JPH1177294A - 減圧ロウ付け方法 - Google Patents

減圧ロウ付け方法

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JPH1177294A
JPH1177294A JP23255097A JP23255097A JPH1177294A JP H1177294 A JPH1177294 A JP H1177294A JP 23255097 A JP23255097 A JP 23255097A JP 23255097 A JP23255097 A JP 23255097A JP H1177294 A JPH1177294 A JP H1177294A
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JP
Japan
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work
cooling
brazing
filler metal
brazing filler
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JP23255097A
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English (en)
Inventor
Tadashi Eriguchi
正 江里口
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、複数段に載置された複数のワークの
冷却工程における従来の不具合を解消でき、かつ製品品
質のバラツキを解消できるとともに、常温までの冷却を
全て真空炉内での自然放置による場合と比べ冷却時間を
大幅に短縮できる減圧ロウ付け方法を提供する。 【解決手段】本発明の減圧ロウ付け方法は、ワーク1を
所定の減圧状態でロウ材とともに該ロウ材の融点以上に
加熱して、溶融した該ロウ材を該ワーク1のロウ付け対
象部に充填し、次いで該ワーク1を前記減圧状態で所定
温度まで冷却し、さらに不活性ガス雰囲気下で冷却する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークをロウ材の
融点以上に加熱してロウ付けを終えた後、冷却に伴ない
ワークに発生する歪みを抑え、歪みのバラツキを低減す
ることができる減圧ロウ付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークをロウ付けする場合、ワー
クとして例えば、図3および図4に示す自動車のトルク
コンバータ1を構成するシェル10と多数のブレード1
1との組み付け部を、より強固に連結し使用に耐える強
度をもつ機能部品とするため、確実にロウ付けできるよ
うに、減圧下において銅ロウを溶融するとともに、ロウ
付け対象部にスムーズに充填させ、ロウ付けを行う減圧
ロウ付け方法が用いられている。
【0003】この減圧ロウ付け方法では、例えば、図8
に示す搬送可能な載置台2に複数段設けられた載置棚2
0に、ロウ付け対象とする複数個のトルクコンバータ1
を図略の銅ロウとともに載置し、図7に示す真空炉5a
内に搬入し、密閉状態とした真空炉5aを排気し所定の
減圧雰囲気に保持しつつ、各トルクコンバータ1を加熱
し(図5のa領域参照)、銅ロウの融点(1083°
C)以上に昇温させた後所定時間、保持する(図5のb
領域参照)。
【0004】すると、銅ロウが溶融し各トルクコンバー
タ1のロウ付け対象部に充填する。ついで、各トルクコ
ンバータ1は載置台2とともに図7に示す冷却室5b内
に搬送され、大気圧以上に加圧した不活性ガスをファン
6で攪拌しつつ、下段側から上段側に向かって循環させ
ることによって、急速に冷却される(図5のd領域参
照)。
【0005】これによって、各トルクコンバータ1は、
常温にまで冷却されると、載置台2とともに冷却室5b
外に搬出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の減
圧ロウ付け方法の冷却工程では、ロウ付け直後の高温状
態(ほぼ900℃)の複数のトルクコンバータ1に接触
する流れとなるように、前記不活性ガスが一気に導入さ
れ、かつファン6で攪拌し、載置台2の下段側から上段
側に向かうとともに、複雑な形状の各トルクコンバータ
1に沿って循環する流れが形成される。
【0007】このため、互いに異なる位置(載置台2の
下段側や、上段側など)に載置された各トルクコンバー
タ1毎に冷却速度が異なることや、ひとつのトルクコン
バータ1の各位置の冷却速度が異なることなどから、載
置台2に載置された全てのトルクコンバータ1の冷却速
度を一定にすることを困難としている。そして冷却後の
トルクコンバータ1は、前記冷却速度の差異によって、
周方向Sの各位置で、シェル10の水平基部上面e1か
らブレード11の頂部e2までの高さh1の値が異な
る。
【0008】すなわち、周方向Sの各位置で冷却に伴う
歪み量が異なり、周方向Sにうねり状の歪みを形成する
ことや、各トルクコンバータ1同士が互いに歪む部分を
異にすることなど、製品品質にバラツキを発生する。本
発明は、前記問題点に鑑みなされたもので、複数段に載
置された複数のワークの冷却工程における前記従来の不
具合を解消でき、かつ製品品質のバラツキを解消できる
とともに、常温までの冷却を全て真空炉内での自然放置
による場合と比べ冷却時間を大幅に短縮できる減圧ロウ
付け方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の減圧ロウ付け方
法は、ワークを所定の減圧状態でロウ材ともに該ロウ材
の融点以上に加熱して、溶融した該ロウ材を該ワークの
ロウ付け対象部に充填し、次いで該ワークを前記減圧状
態で所定温度まで冷却し、さらに不活性ガス雰囲気下で
冷却することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の減圧ロウ付け方法で用い
るロウ材としては、銅ロウ、CuーSnロウなどの硬ロ
ウを用いることができる。また、ワークを所定の減圧状
態でロウ材とともにロウ材の融点以上に加熱する場合、
ロウ材は、予め、ワークのロウ付け対象部に最も近い位
置に、配置したりすることができる。
【0011】ロウ材の前記配置量としては、ロウ材が溶
融されたとき、ワークのロウ付け対象部の隙間に、毛細
管現象によって過不足なく充填できる適正量が好まし
い。ワークを所定の減圧状態でロウ材とともに、ロウ材
の融点以上に加熱する場合、前記ロウ材の融点以上と
は、前記融点より約20°C高い範囲が好ましい。この
ひとつの理由としては、前記範囲を超過すると、ロウ付
け後の冷却時間が長くなるからである。
【0012】なお、ワークの加熱温度は、ロウ付けに用
いられるロウ材の種類毎によって異なる融点に対応させ
たものとなる。溶融したロウ材をワークのロウ付け対象
部に充填した後、ワークを減圧状態で所定温度まで冷却
し、さらに不活性ガス雰囲気下で冷却する場合、前記温
度としては、600°C〜630°Cの範囲である。
【0013】この理由としては、前記範囲の温度より高
いと熱応力の不均一さによって冷却中のワークの歪みを
抑える効果が少なく、かつワークの歪みのバラツキを低
減できず、また、前記範囲の温度より低いと、ワークの
歪みを抑える効果があり、かつワークの歪みのバラツキ
を低減できるものの、減圧状態での冷却は緩やかに行わ
れるため、温度を低くした分、常温にまで冷却されるま
での全体の時間が長くなり、冷却時間を短縮できないか
らである。
【0014】冷却用の不活性ガスとしては、N2 、Ar
などを用いることができる。本発明の減圧ロウ付け方法
によると、ワークを所定の減圧状態でロウ材とともにロ
ウ材の融点以上に加熱して、溶融したロウ材がワークの
ロウ付け対象部に充填を終えた時点で、前記加熱が停止
される。次いでワークを前記減圧状態のまま、放置によ
る自然冷却がなされ、かつ所定の温度に冷却されるまで
保持される。
【0015】前記ワークは、ロウ付け直後の高温から減
圧状態で緩やかに冷却されるため、熱応力(熱の放散)
がワーク全体に均一に作用する。従って、本発明の減圧
ロウ付け方法によると、従来のロウ付け方法の場合に発
生させていた不具合(ワークをロウ付け直後の高温から
不活性ガス雰囲気下で急冷することで冷却速度か不均一
となり、歪みを抑えることができず、かつ冷却中のワー
クに歪みのバラツキの発生)を低減でき、冷却後のワー
クの品質を高めることができる。
【0016】そして、ワークが減圧状態のまま、放置に
よる自然冷却によって、所定の温度にまで冷却された時
点で、不活性ガス雰囲気下、すなわち、大気圧以上の圧
力の不活性ガスをワークに接触させ、かつ常温にまで強
制的に冷却する。これによって、例えば、減圧状態のま
ま、放置による自然冷却で常温にまで冷却する場合と比
べ冷却時間を短縮できる。
【0017】
【実施例】本発明、減圧ロウ付け方法を、ワークとして
自動車のトルクコンバータにロウ付けを施す場合に適用
し図1〜図6に基づいて説明する。実施例の減圧ロウ付
け方法を実施するに先立ち、予め、図1に示す減圧ロウ
付け装置3と、ワークとして図3および図4に示すトル
クコンバータ1と、複数個のトルクコンバータ1を載置
可能な載置台2とが用意される。
【0018】トルクコンバータ1は、その構成部品であ
るシェル10と、その円周方向Sに沿って等間隔に配置
された複数個のブレード11とよりなり、かつ予め、シ
ェル10に各ブレード11が組み付けられ(嵌め込ま
れ、あるいは嵌め込まれた後、カシメられ)、それらの
ロウ付け対象部に図略の銅ロウが所定量配置される。銅
ロウの配置量は、銅ロウが溶融されたとき、シェル10
と各ブレード11との組み付け領域の隙間に、毛細管現
象によって過不足なく充填できる適正量である。
【0019】載置台2は、前記ロウ付け前のトルクコン
バータ1のロウ付けコストを低減するために、可能な限
り多くを載置できるように、複数段に設定された載置棚
20を備える。この載置台2は、載置棚20に各トルク
コンバータ1を載置した状態で図略の搬送装置により、
搬送移動可能である。
【0020】減圧ロウ付け装置3は、順に配置された減
圧調整室4、加熱室5、復圧、冷却室6と、それらにそ
れぞれ連通するよう設けられた減圧通路8をもつ真空ポ
ンプPと、よりなる。また、減圧調整室4の入り口4
0、減圧調整室4と加熱室5との間、加熱室5と復圧、
冷却室6との間、復圧、冷却室6の出口60に、それぞ
れ第1開閉扉7a、第2開閉扉7b、第3開閉扉7c、
第4開閉扉7dが設けられている。
【0021】真空ポンプPは、減圧調整室4、加熱室
5、復圧、冷却室6を目的とする圧力値に減圧可能な性
能を備える。また、真空ポンプPによる減圧調整室4、
加熱室5、復圧、冷却室6の減圧制御は、図略の制御装
置によってそれぞれ単独および同時に行うことができ
る。減圧調整室4は、第1開閉扉7aの開き操作によっ
て外部から各トルクコンバータ1を載置した載置台2を
搬入でき、第1開閉扉7aおよび第2開閉扉7bのの閉
じ操作によって外部および加熱室5と遮断され密閉で
き、第2開閉扉7bの開き操作によって連通した加熱室
5に前記載置台2を搬送できる。
【0022】加熱室5は、その内部に載置台2とともに
搬入されたトルクコンバータ1を加熱し、目的とする温
度にまで昇温させ得るとともに保持可能に、温度制御で
きる図略のカーボンヒータなどの加熱装置および制御装
置などが併設されている。また、加熱室5は、第2開閉
扉7bおよび第3開閉扉7cの閉じ操作によって、減圧
調整室4および復圧、冷却室6と遮断され密閉できる。
【0023】復圧、冷却室6は、その内部に不活性ガス
として目的とする量のN2 を導入可能な図略のN2 供給
装置およびその内部に搬入された載置台2を所定の間隔
を保持して取り囲むとともにN2 の流れを案内する案内
周壁部60および案内周壁部60の頂部開口に配置され
た吸引方式のファン61を備えた冷却気体循環装置が併
設されている。また、復圧、冷却室6は、第3開閉扉7
cおよび第4開閉扉7dの閉じ操作によって、加熱室5
および外部と遮断され密閉できる。
【0024】以下に、前記のように構成された減圧ロウ
付け装置3を用い、かつ載置台2の載置棚20に載置さ
れた複数個のロウ付け前のトルクコンバータ1にロウ付
けを施す場合を説明する。実施例の減圧ロウ付け方法を
実施するに際し、減圧ロウ付け装置3の作動準備がなさ
れる。すなわち、第2開閉扉7b、第3開閉扉7c、第
4開閉扉7dが閉じ操作されることによって、加熱室
5、復圧、冷却室6は外部と遮断され密閉状態となる。
【0025】そして、減圧調整室4は減圧されていない
状態とし、加熱室5および復圧、冷却室6は真空ポンプ
Pにより所定の減圧値に減圧、保持される。また、加熱
室5は、加熱装置によりトルクコンバータ1を約110
0°Cに加熱できる状態に保持される。次いで、減圧調
整室4の第1開閉扉7aが開き操作されて外部に連通
し、かつトルクコンバータ1を多数個、載置した状態の
載置台2が減圧調整室4に搬入され、第1開閉扉7aが
閉じ操作されることによって外部と遮断され密閉状態と
なる。
【0026】この状態で、減圧調整室4は、真空ポンプ
Pによって、前記加熱室5、復圧、冷却室6と同様、目
的とする所定の圧力に減圧された後、第2開閉扉7bが
開き操作されて開口し、かつ予め、減圧および加熱され
た状態にある加熱室5と連通する。そして、減圧調整室
4の載置台2を加熱室5に移動させ、第2開閉扉7bが
閉じ操作されて加熱室5を密閉状態とする。
【0027】この状態で加熱室5に搬入された載置台2
の複数の載置棚20に載置されたロウ付け前のトルクコ
ンバータ1は、加熱装置によって、常温より加熱され
(図5のa領域参照)、数十分で約1100°Cの温度
に昇温し、かつ約1100°Cの温度を約3分以上、保
持される(図5のb領域参照)。すると、融点が108
3°Cの銅ロウは、溶融し、かつ加熱室5が所定の減圧
雰囲気に設定されているため、シェル10と各ブレード
11との組み付け領域の隙間に、毛細管現象によって過
不足なく適正量が充填する。
【0028】この後、加熱室5は、第3開閉扉7cが開
き操作されて開口し、かつ予め、減圧状態にある復圧、
冷却室6と連通する。そして、加熱室5でロウ付けされ
高熱状態にある各トルクコンバータ1は、載置台2とと
もに復圧、冷却室6に搬送され、かつ第3開閉扉7cが
閉じ操作されて加熱室5と復圧、冷却室6とが遮断され
る。高熱状態にある各トルクコンバータ1は、復圧、冷
却室6で前記減圧状態のまま、自然放置による冷却時に
移行され、数十分保持される(図5のc領域参照)。こ
れによって、約1100°Cから約630°Cにまで冷
却される。この減圧状態での冷却過程で、前記のように
溶融、充填した銅ロウは硬化し、かつシェル10とブレ
ード11とのロウ付け対象部をロウ付けし両者を強固に
固着する。
【0029】ここで、シェル10とブレード11とのロ
ウ付け対象部がロウ付けされたトルクコンバータ1は、
銅ロウの溶融、充填直後の約1100°Cの高温から減
圧状態で銅ロウか硬化する前記温度を経て約630°C
にまで緩やかに冷却されるため、熱応力(熱の放散)が
ロウ付け後のトルクコンバータ1全体に均一に作用す
る。
【0030】従って、従来のように、ワークのロウ付け
直後の高温から不活性ガス雰囲気下で急冷されることに
より、ワークの各領域によって冷却速度に差があり、冷
却に伴う形状歪みのバラツキを低減できる。このため、
冷却後のワークの品質を高めることができる。そして、
トルクコンバータ1が減圧状態のまま、放置による自然
冷却によって、約630°Cにまで冷却された時点で、
真空ポンプPによる復圧、冷却室6の減圧作用を停止さ
せた後、冷却気体循環装置のファン61を回転作動させ
つつ、N2 供給装置から大気圧以上のN2 を一気に流入
させるとともに、ファン61の攪拌作用および案内周壁
部60による流れの案内作用によって、図8に示す矢印
方向に循環させ、かつトルクコンバータ1を常温にまで
強制冷却する(図5のd1領域参照)。
【0031】これによって、減圧状態のまま、放置によ
る自然冷却で例えば、常温にまで冷却する場合と比べ冷
却時間を短縮できる。この後、復圧、冷却室6のN2
大気開放するとともに、第4開閉扉7dが開き操作され
て復圧、冷却室6の出口60が開口し、復圧、冷却室6
の載置台2を外部に搬出される。
【0032】ここにおいて、実施例の減圧ロウ付け方法
を用いた場合には、ロウ付けした後のトルクコンバータ
1に、冷却に伴い発生する歪みを所定の値以下に抑える
ことができ、かつ歪みのバラツキを抑えることができる
ことを図6に示した。なお、図6には、実施例の場合と
同時に2つの比較例(実施例の場合と同じ条件で、ロウ
付けするとともに、ロウ付け後の冷却方法を異にする2
つの比較例)を対比して示した。
【0033】すなわち、比較例のひとつは、前記従来の
ロウ付け方法での強制冷却方式(ファン6で不活性ガス
を攪拌させて循環させ、その不活性ガスの流れによっ
て、ロウ付け直後の高温状態から常温にまで冷却する方
式)であり、比較例の他のひとつは、前記従来の減圧ロ
ウ付け方法での自然放置冷却方式(減圧下の自然放置に
よって、ロウ付け直後の高温状態から常温にまで冷却す
る方式)である。
【0034】そして、ロウ付け後、それぞれ常温にまで
冷却されたトルクコンバータ1の歪みのバラツキを測定
し、その平均値で比較した。なお、測定対象としたトル
クコンバータ1の数は、それぞれ48個とし、その測定
位置としては、トルクコンバータ1を水平位置に載置し
た状態で、シェル10の上面100よりブレード11の
頂部110までの高さh(図4参照)で、トルクコンバ
ータ1の周方向Sに等間隔に8箇所を測定した結果を、
図6にそれぞれ示した。
【0035】また、図6には、比較のため各トルクコン
バータ1を載置台2の上下二段の載置棚20に、それぞ
れ4個を載置し、上下二段の載置位置での冷却に伴い発
生する歪みの差異を確認するため、前記測定した結果を
上段の場合には、○印(白丸印)で示し、下段の場合に
は、□印(白角印)で示した。 (測定の結果)実施例の減圧ロウ付け方法によると、載
置台2の載置棚20の上段に載置した場合で平均1.1
3、下段に載置した場合で平均1.17であり、いずれ
も、目標基準バラツキ値1.5を下回り、さらに上段に
載置した場合と、下段に載置した場合とで差が0.04
と小さいことも判明した。
【0036】前記従来のロウ付け方法の場合には、載置
台2の載置棚20の上段に載置した場合で平均3.3
3、下段に載置した場合で平均1.91であり、いずれ
も、目標基準バラツキ値1.5を上回り、さらに上段に
載置した場合と、下段に載置した場合とで差が2.42
と大きい。比較例の減圧ロウ付け方法によると、載置台
2の載置棚20の上段に載置した場合で平均0.98、
下段に載置した場合で平均1であり、いずれも、目標基
準バラツキ値1.5を下回り、さらに上段に載置した場
合と、下段に載置した場合とで差が0.02と小さい。
【0037】しかし、比較例の減圧ロウ付け方法を用い
た場合には、減圧下の自然放置によって、ロウ付け直後
の高温状態から常温にまで冷却する方式であるため、時
間が長くかかり、生産性が著しく低下することを免れな
い。ここで、実施例の減圧ロウ付け方法を用いた場合に
は、冷却後の製品品質のバラツキを、従来のロウ付け方
法の場合に比べ大幅に向上でき、かつ前記比較例の減圧
ロウ付け方法を用いた場合に比べほぼ近い値に向上で
き、しかも、ロウ付け直後の高温状態から常温にまで冷
却するまでの時間を短縮できることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明の減圧ロウ付け方法は、ワークを
所定の減圧状態でロウ材とともに該ロウ材の融点以上に
加熱して、溶融した該ロウ材を該ワークのロウ付け対象
部に充填し、次いで、該ワークを前記減圧状態で所定温
度まで冷却し、さらに不活性ガス雰囲気下で冷却するこ
とを特徴とする。
【0039】このため、本発明の減圧ロウ付け方法によ
ると、ワークは、ロウ材の融点以上に加熱してロウ付け
を終えた直後の高温から減圧状態で放置による自然冷却
によって、緩やかに、かつ均一に冷却され、かつ所定温
度まで冷却されるため、従来の不活性ガス雰囲気下で急
冷させる場合と異なり、最も冷却時の歪みを発生しやす
い温度領域を、歪みの発生を抑えながら冷却され、熱応
力はワーク全体に略均一にかかるため、冷却中における
歪みのバラツキが低減できる。
【0040】そしてまた、冷却途中から、不活性ガス雰
囲気下、すなわち、大気圧以上の圧力の不活性ガスをワ
ークに接触させ、かつ常温にまで強制的に冷却するた
め、例えば減圧状態のまま、放置による自然冷却で常温
にまで冷却する場合と比べ冷却時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の減圧ロウ付け方法をワークに施すため
減圧ロウ付け装置の概略を示す平面図。
【図2】図1の減圧ロウ付け装置における減圧状態での
ロウ付けおよび一次冷却後のワークに、不活性ガス雰囲
気下での二次冷却を施す状態を示す断面図。
【図3】実施例でワークとして用いた自動車のトルクコ
ンバータの平面図。
【図4】図3のトルクコンバータにおけるAーA線断面
矢視図。
【図5】実施例の減圧ロウ付け方法および従来例におけ
るワークの加熱時、冷却時での温度変化と時間との関係
を示し、かつ横軸に時間、縦軸にワークの温度を示す説
明図。
【図6】実施例の減圧ロウ付け方法および従来例、比較
例でそれぞれロウ付け後、常温にまで冷却された各ワー
クにおける歪みのバラツキ状態を比較して示す説明図。
【図7】従来例でのワークのロウ付け工程を示す工程
図。
【図8】従来例でのワークのロウ付け後に、不活性ガス
雰囲気下で冷却を施す状態を示す断面図。
【符号の説明】
1…トルクコンバータ 10…シェル 11ブレー
ド 2…載置台 20…載置棚 3…減圧ロウ付け装置 4…減圧調整室 5…加熱
室 6…復圧、冷却室 7a…第1開閉扉
7b…第2開閉扉 7c…第3開閉扉 7d…第4開閉扉
8…減圧通路 P…減圧通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワークを所定の減圧状態でロウ材とともに
    該ロウ材の融点以上に加熱して、溶融した該ロウ材を該
    ワークのロウ付け対象部に充填し、次いで該ワークを前
    記減圧状態で所定温度まで冷却し、さらに不活性ガス雰
    囲気下で冷却することを特徴とする減圧ロウ付け方法。
JP23255097A 1997-08-28 1997-08-28 減圧ロウ付け方法 Pending JPH1177294A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4727110B2 (ja) * 1999-11-08 2011-07-20 ピンク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング サーモシステム はんだ接合部の製造方法および製造装置
JPWO2020137268A1 (ja) * 2018-12-25 2021-11-11 日立Astemo株式会社 減衰力調整式緩衝器およびソレノイド

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