JP7216975B1 - 脱硝触媒及びその製造方法、並びに脱硝方法 - Google Patents

脱硝触媒及びその製造方法、並びに脱硝方法 Download PDF

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Abstract

アンモニアを還元剤とする選択的触媒還元反応の際、低温かつ水蒸気及びSO2存在下における脱硝率に優れた脱硝触媒を提供する。酸化バナジウムと、第2の金属を含有する脱硝触媒であって、酸化バナジウムは、脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で50質量%以上含まれ、第2の金属は、Mg、及びCaのうち少なくとも何れかであり、酸化バナジウム中のV原子に対するモル比が0.0091以上0.16未満である、脱硝触媒。

Description

本発明は、脱硝触媒及びその製造方法、並びに脱硝方法に関する。
燃料の燃焼により大気中に排出される汚染物質の一つとして、窒素酸化物(NO,NO,NO,NO,N,N,N)が挙げられる。窒素酸化物は、酸性雨、オゾン層破壊、光化学スモッグ等を引き起こし、環境や人体に深刻な影響を与えるため、その処理が重要な課題となっている。
上記の窒素酸化物を取り除く技術として、アンモニア(NH)を還元剤とする選択的触媒還元反応(NH-SCR)が知られている。特許文献1に記載のように、選択的触媒還元反応に用いられる触媒としては、酸化チタンを担体とし、酸化バナジウムを担持した触媒が広く使用されている。酸化チタンは硫黄酸化物に対して活性が低く、また安定性が高いため最も良い担体とされている。
一方で、酸化バナジウムはNH-SCRにおいて主要な役割を果たすものの、SOをSOに酸化するので、触媒中に酸化バナジウムを1wt%程度以上担持できなかった。また、従来のNH-SCRでは、酸化チタン担体に酸化バナジウムを担持させた触媒が低温ではほとんど反応しないので,350-400℃という高温で使用せざるを得なかった。
その後、本発明者らは、五酸化バナジウムが43wt%以上存在し、BET比表面積が30m/g以上であり、200℃以下での脱硝に用いられる脱硝触媒を見出した(特許文献2)。
特開2004-275852号公報 国際公開第2018/047356号
特許文献2に記載された脱硝触媒は、200℃以下で好ましい脱硝率を得ることができるが、実際に脱硝触媒が用いられる条件は水蒸気及びSOが共存するケースが多く、水蒸気及びSO存在下における脱硝率に未だ改善の余地があった。本発明者らは、上記特許文献2に開示された脱硝触媒の更なる改良を試みて鋭意検討した結果、特に200℃以下かつ水蒸気及びSO存在下における好ましい脱硝率が得られる脱硝触媒を見出した。
本発明は、アンモニアを還元剤とする選択的触媒還元反応の際、低温かつ水蒸気及びSO存在下における脱硝率に優れた脱硝触媒を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、酸化バナジウムと、第2の金属を含有する脱硝触媒であって、前記酸化バナジウムは、前記脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で50質量%以上含まれ、前記第2の金属は、Mg、及びCaのうち少なくとも何れかであり、前記酸化バナジウム中のV原子に対するモル比が0.0091以上0.16未満である、脱硝触媒に関する。
(2) V結晶相を含む、(1)に記載の脱硝触媒。
(3) 拡散反射UV-Visスペクトルにおける400nmの吸収強度で規格化される、400nmの吸収強度に対する700nmの吸収強度の比(400nm:700nm)が、1:0.0498~1:0.14である、(1)又は(2)に記載の脱硝触媒。
(4) (1)~(3)のいずれかに記載の脱硝触媒の製造方法であって、前記酸化バナジウム及び前記第2の金属を含む前駆体を260~340℃で焼成する焼成工程を含む、脱硝触媒の製造方法。
(5) SOの濃度が1ppm以上である排ガスに対して(1)~(3)のいずれかに記載の脱硝触媒を接触させることにより脱硝反応を行う、排ガスの脱硝方法。
本発明は、アンモニアを還元剤とする選択的触媒還元反応の際、低温かつ水蒸気及びSO存在下における脱硝率に優れた脱硝触媒を提供できる。
実施例及び比較例に係る脱硝触媒の反応温度と脱硝率との関係を示すグラフである。 実施例に係る脱硝触媒の焼成温度と脱硝率との関係を示すグラフである。 実施例に係る脱硝触媒の前駆体のTG-DTA測定結果を示すチャートである。 脱硝触媒の焼成温度と結晶相との関係を示すXRDチャートである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のSO存在下での脱硝率を比較したグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のSO及び水蒸気存在下での脱硝率を比較したグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のSO及び水蒸気存在下での脱硝率を比較したグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のSO濃度と脱硝率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒の、元素Vに対する第2の元素比と脱硝率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のXRDチャートである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒の反応温度と脱硝率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒の拡散反射UV-Visスペクトルを規格化したグラフである。 図12の結果と図9の結果を照合したグラフである。 実施例及び比較例に係る脱硝触媒のRelative activityを比較したグラフである。
<脱硝触媒>
本実施形態に係る脱硝触媒は、酸化バナジウムを脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で50質量%以上含み、第2の金属を含有する。上記第2の金属は、Mg、及びCaのうち少なくとも何れかである。本実施形態に係る脱硝触媒は、従来用いられている脱硝触媒と比較して、低温環境下、水蒸気存在下、かつSO存在下でも高い脱硝率を発揮する。
以下の説明において、脱硝率をNO転化率として表現する場合がある。NO転化率は、以下の式(1)で示される。
NO転化率(%)=(脱硝反応前のNO濃度-脱硝反応後のNO濃度)/(脱硝反応前のNO濃度)×100 (1)
(酸化バナジウム)
本実施形態に係る脱硝触媒に用いられる酸化バナジウムとしては、例えば、酸化バナジウム(II)(VO)、三酸化バナジウム(III)(V)、四酸化バナジウム(IV)(V)、及び五酸化バナジウム(V)(V)が挙げられる。酸化バナジウムとしては、五酸化バナジウムであることが好ましい。五酸化バナジウムのV原子は、脱硝反応中、5価、4価、3価、又は2価の価数を有してもよい。
酸化バナジウムは、脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で50wt%以上含まれる。脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で60wt%以上含まれることが好ましい。
(第2の金属)
本実施形態に係る脱硝触媒に用いられる第2の金属は、Mg、及びCaのうち少なくとも何れかである。酸化バナジウムを主成分とする脱硝触媒に上記第2の金属が含まれることにより、従来の脱硝触媒と比較して、低温環境下、水蒸気存在下、かつSO存在下でも高い脱硝率を発揮できる。
[第2の金属の含有量]
第2の金属は、酸化バナジウムとして五酸化バナジウム(V)(V)を用いた場合の五酸化バナジウム(V)(V)に対するモル比が、0.0091以上0.16未満であり、0.0091~0.14であることがより好ましい。第2の金属の五酸化バナジウム(V)(V)に対するモル比が、0.0091以上0.16未満であることが好ましい理由としては、上記モル比とすることにより、第2の金属と五酸化バナジウム(V)(V)とが特定の結晶相を形成しやすくなり、この結晶相が特に低温環境下、水蒸気存在下、かつSO存在下における高い脱硝率に寄与するものと考えられる。
[脱硝触媒の結晶相]
第2の金属と、五酸化バナジウム(V)(V)とが形成する結晶相として、V結晶相を含むことが好ましい。一方で、例えば第2の金属がCaである場合、Ca結晶相を含まないことが好ましい。
[脱硝触媒の比表面積]
脱硝触媒は、その比表面積が大きいほど反応サイトが増大し、高い脱硝率が得られることが期待される。しかし、本実施形態に係る脱硝触媒は、比表面積が単に大きいというだけでなく、脱硝触媒が上記好ましい結晶相を含むことがより重要である。
[脱硝触媒の焼成温度]
本実施形態に係る脱硝触媒は、詳細は後述するが、例えば、酸化バナジウムと第2の金属とを含む前駆体を焼成することで得られる。上記焼成時の温度は、260~340℃であることが好ましく、280~320℃とすることがより好ましく、290~310℃とすることが更に好ましい。
脱硝触媒の焼成温度を260℃以上とすることで、脱硝触媒の前駆体に含まれるシュウ酸の脱離が認められる。脱硝触媒の焼成温度を340℃以下とすることで、焼結による比表面積の低下を抑制できると共に、Ca結晶相を含まず、V結晶相を含む脱硝触媒を製造できると考えられる。
[拡散反射UV-Visスペクトル]
脱硝触媒中に存在するV5+とV4+の割合は、公知の方法により測定できる拡散反射UV-Visスペクトルにより推定できる。拡散反射UV-Visスペクトルの400nmにおける吸収強度は、脱硝触媒中のV5+の量に相当する。同様に、拡散反射UV-Visスペクトルの700nmにおける吸収強度は、脱硝触媒中のV4+の量に相当する。従って、拡散反射UV-Visスペクトルの400nmの吸収強度で規格化される、400nmにおける吸収強度と700nmにおける吸収強度との比(400nm:700nm)により、脱硝触媒中の好ましいV5+とV4+の割合を示すことができる。上記吸収強度の比(400nm:700nm)は、1:0.0498~1:0.14であることが好ましい。上記吸収強度の比(400nm:700nm)は、1:0.0498~1:0.12であることがより好ましく、1:0.0498~1:0.0996であることが最も好ましい。
(他の物質)
本実施形態に係る脱硝触媒は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の物質を含有していてもよい。例えば、本実施形態に係る脱硝触媒は、上記以外に更に炭素を含有することが好ましい。脱硝触媒が不純物として炭素を含むことで、上述した酸化バナジウムの結晶構造において結晶格子中の線や面にひずみが生じることにより、低温環境下における高い脱硝率を発揮できると考えられる。炭素の含有量は、脱硝触媒中において0.05wt%以上3.21wt%以下であることが好ましい。上記炭素の含有量は、0.07wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.11wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.12wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.14wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.16wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.17wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。上記炭素の含有量は、0.70wt%以上3.21wt%以下であることがより好ましい。
<排ガスの脱硝方法>
本実施形態に係る排ガスの脱硝方法は、窒素酸化物を含む排ガスに対して上記脱硝触媒を接触させることにより脱硝反応を行う方法である。具体的な方法としては、無水アンモニア、アンモニア水、又は尿素を還元剤とする、選択式還元触媒反応として公知の方法を用いることができる。
本実施形態に係る排ガスの脱硝方法は、反応温度350℃以下の条件で脱硝反応を行うものであることが好ましい。また、反応温度300℃以下での脱硝反応においても高い脱硝率が得られるため好ましい。反応温度200℃以下での脱硝反応においては、SOからSOへの酸化が発生しないため好ましい。上記反応温度は100~250℃であることがより好ましく、上記反応温度は160~200℃であることが更に好ましい。上記反応温度は80~150℃であってもよい。また、脱硝触媒として五酸化バナジウム(V)(V)のみを含有する脱硝触媒は、反応温度を300℃以上とした場合、比表面積が低下する等、触媒自体が変化してしまい、反応温度を300℃以上にすることができない。第2の金属を有する本実施形態に係る脱硝触媒は、反応温度を300℃以上とした場合であっても高い脱硝率を維持できる。
本実施形態に係る排ガスの脱硝方法は、水蒸気雰囲気下、かつSO雰囲気下において脱硝反応を行った場合であっても高い脱硝率を達成できる。脱硝反応の際のSO濃度は、例えば1ppm以上であってもよく、2ppm以上であってもよく、5ppm以上であってもよく、15ppm以上であってもよく、100ppm以上であってもよく、1000ppm以上であってもよい。
<脱硝触媒の製造方法>
本実施形態に係る脱硝触媒は、例えば、以下のようにして製造できる。まず、脱硝触媒に含まれる各成分を含有する前駆体を調製する。脱硝触媒に含まれる酸化バナジウムは、例えば、バナジン酸塩の水溶液として前駆体中に含有される。上記バナジン酸塩としては、例えば、メタバナジン酸アンモニウム、バナジン酸マグネシウム、バナジン酸ストロンチウム、バナジン酸バリウム、バナジン酸亜鉛、バナジン酸鉛、バナジン酸リチウム等を用いてもよい。
脱硝触媒における第2の金属は、例えば、各金属の硝酸塩、塩化物、硫酸塩、キレート錯体、水和物、アンモニウム化合物、リン酸化合物等を上記バナジン酸の水溶液に混合させることで前駆体中に含有される。キレート錯体としては、例えば、シュウ酸やクエン酸等の錯体が挙げられる。
上記調整した脱硝触媒の前駆体溶液を蒸発乾固することで、脱硝触媒の前駆体の粉体が得られる。上記前駆体の粉体を所定の温度及び時間で焼成する焼成工程により、脱硝触媒の粉体が得られる。上記により得られた脱硝触媒の粉体を、バインダー等の成分を含む溶媒に分散させた触媒分散液を調製し、公知のハニカム成形体を上記触媒分散液に浸漬させて乾燥させることを1回又は複数回繰り返し、その後所定の温度及び時間で焼成する焼成工程を経ることで、ハニカム触媒を得ることができる。上記以外に、上記脱硝触媒の前駆体溶液を濃縮した濃縮液を作製し、公知のハニカム成形体を上記濃縮液に浸漬させて乾燥させることを1回又は複数回繰り返し、その後所定の温度及び時間で焼成する焼成工程を経ることで、ハニカム触媒を得ることもできる。焼成工程における焼成温度は、上記したように260~340℃であることが好ましく、280~320℃とすることがより好ましく、290~310℃とすることが更に好ましい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。ただし、実施例2、及び実施例4~8は、参考例である。
<脱硝触媒の調製>
(実施例1)
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体溶液を合成した。この前駆体錯体溶液に対し、第2の金属であるCaの硝酸塩を、組成式でCa0.018となる量添加して混合し、脱硝触媒の前駆体溶液を得た。上記前駆体溶液を蒸発乾固させ、大気中で300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、実施例1の脱硝触媒を得た。
(実施例2~8、比較例1~4)
第2の金属の種類及び含有量(V原子に対するモル比)を表1に示すものとしたこと以外は、実施例1と同様の手順で各実施例及び比較例に係る脱硝触媒を調製した。なお、表1中の「M(NO・4HO」「M」における「M」は第2の金属の元素を意味する。
Figure 0007216975000001
[第2金属の種類及び反応温度とNO転化率(SO非存在下)]
図1は、実施例及び比較例に係る脱硝触媒の、反応温度とNO転化率との関係を示すグラフである。図1の縦軸はNO転化率を示し、図1の横軸は反応温度(℃)を示す。図1における「Dry」の場合、NO(250ppm)、NH(250ppm)、4体積%O、Arガス中とし、ガス流量を250ml/min-1とした。図1における「Wet」の場合、「Dry」の反応ガスに対して更に10体積%のHOを含む反応ガスとした。
図1に示すように、実施例5に係る脱硝触媒は、SO非存在下においても、低温及び水蒸気存在下条件で、比較例に係る脱硝触媒と同等以上のNO転化率が得られる結果が確認された。
[脱硝触媒の焼成温度]
図2は、実施例5に係る脱硝触媒の焼成温度とNO転化率との関係を示すグラフである。図2の縦軸はNO転化率を示し、図2の横軸は脱硝触媒の焼成温度(℃)を示す。図2から、脱硝触媒の焼成温度を340℃以下とすることで、脱硝触媒のNO転化率が向上する結果が明らかである。
図3は、実施例3に係る脱硝触媒の前駆体のTG-DTA測定結果を示すチャートである。TG-DTA測定は、TG/DTA7200(日立ハイテク製)を用いて行った。アルミパンに実施例3に係る脱硝触媒の焼成前の前駆体を10mgセットし、空気流通下、10℃/minの昇温速度で昇温させ測定を行った。図3中、実線がTG曲線を示し、破線がDTA曲線を示す。図3における横軸は温度(℃)を示し、左縦軸は重量変化(%)を示し、右縦軸は基準物質に対する測定試料の熱量の差(示差熱量:μV)を示す。図3に示すように、260℃付近でTG曲線の傾きが大きくなりはじめ、300~340℃付近で大幅な重量減少と共に発熱反応が観察される。これは、前駆体に含まれるシュウ酸が脱離し、Ca結晶相に結晶が転移していることを示唆すると考えられる。なお、実際の触媒調製時には、一定温度で例えば4時間焼成を行うため、焼成温度は300℃よりも低温であっても好ましいNO転化率を有する脱硝触媒を製造できる可能性がある。
[脱硝触媒の結晶相]
図4は、実施例5の脱硝触媒の焼成温度をそれぞれ図4に示す温度にして脱硝触媒を製造した場合におけるXRDチャートである。図4に示すように、脱硝触媒の焼成温度にかかわらず観察されるピークP1はV結晶相に由来するピークである。一方で、脱硝触媒の焼成温度を350℃以上にした場合に観察されるピークはCaV結晶相に由来するピークである。従って、図2の結果と併せて考察すると、V結晶相が脱硝触媒に含まれ、かつCaV結晶相が脱硝触媒に含まれないことによって、高いNO転化率が得られているものと推察される。
[第2金属の有無とNO転化率(水蒸気非存在下、SO存在下)]
図5は、実施例5の脱硝触媒のNO転化率と、比較例1の脱硝触媒のNO転化率を比較するグラフである。反応温度は150℃とし、図1における「Dry」の反応ガスに対して更に反応ガス中に100ppmのSOを含有させて試験を行った。図5に示すように、実施例5の脱硝触媒は比較例1の脱硝触媒と比較して高いNO転化率が得られる結果が確認された。
[第2金属の有無とNO転化率(水蒸気存在下、SO存在下)]
図6は、実施例5の脱硝触媒のNO転化率と、比較例1の脱硝触媒のNO転化率を比較するグラフである。反応温度は172℃とし、図1における「Wet」の反応ガスに対して更に反応ガス中に100ppmのSOを含有させて試験を行った。図6に示すように、実施例5の脱硝触媒は比較例1の脱硝触媒と比較して高いNO転化率が得られる結果が確認された。
図7は、実施例5の脱硝触媒のNO転化率と、比較例1の脱硝触媒のNO転化率を比較するグラフである。図7においては、反応温度を200℃としたこと以外は、図6と同様の条件で試験を行った。図6に示すように、実施例5の脱硝触媒は比較例1の脱硝触媒と比較して高いNO転化率が得られる結果が確認された。
[SO濃度とNO転化率]
図8は、反応ガス中のSO濃度を変化させた場合の、実施例3と比較例1の脱硝触媒のNO転化率を比較するグラフである。反応温度は150℃とし、図1における「Wet」の反応ガスに対して更に反応ガス中にそれぞれ0ppm、2ppm、15ppm、100ppm、及び1000ppmのSOを含有させて試験を行った。図8の縦軸はNO転化率を示し、図8の横軸は反応ガス中のSO濃度を示す。図8に示すように、実施例3に係る脱硝触媒は、SO濃度が上昇した場合においても比較例1に係る脱硝触媒よりも高いNO転化率が得られる結果が確認された。
[第2の金属の含有量]
図9は、第2の金属としてCaを用いた場合における脱硝触媒の組成とNO転化率との関係を示すグラフである。図9における横軸は、酸化バナジウム中のV原子に対するCaのモル比を示し、各実施例及び比較例に対応する。図9における縦軸は、NO転化率を示す。反応温度は150℃とした。図9における「0%HO」は、図1における「Dry」と同様の条件とした。同様に、「10%HO」は、図1における「Wet」と同様の条件とし、「10%HO、SO 100ppm」は、図1における「Wet」の反応ガスに対して更に反応ガス中に100ppmのSOを含有させた条件とした。図9に示すように、脱硝触媒における酸化バナジウム中のV原子に対するCaのモル比が、0.0091以上0.16未満の範囲内であることで、水蒸気存在下、かつSO存在下においても高いNO転化率が得られる結果が確認された。
[XRD測定]
図10は、各実施例及び比較例に係る脱硝触媒のXRD測定結果を示すチャートである。図10に示すように、各実施例及び比較例に係る脱硝触媒において、いずれもV結晶相に由来するピークが観察された。一方で、比較例2に係る脱硝触媒はV結晶相に由来するピーク強度が低く、結晶性が低くなっていることが推察される。
[第2金属の有無及び反応温度とNO転化率(SO存在下)]
図11は、実施例5と比較例1の脱硝触媒の反応温度とNO転化率との関係を示すグラフである。図11のグラフにおける縦軸はNO転化率を示し、図11のグラフにおける横軸は反応温度を示す。他の反応条件は、図1における「Wet」の反応ガスに対して更に反応ガス中に100ppmのSOを含有させた条件とした。図11の結果から、少なくとも反応温度を150℃~200℃とした場合において、実施例5の脱硝触媒は比較例1の脱硝触媒と比較して高いNO転化率が得られる結果が確認された。
図12は、組成がCa0~0.52である脱硝触媒前駆体を、波長400nmの吸収強度で規格化したグラフである。図12の縦軸は、定量分析に用いられるK-M関数を示し、横軸は波長(nm)を示す。拡散反射UV-Visスペクトルは、紫外可視近赤外分析光度計(UV-3100PC、島津製作所製)で測定した。図12から算出される、400nmの吸収強度に対する700nmの吸収強度の相対強度の比(400nm:700nm)は、比較例1において1:0.010であった。実施例5の場合には(400nm:700nm)は1:0.0498であり、実施例1の場合には(400nm:700nm)は1:0.0662であり、実施例3の場合には(400nm:700nm)は1:0.0860であり、実施例6の場合には(400nm:700nm)は1:0.0996であり、比較例2の場合には(400nm:700nm)は1:0.768であった。
図13は、図12の結果と図9の結果を照合したグラフである。図13の縦軸はNO転化率(%)を示し、横軸は波長400nmの吸収強度に対する700nmの吸収強度の相対強度の割合(700nm/400nm)を示す。図13の結果から、好ましい(400nm:700nm)は1:0.0498~1:0.14であり、1:0.0498~1:0.12であることがより好ましく、1:0.0498~1:0.0996が最も好ましいことが明らかである。
[第2金属の種類とRelative activity]
図14は、各実施例及び比較例の150℃における脱硝反応時のRelative activityを比較したグラフである。Relative activityは、水及びSOを含まない条件と比較した、水及びSOを含む条件における脱硝触媒の特性を評価する指標であり、以下の式(2)で示される。なお、式(1)における「SOおよび水を含まない反応ガス」の条件は、図1における「dry」と同様の条件とした。同様に、「SOおよび水を含む反応ガス」の条件は、図1における「Wet」の反応ガスに対して更に反応ガス中に100ppmのSOを含有させた条件とした。
Relative activity=(SOおよび水を含まない反応ガスのNO転化率)/(SOおよび水を含む反応ガスのNO転化率) (2)
図14の結果から、各実施例に係る脱硝触媒のRelative activityは各比較例に係る脱硝触媒のRelative activityよりも高く、SOおよび水を含む反応ガスの条件において高いNO転化率を示す結果が確認された。

Claims (5)

  1. 酸化バナジウムと、第2の金属を含有する脱硝触媒であって、
    前記酸化バナジウムは、前記脱硝触媒中に五酸化バナジウム換算で50質量%以上含まれ、
    前記第2の金属は、Mg、及びCaのうち少なくとも何れかであり、前記酸化バナジウム中のV原子に対するモル比が0.0091以上0.0667以下である、脱硝触媒。
  2. 結晶相を含む、請求項1に記載の脱硝触媒。
  3. 拡散反射UV-Visスペクトルにおける400nmの吸収強度で規格化される、400nmの吸収強度に対する700nmの吸収強度の比(400nm:700nm)が、1:0.0498~1:0.14である、請求項1又は2に記載の脱硝触媒。
  4. 請求項1又は2に記載の脱硝触媒の製造方法であって、
    前記酸化バナジウム及び前記第2の金属を含む前駆体を260~340℃で焼成する焼成工程を含む、脱硝触媒の製造方法。
  5. SOの濃度が1ppm以上である排ガスに対して請求項1又は2に記載の脱硝触媒を接触させることにより脱硝反応を行う、排ガスの脱硝方法。
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