JP7216776B2 - 窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、各図面における各構成要素の寸法比は、必ずしも実際の窒化物半導体発光素子の寸法比と一致するものではない。
次に、発光素子1の製造方法について説明する。基板10上にバッファ層22、n型クラッド層30、活性層50、電子ブロック層60、p型クラッド層70を、この順に、例えば、温度を段階的に下げながら連続的に高温成長させてウエハを形成する。ウエハは、一例として、例えば、直径約50mmの円形状の形状を有する。これら層の成長には、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)、分子線エピタキシ法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハライド気相エピタキシ法(Halide Vapor Phase Epitaxy:NVPE)等の周知のエピタキシャル成長法を用いて形成することができる。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る実施例について説明する。図4は、比較例及び実施例に係る発光素子1の構成と、測定結果とを示す図である。図5は、比較例及び実施例に係る発光素子の素材であるウエハの反り及びウエハの面内発光割合を示すグラフである。なお、図4の「ループ数」は、第2のAlGaN層342及び第3のAlGaN層344の各層の数L(「積層数L」ともいう)を示す。
図3は、変形例に係る発光素子のn型クラッド層のAl組成比の一例を模式的に示すグラフである。図3に示すように、第2のAl組成比uは、第1のAl組成比qと等しい値になるようにしてもよい。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る発光素子1のn型クラッド層のAl組成比の変形例を模式的に示すグラフである。第2の実施の形態に係る発光素子1は、後述する第4のAlGaN層36を備える点で、第1の実施の形態に係る発光素子1と相違する。以下、第1の実施の形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略するとともに、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態及びその変形例並びに第2の実施の形態に係る発光素子1では、n型クラッド層30が、下地構造部2側に位置して、第1のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第1のAlGaN層32と、第1のAlGaN層32及び多重量子井戸層の間に位置して、第1のAl組成比以下のAl組成比を有するAlGaNにより形成された複数の層342,344が交互に積層された緩衝層34とを有している。これにより、発光素子1の素材であるウエハの反りが抑制され、発光強度の面内分布を向上させることが可能となる。
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[2]前記第2のAlGaN層(342)は、前記第1のAlGaN層(32)上に形成されている、前記[1]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[3]基板(10)を含む下地構造部(2)上に位置するn型AlGaNにより形成されたn型クラッド層(30)と、前記n型クラッド層(30)上に位置する、複数の障壁層(52a,52b,52c)と複数の井戸層(54a,54b,54c)とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層とを含む窒化物半導体発光素子(1)であって、前記n型クラッド層(30)は、前記下地構造部(2)側に位置して、第1のAl組成比(q)を有するn型AlGaNにより形成された第1のAlGaN層(32)と、前記第1のAlGaN層(32)及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比(q)よりも小さい第2のAl組成比(u)を有するAlGaNを含む第2のAlGaN層(342)と、前記第2のAl組成比(u)よりも小さい第3のAl組成比(v)を有するAlGaNを含む第3のAlGaN層(344)とが交互に積層された緩衝層(34)とを備え、前記第2のAlGaN層(342)は、前記第1のAlGaN層(32)上に形成されている、窒化物半導体発光素子(1)。
[4]前記n型クラッド層(30)は、前記緩衝層(34)上に位置して、前記第3のAl組成比(v)以下の第4のAl組成比(w)を有するn型AlGaNにより形成された第4のAlGaN層(36)をさらに含む、前記[3]に記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[5]前記第4のAlGaN層(36)は、2.0マイクロメートル以下の厚さ(t4)を有する、前記[1],[2]及び[4]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[6]前記第4のAl組成比(w)は、前記第3のAl組成比(v)と等しい値である、前記[1],[2],[4]及び[5]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[7]前記緩衝層(34)は、複数の前記第2のAlGaN層(342)と、複数の前記第3のAlGaN層(344)とを、前記第1のAlGaN層(32)側から前記多重量子井戸層側に向かってこの順に交互にL層ずつ積層してなる多重層を含む、前記[2]から[6]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[8]前記第2のAl組成比(u)は、前記第1のAl組成比(q)と等しい値である、前記[2]から[7]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[9]前記第3のAlGaN層(344)は、前記第2のAlGaN層(342)の厚さ(t2)よりも大きい厚さ(t3)を有する、前記[1]から[8]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[10]前記第1のAlGaN層(32)は、1.5マイクロメートル以下の厚さ(t1)を有する、前記[1]から[9]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[11]前記緩衝層(34)は、4.0マイクロメートル以下の厚さを有する、前記[1]から[10]のいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子(1)。
[12]基板(10)を含む下地構造部(2)上に位置するn型AlGaNを有するn型クラッド層(30)を形成する工程と、前記n型クラッド層(30)上に位置する、複数の障壁層(52a,52b,52c)と複数の井戸層(54a,54b,54c)とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層を形成する工程とを含む窒化物半導体発光素子(1)の製造方法であって、前記n型クラッド層(30)を形成する工程は、前記下地構造部(2)側に位置して、第1のAl組成比(q)を有するn型AlGaNを含む第1のAlGaN層(32)を形成する工程と、前記第1のAlGaN層(32)及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比(q)以下の第2のAl組成比(u)を有するAlGaNを含む第2のAlGaN層(342)と、前記第2のAl組成比(u)よりも小さい第3のAl組成比(v)を有するAlGaNを含む第3のAlGaN層(344)とが交互に積層された緩衝層(34)を形成する工程と、を備え、前記n型クラッド層(30)を形成する工程は、前記緩衝層(34)上に位置して、前記第3のAl組成比(v)以下の第4のAl組成比(w)を有するn型AlGaNにより形成された第4のAlGaN層(36)を形成する工程をさらに備える、窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
[13]基板(10)を含む下地構造部(2)上に位置するn型AlGaNを有するn型クラッド層(30)を形成する工程と、前記n型クラッド層(30)上に位置する、複数の障壁層(52a,52b,52c)と複数の井戸層(54a,54b,54c)とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層を形成する工程とを含む窒化物半導体発光素子(1)の製造方法であって、前記n型クラッド層(30)を形成する工程は、前記下地構造部(2)側に位置して、第1のAl組成比(q)を有するn型AlGaNを含む第1のAlGaN層(32)を形成する工程と、前記第1のAlGaN層(32)及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比(q)よりも小さい第2のAl組成比(u)を有するAlGaNを含む第2のAlGaN層(342)と、前記第2のAl組成比(u)よりも小さい第3のAl組成比(v)を有するAlGaNを含む第3のAlGaN層(344)とが交互に積層された緩衝層(34)を形成する工程と、を備え、前記n型クラッド層(30)を形成する工程においては、前記第1のAlGaN層(32)上に前記第2のAlGaN層(342)が形成される、窒化物半導体発光素子(1)の製造方法。
2…下地構造部
10…基板
22…バッファ層
30…n型クラッド層
30a…露出面
32…第1のAlGaN層
34…緩衝層
342…第2のAlGaN層
344…第3のAlGaN層
36…第4のAlGaN層
50…活性層
52,52a,52b,52c…障壁層
54,54a,54b,54c…井戸層
60…電子ブロック層
70…p型クラッド層
80…p型コンタクト層
90…n側電極
92…p側電極
L…積層数
t1…第1のAlGaN層の厚さ
t2…第2のAlGaN層の厚さ
t3…第3のAlGaN層の厚さ
t4…第4のAlGaN層の厚さ
q…第1のAl組成比
u…第2のAl組成比
v…第3のAl組成比
w…第4のAl組成比
Claims (12)
- 基板を含む下地構造部上に位置するn型AlGaNにより形成されたn型クラッド層と、
前記n型クラッド層上に位置する、複数の障壁層と複数の井戸層とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層と
を含む窒化物半導体発光素子であって、
前記下地構造部は、前記基板上にAlNにより形成されたバッファ層を有し、
前記n型クラッド層は、
前記下地構造部側に位置して、前記バッファ層のAl組成比よりも小さい第1のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第1のAlGaN層と、
前記第1のAlGaN層及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比以下の第2のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第2のAlGaN層と、前記第2のAl組成比よりも小さい第3のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第3のAlGaN層とが交互に積層された緩衝層と
を備え、
前記n型クラッド層は、前記緩衝層上に位置して、前記第3のAl組成比よりも小さい第4のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第4のAlGaN層をさらに含み、
前記第4のAlGaN層は、最も上側に位置する前記第3のAlGaN層に接している、
窒化物半導体発光素子。 - 基板を含む下地構造部上に位置するn型AlGaNにより形成されたn型クラッド層と、
前記n型クラッド層上に位置する、複数の障壁層と複数の井戸層とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層と
を含む窒化物半導体発光素子であって、
前記下地構造部は、前記基板上にAlNにより形成されたバッファ層を有し、
前記n型クラッド層は、
前記下地構造部側に位置して、前記バッファ層のAl組成比よりも小さい第1のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第1のAlGaN層と、
前記第1のAlGaN層及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比よりも小さい第2のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第2のAlGaN層と、前記第2のAl組成比よりも小さい第3のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第3のAlGaN層とが交互に積層された緩衝層と
を備え、
前記第2のAlGaN層は、前記第1のAlGaN層上に形成されており、
最も下側に位置する前記第2のAlGaN層は、前記第1のAlGaN層に接している、
窒化物半導体発光素子。 - 前記n型クラッド層は、前記緩衝層上に位置して、前記第3のAl組成比以下の第4のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第4のAlGaN層をさらに含む、
請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記第4のAlGaN層は、2.0マイクロメートル以下の厚さを有する、
請求項1又は3に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記第4のAl組成比は、前記第3のAl組成比と等しい値である、
請求項3に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記緩衝層は、
複数の前記第2のAlGaN層と、複数の前記第3のAlGaN層とを、前記第1のAlGaN層側から前記多重量子井戸層側に向かってこの順に交互にL層ずつ積層してなる多重層を含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記第2のAl組成比は、前記第1のAl組成比と等しい値である、
請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記第3のAlGaN層は、前記第2のAlGaN層の厚さよりも大きい厚さを有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記第1のAlGaN層は、1.5マイクロメートル以下の厚さを有する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 前記緩衝層は、4.0マイクロメートル以下の厚さを有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。 - 基板及び前記基板上に位置するAlNにより形成されたバッファ層を含む下地構造部上に位置するn型AlGaNを有するn型クラッド層を形成する工程と、
前記n型クラッド層上に位置する、複数の障壁層と複数の井戸層とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層を形成する工程と
を含む窒化物半導体発光素子の製造方法であって、
前記n型クラッド層を形成する工程は、
前記下地構造部側に位置して、前記バッファ層のAl組成比よりも小さい第1のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第1のAlGaN層を形成する工程と、
前記第1のAlGaN層及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比以下の第2のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第2のAlGaN層と、前記第2のAl組成比よりも小さい第3のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第3のAlGaN層とが交互に積層された緩衝層を形成する工程と、を備え、
前記n型クラッド層を形成する工程は、前記緩衝層上に位置して、前記第3のAl組成比以下の第4のAl組成比を有するn型AlGaNにより形成された第4のAlGaN層を形成する工程をさらに備え、
前記第4のAlGaN層を形成する工程においては、前記第4のAlGaN層が、最も上側に位置する前記第3のAlGaN層に接するよう形成される、
窒化物半導体発光素子の製造方法。 - 基板及び前記基板上に位置するAlNにより形成されたバッファ層を含む下地構造部上に位置するn型AlGaNを有するn型クラッド層を形成する工程と、
前記n型クラッド層上に位置する、複数の障壁層と複数の井戸層とをこの順に交互に積層してなる多重量子井戸層を形成する工程と
を含む窒化物半導体発光素子の製造方法であって、
前記n型クラッド層を形成する工程は、
前記下地構造部側に位置して、前記バッファ層のAl組成比よりも小さい第1のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第1のAlGaN層を形成する工程と、
前記第1のAlGaN層及び前記多重量子井戸層の間に位置して、前記第1のAl組成比よりも小さい第2のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第2のAlGaN層と、前記第2のAl組成比よりも小さい第3のAl組成比を有するn型AlGaNを含む第3のAlGaN層とが交互に積層された緩衝層を形成する工程と、を備え、
前記n型クラッド層を形成する工程においては、前記第1のAlGaN層上に前記第2のAlGaN層が形成されるとともに、最も下側に位置する前記第2のAlGaN層が、前記第1のAlGaN層に接するよう形成される、
窒化物半導体発光素子の製造方法。
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