JP7388653B2 - 脱硝触媒、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、脱硝触媒、及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、燃料が燃焼することによって発生する排ガスを浄化する際に用いる脱硝触媒、及びその製造方法に関する。
燃料の燃焼により大気中に排出される汚染物質の一つとして、窒素酸化物(NO,NO,NO,NO,N,N,N)が挙げられる。窒素酸化物は、酸性雨、オゾン層破壊、光化学スモッグ等を引き起こし、環境や人体に深刻な影響を与えるため、その処理が重要な課題となっている。
上記の窒素酸化物を取り除く技術として、アンモニア(NH)を還元剤とする選択的触媒還元反応(NH-SCR)が知られている。特許文献1に記載のように、選択的触媒還元反応に用いられる触媒としては、酸化チタンを担体とし、酸化バナジウムを担持した触媒が広く使用されている。酸化チタンは硫黄酸化物に対して活性が低く、また安定性が高いため最も良い担体とされている。
一方で、酸化バナジウムはNH-SCRにおいて主要な役割を果たすものの、SOをSOに酸化するので、酸化バナジウムを1wt%程度以上担持できなかった。また、従来のNH-SCRでは、酸化チタン担体に酸化バナジウムを担持させた触媒が低温ではほとんど反応しないので,350-400℃という高温で使用せざるを得なかった。
しかし、NH-SCRを実施する装置や設備の設計の自由度を高め、効率化するためには、低温でも高い窒素酸化物還元率活性を示す触媒の開発が求められていた。
その後、本発明者らは、五酸化バナジウムが43wt%以上存在し、BET比表面積が30m/g以上であり、200℃以下での脱硝に用いられる脱硝触媒を見出した(特許文献2)。
特開2004-275852号公報 特許第6093101号公報
本発明者らは、上記特許文献2の更なる改良を試みて鋭意検討した結果、更に優れた窒素酸化物の還元率活性を示す脱硝触媒を見出した。
本発明は、アンモニアを還元剤とする選択的触媒還元反応の際、従来技術に比較して、低温での脱硝効率が更に良い触媒を提供することを目的とする。
本発明は、酸化バナジウムを主成分とする脱硝触媒であって、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、Feからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である脱硝触媒に関する。
また、前記脱硝触媒は、300℃以下での脱硝に用いられることが好ましい。
また、前記脱硝触媒は、更に炭素を含有することが好ましい。
また、炭素含有量は、0.05wt%以上であることが好ましい。
また、本発明に係る脱硝触媒の製造方法は、バナジン酸塩、キレート化合物、及び前記第2の金属の化合物の混合物を焼成する工程を有することが好ましい。
また、本発明に係る脱硝触媒の製造方法において、前記混合物には、更にエチレングリコールが含まれることが好ましい。
前記焼成する工程は、270℃以下の温度で焼成する工程であることが好ましい。
本発明に係る脱硝触媒は、アンモニアを還元剤とする選択的触媒還元反応の際、従来技術に比較して、低温での脱硝効率が更に良い。
各実施例に係る第2の金属を含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 各実施例に係る、コバルトを含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、コバルトを含有するバナジウム触媒の粉末XRDパターンを示すグラフである。 各実施例に係る、コバルトを含有するバナジウム触媒のラマンスペクトルを示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、コバルトを含有するバナジウム触媒のV2p領域におけるXPSスペクトルを示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、コバルトを含有するバナジウム触媒のCo2p領域におけるXPSスペクトルを示すグラフである。 各実施例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒の粉末XRDパターンを示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒のタングステン元素の割合を示すグラフである。 本発明の実施例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒の粉末XRDパターンを示すグラフである。 各実施例及び比較例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒のタングステン元素の割合を示すグラフである。 本発明の実施例に係る、タングステンを含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 本発明の実施例に係る、ニオブを含有するバナジウム触媒と含有しないバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。 本発明の実施例に係る炭素とコバルトとを含有するバナジウム触媒と、比較例に係るバナジウム触媒のNO転化率を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の脱硝触媒は、酸化バナジウムを主成分とする脱硝触媒であって、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、及びFeからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である。このような脱硝触媒は、従来用いられているバナジウム/チタン触媒等の脱硝触媒に比べて、低温環境下でも高い脱硝効果を発揮できる。
第1に、本発明の脱硝触媒は、酸化バナジウムを主成分とする。この酸化バナジウムは、酸化バナジウム(II)(VO)、三酸化バナジウム(III)(V)、四酸化バナジウム(IV)(V)、五酸化バナジウム(V)(V)を含み、脱硝反応中、五酸化バナジウム(V)のV元素は、5価、4価、3価、2価の形態を取ってもよい。
なお、この酸化バナジウムは、本発明の脱硝触媒の主成分であり、本発明の効果を阻害しない範囲内で他の物質を含んでいても良いが、本発明の脱硝触媒中、五酸化バナジウム換算で50wt%以上存在することが好ましい。更に好ましくは、酸化バナジウムが、本発明の脱硝触媒中、五酸化バナジウム換算で60wt%以上存在することが好ましい。
第2に、本発明の脱硝触媒は、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であるが、このような第2の金属の酸化物を含むことにより、従来用いられているバナジウム/チタン触媒等の脱硝触媒に比べて、低温環境下でも高い脱硝効果を発揮できる。本発明の脱硝触媒中に不純物が入り込むと、脱硝触媒中にアモルファスの部分が生成されるために結晶構造が連続せず、結晶格子中の線や面がひずむことにより高い脱硝効果が発揮されるが、この不純物としての第2の金属の酸化物が多く存在するほど、高い脱硝効果が発揮されることが推察される。
本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化コバルトの含有量が1wt%~10wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で79%~100%のNO転化率を、水分の共存下の場合で38%~90%のNO転化率を示した。
一方、第2の金属の酸化物として、酸化コバルトの含有量が0wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で76%のNO転化率、水分の共存下の場合で32%のNO転化率しか示されなかった。
また、第2の金属の酸化物として、酸化タングステンの含有量が12wt%~38wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で83%~96%のNO転化率を、水分の共存下の場合で50%~55%のNO転化率を示した。
一方、第2の金属の酸化物として、酸化タングステンの含有量が0wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で76%のNO転化率、水分の共存下の場合で32%のNO転化率しか示されなかった。
また、第2の金属の酸化物として、酸化タングステンの含有量が62wt%~100wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で3~69%のNO転化率、水分の共存下の場合で0%~29%のNO転化率しか示されなかった。
また、第2の金属の酸化物として、酸化ニオブの含有量が2wt%~16wt%の脱硝触媒を用いた選択触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で76wt%~97%のNO転化率、水分の共存化の場合で32%~73%のNO転化率を示した。
また、上述の記載では、本発明の脱硝触媒は、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であるとしたが、3wt%以上38wt%以下とすると好ましい。また、第2の金属の酸化物の含有量は、3wt%以上10wt%以下とするとより好ましい。また、第2の金属の酸化物の含有量は、5wt%以上10wt%以下とするとより好ましい。また、第2の金属の酸化物の含有量は、5wt%以上8wt%以下とするとより好ましい。また、第2の金属の酸化物の含有量は、6wt%以上8wt%以下とするとより好ましい。また、第2の金属の酸化物の含有量は、6wt%以上7wt%以下とするとより好ましい。
第3に、第2の金属は、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、Feからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である。これにより、酸化バナジウムの結晶構造を乱し、ルイス酸性を高めることができる。とりわけ、Co、Mo、Ce、Sn、Ni、Feの場合は、Vの酸化還元サイクルを促進する。また、これらの元素のうち、Coは、酸化力が強いことが知られている。W、Mo、Nbは、いずれも固体酸として機能すると共に、アンモニアの吸着サイトを提供することで、アンモニアが効率的にNOと接触し反応することが可能となる。
本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化コバルトの含有量が3.1wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で94.6%のNO転化率を、水分の共存下の場合で69.4%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化タングステンの含有量が8.4wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で92%のNO転化率を、水分の共存下の場合で64%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化モリブデンの含有量が5.4wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で97%のNO転化率を、水分の共存下の場合で62%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化ニオブの含有量が5.0wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で96.7%のNO転化率を、水分の共存下の場合で61.7%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化セシウムの含有量が6.4wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で89.8%のNO転化率を、水分の共存下の場合で52.9%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化スズの含有量が5.6wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で88.1%のNO転化率を、水分の共存下の場合で45.5%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化ニッケルの含有量が2.9wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で81.9%のNO転化率を、水分の共存下の場合で37.9%のNO転化率を示した。
また、本発明の実施形態において、第2の金属の酸化物として、酸化鉄の含有量が3.1wt%の脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で74.5%のNO転化率を、水分の共存下の場合で33.9%のNO転化率を示した。
一方、第2の金属の酸化物を含有しない脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応においては、水分の共存下でない場合で75.5%のNO転化率を、水分の共存下の場合で32%のNO転化率しか示されなかった。
また、本発明の脱硝触媒は、300℃以下での脱硝に用いられることが好ましい。これは、本発明の脱硝触媒の焼成温度が300℃であることに由来する。一方で、後述の実施例において、本発明の脱硝触媒は、反応温度200℃以下での選択的触媒還元反応において、高い脱硝効果を発揮したことから、本発明の脱硝触媒は、200℃以下での脱硝に用いることが可能である。200℃以下ではSOからSOへの酸化が発生しないため、上記の特許文献2でも知見が得られたように、200℃以下での選択的触媒還元反応時には、SOのSOへの酸化が伴わない。
また、上述の記載では、本発明の脱硝触媒は、300℃以下の脱硝に用いられることが好ましいとしたが、好ましくは200℃以下の脱硝に用いられてもよい、更に好ましくは、反応温度が100―200℃の脱硝に用いられてもよい。更に好ましくは、反応温度160-200℃の脱硝に用いられてもよい。あるいは、反応温度が80-150℃の脱硝に用いられてもよい。
また、本発明の脱硝触媒は、更に炭素を含有することが好ましい。とりわけ炭素含有率が0.05wt%以上であることが好ましい。なお好ましくは、炭素含有率が0.07wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.11wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.12wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.14wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.16wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.17wt%以上であってもよい。更に好ましくは、炭素含有率が0.70wt%以上であってもよい。
炭素を含むことにより、従来用いられているバナジウム/チタン触媒等の脱硝触媒に比べて、低温環境下でも高い脱硝効果を発揮できる。本発明の脱硝触媒中に不純物が入り込むと、脱硝触媒中にアモルファスの部分が生成されるために結晶構造が連続せず、結晶格子中の線や面がひずむことにより高い脱硝効果が発揮されるが、この不純物としての炭素が存在することにより、高い脱硝効果が発揮されることが推察される。
以下、酸化バナジウムを主成分とする脱硝触媒であって、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、及びFeからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である脱硝触媒を作製する方法を示す。
上記の脱硝触媒の作製方法は、バナジン酸塩、キレート化合物、及び第2の金属の化合物の混合物を焼成する工程を備える。
バナジン酸塩としては、例えば、バナジン酸アンモニウム、バナジン酸マグネシウム、バナジン酸ストロンチウム、バナジン酸バリウム、バナジン酸亜鉛、バナジン酸鉛、バナジン酸リチウム等を用いてもよい。
また、キレート化合物としては、例えば、シュウ酸やクエン酸等の複数のカルボキシル基を有するもの、アセチルアセトナート、エチレンジアミン等の複数のアミノ基を有するもの、エチレングリコール等の複数のヒドロキシル基を有するもの等を用いてもよい。
また、第2の金属の化合物としては、キレート錯体、水和物、アンモニウム化合物、リン酸化合物であってよい。キレート錯体としては、例えば、シュウ酸やクエン酸等の錯体であってよい。水和物としては、例えば(NH101241・5HOやHPW1240・nHOであってよい。アンモニウム化合物としては、例えば(NH101241・5HOであってよい。リン酸化合物としては、例えばHPW1240・nHOであってよい。
また、上記の混合物には、更にエチレングリコールが含まれることが好ましい。
これらの方法で製造された脱硝触媒は、従来用いられているバナジウム/チタン触媒等の脱硝触媒に比べて、低温環境下でも高い脱硝効果を発揮できる。本発明の脱硝触媒中に不純物が入り込むと、脱硝触媒中にアモルファスの部分が生成されるために結晶構造が連続せず、結晶格子中の線や面がひずむことにより高い脱硝効果が発揮されるが、この不純物としての炭素が多く存在するほど、高い脱硝効果が発揮されることが推察される。
本発明の実施形態において、バナジン酸アンモニウム、シュウ酸、第2の金属のシュウ酸錯体の混合物を焼成する方法によって製造された脱硝触媒は、水分の共存下でない場合で74.5~100%のNO転化率を、水分の共存下の場合で33.9~90%のNO転化率を示した。
また、上記の混合物に更にエチレングリコールが含まれる方法によって製造された脱硝触媒は、水分の共存下でない場合で100%のNO転化率を、水分の共存下の場合で89%のNO転化率を示した。
一方、このような工程を含まない方法で製造された脱硝触媒として、例えば、バナジン酸アンモニウムとシュウ酸とを混合するが、第2の金属の酸化物を混合せずに、焼成する方法で製造された脱硝触媒は、水分の共存下でない場合で76%のNO転化率、水分の共存下の場合で32%のNO転化率しか示さなかった。
また、上記の焼成は270℃以下の温度で行われることが好ましい。
本実施形態に係る脱硝触媒の生成時に、通常の300℃に比較して低温の270℃以下の温度で焼成することにより、当該脱硝触媒に含まれる五酸化バナジウム結晶の構造が局所的に乱れ、高い脱硝効果を発揮できるが、とりわけ五酸化バナジウムの結晶構造中に酸素原子が欠乏しているサイトが出現することで高い脱硝効果が発揮されることが推察される。なお、「酸素原子が欠乏しているサイト」のことを「酸素欠陥サイト」とも呼称する。
このようにして調製される脱硝触媒においては、酸化バナジウムを主成分とする脱硝触媒であって、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、及びFeからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である。
上記実施形態に係る脱硝触媒によれば、以下の効果が奏される。
(1)上記のように、上記実施形態に係る脱硝触媒において、バナジウムを主成分とする脱硝触媒であって、第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、Feからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素であるとした。
この脱硝触媒を用いることにより、アンモニアを還元剤とする反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応の際、従来技術に比較して、低温での脱硝効率が更に高いという効果を発揮できる。また、この脱硝触媒は、NOの吸着がしやすく、より高いNO転化率を発揮できる。
(2)上記のように、上記実施形態に係る脱硝触媒は、300℃以下での脱硝に用いられることが好ましい。
これにより、上記実施形態に係る脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応において、SOを酸化させることなく、高い脱硝効果がもたらされる。
(3)上記のように、上記実施形態に係る脱硝触媒は、更に炭素を含有することが好ましい。
これにより、上記実施形態に係る脱硝触媒は、水分と共存しない状況下で、100%以上のNO転化率を発揮できる。
(4)上記のように、炭素含有量が0.05wt%以上であることが好ましい。
これにより、上記実施形態に係る脱硝触媒は、水分と共存しない状況下で、100%以上のNO転化率を発揮できる。
(5)上記のように、上記実施形態に係る脱硝触媒の製造方法は、バナジン酸塩、キレート化合物、及び前記第2の金属の化合物の混合物を焼成する工程を有することが好ましい。
これにより、上記実施形態に係る脱硝触媒に第2の金属が含有されることとなり、上記実施形態に係る脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応における脱硝効果が向上する。
(6)上記の混合物には更にエチレングリコールが含まれることが好ましい。
これにより、上記実施形態に係る脱硝触媒に炭素及び第2の金属が含有されることとなり、上記実施形態に係る脱硝触媒を用いた反応温度200℃以下の選択的触媒還元反応における脱硝効果が向上する。
(7)上記の製造方法において焼成する工程は、270℃以下の温度で焼成する工程であることが好ましい。
これにより、脱硝触媒に含まれる五酸化バナジウム結晶の構造が局所的に乱れ、高い脱硝効果を発揮できる
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に、具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
<1 第2の金属として各種金属を含有するバナジウム触媒>
<1.1 各実施例と比較例>
[実施例1]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でコバルト(Co)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でCoが3.1wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例2]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるタングステン(W)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でタングステン(W)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でWOが8.4wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例3]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるモリブデン(Mo)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でモリブデン(Mo)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でMoOが5.4wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、モリブデン(Mo)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例4]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でニオブ(Nb)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でNbが5.0wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニオブ(Nb)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例5]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるセシウム(Ce)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でセシウム(Ce)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でCeOが6.4wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、セシウム(Ce)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例6]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるスズ(Sn)のシュウ酸錯体を、金属原子換算でスズ(Sn)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でSnOが5.6wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、スズ(Sn)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例7]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニッケル(Ni)を炭酸ニッケルとして0.113g、金属原子換算でニッケル(Ni)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でNiOが2.9wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニッケル(Ni)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例8]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属である鉄(Fe)のシュウ酸錯体を、金属原子換算で鉄(Fe)が3.5mol%となるように、すなわち金属酸化物換算でFeが3.1wt%となるように添加した。得られたバナジウム-異種金属錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、鉄(Fe)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[比較例1]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)4.96g(42.4mmol)とシュウ酸((COOH))11.5g(127.6mmol)とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、第2の金属を含有しない五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
<1.2 評価>
<1.2.1 NO転化率>
以下の表1の条件の下、反応温度150℃で、固定床流通式触媒反応装置を用いてNH-SCR反応を行った。触媒層を通過したガスのうち、NOをJasco FT-IR-4700で分析した。
Figure 0007388653000001
また、NO転化率を、下記の式(1)により算出した。なお、NOinは反応管入口のNO濃度、NOoutは反応管出口のNO濃度である。
Figure 0007388653000002
(測定結果)
表2に各五酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図1は、この表2をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000003
水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方で、実施例の脱硝触媒は、概ね、比較例の脱硝触媒よりも高いNO転化率を示した。とりわけ、バナジン酸アンモニウムに対し、コバルト、タングステン、モリブデン、ニオブを添加し焼成した脱硝触媒が高いNO転化率を示した。中でも、水分が共存しない場合においては、実施例3(モリブデンを添加)、水分が共存する場合においては、実施例1(コバルトを添加)が、最も高いNO転化率を示した。
<2 第2の金属としてコバルトを含有するバナジウム触媒>
<2.1 各実施例>
上記のように、実施例1~実施例8のバナジウム触媒において、水分が共存する場合では、実施例1(コバルトを添加)が、最も高いNO転化率を示したため、コバルトの添加量を変化させることにより、以下の各実施例に係るバナジウム触媒を生成した。
[実施例9]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが1wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例10]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが3wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例11]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが5wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例12]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが6wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例13]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが7wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例14]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが8wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例15]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるコバルト(Co)の前駆体であるシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが10wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
なお、以下の表3は、実施例9~実施例15における、コバルト導入時の前駆体の仕込み量を示す。
Figure 0007388653000004
<2.2 評価>
<2.2.1 NO転化率>
(測定方法)
上記の表1の条件の下、反応温度150℃で、固定床流通式触媒反応装置を用いてNH-SCR反応を行った。触媒層を通過したガスのうち、NOをJasco FT-IR-4700で分析した。
また、NO転化率を、上記の式(1)により算出した。
(測定結果)
表4に各酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図2は、この表4をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000005
水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方で、実施例の脱硝触媒は、全て、比較例の脱硝触媒よりも高いNO転化率を示した。とりわけ、水分が共存しない場合においては、実施例12(6wt%)、実施例13(7wt%)が最も高いNO転化率を示し、水分が共存する場合においては、実施例14(8wt%)が最も高いNO転化率を示した。
<2.2.2 粉末X線回折>
(回折方法)
粉末X線回折としては、Rigaku smart labにより、Cu-Kαを用いて測定を行った。
(回折結果)
図3は、実施例9(1wt%)、実施例10(3wt%)、実施例12(6wt%)、実施例15(10wt%)、及び比較例1(None:0wt%)の粉末XRD(X-Ray Diffraction)パターンを示す。
安定相であるVが主成分として存在すると共に、Coの添加率を上げると、Co相も出現することが示された。
<2.2.3 ラマンスペクトル>
(測定方法)
各五酸化バナジウム触媒の結晶構造について分析するため、ラマン分光法によりラマンスペクトルを測定した。より詳細には、スライドガラス上に、各触媒のサンプルを少量置き、ラマン分光装置によってラマンスペクトルを測定した。測定機器としては、日本分光製NRS-4100ラマン分光光度計を用いた。
(測定結果)
図4は、各触媒のラマンスペクトルを示す。Coの添加量を上げると、Vの結晶構造が崩れ、パターン強度が弱くなることが示された。
<2.2.4 X線光電子スペクトル(XPS)測定>
(測定方法)
実施例9(1wt%)、実施例10(3wt%)、実施例12(6wt%)、実施例15(10wt%)、及び比較例1(None:0wt%)につき、電子状態について分析するため、X線光電子スペクトル(XPS:X-Ray Photoelectron Spectrum)を測定した。より詳細には、各実施例及び比較例の触媒の粉末試料を、カーボンテープを用いてサンプルホルダーに固定し、X線光電子スペクトルを測定した。測定装置としては、日本電子製JPS-9010MX光電子分光計を用いた。
(測定結果)
図5Aは、V2p領域におけるXPSスペクトルを示す。図5Bは、Co2p領域におけるXPSスペクトルを示す。Coの添加量を上げると、V4+及びCo2+成分が増大することが示された。
<3 第2の金属としてタングステンを含有するバナジウム触媒>
<3.1 各実施例>
上記のように、実施例1~実施例8のバナジウム触媒において、水分が共存する場合では、実施例2(タングステンを添加)が2番目に高いNO転化率を示したため、タングステンの添加量を変化させることにより、以下の各実施例に係るバナジウム触媒を生成した。なお、単にタングステンの添加量を変化させるのみならず、後述のように、前駆体として、KWOを用いる場合と、HPW1240・nHOを用いる場合のそれぞれにおいて、タングステンの添加量を変化させた。
[実施例16]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、43.9mmolのKWOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、4.9wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウムの量を調整した。
[実施例17]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、43.9mmolのKWOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、11.8wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウムの量を調整した。
[実施例18]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、43.9mmolのKWOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、22.1wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウムの量を調整した。
[比較例2]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、43.9mmolのKWOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、略100wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウムの量を調整した。
なお、以下の表5は、実施例16~実施例18、及び比較例2における、タングステン導入時の前駆体の仕込み量を示す。
Figure 0007388653000006
[実施例19]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、HPW1240・nHOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、38.4wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウム及びHPW1240・nHOの量を調整した。
[比較例3]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、HPW1240・nHOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、61.7wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウム及びHPW1240・nHOの量を調整した。
[比較例4]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、HPW1240・nHOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、77.3wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウム及びHPW1240・nHOの量を調整した。
[比較例5]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、HPW1240・nHOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、84.4wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウム及びHPW1240・nHOの量を調整した。
[比較例6]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)と、HPW1240・nHOと、20mlの純水の混合物に、シュウ酸((COOH))を11.9g(131.7mmol)添加し、室温で10分間攪拌した後、70℃で12時間攪拌した。この前駆体試料を、300℃で4時間焼成することにより、タングステン(W)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。なお、生成される脱硝触媒中のWOの全重量比が、略100wt%となるように、原料としてのバナジン酸アンモニウム及びHPW1240・nHOの量を調整した。
なお、以下の表6は、実施例19、及び比較例3~比較例6における、タングステン導入時の前駆体の仕込み量を示す。
Figure 0007388653000007
<3.2 評価>
<3.2.1 概略>
上記の表1の条件の下、反応温度略150℃で、固定床流通式触媒反応装置を用いてNH-SCR反応を行った。触媒層を通過したガスのうち、NOをJasco FT-IR-4700で分析した。
また、NO転化率を、上記の式(1)により算出した。
(測定結果)
表7に各五酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図6は、この表7をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000008
水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方で、タングステン含有量が0wt%の比較例1、及びタングステン含有量が39wt%~100wt%の比較例2~5及び7に比較すると、概して、タングステンの添加量が10~38wt%の間の添加が有効であることが示された。
以下、前駆体として、KWOを用いる場合と、HPW1240・nHOを用いる場合のそれぞれについて、粉末X線回折及びSEM-EDSによる元素分析を実施すると共に、各々の場合における、タングステン含有率毎のNO転化率をグラフ化した。
<3.2.2 前駆体としてKWOを用いる場合>
<3.2.2.1 粉末X線回折及び元素分析>
(測定方法)
粉末X線回折としては、Rigaku smart labにより、Cu-Kαを用いて測定を行った。また、SEM-EDSによる元素分析を行った。
(測定結果)
図7は、実施例16(4.9wt%)、実施例17(11.8wt%)、実施例18(22.1wt%)、比較例1(0wt%)、比較例2(100wt%)の粉末XRDパターンを示す。
また、図8は、横軸をKWOのmol%とした場合の、タングステン元素の割合(%)を示す。
図7及び図8から、KWOを増やすことで、結晶相は三斜晶V(12wt%)を経て、単斜晶WO(100wt%)となったこと、及び、触媒に含まれるタングステン原子の比率が比例的に増加することが示された。
<3.2.2.2 NO転化率>
(測定結果)
表8に各五酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図9は、この表6をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000009
表8及び図9から分かるように、三斜晶V(22.1wt%)にて、触媒活性が最大(96.3%)となった。また、過剰のKWOは、触媒活性の低下を招き、タングステンの含有量が100wt%では、触媒活性はなかった。
<3.2.3 前駆体としてHPW1240・nHOを用いる場合>
<3.2.3.1 粉末X線回折及び元素分析>
(測定方法)
粉末X線回折としては、Rigaku smart labにより、Cu-Kαを用いて測定を行った。また、SEM-EDSによる元素分析を行った。
(測定結果)
図10は、実施例19(38.4wt%)、比較例4(61.7wt%)、比較例5(77.3wt%)、比較例6(84.4wt%)、比較例7(100wt%)の粉末XRDパターンを示す。
また、図11は、横軸をHPW1240・nHOのmol%とした場合の、タングステン元素の割合(%)を示す。
図10及び図11から、HPW1240・nHOの仕込み量を増やすことで、HPW1240・nHO由来の回折ピークが大きくなること、及び、比較的少量の仕込み量でタングステンの含有量が多くなることが示された。
<3.2.3.2 NO転化率>
(測定結果)
表9に各五酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図12は、この表9をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000010
表9及び図12から分かるように、HPW1240・nHOを前駆体とする場合は、タングステンの含有率が38.4wt%において触媒活性が最大(82.9%)となったものの、KWOを前駆体とする、タングステンの含有率が22.1wt%のバナジウム触媒の方が触媒活性が高い結果となった。
<4 第2の金属としてニオブを含有するバナジウム触媒>
<4.1 各実施例>
上記のように、実施例1~実施例8のバナジウム触媒において、水分が共存しない場合では、実施例4(ニオブを添加)が、2番目に最も高いNO転化率を示し、水分が共存する場合でも、比較的高いNO転化率を示したため、ニオブの添加量を変化させることにより、以下の各実施例に係るバナジウム触媒を生成した。
[実施例20]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でNbが1.8wt%となるように添加した。得られたバナジウム-ニオブ錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニオブ(Nb)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例21]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でNbが5.2wt%となるように添加した。得られたバナジウム-ニオブ錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニオブ(Nb)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例22]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でNbが8.5wt%となるように添加した。得られたバナジウム-コバルト錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、コバルト(Co)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例23]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でNbが11.7wt%となるように添加した。得られたバナジウム-ニオブ錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニオブ(Nb)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
[実施例24]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸((COOH))とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、第2の金属であるニオブ(Nb)のシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でNbが16.2wt%となるように添加した。得られたバナジウム-ニオブ錯体混合物を電気炉によって300℃の温度で4時間、2回焼成することにより、ニオブ(Nb)を含有する五酸化バナジウム(V)の脱硝触媒を得た。
なお、以下の表10は、実施例20~実施例24における、ニオブ導入時の前駆体の仕込み量を示す。
Figure 0007388653000011
<4.2 評価>
<4.2.1 NO転化率>
(測定方法)
上記の表1の条件の下、反応温度150℃で、固定床流通式触媒反応装置を用いてNH-SCR反応を行った。触媒層を通過したガスのうち、NOをJasco FT-IR-4700で分析した。
また、NO転化率を、上記の式(1)により算出した。
(測定結果)
表11に各酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図13は、この表11をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000012
水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方で、実施例の脱硝触媒は、全て、比較例の脱硝触媒よりも高いNO転化率を示した。とりわけ、水分が共存しない場合においては、実施例22(9wt%)が最も高いNO転化率を示し、水分が共存する場合においては、実施例21(5wt%)が最も高いNO転化率を示した。
<5 炭素と第2の金属としてのコバルトを含有し、低温で焼成されたバナジウム触媒>
<5.1 各実施例と比較例>
[実施例25]
バナジン酸アンモニウム(NHVO)とシュウ酸とを純水に溶解させ、前駆体錯体を合成した。この前駆体錯体に対し、エチレングリコールと、第2の金属であるコバルト(Co)の前駆体であるシュウ酸錯体を、金属酸化物換算でCoが6wt%となるように添加した。得られた触媒躯体を電気炉によって270℃の温度で2時間焼成することにより、炭素及びコバルト(Co)を含有する酸化バナジウムの脱硝触媒を得た。
なお、以下の表12は、実施例25における、コバルト導入時の前駆体の仕込み量を示す。
Figure 0007388653000013
<5.2 評価>
<5.2.1 炭素含有量>
(測定方法)
各五酸化バナジウム触媒の炭素含有量の測定の際は、C(炭素)、H(水素)、N(窒素)の元素分析によって炭素含有量を定量した。より詳細には、エグゼタ-アナリティカル社製CE-440F内部の高温の反応管内で、各脱硝触媒を完全燃焼・分解し、主構成元素であるC、H、NをCO、HO、Nに変換した後、これらの三成分を三つの熱伝導度検出器で順次定量し、構成元素中のC、H、Nの含有量を測定した。
(測定結果)
実施例25のバナジウム触媒に含まれる炭素含有量は、0.70wt%であった。
<5.2.2 NO転化率>
(測定方法)
上記の表1の条件の下、反応温度150℃で、固定床流通式触媒反応装置を用いてNH-SCR反応を行った。触媒層を通過したガスのうち、NOをJasco FT-IR-4700で分析した。
また、NO転化率を、上記の式(1)により算出した。
(測定結果)
表13に、比較例1、実施例12、実施例25の各五酸化バナジウム触媒の、水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方のNO転化率を示す。図14は、この表13をグラフ化したものである。
Figure 0007388653000014
水分が共存しない場合と水分の共存下の場合との双方で、実施例25の脱硝触媒が最も高いNO転化率を示した。

Claims (5)

  1. 酸化バナジウムが五酸化バナジウム換算で50wt%以上存在し、炭素を含有する脱硝触媒であって、
    第2の金属の酸化物の含有量が1wt%以上40wt%以下であり、
    前記第2の金属が、Co、W、Mo、Nb、Ce、Sn、Ni、及びFeからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属元素である脱硝触媒。
  2. 300℃以下での脱硝に用いられる、請求項1に記載の脱硝触媒。
  3. 炭素含有量が0.05wt%以上である、請求項1又は請求項2に記載の脱硝触媒。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の脱硝触媒の製造方法であって、
    バナジン酸塩、キレート化合物、エチレングリコール、及び前記第2の金属の化合物の混合物を焼成する工程を有する、脱硝触媒の製造方法。
  5. 前記焼成する工程は、270℃以下の温度で焼成する工程である、請求項4に記載の脱硝触媒の製造方法。
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