JP7219366B1 - 液式鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極格子体の電位分布が良好で、取り出し電流が高い用途でも安定的な性能が得られる、新規な液式鉛蓄電池を提供する。【解決手段】正極集電体5の格子状基板51は、長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有する。一対の縦枠骨513,514間の中心と、耳11の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨513と、の間の範囲に存在する複数本の縦中骨の少なくとも一部は、下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~66であり、下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て上枠骨に直接至り、第一の縦枠骨側で第一の縦中骨と上枠骨とのなす角が90°未満であり、第一の縦中骨の上枠骨との接続点は上記範囲にのみ存在する。【選択図】図2

Description

本発明は、液式鉛蓄電池に関する。
一般的な液式鉛蓄電池の極板群は、交互に配置された複数枚の正極板および負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、からなる積層体を有する。正極板は、正極集電体と正極活物質を含む正極合剤とを有し、正極活物質は二酸化鉛を含有する。正極集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳とを有し、格子状基板に正極合剤が保持されている。複数枚の正極板の正極集電体の耳は正極ストラップで連結されている。
負極板は、負極集電体と負極活物質を含む負極合剤とを有し、負極活物質は金属鉛を含有する。負極集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳とを有し、格子状基板に負極合剤が保持されている。複数枚の負極板の負極集電体の耳は負極ストラップで連結されている。正極集電体および負極集電体は主に鉛又は鉛合金からなり、格子状基板の開口部に正極合剤および負極合剤が充填されている。
格子状基板の従来例としては、長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有する構造のものが挙げられる。枠骨は、格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨と、格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨と、縦方向に延びる一対の縦枠骨と、を有する。耳は、上枠骨の長手方向中心から一対の縦枠骨のいずれかに近い側にずれた位置から、上側に突出している。
複数本の中骨は、上枠骨から下枠骨側に向かって延びる複数本の縦中骨と、一対の縦枠骨を接続する複数本の横中骨と、を有する。正極合剤および負極合剤を充填する開口部は、中骨のみで形成されるか、中骨と枠骨とで形成される。なお、横中骨には、一対の縦枠骨の一方から他方の側に向かう或いは一対の縦枠骨の他方から一方の側に向かうだけで、一対の縦枠骨を接続しないものもある。
近年、自動車用の液式鉛蓄電池は、自動車の電装品の増加や燃費向上のために、使用状態が過酷になってきている。よって、自動車用の液式鉛蓄電池には、過酷な使用に耐えられる性能が要求されている。特に、アイドリングストップ車(ISS車)が急速に普及してきており、自動車のクランキング回数は増加傾向にある。
そのため、特に、正極板の耐久性を従来品よりも大幅に向上させることが必要となっている。正極板の耐久性を向上させるために、化成前の正極板を製造する方法の一工程で使用する鉛粉を含むペーストの改良や、正極格子体(正極集電体の格子基板)の改良が行われている。
従来の一般的な正極格子体は、全ての縦中骨と横中骨が直交する単純な格子形状を有する。このような単純な格子形状の場合、正極板の耳から遠い部分(耳が存在しない側の縦枠骨と下枠骨とによる角部に近い部分:対角エリア)は、他の部分よりも電流の経路が長いため、抵抗が大きくなっている。つまり、単純な格子形状を有する正極格子体には、面内の電位分布が不均一であるという課題がある。これに伴い、面内で正極格子体の使用状態が不均一となるため、成層化や耳に近い部分のみが劣化(軟化)する状態が生じて、寿命性能が低下する。
これに対して、特許文献1に記載された液式鉛蓄電池では、正極格子体は、全ての縦中骨が、耳部から離れるにしたがって左右方向の間隔が拡がる形状に形成されている。このような形状であると、単純な格子形状よりも、対角エリアから耳までの電流の経路が短くなって抵抗が小さくなるため、面内の電位分布は良好になる。しかし、この形状の場合、耳から遠いほど開口部の面積が大きくなるため、車載使用時などで振動や衝撃が加わった場合に、活物質が脱落しやすくなり、脱落した分の放電容量が低下するため、寿命が低下し易くなる。
特許文献2には、液式鉛蓄電池を構成する集電体の格子基板として、耳に近い側の縦中骨は上枠骨および下枠骨に対して垂直に延び、それ以外の縦中骨は、対角エリアからラジアル状に広がるように傾斜している形状の格子体が記載されている。また、特許文献2の図1に示された格子体では、ラジアル状に広がる縦中骨を七本有し、そのうちの三本は上枠骨に直接接触せず、垂直に延びた縦中骨に直接接続している。
このような形状の格子体を有する液式鉛蓄電池では、エンジン始動などの用途で大電流を取り出そうとすると、キルヒホッフの第一法則により、垂直に延びた縦中骨に大きな電流が集中する。その結果、垂直に延びた縦中骨は、腐食が急速に進行して抵抗が増大し、さらに腐食が進行すると折損、破断に至る可能性がある。これに伴い、ラジアル状に広がる縦中骨から取り出される電流が少なくなるため、電池の性能が急激に低下するおそれがある。
特開2019-67522号公報 特開2002-42821号公報
本発明の課題は、正極格子体の電位分布が良好で、取り出し電流が高い用途でも安定的な性能が得られる、新規な液式鉛蓄電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、下記の構成(1)~(3)を有する液式鉛蓄電池を提供する。
(1)正極集電体と正極合剤とを有する正極板を備えた液式鉛蓄電池であって、正極集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳とを有する。格子状基板に正極合剤が保持されている。格子状基板は、上記長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有する。
(2)枠骨は、格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨と、格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨と、縦方向に延びる一対の縦枠骨と、を有する。耳は、上枠骨の長手方向中心から一対の縦枠骨のいずれかに近い側にずれた位置から上側に突出する。複数本の中骨は、上枠骨から下枠骨側に向かう或いは下枠骨から上枠骨側に向かう複数本の縦中骨と、一対の縦枠骨の一方から他方の側に向かう或いは一対の縦枠骨の他方から一方の側に向かう複数本の横中骨と、を有する。
(3)一対の縦枠骨間の中心と、耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨に直接至る第一の縦中骨である。下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て上枠骨に直接至る。第一の縦枠骨側で第一の縦中骨と上枠骨とのなす角が90°未満である。第一の縦中骨の上枠骨との接続点は上記範囲にのみ存在する。
本発明によれば、正極格子体の電位分布が良好で、取り出し電流が高い用途でも安定的な性能が得られる、新規な液式鉛蓄電池が提供される。
本発明の一実施形態に係る液式鉛蓄電池の構造を説明する部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る液式鉛蓄電池が有する正極集電体を示す正面図である。 第一実施形態の正極集電体における第一の縦中骨を下枠骨より下方に延長した線の収束点と、第二の縦中骨を上枠骨より上方に延長した線の収束点を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る液式鉛蓄電池が有する正極集電体を示す正面図である。 第二実施形態の正極集電体における第一の縦中骨を下枠骨より下方に延長した線の収束点と、第二の縦中骨を上枠骨より上方に延長した線の収束点を示す図である。 本発明の第三実施形態に係る液式鉛蓄電池が有する正極集電体を示す正面図である。 第三実施形態の正極集電体における第一の縦中骨を下枠骨より下方に延長した線の収束点と、第二の縦中骨を上枠骨より上方に延長した線の収束点を示す図である。 本発明の第四実施形態に係る液式鉛蓄電池が有する正極集電体を示す正面図である。 第四実施形態の正極集電体における第一の縦中骨を下枠骨より下方に延長した線の収束点と、第二の縦中骨を上枠骨より上方に延長した線の収束点を示す図である。 本発明の第五実施形態に係る液式鉛蓄電池が有する正極集電体を示す正面図である。 第五実施形態の正極集電体における第一の縦中骨を下枠骨より下方に延長した線の収束点と、第二の縦中骨を上枠骨より上方に延長した線の収束点を示す図である。 比較例1の正極集電体を示す正面図である。 比較例2の正極集電体を示す正面図である。 比較例3の正極集電体を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定は本発明の必須要件ではない。
本実施形態に係る液式鉛蓄電池は、図1に示すように、正極板10と負極板20とがリブ付きセパレータ30を介して複数枚交互に積層された極板群1を備えている。極板群1は、その積層方向が水平方向に沿うように(すなわち、正極板10及び負極板20の板面が鉛直方向に沿うように)、図示しない電解液とともに電槽41のセル室内に収容され、電槽41のセル室内で電解液に浸漬されている。すなわち、本実施形態に係る液式鉛蓄電池は、極板群1と、極板群1を電解液ともに収容するセル室を備えた電槽41と、を有し、一つのセル室に一つの極板群1が収容され、極板群1を構成する正極板10の枚数は負極板20の枚数以下となっている。なお、正極板10の枚数は、負極板20の枚数と同じにしても良いし、負極板20の枚数より多くしても良い。
正極板10は、正極集電体と正極活物質を含む正極合剤とを有し、正極活物質は二酸化鉛を含有する。正極集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳11とを有し、格子状基板に正極合剤が保持されたものである。負極板20は、負極集電体と負極活物質を含む負極合剤とを有し、負極活物質は金属鉛を含有する。負極集電体は、長方形の格子状基板と格子状基板に連続する耳21とを有し、格子状基板に負極合剤が保持されたものである。
正極合剤および負極合剤は、それぞれの格子状基板の開口部内に充填されているとともに、格子状基板の両板面に活物質層として存在する。
正極集電体については後に詳述する。
負極板20を構成する負極集電体は、連続鋳造法で形成されたものである。負極集電体の連続鋳造法以外の製造方法としては、鉛合金の鋳造法、鉛合金製圧延板に対する打抜法、鉛合金製圧延板を用いたエキスパンド法が挙げられる。セパレータ30は、例えば、樹脂、ガラス等からなる多孔質の膜状体であり、平板状のベース面と、必要に応じてベース面の面方向に対し直行する方向に突出する襞状のリブとを有する。
複数枚の正極板10の耳11は正極ストラップ13で連結され、複数枚の負極板20の耳21は負極ストラップ23で連結されている。そして、正極ストラップ13は正極端子15の一端に接続され、負極ストラップ23は負極端子25の一端に接続されており、正極端子15の他端及び負極端子25の他端が、電槽41の開口部を閉塞する蓋43を貫通して、電槽41と蓋43からなる液式鉛蓄電池のケース体の外部に露出している。
〔正極集電体について〕
<第一実施形態>
正極板10を構成する正極集電体の第一実施形態を図2に示す。図2に示すように、第一実施形態の正極集電体5は、横長の長方形の格子状基板51と格子状基板に連続する耳11とを有し、格子状基板51に正極合剤が保持されている。格子状基板51は、長方形の四辺をなす枠骨と、枠骨に接続されて枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有する。また、枠骨をなす長方形は横方向の辺が縦方向の辺より長い。
枠骨は、格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨511と、格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨512と、格子状基板の左側に位置し縦方向に延びる左枠骨513と、格子状基板の右側に位置し縦方向に延びる右枠骨514と、を有する。
耳11は、上枠骨511の長手方向中心から右枠骨514側にずれた位置から上側に突出する。複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~65と、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~80と、左枠骨513および右枠骨514と平行に延びて上枠骨511と下枠骨512とを接続する縦中骨516と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、第一の縦中骨61~65、第二の縦中骨71~80、縦中骨516、および横中骨517の断面積より大きい。
また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、第一の縦中骨61~65のみであり、全て上枠骨511に直接至っている。
第一の縦中骨61~65、第二の縦中骨71~80、および縦中骨516の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~65、第二の縦中骨71~80、縦中骨516と上枠骨511とのなす角度θnを表1に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000002
第一の縦中骨61~65の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~65の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの7/20となる位置までの間(つまり、第一基準線S1からの距離が0.35Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
左枠骨513側で第一の縦中骨61~65と上枠骨511とのなす角θ1~θ5は90°未満である。左枠骨513側で第二の縦中骨71~76と上枠骨511とのなす角θ6~θ10は90°未満であり、第二の縦中骨76~80と上枠骨511とのなす角θ12~θ16は90°を超えている。縦中骨516と上枠骨511とのなす角θ11は90°である。
また、第二の縦中骨71~80の始点(上枠骨との接続点)が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの13/20となる位置までの間(つまり、第二基準線S2からの距離が0.65Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
第一の縦中骨62~65は上枠骨511と下枠骨512とを接続している(第一の縦中骨62は、上枠骨511から下枠骨512と左枠骨513との角部に至っている)が、第一の縦中骨61は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。第二の縦中骨71~78は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第二の縦中骨79,80は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と右枠骨514とを接続している。
図3に示すように、第一の縦中骨61~65および縦中骨516を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より外側にある。また、第二の縦中骨71~80を上枠骨511より上方に延長した線は一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より内側であって、縦中骨516の真上にある。
第一実施形態の正極集電体5は、鉛合金製の圧延板に対する打ち抜き加工で形成されたものである。なお、正極集電体の打ち抜き法以外の製造方法としては、鉛合金の鋳造法、鉛合金製圧延板を用いたエキスパンド法が挙げられる。
<第二実施形態>
正極板10を構成する正極集電体の第二実施形態を図4に示す。第二実施形態の正極集電体は、第一実施形態の正極集電体と縦中骨のデザインは異なるが、それ以外は同じである。
図4に示すように、第二実施形態の正極集電体5において、複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~66と、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~80と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、第一の縦中骨61~66、第二の縦中骨71~80、および横中骨517の断面積より大きい。
また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、第一の縦中骨61~66のみであり、全て上枠骨511に直接至っている。
第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~80の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~80と上枠骨511とのなす角度θnを表2に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000003
第一の縦中骨61~66の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~66の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間(つまり、第一基準線S1からの距離が0.45Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
左枠骨513側で第一の縦中骨61~66と上枠骨511とのなす角θ1~θ6は90°未満である。左枠骨513側で第二の縦中骨71~76と上枠骨511とのなす角θ7~θ12は90°未満であり、第二の縦中骨77~80と上枠骨511とのなす角θ13~θ16は90°を超えている。
また、第二の縦中骨71~80の始点(上枠骨との接続点)が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置までの間(つまり、第二基準線S2からの距離が0.55Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
第一の縦中骨63~66は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第一の縦中骨61,62は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。第二の縦中骨71~78は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第二の縦中骨79,80は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。
図3に示すように、第一の縦中骨61~66を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より外側にある。また、第二の縦中骨71~80を上枠骨511より上方に延長した線は一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より内側にある。
<第三実施形態>
正極板10を構成する正極集電体の第三実施形態を図6に示す。第三実施形態の正極集電体は、第一実施形態の正極集電体と縦中骨のデザインは異なるが、それ以外は同じである。
図6に示すように、第二実施形態の正極集電体5において、複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~66と、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~77と、補強骨91と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、第一の縦中骨61~66、第二の縦中骨71~77、横中骨517、および補強骨91の断面積より大きい。
また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、第一の縦中骨61~66のみであり、全て上枠骨511に直接至っている。
第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~77の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~77と上枠骨511とのなす角度θnを表3に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000004
第一の縦中骨61~66の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~66の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間(つまり、基準線S1からの距離が0.45Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
左枠骨513側で第一の縦中骨61~66と上枠骨511とのなす角θ1~θ6は90°未満である。左枠骨513側で第二の縦中骨71~77と上枠骨511とのなす角θ7~θ13は90°未満である。左枠骨513側で補強骨91と横中骨517とのなす角θ14はθ13より大きく90°未満である。
また、第二の縦中骨71~77の始点が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置までの間(つまり、第二基準線S2からの距離が0.55Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
第一の縦中骨61~66は全て、上枠骨511と下枠骨512とを接続している。第二の縦中骨71~77は全て、上枠骨511と下枠骨512とを接続している。補強骨91は、下枠骨512と横中骨517とを接続している。
図7に示すように、第一の縦中骨61~66を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より内側にある。また、第二の縦中骨71~77と補強骨91を上枠骨511より上方に延長した線は一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より外側にある。
<第四実施形態>
正極板10を構成する正極集電体の第四実施形態を図8に示す。第四実施形態の正極集電体は、第一実施形態の正極集電体と縦中骨のデザインは異なるが、それ以外は同じである。
図8に示すように、第四実施形態の正極集電体5において、複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~66と、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~77と、補強骨91と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、第一の縦中骨61~66、第二の縦中骨71~77、横中骨517、および補強骨91の断面積より大きい。
また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、第一の縦中骨61~66のみであり、全て上枠骨511に直接至っている。
第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~77の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~77と上枠骨511とのなす角度θnを表4に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000005
第一の縦中骨61~66の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~66の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間(つまり、基準線S1からの距離が0.45Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
また、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66と上枠骨511とのなす角θ1~θ6が90°以下である。左枠骨513側で補強骨91と横中骨517とのなす角θ14はθ13より大きく90°未満である。
また、第二の縦中骨71~77の始点が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置までの間(つまり、第二基準線S2からの距離が0.55Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
第一の縦中骨61~66は全て、上枠骨511と下枠骨512とを接続している。第二の縦中骨71~77は上枠骨511と下枠骨512とを接続している。補強骨91は、下枠骨512と横中骨517とを接続している。
図9に示すように、第一の縦中骨63~66を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より外側にある。また、第二の縦中骨71~77と補強骨91を上枠骨511より上方に延長した線は、一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より外側にある。
<第五実施形態>
正極板10を構成する正極集電体の第五実施形態を図10に示す。第五実施形態の正極集電体は、第一実施形態の正極集電体と縦中骨のデザインは異なるが、それ以外は同じである。
図10に示すように、第五実施形態の正極集電体5において、複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~66と、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~80と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、第一の縦中骨61~66、第二の縦中骨71~80、横中骨517の断面積より大きい。
また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、第一の縦中骨61~66のみであり、全て上枠骨511に直接至っている。
第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~80の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66および第二の縦中骨71~80と上枠骨511とのなす角度θnを表5に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000006
第一の縦中骨61~66の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~66の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間(つまり、基準線S1からの距離が0.45Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
また、左枠骨513側で第一の縦中骨61~66と上枠骨511とのなす角θ1~θ6が90°以下である。
また、第二の縦中骨71~80の始点が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置までの間(つまり、第二基準線S2からの距離が0.55Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
第一の縦中骨61~66は全て、上枠骨511と下枠骨512とを接続している。第二の縦中骨71~78は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第二の縦中骨79,80は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。
図11に示すように、第一の縦中骨61~66を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より内側にある。また、第二の縦中骨71~80を上枠骨511より上方に延長した線は、一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より内側にある。
<比較例1>
図12に示す比較例1の正極集電体50において、複数本の中骨は、上枠骨511と下枠骨512とを接続する16本の縦中骨516と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。縦中骨516は、左枠骨513および右枠骨514と平行に延びている。つまり、この例では、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨を有さないし、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨も有さない。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、縦中骨516、横中骨517、および補強骨91の断面積より大きい。
16本の縦中骨516の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で縦中骨516と上枠骨511とのなす角度θn(全て90°)を表6に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000007
<比較例2>
図13に示す比較例2の正極集電体50Aにおいて、複数本の中骨は、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨71~85と、左枠骨513および右枠骨514と平行に延びて上枠骨511と下枠骨512とを接続する縦中骨516と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。つまり、この例では、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨を有さない。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、縦中骨516、第二の縦中骨71~85、および横中骨517の断面積より大きい。
第二の縦中骨71~85の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第二の縦中骨71~85と上枠骨511とのなす角度θnを表7に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000008
第二の縦中骨71~86の始点(上枠骨との接続点)は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置(つまり、第二基準線S2からの距離が0.55Lsとなる線C1)より外側の範囲にも存在する。
また、左枠骨513側で第二の縦中骨71~85と上枠骨511とのなす角θ1~θ11,θ13~θ16が90°未満である。
第二の縦中骨74~84は上枠骨511と下枠骨512とを接続し、第二の縦中骨71~73は上枠骨511と左枠骨513とを接続し、第二の縦中骨85は上枠骨511と右枠骨514とを接続している。
第二の縦中骨71~85および縦中骨516を上枠骨511より上方に延長した線は、縦中骨516の延長線上の一点に収束する。つまり、この収束点は、左枠骨513の延長線と右枠骨514の延長線との間(耳11の真上)にある。
<比較例3>
図14に示す正極集電体50Bにおいて、複数本の中骨は、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~64と、左枠骨513および右枠骨514と平行に延びて上枠骨511と下枠骨512とを接続する9本の縦中骨516と、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びて、最も左枠骨513に近い縦中骨516Aに至る補強骨92~94と、左枠骨513と右枠骨514とを接続する17本の横中骨517と、で構成されている。横中骨517は、上枠骨511および下枠骨512と平行に延びている。
つまり、この例では、上枠骨511から下枠骨512側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨を有さない。また、下枠骨512側から上枠骨511側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨として、上枠骨511に直接至る第一の縦中骨61~64以外に、上枠骨511に直接至らず縦中骨516Aに至る補強骨92~94を有している。
上枠骨511、左枠骨513、および右枠骨514の断面積は、9本の縦中骨516、第一の縦中骨61~64、補強骨92~94、および横中骨517の断面積より大きい。
第一の縦中骨61~64および縦中骨516の第一基準線(左枠骨513の幅方向中心位置を示す線)S1からの距離Ln、第一基準線S1と第二基準線(右枠骨514の幅方向中心位置を示す線)S2との距離(一対の縦枠骨間距離)Lsに対する各距離Lnの比Ln/Ls、左枠骨513側で第一の縦中骨61~64および縦中骨516と上枠骨511とのなす角度θn(縦中骨516と上枠骨511とのなす角度は全て90°)を表8に示す。なお、距離Lsは135mmである。
Figure 0007219366000009
第一の縦中骨61~64の始点(上枠骨との接続点)は、全て、一対の縦枠骨(左枠骨513と右枠骨514)間の中心(中心線C)と左枠骨(耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨)513との間に存在し、中心線Cと右枠骨514との間には存在しない。また、第一の縦中骨61~64の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間(つまり、第一基準線S1からの距離が0.45Lsとなる線C1までの範囲)のみである。
左枠骨513側で第一の縦中骨61~64と上枠骨511とのなす角θ1~θ4は90°未満である。左枠骨513側で補強骨92~94と横中骨517とのなす角θ92~θ94は、90°未満であってθ4より小さい。
〔実施形態の液式鉛蓄電池が奏する作用、効果〕
第一乃至第五実施形態の正極集電体は、以下の(a)~(d)の全てを満たす。
(a)一対の縦枠骨間の中心と、耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて上枠骨に直接至る第一の縦中骨である。
(b)下枠骨側から上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て上枠骨に直接至る。
(c)第一の縦枠骨側で第一の縦中骨と上枠骨とのなす角が90°未満である。つまり、第一の縦中骨が耳に近づく向きに広がっている。
(d)第一の縦中骨の上枠骨との接続点は、一対の縦枠骨間の中心と、耳の存在しない側の縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲にのみ存在する。
比較例1の正極集電体は上記(a)~(d)の全てを満たさない。比較例2の正極集電体は、上記(a)~(d)の全てを満たさない。比較例2は特許文献1に記載された液式鉛蓄電池であり、正極格子体は、全ての縦中骨が、耳部から離れるにしたがって左右方向の間隔が拡がる形状に形成されている。比較例2の正極集電体は、比較例1の正極集電体よりも面内の電位分布は良好になるが、耳から遠いほど開口部の面積が大きくなるため、車載使用時などで振動や衝撃が加わった場合に、活物質が脱落した分の放電容量が低下するため、寿命が低下する。
比較例3の正極集電体は上記(b)を満たさない。比較例3の正極集電体は特許文献2に記載された格子体であり、この格子体を有する液式鉛蓄電池では、エンジン始動などの用途で大電流を取り出そうとすると、上述のように、縦中骨516Aに大きな電流が集中して腐食が進行し、電池の性能が急激に低下するおそれがある。
これに対して、第一乃至第五実施形態の正極集電体は、上記(a)~(d)の全てを満たすことにより、正極格子体の電位分布が良好となり、取り出し電流が高い用途でも安定的な性能が得られる。
上記(c)を満たさない場合(例えば、図7における収束点P1よりも大きく右側に収束点がある場合)、第一の縦中骨が耳11から遠ざかる向きに広がるため、電位分布が改善されにくくなる。第一の縦枠骨側で第一の縦中骨と上枠骨とのなす角は45°以上90°未満であることが好ましく、70°以上90°未満であることがより好ましい。
また、第一の縦中骨の始点が存在する範囲は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの9/20となる位置までの間のみである(つまり、上記(d)を満たす)とともに、第二の縦中骨の始点(上枠骨との接続点)が存在する範囲は、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの11/20となる位置までの間のみである。これにより、通常の配置密度において、第一の縦中骨および第二の縦中骨の広がる側に生じる縦中骨と枠骨と横中骨とで構成される開口部が、適度な大きさとなるため、補強骨の設置などに伴う不都合が生じない。この開口部が大きくなると、補強骨を設ける必要があるため、製造時の金型が複雑化するとともに正極集電体の重量増大を招く。
第一の縦中骨の始点は、左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの1/5となる位置以上で1/2となる位置以下の範囲までに存在することが好ましい。
また、収束点P1,P2を有する、つまり、第一の縦中骨を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束し、第二の縦中骨を上枠骨511より上方に延長した線は一点に収束するため、収束しない場合と比較して電位分布が良好になる。また、デザインの変更が容易となるため、製品を多種類に展開することにも容易に対応できる。
さらに、正極集電体の枠骨をなす長方形が「横方向の辺が縦方向の辺より長い」横長形状である場合、正極集電体の格子状基板は横方向へのグロースが大きくなりやすい。そして、横方向へのグロースが進行すると、膨張する正極板の左右の枠骨が、接触するセパレータを引き伸ばし、これを引き裂くことがある。セパレータを引き裂くまで至らなくても、腐食によって折損した正極格子体の一部が、セパレータを突き破ることがある。その結果、セパレータを介して相互に積層された正極と負極が接触短絡し、早期に寿命に至る場合もある。
第一乃至第五実施形態の正極集電体は、正極集電体の格子状基板が横長形状であるが、上記(a)~(d)の全てを満たすことで、顕著な電位分布改善効果が得られて、早期寿命に至ることが防止できる。
比較例3との比較においては、下枠骨から上枠骨に向けて斜めに広がりながら延びる骨のうち、上枠骨に直接接続される第一の縦中骨の数が、第一乃至第四実施形態の正極集電体5の方が比較例3の正極集電体50Bより多いため、断面積が大きい上枠骨に向かって電流が集電される量が多くなることで、縦中骨に腐食が生じにくくなる。
なお、第一実施形態の正極集電体を構成する第一の縦中骨61と、第二実施形態および第三実施形態の正極集電体を構成する第一の縦中骨61,62は、下枠骨512まで達していないが、第一の縦中骨は全て下枠骨512まで達しているか、下枠骨512まで達していない場合でも上枠骨511と下枠骨512との距離の0.90倍以上の位置まで達していることが好ましい。これにより、正極集電体の面内全体で電位分布が改善される効果が高くなる。
また、第一乃至第五実施形態の正極集電体における縦中骨のデザインの違いによる作用、効果の違いは、以下の通りである。
第一実施形態および第二実施形態の正極集電体を使用した鉛蓄電池は、第二の縦中骨が耳の上方に向かって集約するため、第三実施形態及び第四実施形態よりも優れた集電特性とサイクル寿命特性が得られる。
第一実施形態と第二実施形態の比較では、第一の縦中骨の始点が存在する範囲が、第一実施形態で左枠骨513から一対の縦枠骨間距離Lsの7/20となる位置までの間のみであって第二実施形態よりも狭く、第二の縦中骨の始点が存在する範囲が、右枠骨514から一対の縦枠骨間距離Lsの13/20となる位置までの間のみであって第二実施形態より広い。そのため、通常の配置密度において、第一の縦中骨および第二の縦中骨の広がる側に生じる縦中骨と枠骨と横中骨とで構成される開口部が、第一実施形態の方が第二実施形態よりも、より一層適度な大きさとなるため、補強骨の設置などに伴う不都合が生じないという点でさらに有利になる。
第三実施形態の正極集電体を使用した鉛蓄電池は、第一の縦中骨が形成する開口部の平均開口面積が、他の実施形態と比べて小さくなるため、当該開口部に保持される正極合剤の剥離や脱落が防止されやすいが、第一実施形態および第二実施形態と比較すると、耳付近の開口部の平均開口面積が大きくなるため、集電特性とサイクル寿命特性においては、第一実施形態および第二実施形態にやや劣る。
第四実施形態の正極集電体を使用した鉛蓄電池は、第一乃至第三実施形態と比較し、開口部の開口面積のバラつきが小さくなるため、局所的な正極合剤の剥離や脱落を防止しやすいが、アイドリングストップ車用のサイクル寿命特性としては、第一乃至第三実施形態よりもやや劣る。
第五実施形態の正極集電体を使用した鉛蓄電池は、第一実施形態および第二実施形態と同様に、第二の縦中骨が耳の上方に向かって集約するため、第三実施形態及び第四実施形態よりも優れた集電特性とサイクル寿命特性が得られる。また、第五実施形態の正極集電体を使用した鉛蓄電池は、第三実施形態と同様に、第一の縦中骨が形成する開口部の平均開口面積が、他の実施形態と比べて小さくなるため、当該開口部に保持される正極合剤の剥離や脱落が防止されやすい。
〔好ましい形態1〕
第一乃至第五実施形態の正極集電体において、上枠骨511の断面積は、横中骨517の平均断面積に対して235%~300%であり、かつ上枠骨511に接する複数の開口部を平面視した各々の開口面積は、格子状基板51の全ての開口部の平均開口面積に対し、50%~75%であることが好ましい。
〔好ましい形態2〕
第一乃至第五実施形態の正極集電体において、正極合剤が多孔質である場合は、正極合剤が有する細孔の平均直径は0.15μm以上0.40μm以下であることが好ましく、正極合剤の多孔度は30%以上50%以下であることが好ましい。
正極合剤が有する細孔直径が0.15μm未満であると、正極活物質の利用率が低下するおそれがある。一方、正極合剤が有する平均直径が0.40μmよりも大きいと、液式鉛蓄電池の内部抵抗が上昇するおそれがある。また、正極合剤の軟化が生じやすくなるおそれがある。正極合剤が有する細孔の平均直径の測定方法は特に限定されるものではないが、例えば水銀圧入法によって測定することができる。
正極合剤の多孔度が30%未満であると、合剤中に硫酸が浸透しにくくなり、活物質の利用率が低下するおそれがある。一方、正極合剤の多孔度が50%超過であると、合剤の密度が低下するため、サイクル寿命が低下するおそれがある。
〔好ましい形態3〕
第一実施形態の正極集電体において、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76および縦中骨516の断面積は、全ての縦中骨の断面積に対して、1.26倍以上1.50倍以下であることが好ましい。
好ましい形態1ないし3に関し、以下に実施例および比較例を示して、さらに具体的に説明する。
〔好ましい形態1についての比較試験〕
電池サイズがQ-85である液式鉛蓄電池(サンプルNo.1~No.25)を以下の方法で作製した。サンプルNo.1~No.25の液式鉛蓄電池は、表1に示すように、正極集電体の上枠骨、および上枠骨に接する開口部の構成が異なるが、それ以外の点は同じである。図2を用いて説明すると、サンプルNo.1~No.25の液式鉛蓄電池は、その正極集電体5において、格子状基板51の幅(横方向の寸法)が135mmであり、高さ(縦方向の寸法)が114.5mmである。これらの寸法はいずれも、枠骨の中心線同士の間隔である。左枠骨513、右枠骨514、および下枠骨512の断面積は、いずれも1.80mm2である。
先ず、正極板用および負極板用の集電体(格子状基板+耳)を、Pb-Ca-Sn合金製の圧延板から打ち抜き法で作製した。集電体を厚み方向で切断した断面には、平均層間距離が20μmの圧延組織が観察された。
正極集電体の一枚当たりの重量は、いずれも40.0gである。上枠骨511の太さ比率を種々変更する際は、同時に中骨の太さを変更して、全てのサンプル間で正極集電体の重量が同一となるようにした。
サンプルNo.1~No.5の液式鉛蓄電池の正極集電体は、図2の正極集電体5において、全ての横中骨517の太さが同じである。サンプルNo.1~No.5の正極集電体において、全ての横中骨517の平均断面積が1.00mm2であり、上枠骨511の平均断面積は2.00mm2である。上枠骨511に接する開口部を平面視した開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、それぞれ45%、50%、65%、75%、80%である。上枠骨511に接する開口部の平均開口面積は、横中骨517同士の離間距離を変更することによって調整した。このとき、横中骨517同士の離間距離は、各々均等になるように調整した。
サンプルNo.6~No.10の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51を構成する上枠骨511の断面積が、2.23mm2であり、全ての横中骨517の断面積は0.95mm2である。すなわち、上枠骨511の横中骨517に対する太さ比率は235%である。上枠骨511に接する開口部を平面視した平均開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、それぞれ45%、50%、65%、75%、80%である。上枠骨511に接する開口部の平均開口面積は、横中骨517同士の離間距離を変更することによって調整した。このとき、横中骨517同士の離間距離は、各々均等になるように調整した。
サンプルNo.11~No.15の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51を構成する上枠骨511の断面積が、2.43mm2であり、全ての横中骨517の断面積は0.90mm2である。すなわち、上枠骨511の横中骨517に対する太さ比率は270%である。上枠骨511に接する開口部を平面視した平均開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、それぞれ45%、50%、65%、75%、80%である。上枠骨511に接する開口部の平均開口面積は、横中骨517同士の離間距離を変更することによって調整した。このとき、横中骨517同士の離間距離は、各々均等になるように調整した。
サンプルNo.16~No.20の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51を構成する上枠骨511の断面積が、2.55mm2であり、全ての横中骨517の断面積は0.85mm2である。すなわち、上枠骨511の横中骨517に対する太さ比率は300%である。上枠骨511に接する開口部を平面視した平均開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、それぞれ45%、50%、65%、75%、80%である。上枠骨511に接する開口部の平均開口面積は、横中骨517同士の離間距離を変更することによって調整した。このとき、横中骨517同士の離間距離は、各々均等になるように調整した。
サンプルNo.21~No.25の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51を構成する上枠骨511の断面積が、2.56mm2であり、全ての横中骨517の断面積は0.80mm2である。すなわち、上枠骨511の横中骨517に対する太さ比率は320%である。上枠骨511に接する開口部を平面視した平均開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、それぞれ45%、50%、65%、75%、80%である。上枠骨511に接する開口部の平均開口面積は、横中骨517同士の離間距離を変更することによって調整した。このとき、横中骨517同士の離間距離は、各々均等になるように調整した。
サンプルNo.1~No.25の正極集電体5において、格子状基板51を構成する複数本の中骨の構成は、図2に示す第一実施形態の正極集電体5と同一である。
サンプルNo.1~No.25の負極集電体としては、サンプルNo.1の正極集電体5と同じ形状、同じ断面積を有するものを用いた。
次に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、正極合剤用ペーストを作製した。化成後の正極活物質が含有するα-二酸化鉛の質量αとβ-二酸化鉛の質量βの比率α/(α+β)は20%とした。また、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、負極合剤用ペーストを作製した。
そして、正極合剤用ペーストを正極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の正極板を作製した。同様に、負極合剤用ペーストを負極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の負極板を作製した。
正極板が有する正極合剤の密度は4.2g/cm3であり、負極板が有する負極合剤の密度は4.0g/cm3であった。正極合剤の平均細孔径は0.20μmであり、多孔率は40%であった。
また、セパレータとして、多孔質の合成樹脂からなり、平板状のベース面と、ベース面の面方向に対し直交する方向に突出する襞状のリブと、を有するリブ付きセパレータを用意した。リブ付きセパレータの総厚さは0.90mmとし、リブ高さは0.65mmとし、ベース面の厚さは0.25mmとした。
作製された化成前の正極板と負極板とを、リブ付きセパレータを介在させつつ交互に複数枚積層して、極板群を作製した。正極板の枚数は7枚とし、負極板の枚数は8枚とした。
この極板群を電槽内に収容し、各正極板の正極集電体の耳を正極ストラップで連結し、各負極板の負極集電体の耳を負極ストラップで連結した。そして、正極ストラップは正極端子の一端に接続し、負極ストラップは負極端子の一端に接続した。なお、電槽は、極板群を収容するセル室を複数有しているが、一つのセル室当たりのアッパーレベル(最高液面線)以下の部分の容積は570cm3である。また、極板群には、所定の群圧が負荷されるようにした。
さらに、蓋で電槽の開口部を閉塞した。正極極柱と負極極柱は、それぞれ蓋にインサート成形したブッシングに貫通させ、正極極柱の他端と負極極柱の他端を液式鉛蓄電池の外部に露出させた状態で溶接し、正極端子と負極端子を形成した。蓋に形成された注液口から、比重1.23の希硫酸からなり、硫酸アルミニウムを0.1モル/Lの濃度で含有する電解液を電槽のアッパーレベルまで注入し、注液口を栓体により封口して、電槽化成を行い、液式鉛蓄電池を得た。
電解液の注入から化成のための通電開始までの時間(すなわちソーキング時間)は30分間、化成のための電気量は230%、化成時の電解液の温度は45℃とした。このとき、注入した電解液の量は一つのセル室当たり375cm3であった。なお、化成後の電解液の比重は1.28であった。
なお、後の解体調査のため、各ロットの液式鉛蓄電池は複数個作製し、同じロットの液式鉛蓄電池であれば、同一の構造と電池特性を有するものと見なした。
このようにして得られたサンプルNo.1~No.25の各液式鉛蓄電池について、75℃での寿命試験を行い、寿命までのサイクル数を調査した。
寿命試験の条件は下記の通りである。先ず、75℃環境下において、2秒間の300A放電、60分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)、5分間の25A放電、30分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)を、この順に行うことを複数サイクル繰り返し、各放電時の電圧が7.2Vにまで低下した時に寿命に達したと判定し、それまで行ったサイクル数を寿命とした。
寿命試験の結果を基に、以下の基準で総合評価した。サイクル数が360以上370未満であれば「〇」、370以上であれば特に優れていると判断し「◎」とした。
また、参考データとして、寿命試験が300サイクルを経過した時点で、上下方向における正極格子体のグロース率Rを確認した。正極格子体のグロース率Rは、以下のように算出した。
先ず、寿命試験前の正極格子体について、蓋の頂面から上枠骨までの距離Y1を測定しておく。この測定は、蓋に形成されている注液口を経由して行っても良いし、適切な位置に連通口を形成してその連通穴を経由して行っても良い。
次に、寿命試験が300サイクルを経過した時点で試験を一時停止し、蓋の頂面から上枠骨までの距離Y2を測定する。
次に、Y1とYの差分を求め、格子状基板51の高さ(縦方向の寸法)114.5mmと次式(1)に基づき、正極格子体の上下方向におけるグロース率R(%)を算出した。
Figure 0007219366000010
以上の結果をまとめて表9に示す。
Figure 0007219366000011
表9のサンプルNo.7~No.9、No.12~No.14、No.17~No.19の試験結果から、上枠骨511の断面積が、横中骨517の平均断面積に対して235%~300%であり、かつ上枠骨511に接する複数の開口部を平面視した各々の開口面積が、格子状基板51の全ての開口部の平均開口面積に対し、50%~75%であると、特に優れた寿命サイクルを有する液式鉛蓄電池が得られる傾向にあることが分かる。
上枠骨511の断面積が、横中骨517の平均断面積に対して235%以上であると、上下方向のグロース率Rが抑制されるとともにサイクル寿命が向上する傾向がある。しかし、上枠骨の横中骨に対する断面積の比率が300%を超えると、上下方向のグロース率Rはさらに抑制されるにも関わらず、サイクル寿命が向上しない傾向を示すことが分かった。
寿命試験後の各サンプルを解体調査したところ、No.21~No.25は、正極格子体の左右枠骨の下部がいずれも外側に向けて大きく変形し、周辺の開口部の正極合剤が脱落していることが分かった。このことから、上枠骨の断面積比とサイクル寿命性能の関係について次のように考えられる。第一に、上枠骨の断面積比が大きくなるほど、上枠骨の機械的強度が大きくなるため、上方向へのグロースが抑制される。一方、正極集電体の重量を一定とする条件下で上枠骨の断面積を大きくすることは、相対的に他の中骨の断面積を小さくすることにつながる。すなわち、サンプルNo.21~No.25は、正極集電体の中骨の機械的強度が小さく、正極集電体下部の変形を防止しきれず、正極合剤の剥離や脱落を招き、液式鉛蓄電池の容量低下に至ったものと推定される。
〔好ましい形態2についての比較試験〕
電池サイズがQ-85である液式鉛蓄電池(サンプルNo.26~No.49)を以下の方法で作製した。
サンプルNo.26~No.49の液式鉛蓄電池は、表13に示すように、正極合剤の細孔径(μm)、および多孔率(%)の構成が異なるが、それ以外の点はサンプルNo.8と同じである。図2を用いて説明すると、サンプルNo.26~No.49の液式鉛蓄電池は、その正極集電体5において、格子状基板51の幅(横方向の寸法)が135mmであり、高さ(縦方向の寸法)が114.5mmである。これらの寸法はいずれも、枠骨の中心線同士の間隔である。左枠骨513、右枠骨514、および下枠骨512の断面積は、いずれも1.80mm2である。
先ず、正極板用および負極板用の集電体(格子状基板+耳)を、Pb-Ca-Sn合金製の圧延板から打ち抜き法で作製した。集電体を厚み方向で切断した断面には、平均層間距離が20μmの圧延組織が観察された。
正極集電体の一枚当たりの重量は、いずれも40.0gである。縦中骨516の太さ比率を種々変更する際は、同時に中骨の太さを変更して、全てのサンプル間で正極集電体の重量が同一となるようにした。
サンプルNo.26~No.30の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51の構成がサンプルNo.8と同一であって、格子状基板51に保持される正極合剤は、細孔径がいずれも0.10μmであり、多孔率がそれぞれ20%、30%、40%、50%、60%である。
サンプルNo.31~No.35の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51の構成がサンプルNo.8と同一であって、格子状基板51に保持される正極合剤は、細孔径がいずれも0.15μmであり、多孔率がそれぞれ20%、30%、40%、50%、60%である。
サンプルNo.36~No.39の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51の構成がサンプルNo.8と同一であって、格子状基板51に保持される正極合剤は、細孔径がいずれも0.20μmであり、多孔率がそれぞれ20%、30%、50%、60%である。また、サンプルNo.8の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、細孔径が0.15μmであり、多孔率が40%である。
サンプルNo.40~No.44の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51の構成がサンプルNo.8と同一であって、格子状基板51に保持される正極合剤は、細孔径がいずれも0.40μmであり、多孔率がそれぞれ20%、30%、50%、60%である。
サンプルNo.45~No.49の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、格子状基板51の構成がサンプルNo.8と同一であって、格子状基板51に保持される正極合剤は、細孔径がいずれも0.45μmであり、多孔率がそれぞれ20%、30%、50%、60%である。
サンプルNo.26~No.49の負極集電体としては、サンプルNo.8の正極集電体5と同じ形状、同じ断面積を有するものを用いた。
次に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、正極合剤用ペーストを作製した。化成後の正極活物質が含有するα-二酸化鉛の質量αとβ-二酸化鉛の質量βの比率α/(α+β)は20%とした。また、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、負極合剤用ペーストを作製した。
そして、正極合剤用ペーストを正極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の正極板を作製した。同様に、負極合剤用ペーストを負極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の負極板を作製した。
正極板が有する正極合剤の密度は4.2g/cm3であり、負極板が有する負極合剤の密度は4.0g/cm3であった。
また、セパレータとして、多孔質の合成樹脂からなり、平板状のベース面と、ベース面の面方向に対し直交する方向に突出する襞状のリブと、を有するリブ付きセパレータを用意した。リブ付きセパレータの総厚さは0.90mmとし、リブ高さは0.65mmとし、ベース面の厚さは0.25mmとした。
作製された化成前の正極板と負極板とを、リブ付きセパレータを介在させつつ交互に複数枚積層して、極板群を作製した。正極板の枚数は7枚とし、負極板の枚数は8枚とした。
この極板群を電槽内に収容し、各正極板の正極集電体の耳を正極ストラップで連結し、各負極板の負極集電体の耳を負極ストラップで連結した。そして、正極ストラップは正極端子の一端に接続し、負極ストラップは負極端子の一端に接続した。なお、電槽は、極板群を収容するセル室を複数有しているが、一つのセル室当たりのアッパーレベル(最高液面線)以下の部分の容積は570cm3である。また、極板群には、所定の群圧が負荷されるようにした。
さらに、蓋で電槽の開口部を閉塞した。正極極柱と負極極柱は、それぞれ蓋にインサート成形したブッシングに貫通させ、正極極柱の他端と負極極柱の他端を液式鉛蓄電池の外部に露出させた状態で溶接し、正極端子と負極端子を形成した。蓋に形成された注液口から、比重1.23の希硫酸からなり、硫酸アルミニウムを0.1モル/Lの濃度で含有する電解液を電槽のアッパーレベルまで注入し、注液口を栓体により封口して、電槽化成を行い、液式鉛蓄電池を得た。
電解液の注入から化成のための通電開始までの時間(すなわちソーキング時間)は30分間、化成のための電気量は230%、化成時の電解液の温度は45℃とした。このとき、注入した電解液の量は一つのセル室当たり375cm3であった。なお、化成後の電解液の比重は1.28であった。
なお、後の解体調査のため、各ロットの液式鉛蓄電池は複数個作製し、同じロットの液式鉛蓄電池であれば、同一の構造と電池特性を有するものと見なした。
このようにして得られたサンプルNo.26~No.49の各液式鉛蓄電池について、75℃での寿命試験を行い、寿命までのサイクル数を調査した。
寿命試験の条件は下記の通りである。先ず、75℃環境下において、2秒間の300A放電、60分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)、5分間の25A放電、30分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)を、この順に行うことを複数サイクル繰り返し、各放電時の電圧が7.2Vにまで低下した時に寿命に達したと判定し、それまで行ったサイクル数を寿命とした。
寿命試験の結果については、以下の基準で評価した。サイクル数が360以上370未満であれば「〇」、370以上であれば特に優れていると判断し「◎」とした。
活物質の利用率については、5時間率放電試験を実施した後に放電容量を測定することにより求めた。放電容量の測定値が、Q-85サイズの液式鉛蓄電池の定格容量である32Ah以上であった場合は、利用率が顕著に優れていると判断し「◎」、放電容量の測定値が30Ah以上32Ah未満であった場合は、利用率が十分に優れているものの、顕著に優れているとまでは言えないと判断し「〇」とした。
総合判定については、寿命試験と5時間率放電試験の判定において、それぞれ「◎=2」、「〇=1」として、合計点が2~3点であれば「〇」、4点であれば「◎」とした。
以上の結果をまとめて表10に示す。
Figure 0007219366000012
表10の試験結果から、正極合剤の細孔径が0.15μm~0.40μmであり、かつ正極合剤の多孔率が30%~50%であると、特に優れた寿命サイクルと放電容量とを有する液式鉛蓄電池が得られる傾向にあることが分かる。
〔好ましい形態3についての比較試験〕
電池サイズがQ-85である液式鉛蓄電池(サンプルNo.50~No.56)を以下の方法で作製した。サンプルNo.50~No.56の液式鉛蓄電池は、表11に示すように、正極集電体の縦中骨のうち、耳の下部に接続点を有する縦中骨の断面積がそれぞれ異なるが、それ以外の点はサンプルNo.8と同じである。図2を用いて説明すると、サンプルNo.50~No.56の液式鉛蓄電池は、その正極集電体5において、格子状基板51の幅(横方向の寸法)が135mmであり、高さ(縦方向の寸法)が114.5mmである。これらの寸法はいずれも、枠骨の中心線同士の間隔である。左枠骨513、右枠骨514、および下枠骨512の断面積は、いずれも1.80mm2である。また、格子状基板51を構成する上枠骨511の断面積が、2.23mm2であり、全ての横中骨517の断面積は0.95mm2である。すなわち、上枠骨511の横中骨517に対する太さ比率は235%である。上枠骨511に接する開口部を平面視した平均開口面積は、全ての開口部を平面視した平均開口面積に対して、65%である。
先ず、正極板用および負極板用の集電体(格子状基板+耳)を、Pb-Ca-Sn合金製の圧延板から打ち抜き法で作製した。集電体を厚み方向で切断した断面には、平均層間距離が20μmの圧延組織が観察された。
正極集電体の一枚当たりの重量は、いずれも40.0gである。縦中骨516の太さ比率を種々変更する際は、同時に中骨の太さを変更して、全てのサンプル間で正極集電体の重量が同一となるようにした。
第二の縦中骨74~76の始点(上枠骨との接続点)が存在する範囲は、第一基準線S1からの距離が80~105となる位置までの間(すなわち耳の下部に位置する範囲)である。
第一の縦中骨63~66は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第一の縦中骨61,62は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。第二の縦中骨71~78は上枠骨511と下枠骨512とを接続しているが、第二の縦中骨79,80は下枠骨512まで至らず、上枠骨511と横中骨517とを接続している。図3に示すように、第一の縦中骨61~66を下枠骨512より下方に延長した線は一点に収束する。この収束点P1は左枠骨513の延長線L513より外側にある。また、第二の縦中骨71~80を上枠骨511より上方に延長した線は一点に収束する。この収束点P2は右枠骨514の延長線L514より内側にある。
サンプルNo.50の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.20倍である。
サンプルNo.51の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.26倍である。
サンプルNo.52の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.30倍である。
サンプルNo.53の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.35倍である。
サンプルNo.54の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.40倍である。
サンプルNo.55の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.50倍である。
サンプルNo.56の液式鉛蓄電池が有する正極集電体5は、耳11の下部に接続される第二の縦中骨74~76、および縦中骨516の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.60倍である。
サンプルNo.50~No.56の負極集電体としては、サンプルNo.8の正極集電体5と同じ形状、同じ断面積を有するものを用いた。
次に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、正極合剤用ペーストを作製した。化成後の正極活物質が含有するα-二酸化鉛の質量αとβ-二酸化鉛の質量βの比率α/(α+β)は20%とした。また、一酸化鉛を主成分とする鉛粉を水と希硫酸で混練し、さらに必要に応じて添加剤を混合し練り合わせて、負極合剤用ペーストを作製した。
そして、正極合剤用ペーストを正極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の正極板を作製した。同様に、負極合剤用ペーストを負極集電体の格子状基板に充填した後に、熟成及び乾燥を行い、化成前の負極板を作製した。
正極板が有する正極合剤の密度は4.2g/cm3であり、負極板が有する負極合剤の密度は4.0g/cm3であった。
また、セパレータとして、多孔質の合成樹脂からなり、平板状のベース面と、ベース面の面方向に対し直交する方向に突出する襞状のリブと、を有するリブ付きセパレータを用意した。リブ付きセパレータの総厚さは0.90mmとし、リブ高さは0.65mmとし、ベース面の厚さは0.25mmとした。
作製された化成前の正極板と負極板とを、リブ付きセパレータを介在させつつ交互に複数枚積層して、極板群を作製した。正極板の枚数は7枚とし、負極板の枚数は8枚とした。
この極板群を電槽内に収容し、各正極板の正極集電体の耳を正極ストラップで連結し、各負極板の負極集電体の耳を負極ストラップで連結した。そして、正極ストラップは正極端子の一端に接続し、負極ストラップは負極端子の一端に接続した。なお、電槽は、極板群を収容するセル室を複数有しているが、一つのセル室当たりのアッパーレベル(最高液面線)以下の部分の容積は570cm3である。また、極板群には、所定の群圧が負荷されるようにした。
さらに、蓋で電槽の開口部を閉塞した。正極極柱と負極極柱は、それぞれ蓋にインサート成形したブッシングに貫通させ、正極極柱の他端と負極極柱の他端を液式鉛蓄電池の外部に露出させた状態で溶接し、正極端子と負極端子を形成した。蓋に形成された注液口から、比重1.23の希硫酸からなり、硫酸アルミニウムを0.1モル/Lの濃度で含有する電解液を電槽のアッパーレベルまで注入し、注液口を栓体により封口して、電槽化成を行い、液式鉛蓄電池を得た。
電解液の注入から化成のための通電開始までの時間(すなわちソーキング時間)は30分間、化成のための電気量は230%、化成時の電解液の温度は45℃とした。このとき、注入した電解液の量は一つのセル室当たり375cm3であった。なお、化成後の電解液の比重は1.28であった。
なお、後の解体調査のため、各ロットの液式鉛蓄電池は複数個作製し、同じロットの液式鉛蓄電池であれば、同一の構造と電池特性を有するものと見なした。
このようにして得られたサンプルNo.50~No.56の各液式鉛蓄電池について、75℃での寿命試験を行い、寿命までのサイクル数を調査した。
寿命試験の条件は下記の通りである。先ず、75℃環境下において、2秒間の300A放電、60分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)、5分間の25A放電、30分間のCCCV充電(14.5V、最大充電電流50A)を、この順に行うことを複数サイクル繰り返し、各放電時の電圧が7.2Vにまで低下した時に寿命に達したと判定し、それまで行ったサイクル数を寿命とした。
寿命試験の結果については、以下の基準で評価した。サイクル数が360以上370未満であれば「〇」、370以上であれば特に優れていると判断し「◎」とした。
活物質の利用率については、5時間率放電試験を実施した後に放電容量を測定することにより求めた。放電容量の測定値が、Q-85サイズの液式鉛蓄電池の定格容量である32Ah以上であった場合は、利用率が顕著に優れていると判断し「◎」、放電容量の測定値が30Ah以上32Ah未満であった場合は、利用率が十分に優れているものの、顕著に優れているとまでは言えないと判断し「〇」とした。
総合判定については、寿命試験と5時間率放電試験の判定において、それぞれ「◎=2」、「〇=1」として、合計点が2~3点であれば「〇」、4点であれば「◎」とした。
以上の結果をまとめて表11に示す。
Figure 0007219366000013
表11の試験結果から、正極格子体の耳の下部に接続される縦中骨の断面積が、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.26倍以上であると、特に優れた寿命サイクルと放電容量とを有する液式鉛蓄電池が得られる傾向にあることが分かる。
ただし、正極格子体の耳の下部に接続される縦中骨の断面積が1.50倍を超えると、サイクル寿命が低下する傾向が見られた。理由は定かではないが、縦中骨を局所的に太くしたことで、耳の下部の直流抵抗が小さくなり、正極活物質の電子の授受が頻繁に行われることで、局所的に腐食が促進され、耳の下部の正極格子体の劣化が加速的に進行したものと推定される。実際に、解体したサンプルNo.56の液式鉛蓄電池は、正極格子体の耳の下部において、縦中骨の腐食や、正極合剤の軟化が顕著に見られた。
つまり、正極格子体の耳の下部に接続される縦中骨の断面積を、全ての縦中骨の平均断面積に対して、1.26倍以上1.50倍以下とすることで、特に優れた寿命サイクルと放電容量とを有する液式鉛蓄電池が得られる。
1 極板群
10 正極板
11 格子状基板に連続する耳
20 負極板
30 セパレータ
41 電槽
5 正極集電体
51 格子状基板
50 正極集電体
510 格子状基板
511 上枠骨
512 下枠骨
513 左枠骨
514 右枠骨
516 縦中骨
517 横中骨
61~66 第一の縦中骨
71~85 第二の縦中骨
91 補強骨
92~94 補強骨

Claims (8)

  1. 正極集電体と正極合剤とを有する正極板を備えた液式鉛蓄電池であって、
    前記正極集電体は、長方形の格子状基板と前記格子状基板に連続する耳とを有し、
    前記格子状基板に前記正極合剤が保持され、
    前記格子状基板は、前記長方形の四辺をなす枠骨と、前記枠骨に接続されて前記枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有し、
    前記枠骨は、前記格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨と、前記格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨と、縦方向に延びる一対の縦枠骨と、を有し、
    前記耳は、前記上枠骨の長手方向中心から前記一対の縦枠骨のいずれかに近い側にずれた位置から上側に突出し、
    前記複数本の中骨は、前記上枠骨から前記下枠骨側に向かう或いは前記下枠骨から前記上枠骨側に向かう複数本の縦中骨と、前記一対の縦枠骨の一方から他方の側に向かう或いは前記一対の縦枠骨の他方から一方の側に向かう複数本の横中骨と、を有し、
    前記一対の縦枠骨間の中心と、前記耳の存在しない側の前記縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて前記上枠骨に直接至る第一の縦中骨であり、
    前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て前記上枠骨に直接至り、
    前記第一の縦枠骨側で前記第一の縦中骨と前記上枠骨とのなす角が90°未満であり、
    前記第一の縦中骨の前記上枠骨との接続点は前記範囲にのみ存在し、
    前記上枠骨の断面積は、前記横中骨の平均断面積に対して235%~300%であり、かつ前記上枠骨に接する複数の開口部を平面視した各々の開口面積は、前記格子状基板の全ての開口部の平均開口面積に対し、50%~75%である液式鉛蓄電池。
  2. 正極集電体と正極合剤とを有する正極板を備えた液式鉛蓄電池であって、
    前記正極集電体は、長方形の格子状基板と前記格子状基板に連続する耳とを有し、
    前記格子状基板に前記正極合剤が保持され、
    前記格子状基板は、前記長方形の四辺をなす枠骨と、前記枠骨に接続されて前記枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有し、
    前記枠骨は、前記格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨と、前記格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨と、縦方向に延びる一対の縦枠骨と、を有し、
    前記耳は、前記上枠骨の長手方向中心から前記一対の縦枠骨のいずれかに近い側にずれた位置から上側に突出し、
    前記複数本の中骨は、前記上枠骨から前記下枠骨側に向かう或いは前記下枠骨から前記上枠骨側に向かう複数本の縦中骨と、前記一対の縦枠骨の一方から他方の側に向かう或いは前記一対の縦枠骨の他方から一方の側に向かう複数本の横中骨と、を有し、
    前記一対の縦枠骨間の中心と、前記耳の存在しない側の前記縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて前記上枠骨に直接至る第一の縦中骨であり、
    前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て前記上枠骨に直接至り、
    前記第一の縦枠骨側で前記第一の縦中骨と前記上枠骨とのなす角が90°未満であり、
    前記第一の縦中骨の前記上枠骨との接続点は前記範囲にのみ存在し、
    前記正極合剤は多孔質であり、前記正極合剤が有する細孔の平均直径は0.15μm以上0.40μm以下であり、前記正極合剤の多孔度は30%以上50%以下である液式鉛蓄電池。
  3. 正極集電体と正極合剤とを有する正極板を備えた液式鉛蓄電池であって、
    前記正極集電体は、長方形の格子状基板と前記格子状基板に連続する耳とを有し、
    前記格子状基板に前記正極合剤が保持され、
    前記格子状基板は、前記長方形の四辺をなす枠骨と、前記枠骨に接続されて前記枠骨より内側に存在する複数本の中骨と、を有し、
    前記枠骨は、前記格子状基板の上側に位置し横方向に延びる上枠骨と、前記格子状基板の下側に位置し横方向に延びる下枠骨と、縦方向に延びる一対の縦枠骨と、を有し、
    前記耳は、前記上枠骨の長手方向中心から前記一対の縦枠骨のいずれかに近い側にずれた位置から上側に突出し、
    前記複数本の中骨は、前記上枠骨から前記下枠骨側に向かう或いは前記下枠骨から前記上枠骨側に向かう複数本の縦中骨と、前記一対の縦枠骨の一方から他方の側に向かう或いは前記一対の縦枠骨の他方から一方の側に向かう複数本の横中骨と、を有し、
    前記一対の縦枠骨間の中心と、前記耳の存在しない側の前記縦枠骨である第一の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びて前記上枠骨に直接至る第一の縦中骨であり、
    前記下枠骨側から前記上枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる縦中骨は、全て前記上枠骨に直接至り、
    前記第一の縦枠骨側で前記第一の縦中骨と前記上枠骨とのなす角が90°未満であり、
    前記第一の縦中骨の前記上枠骨との接続点は前記範囲にのみ存在し、
    前記耳の下部に接続される前記縦中骨の断面積は、全ての前記縦中骨の断面積に対して、1.26倍以上1.50倍以下である液式鉛蓄電池。
  4. 前記第一の縦中骨の前記上枠骨との接続点が存在する範囲は、前記第一の縦枠骨から、前記一対の縦枠骨間距離の2/5となる位置までの間のみである請求項1~3のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  5. 前記一対の縦枠骨間の中心と、前記耳の存在する側の前記縦枠骨である第二の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、前記上枠骨から前記下枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨である請求項1~3のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  6. 前記一対の縦枠骨間の中心と、前記耳の存在する側の前記縦枠骨である第二の縦枠骨と、の間の範囲に存在する複数本の前記縦中骨の少なくとも一部は、前記上枠骨から前記下枠骨側に向けて斜めに広がりながら延びる第二の縦中骨であり、
    前記第二の縦中骨の前記上枠骨との接続点が存在する範囲は、前記第二の縦枠骨から、前記一対の縦枠骨間距離の3/5となる位置までの間のみである請求項4記載の液式鉛蓄電池。
  7. 前記第一の縦中骨を前記下枠骨より下方に延長した線は一点に収束し、前記第二の縦中骨を前記上枠骨より上方に延長した線は一点に収束する請求項5記載の液式鉛蓄電池。
  8. 前記枠骨をなす長方形は横方向の辺が縦方向の辺より長い請求項1~3のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
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