JP7217756B2 - 減衰力調整式緩衝器およびソレノイド - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両の振動を緩衝する減衰力調整式緩衝器およびソレノイドに関する。
一般に、車両に搭載されるセミアクティブサスペンション等の懸架装置は、車両の走行条件、挙動等に応じて減衰力を可変に調整するようにした減衰力調整式緩衝器を備えられている。また、減衰力調整式緩衝器には、減衰力を可変に調整する電磁比例アクチュエータとしてソレノイドを用いたものが知られている。例えば、特許文献1には、この種のソレノイドとして、通電により磁力を発生するコイルと、該コイルの内周側に配され磁性材料からなる第1,第2の固定鉄心(ステータコア)と、該第1,第2の固定鉄心の間を軸方向で繋ぐ非磁性部材と、第1,第2の固定鉄心および非磁性部材の内周側に配され軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心(プランジャ)とにより構成したものが記載されている。
また、特許文献2には、第1,第2の固定鉄心の間に非磁性部材を接合するのに、ろう付け手段を用いたものが記載されている。この場合、例えば第2の固定鉄心と非磁性部材とをろう付けで接合した後に、その内周面を切削加工することにより段差のない面一となるよう形成している。これにより、可動鉄心の摺動性を高めるようにしている。さらに、特許文献3には、第1,第2の固定鉄心の間に磁路断面積を部分的に小さくする薄肉部を設ける構成としたものが記載されている。これにより、第1,第2の固定鉄心の間で、可動鉄心を通る磁束密度を高め、ソレノイドとしての性能を向上させるようにしている。
特開2014-73018号公報 特開2009-127692号公報 特開2017-118124号公報
ところで、上記特許文献に示されたソレノイドでは、第1,第2の固定鉄心との間に非磁性部材を接合し、非磁性部材により可動鉄心に対する磁気回路の磁束密度を高めるようにしている。しかし、非磁性部材は、接合後に機械加工(例えば、内周面を切削加工)を行うと、加工ひずみで磁気的な特性が変化し、非磁性部材が磁化され易くなるという問題がある。また、第1,第2の固定鉄心の間に磁路断面積を部分的に小さくする薄肉部を設ける構成とした場合は、薄肉部により固定鉄心全体の機械的強度が低下し、耐久性、寿命が低下するという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、非磁性部材の特性を保つことができ、第1,第2の固定鉄心の間で可動鉄心に対する磁束密度を高く維持することができるようにした減衰力調整式緩衝器およびソレノイドを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の一実施形態は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備えてなる減衰力調整式緩衝器であって、前記ソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であり、前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴としている。
また、本発明の一実施形態に係るソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であり、前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴としている。
さらに、本発明の一実施形態は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備えてなる減衰力調整式緩衝器であって、前記ソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、該非磁性部材の内径を画定する内径部は、ろう付け後、機械加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴としている。
本発明の一実施形態によれば、非磁性部材の特性が熱影響等で変化するのを抑えることができ、第1,第2の固定鉄心の間で可動鉄心を通る磁束密度を高く維持することができる。
本発明の実施の形態によるソレノイドが設けられた減衰力調整式油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の減衰力調整バルブとソレノイドとを拡大して示す断面図である。 図2中の減衰力調整バルブを取外して、ソレノイドを拡大して示す断面図である。 図3中のソレノイドのうち第1,第2のステータコアおよび非磁性リングを予備組立てした状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態による減衰力調整式緩衝器およびソレノイドを、減衰力調整式油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げ、図1ないし図4を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、減衰力調整式油圧緩衝器1(以下、油圧緩衝器1という)には、後述のソレノイド33が設けられている。この油圧緩衝器1は、外筒2、内筒4、ピストン5、ピストンロッド8、ロッドガイド9および減衰力調整装置17等を含んで構成されている。なお、以下の説明では、例えば外筒2、内筒4の軸方向一側を、下側、下部側または下端側とし、軸方向の他側を、上側、上部側または上端側として説明するものとする。
油圧緩衝器1の外殻をなす有底筒状の外筒2は、下端側がボトムキャップ3により閉塞され、外筒2の上端側は、径方向内側に屈曲されたかしめ部2Aとなっている。かしめ部2Aと内筒4との間には、ロッドガイド9とシール部材10が設けられている。一方、外筒2の下部側には、後述する中間筒12の接続口12Cと同心に開口2Bが形成され、該開口2Bと対向して後述する減衰力調整装置17が取付けられている。また、ボトムキャップ3には、例えば車両の車輪側に取付けられる取付アイ3Aが設けられている。
外筒2内には、該外筒2と同軸上に内筒4が設けられている。この内筒4は、下端側がボトムバルブ13に嵌合して取付けられ、上端側はロッドガイド9に嵌合して取付けられている。内筒4内には、作動流体としての作動液体が封入されている。作動液体としては油液、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等でもよい。
内筒4と外筒2との間には、環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記油液と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。また、内筒4の長さ方向(軸方向)の途中位置には、ロッド側油室Bを環状油室Dに常時連通させる油穴4Aが径方向に穿設されている。
ピストン5は、内筒4内に摺動可能に挿嵌されている。ピストン5は、内筒4内をロッド側室(ロッド側油室B)とボトム側室(ボトム側油室C)とに画成している。ピストン5には、ロッド側油室Bとボトム側油室Cとを連通可能とする油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
ここで、ピストン5の下端面には、伸長側のディスクバルブ6が設けられている。この伸長側のディスクバルブ6は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに、ロッド側油室B内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路5Aを介してボトム側油室C側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
ピストン5の上端面には、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する縮み側逆止弁7が設けられている。この逆止弁7は、ボトム側油室C内の油液がロッド側油室Bに向けて各油路5B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁7の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧に設定され、逆止弁7は実質的に減衰力を発生しない。この実質的に減衰力を発生しないとは、ピストン5やシール部材10のフリクション以下の力であり、車の運動に対し影響しないものである。
ピストンロッド8は、内筒4内を軸方向(上,下方向)に延びている。ピストンロッド8の下端側は、内筒4内に挿入され、ナット8A等によりピストン5に固着して設けられている。また、ピストンロッド8の上端側は、ロッドガイド9を介して外筒2および内筒4の外部へ延びるように突出している。
内筒4の上端側には、段付円筒状のロッドガイド9が設けられている。ロッドガイド9は、内筒4の上側部分を外筒2の中央に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド8を軸方向に摺動可能にガイドしている。また、ロッドガイド9と外筒2のかしめ部2Aとの間には、環状のシール部材10が設けられている。シール部材10は、中心にピストンロッド8が挿通される環状の金属板にゴム等の弾性材料を焼き付けたもので、内周がピストンロッド8の外周面に摺接することによりピストンロッド8との間をシールする。
また、シール部材10には、下面側にロッドガイド9と接触するように延びるチェック弁としてのリップシール10Aが形成されている。リップシール10Aは、油溜め室11とリザーバ室Aとの間に配置され、油溜め室11内の油液等がロッドガイド9の戻し通路9Aを介してリザーバ室A側に向け流通するのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。
外筒2と内筒4との間には、筒体からなる中間筒12が配設されている。この中間筒12は、例えば内筒4の外周側に上,下の筒状シール12A,12Bを介して取付けられている。中間筒12は、内筒4の外周側を全周にわたって取囲むように延びた環状油室Dを内部に形成し、環状油室Dはリザーバ室Aとは独立した油室となっている。環状油室Dは、内筒4に形成した径方向の油穴4Aによりロッド側油室Bと常時連通している。環状油室Dは、ピストンロッド8の移動によって作動液体の流れが生じる流路となっている。また、中間筒12の下端側には、後述する減衰力調整バルブ18の筒形ホルダ20が取付けられる接続口12Cが設けられている。
ボトムバルブ13は、内筒4の下端側に位置してボトムキャップ3と内筒4との間に設けられている。ボトムバルブ13は、ボトムキャップ3と内筒4との間でリザーバ室Aとボトム側油室Cとを画成するバルブボディ14と、バルブボディ14の下面側に設けられた縮小側のディスクバルブ15と、バルブボディ14の上面側に設けられた伸び側逆止弁16とにより構成されている。バルブボディ14には、リザーバ室Aとボトム側油室Cとを連通可能する油路14A,14Bがそれぞれ周方向に間隔をあけて形成されている。
縮小側のディスクバルブ15は、ピストンロッド8の縮小行程でピストン5が下向きに摺動変位するときに、ボトム側油室C内の圧力がリリーフ設定圧を越えると開弁し、このときの圧力を各油路14Aを介してリザーバ室A側にリリーフする。このリリーフ設定圧は、後述の減衰力調整装置17がハードに設定されたときの開弁圧より高い圧に設定される。
伸び側逆止弁16は、ピストンロッド8の伸長行程でピストン5が上向きに摺動変位するときに開弁し、これ以外のときには閉弁する。この伸び側逆止弁16は、リザーバ室A内の油液がボトム側油室Cに向けて各油路14B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。伸び側逆止弁16の開弁圧は、後述の減衰力調整装置17がソフトに設定されたときの開弁圧より低い圧力に設定され、実質的に減衰力を発生しない。
次に、油圧緩衝器1の発生減衰力を可変に調整するための減衰力調整装置17について、図1に加えて図2を参照して説明する。なお、図2の減衰力調整装置17は、ソレノイド33のコイル34Aへの通電(例えば、ハードな減衰力を発生させる制御)を外部から行うことにより、プランジャ48(作動ピン49)が図2の左側(即ち、パイロット弁体32がパイロットボディ26の弁座部26Eに着座する閉弁方向)に移動した状態を示している。
図1にも示すように、減衰力調整装置17は、その基端側(図1の左端側)がリザーバ室Aと環状油室Dとの間に介在して配置され、先端側(図1の右端側)が外筒2の下部側から径方向外向きに突出するように設けられている。減衰力調整装置17は、環状油室Dからリザーバ室Aへの油液の流通を可変に制御することによりハードまたはソフトな特性の減衰力を発生させる減衰力調整バルブ18と、該減衰力調整バルブ18の開閉動作を調整する後述のソレノイド33とを含んで構成されている。
即ち、減衰力調整バルブ18の開弁圧は、減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイド33により調整され、これによって、発生減衰力はハードまたはソフトな特性に可変に制御される。減衰力調整バルブ18は、ソレノイド33によって開閉動作が調整されるバルブであり、前記ピストンロッド8の移動によって作動流体の流れが生じる流路(例えば、環状油室Dとリザーバ室Aとの間)に設けられている。
ここで、減衰力調整バルブ18は、その基端側が外筒2の開口2Bの周囲に固着され先端側が外筒2から径方向外向に突出するように設けられた略円筒状のバルブケース19と、基端側が中間筒12の接続口12Cに固定されると共に先端側が環状のフランジ部20Aとなってバルブケース19の内側に隙間をもって配設された筒形ホルダ20と、該筒形ホルダ20のフランジ部20Aに当接するバルブ部材21等とを含んで構成されている。
バルブケース19の基端側は、径方向内側に向けて延びる環状の内側フランジ部19Aとなり、バルブケース19の先端側は、該バルブケース19と後述するソレノイド33のカバー部材51とを結合する結合リング52が螺着される雄ねじ部19Bとなっている。バルブケース19の内周面とバルブ部材21の外周面との間、さらに、バルブケース19の内周面とパイロットボディ26等の外周面との間は、リザーバ室Aに常時連通する環状の油室19Cとなっている。
筒形ホルダ20の内側は、一方側が環状油室Dに連通し、他方側がバルブ部材21の位置まで延びる油路20Bとなっている。また、筒形ホルダ20のフランジ部20Aとバルブケース19の内側フランジ部19Aとの間には、円環状のスペーサ22が挟持状態で設けられている。このスペーサ22には、油室19Cとリザーバ室Aとを連通するため径方向の油路となる切欠き22Aが、放射状に延びて複数個設けられている。なお、本実施の形態では、スペーサ22に油路を形成するための切欠き22Aを設ける構成とした。しかし、バルブケース19の内側フランジ部19Aには、油路を形成するための切欠きを放射状に設ける構成としてもよい。このように構成した場合は、スペーサ22を省略して部品数を減らすことができる。
バルブ部材21には、径方向の中心に位置して軸方向に延びる中心孔21Aが設けられている。また、バルブ部材21には、中心孔21Aの周囲に周方向に離間して複数の油路21Bが設けられ、これら各油路21Bは、その一方側(図1および図2の左側)が筒形ホルダ20の油路20Bと常時連通している。また、バルブ部材21の他方側(図1および図2の右側)の端面には、油路21Bの他側開口を取囲むように形成された環状凹部21Cと、該環状凹部21Cの径方向外側に位置して後述するメインバルブ23が離着座する環状弁座21Dとが設けられている。ここで、バルブ部材21の各油路21Bは、環状油室Dに連通した筒形ホルダ20の油路20Bと、リザーバ室Aに連通したバルブケース19の油室19Cとの間で、メインバルブ23の開度に応じた流量の圧油が流通する流路となる。
メインバルブ23は、その内周側がバルブ部材21とパイロットピン24の大径部24Aとの間に挟持されたディスクバルブにより構成されている。メインバルブ23は、その外周側がバルブ部材21の環状弁座21Dに離着座する。メインバルブ23の外周部には、その背面側に弾性シール部材23Aが焼付け等の手段で固着されている。メインバルブ23は、バルブ部材21の油路21B側(環状油室D側)の圧力を受けて環状弁座21Dから離座することにより開弁する。これにより、バルブ部材21の油路21B(環状油室D側)は、油室19C(リザーバ室A側)にメインバルブ23を介して連通され、このときの圧油流量は、メインバルブ23の開度に応じて可変に調整される。
パイロットピン24は段付円筒状に形成され、その軸方向中間部には環状の大径部24Aが設けられている。パイロットピン24は、その内周側に軸方向に延びる中心孔24Bを有し、中心孔24Bの一端部(筒形ホルダ20側の端部)には小径孔(オリフィス24C)が形成されている。パイロットピン24は、一端側(図1および図2の左端側)がバルブ部材21の中心孔21Aに圧入され、大径部24Aとバルブ部材21との間でメインバルブ23を挟持している。パイロットピン24の他端側(図1および図2の右端側)は、パイロットボディ26の中心孔26Cに嵌合している。この状態で、パイロットボディ26の中心孔26Cとパイロットピン24の他端側との間には、軸方向に延びる油路25が形成されている。この油路25は、メインバルブ23とパイロットボディ26との間に形成される背圧室27に連通している。言い換えると、パイロットピン24の他端側の側面には、軸方向に延びる油路25が周方向に複数設けられ、その他の周方向位置は、パイロットボディ26の中心孔26Cに圧入されている。
パイロットボディ26は、内側に段付き穴が形成された円筒部26Aと、該円筒部26Aを塞ぐ底部26Bとを有する略有底筒状体として形成されている。パイロットボディ26の底部26Bには、パイロットピン24の他端側が嵌合される中心孔26Cが設けられている。パイロットボディ26の底部26Bの外周側には、その全周にわたってバルブ部材21側(即ち、図1および図2の左側)へと延びる突出筒部26Dが一体に設けられている。この突出筒部26Dの内周面には、メインバルブ23の弾性シール部材23Aが液密に嵌合し、これにより、メインバルブ23とパイロットボディ26との間には背圧室27が形成されている。この背圧室27は、メインバルブ23に対して閉弁方向、即ち、メインバルブ23をバルブ部材21の環状弁座21Dに着座させる方向に押圧する圧力を発生させる。
パイロットボディ26の底部26Bには、その他端側(図1および図2の右端側)に位置して後述のパイロット弁体32が離着座する弁座部26Eが、中心孔26Cを囲むように設けられている。また、パイロットボディ26の円筒部26Aの内側には、パイロット弁体32をパイロットボディ26の弁座部26Eから離れる方向に付勢するリターンばね28、後述のソレノイド33が非通電状態のとき(パイロット弁体32が弁座部26Eから最も離れたとき)のフェールセーフバルブを構成するディスクバルブ29、中心側に油路30Aが形成された保持プレート30等が配設されている。
パイロットボディ26の円筒部26Aの開口端には、該円筒部26Aの内側にリターンばね28、ディスクバルブ29、保持プレート30等を配設した状態でキャップ31が嵌合し固定されている。このキャップ31には、例えば周方向で離間した4箇所の位置に切欠き31Aが形成されている。これらの切欠き31Aは、保持プレート30の油路30Aを通じてソレノイド33側に流れた油液を、図2に示す矢印Xの方向で油室19C(リザーバ室A側)に流通させる流路となっている。
パイロット弁体32は、パイロットボディ26と共にパイロットバルブを構成する。パイロット弁体32は、段付円筒状に形成され、パイロットボディ26の弁座部26Eに離着座する先端部は、先細りのテーパ部となっている。パイロット弁体32の内側には、後述するソレノイド33の作動ピン49が嵌合状態で固定され、該ソレノイド33への通電に応じて、パイロット弁体32の開弁圧が調節される構成となっている。パイロット弁体32の基端側には、ばね受となるフランジ部32Aが全周にわたって形成されている。このフランジ部32Aは、ソレノイド33が非通電状態のとき(即ち、パイロット弁体32が弁座部26Eから最も離間する全開位置まで変位したとき)にディスクバルブ29と当接し、パイロット弁体32がこれ以上に開弁するのを規制するものである。
次に、減衰力調整バルブ18と共に減衰力調整装置17を構成するソレノイド33について、図2、図3および図4を参照して説明する。
ソレノイド33は、減衰力調整バルブ18の開閉動作を調整するため減衰力調整式緩衝器に用いられる。即ち、減衰力調整装置17の減衰力可変アクチュエータとして用いられるソレノイド33は、モールドコイル34、第1のステータコア36、コア蓋体37、第2のステータコア40、非磁性リング44、プランジャ48、作動ピン49およびカバー部材51等により構成されている。
モールドコイル34は、コイルボビンの周囲に巻回したコイル34Aを熱硬化性樹脂等の樹脂部材34Bで一体的に覆う(モールド成形する)ことにより略円筒状に形成されている。モールドコイル34の周方向の一部は、軸方向または径方向外側に突出したケーブル取出部(図示せず)となり、このケーブル取出部に電線ケーブル(図示せず)が接続されている。コイル34Aは、外部からのケーブルを通じた電力供給(通電)により、電磁石となって磁力を発生するものである。
モールドコイル34の樹脂部材34Bのうち、後述のカバー部材51(プレート51B)と対向する側面(軸方向端面)には、シール溝34Cが全周にわたって形成されている。このシール溝34C内には、シール部材(例えば、Oリング35)が装着されている。このOリング35は、モールドコイル34とカバー部材51(プレート51B)との間を液密にシールする。これにより、雨水や泥水を含むダストがカバー部材51とモールドコイル34との間を介して第1,第2のステータコア36,40側に侵入するのを防止することができる。
なお、本発明で採用するコイルは、コイル34Aと樹脂部材34Bとからなるモールドコイル34に限るものではなく、これ以外のコイルを採用してもよい。例えば、電気絶縁性材料からなるコイルボビンにコイルを巻回した状態で、この上(外周側)から樹脂材料をモールドしたオーバモールド(図示せず)により前記コイルの外周を覆う構成であってもよい。
第1のステータコア36は、モールドコイル34(コイル34A)の内周側に設けられた第1の固定鉄心を構成している。第1のステータコア36は、例えば低炭素鋼、機械構造用炭素鋼(S10C)等の磁性材料により円筒状の筒体として形成されている。第1のステータコア36には、その軸方向一側(図3、図4の左側)に接合用の小径筒部36Aが形成され、この小径筒部36Aには、後述の非磁性リング44がろう付け部45により接合される。第1のステータコア36は、その内径寸法が後述するプランジャ48の外径寸法よりも僅かに大きく形成され、プランジャ48は、第1のステータコア36内を軸方向に移動可能となっている。
第1のステータコア36の軸方向他側(図3、図4の右側)には、有底筒状のコア蓋体37が嵌合して設けられている。このコア蓋体37は、第1のステータコア36と同様な磁性材料により有底筒状に形成され、第1のステータコア36を軸方向他側(図2、図3の左側)から閉塞している。コア蓋体37の内側には有底の段付穴37Aが形成され、この段付穴37Aには、後述の作動ピン49を摺動可能に支持するための第1のブッシュ38が設けられている。コア蓋体37の外周側には、第1のステータコア36の内周との間にシール溝37B(図3参照)が全周にわたって設けられている。このシール溝37Bには、シール部材としてのOリング39が装着され、該Oリング39により第1のステータコア36とコア蓋体37との間が液密に封止されている。
また、コア蓋体37は、その底部の端面が後述するカバー部材51のプレート51Bに対し軸方向の隙間をもって対向配置されている。この軸方向の隙間は、カバー部材51のプレート51B側からコア蓋体37を介して軸方向の力が第1のステータコア36に直接加わるのを防ぐ機能を有している。なお、コア蓋体37は、必ずしも磁性材料で形成する必要はなく、剛性をもった金属材料、セラミックス材料または繊維強化樹脂材料により形成することも可能である。
第2のステータコア40は、第1のステータコア36から軸方向一側に離間してモールドコイル34(コイル34A)の内周側に設けられた第2の固定鉄心を構成している。第2のステータコア40は、第1のステータコア36(第1の固定鉄心)と同様に低炭素鋼、機械構造用炭素鋼(S10C)等の磁性材料により段付筒状に形成されている。第2のステータコア40は、内周側が後述の段付穴40Fとなった円筒状の筒部40Aと、該筒部40Aの軸方向一側の外周から径方向外向きに全周にわたって延びた環状部40Bと、該環状部40Bの外周側から軸方向一側(減衰力調整バルブ18側)に向けて突出する筒状の嵌合部40Cとを含んだ一体物として形成されている。
第2のステータコア40の筒部40Aには、後述のプランジャ48と軸方向で対向する他側面に円形の凹窪部40Dが凹設されている。この凹窪部40Dは、その内側に後述のプランジャ48が磁力により進入,退出可能に挿入されるように、プランジャ48よりも僅かに大径な円形溝として形成されている。また、筒部40Aの他側には、凹窪部40Dの周囲(外周)を取り囲むように円錐状突部40Eが設けられている。この円錐状突部40Eは、第2のステータコア40の筒部40Aとプランジャ48との間で磁気特性がリニア(直線的)な特性となるように、その外周面が円錐面として形成されている。即ち、円錐状突部40Eは、第2のステータコア40の筒部40Aの外周側から軸方向他側に向けて筒状に突出し、その外周面が軸方向の一側から他側(図3、図4に示す凹窪部40Dの左側から右側)に向って外径寸法が漸次小さくなるようにテーパ状に傾斜したコニカル面となっている。
また、筒部40Aの内周側には、図3、図4に示すように段付穴40Fが形成され、この段付穴40Fには、後述の作動ピン49を摺動可能に支持するための第2のブッシュ41が嵌合して設けられている。一方、第2のステータコア40の環状部40Bには、モールドコイル34と対面する他側面にシール部材(例えば、Oリング42)が装着されるシール溝40Gが形成され、このOリング42は、モールドコイル34と環状部40Bとの間を液密にシールしている。
図2に示すように、嵌合部40Cの内周側には、減衰力調整バルブ18のキャップ31が嵌合(内嵌)される。また、嵌合部40Cの外周側には、減衰力調整バルブ18のバルブケース19が嵌合(外嵌)される。さらに、嵌合部40Cの外周面には、シール溝40Hが全周にわたって設けられている。このシール溝40Hには、シール部材としてのOリング43が装着され、該Oリング43により第2のステータコア40(嵌合部40C)と減衰力調整バルブ18のバルブケース19との間が液密に封止されている。
非磁性リング44は、第1,第2のステータコア36,40の間に位置してモールドコイル34(コイル34A)の内周側に設けられた非磁性部材である。非磁性リング44は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料により段付円筒体として形成されている。非磁性リング44は、軸方向中間の厚肉筒部44Aと、該厚肉筒部44Aの両端からそれぞれ軸方向に突出した第1,第2の嵌合筒部44B,44Cとにより構成されている。
ここで、非磁性リング44は、厚肉筒部44Aおよび嵌合筒部44B,44Cの外径寸法が等しい寸法となっている。しかし、厚肉筒部44Aは、図4に示すように、内径が最も小さい寸法D1に形成され、第1,第2の嵌合筒部44B,44Cは、厚肉筒部44A(寸法D1)よりも大きな内径寸法に形成されている。第1,第2の嵌合筒部44B,44Cは、厚肉筒部44Aと共に所望の同軸度を確保できるように、非磁性材料により所要の肉厚(径方向の厚み)をもって成形されている。
非磁性リング44の第1の嵌合筒部44Bは、第1のステータコア36の小径筒部36Aに外側から嵌合され、ろう付け部45により両者は接合されている。また、第2の嵌合筒部44Cは、第2のステータコア40の筒部40Aおよび円錐状突部40Eの外周側に嵌合され、両者はろう付け部46により接合される。ろう付け部45,46は、それぞれ純銅ろうからなるろう材を用いて、例えば1000℃以上のろう付け処理(純銅ろうの容体化処理)を行うことにより、非磁性リング44を第1,第2のステータコア36,40に対して接合している。ろう付け処理の後には急冷処理が行われる。
ろう付け部45,46は、例えば25~51μm程度の厚みをもって、非磁性リング44を第1,第2のステータコア36,40に対し接合している。この状態で、非磁性リング44の内径(即ち、厚肉筒部44Aの寸法D1)は、図4に示す通り、第1のステータコア36の内径よりも大きく、第2のステータコア40の内径(即ち、凹窪部40Dの径方向寸法)よりも大きくなるように形成されている。非磁性リング44の内径(即ち、厚肉筒部44Aの寸法D1)は、第1,第2の固定鉄心(第1,第2のステータコア36,40)の内径に比して大径である。なお、本実施の形態では、非磁性リング44の内径は、第1,第2の固定鉄心の内径に比して大径としたが、非磁性リング44の内径は、第1,第2の固定鉄心の内径に比して小径であってもよい。この非磁性リング44の内径を第1,第2の固定鉄心の内径に比して、小径または大径とするということは、言い換えれば、非磁性リング44を第1,第2の固定鉄心にろう付けした後に、内部を切削加工しないことを意味する(切削加工をしなければ、非磁性リング44、第1,第2の固定鉄心の内径には公差があり、量産品で内径が全て同じになることはあり得ない)。
第1のステータコア36の小径筒部36Aには、その外周側で非磁性リング44の第1の嵌合筒部44Bとの間に環状の隙間47が形成されている。この隙間47は、第1のステータコア36(小径筒部36A)と非磁性リング44(第1の嵌合筒部44B)との間に前記ろう材(純銅ろう)を加熱溶融状態で流し込むための導入路である。そして、この隙間47は、第1,第2のステータコア36,40と非磁性リング44との熱膨張差を吸収するための空隙として機能する。
なお、第2のステータコア40(筒部40A、円錐状突部40Eの外周面)と非磁性リング44(第2の嵌合筒部44C)との間にも、前記ろう付け部46のろう材(純銅ろう)を加熱溶融状態で流し込むための導入路が前記隙間47と同様に形成される。しかし、非磁性リング44は、第2の嵌合筒部44Cを第2のステータコア40(筒部40A、円錐状突部40Eの外周側)に接合するために前記ろう材(純銅ろう)を加熱溶融状態で流し込んだときには、両者間に軸方向の外力を加えて前記隙間を可能な限り無くすようにする。ところが、第1,第2のステータコア36,40と非磁性リング44との間には、素材(材料)の違いにより熱膨張差が発生する。
このため、第1のステータコア36の小径筒部36Aと非磁性リング44の第1の嵌合筒部44Bとの間には、軸方向の隙間47が全周にわたって延びるように形成されている。このように、非磁性リング44を第1,第2のステータコア36,40の間にろう付け部45,46で接合し、ろう付け後の急冷処理によって、両者の間に素材(材料)の違いによる熱膨張差が生じた場合でも、これに基づいた歪の発生を前記隙間47によって抑えることができる。非磁性部材としての非磁性リング44は、前記第1,第2のステータコア36,40(固定鉄心)の間に設けられ、第1,第2のステータコア36,40に対してろう付けにより一体的に固定される。
可動鉄心としてのプランジャ48は、第1,第2のステータコア36,40(第1,第2の固定鉄心)および非磁性リング44(非磁性部材)の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる。即ち、プランジャ48は、第1,第2のステータコア36,40および非磁性リング44の内周側に配され、コイル34Aに発生する磁力により第1,第2のブッシュ38,41および作動ピン49を介して軸方向へと移動可能に設けられている。プランジャ48は、その中心側を貫通して延びる作動ピン49に固定して設けられ、作動ピン49と一緒に移動する。作動ピン49は、第1のステータコア36側のコア蓋体37と第2のステータコア40とに第1,第2のブッシュ38,41を介して軸方向に摺動可能に支持されている。
ここで、プランジャ48は、例えば第1,第2のステータコア36,40と同様に、鉄系の磁性体により略円筒状に形成され、コイル34Aにより磁力を発生したときに、第2のステータコア40の凹窪部40D内に向けて吸着される方向の推力を発生するものである。また、プランジャ48には、周方向に離間して軸方向(前,後方向)に延びる複数の連通路48Aが形成されている。これらの連通路48Aは、作動ピン49と一緒にプランジャ48が軸方向に変位する間に、第1,第2のステータコア36,40内の油液が各連通路48A内をスムーズに流通し、プランジャ48に対する流動抵抗が発生するのを抑えるための流通路である。
作動ピン49は、プランジャ48の推力を減衰力調整バルブ18のパイロット弁体32に伝達する軸部で、中空ロッドにより形成されている。作動ピン49の軸方向中間部には、可動鉄心としてのプランジャ48が圧入等の手段を用いて一体的に固定され、これにより、プランジャ48と作動ピン49とはサブアッセンブリ化されている。作動ピン49の軸方向の両側は、第1のステータコア36側のコア蓋体37と第2のステータコア40(筒部40A)とに第1,第2のブッシュ38,41を介して摺動可能に支持されている。
作動ピン49の一端側(図2の左側端部)は、第2のステータコア40から突出すると共に、その突出端には、減衰力調整バルブ18のパイロット弁体32が固定されている。このため、パイロット弁体32は、プランジャ48および作動ピン49と一緒に軸方向へと一体的に移動する。換言すれば、パイロット弁体32の開弁設定圧は、コイル34Aへの通電に基づくプランジャ48の推力に対応した圧力値となる。プランジャ48は、コイル34Aからの磁力で軸方向に移動することにより、油圧緩衝器1のパイロットバルブ(即ち、パイロットボディ26に対するパイロット弁体32)の開閉弁を行う構成となっている。
背圧室50は、コア蓋体37と作動ピン49の他端(図2の右側端部)との間に形成された油室である。この背圧室50は、中空ロッド(作動ピン49)を介してパイロットピン24の中心孔24B側と連通している。このため、背圧室50には、パイロットボディ26の弁座部26Eに離着座するパイロット弁体32と同じ圧力が作用する。しかし、この圧力に対する受圧面積は、背圧室50内で作動ピン49の他端面が受圧する面積の方が、パイロット弁体32(作動ピン49の一端側)が弁座部26Eとの間で受圧する面積よりも小さくなっている。
これにより、プランジャ48から作動ピン49を介して減衰力調整バルブ18のパイロット弁体32に伝達すべき推力は、両者の受圧面積差分だけ減じることが可能となる。即ち、作動ピン49の他端側でコア蓋体37との間に背圧室50を形成することにより、プランジャ48から作動ピン49を介して減衰力調整バルブ18のパイロット弁体32に伝達すべき推力(例えば、モールドコイル34のコイル34Aにより発生すべき磁力)を小さくでき、ソレノイド33全体の小型、軽量化を図ることができる。
カバー部材51はコイル34Aの外周を覆う磁性体カバーである。このカバー部材51は、磁性材料(磁性体)を用いたヨークとして形成され、モールドコイル34(コイル34A)の外周側で磁気回路(磁路)を形成する。ここで、カバー部材51は、全体として有底筒状に形成されており、円筒状の筒状ケース51Aと、該筒状ケース51Aの他端側(図2、図3の右側端部)を閉塞するプレート51Bとにより大略構成されている。筒状ケース51Aには、前述したモールドコイル34のケーブル取出部をカバー部材51から露出させるための切欠き(図示せず)が設けられている。
ここで、カバー部材51のプレート51Bには、第1のステータコア36のコア蓋体37(その底部側)が挿嵌または収容される嵌合凹部51Cが設けられている。第1のステータコア36は、コア蓋体37の底部側が嵌合凹部51C内に嵌着されることにより、カバー部材51のプレート51Bとの間で磁束の受け渡しを行うことができる。
一方、カバー部材51の筒状ケース51Aの内周面は、モールドコイル34の外周面に対して隙間をもって対向している。この隙間は、カバー部材51に加わる径方向の力がモールドコイル34に直接加わるのを抑える構成となっている。また、第2のステータコア40の環状部40Bの外周面は、筒状ケース51Aの内周面に対して例えば軽圧入により当接しており、カバー部材51と第2のステータコア40(環状部40B)との間で磁束の受け渡しを行うことができる。
カバー部材51の開口側の端部(即ち、図2の左側に位置する筒状ケース51Aの軸方向一側の端部)には、他の部位よりも径方向外側に突出した係合凸部51Dが(全周にわたって、または、周方向に離間して複数個所に)設けられている。係合凸部51Dは、減衰力調整バルブ18のバルブケース19に螺着される結合リング52に係合されるものである。
結合リング52は、略円筒状に形成され、その内側には、バルブケース19の雄ねじ部19Bに螺合する雌ねじ部52Aと、内径寸法が筒状ケース51Aの係合凸部51Dの外径寸法よりも小さくなるように径方向内向きに延びた鍔状の係合部52Bとが設けられている。結合リング52は、鍔状の係合部52Bを筒状ケース51Aの係合凸部51Dに当接させた状態で、雌ねじ部52Aとバルブケース19の雄ねじ部19Bとを螺合することにより、減衰力調整バルブ18とソレノイド33とを一体的に結合する結合部材である。
本実施の形態によるソレノイド33および油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、油圧緩衝器1を自動車等の車両に実装するときには、例えばピストンロッド8の突出端(上端)側が車両の車体側に取付けられ、ボトムキャップ3に設けられた取付アイ3A側が車輪側に取付けられる。そして、減衰力調整装置17のソレノイド33は、車両の車体側に設けられた制御装置(コントローラ)に電気配線のケーブル(いずれも図示せず)等を介して接続される。
車両の走行時には、路面の凹凸等により、上,下方向の振動が発生すると、ピストンロッド8が外筒2から伸長、縮小するように変位し、減衰力調整装置17等により減衰力を発生することができ、車両の振動を緩衝することができる。このとき、前記コントローラは、ソレノイド33のコイル34Aに通電する制御信号の電流値を変化させ、パイロット弁体32の開弁圧を調整することにより、油圧緩衝器1の発生減衰力を可変に制御することができる。
ここで、ソレノイド33のコイル34Aにより発生する磁力(磁束)は、第1のステータコア36から非磁性部材である非磁性リング44を避けるように可動鉄心(プランジャ48)側を通り、プランジャ48から第2のステータコア40(即ち、円錐状突部40E、筒部40A、環状部40Bおよび嵌合部40C)を通って、さらに、カバー部材51の筒状ケース51A、プレート51Bを通り、第1のステータコア36へと戻るように磁気回路を構成する。
この場合の磁気回路は、微小隙間を介して対向するプランジャ48と第1のステータコア36との間、同じくプランジャ48と第2のステータコア40との間の磁束の受け渡し以外は、全て当接部(即ち、磁性体同士が面接触した部位)により磁束の受け渡しを行うことができる。このため、ソレノイド33の磁気回路は、高い磁気効率を確保することができる。
ところで、ソレノイド33の主要部を構成する第1のステータコア36と第2のステータコア40との間には、モールドコイル34(コイル34A)の内周側に位置して非磁性部材である非磁性リング44が設けられている。この非磁性リング44は、可動鉄心(プランジャ48)に対する磁気回路の磁束密度を高めるように、第1,第2の固定鉄心(第1,第2のステータコア36,40)との間にろう付け部45,46により接合されている。しかし、非磁性部材(非磁性リング44)は、接合後に機械加工(例えば、内周面を切削加工)を行うと、このときの加工ひずみで磁気的な特性が変化し、非磁性部材が磁化され易くなるという問題がある。
そこで、本実施の形態では、例えばオーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料からなる非磁性リング44を、軸方向中間の厚肉筒部44Aと、該厚肉筒部44Aの両端からそれぞれ軸方向に突出した第1,第2の嵌合筒部44B,44Cとにより、段付円筒状の一体物として形成している。そして、非磁性リング44は内径の寸法D1が、第1,第2のステータコア36,40の内径と比して大径となっている。
即ち、非磁性リング44は、第1のステータコア36と第2のステータコア40との間にろう付け部45,46により接合した状態で、非磁性リング44の内径(即ち、厚肉筒部44Aの寸法D1)は、図4に示す通り、第1のステータコア36の内径よりも大きく、第2のステータコア40の内径(即ち、凹窪部40Dの径方向寸法)よりも大きくなるように形成されている。
このため、第1,第2のステータコア36,40(第1,第2の固定鉄心)および非磁性リング44(非磁性部材)の内周側には、可動鉄心としてのプランジャ48を軸方向に移動可能に配設することができる。即ち、プランジャ48を非磁性リング44の内側に隙間をもって配設できるので、非磁性リング44には、第1,第2のステータコア36,40に対する接合後に機械加工(例えば、内周面を切削加工)を行う必要がなくなり、非磁性リング44の磁気的な特性が熱影響やひずみ等で変化することもなくなる。
この場合、非磁性リング44は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる非磁性部材であり、この非磁性リング44を第1のステータコア36と第2のステータコア40との間にろう付け部45,46により接合するときには、純銅ろう(ろう材)等を用いてろう付けを行う構成としている。即ち、オーステナイト系ステンレス鋼は、例えば1000℃以上で熱処理する固溶化熱処理を行うことにより、加工誘起マルテンサイトが除去され、結晶構造が非磁性材として理想的な面心立方構造に再び戻すことができる。
一般に、非磁性材のオーステナイト系ステンレス鋼部品を深絞りや切削加工することで歪みが生じると、当該材料は加工誘起マルテンサイトを生成し、一部の結晶構造が非磁性材として理想的な面心立方構造ではなく、体心立方構造に変態してしまい、非磁性材が磁化され易い特性が生じてしまう。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼の加工誘起マルテンサイトは、1000℃以上で熱処理することにより除去され、再び理想的な面心立方構造に戻る。この処理を固溶化熱処理という。
そこで、本実施の形態では、ろう付け温度が1000℃以上となるろう材として純銅ろうを選定し、ろう付けと固溶化熱処理を兼ねる処理をろう付け部45,46で行うことにより、第1,第2のステータコア36,40間に接合された非磁性リング44は、結晶構造が非磁性材として理想的な面心立方構造に戻すことが可能となる。しかも、非磁性リング44は、第1,第2のステータコア36,40の間に圧入して突き合せられているため、ろう付け時の高温による熱変形が抑制され、ろう付け後に形状補正を目的とした切削加工を行う必要がなくなり、所望の寸法、形状を保つことができる。なお、ろう材は、ろう付け温度が1000℃以上になるものであれば、純銅ろう以外であってもよい。例えば、黄銅ろう、ニッケルろう、金ろう、パラジウムろう等でもよい。
かくして、本実施の形態によれば、非磁性リング44(非磁性部材)の特性が熱影響やひずみ等で変化するのを抑えることができ、第1,第2のステータコア36,40の間で非磁性リング44(非磁性部材)を通る磁束密度を高く維持することができる。そして、ソレノイド33の磁気回路は、微小隙間を介して対向するプランジャ48と第1のステータコア36との間、同じくプランジャ48と第2のステータコア40との間の磁束の受け渡し以外は、全て磁性体同士を面接触させた状態で磁束の受け渡しを行うことができるため、ソレノイド33の磁気回路は、高い磁気効率を確保することができる。
しかも、非磁性リング44の第1の嵌合筒部44Bは、第1のステータコア36の小径筒部36Aに外側から嵌合され、ろう付け部45により両者は接合されている。また、第2の嵌合筒部44Cは、第2のステータコア40の筒部40Aおよび円錐状突部40Eの外周側に嵌合され、両者はろう付け部46により接合されている。そして、ろう付け部45,46は、それぞれ純銅ろうからなるろう材を用いて、例えば1000℃以上のろう付け処理を行うことにより、非磁性リング44を第1,第2のステータコア36,40に対して接合し、ろう付け処理の後には急冷処理が行われる。
このように、本実施の形態では、第1,第2のステータコア36,40と非磁性リング44とを上述の如き構成とし、ろう付け部45,46は純銅ろう(ろう材)を用いて、例えば1000℃以上のろう付け処理を行うことにより、第1,第2のステータコア36,40と非磁性リング44との3部材は、同軸度を満足する形状として互いに接合することができ、内側の圧油に対する耐圧強度も確保することができる。
従って、本実施の形態で採用したソレノイド33は、減衰力調整バルブ18の開閉動作を調整するためセミアク(減衰力調整式緩衝器)に用いられるソレノイド33において、固定鉄心(第1,第2のステータコア36,40)と可動鉄心(プランジャ48)との間に磁路を形成するのを目的とした非磁性部を設ける手段として、磁性部材(第1,第2のステータコア36,40)の間に非磁性部材(非磁性リング44)をろう付け部45,46により接合することは、減衰力調整バルブ18の高耐圧に対応できるようにする上で、最適な方法を提供することができる。
即ち、第1,第2のステータコア36,40の間に非磁性リング44を接合するときのろう付け温度を、上述の如く1000℃以上とすることで、固溶化熱処理を兼ね、切削加工で生じた加工誘起マルテンサイト(体心立方構造)を除去でき、磁気特性として理想的な面心立方構造の金属組織を得ることができる。そして、ろう付け後の形状補正を目的とした切削加工は行わないため、加工誘起マルテンサイトを生じさせずに、非磁性材として理想的な金属組織が維持され、ろう付け処理での熱変形を抑制させる構造とすることができる。
これにより、非磁性部としての非磁性リング44が理想的な金属組織となり、優れた磁気特性を得ることが可能となり、ソレノイド33としての推力向上、推力波形の適正化を図ることができる。しかも、ソレノイド33を製作、製造する上での工程数が減り、作業性、生産性の向上化が可能となる。
なお、前記実施の形態では、第2のステータコア40を、円筒状の筒部40Aと環状部40Bと軸方向一側に突出する筒状の嵌合部40Cとを備える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば円筒状の筒部40Aと環状部40Bとにより第2の固定鉄心(即ち、第2のステータコア)を構成し、軸方向一側に突出する筒状の嵌合部を省略、廃止する構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、カバー部材51をヨークとして磁性体により構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば非磁性体によりカバー部材を構成し、ヨークのないコイル開放型のソレノイドとしてもよい。さらに、前記実施の形態では、ソレノイド33を比例ソレノイドとして構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、ON/OFF式のソレノイドとして構成してもよい。
次に、上記実施の形態に含まれる発明について述べる。即ち、本発明の第1の態様としては、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備えてなる減衰力調整式緩衝器であって、前記ソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であることを特徴としている。
本発明の第2の態様による減衰力調整式緩衝器は、前記第1の態様において、前記非磁性部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる部材である。また、本発明の第3の態様による減衰力調整式緩衝器は、前記第1または第2の態様において、前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けしている。本発明の第4の態様による減衰力調整式緩衝器は、前記第3の態様において、前記非磁性部材は、純銅ろうからなるろう材を用いて前記ろう付けしている。
本発明の第5の態様によるソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であることを特徴としている。
本発明の第6の態様によるソレノイドは、前記第5の態様において、前記非磁性部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる部材である。本発明の第7の態様によるソレノイドは、前記第5または第6の態様において、前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けしている。本発明の第8の態様によるソレノイドは、前記第7の態様において、前記非磁性部材は、純銅ろうからなるろう材を用いて前記ろう付けしている。本発明の第9の態様によるソレノイドは、前記第5乃至第8の態様の何れかにおいて、前記第1,第2の固定鉄心の内径を画定する内径部と、前記非磁性部材の内径を画定する内径部とは、ろう付け後に、切削加工されていないことを特徴としている。
本発明の第10の態様は、作動流体が封入されるシリンダと、前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備えてなる減衰力調整式緩衝器であって、前記ソレノイドは、通電により磁力を発生するコイルと、前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、前記可動鉄心の内周側に設けられる軸部と、前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、前記非磁性部材の内径を画定する内径部は、ろう付け後、機械加工を行わないことを特徴としている。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本願は、2018年12月25日付出願の日本国特許出願第2018-241220号に基づく優先権を主張する。2018年12月25日付出願の日本国特許出願第2018-241220号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
1 油圧緩衝器(減衰力調整式緩衝器) 4 内筒(シリンダ) 5 ピストン 8 ピストンロッド 17 減衰力調整装置 18 減衰力調整バルブ 32 パイロット弁体(弁体) 33 ソレノイド 34 モールドコイル 34A コイル 36 第1のステータコア(第1の固定鉄心) 37 コア蓋体 38 第1のブッシュ 40 第2のステータコア(第2の固定鉄心) 40A 筒部 41 第2のブッシュ 44 非磁性リング(非磁性部材) 45、46 ろう付け部 48 プランジャ(可動鉄心) 49 作動ピン(軸部) A リザーバ室 B ロッド側油室(ロッド側室) C ボトム側油室(ボトム側室) D 環状油室(流路) D1 寸法(非磁性部材の内径)

Claims (8)

  1. 減衰力調整式緩衝器であって、該減衰力調整式緩衝器は、
    作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、
    前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備え、
    前記ソレノイドは、
    通電により磁力を発生するコイルと、
    前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、
    前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、
    前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、
    前記可動鉄心に設けられる軸部と、
    前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、
    前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、
    前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であり、
    前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
  2. 請求項1に記載の減衰力調整式緩衝器において、
    前記非磁性部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる部材である減衰力調整式緩衝器。
  3. 請求項1または2に記載の減衰力調整式緩衝器において、
    前記非磁性部材は、純銅ろうからなるろう材を用いて前記ろう付けしてなる減衰力調整式緩衝器。
  4. 通電により磁力を発生するコイルと、
    前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、
    前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、
    前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、
    前記可動鉄心に設けられる軸部と、
    前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、
    前記第1,第2の固定鉄心の内径と比して、前記非磁性部材の内径は大径または小径であり、
    前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴とするソレノイド。
  5. 請求項4に記載のソレノイドにおいて、
    前記非磁性部材は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる部材であるソレノイド。
  6. 請求項4または5に記載のソレノイドにおいて、
    前記非磁性部材は、純銅ろうからなるろう材を用いて前記ろう付けしてなるソレノイド。
  7. 請求項4乃至6の何れか1項に記載のソレノイドにおいて、
    前記第1,第2の固定鉄心の内径を画定する内径部と、前記非磁性部材の内径を画定する内径部とは、ろう付け後に切削加工されていないことを特徴とするソレノイド。
  8. 減衰力調整式緩衝器であって、該減衰力調整式緩衝器は、
    作動流体が封入されるシリンダと、
    前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、
    前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延びるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの移動によって前記作動流体の流れが生じる流路と、
    前記流路に設けられソレノイドによって開閉動作が調整される減衰力調整バルブと、を備え、
    前記ソレノイドは、
    通電により磁力を発生するコイルと、
    前記コイルの内周側に設けられる第1,第2の固定鉄心と、
    前記第1,第2の固定鉄心の間に設けられ、前記第1,第2の固定鉄心に対してろう付けにより一体的に固定される非磁性部材と、
    前記第1,第2の固定鉄心および前記非磁性部材の内周側に配され、軸方向へ移動可能に設けられる可動鉄心と、
    前記可動鉄心の内周側に設けられる軸部と、
    前記軸部を支持する第1,第2のブッシュと、を備え、
    前記軸部の前記第2の固定鉄心側の端部には、前記減衰力調整バルブの弁体が設けられ、
    前記非磁性部材は、ろう付け温度が1000度以上となるろう材を用いて前記ろう付けされることで温度を1000度以上に加熱し、該ろう付け処理の後には急冷処理が行われることにより該ろう付け前と比較して加工誘起マルテンサイトを除去し、該急冷処理後、該非磁性部材の内径を画定する内径部は、ろう付け後、機械加工を行わないことにより、加工した場合と比較して磁化され易くなるのを抑制することを特徴とする減衰力調整式緩衝器。
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