JP7274325B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

この発明は、金属箔層に樹脂層が積層されたラミネート材を利用して製作される熱交換器に関する。
スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の電子機器における小型高性能化に伴い、電子機器のCPU回りの発熱対策も重要となり、機種によっては水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、CPU等の電子部品に対する熱負荷を軽減するとともに、筐体内に熱をこもらせないようにして、熱による悪影響を回避する技術が従来から多く提案されている。
また電気自動車やハイブリッド車に搭載される電池モジュールは、大容量の充電あるいは放電を連続して行うために電池パックの発熱が大きくなる。このため電池モジュールにおいても上記の電子機器と同様に、水冷式冷却器やヒートパイプを組み込んで、熱による悪影響を回避する技術が提案されている。
さらにシリコンカーバイト(SiC)製等のパワーモジュールも発熱対策として冷却板やヒートシンクを組み付ける等の対策も提案されている。
ところで、上記のスマートフォンやパーソナルコンピュータのような電子機器では筐体が薄く、その薄い筐体内における限られたスペースに多数の電子部品や冷却器が組み込まれるため、冷却器自体も薄型のものが用いられることになる。
従来において、小型の電子機器に組み込まれるヒートパイプ等の薄型の冷却器は一般的に、アルミニウム等の伝熱性が高い金属を加工して得られた複数の金属加工部品をろう付けや拡散接合等で接合することにより製作するようにしている(特許文献1~3等)。
ところが、上記従来の小型電子機器用冷却器は、各構成部品が鋳造や鍛造等の塑性加工や、切削等の除去加工等の金属加工(機械加工)によって製作されているため、面倒で制約も厳しく、特に薄型化に限界があり、現行以上の薄型化を図ることは困難である。
その上さらに、上記従来の冷却器は、各構成部品を接合する際に難易度が高いろう付けや拡散接合等の金属加工(金属間接合)を用いて製作する必要があり、製作が困難であるばかりか、生産効率が低下してコストも増大してしまう。
特開2015-59693号公報 特開2015-141002号公報 特開2016-189415号公報
このような状況下にあって、本願出願人は、金属箔層に樹脂層が積層されたラミネート材を熱交換器の外装体として用いる技術に関して研究を進めている。
しかしながら、ラミネート材を熱交換器等の機材における外装体に用いる場合には、外装体の内部に充填される冷却液等の熱交換媒体が漏れ出す可能性があり、この液漏れを確実に防止できる技術の開発が臨まれるところである。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、薄型化を図りつつ、簡単かつ効率良く製造できてコストを削減できる上、液漏れも確実に防止できる熱交換器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]内部を熱交換媒体が流通する外装体と、凹凸形状を有し、かつ一部が前記外装体の内周面に接触した状態で前記外装体に収容されるインナーフィンとを備えた熱交換器であって、
前記外装体が、金属箔層の内面側に保護接着剤層を介して樹脂製のシーラント層が接着されたラミネート材によって構成され、
前記インナーフィンが金属箔層の両面側に樹脂製の被覆層がそれぞれ積層されたラミネート材によって構成され、
前記外装体における保護接着剤層が、前記シーラント層の欠如部において残存して金属箔層の露出が防止されるように構成されていることを特徴とする熱交換器。
[2]前記外装体の保護接着剤層は、耐熱成分を含有する前項1に記載の熱交換器。
[3]前記耐熱成分は、耐熱フィラーおよび耐熱性熱硬化性樹脂のうち少なくともいずれか一方によって構成されている前項2に記載の熱交換器。
[4]前記外装体を構成するラミネート材は、その金属箔層の外面側に積層された樹脂製の耐熱層を備える前項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
[5]前記外装体のシーラント層と、前記インナーフィンの被覆層とが同種の熱融着樹脂によって構成されている前項1~4のいずれか1項に記載の熱交換器。
[6]前記インナーフィンの端縁が、その端縁から金属箔層が露出するのを防止するための樹脂製のコーティング部が設けられている前項1~5のいずれか1項に記載の熱交換器。
[7]前記インナーフィンの端縁における両面側の被覆層の端縁が端縁延長方向に延長するように延長部が形成されて、金属箔層の端縁が、両面側の被覆層における各延長部の端縁に対し内側に没入した状態に配置されている前項1~6のいずれか1項に記載の熱交換器。
[8]前記外装体に設けられた出入口に貫通状態に配置されるパイプ部と、前記パイプ部が連結され、かつ前記外装体の内部に収容された取付部とを有するジョイント部材を備える前項1~7のいずれか1項に記載の熱交換器。
[9]前記ジョイント部材の前記取付部における少なくとも表皮部が、前記外装体のシーラント層と同種の熱融着樹脂によって構成されている前項8に記載の熱交換器。
発明[1]の熱交換器によれば、外装体用のラミネート材において金属箔層とシーラント層との間に保護接着剤層が設けられているため、シーラント層が過剰な熱接着等により欠如したとしても、その欠如部において保護接着剤層が残存して金属箔層を被覆することによって金属箔層が露出されるのを防止できる。このため金属箔層が不用意に熱交換媒体にさらされることがなく、金属箔層の腐食による液漏れの発生を防止することができる。さらに本発明の熱交換器においては、外装体をラミネート材を用いて製作するものであるため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できてコストを削減できるとともに、十分な薄型化も図ることができる。
発明[2][3]の熱交換器によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[4]の熱交換器によれば、結露等の外部要因による金属箔層の腐食も防止することができる。
発明[5]の熱交換器によれば、外装体のシーラント層と、インナーフィンの被覆層との間を十分な取付強度で熱接着することができる。
発明[6][7]の熱交換器によれば、インナーフィンにおける金属箔層の端縁が露出するのを防止でき、インナーフィンの金属箔層による外装体への悪影響を回避することができる。
発明[8][9]の熱交換器によれば、パイプ部を介して外装体に対し熱交換媒体をスムーズに流出入させることができ、熱交換性能を向上できるとともに、取付部を外装体内周面に十分な取付強度で安定した状態に熱接着できて、出入口周辺のシール性をより一層向上させることができる。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図である。 図2は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図である。 図3は実施形態の熱交換器の一部を切り欠いて示す斜視図である。 図4は図3の一点鎖線S1で囲まれる部分を拡大して示す断面図である。 図5Aは図4の一点鎖線S2で囲まれる部分を拡大して示す断面図である。 図5Bは図5Aの一点鎖線S4で囲まれた部分を拡大して示す模式断面図である。 図6は本実施形態の熱交換器においてインナーフィンのエッジ部とトレイ部材の底面との接触部周辺を拡大して示す切欠斜視図である。 図7は図6のD-D線断面図である。 図8はこの発明の第1変形例のインナーフィン用ラミネート材を示す図であって、図(a)は平面図、図(b)は端部の断面図である。 図9はこの発明の第2変形例のインナーフィン用ラミネート材における端部の断面図である。 図10はこの発明の要旨を逸脱した熱交換器においてインナーフィンとトレイ部材の底面との接触部を拡大して示す断面図であって、図5に対応する部分の断面図である。 図11はこの発明の要旨を逸脱した熱交換器においてトレイ部材の腐食部を説明するための斜視図である。
図1はこの発明の実施形態である熱交換器を示す斜視図、図2は実施形態の熱交換器を分解して示す斜視図、図3は実施形態の熱交換器の一部を切り欠いて示す斜視図である。
これらの図に示すように本実施形態の熱交換器は、伝熱パネルや伝熱チューブ等として用いられるものであり、ケーシングとしての外装体1と、外装体1の内部に収容されるインナーフィン(内部フィン)2と、外装体1の両端部内に収容される一対のジョイント部材3,3とを備えている。
外装体1は、平面視矩形状のトレイ部材10と、平面視矩形状のカバー部材15とによって構成されている。
トレイ部材10は、その外周縁部を除く中間領域が下方に深絞り成型や、押出成形等の冷間成形の手法を用いて凹陥形成されて、凹部11が形成されるとともに、凹部11の開口縁部周辺に外方に突出するようにフランジ部12が一体に形成されている。
トレイ部材10およびカバー部材15は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートであるラミネート材L1によって構成されている。
外装体用のラミネート材L1は図4に示すように、金属箔製の金属箔層51と、その金属箔層51の一面(内面)に、後述の接着剤によって構成される保護接着剤層55を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製のシーラント層52と、金属箔層51の他面(外面)に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の耐熱層53とを備えている。なお本実施形態において、「箔」という用語は、フィルム、薄板、シートも含む意味で用いられている。
ラミネート材L1における金属箔層51としては、1000系、3000系、5000系、8000系のアルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、チタン箔等を好適に用いることができる。なお本実施形態において、「アルミニウム」「銅」「ニッケル」「チタン」という用語は、それらの合金も含む意味で用いられている。
金属箔層51は、伝熱層や集熱層とも称されるものであり、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
また金属箔層51は、化成処理等の表面処理を施しておくことにより、金属箔層51の腐食防止や、樹脂との接着性の向上など、より一層耐久性を向上させることができる。
化成処理は、例えば次のような処理を施す。即ち、脱脂処理を行った金属箔の表面に、下記の1)~3)のうちのいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥することにより、化成処理を施す。
1)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
2)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
3)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物と、を含む混合物の水溶液。
上記化成皮膜は、クロム付着量(片面当たり)として0.1mg/m~50mg/mに設定するのが好ましく、特に2mg/m~20mg/mに設定するのがより一層好ましい。
この表面処理に関しては、後述するフィン用のラミネート材L2の金属箔層61においても同様である。
保護接着剤層55は、後述するようにシーラント層52が部分的に破断したり溶融したりしてシーラント層52が欠如した際にその欠如部において、保護接着剤層55が残存して、金属箔層51に対する被覆状態を維持することによって、金属箔層51が露出するのを防止し、それにより金属箔層51の腐食を防止するためのものである。従って保護接着剤層55としては、シーラント層52よりも強度が強く、融点が高い樹脂によって構成するのが好ましい。
保護接着剤層55としては、耐熱成分を含有したものを好適に用いることができる。
耐熱成分としては、耐熱フィラー(フィラー)や耐熱性熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。
耐熱フィラーとしては、酸化チタン、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、アクリルビーズ等の球状微粒子から選択される少なくとも1種以上のものを好適に採用することができる。
さらに耐熱フィラーとしては、平均粒径が0.05μm~3μmのものを好適に用いることができる。
また耐熱フィラーの保護接着剤層55に対する含有比率は、1wt%~20wt%に設定するのが好ましい。
また耐熱性熱硬化性樹脂は、耐熱温度が高い熱硬化性樹脂であり、例えば耐熱温度が150℃以上の熱硬化性樹脂を好適に用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン順、アリル樹脂、不飽和ポリエステルから選択される少なくとも1種以上のものを好適に採用することができる。
本実施形態においては、上記の耐熱性熱硬化性樹脂によって保護接着剤層55を構成しても良いし、母材としての接着剤等に上記の耐熱性熱硬化性樹脂を含有させるようにしても良い。
なお本実施形態において、保護接着剤層55としては、耐熱性熱硬化性樹脂に耐熱フィラーを添加したもので構成しても良いし、母材としての接着剤に耐熱性熱硬化性樹脂および耐熱フィラーを混合して含有させたもので構成しても良い。
また保護接着剤層55としては、厚みを3μm~8μmに調整するのが好ましい。
シーラント層52としては、ポリオレフィン(無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(LDPE、LLDPE))またはそれらの変性樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
このシーラント層52は、厚みが12μm~50μmのものを好適に用いることができる。
耐熱層53としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂等によって構成されるフィルムないしシートを好適に用いることができる。
本実施形態において耐熱層53としてのフィルムないしシートは、接着剤を介して金属箔層51に接着するのが基本構造であるが、必要に応じて接着剤を用いずに、耐熱層を構成する樹脂を金属箔層51に塗布コートして耐熱層53を積層(成膜)するようにしても良い。
耐熱層53は、金属箔層51への結露や大気中の腐食成分等からの悪影響を回避するためのものであるため、金属箔層51が保護されていれば熱融着性の樹脂を用いることもできる。
さらに耐熱層53は、電池等の冷却対象部材(熱交換対象部材)に直接接触するものであるから、熱交換性能を向上させるために薄い方が好ましい。具体的には、耐熱層53としては、厚みが20μm~5000μmのものを用いるのが好ましい。
また外装体用ラミネート材L1を構成する金属箔層51および耐熱層53間を接着するための接着層としては、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
以上の構成のラミネート材L1によって、外装体1のトレイ部材10およびカバー部材15が構成されている。そして後述するようにカバー部材15がトレイ部材10の凹部開口を閉塞するように配置されて、カバー部材15の外周縁部がトレイ部材10のフランジ部12に接合一体化されることによって、外装体1が形成されるものである。
なお本実施形態においては、カバー部材15の両端に出入口16,16がそれぞれ形成されている。
図1~図3に示すように外装体1の中空部(凹部11)内に収容されるインナーフィン2は、柔軟性ないし可撓性を有するラミネートシートであるラミネート材L2によって構成されている。ラミネート材L2は、図4に示すように金属箔製の金属箔層61と、その金属箔層61の両面側に接着剤を介して積層された樹脂フィルムないし樹脂シート製の被覆層62,62とを備えている。
このインナーフィン用のラミネート材L2の金属箔層61としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔、メッキ加工した銅箔、ニッケル箔と銅箔とがクラッドされたニッケル・銅クラッドメタルの中から選択されたものを好適に用いることができる。
金属箔層61は、厚みが8μm~300μmのものを用いるのが良く、より好ましくは100μm以下のものを用いるのが良い。
またこの金属箔層61においても既述したように、外装体1の金属箔層51と同様の表面処理を施すことによって、より一層性能を向上させることができる。
被覆層62としては、ポリオレフィン(無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(LDPE、LLDPE))、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等によって構成される熱融着性のフィルムないしシートを好適に用いることができる。
またインナーフィン用ラミネート材L2を構成する金属箔層61、被覆層62,62の各層間を接着するための接着層としては、上記と同様、厚みが1μm~5μmのウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、オレフィン系接着剤等を好適に用いることができる。
なお本実施形態において、インナーフィン2を構成するラミネート材L2の両側の樹脂層62,62は、外装体1を構成するラミネート材L1のシーラント層53と同種の熱融着樹脂(同一の熱融着樹脂も含む、以下同じ)によって構成されている。
このラミネート材L2からなるシート材に凹凸加工が施されて凹凸が形成されることによってインナーフィン2が形成されるものである。
凹凸加工としては、ラミネート材L2に立体的に凹凸を付与できる加工であれば、どのような加工であっても良いが、コルゲート加工、プリーツ加工、エンボス加工等、ラミネート材L2に立体的かつ連続的に凹凸を付与できる加工方法を好適に用いることができる。
コルゲート加工とは、例えば外周に軸方向の溝が周方向に等間隔おきに形成された一対のロール間に、ラミネート材L2等のワークを通すことで、1方向に波形の凹凸立体形状を形成する加工方法である。
プリーツ加工とは、ラミネート材L2等のワークを表裏に交互に折り畳んでヒダ(プリーツ)を形成する加工方法である。
エンボス加工とは、外周面に凹凸パターンが形成されたエンボスロールを用いて、ラミネート材L2等のワークに凹凸を付与する加工方法等である。なお本実施形態において、エンボスロールに形成される凹凸パターンは特に限定されるものではなく、ダイヤ柄、絹目状、布目状、梨地状、水玉状、すだれ状、筋柄状等の凹凸パターンを採用することができる。
本実施形態においては、ラミネート材L2からなるシート材に、コルゲート加工を行って波状の凹凸形状を形成して、インナーフィン2を製作するものである。
このインナーフィン2が、トレイ部材10の凹部11における両端部を除いた中間部に収容される。収容されたインナーフィン2は、その山筋方向および谷筋方向(図2の紙面に向かって左右方向)がトレイ部材10の長さ方向(図2の紙面に向かって左右方向)に一致するように配置されている。これにより、インナーフィン2の山筋部および谷筋部に沿って形成されるトンネル部および溝部が、トレイ部材10の長さ方向に沿うように配置され、そのトンネル部および溝部を通って熱交換媒体が外装体1の長さ方向一端側から他端側に向けてスムーズに流通できるように構成されている。
図2に示すように外装体1の両端部内に配置される一対のジョイント部材3,3は、硬質合成樹脂の成形品によって構成されている。
ジョイント部材3は、一側面に開口部32を有する箱状の取付箱部31と、取付箱部31,31の上壁に設けられたパイプ部33とを備えている。パイプ部33は取付箱部31内に連通しており、パイプ部33の内部と取付箱部31の内部との間で熱交換媒体が往来できるように構成されている。なお本実施形態においてはジョイント部材3の取付箱部31が取付部を構成するものである。
本実施形態において、ジョイント部材3の素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂またはそれらの変性樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱融着樹脂を好適に用いることができ、特に高密度ポリエチレン(HDPE)等の熱融着樹脂を用いるのが好ましい。なお本実施形態において、ジョイント部材3は、その少なくとも外表面(表皮部)が外装体を構成するラミネート材L1のシーラント層52と同種または同一の熱融着樹脂によって構成されている。
このジョイント部材3の取付箱部31がトレイ部材10の凹部11におけるインナーフィン2の両側に配置される。この場合、ジョイント部材3のパイプ部33を上向き配置するとともに、取付箱部31の開口部32を内側に向けて、つまりインナーフィン2側に対向させて配置する。
こうしてトレイ部材10内にインナーフィン2およびジョイント部材3,3を収容して、カバー部材15をトレイ部材10にその開口部を閉塞するように配置する。この場合、カバー部材15の出入口16内に、ジョイント部材3,3の上向きのパイプ部33,33を挿通配置する。
こうして仮組された伝熱パネルPを減圧加熱することによって、接触し合う部材同士を熱融着して接合一体化する。
すなわちトレイ部材10のフランジ部12のシーラント層52と、カバー部材15の外周縁部のシーラント層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化して、液密ないし気密状態に封止する。ここでトレイ部材10のシーラント層52と、カバー部材15のシーラント層52とは同種の熱融着樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
さらにインナーフィン2の山頂部および谷底部の被覆層62,62を、トレイ部材10の底壁およびカバー部材15のシーラント層52とを熱接着(熱融着)により接合一体化する。ここでインナーフィン21の被覆層62,62と、トレイ部材10およびカバー部材15のシーラント層52とは同種の熱融着樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。
さらにジョイント部材3,3の取付箱部31,31の外周面と、トレイ部材10およびカバー部材15のシーラント層52,52とを熱接着(熱融着)により接合一体化する。ここで、ジョイント部材3,3と、トレイ部材10およびカバー部材15のシーラント層52とは同種の樹脂によって構成されているため、両者を十分な取付強度で確実に固着することができる。従って、ジョイント部材3,3のパイプ部33,33の周辺部が、カバー部材15の出入口16,16の周縁部に液密ないし気密状態に接着され、出入口16,16の部分からの液漏れ等の不具合を確実に防止することができる。
こうして組み付けられた熱交換器は、外装体1における両端部の上壁(カバー部材15)からジョイント部材3,3のパイプ部33,33が上方に突出するように配置されている。
以上の構成の熱交換器は、電池等を冷却対象部材(熱交換対象部材)として冷却する冷却器(冷却装置)として用いられる。すなわち熱交換器の一方のパイプ部33に、熱交換媒体(冷媒)としての冷却液(冷却水、不凍液等)を流入するための流入管が連結されるとともに、他方のパイプ部33に、冷却液を流出するための流出管が連結される。さらに熱交換器の外装体1における上壁および下壁に冷却対象部材としての電池を接触させた状態に配置する。そしてその状態で一方のパイプ部33から冷却液を一方のジョイント部材3を介して外装体1の内部に流入し、その冷却液をインナーフィン2の部分を流通させて、他方のジョイント部材3を介して他方のパイプ部33から流出させる。こうして冷却液を外装体1に循環させることにより、その冷却液と電池との間でインナーフィン2および外装体1の上下壁を介して熱交換されることにより、電池が冷却されるものである。
本実施形態の熱交換器においては、外装体1を構成するラミネート材L1における金属箔層51とシーラント層52との間に保護接着剤層55が設けられている点が特徴的な構成であり、その特徴的な構成によって、優れた耐食性を備えるものである。以下にそのメカニズムについて詳細に説明する。
本出願人の研究によると、外装体1の金属箔層51の腐食が生じ易い部分は、インナーフィン2のエッジ部との接触部であることが判明している。
例えば図4の一点鎖線S2で囲まれた部分は、外装体1のトレイ部材10における凹部底面と、インナーフィン2の谷底部下面との接触部であるが、この接触部のうち、インナーフィン2のエッジ部との接触部は腐食が生じ易いものの、インナーフィン2のエッジ部以外の部分は腐食が生じ難いものである。
すなわち図10に示すように、外装体1が、保護接着剤層を有しないラミネート材L3、つまり金属箔層51の内面にシーラント層52が接着されたラミネート材L3によって構成されている場合において、熱融着時に過度の熱量や圧力が加わったとしても、インナーフィン2のエッジ部以外の部分においては、溶融したシーラント層52および被覆層62を構成する樹脂は金属箔層51を覆うように押し出されるため金属箔層51が露出することがない。このため金属箔層51が冷却液にさらされることがなく、金属箔層51における腐食の発生が防止される。従って金属箔層51にピンホールが発生せず、液漏れが発生することもない。
特に本実施形態の熱交換器では図5Aに示すように、外装体1の金属箔層51とシーラント層52との間に高強度かつ高融点の保護接着剤層55が設けられている場合には、保護接着剤層55が溶融せず残留するため、金属箔層51,61が露出するのをより確実に防止でき、より一層確実に腐食および液漏れの発生を防止することができる。
詳細に説明すると、図5B(a)に示すように、保護接着剤層55内に耐熱フィラー55fが含有されている場合、仮に保護接着剤層55の母材が溶け出したとしても、フィラー55f間の隙間に、外装体1のシーラント層52の溶融樹脂や、インナーフィン62の被覆層62の溶融樹脂が流れ込んで保護接着剤層55が残存するように形成されるため、金属箔層51は、保護接着剤層55によって確実に覆われた状態に保持される。また図5B(b)に示すように、保護接着剤層55内に耐熱性熱硬化性樹脂が含有されている場合には、樹脂が溶け出すことがなく、金属箔層51は、保護接着剤層55によって確実に覆われた状態に保持される。このため金属箔層51,61が露出してしまうのをより確実に防止でき、より一層確実に腐食および液漏れの発生を防止することができる。
しかしインナーフィン2のエッジ部では既述した通り、外装体1との接触部においても腐食が発生し易いことが判明している。例えば図6はインナーフィン2のエッジ部21と、外装体1(トレイ部材10)の凹部底面との接触部を拡大して示す切欠斜視図であって、図2の一点鎖線S3に示される部分に相当する部分の切欠斜視図、図7は図6のD-D線断面図である。これらの図に示すように、外装体1とインナーフィン2とが減圧下で熱接着されると、外装体1が収縮するが、その収縮時に外装体1の下壁は、インナーフィン2のエッジ部21に抑圧されているため、外装体1の下壁において、図7の想像線に示すようにエッジ部21との接触点よりも外側(図7の右側)が上方へ持ち上がるように折曲変形する。この変形時には、外装体1の下壁におけるエッジ部21との接触点に応力が集中し、インナーフィン2の金属箔層61の端縁によって、溶融した外装体1の樹脂(シーラント層52)が押し出されて、シーラント層52が途切れた部分(欠如部)が発生する。ここで仮に、外装体1を、シーラント層52と金属箔層51との間に保護接着剤層が設けられていないラミネート材(図10のラミネート材L3参照)によって構成されている場合には、シーラント層52の欠如部において金属箔層51が露出してしまい、その露出部が外装体1内の冷却液にさらされて、金属箔層51に腐食が発生する。そうすると、その腐食によって金属箔層51にピンホールが形成されて液漏れが発生してしまう。
参考までに保護接着剤層がないラミネート材L3によって構成された外装体1とインナーフィン2とを減圧下で熱接着した場合には図11に示すように、外装体1の凹部底壁におけるインナーフィン2のエッジ部21との接触部において、外装体1の金属箔層51に腐食部4が確認された。
これに対して本実施形態の熱交換器においては、外装体1の金属箔層51とシーラント層52との間に、高強度かつ高融点の保護接着剤層55が設けられているため、減圧下で熱接着されて、インナーフィン2の金属箔層61の端縁によって、溶融した外装体1のシーラント層52が押し出されて、シーラント層52に欠如部が発生したとしても、その欠如部においては上記図5B(a)(b)で説明した場合と同様に、保護層55によって金属箔層51が覆われた状態に保持される。このため金属箔層51が腐食してしまうのを防止できて、ピンホールおよび液漏れの発生を確実に防止することができる。
なお本実施形態においては、インナーフィン2のエッジ部21において金属箔層61の端縁を外側に露出しないようにすれば、外装体1への悪影響や、インナーフィン2の金属箔層61自体の腐食を防止することができる。例えば図8(a)に示すように、インナーフィン2を構成するラミネート材L2として、金属箔層61用の金属箔に比べて、両面側の被覆層62,62用の樹脂フィルムが一回り大きいものを採用する。これにより図8(b)に示すように、インナーフィン2用のラミネート材L2の端縁において、両面側の被覆層62,62が延長されて、その延長部66の端縁よりも金属箔層61の端縁が内側に没入した状態に配置する。このようなラミネート材L2を凹凸加工してインナーフィン2を製作すれば、そのインナーフィン2は、金属箔層61の端縁が露出しないため、外装体1への悪影響等を回避することができる。
さらに図9に示すように、インナーフィン2用のラミネート材L2として、端縁を樹脂によりコーティングしてコーティング部65を形成して、そのコーティング部65によって、金属箔層61の端縁を被覆しておく。このラミネート材L2によるインナーフィン2においても、金属箔層61の端縁が露出しないため、外装体1への悪影響等を回避することができる。
また上記図8(a)(b)に示すようにインナーフィン2の端縁において被覆層62,62を延長部66を形成したり、上記図9に示すように被覆層62,62の端縁間にコーティング部65を形成した場合には、被覆層延長部66やコーティン部65が、外装体1の内面に対するクッション材として機能し、かつ外装体1のシーラント層52が過剰に溶け出した際の補充材として機能するため、この点からも外装体1の金属箔層51が露出するのを防止でき、腐食やピンホールの発生をより確実に防止できて、より一層耐久性を向上させることができる。
以上のように本実施形態の熱交換器によれば、外装体1を構成するラミネート材L1における金属箔層51とシーラント層52との間に保護接着剤層55が設けられているため、シーラント層52が過剰な熱接着等により欠如したとしても、その欠如部において保護接着剤層55が残存して金属箔層51を被覆することによって、金属箔層55が露出されるのを防止することができる。このため金属箔層55が不用意に冷却液にさらされることがなく、金属箔層55の腐食やピンホールの発生を防止できて、液漏れ等の不具合がない高品質の熱交換器を提供することができる。
また本実施形態の熱交換器によれば、外装体1をラミネート材L1,L2を用いて製作するものであるため、面倒な金属加工を用いる必要がなく、効率良く簡単に製作できてコストを削減することができるとともに、ラミネート材L1,L2である外装体1およびインナーフィン2を接合して製作するものであるため、十分に薄型化を図ることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、外装体1のシーラント層52と、そのシーラント層52に熱融着するインナーフィン2の被覆層62とが同種の熱融着樹脂によって構成されているため、両層52,62間を十分な取付強度で熱接着でき、剥がれ等を防止できて十分な耐久性を得ることができる。さらに同じ材質同士の熱接着であるため、接着性が良好で、過度の熱接着を有効に防止でき、この点からも金属箔層51,61の露出を防止できて、より確実に金属箔層51,61の腐食を防止することができる。
さらに本実施形態の熱交換器においては、外装体1の外面側に耐熱層53を積層しているため、結露等の外部要因による金属箔層51の腐食等もより一層確実に防止できて、より一層耐久性を向上させることができる。
また本実施形態の熱交換器においては、外装体1の両端部に設けられるジョイント部材3のパイプ部33を出入口16に貫通した状態に配置しているため、パイプ部33を介して外装体1に対し冷却液をスムーズにかつ安定した状態で流出入させることができ、冷却性能(熱交換性能)を向上させることができる。
さらに外装体1の内部に収容されるジョイント部材3の取付箱部31を、外装体1のシーラント層52と同種の熱融着樹脂によって構成しているため、取付箱部31を外装体1の内周面に十分な取付強度で熱接着できて、出入口周辺のシール性をより一層向上できて、出入口周辺からの液漏れも確実に防止することができる。
なお上記実施形態においては、熱交換器をその内部に冷却用の熱媒体(冷媒)を流通させて冷却器(冷却装置)として用いる場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、熱交換器をその内部に加熱用の熱媒体(熱媒)を流通させて加熱器(加熱装置)や発熱器(発熱装置)として用いることも可能である。
また上記実施形態においては、外装体1を製作するにあたり、立体成形されたトレイ部材10と、シート状のカバー部材15とを貼り合わせるようにしているが、本発明においては、立体成形された部材(ラミネート材)どうしを貼り合わせても良い。さらに外装体1の構成部材を必ずしも立体成形する必要もない。例えば立体成形を行わない場合、2枚のシート状のラミネート材を互いの外周縁部を熱融着等によって接着することによって、ラミネート材製の袋状の外装体を製作するようにしても良い。
さらに上記実施形態においては、外装体1を2枚のラミネート材によって製作する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、1枚のラミネート材を2つ折りに折り重ねて、重なり合ったラミネート材のうち、折り返し部を除く外周縁部を熱融着等によって接着することにより、袋状の外装体を製作するようにしても良い。さらに言うまでもなく、本発明においては3枚以上のラミネート材を用いて外装体を製作するようにしても良い。
また上記実施形態においては、ラミネート材L1,L2として3層または4層構造のものを用いているが、それだけに限られず、本発明においては、5層以上の構造のラミネート材を使用するようにしても良い。要は外装体用のラミネート材において、金属箔層51とシーラント層52との間に保護接着剤層55が設けられていれば良い。
また上記実施形態においては、本発明の熱交換器を自動車用等の電池パックの冷却器として用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明においては、電池パックの冷却器以外の熱交換器にも適用することができる。例えば自動車用電池パックの加熱用の熱交換器、自動車の電動機、産業機械、家電、情報端末等の電力駆動機器の主電力を制御するための電力用半導体素子(パワーモジュール)の冷却用の熱交換器、パーソナルコンピュータのCPU(中央演算処理装置)の冷却用の熱交換器、家庭用または業務用蓄電池の冷却/加熱用の熱交換器、パーソナルコンピュータの電池パック(電池モジュール)の冷却用の熱交換器、液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのディスプレイの冷却用の熱交換器や、床暖房設備、寒冷地域での屋根、通路、道路等の融雪設備の熱交換器としても用いることもできる。
<実施例1>
図1~図3に示す上記実施形態の熱交換器に準拠して、以下のように実施例1の熱交換器を製作した。
1.外装体1用のラミネート材L1(LLDPE40/保護接着剤層/AL120/接着剤/PET25)の作製
(1)金属箔層としてのJIS H4160のA8021のアルミニウム箔(厚さ120μm)にクロメート処理を行い、下地層を両面にコーティングする(クロム付着量は片面当たり10g/m)。
(2)アルミニウム箔の一方の面(外面)に、2液硬化型ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介して耐熱層53として2軸延伸PETフィルム(厚さ25μm)を積層する。
(3)アルミニウム箔の他方の面(内面)に、保護接着剤層55として平均粒径2μmのシリカビーズを5wt%添加したオレフィン系接着剤(厚さ4μm)を介して、シーラント層52としてのLLDPE(厚さ40μm)を積層する。
2.フィン2用のラミネート材L2(LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/LLDPE40)の作製
(1)JIS H4160のA8021のアルミニウム箔(厚さ120μm)にクロメート処理を行い、下地層を両面にコーティングする(クロム付着量は片面当たり10g/m)。
(2)アルミニウム箔の一方および他方の面に、ウレタン系接着剤(厚さ2μm)をそれぞれ介して被覆層62,62としてLLDPE(厚さ40μm)をそれぞれ積層する。
3.ジョイント部材3(HDPE)の作製
縦100mm×横12mm×高さ3mmの取付箱部31に、パイプ部33が一体に成形されたHDPE製のジョイント部材3を準備した。パイプ部33は、内径φ10mm、外径φ12mm、長さが3mmである。
4.熱交換器の構成部品の準備
(1)トレイ部材10の作製
外装材1用のラミネート材L1を縦230mm×横160mmにカットして得られたシート材を、Al箔(金属箔層51)に対してLLDPE(シーラント層52)側が凹側(内側)となるように、縦169mm×横104mmでコーナーR4の金型を用いて深さ3mmでエンボス成形して凹部11を形成した。さらに凹部11の開口周縁部に形成されるフランジ部12を5mm幅となるように周囲をカットして、トレイ部材10を作製した。
(2)カバー部材15の作製
外装体1用のラミネート材L1を縦180mm×横115mmにカットして得られたシート材に、その縦方向(長さ方向)の両端部に、ジョイント部材3,3のパイプ部33,33を挿通するための出入口16,16を形成して、カバー部材15を作製した。
(3)インナーフィン2の作製
インナーフィン2用のラミネート材L2を縦145mm×横210mmにカットして得られたシート材を、横方向に3.5mm幅(ピッチ)で交互に折り返すようにコルゲート加工することによって、各山の高さが3mmのつづら折り状のインナーフィン21を作製した。
5.部品の組み立ておよび接合
(1)トレイ部材10の凹部11における縦方向(長さ方向)の両端部に、ジョイント部材3,3を各パイプ部33,33を上向きにした状態に収容する。さらにトレイ部材10の凹部11における両ジョイント部材3,3間にインナーフィン2を収容した。なお、ジョイント部材3,3の各開口部32,32は、インナーフィン2の端部に対向するように内側に向けて配置した。
(2)トレイ部材10の凹部11を上から覆うようにカバー部材15を、その内側(シーラント層52としてのLLDPE側)を下にしてトレイ部材10のフランジ部12上に配置した。このとき、カバー部材15の出入口16,16に、トレイ部材10内のジョイント部材3,3の上向きパイプ部33,33を挿通させてカバー部材15の上方に突出するように配置した。こうして非接合状態の熱交換器仮組品を作製し、その熱交換器仮組品をチャンバー式の減圧機内で、200mmHgに減圧した状態で、トレイ部材10のフランジ部12を200℃に設定した熱板で5秒間シールして、各部品同士を熱接着(熱融着)することにより、実施例の熱交換器を作製した。なお減圧下で加熱することで、トレイ部材10とカバー部材15との間、トレイ部材10およびカバー部材15と、それらと接触しているインナーフィン2およびジョイント部材3,3との間の熱接着を強く行うことができる。
こうして実施例1の熱交換器を作成した。
<実施例2>
1.外装体ラミネート材L1の保護接着剤層55として、平均粒径0.5μmのシリカビーズを15wt%添加したオレフィン系接着剤(厚さ4μm)を用いた以外は、上記実施例1と同様の外装用ラミネート材L1を準備した。
2.このラミネート材L1を用いて、外装体1(トレイ部材10およびカバー部材15)を作成した以外は、上記実施例1と同様にして実施例2の熱交換器を製作した。
<実施例3>
1.外装体用ラミネート材L1の保護接着剤層55として、2液硬化型エポキシ系接着剤(厚さ3μm)を用いた以外は、上記実施例1と同様の外装用ラミネート材L1を準備した。
2.このラミネート材L1を用いて、外装体1(トレイ部材10およびカバー部材15)を作成した以外は、上記実施例1と同様にして実施例3の熱交換器を製作した。
<比較例>
1.外装体1用のラミネート材L3(LLDPE40/接着剤/AL120/接着剤/PET25)の作製
(1)金属箔層としてのJIS H4160のA8021のアルミニウム箔(厚さ120μm)にクロメート処理を行い、下地層を両面にコーティングする(クロム付着量は片面当たり10g/m)。
(2)アルミニウム箔の一方の面(外面)に、熱可塑性の2液硬化型ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介して耐熱層53としてPETフィルム(厚さ25μm)を積層する。
(3)アルミニウム箔の他方の面(内面)に、熱可塑性の2液硬化型ウレタン系接着剤(厚さ2μm)を介してシーラント層52としてのLLDPE(厚さ40μm)を積層する。
2.上記ラミネート材L3を用いて、外装体1(トレイ部材10およびカバー部材15)を製作した以外は、上記実施例1~3と同様にして比較例の熱交換器を製作した。この比較例の熱交換器は、外装体1に保護層55が設けられていない点以外は、実質的に上記実施例1~3の熱交換器と同様である。
<耐腐食性に関する加速試験>
腐食液として、OY液(Cl:195ppm、SO 2-:60ppm、Cu2+:1ppm、Fe3+:30ppmを含有するpH3の腐食液)を準備した。
上記腐食液を、実施例1~3および比較例の熱交換器に対し、一方のパイプ部33から導入して内部を流通させて、他方のパイプ部33から流出させるように循環させた。この循環時の試験条件として、腐食液の温度は60℃とし、流速は1L/分とし、循環時間は連続250時間とした。
その試験後に、実施例1~3および比較例の熱交換器の外観を目視により観察して評価した。その結果、実施例1~3の熱交換器は、液漏れもなく、外観上も特に変化がなかった。これに対し、比較例の熱交換器は、外装体1の下壁底面(トレイ部材10の底面)および上壁下面(カバー部材15の内面)におけるインナーフィン2の端縁が接触している部分に、白色化した腐食部4(図11参照)が確認された。
この試験結果から明らかなように、本発明に関連した実施例1~3の熱交換器は、耐腐食性に優れているのが判る。
この発明の熱交換器は、自動車のパワーモジュールおよび電池回りの冷却器、定置型電池用の冷却器、スーパーコンピュータ用の冷却器等として好適に用いることができる。
1:外装体
2:インナーフィン
3:ジョイント部材
33:パイプ部
51:金属箔層
52:シーラント層
53:耐熱層
55:保護接着剤層
55f:耐熱フィラー
61:金属箔層
62:被覆層
63:被覆層
65:コーティング部
66:延長部
L1:外装体用ラミネート材
L2:インナーフィン用ラミネート材

Claims (8)

  1. 内部を熱交換媒体が流通する外装体と、凹凸形状を有し、かつ一部が前記外装体の内周面に接触した状態で前記外装体に収容されるインナーフィンとを備えた熱交換器であって、
    前記外装体が、金属箔層の内面側に保護接着剤層を介して樹脂製のシーラント層が接着されたラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが金属箔層の両面側に樹脂製の被覆層がそれぞれ積層されたラミネート材によって構成され、
    前記外装体における保護接着剤層が、前記シーラント層の欠如部において残存して金属箔層の露出が防止されるように構成され
    前記インナーフィンの端縁における両面側の被覆層の端縁が端縁延長方向に延長するように延長部が形成されて、金属箔層の端縁が、両面側の被覆層における各延長部の端縁に対し内側に没入した状態に配置されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 前記外装体に設けられた出入口に貫通状態に配置されるパイプ部と、前記パイプ部が連結され、かつ前記外装体の内部に収容された取付部とを有するジョイント部材を備え
    前記ジョイント部材の前記取付部における少なくとも表皮部が、前記外装体のシーラント層と同種の熱融着樹脂によって構成されている請求項に記載の熱交換器。
  3. 内部を熱交換媒体が流通する外装体と、凹凸形状を有し、かつ一部が前記外装体の内周面に接触した状態で前記外装体に収容されるインナーフィンとを備えた熱交換器であって、
    前記外装体が、金属箔層の内面側に保護接着剤層を介して樹脂製のシーラント層が接着されたラミネート材によって構成され、
    前記インナーフィンが金属箔層の両面側に樹脂製の被覆層がそれぞれ積層されたラミネート材によって構成され、
    前記外装体における保護接着剤層が、前記シーラント層の欠如部において残存して金属箔層の露出が防止されるように構成され
    前記外装体に設けられた出入口に貫通状態に配置されるパイプ部と、前記パイプ部が連結され、かつ前記外装体の内部に収容された取付部とを有するジョイント部材を備え、
    前記ジョイント部材の前記取付部における少なくとも表皮部が、前記外装体のシーラント層と同種の熱融着樹脂によって構成されていることを特徴とする熱交換器。
  4. 前記外装体の保護接着剤層は、耐熱成分を含有する請求項1~3のいずれか1項に記載の熱交換器。
  5. 前記耐熱成分は、耐熱フィラーおよび耐熱性熱硬化性樹脂のうち少なくともいずれか一方によって構成されている請求項に記載の熱交換器。
  6. 前記外装体を構成するラミネート材は、その金属箔層の外面側に積層された樹脂製の耐熱層を備える請求項1~のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 前記外装体のシーラント層と、前記インナーフィンの被覆層とが同種の熱融着樹脂によって構成されている請求項1~のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. 前記インナーフィンの端縁、その端縁から金属箔層が露出するのを防止するための樹脂製のコーティング部が設けられている請求項1~のいずれか1項に記載の熱交換器。
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