JP7215840B2 - 制御装置、空調システム及び制御方法 - Google Patents

制御装置、空調システム及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、制御装置、空調システム及び制御方法に関する。
特許文献1には、空気調和機により温度制御された空調エアを床面に配置されたパネルボードに送り、パネルボードを冷却または加熱して、該パネルボードからの冷気または暖気を室内に放射する空気式放射空調システムが開示されている。この空気式放射空調システムでは、パネルボードを通過した空調エアをパネルボード端部のグリルより室内へ吹き出す。これにより、パネルボードからの熱放射だけでなく、空調エアによっても室内を冷暖房することができる。また、特許文献1には、室内へ吹き出した空調エアが、再び空気調和機に吸引され再利用されることが記載されている。特許文献1に記載の空気式放射空調システムでは、一般に室内温度と設定温度の温度差に基づいて圧縮機の制御を行うことが多い。
また、特許文献2には、温水等の媒体を利用側熱交換器へ供給して暖房等を行うヒートポンプシステムが記載されている。特許文献2に記載のヒートポンプシステムでは、利用側熱交換器の入口と出口における温水の温度差が目標値となるように、温水を送出する循環ポンプの運転容量を制御している。
特開2004-232989号公報 特開2010-196946号公報
空気式放射空調システムにおいて、空気調和機によって温度制御された空調エアは、放射パネルの温度制御と室内空気の温度制御の両方に用いられる。上記のように室内温度のみによって空調の制御を行う場合、放射パネルの温度制御が考慮されていないため空調システムに求められる必要な冷却能力または加熱能力を正確に判断することができず、必要以上に高い能力で運転をしたり、反対に能力が足りない状態で運転したりする可能性がある。これに対し、室内空気および放射パネルの両方の温度制御に必要な負荷に基づいて制御を行う方法は提供されていない。また、特許文献1、2にも、そのような制御方法は開示されていない。
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる制御装置、空調システム及び制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、制御装置は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間が所定の設定温度となるように前記空気の温度制御を行うための負荷である空調負荷の大きさと、前記放射パネルモジュールの放射面の温度制御を行うための負荷である蓄熱負荷の大きさと、に基づいて前記空気調和機が備える圧縮機を制御し、前記空調負荷の大きさが第1閾値以上の場合、前記蓄熱負荷の大きさが第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を維持する
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記設定温度と前記空間の温度との温度差に基づいて前記空調負荷の大きさを判定し、前記空気調和機によって送出された前記空気の温度と前記吹出口から吹き出される前記空気の温度との温度差に基づいて前記蓄熱負荷の大きさを判定する。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記設定温度と前記空間の温度との温度差が所定の閾値より大きい場合に前記空調負荷が大きいと判定し、前記空気調和機によって送出された前記空気の温度と前記吹出口から吹き出される前記空気の温度との温度差が所定の閾値より大きい場合に前記蓄熱負荷が大きいと判定する。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記空調負荷の大きさが前記第1閾値より小さい第2閾値以上で、前記第1閾値より小さい場合、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より大きい第3閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記第3閾値より小さく前記第4閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を維持し、前記第4閾値より小さければ前記圧縮機の回転数を低下させる。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記空調負荷の大きさが前記第2閾値より小さい場合、前記蓄熱負荷の大きさが前記第3閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を維持し、前記第3閾値より小さく前記第4閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を低下させ、前記第4閾値より小さければ前記圧縮機を停止させる。
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、前記蓄熱負荷が大きいと判定すると、前記ファンの回転数を低下させる。
本発明の一態様によれば、空調システムは、空調対象となる空間の空気を吸入して、前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、上記の何れかに記載の制御装置と、を備える。
本発明の一態様によれば、制御方法は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間が所定の設定温度となるように前記空気の温度制御を行うための負荷である空調負荷の大きさと、前記放射パネルモジュールの放射面の温度制御を行うための負荷である蓄熱負荷の大きさと、に基づいて前記空気調和機が備える圧縮機を制御し、前記空調負荷の大きさが第1閾値以上の場合、前記蓄熱負荷の大きさが第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を維持する。
本発明によれば、放射式と対流式を組み合わせた空調システムにおいて、対流式空調の負荷(空調負荷)だけでなく放射式空調の負荷(蓄熱負荷)も加えた正確な負荷に応じた能力で空調システムの運転を行うことができる。
本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。 本発明の一実施形態における放射パネルとその配置例を示す図である。 本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。 本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態における圧縮機の回転数制御の一例を示す第1のフローチャートである。 本発明の一実施形態における圧縮機の回転数制御の一例を示す第2のフローチャートである。 本発明の一実施形態における空調負荷と蓄熱負荷に対する圧縮機の回転数制御の一例を示す図である。
<実施形態>
以下、本実施形態の空調システムについて図を参照しつつ説明を行う。
図1は、本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。
空調システム100は、室内機10と、室外機20と、放射パネルモジュール40A,40Bと、ダクト13と、を備える。以下、放射パネルモジュール40A,40B等を総称して放射パネルモジュール40と記載する場合がある。
室内機10は、空調対象となる室内の空間W0の天井裏などに設置され、吸込口W1から空間W0の空気Wを吸入し、この空気Wを適切な温度に調節してダクト13へ送出する。空間W0の床、壁面、天井などには、少なくとも1つの放射パネルモジュール40が配置され、ダクト13へ送出された温度制御済みの空気Wは、放射パネルモジュール40へ供給される。放射パネルモジュール40は、ふく射熱を空間W0へ放射する放射パネルと、室内機10から供給される空気Wが通過する流路を備える。放射パネルは空間W0と接するように床、壁、天井などの表面にその放射面(放射パネル)が空間W0側を向くように配置され、放射パネルの裏面を通過する温度制御済みの空気Wが放射パネルを冷却または加熱する。放射パネルが冷却または加熱されることにより、放射パネルを介してふく射熱が空間W0へ伝達し、空間W0を冷房または暖房する。なお、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bは、配管等で接続されていて、放射パネルモジュール40Aを通過した空気Wは、放射パネルモジュール40Bへ供給される。室内機10から供給される空気Wは、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bを通過し、吹出口W2Aから空間W0へ吹き出され、空間W0を冷却または加熱する。このように空調システム100は、放射式および対流式の2方式による空調を行って空間W0の冷暖房を行う。
空調システム100は、空気Wの風路の入口付近で空気Wの温度を計測する温度センサ14と、風路の出口付近で空気Wの温度を計測する温度センサ15を備える。風路とは、室内機10から送出された空気Wが、吹出口W2Aから空間W0へ吹き出されるまでの間に通過する空間全体のことである。風路は、ダクト13、1つまたは複数の放射パネルモジュール40に設けられた流路、放射パネルモジュール40を接続する配管等を含む。
次に放射パネルモジュール40の構成および配置の一例について説明する。
図2は本発明の一実施形態における放射パネルモジュールとその配置例を示す図である。図2に放射パネルモジュール40の平面図を示す。図2に示す例では、空間W0の床面に4つの放射パネルモジュール40A,40B,40C,40Dが配置されている。放射パネルモジュール40Aを例に放射パネルモジュール40の構成を説明する。放射パネルモジュール40Aは、ダンパー42Aと、流路形成部材41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6と、ダンパー制御部43Aと、入口部44Aと、出口部45Aと、を備えている。また、放射パネルモジュール40Aの上側の面(空間W0の床面)は、図示しない放射パネルで形成されている。ダンパー制御部43Aは、制御装置30の指示に基づいてダンパー42Aの開閉動作を制御する。ダンパー42Aが実線で示す位置にあるとき(開状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、実線矢印が示す方向にバイパス流路46Aを通過し、出口部45Aから送り出される。一方、ダンパー制御部43Aの制御によりダンパー42Aが破線で示す位置にあるとき(閉状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、破線矢印が示す方向に熱交換流路47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7を通過し、出口部45Aから送り出される。
空気Wが、熱交換流路47A1等を通過すると、放射パネルモジュール40Aからのふく射熱が増大し、暖房時には床(放射パネル)が暖かくなる。反対に空気Wがバイパス流路46Aを通過した場合には、放射パネルモジュール40Aが配置された領域の床の温度上昇は抑えられ、暖かい空気Wは対流式の空調で利用される。例えば、ユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、リモートコントローラ等によって、放射パネルモジュール40Aのダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wが熱交換流路47A1等を通過するように制御することができる。あるいは、冷房運転時にユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、足元が冷えるのを抑えるためにリモートコントローラにより、ダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wがバイパス流路46Aを通過するように制御することができる。放射パネルモジュール40B~40Dについても同様に構成されている。
図示するように放射パネルモジュール40Aと放射パネルモジュール40Bは配管50Aで接続されている。同様に放射パネルモジュール40Cと放射パネルモジュール40Dは配管50Cで接続されている。ダクト13は2つに分岐して、入口部44A,44Cと接続している。室内機10からダクト13を介して温度制御済みの空気Wが放射パネルモジュール40Aの入口部44Aと放射パネルモジュール40Cの入口部44Cへ供給される。放射パネルモジュール40Aへ供給された空気Wは、バイパス流路46A又は熱交換流路47A1等を通過して出口部45Aから配管50Aを介して放射パネルモジュール40Bの入口部44Bへ供給される。同様に放射パネルモジュール40Cへ供給された空気Wは、放射パネルモジュール40Cの内部を通過して出口部45Cから配管50Cを介して放射パネルモジュール40Dの入口部44Dへ供給される。放射パネルモジュール40B,40Dについても同様である。放射パネルモジュール40B,40Dがそれぞれ出口部45B,45Dから送り出した空気Wは、吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出される。
放射パネルモジュール40A~40Dのダンパー42A等は、各々独立して制御することができるので、例えば、放射パネルモジュール40Aのみ空気Wが熱交換流路47A1等を流れるようにダンパー42Aを閉状態とし、放射パネルモジュール40B~40Dについては、それぞれダンパー42B~42Dを開状態に制御することができる。
吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出された空気Wは、空間W0を冷房または暖房して、再び吸込口W1から室内機10へ吸入される。図1、図2に例示するように、天井の吸入口W1と吹出口W2A~W2Dとを離れた位置に設け、その間に複数の放射パネルモジュール40を並べて配置することができる。例えば、吸入口W1と吹出口W2A等とが、空調対象の部屋の両端に近い位置に設けられていれば、対流式の空調において部屋全体を偏りなく空調することができる。また、複数の放射パネルモジュール40を、配管50を介して任意の方向に接続することで2次元平面状に放射パネルを配置することができる。これにより、放射式の空調によっても部屋全体を空調することができる。
なお、ダンパー42Aの切り替えは、完全な開状態と閉状態との間で切り替える制御に限定されない。例えば、ステッピングモータを用いて、開状態と閉状態との間を多段階に切り替えられるように制御してもよい。これにより、熱交換流路47A1等に流入する空気Wの流量とバイパス流路46Aに流入する空気Wの流量とを調整し、より細やかな温度制御を行うことができる。例えば、暖房中に床の温度が高いと感じた場合、ユーザの指示によりダンパー制御部43Aは、ダンパー42Aの位置を開状態と閉状態の中間の位置に制御してもよい。すると、閉状態に制御した場合よりは少ない量の空気Wが熱交換流路47A1等へ流入するため、床の温度上昇を抑えることができる。
図1に戻り、吸込口W1から吸入された空気Wは、室内機10が備える室内熱交換器2との間で熱交換を行い、適切な温度に制御され、ファン9によって再びダクト13へ送出される。室内機10は、室内熱交換器2、ファン9、温度センサ11、湿度センサ12、制御装置30を備える。風路には、温度センサ14(入口側)と温度センサ15(出口側)が設けられる。制御装置30は、温度センサ14および温度センサ15と接続されている。温度センサ11は、吸込口W1から吸入された空気Wの温度(空間W0の温度:室温)を計測する。湿度センサ12は、吸込口W1から吸入された空気Wの湿度(相対湿度)を計測する。温度センサ14は、室内機10から送出された直後の空気Wの温度を計測する。温度センサ15は、放射パネルモジュール40を通過した後の空気Wの温度(空間W0へ吹き出される直前の空気Wの温度)を計測する。
室内機10は、室外機20と冷媒配管6、図示しない通信線等で接続される。室内機10と室外機20は、冷凍サイクルを構成しており、冷媒を冷凍サイクル内で循環させることによって冷媒の加熱・冷却を行い、室内熱交換器2を通じて空気Wを所望の温度に制御する。特に本実施形態では、風路の入口付近と出口付近での空気Wの温度差によって推定される放射パネルモジュール40の温度制御のための負荷を考慮に入れて冷凍サイクルの運転を行う。これにより、必要とされる正確な負荷を把握することができ、負荷に見合った冷却能力や加熱能力を発揮するように冷凍サイクルの運転を行うことができる。ここで、図3を用いて、室内機10と室外機20による冷凍サイクルの運転について説明する。
図3は、本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。
図3に示すように室内機10は、室内熱交換器2、ファン9を備える。室外機20は、圧縮機1、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5を備える。圧縮機1、室内熱交換器2、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5は冷媒配管6で接続される。
圧縮機1は、冷媒を圧縮し、圧縮後の高温、高圧の冷媒を吐出する。暖房運転では、冷媒は矢印8の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した冷媒は、四方弁5を介して室内熱交換器2に供給される。冷媒は、室内熱交換器2にて、吸込口W1から吸入した空気Wへ放熱し、凝縮して液化する。凝縮した冷媒は、膨張弁3によって減圧され、低圧の冷媒となる。低圧の冷媒は、室外熱交換器4へ供給され、外気からの吸熱により気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。
また、冷房運転では、冷媒は矢印7の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した高圧の冷媒は、四方弁5を介して室外熱交換器4に供給され外気へ放熱し凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁3によって減圧される。低圧の冷媒は、室内熱交換器2へ供給され、空気Wから吸熱して空気Wを冷却し、気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。なお、除湿運転についても冷媒が循環する方向は冷房運転と同様である。
本実施形態では、制御装置21は、温度センサ11が計測する吸込口W1での空気Wの温度とユーザが指定した設定温度の温度差が示す空調負荷だけでなく、温度センサ14および温度センサ15が計測した温度の温度差が示す放射パネルの蓄熱負荷に基づいて冷房運転または暖房運転を行う。例えば、制御装置21は、設定温度と、温度センサ11および温度センサ14および温度センサ15の計測値と、に基づいて、圧縮機1の回転数を制御する。次に制御装置21と制御装置30について説明する。
図4は、本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。
制御装置21,30は、例えばマイコン等のコンピュータ装置である。図示するように制御装置30は、センサ情報取得部31と、設定情報取得部32と、タイマ33と、記憶部34と、制御部35と、通信部36とを備えている。制御装置21は、通信部22と、制御部23と、記憶部24とを備えている。
センサ情報取得部31は、温度センサ11から吸込口W1における空気Wの温度の計測値、湿度センサ12から空気Wの湿度の計測値、温度センサ14から風路の入口側における空気Wの温度の計測値、温度センサ15から風路の出口側における空気Wの温度の計測値を取得する。
設定情報取得部32は、ユーザがリモートコントローラ等から入力した各種設定情報を取得する。例えば、設定情報取得部32は、運転の開始と停止の指示、冷房・暖房の設定、室温の設定、風量の設定、床のどのエリア(放射パネルモジュール40A~40Dの何れか)を温めるか(又は冷却するか)等の設定情報を取得する。
タイマ33は、時間を計測する。
記憶部34は、センサ情報取得部31が取得した温度などの計測値、設定情報取得部32が取得した各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部34は、制御部35の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
制御部35は、室内機10の制御を行う。例えば、設定情報取得部32が、冷房の運転開始指示、冷房時の設定温度を取得すると、制御部35は通信部36を介して室外機20の制御装置21へ、それらの設定情報を通知する。また、例えば、冷房時にユーザが、放射パネルモジュール40Aのエリアをあまり冷やさないように設定した場合、制御部35は、ダンパー制御部43Aへ、ダンパー42Aを開状態とするよう指示する。また、例えば、設定情報取得部32が、所定の風量の設定情報を取得すると、制御部35は、ダクト13へ供給される空気Wの風量が所定の風量となるようファン9の回転数を制御する。例えば、風量が強、中、弱の3段階で設定できる場合、それらの設定ごとにファン9の回転数が定められていて、制御部35は、ユーザが設定した風量の設定に対応する回転数でファン9を駆動する。
通信部36は、制御装置21との間の通信を行う。例えば、設定情報取得部32が、運転停止指示を取得すると、通信部36は、その運転停止指示を室外機20の制御装置21へ送信する。また、センサ情報取得部31が、温度センサ11,14,15の計測値を取得すると、通信部36は、それらの計測値を制御装置21へ送信する。また、通信部36は、ダンパー制御部43A等と通信を行う。例えば、制御部35が、ダンパー42Aを閉状態にするよう指示した場合、通信部36は、その指示情報を、ダンパー制御部43Aへ送信する。
制御装置21では、通信部22が、通信部36が送信した設定情報や温度センサ11,14,15等の計測値を取得する。
制御部23は、暖房と冷房に応じた四方弁5の切り替えや、温度センサ11が計測した空気Wの温度と設定温度との温度差や、温度センサ14が計測する風路の入口側温度と温度センサ15が計測する風路の出口側温度との温度差に応じて圧縮機1の回転数を制御する。制御部23は、圧縮機1の制御により、空間W0の温度がユーザの指定した設定温度となるとともに床面温度が適切な温度となるように冷凍サイクルの運転を行う。
記憶部24は、通信部22が取得した温度の計測値、各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部24は、制御部23の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
次に空間W0の温度だけでなく床面温度を考慮した本実施形態の空調制御の流れについて説明する。制御装置21(制御部23)は、室内空気の温度制御のための負荷(空調負荷)の指標である設定温度および温度センサ11が計測した温度の温度差と、放射パネルの温度制御のための負荷(蓄熱負荷)の指標である温度センサ14が計測した温度および温度センサ15が計測した温度の温度差とに基づいて、圧縮機1の回転数を制御する。
図5は、本発明の一実施形態における圧縮機の回転数制御の一例を示す第1のフローチャートである。
まず、設定情報取得部32が、ユーザがリモートコントローラから指定した設定温度Tsや運転モード(冷房、暖房、除湿)等の設定情報を取得する(ステップS11)。設定情報取得部32は、取得した設定情報を記憶部34に記録する。また、通信部36が設定情報を室外機20の制御装置21へ送信する。制御装置21では、通信部22が設定情報を取得し、記憶部24へ記録する。
次にセンサ情報取得部31が、温度センサ11が計測した温度、温度センサ14が計測した温度、温度センサ15が計測した温度を取得する(ステップS12)。センサ情報取得部31は、3つの温度センサが計測した温度を記憶部34に記録する。また、通信部36が、3つの温度情報を制御装置21へ送信する。制御装置21では、通信部22が3つの温度情報を取得し、記憶部24へ記録する。
次に制御部23が、記憶部24に記録された設定温度、3つの温度センサが計測した温度を用いて、温度差ΔTa、ΔTpを演算する(ステップS13)。ここで、温度センサ11が計測する室内機10の吸い込み空気温度を「Ta」、温度センサ14が計測する風路入口側空気温度を「Tpi」、温度センサ15が計測する風路出口側空気温度を「Tpo」とすると、温度差ΔTa、温度差ΔTpは以下の式で演算する。
ΔTa = Ts - Ta ・・・(1)
ΔTp = Tpi - Tpo ・・・(2)
以下、制御部23は、ΔTa、ΔTpに基づいて圧縮機1の回転数を制御する。
まず、制御部23は、運転モードが冷房または除湿であるか否かを判定する(ステップS14)。運転モードが暖房の場合(ステップS14;No)、後に図6を用いて説明する処理に移る。運転モードが冷房または除湿の場合(ステップS14;Yes)、制御部23は、ΔTaが閾値Th1以下かどうか判定する(ステップS15)。ここで冷房の場合、設定温度Ts(例えばTs=25℃)より室温Taが高い状態から徐々にTaがTsへ近づくよう温度制御される(例えばTa=30℃→25℃)。ΔTa(例えば、25℃-26℃=-1℃)が閾値Th1(例えば-3)より大きければ、室温Taは、Tsに近い温度へ制御されていることを示し、ΔTa(例えば、25-30=-5)が閾値Th1(例えば、-3)以下の場合は、室温Taは高い状態であり、空調負荷が大きいことを示している。
ΔTaが閾値Th1以下(空調負荷が「大」)の場合(ステップS15;Yes)、次に制御部23は、ΔTpが閾値Th4以下かどうか判定する(ステップS16)。冷房の場合、低温な空気Wは、風路の入口側から供給され、放射パネルモジュール40の流路を通過する間に吸熱して温度上昇した状態で風路の出口(吹出口W2A等)から空間W0へ吹き出される。風路入口側の温度Tpiが20℃で、出口側の温度Tpoが22℃と24℃の場合を比べると、Tpoが22℃のときのΔTpは-2℃、Tpoが24℃のときのΔTpは-4℃である。ΔTpが小さい場合(上例でTpoが24℃)には、より多くの熱交換が行われていると考えられ、放射パネルの蓄熱負荷が相対的に大きいことを示している。
ΔTpが閾値Th4以下(蓄熱負荷が相対的に大きい場合、蓄熱負荷は「中」とする)の場合(ステップS16;Yes)、制御部23は、空調負荷が「大」、蓄熱負荷が「中」、に基づいて、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS17)。
他方、ΔTpが閾値Th4より大きい(蓄熱負荷が「小」)の場合(ステップS16;No)、制御部23は、空調負荷が「大」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS18)。
次に制御部23は、圧縮機1の運転を終了するかどうか否かを判定する(ステップS19)。例えば、ユーザが、リモートコントローラから運転の終了を指示すると、制御部23は、圧縮機1の運転を終了する。運転を終了しない場合(ステップS19;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。
また、ステップS15の判定で、ΔTaが閾値Th1より大きかった(空調負荷が「中」か「小」)の場合(ステップS15;No)、次に制御部23は、ΔTaが閾値Th2以下かどうかを判定する(ステップS20)。ここで、閾値Th1<閾値Th2である。ΔTaが閾値Th2以下であれば空調負荷は「中」、ΔTaが閾値Th2より大きければ空調負荷は「小」である。ΔTaが閾値Th2以下(空調負荷が「中」)の場合(ステップS20;Yes)、次に制御部23は、ΔTpが閾値Th3以下かどうか判定する(ステップS21)。ここで、閾値Th3<閾値Th4である。ΔTpが閾値Th3以下であれば蓄熱負荷は「大」、ΔTpが閾値Th3より大きければ蓄熱負荷は「中」または「小」である。
ΔTpが閾値Th3以下(蓄熱負荷「大」)の場合(ステップS21;Yes)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「大」に基づいて、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS23)。
他方、ΔTpが閾値Th3より大きい(蓄熱負荷が「中」か「小」)場合(ステップS21;No)、制御部23は、ΔTpが閾値Th4以下かどうか判定する(ステップS22)。ステップS16で述べたように、ΔTpが閾値Th4以下であれば、蓄熱負荷は「中」である。ΔTpが閾値Th4より大きければ、蓄熱負荷は「小」である。ΔTpが閾値Th4以下の場合(ステップS22;Yes)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「中」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS24)。ΔTpが閾値Th4より大きい場合(ステップS22;No)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS25)。
また、ステップS20の判定で、ΔTaが閾値Th2より大きかった(空調負荷「小」)の場合(ステップS20;No)、次に制御部23は、ΔTpが閾値Th3以下かどうか判定する(ステップS26)。ΔTpが閾値Th3以下であれば蓄熱負荷は「大」、ΔTpが閾値Th3より大きければ蓄熱負荷は「中」または「小」である。ΔTpが閾値Th3以下(蓄熱負荷「大」)の場合(ステップS26;Yes)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「大」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS28)。
他方、ΔTpが閾値Th3より大きい(蓄熱負荷が「中」か「小」)場合(ステップS26;No)、制御部23は、ΔTpが閾値Th4以下かどうか判定する(ステップS27)。ΔTpが閾値Th4以下であれば蓄熱負荷は「中」、ΔTpが閾値Th4より大きければ蓄熱負荷は「小」である。ΔTpが閾値Th4以下の場合(ステップS27;Yes)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「中」に基づいて、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS29)。ΔTpが閾値Th4より大きい場合(ステップS27;No)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1を停止させる(ステップS30)。なお、ステップS23~S25および,ステップS28~S30の圧縮機1の制御後は、制御部23は、ステップS19の終了判定を行い、運転を継続する場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
以上で、冷房運転時の空調負荷および放射パネルの蓄熱負荷に基づく、圧縮機1の制御について説明した。図5の処理フローは、除湿運転の場合も同様である。次に暖房運転時の制御について図6を用いて説明する。
図6は、本発明の一実施形態における圧縮機の回転数制御の一例を示す第2のフローチャートである。
ステップS11~ステップS14は、図5で説明したとおりである。図6のフローチャートでは、ステップS14の判定で運転モードが暖房と判定された場合の処理について説明する。
運転モードが暖房の場合(ステップS14;No)、制御部23は、ΔTaが閾値Th5以上かどうか判定する(ステップS31)。ここで暖房の場合、設定温度Ts(例えばTs=20℃)より室温Taが低い状態からTaがTsへ近づくよう温度制御される(例えばTa=10℃→20℃)。ΔTa(例えば、20℃-10℃=10℃)が閾値Th5(例えば2)より小さければ、室温Taは、Tsに近い温度へ制御されていることを示し、ΔTaが閾値Th5以上の場合は、室温Taは低い状態であり、空調負荷が大きいことを示している。
ΔTaが閾値Th5以上(空調負荷が「大」)の場合(ステップS31;Yes)、次に制御部23は、ΔTpが閾値Th8以上かどうか判定する(ステップS32)。冷房の場合、高温な空気Wは、風路の入口側から供給され、放射パネルモジュール40の流路を通過する間に放熱して温度低下した状態で風路の出口から空間W0へ吹き出される。風路入口側の温度Tpiが23℃で、出口側の温度Tpoが22℃と20℃の場合を比べると、Tpoが22℃のときのΔTpは1℃、Tpoが20℃のときのΔTpは3℃である。ΔTpが大きい場合(上例でTpoが20℃)には、より多くの熱交換が行われており、放射パネルの蓄熱負荷が相対的に大きいことを示している。
ΔTpが閾値Th8以上(蓄熱負荷が相対的に大きい場合、蓄熱負荷は「中」とする)の場合(ステップS32;Yes)、制御部23は、空調負荷が「大」、蓄熱負荷が「中」に基づいて、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS33)。
他方、ΔTpが閾値Th8より小さい(蓄熱負荷が「小」)の場合(ステップS32;No)、制御部23は、空調負荷が「大」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS34)。
また、ステップS31の判定で、ΔTaが閾値Th5より小さかった(空調負荷が「中」か「小」)の場合(ステップS31;No)、制御部23は、ΔTaが閾値Th6以上かどうかを判定する(ステップS35)。ΔTaが閾値Th6以上であれば空調負荷は「中」、ΔTaが閾値Th6より小さければ空調負荷は「小」である。ΔTaが閾値Th6以上(空調負荷が「中」)の場合(ステップS35;Yes)、次に制御部23は、ΔTpが閾値Th7以上かどうか判定する(ステップS36)。ここで、閾値Th7>閾値Th8である。ΔTpが閾値Th7以上であれば蓄熱負荷は「大」、ΔTpが閾値Th7より小さければ蓄熱負荷は「中」または「小」である。
ΔTpが閾値Th7以上(蓄熱負荷「大」)の場合(ステップS36;Yes)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「大」に基づいて、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS38)。
他方、ΔTpが閾値Th7より小さい(蓄熱負荷が「中」か「小」)場合(ステップS36;No)、制御部23は、ΔTpが閾値Th8以上かどうか判定する(ステップS37)。ΔTpが閾値Th8以上であれば、蓄熱負荷は「中」である。ΔTpが閾値Th8より小さければ、蓄熱負荷は「小」である。ΔTpが閾値Th8以上の場合(ステップS37;Yes)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「中」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS39)。ΔTpが閾値Th8より小さい場合(ステップS37;No)、制御部23は、空調負荷が「中」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS40)。
また、ステップS35の判定で、ΔTaが閾値Th6より小さかった(空調負荷「小」)の場合(ステップS35;No)、制御部23は、ΔTpが閾値Th7以上かどうか判定する(ステップS41)。ΔTpが閾値Th7以上であれば蓄熱負荷は「大」、ΔTpが閾値Th7より小さければ蓄熱負荷は「中」または「小」である。ΔTpが閾値Th7以上(蓄熱負荷「大」)の場合(ステップS41;Yes)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「大」に基づいて、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS43)。
他方、ΔTpが閾値Th7より小さい(蓄熱負荷が「中」か「小」)場合(ステップS41;No)、制御部23は、ΔTpが閾値Th8以上かどうか判定する(ステップS42)。ΔTpが閾値Th8以上であれば蓄熱負荷は「中」、ΔTpが閾値Th8より小さければ蓄熱負荷は「小」である。ΔTpが閾値Th8以上の場合(ステップS42;Yes)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「中」に基づいて、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS44)。ΔTpが閾値Th8より小さい場合(ステップS42;No)、制御部23は、空調負荷が「小」、蓄熱負荷が「小」に基づいて、圧縮機1を停止させる(ステップS45)。なお、ステップS33~S34、ステップS38~S40、ステップS43~S45の圧縮機1の制御後は、制御部23は、図5のステップS19の終了判定を行い、運転を継続する場合は、ステップS11からの処理を繰り返す。
図7は、本発明の一実施形態における空調負荷と蓄熱負荷に対する圧縮機の回転数制御の一例を示す図である。
図7に図5、図6のフローチャートで説明した圧縮機1の回転数制御を、空調負荷と蓄熱負荷の大きさに対応付けた表を示す。図示するように、空調負荷が「大」(設定温度と温度センサ11が計測する温度の差が大きい)の場合、蓄熱負荷に応じて圧縮機1の回転数を上昇(蓄熱負荷「中」、「大」の場合)、または維持(蓄熱負荷「小」の場合)する。また、空調負荷が「中」の場合、蓄熱負荷に応じて圧縮機1の回転数を上昇(蓄熱負荷「大」の場合)、維持(蓄熱負荷「中」の場合)、低下(蓄熱負荷「小」の場合)する。また、空調負荷が「小」の場合、蓄熱負荷に応じて圧縮機1の回転数を維持(蓄熱負荷「大」の場合)、低下(蓄熱負荷「中」の場合)、停止(蓄熱負荷「小」の場合)する。
従来、対流式と放射式を組み合わせた空気式放射空調システムでは、温度センサ11が計測する吸い込み温度と設定温度の差に基づいて、圧縮機1の回転数を制御している。このような制御では、放射パネルの表面温度を考慮することが無いため、例えば、空調負荷が高いと、一様に圧縮機1を高速で駆動して効率の悪い運転となったり、空調負荷が低いときに床面温度に関係なく圧縮機1を低速で駆動してユーザの快適性を損なったりする可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、空調負荷が高いときでも蓄熱負荷が低ければ、圧縮機1の回転数を維持して効率よく、且つ、ユーザの快適性を損なうことなく空調を行うことができる。一般的に圧縮機の効率は、高回転数領域で効率が悪く、消費電力が増加しがちになる。本実施形態の制御によれば、空調負荷および蓄熱負荷の程度に応じて能力過多となることなく、圧縮機1の回転数を落として、比較的効率の良い回転領域で運転することができる。従って、従来制御に比べて消費電力の低減が期待できる。また、例えば、空調負荷が低いときでも蓄熱負荷が高ければ、圧縮機1の回転数を維持して、床面温度を適温に制御し、快適な空調環境を提供することができる。
本実施形態によれば、空調対象となる空間W0の空気Wを吸入して、空気Wの温度を制御する空気調和機(室内機10、室外機20)と、空間W0に接する面に配置された放射パネルモジュール40と、空気調和機によって温度制御された空気Wを放射パネルモジュール40へ送出するファン9と、放射パネルモジュール40を通過した空気Wを空間W0へ吹き出す吹出口W2A等とを備える空調システム100において、空間W0が設定温度となるように空気Wの温度制御を行うための負荷である空調負荷の大きさと、放射パネルモジュール40の放射面の温度制御を行うための負荷である蓄熱負荷の大きさと、に基づいて圧縮機1を制御する。蓄熱負荷を考慮に入れて空調に必要な冷却や加熱の能力を判断するので、必要以上に高い能力で運転をしたり、反対に能力が足りない状態で運転したりすることが無い。また、必要とされる能力に見合った圧縮機1の運転を行うことが可能となるため、消費電力の低減、効率の改善、快適性の向上を図ることができる。
なお、蓄熱負荷が大きい場合、制御部35は、ファン9の回転数を低下させることにより放射パネルの表面温度を優先する制御を行ってもよい。具体的には、暖房時に床面温度が低い場合や冷房時に床面温度が高い場合にファン9の回転数を低下させる。ファン9の回転数を低速にすると、室内熱交換器2を通過する風量が低下し、その分、室内熱交換器2にて空気Wに対する熱交換が多く行われる。その結果、暖房であれば、より高温の空気Wが風路へ送出される。同様に冷房であれば、より冷却された空気Wが風路へ送出される。これにより、暖房であれば床面温度はより温められ、冷房であれば床面温度はより冷却される。その結果、風路の入口側温度と出口側温度の乖離を速やかに小さくすることができる。例えば、蓄熱負荷が「大」と判定された場合、制御部35は、ファン9の回転数を、所定の低速な回転数に設定して所定時間だけ運転してもよい。あるいは、制御部35は、温度センサ14および温度センサ15によって計測された温度の乖離が所定の範囲内になるまで、ファン9の回転数を所定の低速な回転数に設定して運転してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施例では、放射パネルモジュール40等を床面に配置する例を挙げたが、天井や壁面に配置してもよい。
1・・・圧縮機
2・・・室内熱交換器
3・・・膨張弁
4・・・室外熱交換器
5・・・四方弁
6・・・冷媒配管
9・・・ファン
10・・・室内機
11・・・温度センサ
12・・・湿度センサ
13・・・ダクト
14・・・温度センサ
15・・・温度センサ
20・・・室外機
21・・・制御装置
22・・・通信部
23・・・制御部
24・・・記憶部
30・・・制御装置
31・・・センサ情報取得部
32・・・設定情報取得部
33・・・タイマ
34・・・記憶部
35・・・制御部
36・・・通信部
40A、40B、40C、40D・・・放射パネルモジュール
41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6・・・流路形成部材
42A・・・ダンパー
43A・・・ダンパー制御部
44A・・・入口部
45A・・・出口部
46A・・・バイパス流路
47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7・・・熱交換流路
50A、50C・・・配管
100・・・空調システム
W・・・空気
W0・・・空間
W1・・・吸込口
W2A、W2B、W2C、W2D・・・吹出口

Claims (8)

  1. 空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
    前記空間が所定の設定温度となるように前記空気の温度制御を行うための負荷である空調負荷の大きさと、前記放射パネルモジュールの放射面の温度制御を行うための負荷である蓄熱負荷の大きさと、に基づいて前記空気調和機が備える圧縮機を制御し、
    前記空調負荷の大きさが第1閾値以上の場合、前記蓄熱負荷の大きさが第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を維持する、
    制御装置。
  2. 前記設定温度と前記空間の温度との温度差に基づいて前記空調負荷の大きさを判定し、前記空気調和機によって送出された前記空気の温度と前記吹出口から吹き出される前記空気の温度との温度差に基づいて前記蓄熱負荷の大きさを判定する、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記設定温度と前記空間の温度との温度差が所定の閾値より大きい場合に前記空調負荷が大きいと判定し、前記空気調和機によって送出された前記空気の温度と前記吹出口から吹き出される前記空気の温度との温度差が所定の閾値より大きい場合に前記蓄熱負荷が大きいと判定する、
    請求項1または請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記空調負荷の大きさが前記第1閾値より小さい第2閾値以上で、前記第1閾値より小さい場合、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より大きい第3閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記第3閾値より小さく前記第4閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を維持し、前記第4閾値より小さければ前記圧縮機の回転数を低下させる、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記空調負荷の大きさが前記第2閾値より小さい場合、前記蓄熱負荷の大きさが前記第3閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を維持し、前記第3閾値より小さく前記第4閾値以上であれば前記圧縮機の回転数を低下させ、前記第4閾値より小さければ前記圧縮機を停止させる、
    請求項に記載の制御装置。
  6. 前記蓄熱負荷が大きいと判定すると、前記ファンの回転数を低下させる、
    請求項3に記載の制御装置。
  7. 空調対象となる空間の空気を吸入して、前記空気の温度を制御する空気調和機と、
    前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、
    前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、
    前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、
    請求項1から請求項の何れか1項に記載の制御装置と、
    を備える空調システム。
  8. 空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
    前記空間が所定の設定温度となるように前記空気の温度制御を行うための負荷である空調負荷の大きさと、前記放射パネルモジュールの放射面の温度制御を行うための負荷である蓄熱負荷の大きさと、に基づいて前記空気調和機が備える圧縮機を制御し、
    前記空調負荷の大きさが第1閾値以上の場合、前記蓄熱負荷の大きさが第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記蓄熱負荷の大きさが前記第4閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を維持する、
    制御方法。
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