」と評価した。その結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなように、矩形状のインナーフィン2を備えた実施例1〜3の熱交換器においては、内圧および外圧のいずれに対しても優れた評価を得ることができた。これに対し、円弧状や三角形状のインナーフィンを備えた比較例1,2の熱交換器においては、実施例1〜3の熱交換器に比べると、内圧および外圧のいずれにおいても多少劣っているのが判る。
Figure 2021103764
<耐内圧試験>
表2に示す構成部品で構成した実施例4、5および比較例3の各熱交換器を3個ずつ準備し、各熱交換器に冷却水を通し、内圧1.5MPaで5分間保持して、各熱交換器の外包体1とインナーフィン2との剥がれ(接着破壊箇所)の有無を観察した。また参考として、内圧が2MPaまで過剰に上昇した場合の試験も行った。
これらの結果を下記耐内圧試験評価基準に基づいて評価した。その評価結果を表2に示す。
<耐内圧試験評価基準>
「◎」(極めて良好):内圧が2MPaまでは剥がれ、膨れ等の接着破壊箇所の発生なし
「○」(合格):内圧が1.5MPaまでは剥がれ、膨れ等の接着破壊箇所の発生はないが、内圧が1.5MPaを超えると2MPa未満で剥がれ、膨れ等の接着破壊箇所の発生あり
「×」(不合格):内圧が2MPa未満で剥がれ、膨れ等の接着破壊箇所の発生あり。
<耐外圧試験>
表2に示す構成部品で構成した実施例4、5および比較例3の各熱交換器を3個ずつ準備し、各熱交換器の両面に厚さが5mmで幅65mm、長さ120mmのアルミニウム板を当てて、一方の面をコンクリート床に設置し、他方の面より5MPaの圧力をかけて1分間保持して、各熱交換器の変形度合いを確認した。なお、各熱交換器の外寸高さはいずれも4.3mmであった。
これらの結果を下記耐外圧試験評価基準に基づいて評価した。その評価結果を表2に示す。
<耐外圧試験評価基準>
「◎」(極めて良好):外圧が5MPaまでは変形なし(熱交換器の高さに変化なし)
「○」(合格):外圧が4.5MPaまでは変形はないが、外圧が5MPa以下で熱交換器の高さが0.1mm〜0.3mm低くなった
「×」(不合格):外圧が5MPa未満で熱交換器の高さが0.4mm以上低くなった。
表2から明らかなように、樹脂ブロック7を備えた実施例4および5の熱交換器においては内圧および外圧のいずれに対しても優れた評価を得ることができた。これに対して、樹脂ブロック7を有さない比較例3の熱交換器においては実施例4および5の熱交換器に比べると、内圧および外圧のいずれにおいても劣っていることが判る。
この発明の熱交換器は、主に車載用電池回り、スマートフォンやパーソナルコンピュータのCPU回り、電池回りの発熱対策、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイ回りの発熱対策、自動車のパワーモジュール回り、電池回りの発熱対策に用いられる冷却器(冷却装置)の他、床暖房、除雪に用いられる加熱器(加熱装置)として利用することができる。
1:外包体
1a:一対の対向壁
10:トレイ部材
11:凹陥部
111:底壁(対向壁)
15:カバー部材
151:上壁(対向壁)
16:出入口
2:インナーフィン
25:凹部
26:凸部
51:伝熱層
52:熱融着層
61:伝熱層
62:熱融着層
L1:外包ラミネート材
L2:内芯ラミネート材
Hf:フィン高さ
Pf:フィンピッチ
W11:凹部底面幅
W12:凸部頂面幅
また保護層53としては、耐熱性樹脂であるポリエステル樹脂(PEs)、ポリアミド樹脂(PA)等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
続いて、外周縁部を熱溶着した外包体1の中間領域(下壁111および上壁151)を上下一対の加熱板によって挟み込みながら加熱する。これにより、インナーフィン2の山頂部および谷底部の熱融着層62と、トレイ部材10の底壁111およびカバー部材15の中間領域(上壁)151の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する(フィン融着工程)。さらにこのフィン融着工程においては、ヘッダー3,3の取付箱部31,31の外周面と、それに対応するトレイ部材10およびカバー部材15の熱融着層52とを熱融着(熱接着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。
こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その仮組品に対し仮組品の形状に適合する上下のシール金型で、200℃×6秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、仮組品における各部品間の接合部を熱融着(熱接着)して、実施例1の熱交換器を作製した。
続いて、200℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、外包体1、インナーフィン2、ヘッダー3ならびに樹脂ブロック7間の各接合部を熱融着(熱接着)して、実施例4の熱交換器を作製した。
続いて、200℃×0.3MPa×7秒間のヒートシール(溶着処理)を行い、外包体1、インナーフィン2ならびにヘッダー3間の各接合部を熱融着(熱接着)して、比較例3の熱交換器を作製した。

Claims (6)

  1. 入口および出口が設けられ,かつ一対の対向壁を有する外包体と、前記一対の対向壁間に配置され、かつ凹部および凸部が交互に連続して設けられる波状のインナーフィンとを備え、前記入口から流入した熱交換媒体が前記外包体内のインナーフィン設置部を通って前記出口から流出するようにした熱交換器であって、
    前記外包体が、金属製の伝熱層の内面側に樹脂製の熱融着層が設けられた外包ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが、金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成され、
    前記インナーフィンにおける凹部底面および凸部頂面と、前記一対の対向壁とが接合されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記インナーフィンの凹部底面の幅を「W11」とし、凸部頂面の幅を「W12」としたとき、
    0.9≦W12/W11≦1.1
    の関係が成立するように構成されている請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記インナーフィンのフィンピッチを「Pf」とし、フィン高さを「Hf」としたとき、
    Pf/2=0.1Hf〜10Hf
    の関係が成立するように構成されている請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記外包体は、中間領域に前記インナーフィンを収容するための凹陥部が形成されたトレイ部材と、前記トレイ部材の凹陥部を閉塞するように配置されるカバー部材とによって構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記外包体は、前記インナーフィンを介して重ね合わされた2枚の前記外包ラミネート材の外周縁部同士が接合一体化されて形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 入口および出口が設けられ,かつ一対の対向壁を有する外包体における前記一対の対向壁間に配置され、前記入口から流入した熱交換媒体を通過させて前記出口から流出させるようにした熱交換器のインナーフィンであって、
    金属製の伝熱層の両面側に熱融着層が設けられた内芯ラミネート材によって構成され、
    凹部および凸部が交互に連続して設けられる波状であって、その凹部底壁および凸部頂壁が前記一対の対向壁に対し平行に配置され形成され、かつ前記凹部底壁および前記凸部頂壁間を連結する立ち上がり壁が前記一対の対向壁に対し直交する角波形状に形成され、
    前記凹部底面および前記凸部頂面が、一対の対向壁に接合されるように構成されていることを特徴とする熱交換器のインナーフィン。
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