JP7219247B2 - 鋼材冷却装置及び鋼材溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば高層建築等の鉄骨や支柱等の第一鋼材に補強材等をなす第二鋼材を継手としてT字型に溶接する鋼材冷却装置及び鋼材溶接方法に関する。
従来、高層建築で採用されている代表的な鉄骨の柱部材として4面ビルトボックス柱が用いられ、このビルトボックス柱に梁部材としてH形鋼等がボルト締めや溶接等で連結されている。例えば、ビルトボックス柱の内ダイアフラムと柱スキンプレートの溶接継手部に、エレクトロスラグ溶接が用いられている。
このエレクトロスラグ溶接は高性能である反面、入熱量が大きく冷却速度が小さいため、柱スキンプレートの靭性低下が懸念されている。靭性を改善させる方法として、スキンプレート外側から一定量の水を噴射させて冷却速度を大きくする技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載された溶接方法では、鋼材であるスキンプレートの一方の面に設けた一対の当金間の凹溝にダイアフラムの端部を設置してT字状に配設させ、垂直方向の凹溝内にエレクトロスラグ溶接を行った。溶接は凹溝内で下方から上方に向けてエレクトロスラグ溶接を行う。また、スキンプレートにおける溶接部の外面に箱型の噴射水遮蔽カバーを設置し、遮蔽カバーの縦板に鋼材の溶接部外面に向かって冷却水を噴射する多数本、例えば9本の噴射管を上下方向に所定間隔で配設した。
そして、凹溝内の下端部からエレクトロスラグ溶接を開始して上方に向けて溶接位置の移動に追随させて、冷却水を噴射する噴射管を下方の噴射管から上方の噴射管に順次切り替えていく。噴射を切り替える噴射管は同時に2本の噴射管のフラットスプレーノズルからダイアフラムの溶接位置外面に冷却水を噴射し、移動する溶接部を順次冷却している。
特許第2634521号公報
しかしながら、このような鋼材溶接装置や鋼材溶接方法では、ダイアフラムの上下方向の溶接部外面に対向して9本の噴射管を上下に配列させ、溶接位置の上昇に応じて冷却水を噴射する噴射管のスプレーノズルを2本ずつ順次切り換えて噴射する必要があった。しかも、凹溝における溶接位置の上昇に伴って9本の噴射管による冷却水の噴射をタイムリーに切り換えて溶接部の外面に噴射する必要がある。
そのため、多数の噴射管の配置構成とスプレーノズルの噴射の切り換え制御装置が必要であり、噴射設備が大型化する上に噴射タイミングの調整が煩雑でコスト高になるという問題があり、実用的でなかった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で調整が必要なく低コストで効率よく溶接部を冷却できる鋼材冷却装置及び鋼材溶接方法を提供することを目的とする。
本発明による鋼材冷却装置は、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接装置において、第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を下方から上方に向けて移動しながら溶接する溶接部材と、第一鋼材の溶接部に対向する外面の上端部に冷却水を噴射する冷却水噴射ノズルと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に連結した状態で、第一鋼材における溶接部の外面の上端部に冷却水噴射ノズルから冷却水を噴射させると共に、第一鋼材及び第二鋼材の溶接部において溶接部材を下方から上方に向けて溶接させながら移動させる。第一鋼材の外面の上端部に冷却水を噴射させると上端部から第一鋼材の外面に沿って下方に冷却水が流れ落ちるため、下方から上方に移動しながら溶接する溶接部の外面を確実に冷却できることになり、溶接部材で溶接する溶接部が下方から上方に移動しても噴射する冷却ノズルを切り換える必要がなく、簡単な構成で効率よく溶接部を冷却できる。
また、第一鋼材の外面側に遮蔽部材が設置され、冷却水噴射ノズルは第一鋼材の外面の上端部に対向して遮蔽部材に取り付けられていることが好ましい。
遮蔽部材に取り付けられた冷却水噴射ノズルから第一鋼材の溶接部に対向する外面に噴射される冷却水は第一鋼材の外面と遮蔽部材との間の間隙内で外面に沿って流れ落ちるため、冷却水が飛び散ることを防止して溶接部の外面を上側から効率よく冷却できる。
本発明による鋼材冷却装置は、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接装置において、下方から上方に向けて移動しながら第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を溶接する溶接部材と、第一鋼材における溶接部に対向する外面に冷却用エアを噴射するエア噴射ノズルと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に連結した状態で、第一鋼材の外面にエア噴射ノズルから冷却用エアを噴射させると共に、溶接部材を下方から上方に向けて移動させながら第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を移動させる。そのため、下方から上方に移動する第一鋼材及び第二鋼材の溶接部の移動領域に対向する第一鋼材の外面を溶接部の移動領域の全長に亘って冷却用エアで冷却させることができる。
本発明による鋼材溶接方法は、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接方法において、第一鋼材における溶接部に対向する外面の上端部に冷却水を噴射させて該冷却水を外面に沿って上端部から下方に流れ落としながら、第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を溶接部材によって下方から上方に移動させつつ溶接する、ことを特徴とする。
本発明による鋼材溶接方法は、第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接方法において、第一鋼材における溶接部に対向する外面において溶接部に沿って上下方向に設置されたエア噴射ノズルから冷却用エアを噴射させながら、第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を溶接部材によって下方から上方に移動させつつ溶接することを特徴とする。
本発明に係る鋼材冷却装置及び鋼材溶接方法によれば、冷却水噴射ノズルは第一鋼材の溶接部の外面上端部に冷却水を噴射させて第一鋼材の溶接部に対向する外面に沿って冷却水を流れ落とすことで冷却でき、下方から上方に移動する溶接部に対向する外面を確実に冷却できて第一鋼材の靭性を改善できる。そのため、冷却水噴射ノズルによる冷却水の噴出と停止を制御する必要がなく、構成が簡単で低コストである。
本発明に係る鋼材冷却装置及び鋼材溶接方法によれば、エア噴射ノズルを第一鋼材の溶接部の外面に沿って上下方向に配設して冷却用エアを第一鋼材の溶接部に対向する外面に噴射させて冷却することで、下方から上方に移動する溶接部に対向する外面を確実に冷却できる。そのため、エア噴射ノズルによる冷却用エアの噴出と停止を制御する必要がなく、構成が簡単で低コストである。
本発明の第一実施形態による鋼材の溶接継手を示すものであり、(a)はスキンプレート側から見た斜視図、(b)はダイアフラム側から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態による鋼材溶接装置を示すもので、(a)は水平断面図、(b)はスキンプレート側から見た正面図、(c)は同図(b)のA-A線縦断面図である。 第一実施形態による鋼材溶接装置の側断面模式図である。 本発明の第二実施形態による鋼材溶接装置の側断面模式図である。 図4に示す鋼材溶接装置を示すものであり、(a)は水平断面図、(b)はスキンプレート側から見た正面図、(c)は同図(b)のB-B線縦断面図である。 実施例と比較例の温度チャートを示す図であり、(a)は比較例の図、(b)は実施例1、(c)は実施例2、(d)は実施例3の図である。 シャルピー衝撃試験結果を示すもので、(a)は溶接部と試験片の切り出し位置を示す水平断面図、(b)は各実施例と比較例の試験片の吸収エネルギーを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態による鋼材溶接装置(鋼材冷却装置)と鋼材溶接方法について添付図面を参照して説明する。
先ず、第一実施形態による鋼材溶接装置1と鋼材溶接方法について図1乃至図3により説明する。図1(a)、(b)は、ビルトボックス柱の一の面であるスキンプレート2とその内面2aに溶接された補強材としてのダイアフラム3とを溶接部4でT字状に溶接した構造を示す要部斜視図である。スキンプレート2は例えば50mm厚で780N級鋼材であり、ダイアフラム3は例えば60mm厚の鋼材である。スキンプレート2は第一鋼材に含まれ、ダイアフラム3は第二鋼材に含まれる。
スキンプレート2の内面2aは溶接面であり、内面2aの溶接部4の両側で上下方向に延びる一対のガイド鋼6が溶接等で予め固定されている。スキンプレート2と一対のガイド鋼6との間に凹溝7が形成され、この凹溝7内にダイアフラム3の端部が設置されている。凹溝7とダイアフラム3の端部との間の凹溝7の間隙8内に、上方から挿入した溶接部材10によってスキンプレート2の内面2aとダイアフラム3の端部を溶接して結合する。溶接に際して、溶接部材10を下端部から上端部に向けて移動させながら溶接位置の溶接部4で溶接して生成される溶接金属9を下端部から上端部に向けて形成させていく。
そのため、スキンプレート2における内面2aの溶接部4に対向する反対側の外面2bが冷却面となる。図1(a)に示すように、外面2bにおける上下方向に上部、中央部、下部が位置し、試験体として温度計測される。なお、スキンプレート2の凹溝7の内面2aに上下方向に形成される溶接部4の溶接線(溶接金属9)に対向する外面2bの上下方向の仮想線を対向溶接線Lとする。
次に鋼材溶接装置1について図2及び図3により説明する。
図2(a)、(b)、(c)及び図3において、スキンプレート2の外面2b側には断面視略コの字状の遮蔽部材12が設置され、外面2b及び遮蔽部材12によって冷却箱が形成されている。遮蔽部材12は例えばステンレス製の背板12aとその両側部に連結された例えばシリコンゴム等の弾性部材からなる側板12bとで断面略コの字状に形成され、側板12bをスキンプレート2の外面2bに押圧している。遮蔽部材12の下端部には、外面2bに沿って落下する冷却水を受け止める底部12cが形成されている。
そして、遮蔽部材12の背板12aの上端部には凹部形状の穴部(または切欠)14が形成され、穴部14を貫通して冷却水噴射ノズル15が装着されてその吐出口が外面2bの対向溶接線Lの上端部に対向している。冷却水噴射ノズル15の後部には冷却水を供給するホース16が接続されている。ホース16は図示しないポンプを介して冷却水の供給タンクに接続されている。また、遮蔽部材12の背板12aの下端部には排出口18が設置され、遮蔽部材12の底部12cに落下した冷却水は排出口18から排出されて図示しない供給タンクに戻される。
本実施形態による鋼材溶接装置1は上述した構成を有しており、次に鋼材溶接方法について図3を中心に説明する。
スキンプレート2とダイアフラム3をT字型に溶接するに際し、スキンプレート2の内面2aと一対のガイド鋼6とで形成された凹溝7内にダイアフラム3の端部を設置させる。この状態で、溶接部材10を凹溝7内の下端部に挿入してスキンプレート2の内面2aとダイアフラム3の端部とを自動的に溶接して溶接金属9を生成する。そして、スキンプレート2とダイアフラム3を溶接部4で溶接しながら溶接部材10を下端部から上方に引き上げることで溶接部4の溶接金属9を下端部から上方に形成させていく。
一方、溶接に先立ってまたは溶接と同時に、鋼材溶接装置1における遮蔽部材12の背板12a上部に設けた冷却水噴射ノズル15から冷却水をスキンプレート2の溶接部4に対向する外面2bの上端部に噴射する。冷却水はスキンプレート2の外面2bにおける対向溶接線Lの上端部に噴射される。冷却水は外面2bの上端部から対向溶接線Lに沿って下方に直線的に流れ落ちて外面2bを冷却し、溶接位置である内面2a下端部の溶接部4をスキンプレート2の厚みを通して冷却する。
なお、外面2bに噴射される冷却水の一部は遮蔽部材12の空間内で跳ね返って背板12aの内面を流れ落ちるが、遮蔽部材12の外側に飛び散らない。多くの冷却水は溶接部4に対向する外面2bの対向溶接線Lに沿って略直線的に流れ落ちる。これによって、外面2b及び内面2aの溶接部4を冷却することができる上に、噴射水量が少なくて済む。
凹溝7とダイアフラム3の端部との間隙8内で溶接部材10を上方に移動させながらスキンプレート2とダイアフラム3を次第に溶接して溶接金属9を上方に形成させていく。その際、冷却水噴射ノズル15から噴射された冷却水は、スキンプレート2の外面2bに沿って流れ落ちるため、上昇する溶接部4を連続して冷却できる。しかも、冷却水噴射ノズル15はスキンプレート2の外面2bの上端部に冷却水を噴射するだけで、外面2bを冷却水が対向溶接線Lに沿って流れ落ち、外面2bと共に溶接部4の直前の上部領域から溶接中の溶接部4、そして、溶接後の下部領域の溶接金属9をも連続して冷却することができる。
上述のように本実施形態による鋼材溶接装置1及び鋼材溶接方法によれば、冷却水噴射ノズル15によってスキンプレート2の外面2bの上端部に冷却水を噴射することで、外面2bの表面温度を冷却できる。しかも、スキンプレート2の溶接による熱影響部の靭性低下を抑制することができる。
本実施形態による鋼材溶接装置1は冷却水噴射ノズル15を1つ設置して外面2bの上端部に冷却水を噴射して冷却すればよく、溶接部4の上昇移動に応じて複数の冷却水噴射ノズルによる噴射と停止を切り換え制御する必要がなく、構造が簡単で低コストに製造できる。
なお、本発明による鋼材溶接装置1及び鋼材溶接方法は、上述した第一の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。これらはいずれも本発明に含まれる。
以下に、本発明の他の実施形態や変形例による鋼材溶接装置及び鋼材溶接方法について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部材、部品等には同一の符号を用いて説明する。
次に図4及び図5により、本発明の第二実施形態による鋼材溶接装置1A及び鋼材溶接方法について説明する。
第二実施形態による鋼材溶接装置1Aにおいて、スキンプレート2の外面2b側に断面略コの字状の遮蔽部材12が配設されている。遮蔽部材12の背板12aには、スキンプレート2の外面2bの略直線状の対向溶接線Lに沿って複数、例えば5個の穴部14が上下方向に形成されている。各穴部14には外面2bの対向溶接線Lに対向する位置に略直線状に複数、例えば5個のエア噴射ノズル20が上下方向に装着されている。各エア噴射ノズル20は溶接部4をスキンプレート2の厚みを介して冷却するための冷却用エアを例えば噴射圧力0.2MPaの圧縮エアとして噴射することができる。
また、各エア噴射ノズル20は遮蔽部材12に設置されていて、圧縮エアを効率的にスキンプレート2の外面2bの対向溶接線Lに噴射させて溶接部4及び溶接金属9を冷却できるようにしている。本実施形態において、各エア噴射ノズル20は、スキンプレート2及びダイアフラム3の溶接部4の上昇位置に関わらず、同時に圧縮エアを溶接部4の外面2bに噴射させて冷却できるようにしている。
各エア噴射ノズル20の後部はそれぞれエアホース21を介して分配器23、そして圧縮エア供給源に接続された圧縮エア供給用ホース24に接続されている。分配器23にはエア噴射ノズル20から噴射させる圧縮エアの圧力を計測し調整するための空圧計22が設置されている。
本実施形態による鋼材溶接装置1Aは上述の構成を有しており、エレクトロスラグ溶接による鋼材溶接方法は次のように行われる。
すなわち、スキンプレート2の凹溝7内にダイアフラム3の端部をT字型に配置させた状態で、溶接部材10を凹溝7内の下端部に挿入してスキンプレート2の内面2aとダイアフラム3の端部とを溶接して溶接金属9を形成する。スキンプレート2とダイアフラム3を溶接しながら溶接部材10を下端部から上方に引き上げることで溶接部4を上方に移動させて、溶接金属9を下端部から上方に形成させていく。
一方、溶接に先立ってまたは溶接と同時に、鋼材溶接装置1における遮蔽部材12の背板12aに上下方向に配列させた複数のエア噴射ノズル20から圧縮エアをスキンプレート2の外面2bの対向溶接線Lに向けて同時に噴射する。そして、各エア噴射ノズル20によって外面2bの対向溶接線Lに沿ってその全長を同時に冷却し、スキンプレート2の厚みを通して内面2aの下端部から上方に移動する溶接部4の移動領域の全長を冷却する。
これによって、溶接部4がいずれの高さ位置にあっても、圧縮エアによって外面2b及び内面2aの溶接部4の全域を冷却することができる。
上述のように本実施形態による鋼材溶接装置1A及び鋼材溶接方法によれば、溶接部4に沿って上下方向に配列された複数のエア噴射ノズル20からスキンプレート2の外面2bに冷却用エアを噴射することで外面2bの表面温度を冷却できる。しかも、スキンプレート2の溶接による熱影響部の靭性低下を抑制することができる。
本実施形態による鋼材溶接装置1Aは複数のエア噴射ノズル20を同時に噴射させ続ければよく、しかも溶接部4の上昇に応じてエア噴射ノズル20による噴射と停止を切り換え制御する必要がなく、構造が簡単で低コストに製造できる。
次に本発明の各実施例による鋼材溶接装置1、1Aと比較例による鋼材溶接装置について具体的に試験した試験結果を説明する。
試験体として、スキンプレート2は例えば780N/mm鋼材を用い、板厚50mmとした。ダイアフラム3は例えば590N/mm鋼材を用い、板厚60mmとした。スキンプレート2の凹溝7内における内面2aとダイアフラム3の端部との距離(ギャップ)は例えば23mm程度に設定した。溶接条件として、溶接部材10の電流値380A、電圧54V、溶接速度1.4cm/min、溶接用のワイヤ送給速度8.5m/minとした。溶接時の入熱量は1000kJ/cmとした。
各鋼材溶接装置におけるスキンプレート2の溶接部4の外面2bの冷却方法として、比較例では溶接時の冷却を無しとした。一方、実施例1及び実施例2では、第一実施形態に示すように、溶接時の冷却水噴射ノズル15によるスキンプレート2の外面2bの対向溶接線Lにおける上端部への冷却水噴射量をそれぞれ0.5l(リットル)/min、1.0l/minとした。実施例3では、第二実施形態に示すように溶接時のスキンプレート2の外面2bの対向溶接線Lに沿って5本のエア噴射ノズル20を配列させてそれぞれ0.2MPaのエアを同時に噴射させた。なお、実施例には含まれないが、噴射エア量は10.0l/minでもよい。
比較例、実施例1、2、3について、溶接時の温度測定位置として、図1(a)に示すようにスキンプレート2の外面2bにおける対向溶接線L上の上部、中央部、下部の温度を測定した。その結果は図6(a)~(d)に示されており、経過時間を示す横軸に対して縦軸はスキンプレート2の外面2bの表面温度を示している。
図6(a)に示す比較例では、溶接部4が外面2bの下部、中央部、上部に移行するに従って温度上昇が大きくなった。これに対し、同図(b)、(c)に示す実施例1、実施例2では冷却水の噴射による冷却効果が高かった。外面2bの対向溶接線Lの下部や中央部は外面2bの上端部に噴射されて流れ落ちる冷却水によって冷却されるため冷却効果を十分発揮でき、上部は直接冷却水が噴射されるため特に冷却効果が高い。同図(d)に示す実施例3では、冷却用エアが外面2bの対向溶接線Lに直接噴射され、冷却水を噴射する場合より冷却効果は劣るが、比較例より有効な冷却効果を得られた。
次に「JIS Z 2242:2018(日本産業規格)金属材料の衝撃試験方法」に基づくシャルピー衝撃試験を行った。図7(a)はスキンプレート2及びダイアフラム3の溶接部4における溶接金属9のスキンプレート2側の断面における試験片採取位置を示す。比較例、実施例1~3で取得した各衝撃試験片Sをシャルピー衝撃試験にかけてシャルピー吸収エネルギー(J)を測定した。この場合も比較例に対して実施例1、2、3の吸収エネルギーの方が高く、スキンプレート2の熱影響部の靭性低下を抑制する効果を確認できた。
なお、上述した第一実施形態による単一の冷却水噴射ノズル15に代えて、複数の冷却水噴射ノズル15を同時に且つ連続して外面2bの上端部及びその近傍の対向溶接線Lに向けて冷却水を噴射させてもよい。この場合でも、第一実施形態と同様の冷却効果を発揮できる。
また、上述した第二実施形態において、5本のエア噴射ノズル20をスキンプレート2の外面2bの対向溶接線Lに沿って所定間隔で配列したが、エア噴射ノズル20の本数と配列間隔は適宜選定できる。また、エア噴射ノズル20として複数本の配列に代えて対向溶接線Lに沿って長く延びて連続する線状の開口を有するものを採用してもよい。この場合、1つのエア噴射ノズル20によって外面2bの対向溶接線Lの全長に冷却エアを噴射し、外面2bと溶接部4の移動領域の全長を冷却できる。
1、1A 鋼材溶接装置(鋼材冷却装置)
2 スキンプレート
2a 内面
2b 外面
3 ダイアフラム
4 溶接部
7 凹溝
9 溶接金属
10 溶接部材
12 遮蔽部材
15 冷却水噴射ノズル
20 エア噴射ノズル

Claims (5)

  1. 第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材冷却装置において、
    前記第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を下方から上方に向けて移動しながら溶接する溶接部材と、
    前記溶接部材を用いた溶接時において前記第一鋼材の溶接部に対向する外面の上端部に冷却水を噴射し、前記冷却水を前記上端部から前記外面の下端部まで前記溶接部に対応する位置に沿って流れ落とす冷却水噴射ノズルと、
    を備えたことを特徴とする鋼材冷却装置。
  2. 前記第一鋼材の前記外面に対向して配置された背板と前記背板の両端から前記外面までを押圧して覆う一対の弾性部材とを備え前記外面を覆う遮蔽部材が設置され、
    前記冷却水噴射ノズルは前記第一鋼材の前記外面の前記上端部に対向して前記遮蔽部材に取り付けられている請求項1に記載された鋼材冷却装置。
  3. 第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材冷却装置において、
    下方から上方に向けて移動しながら前記第一鋼材及び第二鋼材の溶接部を溶接する溶接部材と、
    前記溶接部材を用いた溶接時において前記第一鋼材における前記溶接部に対向する外面において前記溶接部に対応する位置に沿って上下方向に配列され冷却用エアを同時に噴射する複数のエア噴射ノズルと、
    を備えたことを特徴とする鋼材冷却装置。
  4. 溶接部材を用いて第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接方法において、
    前記溶接部材を用いた溶接時において前記第一鋼材における溶接部に対向する外面の上端部に冷却水を噴射させて該冷却水を前記外面における前記溶接部に対応する位置に沿って上端部から下方に流れ落としながら、
    前記第一鋼材及び第二鋼材の前記溶接部を前記溶接部材によって下方から上方に移動させつつ溶接する
    ことを特徴とする鋼材溶接方法。
  5. 溶接部材を用いて第一鋼材に対して第二鋼材をT字状に溶接して結合する鋼材溶接方法において、
    前記溶接部材を用いた溶接時において前記第一鋼材における溶接部に対向する外面において前記溶接部に対応する位置に沿って上下方向に設置された複数のエア噴射ノズルからそれぞれ冷却用エアを同時に噴射させながら、
    前記第一鋼材及び第二鋼材の前記溶接部を前記溶接部材によって下方から上方に移動させつつ溶接する、
    ことを特徴とする鋼材溶接方法。
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