JP7220483B2 - 金属製品表面部材及びそのバニシング加工方法 - Google Patents

金属製品表面部材及びそのバニシング加工方法 Download PDF

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Description

本発明は,金属製品表面部材及び該金属製品表面部材のバニシング加工方法に関し,より詳細には,ブラスト加工(ショットピーニングを含む)によって表面に凹凸が形成された金属製品を処理対象とし,この金属製品の表面に形成された凹凸の凹部を残しつつ凸部を押し潰して表面粗さを改善した金属製品表面部材及び前記表面部材を得るバニシング加工方法に関する。
自動車や工作機械等において省エネルギー化,高速化が求められる結果,エンジンやその他の摺動部品の潤滑に使用する潤滑油として,低粘度のものが使用されるようになっている。
このような低粘度の潤滑油の使用は,流体潤滑領域における摩擦損失の低減を可能とし,これにより省エネルギー化や高速化の要請に応えることができる一方,低粘度の潤滑油を使用する場合,摺動部表面に形成される油膜の厚さが薄くなって油膜切れが生じ易くなることから,摺動部間に焼き付きが生じ易くなる。
そのため,このような低粘度の潤滑油の使用に伴う油膜切れや焼き付きを防止するために,金属製品の摺動部表面に無数の微小な凹部を形成し,この凹部内に潤滑油を保持できるようにすることで,前述した油膜切れやこれに伴う焼き付きの発生を防止することも提案されている。
なお,このような無数の微小な凹部は,これを例えば樹脂成型用金型の成型面に形成する場合には,この凹部内に離型剤や空気が溜まることで金型の離型性を向上させる効果が得られる等,その形成対象は前述した摺動部品に限定されず各種分野において利用されている。
金属製品の表面に対する前述の微小な凹部の形成には,一例として,粒体を圧縮空気の噴流に乗せて,又は遠心力や打撃によって噴射して被加工物の表面に衝突させる「ブラスト加工」が利用される。
一例として,このブラスト加工で噴射する前述の粒体として,処理対象とする金属製品の母材硬度よりも高硬度で,かつ,「ショット」と呼ばれる略球状の粒体を使用するショットピーニングを行う場合,図1に示すように,ショットと衝突した部分の金属製品の表面に塑性変形を生じさせて陥没させることで,前述した油溜り等としての機能を発揮する略半円弧状の凹部(ディンプル)を形成することができる。
また,このようにショットピーニングによって凹部を形成する場合には,ショットと衝突した際に生じる塑性変形によって金属製品の表面に圧縮残留応力が付与される他,ショットとの衝突部で金属製品の表面が局部的,瞬間的に温度上昇することによる瞬間熱処理により,金属製品の表面が強化され,凹部の形成と同時に,金属製品の疲労強度の向上,耐久性や耐摩耗性の向上を同時に得ることができる(特許文献1参照)。
しかし,前述したショットピーニングによる凹部の形成は,図1に示すように球状のショットとの衝突に伴って金属製品の母材が塑性変形することにより得られるものであることから,金属製品の表面には,ショットとの衝突部分に凹部が形成されるだけでなく,凹部が形成された部分に存在していた母材が周辺に押し出されて生じた凸部も同時に形成される。
このようにして金属製品の表面に生じた凸部は,摺動部品の表面に生じている場合には相手方部材の表面と接触することにより接触抵抗を増大させ,また,金型の成型面表面に生じている場合には被成型材の内部に食い込んで離型性を悪化させる。
そのため,摺動部の表面や金型の成型面,その他の金属製品の表面に対し凹部を形成する処理を行った場合,油溜り等となる凹部が残るように,凸部の先端部分を除去し又は押し潰す等してその高さを減じることで,金属製品の表面粗さを改善することが望ましい。
このように,金属製品の表面に形成された凹凸の凹部を残しつつ,凸部の高さを減じる方法としては,ラッピングやバフ仕上げ等の砥粒を使用した研磨によって凸部を所定の高さまで削り落とす方法が考えられる。
また,前述した凸部の高さを減じて金属製品の面粗度を改善する方法としては,ローラ等の滑らかな表面を持つ工具を金属製品の表面に押し付けつつ移動させることにより,凸部を所定の高さまで押し潰すバニシング加工を適用することも考えられる。
更に,ブラスト加工によって凹部を形成することで凹部と凹部との間に生じた凸部を除去する方法として,金属製品の表面で滑動するように研磨材を噴射することにより凸部の先端側を所定高さまで削り落とすことも提案されている(特許文献2参照)。
日本国特許第5341971号公報 日本国特開2012-40744号公報
以上で説明した方法のうち,ラッピングやバフ仕上げによって凹凸形成後の金属製品の表面に生じた凸部を削り落とす方法では,作業者の熟練度によって加工後の表面状態に差が生じると共に,熟練工を以てしても表面全体の均一な加工は困難であり,特に,複雑な形状の表面や面と面が交わって形成される角部,その他溝や孔等を有する表面では,加工自体が困難である。
また,この方法では,金属製品の表面の一部を砥粒によって削り落とすことで表面粗さを改善することから,金属製品の表面に凹凸を形成する際に付与された圧縮残留応力や瞬間熱処理によって強化された金属製品の表面層の一部がこの研磨によって除去されることとなる。
その一方で,ラッピングやバフ研磨に伴う加工硬化や圧縮残留応力の付与によって表面を強化しようとすれば,加工圧力を高める必要があり,研磨量が増える結果,凹部まで削り落として消滅させてしまうおそれがある。
これに対し,滑らかな表面を持つローラ等の工具を被加工物の表面に押し付けながら移動させる既知のバニシング処理では,前記工具表面との接触に伴う塑性変形によって金属製品の表面に生じた凸部を押し潰して表面粗さを改善するものであることから,この押し潰しの際の塑性変形に伴う加工硬化や圧縮残留応力の付与によって金属製品の表面が更に強化されることが期待された。
しかし,試みに微細な球状のショットを使用したブラスト加工によって無数の半円弧状の凹部を形成した金属製品の表面に対しローラバニシングを行ったところ,ローラバニシング処理後の金属製品の表面は,凹凸の凸部が選択的に押し潰されることで,凹部を残しつつ凸部の高さを減じて表面粗さを改善できていることが確認できたものの,先の予想に反し,ローラバニシング後の金属製品では,ローラバニシングを行う前の金属製品よりも表面硬度が低下していることが確認され,この方法で表面粗さの改善を行うと,凹凸を形成するためのブラスト加工によって付与された表面強化の効果が失われてしまうことが判明した。
しかも,ローラバニシング等の既知のバニシング方法も,複雑な形状や角,溝,孔等を有する表面の加工が困難である。
なお,特許文献2として紹介したように,ブラスト加工によって凹凸を形成した際に生じた凸部先端を,金属製品の表面を滑動するように研磨材を噴射することにより除去する構成では,凸部先端の除去を,凹凸を形成する際に使用したと同様のブラスト加工装置を使用して比較的簡単に,短時間で,かつ,熟練を要することなく均一に加工することができる。
しかも,この方法では,複雑な表面形状や,角や溝,孔等を有する表面形状であっても比較的容易に,しかも均一に加工することができる。
しかし,この方法では金属製品の表面で研磨材を滑動させるために,研磨材として,ゴム等の弾性材料の表面に研磨材(砥粒)を担持させ,又は,弾性材料中に研磨材(砥粒)を練り込んだ「弾性研磨材」や,扁平な形状を有する「板状研磨材」等の特殊な研磨材を使用する必要があり(特許文献1[0057]欄,[0044],[0045]欄),既知の一般的なショットや砥粒を使用して加工を行う場合に比較してコストが嵩む。
しかも,凸部先端を除去する処理によって,圧縮残留応力や表面硬度の上昇を得ることもできない。
なお,以上の説明では,図1を参照して説明したように,金属製品の表面にショットピーニングによって略半円弧状の凹部(ディンプル)を形成した場合の凸部の除去を例に挙げて説明したが,金属製品の表面に凸部が存在することにより生じる接触抵抗の増大や離型性の悪化等の問題は,金属製品の表面に砥粒や角を持ったグリッド等の切削性を有する粒体を噴射して,例えば鋸歯状の凹凸を形成した場合においても共通して生じ得る問題であり,いずれの方法で凹凸の形成が行われた場合においても,凹凸の凹部を残しつつ,凸部の先端部を潰して表面粗さを改善することは,摺動抵抗の低下や離型性の向上等の効果が得られる点で望ましい。
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたもので,前述したようにブラスト加工によって金属製品の表面に凹凸を形成した際に生じた凹凸の凹部を残したまま,凸部の先端を押し潰して金属製品の表面粗さを改善する処理を,熟練を要せず,比較的簡単な作業により低コストで均一に行うことができる,しかも,表面粗さの改善と共に金属製品の表面硬度や圧縮残留応力を向上させる効果を同時に得ることができる金属製品表面部材及びその処理手段としてのバニシング加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の金属製品表面部材は,
表面に無数の微細な凹部を形成した金属製品であって,バニシング加工により,形成された凹凸の略半円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)が,0.1~12μmの範囲で,平均約5~6μmであり,前記金属製品の表面に形成された凹凸のうちの凸部が選択的に押し潰され,表面粗さ(Ra)が0.196~0.060μmであることを特徴とする(請求項1)。
前記表面部材は,摺動表面であってもよい(請求項2)。
前記表面部材は,樹脂成型用金型の成型面であってもよい(請求項3)。
上記目的を達成するために,本発明のバニシング加工方法は,
ブラスト加工によって表面に凹凸が形成された金属製品を処理対象とし,
前記金属製品の表面硬度よりも低硬度で,かつ,前記凹凸の略半円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)よりも粒径が大きいと共に前記ブラスト加工で使用された投射材よりも大きな粒径を有する球状のショットを圧潰用ショットとして前記金属製品の表面に対し噴射すると共に衝突させて,前記金属製品の表面に形成された凹凸のうちの凸部を選択的に押し潰すことで,前記金属製品の表面粗さを改善することを特徴とする(請求項4)。
前記圧潰用ショットの噴射は,0.1~0.7MPaの噴射圧力,又は,30~300m/secの噴射速度で行うことができる(請求項5)。
更に,本発明のバニシング加工方法は,
処理対象とする前記金属製品の母材と同等以上の硬度を有し,♯100~♯800(平均粒径149μm~20μm)の範囲から選択された球状ショットである凹凸形成用ショットを前記金属製品の表面に噴射することにより表面に凹凸が形成された前記金属製品を処理対象とし,
前記圧潰用ショットとして,前記凹凸形成用ショットよりも大きな粒径を有する,♯24~♯700(平均粒径840μm~24μm)の範囲から選択されたショットを使用することを特徴とする(請求項6)。
この場合,前記圧潰用ショットの粒径は,前記凹凸形成用ショットの粒径の1.2倍~8.3倍の範囲とすることが好ましい(請求項7)。
以上で説明した本発明の構成により,以下の顕著な効果を得ることができた。
ブラスト加工によって凹凸を形成した金属製品の表面に生じた凹凸のうちの凸部を,圧潰用ショットの噴射という比較的簡単な方法によって選択的に押し潰すことにより,油溜り等として機能する凹部を残しつつ,凸部の先端部分を潰して凸部の高さを減じることで,金属製品の表面粗さを改善することができた。
その結果,本発明の金属製品表面部材は,凹部の形成に伴う潤滑性の向上や離型性の向上が得られるだけでなく,凸部の先端部分が押し潰されて平坦化することによる摺動抵抗の低減や,離型性の向上といった効果が同時に得られるものとなっている。
また,本発明の方法でバニシング処理を行った金属製品では,バニシング処理の前後において表面硬度や圧縮残留応力の上昇が生じており,これにより,金属製品の疲労強度の向上,耐久性や耐摩耗性の向上等の効果を併せて得ることができた。
特に,金属製品の表面に対する凹凸の形成を,♯100~♯800(平均粒径149μm~20μm)の微細なショットを使用したショットピーニングによって行う構成では,凹凸の形成時に付与された圧縮残留応力や,瞬間熱処理に伴う表面硬度の向上の効果を維持しつつ,更に,バニシング処理によって圧縮残留応力の増大と表面硬度の向上が重畳的に行われることで,金属製品の疲労強度の向上,耐久性や耐摩耗性の向上等の効果をより一層高めることができた。
しかも,本発明の方法で使用する圧潰用ショットは,処理対象とする金属製品や凹凸形成用ショットとの関係で,前述した硬度や粒径等の条件を満たすものであれば,既知のショットブラストやショットピーニングに使用されている一般的なショットの中から選択して使用することができ,前掲の特許文献2として紹介した先行技術のように,弾性研磨材や板状研磨材等の特殊な,従って高価な研磨材を使用する場合に比較して,低コストで表面粗さの改善を行うことができた。
凹凸形成用ショットの衝突による凹凸の形成状態を説明した模式図。 圧潰用ショットによる凸部圧潰の様子を説明した模式図。 試験例1の試験片(未処理)表面の粗さ曲線。 試験例1の試験片(凹凸形成処理後)表面の粗さ曲線。 試験例1の試験片(後続処理後)表面の粗さ曲線。 試験例2の試験片(未処理)表面の粗さ曲線。 試験例2の試験片(凹凸形成処理後)表面の粗さ曲線。 試験例2の試験片(条件1によるバニシング処理後)表面の粗さ曲線。 試験例2の試験片(条件2によるバニシング処理後)表面の粗さ曲線。 試験例2の試験片(条件3によるバニシング処理後)表面の粗さ曲線。 試験例3の試験片(未処理)表面の粗さ曲線。 試験例3の試験片(凹凸形成処理後)表面の粗さ曲線。 試験例3の試験片(バニシング処理後)表面の粗さ曲線。
以下に,本発明のバニシング加工方法を説明する。
〔処理対象〕
本発明のバニシング加工方法は,ブラスト加工によって表面に凹凸が形成された金属製品全般を処理対象とすることができ,図1を参照して説明したように,金属製品の母材硬度よりも高硬度の微細な球状のショットを噴射して行う,所謂「微粒子ピーニング」によって半円弧状の無数の凹部(ディンプル)が形成された金属製品の他,砥粒やグリッド等の切削性を有する粒体を使用したブラスト加工によって表面を切削して形成した例えば鋸歯状の凹凸が表面に形成された金属製品のいずれも対象とすることができる。
処理対象とする金属製品の用途は特に限定されず,表面に無数の微細な凹部を形成して使用する用途全般に使用することができ,例えば,潤滑油の油溜りとなる凹部を表面に形成したエンジンのカムシャフト,フォロア,ピストンスカート,ピストンリング,シリンダボア,クランクシャフト,軸受表面等の摺動部品,成型面に離型剤溜りや空気溜りとなる凹部を形成した樹脂成型用金型等の金型等は,いずれも本発明の方法で処理対象とする金属製品となり得る。
また,本発明で処理対象とする金属製品の材質についても特に限定されず,圧潰用ショットとの衝突による凹凸の凸部の圧潰を可能と成す塑性変形性を有する金属材料であれば,その材質を問わず,各種材質のものを対象とすることができ,鋼材等の鉄系の金属の他,非鉄金属やその合金製のものも対象とすることができる。
このような金属製品の表面に対する凹凸の形成は,好ましくは,処理対象とする金属製品の母材よりも高硬度の球状のショットを凹凸形成用ショットとして噴射すると共に衝突させることにより行う。
この凹凸形成用ショットは,♯100~♯800(平均粒径149μm~20μm)の範囲から選択可能であり,処理対象とする金属製品の母材よりも高硬度のものであればその材質についても特に限定はなく,鋼製,その他の金属製,セラミックス製,ガラス製等の既知の各種材質のショットが使用可能である。
凹凸を形成するための粒体の噴射は,一例として噴射圧力0.3~0.6MPa,又は噴射速度100~200m/secで行うことができ,これにより,金属製品の表面には,使用した凹凸形成用ショットの粒径よりも小さな直径を有する,直径0.1~5μmの無数の凹部が形成される。
金属製品の表面に凹凸を形成するための粒体の噴射方法は特に限定されず,前述した噴射圧力又は噴射速度で粒体を噴射可能なものであれば,既知の各種のブラスト加工装置を使用することができる。
このようなブラスト加工装置としては,圧縮空気の噴流に乗せてショットを噴射するエア式のブラスト加工装置の他,遠心力によってショットを加速して噴射する遠心式のブラスト加工装置,高速回転するインペラにショットを衝突させた際の打撃によってショットを加速すると共に噴射する打撃式のブラスト加工装置のいずれも使用可能であり,これらのいずれのブラスト加工装置を使用して凹凸を形成した金属製品は共に,本発明のバニシング処理方法の対象となる。
〔バニシング処理〕
本発明のバニシング処理方法では,前述したようにブラスト加工によって凹凸が形成された金属製品を処理対象とし,この金属製品の表面に対し,球状の圧潰用ショットを噴射すると共に衝突させて,圧潰用ショットによって金属製品の表面に生じた凹凸中の凸部を選択的に押し潰すことにより,凹部を残しつつ,凸部の高さを減じて表面粗さを改善する。
処理対象とする金属製品が,砥粒や角を持った投射材であるグリッド等の切削性を有する粒体を使用したブラスト加工によって凹凸が形成されたものである場合,金属製品の表面に形成される凹部の幅は,凹凸の形成に使用した前述の粒体の粒径よりも大きくなり得ることから,バニシング処理に使用する前述の圧潰用ショットとして,金属製品の表面に形成されている略半円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)よりも大きな粒径を有する圧潰用ショットを使用する。
また,処理対象とする金属製品が,金属製品の母材よりも高硬度の微細な球状ショットである凹凸形成用ショットを使用したブラスト加工(微粒子ピーニング)によって凹凸が形成されている場合,金属製品の表面に形成される凹部の幅は,通常,凹凸形成用ショットの直径以下となることから,バニシング処理に使用する圧潰用ショットとして,前記凹凸形成用ショットよりも粒径の大きなショットを使用する。
一例として,前述の凹凸形成用ショットとして♯100~♯800(平均粒径149μm~20μm)の範囲から選択したショットを使用する場合,圧潰用ショットとして,♯24~♯700(平均粒径840μm~24μm)の範囲より前述した凹凸形成用ショットよりも粒径の大きいショットを選択して使用することができ,好ましくは圧潰用ショットの粒径は,凹凸形成用ショットの粒径に対し1.2~8.3倍のものを使用する。
なお,上記いずれの金属製品を処理対象とする場合であっても,圧潰用ショットは,凹凸が形成された金属製品の表面硬度よりも低硬度のものを使用する。
この圧潰用ショットは,前述した硬度及び粒径に該当するものであれば,その材質は特に限定されず,金属系,セラミックス系,ガラス系等の既知の各種材質のショットが使用可能である。
また,圧潰用ショットは,金属製品の表面硬度,使用する圧潰用ショットの粒径や材質に応じて0.1~0.7MPaの噴射圧力,又は,30~300m/secの噴射速度の範囲から選択した噴射圧力又は噴射速度で金属製品の表面に噴射する。
このような圧潰用ショットを金属製品の表面に対し噴射する方法としては,乾式で圧潰用ショットを前述した噴射速度又は噴射圧力で噴射可能であれば既知の各種のブラスト装置を使用することができ,前述した金属製品の表面に対する凹凸形成時のブラスト加工同様,遠心式,打撃式,エア式のいずれのブラスト加工装置共に使用可能である。
もっとも,噴射速度や噴射圧力の調整が比較的容易であることから,このうちのエア式のブラスト装置の使用が好ましい。
このようなエア式のブラスト加工装置としては,ショットが投入されたタンク内に圧縮空気を供給し,該圧縮空気により搬送されたショットを別途与えられた圧縮空気の空気流に乗せてブラストガンより噴射する直圧式のブラスト装置,タンクから落下したショットを圧縮空気に乗せて噴射する重力式のブラスト装置,圧縮空気の噴射により生じた負圧によりショットを吸引して圧縮空気と共に噴射するサクション式のブラスト装置等の各種ブラスト加工装置があるが,これらのいずれを使用しても良く,また,前述した噴射圧力又は噴射速度で圧潰用ショットを噴射可能なものであれば,上記で挙げた型式のものに限定されず,各種型式のブラスト加工装置が使用可能である。
〔作用等〕
ブラスト加工によって表面に凹凸が形成された金属製品の表面に対し,図2に示すように,金属製品の表面に形成された略円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)よりも大きい粒径を有する圧潰用ショットを噴射すると,圧潰用ショットは,金属製品の表面に形成された凹凸のうちの凸部に対し真っ先に衝突する。
この圧潰用ショットは,金属製品の表面硬度よりも低硬度の材質により形成されているものの,金属製品の表面に生じた凸部は,図2に模式的に示したように先鋭な形状を有することからその先端付近は変形し易く,圧潰用ショットとの衝突によって容易に変形して押し潰されて先端部分が平坦化されることで,その高さが減じられる。
その一方で,金属製品の表面硬度よりも低硬度に構成されている圧潰用ショットは,金属製品の表面に衝突すると,金属製品よりも圧潰用ショット側でより大きな変形が生じることで,金属製品の表面に対し変形を生じさせ難いものとなっている。
その結果,ブラスト加工によって金属製品の表面に形成された凹凸中の凹部を残しつつ,凸部の先端部のみを選択的に押し潰すことで凸部の高さを減じ,これにより金属製品の表面の粗さが改善される。
しかも,本発明のバニシング処理方法では,圧潰用ショットとの衝突によって,金属製品の表面には圧縮残留応力が付与されると共に表面硬度が上昇し,特に,金属製品に対する凹凸の形成を前述した凹凸形成用ショットを使用した微粒子ピーニングによって行う場合には,凹凸の形成時に金属製品の表面に付与された圧縮残留応力や,表面硬度の上昇を保持しつつ,更に,圧潰用ショットとの衝突に伴い圧縮残留応力と表面硬度を増大させることができる。
その結果,本発明のバニシング処理方法で金属製品の表面粗さを改善することで,金属製品が摺動部品である場合には,油溜りとなる凹部の形成による油膜切れの防止や,圧縮残留応力や表面硬度の上昇に伴う疲労強度,耐久性,耐摩耗性の向上の効果と,凸部の押し潰しに伴う表面粗さの改善に伴う摺動抵抗の低減を同時に得ることができた。
また,金型の成型面等に対し本発明のバニシング処理方法を適用した場合には,凹部の形成による離型剤溜りや空気溜りの形成に伴う離型性の向上,圧縮残留応力の付与や表面硬度の上昇に伴う疲労強度の向上,耐久性,耐摩耗性の向上等の効果と同時に,凸部が押し潰されて表面粗さが改善されることによる離型性の向上の効果を同時に得ることができるものとなっている。
〔試験例1〕
(1)試験の目的
球状ショットを使用したブラスト加工によって凹凸を形成した金属製品の表面に対し,凹凸の形成に使用したショット(凹凸形成用ショット)と同程度の粒径を有するショットを使用したブラスト加工(後続処理:本発明のバニシング加工方法に該当しない加工)を行った場合に,表面粗さの改善(バニシングの効果)が得られるか否かを確認する。
(2)試験方法
(2-1) 試験片
ガス浸炭されたクロムモリブデン鋼(SCM415)製の試験片(30mm×30mm×3mm)を,研磨紙(♯500)で研磨した後,後述の凹凸形成処理,及び後続処理をそれぞれ行った。
なお,未処理の試験片の表面状態は,下記の表1に示す通りである。
Figure 0007220483000001
(2-2) 凹凸形成処理
上記の試験片(未処理)に対し,下記の表2に示すブラスト加工条件でブラスト加工を行い表面に凹凸を形成した。
なお,形成された凹凸の略円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)は,0.1~12μm,平均約5~6μmであった。
Figure 0007220483000002
(2-3) 後続処理
上記凹凸形成処理後の試験片に対し,下記の表3に示すブラスト加工条件で後続処理を行った。
Figure 0007220483000003
(3)試験結果
未処理の状態,凹凸形成処理後,及び後続処理後の各試験片の表面状態の変化を下記の表4に示すと共に,各工程における試験片表面の粗さ曲線を図3(未処理),図4(凹凸形成処理後),及び図5(後続処理後)にそれぞれ示す。
Figure 0007220483000004
(4)考察
以上の試験結果から,凹凸形成処理で使用したショットと,その後の後続処理で使用するショットの粒径を同程度のものとした場合でも,金属製品の表面硬度や圧縮残留応力は,凹凸形成処理後に対し後続処理後において向上させることができていることが確認できた。
しかし,表面粗さについては,未処理の表面粗さに対し,凹凸形成処理後,後続処理後と,処理が進むにつれて粗さが増大した。
以上の結果から,凹凸形成処理を行った後,この処理に続いて凹凸形成用ショットと同程度の粒径を有するショットを使用したブラスト加工(本発明のバニシング加工方法の範囲外の加工)を行っても,これにより表面粗さを改善することができないことが確認された。
〔試験例2〕
(1)試験の目的
球状ショットを使用したブラスト加工によって凹凸を形成した金属製品の表面に対し,凹凸形成用ショットよりも粒径が大きく,凹凸が形成された金属製品の表面硬度よりも低硬度のショットを使用したブラスト加工(本発明のバニシング加工方法)を行うことで,表面粗さの改善が得られることを確認すると共に,バニシング処理で使用するショット(圧潰用ショット)の粒径を変化させた場合に,バニシング処理後の金属製品の表面粗さがどのように変化するかを確認する。
(2)試験方法
(2-1) 試験片
アルメンストリップA片(19mm×76mm×1.295±0.025mm:JIS B 2711 2013)である炭素工具鋼製の帯板(SK材:JIS G 3311 2016のみがき特殊帯鋼の焼入・焼戻し品)を試験片とし,後述の凹凸形成処理により凹凸を形成した試験片の表面に対し,異なる粒径のショットを使用して,エア(重力)式ブラスト加工装置により本発明の方法によるバニシング処理を行った。
なお,凹凸形成処理前の試験片(未処理)の表面状態を表5に示す。
Figure 0007220483000005
(2-2) 凹凸形成処理
上記の試験片(未処理)に対し,下記の表6に示す凹凸形成処理条件で試験片の表面に凹凸を形成した。
なお,形成された凹凸の略円弧状の凹部の幅(凹部の輪郭を画定する周縁の直径)は,1~10μm,平均約4~5μmであった。
Figure 0007220483000006
(2-3) バニシング処理
上記条件で凹凸形成処理を行った後の試験片に対し,下記の表7に示す条件1~3のブラスト加工条件で本発明の方法によるバニシング処理をそれぞれ行った。
Figure 0007220483000007
(3)試験結果
凹凸形成処理後の試験片の表面状態と,バニシング処理後の試験片の表面状態の変化を下記の表8に示す。
また,未処理(図6),凹凸形成処理後(図7),条件1~3のバニシング処理後(図8~図10)の各試験片表面の粗さ曲線を図6~図10にそれぞれ示す。
Figure 0007220483000008
(4)考察
以上の試験結果から,凹凸形成処理に使用したショット(凹凸形成用ショット)よりも粒径が大きく,かつ,凹凸形成後の金属製品の表面硬度よりも低硬度の圧潰用ショットを使用して行う本発明のバニシング処理では,凹凸形成処理によって上昇した試験片の表面硬度や圧縮残留応力が失われていないだけでなく,これらを更に向上させつつ,更に,試験片の表面粗さについても改善できることが確認できた。
しかも,試験例2の結果では,このような表面硬度や圧縮残留応力の向上と,表面粗さの改善の両立は,凹凸形成用ショットの直径53~30μmに対し,バニシング処理で使用した圧潰用ショットの粒径が250μm(条件3の上限値)~37μm(条件1の下限値)の範囲で得られていることから,バニシング処理に使用する圧潰用ショットとして,凹凸形成用ショットに対し1.2(37/30)倍~8.3(250/30)倍の直径を有するショットの範囲において表面粗さの改善が確認されている。
しかも,バニシング処理で使用する圧潰用ショットの粒径が大きくなる程,より高い表面硬度の向上,圧縮残留応力の付与を行うことができると共に,表面粗さの改善効果についても向上することが確認された。
〔試験例3〕
(1)試験の目的
球状ショットを使用したブラスト加工によって凹凸を形成した金属製品の表面に対し,凹凸形成用ショットよりも粒径が大きく,凹凸が形成された金属製品の表面硬度よりも低硬度のショットを使用したブラスト加工(本発明のバニシング加工方法)を行うことで表面粗さの改善が得られ,摺動性,耐摩耗性が向上し,寿命を向上させることが出来るか否かを確認する。
(2)試験方法
(2-1) 試験片
SCM440H(調質材)製のシャフト(研磨品:φ6.6mm×123L)を試験片とし,後述の凹凸形成処理により凹凸を形成した試験片の表面に対し,凹凸形成用ショットよりも粒径が大きく,凹凸が形成された金属製品の表面硬度よりも低硬度のショット(圧潰用ショット)を使用してエア(直圧)式ブラスト加工装置により本発明の方法によるバニシング処理を行った。
なお,凹凸形成処理前の試験片(未処理)の表面状態を表9に示す。
Figure 0007220483000009
(2-2)凹凸形成処理
上記の試験片に対し,下記の表10に示すブラスト加工条件でブラスト加工を行い表面に凹凸を形成した。
Figure 0007220483000010
(2-3)バニシング処理
上記凹凸形成処理後の試験片に対し,下記の表11に示すブラスト加工条件でバニシング処理を行った。
Figure 0007220483000011
(3)試験結果
未処理の状態,凹凸形成処理後,及びバニシング処理後の各試験片の表面状態の変化を下記の表12に示すと共に,各工程における試験片表面の粗さ曲線を図11(未処理),図12(凹凸形成処理後),及び図13(バニシング処理後)にそれぞれ示す。
尚,これらの粗さ(シャフトの面粗度)は,株式会社小坂研究所製のサーフコーダSEF-3400を用いて測定した(速度:0.05mm/s,カットオフλc値:0.8mm,フィルタ:2CR,長さ:0.80mm,極性:ノーマル)。
Figure 0007220483000012
(4)考察
以上の試験結果から凹凸形成処理に使用したショット(凹凸形成用ショット)よりも粒径が大きく,かつ,凹凸形成後の金属製品の表面硬度よりも低硬度の圧潰用ショットを使用して行う本発明のバニシング処理では,凹凸形成処理によって上昇したシャフトの表面硬度や圧縮残留応力が失われていないだけでなく,これらを更に向上させつつ,表面粗さについても改善でき,摺動性,耐摩耗性が向上し,寿命延長効果が得られることが確認できた。

Claims (7)

  1. 表面に無数の微細な凹部を形成した金属製品であって,バニシング加工により,形成された凹凸の凹部の幅が,0.1~12μmの範囲で,平均約5~6μmであり,前記金属製品の表面に形成された凹凸のうちの凸部が選択的に押し潰され,表面粗さ(Ra)が0.196~0.060μmであることを特徴とする金属製品表面部材。
  2. 前記表面部材が,摺動表面である請求項1記載の金属製品表面部材。
  3. 前記表面部材が,樹脂成型用金型の成型面である請求項1記載の金属製品表面部材。
  4. ブラスト加工によって表面に凹凸が形成された金属製品を処理対象とし,
    前記金属製品の表面硬度よりも低硬度で,かつ,前記凹凸の凹部の幅より粒径が大きいと共に前記ブラスト加工で使用された投射材よりも大きな粒径を有する球状のショットを圧潰用ショットとして前記金属製品の表面に対し噴射すると共に衝突させて,前記金属製品の表面に形成された凹凸のうちの凸部を選択的に押し潰すことで,前記金属製品の表面粗さを改善することを特徴とする金属製品表面部材のバニシング加工方法。
  5. 前記圧潰用ショットの噴射を0.1~0.7MPaの噴射圧力,又は,30~300m/secの噴射速度で行うことを特徴とする請求項4記載の金属製品表面部材のバニシング加工方法。
  6. 処理対象とする前記金属製品の母材と同等以上の硬度を有し,♯100~♯800(平均粒径149μm~20μm)の範囲から選択された球状ショットである凹凸形成用ショットを前記金属製品の表面に噴射することにより表面に凹凸が形成された前記金属製品を処理対象とし,
    前記圧潰用ショットとして,前記凹凸形成用ショットよりも大きな粒径を有する,♯24~♯700(平均粒径840μm~24μm)の範囲から選択されたショットを使用することを特徴とする請求項4又は5記載の金属製品表面部材のバニシング加工方法。
  7. 前記圧潰用ショットの粒径を,前記凹凸形成用ショットの粒径の1.2倍~8.3倍の範囲としたことを特徴とする請求項6記載の金属製品表面部材のバニシング加工方法。
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