JP2016138666A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、空調負荷の低い条件であっても、低コストで除湿性能を向上させることができる省エネルギー性の高い空気調和機を提供することを課題とする。【解決手段】本発明の空気調和機は、圧縮機を有する室外機と、熱交換器を有し、室外機に接続された複数の室内機と、冷房運転時に、室内機における除湿能力が不足していると判断した場合、冷房運転中の室内機のうち、一部の室内機へ流入する冷媒流量を抑制する制御手段と、を備える。本発明によれば、空調負荷の小さな運転条件であっても、一部の室内機へ流れる冷媒流量を抑制することにより、他の室内機へ流れる冷媒流量を増加させて、当該他の室内機で除湿することができる。従って、専用の室内機を用いずに、圧縮機の運転容量を増大させることなく除湿性能を高めることができ、省エネルギー性の高い空気調和機を提供することができる。【選択図】図1
Description
本発明は複数台の室内機を備えた空気調和機に関する。
空気調和機は、圧縮機を備えた室外機と複数の室内機とを接続して構成され、各々の室内機の吸込空気温度が各室内機に対して設定される設定温度となるように空調運転される。このような空気調和機において、空調負荷に合わせて圧縮機の容量が制御されると、空調負荷が小さい場合、圧縮機の容量も小さくなる。このような空調負荷が小さい運転状態においては、空調装置が室内から奪い取る熱量が少ないので、冷媒の蒸発温度と室内空気温度との差が小さくなる。その結果、冷媒の蒸発温度が吸込空気の露点温度に到達しなくなると、吸込空気から顕熱を奪うことはできるが、潜熱を奪えず、除湿ができなくなる。一方、空調負荷が小さい条件であっても、空調能力を高く保ち除湿能力を確保しようとすると、空調装置の効率が悪化するだけでなく、室温の低下を招いて圧縮機の運転と停止を繰り返す断続運転となり、空調装置の効率がさらに悪化する。
このような課題に対して、特許文献1は、流路切換弁を用いることにより、第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態または第3形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行う空気調和機を開示する。冷房運転時に流路切換弁を第2形態へ切り換えさせることによって、室内熱交換器の一部だけが蒸発器となるので、室内熱交換器の使用容量が小さくなり、室内熱交換器への送風量が変わらず室内熱交換器の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
また、特許文献2は、室内機と室外機とで完結した一つの冷凍サイクルを形成する複数台の空気調和機と、統制用の演算部とを備え、一つの空調エリアに複数台の室内機を配置し、統制用の演算部が、空気調和機間で相互に通信を行うことにより、冷房運転指令時に除湿能力アップ運転を行うものと、設定温度に対し室内温度が下がらないように負荷調整を行う運転を行うものとを混在させる空気調和機を開示する。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、流路切換弁を備えた専用の室内機が必要であり、特に複数の室内機を接続する空気調和機で使用する場合、低コスト化に課題がある。また、特許文献2に開示された技術では、専用の室内機は不要であるが、複数台の空気調和機(すなわち複数台の室外機)が必要となる。
また、1つの空調空間であっても、例えば窓の近傍では日射等により温度が上昇し易く、空調負荷が大きい場合がある。さらに一部の室内機を除湿用として固定する場合には、空間内の温度分布の増大を助長する可能性がある。従来技術においては、このような空調空間内の空調負荷の分布という課題は考慮されておらず、空間内の温度分布の抑制や、在室者の快適性等の観点からの課題については検討がなされていなかった。
本発明は、空調負荷の低い条件であっても、低コストで除湿性能を向上させることができる省エネルギー性の高い空気調和機を提供することを課題とする。
本発明の空気調和機は、圧縮機を有する室外機と、熱交換器を有し、室外機に接続された複数の室内機と、冷房運転時に、室内機における除湿能力が不足していると判断した場合、冷房運転中の室内機のうち、一部の室内機へ流入する冷媒流量を抑制する制御手段と、を備える。
本発明によれば、空調負荷の小さい運転条件であっても、一部の室内機へ流れる冷媒流量を抑制することにより、他の室内機へ流れる冷媒流量を増加させて当該他の室内機で室内空間を除湿することができる。従って、専用の室内機を用いずに、圧縮機の運転容量を増大させることなく除湿性能を高めることができ、省エネルギー性の高い空気調和機を提供することができる。
本発明の空気調和機について図1〜図9を用いて説明する。
本発明の第1の実施例について図1〜図4を用いて説明する。図1は空気調和機の構成を示すサイクル系統図である。1台の室外機90に対して複数台(本実施例では4台の室内機(91a、91b、91c、91d))が接続される。尚、本実施例では室外機を1台として説明するが、室外機は1台に限定されず、室外機90を複数台並列に接続して1つの室外ユニットとして構成した冷凍サイクルでもよい。
4台の室内機(91a、91b、91c、91d)は、液管13とガス管12を介して、室外機90に並列に接続される。室外機90は内部に、冷媒(図示せず)を圧縮する圧縮機1、室外ファン4、室外ファン4により供給される室外空気と冷媒が熱交換する室外熱交換器3、圧縮機1の吸込口と吐出口のうち一方を室外熱交換器3へ他方をガス管12へと切替えて接続させる四方弁2を備える。四方弁2と接続される室外熱交換器3の他端は室外膨張弁8を介して液管13へと接続される。
室内機91では、室内熱交換器16の一方がガス管12へ、他方が室内膨張弁18を介して液管13へと接続されており、室内熱交換器16には室内ファン17によって室内空間からの吸込空気が供給される。室内機91にはリモコン92が接続され、ユーザにより、室内機の運転開始/停止、冷房および暖房の運転モードの指定、設定温度等が入力される。
図2に示すように、リモコン92からコントローラ60に運転開始の信号が入力されると、空気調和機の運転が開始され、コントローラ60から室外機90および室内機91の各アクチュエータへ制御信号が送られる。コントローラ60には、リモコン92から設定温度が、また、室内機91からは吸込空気温度センサ21で検知した吸込空気温度、熱交温度センサ22で検知した室内熱交換器16温度が、室外機90からは外気温度センサ20で検知した室外空気温度が情報として入力される。
空気調和機の空調能力は、設定温度と吸込空気温度センサ21の検知温度との温度差に基づいて決定される。
リモコン92から冷房運転の要求がある場合について説明する。冷房運転の要求があると、四方弁2を図1の実線で示す回路へ切替え、室外ファン4と室内ファン17aを所定の回転数で動作させる。圧縮機1で圧縮された冷媒は、室外熱交換器3で室外空気と熱交換器して凝縮・液化する。全開状態の室外膨張弁8を介して液管13へと流出した液冷媒は、室内膨張弁18aで減圧され低温・低圧となって室内熱交換器16aに流入する。室内空気から吸熱した冷媒は蒸発して過熱ガス冷媒となり、ガス管12へと流出する。このような作用により、冷却された室内空気が室内空間へと供給されて室内空間が冷房される。ガス化した冷媒は、ガス管12を通って、室外機90内の四方弁2を介して、圧縮機1へ戻り、再度圧縮される。このとき、室内膨張弁17b,17c,17dは全閉状態であり、室内ファン17b,17c,17dは停止状態である。
リモコン92bから冷房運転要求があると、室内膨張弁17bの開度が調整され、液管13内の冷媒は、減圧されて室内熱交換器16bに流入し、室内ファン17bによって供給された室内空気と熱交換する。蒸発したガス冷媒は、室内機92aで蒸発した冷媒と合流して、室外機90へ戻る。他のリモコン92c,92dからの冷房運転要求がある場合も同様である。
一方、リモコン92a,92b,92c,92dから暖房運転の要求がある場合、四方弁2を図1の破線で示す回路へと切替え、室外ファン4と室内ファン17を所定の回転数で動作させる。圧縮機1によって圧縮された冷媒は、ガス管12を通って各室内熱交換器16へと流入する。室内熱交換器16では、室内ファン17によって供給される室内空気へ放熱することによって、冷媒を凝縮・液化させる一方、室内空間を暖房する。凝縮した液冷媒は液管13で合流した後、室外膨張弁8で減圧され低温・低圧冷媒となり、室外熱交換器3にて室外空気から熱を奪い蒸発する。その後、四方弁2を介して圧縮機1へ戻り、再度圧縮される工程を繰り返す。
このような本実施例の空気調和機における冷房時の動作について詳細に説明する。冷房運転時には、上述のように室内膨張弁18で減圧された冷媒が室内熱交換器で蒸発することにより、室内空気から熱を奪い、室内空間を冷房する。このとき、冷媒と室内空気との温度差が大きいほど交換熱量が増大する。このため、比較的空調負荷が大きい場合には温度差が大きくなり、逆に空調負荷が比較的小さい場合には温度差が小さくなる。したがって、室内空気温度が一定の条件下における空調負荷(すなわち空気調和機の冷房能力)と冷媒の温度との間には、図3に示すような関係がある。
冷房能力が高く、冷媒の蒸発温度が吸込空気の露点温度よりも低い場合には、熱交換器16表面に水分が結露することにより、除湿された空気が室内機91aから室内空間に吹き出される。逆に、冷房能力が小さい場合、冷媒の蒸発温度が上昇するので、蒸発温度が吸込空気の露点温度よりも高くなり、除湿ができなくなる。
このような課題に対して、従来技術のように、圧縮機の運転容量を増大させることで、冷房能力を高く保つ除湿運転をおこなうと、空調負荷に対して空気調和装置の冷房能力が過剰となる。このような場合に、室温の過剰な低下を防止するために空気調和装置が断続運転(圧縮機の運転と停止を繰り返す断続運転)することになると、省エネルギー性が低下する。
そこで、本実施例の空気調和機は、除湿能力が不足すると判断した場合に、冷房運転中の室内機(19a,19b,19c,19d)のうち、一部の室内機の膨張弁18の開度を絞ることによって、これらの室内機91へ流入する冷媒流量を抑制する除湿制御機能を備える。除湿制御機能により、当該他の室内機に流れる冷媒流量を増大させて冷房能力を高めることができる。したがって、当該他の室内機における蒸発温度を低下させて除湿作用を得ることが可能となる。本実施例の除湿制御機能では、圧縮機1の運転容量を増大させる必要はなく、複数の室内機91全体としての空調能力としても増大させる必要がないので、室温が過剰に低下することはない。したがって、除湿作用を確保しながら、冷房能力が過剰となったり、空気調和機が断続運転となることを回避できるので、省エネルギー性の高い空気調和機を提供することができる。
図4に、本実施例における室内機の運転制御パターン例を示す。図中のoffは冷媒流量を抑制した状態を示し、onは冷媒流量を抑制していない状態を示す。尚、配管内における冷媒の蒸発温度を直接測定するのは困難なので、本実施例では、室内熱交換器表面に設置されたサーミスタが検知した熱交換器温度を冷媒の蒸発温度の代わりとして用いる。
時刻t1において、熱交換器の温度が吸込空気の露点温度より高いことをコントローラ60が検知すると、除湿能力不足と判断し、室内機91a,91bの膨張弁18a,18bの開度を絞る。残りの室内機91c,91dへの冷媒流量が相対的に増加して交換熱量(すなわち冷房能力)が増大するので、室内機91c,91dの蒸発温度を低下させることができ、室内空間を除湿することができる。空気調和機全体としての空調能力を増大させる必要がないので、断続運転を引き起こすことがなく、省エネルギー性を高く保つことができる。また、室温を過剰に低下させる必要がないので、在室者の快適性の低下を抑制することができる。なお、室内熱交換器16に専用の室内機を使用する必要はなく、一般に普及している室内機91を用いることができる。
露点温度を算出するためには、吸込空気温度と湿度の情報が必要となるが、本実施例では相対湿度を検知するセンサを備えていない。そこで、吸込空気温度に対して目標とする相対湿度をあらかじめ定めておくことで、吸込空気温度に対する露点温度を設定可能とした。したがって、この露点温度よりも熱交換器温度が高い場合には、除湿作用が得られていないと判断できる。なお、相対湿度センサを搭載するようにしてもよい。相対湿度センサを搭載する場合は、より精度よく除湿能力の過不足を直接判断することができる。相対湿度が目標値に対して高い場合にのみ、本実施例の除湿制御を実施する。
時刻t1から所定時間、本実施例では5分程度経過した時刻t2に、室内機91bと91cの流量を抑制し、室内機91aの流量抑制を解除する。このように所定時間経過した際に、流量を抑制する室内機91を逐次切換えることにより、室内機91間で生じる冷房能力のアンバランスを解消することができる。したがって、室内空間における温度や湿度の分布を解消し、より均一な空調空間を提供することができる。
なお、室内機91への冷媒流量を抑制する手段として、減圧幅を自由に制御可能な電子膨張弁18を用いることにより、offの状態における冷媒流量の抑制割合を自由に調整することができる。したがって、off状態の場合に電子膨張弁18の開度を全閉として、冷媒の流入を遮断しつつ室内ファン17だけ動作させるようにしても良いし、off状態であっても冷房能力を必ずしも0とする必要はなく、例えば半分程度の能力が確保されるように電子膨張弁18の開度を制御するようにしても良い。具体的には、室内熱交換器16出口における冷媒の過熱度を制御する場合に、過熱度の目標値を高めに設定することで、冷媒流量を抑制することができる。また、電子膨張弁18の開度と流量との関係等から、あらかじめ定めた開度に電子膨張弁18の開度を設定してもよい。このように、電子膨張弁18の開度を全閉としない場合には、off時にも冷房能力がある程度確保されるので、在室者の快適性の低下を抑制することができる。
本実施例では、全室内機91で1回ローテーションした時刻t5の時点で本実施例の除湿制御を一旦解除し、全室内機91による冷房運転を実施する。この場合、熱交換器温度が露点温度よりも高くなるので、除湿作用が得られないが、蒸発温度が高く省エネルギー性の高い運転が可能となる。したがって、常に除湿運転をおこなう場合に比べて、消費電力をさらに抑制することができる。
なお、本実施例のように除湿制御手段による運転と通常の冷房運転とを組み合わせて運転をおこなう場合、除湿制御手段による運転をおこなう時間の比率を、目標湿度(例えば、使用者が設定する湿度)と吸込空気湿度との差分(除湿要求)に合わせて変更しても良い。具体的には、除湿要求が高い場合には、通常の冷房運転の時間比率を抑制して本実施例の除湿運転の時間比率を増大させたり、または、通常の冷房運転の時間比率を0として本実施例の除湿運転だけを継続しても良い。
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施例について説明する。図5は本実施例における室内機の運転制御パターンを示す図である。本実施例では、室内機91a,91b,91cと91dをそれぞれグループA、グループBとして設定し、グループAがoffとなる除湿運転と、グループBがoffとなる除湿運転とを交互に繰り返す。また、これらの交互運転の間に通常の冷房運転を実施する。
室外機に接続された室内機91の容量が互いに同等である場合には、実施例1に示すような運転パターン(室内機91a,91b,91cを逐次offにする運転パターン)で運転することができる。しかしながら、容量の異なる室内機が接続された場合には、offとなる室内機の組み合わせによって、蒸発温度が変動することになり、蒸発温度が十分に低下しない場合や、大幅に低下してしまう可能性がある。
そこで、例えばグループ間の容量が同等となるように、グループ化することにより、上述した問題を解決できる。本実施例では、一例として、小容量(例えば冷房定格能力4kW)の室内機91a,91b,91cと大容量(例えば冷房定格能力12.5kW)の室内機91dが1つの空間に設置されている場合を示す。グループ間の容量が同等となるように、小容量の室内機91a,91b,91cをグループA、残りの室内機91dをグループBとして設定する。
グループ設定は、室内機容量から自動で区分しても良く、また使用者側であらかじめ手動で設定しても良い。コントローラ60は、グループ設定情報に基づいて、逐次offとする室内機91のグループを設定する。
なお、本実施例においては、グループAがoff状態となる除湿運転と、グループBがoffとなる除湿運転との間に、通常の冷房運転時間を設ける。実施例1のように、室内機91a,91b,91cを逐次連続してoffにした後に通常の冷房運転を設定すると、通常の冷房運転時間が長い場合、除湿されない時間が長くなる。そこで本実施例のように、除湿運転制御を分散させることで(グループAのoffとグループBのoffとを連続させず、グループAのoffとグループBのoffの間に通常の冷房運転を実施することで)、除湿されない通常の冷房運転時間も分散されるので、在室者の快適性を向上させることができる。
次に、図6を用いて、本発明の第3の実施例について説明する。図6は、本実施例における室内機の運転制御パターンを示す図である。本実施例では、あらかじめ使用者がoff状態とする室内機(または常にon状態とする室内機)を指定する。本実施例では、室内機91c,91dが、あらかじめ常にon状態となるように指定される。このため、除湿制御運転中にも常にon状態となり、室内機91a,91bのみ繰り返しoff状態となる。
例えば、窓際など熱負荷が他の室内機よりも大きいと想定される場所の室内機がoff状態となると、当該室内機近傍の快適性が悪化する。これに対して、本実施例のように、熱負荷が大きい室内機(例えば、室内機91c,91d)が常にon状態となるように設定することにより、熱負荷が大きい室内機近傍の快適性を維持することができる。また、熱負荷が大きいと想定される室内機を常にon状態となるように設定することにより、室内空間の温湿度分布も改善させることができる。したがって、圧縮機の容量を増大させることによる消費電力の増大を回避しつつ、かつ除湿性能を向上させ、快適性を維持した空気調和機を提供することができる。
次に、図7を用いて、本発明の第4の実施例について説明する。図7は、本実施例における室内機の運転制御パターンを示す図である。本実施例では、コントローラ60が、室内機の吸込空気温度に基づいてoff状態とする室内機を逐次判断する。例えば、コントローラ60は、吸込空気温度が最も低い室内機(空調負荷が最も低い室内機)をoff状態とする室内機として選択する。具体的には、図7に示すように、時刻t1,t3,t5,t7において吸込空気温度が最も低い室内機を2台選択して、当該室内機をoff状態にする。この場合、時刻t1,t3,t7では吸込温度の低い室内機91a,91bをoff状態とし、時刻t5では室内機91a,91cをoff状態とする。
このように、吸込空気温度を用いることで、空調負荷の高いところへ設置された室内機を優先的にon状態とすることができるので、部屋の空調負荷にあわせた運転を適宜選択することができ、室内の温度分布を改善させることもできる。
なお、本実施例では吸込空気温度を用いるとしたが、吸込空気温度と設定温度との温度差を用いても良く、吸込空気温度と設定温度との温度差の大きな室内機が優先的にon状態となるように、off状態とする室内機を選択することができる。この場合、温度差の大きな室内機は、要求される空調負荷が大きいと考えられるので、空調負荷の大きな室内機が優先的にon状態を継続することになる。したがって、室内空間の空調負荷に合わせて運転する室内機を適宜選択することができる。したがって、圧縮機の容量を増大させることによる消費電力の増大を回避しつつ、かつ除湿性能を向上させ、快適性を維持した空気調和機を提供することができる。
本実施例では、吸込空気温度や吸込空気温度と設定温度との温度差を用いたが、検知温度の精度等によっては、吸込空気温度や吸込空気温度と設定温度との温度差が等しい室内機が複数ある場合が想定される。このような場合には、他の実施例で示した設定方法と併用してもよい。
また、本実施例では、吸込空気温度や吸込空気温度と設定温度(目標温度)との温度差を用いたが、吸込空気湿度や吸込空気湿度と設定湿度(目標湿度)との湿度差を用いても良い。具体的には、流入する冷媒流量を抑制する室内機として吸込空気湿度が最も低い室内機を選択する。このように制御することにより、吸込空気湿度が高い室内機が優先的にon状態となるので、快適性を維持した空気調和機を提供することができる。
次に、図8を用いて、本発明の第5の実施例について説明する。図8は、本実施例における室内機の運転制御パターンを示す図である。本実施例では、各室内機91が、各室内機に対応する室内空間における在室者の有無を判断する人検知手段(図示せず)を備える。図8の時刻t1において、室内機91a,91bの人検知手段では在室者が検知されず、室内機91c,91dの人検知手段では在室者が検知される。そこで本実施例では、在室者がいると判断された室内空間を空調する室内機91c,91dを優先的にon状態とする。在室者がいる空間は人体からの発熱等により空調負荷が高くなるので、対応する室内機91c,91dをon状態とすることで、在室者の快適性を確保することができる。また、このような除湿制御により、空調空間全体ではなく、在室者のいる空間を優先的に空調することになるので、空間全体を空調する場合に比べて、空調に要する消費電力を抑制することができる。
なお、本実施例において、時刻t5では、室内機91b,91c,91dにおいて空調エリア内に在室者が検知されるので、在室者の有無に基づく優先順位は、室内機91b,91c,91dにおいて等しくなる。そこで、on状態の対象となる室内機91b,91c,91dであっても、これら室内機91b,91c,91d間においてローテーションでoff状態とする。例えば、時刻t5では、在室者が検知されていない室内機91aは引き続きoff状態とし、在室者が検知された室内機91b,91c,91dにおいてローテーションでoff状態とするため、時刻t5直前の時刻t3でoff状態であった室内機91bをon状態とし、時刻t5までon状態であった室内機91cをoff状態とする。その後の時刻t7では、在室者が検知されていない室内機91aは引き続きoff状態とし、時刻t7直前の時刻t5でoff状態であった室内機91cをon状態として、時刻t5までon状態であった室内機91dをoff状態とする。
このような人検知手段を用いた制御により、圧縮機の容量を増大させることによる消費電力の増大を回避しつつ、かつ除湿性能を向上させ、快適性を維持した空気調和機を提供することができる。
次に、図9を用いて、本発明の第6の実施例について説明する。図9は、本実施例における室内機の運転制御パターンを示す図である。一部の室内機をoff状態とするためには、offとする室内機の台数を決定する必要がある。あらかじめoff状態とする台数やグループ分け等を使用者側が設定することも可能であるが、本実施例では、off状態とする室内機の台数を可変とする。
冷房能力Qは次式で算出される。
Q=KA(Tair-Thex1)・・・式1
ここで、Tairは吸込空気温度、Thex1は室内熱交換器温度、Kは室内熱交換器16の伝熱性能を表す指標、Aは室内熱交換器の伝熱面積である。同じ冷房能力で室内熱交換器温度を吸込空気温度Tairから推定される目標温度Thex2まで下げたい場合、KAの値を(Tair-Thex1)/(Tair-Thex2)倍以上にすればよいことがわかる。
Q=KA(Tair-Thex1)・・・式1
ここで、Tairは吸込空気温度、Thex1は室内熱交換器温度、Kは室内熱交換器16の伝熱性能を表す指標、Aは室内熱交換器の伝熱面積である。同じ冷房能力で室内熱交換器温度を吸込空気温度Tairから推定される目標温度Thex2まで下げたい場合、KAの値を(Tair-Thex1)/(Tair-Thex2)倍以上にすればよいことがわかる。
風量を固定する場合、Kの値は大きくは変わらないので、上記比率に応じて、室内熱交換器の伝熱面積Aを減じれば良い。室内熱交換器の伝熱面積は室内機の運転台数に比例するので、伝熱性能の等しい室内機91を複数台接続した場合には、前述のようにKAの値が所定の比率以上となるように、off状態とする室内機台数を算出できる。
具体的には、現在Thex1が15℃で、目標となる熱交換器温度が11℃、吸込空気温度を27℃と仮定すると、KA値を(27-15)/(27-11)=0.75倍すれば良い。したがって、4台の室内機のうち1台だけoff状態とすればよい。本実施例においては、この結果に基づいて、図9の時刻t1において、1台の室内機91aをoff状態とする。このように、本実施例ではoff状態となる室内機台数の決定手段を備える。
ところで、式1は潜熱を考慮していない。このため、室内機91aをoff状態とした場合に、運転中の室内機91b,91c,91dにおける熱交換器温度が十分に低下しない場合が想定される。本実施例では、このような場合に備えて、熱交換器温度が目標温度に対して高い場合には、off状態となる室内機の台数が増加するように補正する。このため、時刻t1からt2において蒸発温度が十分に低下しなかったことをコントローラ60が検知すると、時刻t3において室内機91a,91bの2台がoff状態となる。本実施例では、その後、室内機91a,91b,91c,91dのうちの2台が同時にoff状態となるように、対象機種をローテーションさせながら運転させる。
このように、本実施例の空気調和機は、同時にoffとなる室内機91の台数の算出手段を備え、その結果に対して熱交換器温度を検証して補正する機能を備えた。このため、確実に室内空間を除湿することができる。
必要以上に室内機の運転台数を抑制すると、除湿運転時の空気調和機の効率が低下する。また、蒸発温度が過剰に低下して、室温が低い場合など、条件によっては蒸発温度が0℃より低下し、熱交換器の一部が凍結するなどの不具合が生じる可能性がある。本実施例では、off状態とする室内機の台数が適切となるように調整する機能を備えたので、このような不具合の発生を回避でき、信頼性の高い空気調和機を提供することができる。
なお、本実施例では、off状態となる室内機の台数を追加する機能について説明したが、逆にoff状態となる室内機の台数を減じる機能を備えても良い。この場合、上述のように蒸発温度が過剰に低下した場合には、熱交換器が凍結するなどの不具合を起こす可能性があるので、例えば蒸発温度が5℃以下となった場合には、off状態となる室内機台数を抑制するように制御することができる。このような制御により、さらに信頼性の高い空気調和機を提供することができる。
1 圧縮機
60 コントローラ
90 室外機
91 室内機
60 コントローラ
90 室外機
91 室内機
Claims (12)
- 圧縮機を有する室外機と、
熱交換器を有し、前記室外機に接続された複数の室内機と、
冷房運転時に、前記室内機における除湿能力が不足していると判断した場合、冷房運転中の前記室内機のうち、一部の前記室内機へ流入する冷媒流量を抑制する制御手段と、
を備えたことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、前記室内機の前記熱交換器の温度が所定値以上の場合に除湿能力が不足していると判断する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機をローテーションで変更する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、前記室内機へ流入する冷媒流量を抑制する除湿運転と、前記室内機へ流入する冷媒流量を抑制しない通常運転と、を交互に行う
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項4において、
前記制御手段は、前記除湿運転による運転時間を目標湿度と吸込空気湿度の情報に基づいて変更する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機として、吸込空気温度が最も低い前記室内機、又は、吸込空気湿度が最も低い前記室内機、を選択する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機として、目標空気温度と吸込空気温度との差が最も小さい前記室内機、又は、目標空気湿度と吸込空気湿度との差が最も小さい室内機、を選択する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機として、使用者が設定した前記室内機を選択する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記室内機は在室者の有無を検知する人検知センサを備え、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機として、前記人検知センサにより在室者を検知した前記室内機以外を選択する
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制する前記室内機の台数を、前記室内機の冷媒蒸発温度と吸込空気温度との差ΔT1と前記室内機の目標冷媒蒸発温度と吸込空気温度との差ΔT2との比率ΔT1/ΔT2に基づいて定める
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制していない前記室内機の熱交換器の温度が所定値以上の場合、冷媒流量を抑制する前記室内機の台数を増加させる
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項1において、
前記制御手段は、冷媒流量を抑制していない前記室内機の熱交換器の温度が所定値以下の場合、冷媒流量を抑制する前記室内機の台数を減少させる
ことを特徴とする空気調和機。
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