JP7220584B2 - 時計用ムーブメントおよび時計 - Google Patents
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Description
図1に示すように、時計1は、電池2、発振回路3、分周回路4、記憶部5、制御部10、第1モータ20a、第2モータ20b、輪列30a、輪列30b、第1指針40a、第2指針40b、第3指針40cおよび表示車41(間欠動作部)を備える。
指針駆動部12は、第1指針駆動部121a、モータ負荷検出部122a、第2指針駆動部121bおよびモータ負荷検出部122bを備える。
なお、時計用ムーブメントは、少なくとも記憶部5、制御部10、第1モータ20a、第2モータ20b、輪列30a、輪列30bおよび表示車41を備える。
分周回路4は、発振回路3が出力した所定の周波数の信号を所望の周波数に分周し、分周した信号を制御部10に出力する。
図2は、実施形態に係る指針駆動部とモータ負荷検出部の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、指針駆動部121は、スイッチング素子Q1~Q6を備えている。また、モータ負荷検出部122は、抵抗R1とR2、比較器Q7を備えている。
スイッチング素子Q1は、ゲートがパルス制御部11の駆動端子Mn12に接続され、ソースが接地されている。
スイッチング素子Q2は、ゲートがパルス制御部11の駆動端子Mn22に接続され、ソースが接地されている。
スイッチング素子Q1とQ2は、モータ20を駆動する構成要素である。スイッチング素子Q5とQ6と抵抗R1と抵抗R2は、回転検出のための構成要素である。スイッチング素子Q3とQ4は、モータ20の駆動と回転検出の双方に兼用される構成要素である、スイッチング素子Q1~Q6それぞれは、オン状態でオン抵抗が小さく、低インピーダンスの素子である。また、抵抗R1とR2の抵抗値は、同じであり、スイッチング素子のオン抵抗より大きな値である。
図3は、実施形態に係るパルス制御部が出力する駆動パルスの例を示す図である。
図3において、横軸は時刻、縦軸は信号がH(ハイ)レベルであるかL(ロー)レベルであるかを表している。波形P1は、第1の駆動パルスの波形である。波形P2は、第2の駆動パルスの波形である。
図4は、実施形態に係るモータの構成例を示す図である。
図4に示すように、モータ20をアナログ電子時計に用いる場合には、ステータ201および磁心208はネジ(図示せず)によって地板(図示せず)に固定され、互いに接合されている。また、駆動コイル209は、第1端子OUT1、第2端子OUT2を有している。
ステータ201は、磁性材料によって形成されている。ステータ201の外端部には、ロータ収容用貫通孔203を挟んで対向する位置に複数(本実施形態では2個)の切り欠き部(外ノッチ)206,207が設けられている。各外ノッチ206,207とロータ収容用貫通孔203間には可飽和部210,211が設けられている。
指針駆動部121は、相互に極性の異なる主駆動パルスP1で交互に駆動することによってモータ20を回転駆動し、主駆動パルスP1で回転できなかった場合には、後述する区間T3の後に主駆動パルスP1と同極性の補助駆動パルスP2を用いて回転駆動する。
波形g14は、スイッチング素子Q1のゲートに入力される制御信号Mn12の波形である。波形g15は、スイッチング素子Q4のゲートに入力される制御信号Mn21の波形である。波形g16は、スイッチング素子Q2のゲートに入力される制御信号Mn22の波形である。波形g17は、スイッチング素子Q5のゲートに入力される制御信号Gn1の波形である。波形g18は、スイッチング素子Q6のゲートに入力される制御信号Gn2の波形である。
なお、図5に示す状態は、図3における時刻t1~t3の期間の状態である。
時刻ta~tbの期間は、駆動区間である。
また、時刻tb~tcの期間は、回転状態の検出区間である。
図6は、実施形態に係る駆動負荷の状態と誘起電圧の関係を説明するための図である。なお、図6において、符号P1は駆動パルスP1を示す。符号T1は、区間T1を示す。符号T2は、区間T2を示す。符号T3は、区間T3を示す。なお、波形g201~g204は、比較器Q7に入力される信号CO1と駆動パルスP1を模式的に合わせて示した波形である。
なお、パルス制御部11は、主駆動パルスP1で非回転の状態が検出された場合、主駆動パルスP1と同極性の補助駆動パルスP2で回転駆動するように制御する。
なお、記憶部5は、図6の符号g211で囲んだ領域の区間T1~T3の比較器Q7の出力と、符号g212で囲んだ領域の負荷の状態や回転状態を対応付けて記憶している。パルス制御部11は、比較器Q7の出力に基づいて駆動負荷の変動を検出し、指針の基準位置を検出する(詳細は後述)。
図7は、実施形態に係る輪列を示す平面図である。図8は、実施形態に係る輪列の一部を示す平面図である。
図7および図8に示すように、輪列30bは、第1中間車31と、第2中間車32と、第3中間車33と、筒車34と、第4中間車35と、第5中間車36と、第6中間車37と、を備える。
輪列30bは、基準負荷部39を有する。基準負荷部39は、少なくとも第3指針40cが基準位置に位置する際に、駆動負荷を増大させるように設けられている。基準負荷部39は、第4中間歯車35aに設けられている。基準負荷部39は、第4中間歯車35aの1つの歯を他の歯とは異なる形状とすることにより構成されている。これにより、基準負荷部39は、第4中間車35が1回転する間に、第3中間かな33bおよび第5中間歯車36aそれぞれに噛み合う2回、駆動負荷を増大させる。すなわち、第4中間歯車35aの基準負荷部39が平面視で第1線分L1または第2線分L2を通過する際に、駆動負荷が増大する。本実施形態では、基準負荷部39は、第3指針40cが基準位置に位置する際に、第3中間かな33bに噛み合うように設けられている。以下では、基準負荷部39が第3中間かな33bに噛み合う場合の第4中間車35の回転位置を基準負荷位置と称する。第4中間車35が基準負荷位置にあるとき、第3指針40cは基準位置に位置する。
図9に示すように、駆動負荷は第4中間車35が1回転する間に、タイミングA,B,Cのそれぞれで増大する。タイミングAは、第4中間車35の基準負荷部39が第3中間かな33bに噛み合うタイミングである。タイミングBは、第4中間車35の基準負荷部39が第5中間歯車36aに噛み合うタイミングである。タイミングCは、日送り動作が行われるタイミングである。つまり、タイミングCは、第6中間車37および表示車41が回転するタイミングである。タイミングAからタイミングBに至る期間は、第4中間車35の基準負荷部39が狭領域を通過する期間である。タイミングBからタイミングCに至る期間は、第4中間車35の基準負荷部39が狭領域の外側を通過する期間である。タイミングBからタイミングAに至るまでのモータ20の駆動ステップ数は、タイミングAからタイミングBに至るまでのモータ20の駆動ステップ数よりも大きい。具体的に、タイミングBからタイミングAに至るまでのモータ20の駆動ステップ数は、第4中間車35を180°以上回転させるのに要するモータ20の駆動ステップ数である。なお、図示の例では、タイミングCにおいて日送り動作に伴う駆動負荷の増大が2つのピークを有しているが、これに限定されない。また、タイミングA,B,Cにおいて増大する駆動負荷の大きさは、図示の例に限定されるものではない。
ステップS10では、パルス制御部11は、駆動パルスを出力する。続いて、パルス制御部11は、ステップS20の処理に進む。
ステップS110では、輪列30bを0時位置まで駆動にする。0時位置とは、第3指針40cが0時を指示し、かつ表示車41が日送り動作する位置である。パルス制御部11は、輪列30bが0時位置に位置するように駆動パルスを出力して輪列30bを駆動する。次に、ステップS120の処理に進む。
ステップS130では、パルス制御部11は、駆動パルスを出力した回数をカウントし、カウント数を記憶部5に記憶させる。続いて、パルス制御部11は、ステップS140の処理に進む。
ステップS140では、パルス制御部11は、基準負荷位置を探索する。続いて、パルス制御部11は、ステップS150の処理に進む。
図12は、実施形態に係る0時位置を検出する処理手順例を示すフローチャートである。
ステップS210では、パルス制御部11は、駆動パルスを1回出力する。続いて、パルス制御部11は、ステップS220の処理に進む。
ステップS220では、パルス制御部11は、基準負荷位置を探索する。続いて、パルス制御部11は、ステップS230の処理に進む。
以上の処理により、第3指針40cを0時位置に移動させることができる。
この構成によれば、基準負荷部39が第3中間かな33bに噛み合う位置から第5中間歯車36aに噛み合う位置まで移動するのに要するモータ20の駆動ステップ数と、基準負荷部39が第5中間歯車36aに噛み合う位置から第3中間かな33bに噛み合う位置まで移動するのに要するモータ20の駆動ステップ数と、が相違する。このため、モータ20を1ステップずつ駆動し、駆動負荷に変動が生じない期間の長さを判定することで、基準負荷部39が第3中間かな33bに噛み合う位置、および基準負荷部39が第5中間歯車36aに噛み合う位置を検出することができる。よって、基準負荷部39の回転位置と第3指針40cの基準位置とを対応付けておくことで、第3指針40cの基準位置を検出することができる。
この構成によれば、駆動負荷に変動が生じない期間の長さを判定することで、基準負荷部39が狭領域に進入する際の駆動負荷の変動を、基準負荷部39が狭領域から退避する際の駆動負荷の変動と区別して検出できる。よって、基準負荷部39の回転位置と第3指針40cの基準位置とを対応付けておくことで、第3指針40cの基準位置を検出することができる。
この構成によれば、パルス制御部11は、駆動負荷の変動を検出して基準負荷部39の位置を検出することで、記憶部5に記憶された情報に基づいて、第3指針40cの位置を検出することができる。
この構成によれば、第3指針40cが指示する位置を把握できるので、第3指針40cを所望の位置まで移動させることができる。
この構成によれば、第3指針40cの帰零動作を正確に行うことができる。
仮に、第6中間車37および表示車41の日送り動作による駆動負荷の変動が、基準負荷部39が平面視で狭領域の外側に位置する期間に発生する場合、駆動負荷の変動は、第4中間歯車35aが180°未満回転する毎に生じる可能性がある。この場合には、駆動負荷の変動が基準負荷部39によるものであるか、または第6中間車37および表示車41の日送り動作によるものであるか、判別が困難となる。すなわち、基準負荷部39が第3中間かな33bに噛み合う位置、および基準負荷部39が第5中間歯車36aに噛み合う位置を検出することが困難となる。
本実施形態によれば、基準負荷部39が平面視で狭領域の外側を通過する間には、駆動負荷の変動が生じない。基準負荷部39が平面視で狭領域の外側を通過する間、第4中間歯車35aは180°以上回転する。このため、第4中間歯車35aを180°以上回転させても駆動負荷の変動が生じなかった状態を判定することで、基準負荷部39が狭領域に進入する際の駆動負荷の変動を、基準負荷部39が狭領域から退避する際の駆動負荷の変動、および日送り動作による駆動負荷の変動と区別して容易に検出できる。したがって、第3指針40cの基準位置を検出することができる。
この構成によれば、第6中間車37および表示車41の日送り動作による駆動負荷の変動が基準負荷部39による駆動負荷の変動に重なって生じることを抑制できる。よって、基準負荷部39による駆動負荷の変動を正確に検出することができる。
この構成によれば、輪列30bを組み立てる際に第4中間歯車35aと第5中間歯車36aとの噛み合わせ位置が所望の噛み合わせ位置から1歯分ずれることを許容できる。よって、上述した作用効果を奏する時計用ムーブメントを容易に組み立て可能とすることができる。
例えば、上記実施形態では、時計1が第4中間車35の回転に対して間欠的に動作する日車(表示車41)を備えているが、これに限定されない。例えば、時計は、第4中間車35の回転に対して間欠的に動作する曜車を備えていてもよい。
Claims (10)
- 指針を回転させるロータを有するステッピングモータと、
主駆動パルスおよび補助駆動パルスによって前記ロータを回転させるとともに、前記主駆動パルスによって前記指針を回転させたときに前記ロータの回転状態の検出により前記指針の基準位置を判断する制御部と、
前記ステッピングモータの駆動力を前記指針に伝達し、第1歯車並びに前記第1歯車に噛み合う第2歯車および第3歯車を有する輪列と、
を備え、
前記第1歯車は、前記第2歯車および前記第3歯車と噛み合うそれぞれの場合に前記ロータが受ける負荷に変動を与える基準負荷部を有し、
平面視で前記第1歯車の回転中心と前記第2歯車の回転中心とを結ぶ第1線分は、平面視で前記第1歯車の回転中心と前記第3歯車の回転中心とを結ぶ第2線分に対して、180°未満の角度をなして設けられており、
前記制御部は、前記基準負荷部によって前記ロータが受ける少なくとも2回の負荷に基づいて前記基準位置を判断する、
ことを特徴とする時計用ムーブメント。 - 前記ロータの回転によって、前記第1歯車の回転に対して間欠的に動作する間欠動作部を備え、
前記間欠動作部は、前記第1歯車の1回転毎に、前記ロータが受ける負荷に少なくとも1回の変動を与え、
前記少なくとも1回の変動は、前記基準負荷部が平面視で前記第1線分と前記第2線分とによって挟まれた領域に位置する期間の一部に発生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の時計用ムーブメント。 - 前記間欠動作部は、日送り動作する日車を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の時計用ムーブメント。 - 平面視で前記第1線分と前記第2線分とによって挟まれた領域の中心角は、前記少なくとも1回の変動が発生する期間における前記第1歯車の回転角度よりも大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の時計用ムーブメント。 - 平面視で前記第1線分と前記第2線分とによって挟まれた領域の中心角は、前記少なくとも1回の変動が発生する期間における前記第1歯車の回転角度と、前記第1歯車の2歯分の回転角度と、の和よりも大きい、
ことを特徴とする請求項4に記載の時計用ムーブメント。 - 前記制御部は、前記基準負荷部が平面視で前記第1線分と前記第2線分とによって挟まれた領域に進入する際の前記ロータが受ける負荷の変動に基づいて前記基準負荷部の位置を検出する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。 - 前記基準負荷部によって前記ロータが受ける負荷に変動が生じるときの前記指針の位置の情報を記憶する記憶部を備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の時計用ムーブメント。 - 前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記指針の位置の情報に基づき、前記ロータが受ける負荷の変動を検出したときに前記指針が指示する位置を検出する、
ことを特徴とする請求項7に記載の時計用ムーブメント。 - 前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記指針の位置の情報に基づき、前記指針を0時を示す位置に移動させる、
ことを特徴とする請求項8に記載の時計用ムーブメント。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の時計用ムーブメントを備えることを特徴とする時計。
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