JP7215938B2 - 高強度非磁性ステンレス鋼板およびそれを用いた携帯電子機器 - Google Patents
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Description
(A)鋼板の板厚方向に対して垂直な表面(圧延面)を機械研磨にて鏡面研磨仕上とした観察面について、SEM(走査型電子顕微鏡)により、無作為に選択した重複しない複数の視野からなる合計10mm2以上の領域を観察し、その領域内に観測される非金属介在物粒子のうち、下記(B)に定義される粒子径Dが5.0μm以上である全ての非金属介在物粒子についての前記Dの相加平均値を求め、その相加平均値を平均粒子径DM5(μm)とする。ただし、それぞれの前記視野において、粒子の全体が当該視野内に存在する非金属介在物粒子のみを平均粒子径DM5の測定対象とする。粒子径Dが5.0μm以上である非金属介在物粒子が存在しない場合は、平均粒子径DM5は0μmとする。
(B)画像上において、ある非金属介在物粒子の輪郭線上にある任意の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分を「長軸」と呼び、長軸の長さ(μm)を「長径」、長軸に対して画像上で直角方向に測定した当該非金属介在物粒子の最も長い部分の長さ(μm)を「短径」と呼ぶとき、(長径+短径)/2で表される値を当該非金属介在物粒子の粒子径D(μm)と定義する。
また、本発明では、上記ステンレス鋼板を素材に用いた部材を有する携帯電子機器が提供される。
以下、鋼組成における「%」は特に断らない限り質量%を意味する。
発明者らの検討によれば、上記の化学組成に調整された非磁性オーステナイト単相系ステンレス鋼板の耐疲労特性を安定して向上させるには、鋼板中に存在する非金属介在物のうち、一定以上のサイズを有する粗大な非金属介在物の平均粒子径が小さいことが、極めて効果的である。そのため本発明では、疲労破壊や加工割れの起点として作用しない微細な非金属介在物を除外して、粗大な非金属介在物についての平均粒子径を採用する。
(i)鋼の化学組成を上述の範囲にコントロールすること、
(ii)溶鋼の精錬において非金属介在物の組成を軟質なMn-Si-O系介在物が主体となるようにコントロールすること、
(iii)圧延工程で非金属介在物の粒子を分断して小粒子化すること、
が重要である。
携帯電子機器の小型化に対応するためには、筐体やばね部品には薄肉化が要求され、それに使用する素材鋼板には高い強度が要求される。ここでは、JIS Z2241:2011に従う圧延方向の引張強さ(13B号試験片使用)が1000N/mm2以上であるものを対象とする。1300N/mm2以上、あるいは1350N/mm2以上に調整することも可能である。硬さについては、鋼板の板厚方向に対して垂直な表面(圧延面)について測定したJIS Z2244:2009に従いビッカース硬さHV30(試験力294.2N)が300HV以上であることが望ましい。
比透磁率μrが1.005以下である鋼板を対象とする。比透磁率μrは、鋼板から採取した直径5mmのサンプルについて、試料振動型磁力計を用いて5kOe(397.9kA/m)の磁場を加えて磁化させて得られた磁場-磁化曲線から求めることができる。
(冷間圧延率33%材)
板厚5mmの熱延焼鈍鋼板を板厚1.5mmまで冷間圧延したのち100%水素雰囲気下で1100℃×1分の中間焼鈍を施し、次いで板厚1.0mmまで冷間圧延することにより作製した。
(冷間圧延率60%材)
板厚5mmの熱延焼鈍鋼板を板厚2.5mmまで冷間圧延したのち100%水素雰囲気下で1100℃×1分の中間焼鈍を施し、次いで板厚1.0mmまで冷間圧延することにより作製した。
(冷間圧延率80%材)
板厚5mmの熱延焼鈍鋼板を板厚1.0mmまで冷間圧延することにより作製した。
[非金属介在物の平均粒子径DM5]
前述の(A)に従う方法で測定した。
鋼板の板厚方向に対して垂直な表面(圧延面)について、JIS Z2244:2009に基づいてビッカース硬さHV30(試験力294.2N)を測定した。
JIS Z2241:2011に基づいて圧延方向の引張強さ(13B号試験片使用)を測定した。
供試材の鋼板から採取した直径5mm、板厚1mmのサンプルについて、試料振動型磁力計(理研電子株式会社製、BHV525)を用いて掃引速度1kOe/分で5kOe(397.9kA/m)の磁場を加えて磁化させ、そこで得られた磁場-磁化曲線の傾きより透磁率を求め、真空の透磁率4π×10-7H/mで除して比透磁率とした。各例とも試験数n=5で測定を行い、5個の平均値を当該供試材の比透磁率μrとした。
平面曲げ疲労試験機によりJIS Z2275に準拠して繰返し数107回の疲労限界応力を測定した。試験片は長手方向を圧延平行方向とし、幅30mm、長さ90mm、幅方向両端にR=42.5mmのR部を有し、R部の最小板幅20mmのものを使用した。
以上の結果を表2に示す。
Claims (3)
- 質量%で、C:0.040~0.080%、Si:0.30~1.00%、Mn:2.00~4.00%、P:0.050%以下、S:0.005%以下、Ni:11.00~14.00%、Cr:18.00~20.00%、Cu:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Ti:0.015%以下、Co:0.10~2.00%、N:0.100~0.300%、Al:0.010%以下、B:0.0100%以下、O:0.0030~0.0100%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有する鋼板であって、鋼板表面に観察される非金属介在物の下記(A)に従う平均粒子径DM5が15.0μm以下であり、圧延方向の引張強さが1000N/mm2以上であり、比透磁率μrが1.005以下である携帯電子機器用ステンレス鋼板。
(A)鋼板の板厚方向に対して垂直な表面(圧延面)を機械研磨にて鏡面研磨仕上とした観察面について、SEM(走査型電子顕微鏡)により、無作為に選択した重複しない複数の視野からなる合計10mm2以上の領域を観察し、その領域内に観測される非金属介在物粒子のうち、下記(B)に定義される粒子径Dが5.0μm以上である全ての非金属介在物粒子についての前記Dの相加平均値を求め、その相加平均値を平均粒子径DM5(μm)とする。ただし、それぞれの前記視野において、粒子の全体が当該視野内に存在する非金属介在物粒子のみを平均粒子径DM5の測定対象とする。粒子径Dが5.0μm以上である非金属介在物粒子が存在しない場合は、平均粒子径DM5は0μmとする。
(B)画像上において、ある非金属介在物粒子の輪郭線上にある任意の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分を「長軸」と呼び、長軸の長さ(μm)を「長径」、長軸に対して画像上で直角方向に測定した当該非金属介在物粒子の最も長い部分の長さ(μm)を「短径」と呼ぶとき、(長径+短径)/2で表される値を当該非金属介在物粒子の粒子径D(μm)と定義する。 - 鋼板の板厚方向に対して垂直な表面(圧延面)におけるビッカース硬さが300HV以上である請求項1に記載の携帯電子機器用ステンレス鋼板。
- 請求項1または2に記載のステンレス鋼板を素材に用いた部材を有する携帯電子機器。
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