以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<ブラインド装置の構成>
まず、後述する実施形態のコード規制部材を適用する共通のブラインド装置100について説明する。
図1は、ブラインド装置全体を示す正面から見た概略図であり、図2は、その上方から見た概略図である。
ブラインド装置100は、窓枠等に固定されて、室内から屋外への視認性を確保したり、屋外から室内への視認を妨げたり、また、室内への光や風の取り入れを可能にしたり、室内への光や風の進入を防いだりする覆いである。
なお、説明の便宜上、図面において、ブラインド装置100の長手方向を「L」、高さ方向を「H」、前後方向を「FR」、前側(室内側)を「F」、後側(屋外側)を「R」と表記する。
また、後述するコード規制部材についても、ブラインド装置100と同様、上下方向を表示するが、当該上下方向は実施形態における使用例であり、上下反転して使用したり、水平方向に延在させて使用したりしても構わない。即ち、本発明は、後述する実施形態における上下方向に限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、ブラインド装置100は、ブラケットBを介して窓枠に取り付けられるヘッドボックス(ヘッド部)1と、ブラインド装置100を操作するためのループ状(無端状)の操作コード2と、ヘッドボックス1内に設けられた巻取り軸3と、ヘッドボックス1から下方に垂下される帯状のラダーコード4と、ラダーコード4の下端部に取り付けられているボトムレール5と、ヘッドボックス1とボトムレール5との間で支持される複数のスラット6,6・・・(以下、単に「スラット6」と称する。)と、ボトムレール5を昇降する不図示の昇降コードと、操作コード2の操作を巻取り軸3の回転に変えて昇降コードの昇降操作を行う操作ユニット7と、を備える。
ヘッドボックス1は、ブラケットBを介して窓枠に取り付けられて、ブラインド装置100が窓枠に架設される。ヘッドボックス1の内部には、操作ユニット7及び巻取り軸3が設けられている。ヘッドボックス1の複数箇所からは、長手方向Lに所定の間隔をおいてラダーコード4及び昇降コードが垂下されている。
操作ユニット7は、長手方向Lにおいてヘッドボックス1の一端に設けられていて、ヘッドボックス1から垂下している操作コード2が巻き掛けられている不図示の操作プーリを有する。
操作コード2は、無端状のコードであり、当該操作コード2を周回操作する(ループ状のコードの一方を上下に引っ張る)ことにより、スラット6のチルト及び昇降コード7の巻取りによるボトムレール5の昇降に関する操作が行われる。
操作プーリは、操作コード2から伝わってきた動力を回転力としてヘッドボックス1内に回転自在に支持されている巻取り軸3に伝達する。巻取り軸3は、ブラインド装置100のヘッドボックス1内において長手方向Lに沿って設けられている。巻取り軸3には、一体に回転する不図示の巻取りドラムが取り付けられており、操作コード2から伝わってきた動力の伝達を受けて巻取りドラムが回転する。
昇降コード7は、巻取りドラムに巻き取られたり、繰り出されたり(垂下されたり)する。すなわち、操作コード2を周回操作して生じた動力が、操作プーリ及び巻取り軸3を介して巻取りドラムを回転させ、昇降コード7が巻き取り乃至繰り出しされる。また、昇降コード7の巻き取りの際には、スラット6が、前側Fが下に後側Rが上に最も傾斜した状態になってから巻き取りが開始され、逆に昇降コード7の繰り出しの際には、スラット6が、前側Fが上に後側Rが下に最も傾斜した状態になってから繰り出しが開始される。そして、ボトムレール5を所望の位置で止めた後、操作コード2を逆回転方向に周回操作することで、スラット6のチルト角度を調節することができる。
ブラインド装置100の操作コード2の環状の端部(折り返し部)は、周回移動が妨げられることなく、本発明の例に相当するコード規制部材8によって、室内の壁などの固定部10に保持されている。このコード規制部材の4つの態様を第1の実施形態~第4の実施形態として、以下、それぞれ説明する。
<第1の実施形態>
先ず、図1において、ブラインド装置100とともに図示されている、第1の実施形態にかかるコード規制部材8Aについて説明する。図3は、第1の実施形態にかかるコード規制部材8Aの拡大側面図である。なお、本実施形態では、各部材の符号に、本実施形態の部材乃至部品であることを示す、アルファベットの「A」を含んでいる。
図3に示す通り、本実施形態のコード規制部材8Aは、上下方向に長尺状の支持部81Aと、同様に上下方向に長尺状のクリップ部82Aと、クリップ部82Aの上端及び支持部81Aの上端近傍を連結する弾性部83Aと、から構成されている。弾性部83Aは、弾性を有しており、無負荷状態では支持部81Aとクリップ部82Aとがやや離れて、下方が開いた状態になるようになっている。図4は、当該無負荷状態(支持部81Aとクリップ部82Aとの係止もされていない状態)におけるコード規制部材8Aの斜視図である。
クリップ部82Aの下端には、支持部81A側に突出した位置にある第1係止爪85A1、及び、クリップ部82Aから延在した状態の第2係止爪85A2が形成されている。一方、支持部81Aの下方の、第1係止爪85A1及び第2係止爪85A2に対応する位置には、係止受部84Aがクリップ部82A側に突出した状態で形成されている。係止受部84Aは、支持部81Aからクリップ部82A側に向けて突出する弾性足部84A2と、その先端に設けられた係止受爪84A1と、から形成されている。
図4に示す無負荷状態から、クリップ部82Aの下方を支持部81A側に押圧して行くと、第1係止爪85A1の支持部81A側の面が係止受爪84A1に当接し、弾性足部84A2の弾性作用で係止受爪84A1が一旦下方に後退する。そして、第1係止爪85A1が通過した後に係止受爪84A1が上方に復元して、第1係止爪85A1と係止受爪84A1とが係止される。このとき、弾性部83Aの復元力により、クリップ部82Aの下方が支持部81Aから離れる方向に作用するため、係止受爪84A1の支持部81A側の面と第1係止爪85A1の第2係止爪85A2側の面とが当接した状態で保持される。
さらに、クリップ部82Aを支持部81A側に押圧して行くと、第2係止爪85A2の支持部81A側の面が当接し、弾性足部84A2の弾性作用で係止受爪84A1が再び一端下方に後退して、第2係止爪85A2が通過した後に上方に復元して、第2係止爪85A2と係止受爪84A1とが係止される。このときも、弾性部83Aの復元力により、係止受爪84A1の支持部81A側の面と第2係止爪85A2の第1係止爪85A1側とは反対側の面とが当接した状態で保持される。当該状態が、図3に示されている状態に相当する。
そして、係止受爪84A1の指触面84A3を指の腹等で下方に押し下げると、第2係止爪85A2と係止受爪84A1との係止が解かれる。第1係止爪85A1と係止受爪84A1とが係止している場合も、同様にすることで両者の係止が解かれる。すると、弾性部83Aの復元力により、クリップ部82Aの下方が支持部81Aから離れる方向に作用して、図4に示される状態、即ち、支持部81Aとクリップ部82Aとがやや離れた無負荷状態に戻る。
なお、弾性部83Aの上方には、支持部81A及びクリップ部82Aから上方に延伸し、かつ、弾性部83Aと間隙を有してこれを覆い込む形状の第1突端部81A1及び第2突端部82A1が設けられている。第1突端部81A1及び第2突端部82A1の先端部同士は、スリット状の間隙を介して対向している。当該構成によって、支持部81Aに対してクリップ部82Aを大きく開いた場合に、この第1突端部81A1及び第2突端部82A1の対向する先端部同士が先ず当接し、それ以上支持部81Aとクリップ部82Aとを開くことを抑止することで、コード規制部材8Aが破損することを抑制することができる。
支持部81Aの中央近傍には、ラックギア状の挟持歯86A1が、支持部81Aの長手方向に延在している。一方、クリップ部82Aの中央近傍にも、挟持歯86A1に対向して、同様の形状の挟持歯86A2が延在している。これら挟持歯86A1及び挟持歯86A2で挟持部を構成している。即ち、第1係止爪85A1または第2係止爪85A2と係止受爪84A1とが係止されると、挟持歯86A1及び挟持歯86A2の間隙が狭くなり、例えば、操作コード2を挟み込んで挟持することができるようになっている。
支持部81A及びクリップ部82Aの上方と弾性部83Aとで囲まれた領域には、第1係止爪85A1または第2係止爪85A2と係止受爪84A1とが係止された際にも閉塞されず貫通孔状の領域を形成するコードガイド部88Aが設けられている。コードガイド部88Aの貫通孔は、操作コード2に対して十分な開口面積となっており、ここに操作コード2を挿通させた際に、その周回移動が妨げられることが無い程度となっている。なお、本発明において「コードをその周回移動を妨げず」とは、コードガイド部を構成する貫通孔が、貫通方向へのコードの移動を妨げることが無い程度の開口面積を有していることを意味し、コードの断面積より大きい開口面積を有することが求められ、コードの断面積より大きい開口面積を有することが好ましく、コードの断面積の5倍以上の開口面積を有することがより好ましい。
支持部81Aの延在方向の上下両端部近傍には、それぞれネジ固定孔87Aが穿たれている。この2つのネジ固定孔87Aに取付ネジ9を挿通させて壁などの固定部10にねじ留めすることで、固定部10にコード規制部材8Aを取り付けることができる。本実施形態では、このネジ固定孔87A及び取付ネジ9で、本発明に云う「固定手段」を構成している。また、本実施形態では、取付ネジ9以外の構成(図3や図4に表されている構成)が、本発明に云う「本体部」を構成している。
コード規制部材8Aを取り付ける固定部10の場所としては、コードガイド部88Aに操作コード2が貫通した状態で、操作コード2に多少の余裕を有した状態であって、操作コード2の操作がし易い位置にすることが好ましい。なお、固定部としては、ブラインド装置100外であればよく、壁以外の場所、例えば、家具、窓台、床、家電品等でも構わない。
クリップ部82Aと支持部81Aとの間の係止が解かれ、図4に示す無負荷状態になると、係止爪85A3と係止受爪84A3との間の間隙89Aが形成される。当該間隙89Aが、本発明に云う「コード出入部」を構成する。固定部10に取り付けられたコード規制部材8Aについて、間隙89Aからループ状の操作コード2を進入させ、コードガイド部88Aまで導いた後に、第1係止爪85A1または第2係止爪85A2と係止受爪84A1とを係止させて、操作コード2をコードガイド部88Aに貫通させた状態でコード規制部材8Aに保持させる。以下、このような状態を、コードガイド部88Aあるいはコード規制部材8Aに、操作コード2を「セットする」と表現する。
図5に、操作コード2をコードガイド部88Aにセットし、第2係止爪85A2と係止受爪84A1とを係止させた状態のコード規制部材8Aの斜視図を示す。図1及び図5を見ればわかる通り、本実施形態において、操作コード2には、多少の遊びの他、自由度が無く、ループの下端が固定部10としての壁に支持された状態になるため、ボトムレール5やその他の物(例えば、操作者の衣類等)に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
また、コードガイド部88Aを貫通している操作コード2は、その周回移動が妨げられないので、そのままの状態で昇降コード7の巻き取り乃至繰り出し操作やスラット6のチルト角度の調節操作を容易に行うことができる。また、第2係止爪85A2(乃至第1係止爪85A1)と係止受爪84A1との係止を解いて、間隙(コード出入部)89Aから操作コード2を取り出せば、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
本実施形態のコード規制部材8Aでは、操作コード2にさらに余裕(遊び)を持たせた状態で固定部10に固定するようにしてもよい。その場合に、コードガイド部88Aを貫通した操作コード2の下端側は、そのままでは垂下した状態になり、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合が生じる懸念があるが、その余裕部分を挟持歯86A1と挟持歯86A2とで構成される挟持部で挟み込んで挟持することにより、操作コード2の自由が規制され、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
操作コード2の余裕部分の中央近傍を挟持歯86A1と挟持歯86A2とで構成される挟持部に挟持させてもよいし、余裕部分が長い場合には、ある程度束ねて挟持させてもよい。
挟持させる部分に位置する操作コード2が1本や数本程度であるならば、挟持歯86A1と挟持歯86A2との間隙が狭い方がしっかり挟持できるので、第2係止爪85A2が係止受爪84A1と係止されるように、クリップ部82Aを支持部81Aに深く押し込むことが望ましい。
一方、挟持させる部分に位置する操作コード2が束ねられた状態で多数本になる場合には、挟持歯86A1と挟持歯86A2との間隙をある程度広く確保する必要があるので、第1係止爪85A1が係止受爪84A1と係止されれば十分であり、クリップ部82Aを支持部81Aに軽く押し込めばよい。
係止受爪84A1に係止させるのを第1係止爪85A1及び第2係止爪85A2の何れにするかは、挟持歯86A1と挟持歯86A2との挟持部に挟み込む物の厚さ(操作コード2の太さと挟み込む部分における本数による全体の厚さ)に応じて、適宜選択すればよい。
また、本実施形態のコード規制部材8Aは、固定部10に固定しない状態のままであっても、図6に示すように、操作コード2を束ねた状態で、挟持歯86A1と挟持歯86A2とからなる挟持部に挟み込んでコードクリップとして使用することができる。このようにすることで、固定部10にコード規制部材8Aを固定しなくても、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。ここで、図6は、本実施形態のコード規制部材8Aの他の使用例を示す、ブラインド装置の一部(右端近傍)を正面から見た概略図である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるコード規制部材8Bについて説明する。図7は、第2の実施形態にかかるコード規制部材8Bの拡大側面図である。本実施形態にかかるコード規制部材8Bは、第1の実施形態と同様、図1におけるコード規制部材8Aに代えて好適に用いられるものである。
なお、本実施形態では、各部材の符号に、本実施形態の部材乃至部品であることを示す、アルファベットの「B」を含んでいる。そして、第1の実施形態と同一の機能及び構造の部材乃至部品については、アルファベット以外の数字部分が第1の実施形態と同一となる符号を付して、その詳細な説明を省略している(ただし、特に説明を加えている場合はこの限りではない。)。
図7に示す通り、本実施形態のコード規制部材8Bは、大きく分けて、本体部80Bとベース部材87Bからなる。
図8に本体部80Bの斜視図を、図9に本体部80Bの異なる角度から見た斜視図を、それぞれ示す。当該図8及び図9は、支持部81Bとクリップ部82Bとが、係止されず、かつ、無負荷状態を表すものである。また、図10にベース部材87Bの斜視図を、図11にベース部材87Bの異なる角度から見た斜視図を、それぞれ示す。
本体部80Bは、第1の実施形態にかかるコード規制部材8Aと近似した形状乃至構造をしているが、固定部10への固定手段が異なっており、それに応じて、一部の形状乃至構造が異なっている。主として具体的には、支持部81Bに、第1の実施形態におけるネジ固定孔87Aが無く、代わりに、リブ81B2及び凸部81B6が設けられている。
リブ81B2は、支持部81Bの長手方向の2つの辺からそれぞれ若干張り出す形状で、やや下方の領域で長手方向に延在している。また、凸部81B6は、支持部81Bの背面側(クリップ部82Bと対向する面とは反対側。後述するベース部材87B側。)の中央やや下方から矩形状に若干突出して形成されている。凸部81B6の下方には緩やかな傾斜面81B6aが、上方には傾斜面81B6aよりは急峻な傾斜面81B6bが、それぞれ形成されている。
また、支持部81Bには、長手方向の一方の辺の側面から他方の辺の側面に貫通するスリット81B3が形成されている。支持部81Bに貫通するスリット81B3が形成されていることで、支持部81Bにおけるリブ81B2及び凸部81B6が設けられている板状の背面板部81B4と、クリップ部82Bと対向する側の柱状の正面柱部81B5との2重構造となり、特に背面板部81B4に弾性が付与されている。
一方、ベース部材87Bは、上下に長い略直方体形状をしており、長手方向の上下に2つ、ネジ固定孔87B3が穿たれている。この2つのネジ固定孔87Bに取付ネジ9を挿通させて壁などの固定部(図1の固定部10を参照)にねじ留めすることで、ベース部材87Bを取り付けることができる。
また、正面側(本体部80B側)の長辺のそれぞれと短辺の下端側には、正面側方向に立設する壁部87B1が、短辺の上端側のみが解放され他は囲まれた状態で形成されている。当該壁部87B1における前記長辺のそれぞれから立設する部分の基部側には、壁面から垂直方向に窪み、上端から下方の中途まで延在する溝レール87B2が一対形成されている。さらに、正面側の壁部87B1に囲まれた平面のやや上方(上方のネジ固定孔87B3寄り)には、平面から窪む矩形の凹部87B4が形成されている。当該凹部87B4は、凸部81B6が嵌合する内部形状を有している。
本実施形態においては、ベース部材87Bに対して本体部80Bが着脱可能に構成されている。先ず、本実施形態における、ベース部材87Bに本体部80Bを取り付ける作業について説明する。
固定部に取り付けられたベース部材87Bにおける一対の溝レール87B2の上端の溝レール導入部87B2aから、支持部81Bにおける一対のリブ81B2の下端を挿し込むように本体部80Bを下方にスライドさせて行くと、両者が嵌合して行く。
本体部80Bの下方へのスライドが進んで行くと、支持部81Bから突出する凸部81B6が、溝レール導入部87B2aにおける固定部側の縁に当接する。すると、支持部81Bにおける背面板部81B4が弾性を有しているため、凸部81B6が突出方向と反対側に後退(以下、単に「後退」と称する。)して行く。このとき、凸部81B6の下方には、緩やかな傾斜面81B6aが形成されているため、比較的弱い力で本体部80Bを下方へスライドさせるだけで、徐々に凸部81B6が後退して行く。
さらに本体部80Bを下方へスライドさせて、凸部81B6がベース部材87Bに形成された凹部87B4の位置に達すると、背面板部81B4の復元力により、凹部87B4による空間に向けて凸部81B6が突出方向に戻る。このとき、凸部81B6の上方には、やや急峻な傾斜面81B6bが形成されているため、凸部81B6が凹部87B4と嵌合する位置に達する前に、傾斜面81B6bが凹部87B4の上端の縁に当接する。すると、背面板部81B4の復元力により、傾斜面81B6bが凹部87B4の上端の縁を滑りながら凸部81B6が突出方向に戻る。この動きに連れて、本体部80Bが下方へスライドして行き、凸部81B6が凹部87B4に嵌合する位置まで導かれる。即ち、凸部81B6と凹部87B4との嵌合は、いわゆるスナップフィット方式の固定方法が採用されている。
凸部81B6と凹部87B4とを嵌合させて、図7に示された、本体部80Bがベース部材87Bに取り付けられた状態となる。したがって、凸部81B6及び凹部87B4は、ベース部材87Bに対する本体部80Bの位置決めと係止を為す「係止手段」として機能する。
図12に、固定部に固定されたベース部材87Bに本体部80Bが取り付けられた状態のコード規制部材8Bを側断面図にて示す。当該図12は、図7におけるX-X断面(コード規制部材8Bにおける矢印X方向の中心断面)に相当する。図12は、さらに、ループ状の操作コード2をコードガイド部88Bに貫通させてセットし、第2係止爪85B2と係止受爪84B1とを係止させた状態になっている。
図12に示されるように、ベース部材87Bとの間の締結に資するリブ81B2が位置する背面板部81B4は、既述の通り弾性を有しているため、操作コード2により、あるいは、その他の外的要因により、コード規制部材8Bに力学的負荷が作用したとしても、背面板部81B4が柔軟に変形して当該負荷を逃がすため、これら力学的負荷に対する耐性が高い。
次に、本実施形態における、ベース部材87Bから本体部80Bを取り外す作業について説明する。
図7や図12に示されるように、ベース部材87Bに取り付けられた本体部80Bを、そのまま上方に持ち上げると、凹部87B4に対して係止された状態になっていた凸部81B6の上方に位置する傾斜面81B6bが、凹部87B4の上端の縁に当接する。
さらに、力を込めて本体部80Bを上方に持ち上げると、凹部87B4の上端の縁を滑りながら凸部81B6が後退して行き、凹部87B4と凸部81B6の係止が解除される。このとき、傾斜面81B6bは、傾斜面81B6aに比して急峻であるため、取り付けの際には弱い力でも本体部80Bを下方にスライドさせて凹部87B4と凸部81B6とを容易に係止することができたが、凹部87B4と凸部81B6との係止の解除の際には、ある程度力を込めて本体部80Bを上方に持ち上げる必要がある。即ち、本実施形態において、凹部87B4と凸部81B6との係止強度、さらには、ベース部材87Bと本体部80Bとの取り付け強度は、比較的強固になっている。
凹部87B4と凸部81B6との係止が解除された後、そのまま本体部80Bを上方に持ち上げると、凸部81B6が後退したまま、ベース部材87Bの一対の溝レール87B2に嵌合した本体部80Bのリブ81B2がスライドして行く。そして、遂には、上端の溝レール導入部87B2aからリブ81Bが上方に引き抜かれて、ベース部材87Bから本体部80Bが取り外される。
以上のように、本実施形態においては、固定部10に固定されたベース部材87Bに対して、本体部80Bが着脱可能となっている。
なお、溝レール導入部87B2aからリブ81Bが引き抜かれる際に、ベース部材87Bに押圧されて後退していた凸部81B6は、フリーの状態になり、背面板部81B4の復元力により突出方向に戻る。
本実施形態では、固定部10(より具体的には、当該固定部10に固定されたベース部材87B)に対して、本体部80Bが着脱可能にされている。本体部80Bの一対のリブ81B2とベース部材87Bの一対の溝レール87B2との組み合わせが、本体部80Bのベース部材87Bへの着脱を可能とする「着脱部材」として機能する。
そして、ベース部材87Bと、それを固定部10に固定する取付ネジ9と、ベース部材87Bに本体部80Bを取り付けるのに資する一対のリブ81B2と、が本発明に云う「固定手段」を構成している。
本実施形態によれば、固定部10に固定されたベース部材87Bに本体部80Bを取り付けた状態では、第1の実施形態と同一の作用及び効果が、そのまま奏される。すなわち、先ず、図1及び図12を見ればわかる通り、本実施形態において、操作コード2には、多少の遊びの他、自由度が無く、ループの下端が固定部10としての壁に支持された状態になるため、ボトムレール5やその他の物(例えば、操作者の衣類等)に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
また、コードガイド部88Bを貫通している操作コード2は、その周回移動が妨げられないので、そのままの状態で昇降コード7の巻き取り乃至繰り出し操作やスラット6のチルト角度の調節操作を容易に行うことができる。また、第2係止爪85B2(乃至第1係止爪85B1)と係止受爪84B1との係止を解いて、間隙(コード出入部)89Bから操作コード2を取り出せば、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
本実施形態のコード規制部材8Bでは、操作コード2にさらに余裕(遊び)を持たせた状態で固定部10に固定するようにしてもよい。その場合に、コードガイド部88Bを貫通した操作コード2の下端側は、そのままでは垂下した状態になり、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合が生じる懸念があるが、その余裕部分を挟持歯86B1と挟持歯86B2とで構成される挟持部で挟み込んで挟持することにより、操作コード2の自由が規制され、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。その際に、第1係止爪85B1と第2係止爪85B2の何れを係止受爪84B1と係止させるかを適宜選択できる点は、第1の実施形態と同様である。
さらに、本実施形態では、操作コード2をコードガイド部88Bに貫通及び保持させたままの状態であっても、固定部10に固定されたベース部材87Bから本体部80Bを容易に取り外すことができ、そのようにして本体部80Bを取り外しただけで、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
また、本実施形態では、ベース部材87Bから本体部80Bを取り外せば、当該本体部80Bを、第1の実施形態で図6を用いて説明したコードクリップとして使用することができる。すなわち、図6において、コード規制部材8Aを本実施形態における本体部80Bに換え、操作コード2を束ねた状態で、挟持歯86B1と挟持歯86B2とからなる挟持部に挟み込んでコードクリップとして使用することができる。このようにすることで、固定部10に本体部80Bを固定しなくても、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明のさらに他の一例である第3の実施形態にかかるコード規制部材8Cについて説明する。図13は、第3の実施形態にかかるコード規制部材8Cの分解斜視図である。本実施形態にかかるコード規制部材8Cは、第1の実施形態と同様、図1におけるコード規制部材8Aに代えて好適に用いられるものである。
なお、本実施形態では、各部材の符号に、本実施形態の部材乃至部品であることを示す、アルファベットの「C」を含んでいる。そして、第1の実施形態と同一の機能及び構造の部材乃至部品については、アルファベット以外の数字部分が第1の実施形態と同一となる符号を付して、その詳細な説明を省略している(ただし、特に説明を加えている場合はこの限りではない。)。なお、挟持歯86C1は、図13には図示されていないが、視点の角度から図には現れないものの、支持部81Cにおけるクリップ部82Cに対向する側に存在する。
図13に示す通り、本実施形態のコード規制部材8Cは、大きく分けて、本体部80Cとベース部材87Cからなる。
本体部80Cは、第1の実施形態にかかるコード規制部材8Aと近似した形状乃至構造をしているが、固定部10への固定手段が異なっており、それに応じて、一部の形状乃至構造が異なっている。主として具体的には、支持部81Cに、第1の実施形態におけるネジ固定孔87Aが無く、代わりに、磁石取付部81C7が設けられ、当該磁石取付部81C7に磁石81C8が嵌め込まれて取り付けられている。
磁石81C8は直方体形状の一般的な磁石であり、その種類に制限はない。ただし、本体部80Cを保持するためにある程度強い磁力が求められることから、磁力の強い磁石を用いることが望ましい。
磁石取付部81C7は、磁石81C8が嵌合する形状の穴であり、多少の余裕があっても構わない。
磁石取付部81C7に磁石81C8が取り付けられた状態で、支持部81Cにおける磁石取付部81C7が設けられた側において、磁石81Cの部分とそれ以外の支持部81Cの部分とは、略面一になるようになっている。
磁石取付部81C7に対する磁石81C8の固定方法としては、接着剤や両面テープによる接着固定でも、磁石取付部81C7の開口部の縁に固定爪を設けて磁石81C8を固定する等接着に依らない固定方法でも、その他何れの方法でも構わない。磁石取付部81C7の穴を磁石81C8よりも小さめに形成して、磁石81C8を圧入することで固定しても構わない。
一方、ベース部材87Cは、長方形の鉄板87C1を用いた。そのため、磁石81C8は、その磁力によりベース部材87Cに吸着する。鉄板87C1の背面(固定部10側の面)には、両面テープ87C2が、剥離紙(図面上、当該剥離紙が見えているが、粘着層と区別せずに両面テープ87C2と表記する。)とともに貼り付けられている。この両面テープ87C2から剥離紙を剥がして、壁などの固定部(図1の固定部10を参照)に貼り付けることで、ベース部材87Cを取り付けることができる。
ベース部材87Cに対して、磁石81C8を吸着させることで、固定部に取り付けられたベース部材87Cに本体部80Cを取り付けることができる。また、磁力による吸着なので、本体部80Cをベース部材87Cから引き剥がすようにして磁石81C8による吸着から剥がすことにより、ベース部材87Cから本体部80Cを容易に取り外すことができる。
以上のように、本実施形態においては、固定部10に固定されたベース部材87Cに対して、本体部80Cが着脱可能となっている。
本実施形態では、本体部80Cの磁石81Cとベース部材87Cの鉄板87C1との組み合わせが、本体部80Cのベース部材87Cへの着脱を可能とする「着脱部材」として機能する。
そして、ベース部材87Cと、本体部80Cの磁石81Cと、が本発明に云う「固定手段」を構成している。
本実施形態によれば、固定部10に固定されたベース部材87Cに本体部80Cを取り付けた状態では、第1の実施形態と同一の作用及び効果が、そのまま奏される。すなわち、先ず、図1(及び適宜図13)を見ればわかる通り、本実施形態において、操作コード2(図13においては不図示)には、多少の遊びの他、自由度が無く、ループの下端が固定部10としての壁に支持された状態になるため、ボトムレール5やその他の物(例えば、操作者の衣類等)に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
また、コードガイド部88Cを貫通している操作コード2は、その周回移動が妨げられないので、そのままの状態で昇降コード7の巻き取り乃至繰り出し操作やスラット6のチルト角度の調節操作を容易に行うことができる。また、第2係止爪85C2(乃至第1係止爪85C1)と係止受爪84C1との係止を解いて、間隙(コード出入部)89Cから操作コード2を取り出せば、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
本実施形態のコード規制部材8Cでは、操作コード2にさらに余裕(遊び)を持たせた状態で固定部10に固定するようにしてもよい。その場合に、コードガイド部88Cを貫通した操作コード2の下端側は、そのままでは垂下した状態になり、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合が生じる懸念があるが、その余裕部分を挟持歯86C1と挟持歯86C2とで構成される挟持部で挟み込んで挟持することにより、操作コード2の自由が規制され、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。その際に、第1係止爪85C1と第2係止爪85C2の何れを係止受爪84C1と係止させるかを適宜選択できる点は、第1の実施形態と同様である。
さらに、本実施形態では、操作コード2をコードガイド部88Cに貫通及び保持させたままの状態であっても、固定部10に固定されたベース部材87Cから本体部80Cを容易に取り外すことができ、そのようにして本体部80Cを取り外しただけで、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
また、本実施形態では、ベース部材87Cから本体部80Cを取り外せば、当該本体部80Cを、第1の実施形態で図6を用いて説明したコードクリップとして使用することができる。すなわち、図6において、コード規制部材8Aを本実施形態における本体部80Cに換え、操作コード2を束ねた状態で、挟持歯86C1と挟持歯86C2とからなる挟持部に挟み込んでコードクリップとして使用することができる。このようにすることで、固定部10に本体部80Cを固定しなくても、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
<第4の実施形態>
最後に、本発明のさらに他の一例である第4の実施形態にかかるコード規制部材8Dについて説明する。図14は、第4の実施形態にかかるコード規制部材8Dの斜視図であり、図15は、当該コード規制部材8Dの異なる角度から見た斜視図である。本実施形態にかかるコード規制部材8Bは、第1の実施形態と同様、図1におけるコード規制部材8Aに代えて好適に用いられるものである。本実施形態にかかるコード規制部材8Dは、第1の実施形態と同様、図1におけるコード規制部材8Aに代えて好適に用いられるものである。
なお、本実施形態では、各部材の符号に、本実施形態の部材乃至部品であることを示す、アルファベットの「D」を含んでいる。そして、第1の実施形態と同一の機能及び構造の部材乃至部品については、アルファベット以外の数字部分が第1の実施形態と同一となる符号を付して、その詳細な説明を省略している(ただし、特に説明を加えている場合はこの限りではない。)。
図14及び図15に示す通り、本実施形態のコード規制部材8Dは、上下方向に長尺状の支持部81Dと、同様に上下方向に長尺状のクリップ部82Dと、クリップ部82Dの下端及び支持部81Dの下端近傍を連結する弾性部83Dと、から構成されている。弾性部83Dは、弾性を有しており、無負荷状態では支持部81Dとクリップ部82Dとがやや離れて、上方が開いた状態になるようになっている。図16は、当該無負荷状態(支持部81Dとクリップ部82Dとの係止もされていない状態)におけるコード規制部材8Dの斜視図である。
クリップ部82Dは、上端近傍から弧を描いて支持部81Dに向かう形状になっていて、その先端が支持部81Dに対向する位置で終わっている。そのクリップ部82Dの先端には、下方を向く係止爪85D3が形成され、該係止爪85D3より先端からやや後退した位置に、上方に突出する突片85D4が形成されている。
一方、支持部81Dの上方の、係止爪85D3に対応する位置には、係止受部84Dがクリップ部82D側に突出した状態で形成されている。係止受部84Dは、支持部81Dからやや上方に向けて突出し、クリップ部82D側に向きを変えるように円弧を描く足部84D4と、その先端に設けられた係止受爪84D3と、から形成されている。
図16に示す無負荷状態から、クリップ部82Dの上方を支持部81D側に押圧して行くと、係止爪85D3の先端が係止受爪84D3の上面に当接し、クリップ部82Dの円弧状の部分の弾性作用で係止爪85D3が一旦上方に持ち上がる。そして、係止受爪84D3が通過した後に係止爪85D3が下方に復元して、係止爪85D3と係止受爪84D3とが係止される。このとき、弾性部83Dの復元力により、クリップ部82Dの上方が支持部81Dから離れる方向に作用するため、係止爪85D3と係止受爪84D3とがしっかり係止した状態で保持される。
そして、クリップ部82Dの突片85D4に指を引っ掛けて手前(図14~図16における左方)へ引くと、係止爪85D3と係止受爪84D3との係止が解かれる。すると、弾性部83Dの復元力により、クリップ部82Dの上方が支持部81Dから離れる方向に作用して、図16に示される状態、即ち、支持部81Dとクリップ部82Dとがやや離れた無負荷状態に戻る。
図14及び図15に示されるように、係止爪85D3と係止受爪84D3とが係止された状態において、上方で支持部81D及びクリップ部82Dで囲まれた領域には、貫通孔状の領域を形成する第1のコードガイド部88D1が設けられている。また、支持部81D及びクリップ部82Dの上方と弾性部83Dとで囲まれた領域にも、貫通孔状の領域を形成する第2のコードガイド部88D2が設けられている。第1のコードガイド部88D1及び第2のコードガイド部88D2の開口面積は、第1の実施形態において説明したコードガイド部88Aと同様である。
以上のように、本実施形態では、クリップ部82Dと支持部81Dとの間の係止が解かれ、図16に示す無負荷状態になると、係止爪85D3と係止受爪84D3との間の間隙89D(当該間隙89Dが、本発明に云う「コード出入部」を構成する。)が形成される。即ち、クリップ部と支持部との間の下方が開く第1~第3の実施形態とは異なり、本実施形態では、これらの間の上方が開く。固定部10に取り付けられたコード規制部材8Dについて、間隙89Dからループ状の操作コード2を第1のコードガイド部88D1に進入させた後に、係止爪85D3と係止受爪84D3とを係止させて、操作コード2をコード規制部材8Dにセットする。
支持部81Dの延在方向の上下両端部近傍には、それぞれネジ固定孔87Dが穿たれている。この2つのネジ固定孔87Dに取付ネジ9を挿通させて壁などの固定部10にねじ留めすることで、固定部10にコード規制部材8Dを取り付けることができる。本実施形態では、このネジ固定孔87D及び取付ネジ9で、本発明に云う「固定手段」を構成している。また、本実施形態では、取付ネジ9以外の構成(図3や図4に表されている構成)が、本発明に云う「本体部」を構成している。
図17に、固定部に固定されたコードガイド部88Dに操作コード2をセットし、係止爪85D3と係止受爪84D3とを係止させた状態のコード規制部材8Dの側面図を示す。図1及び図17を見ればわかる通り、本実施形態において、操作コード2には、多少の遊びの他、自由度が無く、ループの下端が固定部10としての壁に支持された状態になるため、ボトムレール5やその他の物(例えば、操作者の衣類等)に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
また、コードガイド部88Dを貫通している操作コード2は、その周回移動が妨げられないので、そのままの状態で昇降コード7の巻き取り乃至繰り出し操作やスラット6のチルト角度の調節操作を容易に行うことができる。また、係止爪85D3と係止受爪84D3との係止を解いて、間隙(コード出入部)89Dから操作コード2を取り出せば、固定部10以外の場所でも操作コード2を操作することができる。
特に、本実施形態では、コード規制部材8Dを固定部10に取り付けた際に、クリップ部82Dと支持部81Dとの間の上方が開くため、第1のコードガイド部88D1に比してコード出入部になる間隙89Dが上方に位置することになる。そのため、コード規制部材8Dが、操作コード2にテンションがかかるような位置に固定されている場合であっても、操作コード2のセットと取り外しを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、第1のコードガイド部88D1の、さらには挟持歯86D1及び挟持歯86D2で構成される挟持部の、下方に第2のコードガイド部88D2が設けられている。したがって、本実施形態では、第1のコードガイド部88D1にセットするのでは操作コード2に遊び(余裕)があり、もう少し遊びを少なくしたい場合やテンションをかけたい場合に、第2のコードガイド部88D2にセットすることを選択することができる。この場合にも、第2のコードガイド部88D2に比してコード出入部になる間隙89Dが上方に位置するため、操作コード2のセットと取り外しを容易に行うことができる。
さらに、本実施形態のコード規制部材8Dでは、操作コード2にさらに余裕(遊び)を持たせた状態で固定部10に固定するようにしてもよい。その場合に、第1のコードガイド部88D1あるいは第2のコードガイド部88D2を貫通した操作コード2の下端側は、そのままでは垂下した状態になり、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合が生じる懸念があるが、その余裕部分を挟持歯86D1と挟持歯86D2とで構成される挟持部で挟み込んで挟持することにより、操作コード2の自由が規制され、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
また、本実施形態のコード規制部材8Dは、固定部10に固定しない状態のままであっても、第1の実施形態における説明で用いた図6(図中のコード規制部材8Aをコード規制部材8Dに置き換えて、以下説明する。)に示されるように、操作コード2を束ねた状態で、挟持歯86D1と挟持歯86D2とからなる挟持部に挟み込んでコードクリップとして使用することができる。このようにすることで、固定部10にコード規制部材8Dを固定しなくても、ボトムレール5やその他の物に引っ掛かる不具合を抑制することができる。
以上、本発明のコード規制部材について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のコード規制部材は上記の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態においては、いずれも、挟持歯による挟持部を有する構成を例に挙げたが、挟持部は挟持歯による構成に限定されず、単に平板状、曲面状等の形状、あるいは、凹凸が噛み合う形状等の一対の部材で挟持する構成でもよいし、本発明においては、挟持部自体がそもそも、任意的要素である。
また、上記の実施形態においては、いずれも、支持部とクリップ部とから構成されるクリップ状のコード規制部材を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コードガイド部またはこれに通ずる部位のみを開閉自在としたコード出入部を設けたり、(操作)コードの径に比して狭い間隙にして、当該箇所に(操作)コードを通過させて出入させる構成としたコード出入部を設けたりしても構わない。このように、本発明における「コード出入部」には、(操作)コードをコードガイド部にとどめておく機能と、必要に応じて取り出せるようにする機能を有してさえいればよい。
さらに、上記の実施形態においては、本発明のコード規制部材を適用する日射遮蔽装置として、ブラインドを例に挙げているが、本発明においては、勿論、ブラインドに限定されるものではなく、例えば、プリーツスクリーン、ローマンシェード等に対しても同様に適用することができる。
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のロボットハンドを適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。