JPH1151448A - 輻射式空調システム - Google Patents

輻射式空調システム

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JPH1151448A
JPH1151448A JP9203428A JP20342897A JPH1151448A JP H1151448 A JPH1151448 A JP H1151448A JP 9203428 A JP9203428 A JP 9203428A JP 20342897 A JP20342897 A JP 20342897A JP H1151448 A JPH1151448 A JP H1151448A
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air
temperature
indoor
temperature sensor
room temperature
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JP9203428A
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English (en)
Inventor
Takashi Doi
隆司 土井
Toshihiko Saito
俊彦 斎藤
Koichi Kitagawa
晃一 北川
Noriko Komoda
紀子 菰田
Kazuhiro Narusaka
和宏 鳴坂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天井面からの熱輻射および対流による伝熱併
用の空調システムにおいて、暖房運転にて、室内環境の
変化、室内の熱負荷変動に対応して、室内環境を快適に
保ち、輻射・対流併用の定常空調を維持する。 【解決手段】 室内機の吸込口5aから吸い込まれた室
内空気は、室内ファン(送風機)6によって室内熱交換
器7に導かれ、ダンパ9によって直接吹出口5bと輻射
ダクト10とに分岐され、輻射パネル10aからの熱輻
射と、対流による伝熱にて室内11を空調する。室外機
1には室外温度センサ13、室内機の吸込口5aには室
温センサ14、天井面11aには輻射温度センサ15お
よびパネル温度センサ16が設置され、定常制御部12
に接続される。定常制御部12は、あらかじめ設定され
た空調条件にて空調システムの輻射・対流併用定常制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天井面からの熱輻
射および室内空気の対流による伝熱を併用して冷房また
は暖房を行う空調システムにおける暖房運転の立ち上げ
後、輻射・対流併用の定常空調に移行した後の制御に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、天井面からの熱輻射および室内空
気の対流による伝熱を併用して冷房または暖房を行う輻
射式空調システムが提案されている。図10は、この輻
射式空調システムの一例を示す。室内機5の吸込口5a
から吸込まれた空気は、室内熱交換器7にて熱交換さ
れ、冷気または暖気となって室内ファン6にて、ダンパ
9の切替えにより輻射ダクト10または直接吹出口5b
に送風される。輻射ダクト10に送られた冷気または暖
気は、天井面11aを構成する輻射パネル10aに伝熱
し、ダクト吹出口10bから室内11に吹き出される。
そして輻射パネル10aから熱輻射によって輻射空調が
行われると共に、ダクト吹出口10bから室内11に吹
き出された冷気または暖気によって室内11に微小気流
を生じ対流空調が行われる。
【0003】この輻射式空調システムの暖房運転制御
は、運転立ち上げ制御、輻射・対流併用移行制御、輻射
・対流併用定常制御の各段階によって構成され、図11
に、各段階の流れをフローチャートで示す。まず室外温
度センサおよび室温センサからの信号に基づき室外およ
び室内環境を計測し(ステップ101)、直接吹出口5
bからの送風による対流を用いた運転立ち上げ制御を行
う(ステップ102)。そして室温センサが目標室温に
達したことを検出したら(ステップ103)、ダンパ9
を切替え、輻射・対流併用移行制御に移行する(ステッ
プ104)。そして室温センサからの信号に基づき、室
内環境が安定してきたと判定したら(ステップ10
5)、輻射・対流併用定常制御に移行する(ステップ1
06)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、天井か
らの輻射による暖房空調では、天井を加熱して室内を暖
めるため、天井付近と床付近との温度差により頭部の火
照りが生じやすい。このため、暖房運転の立ち上げ後、
輻射・対流併用の定常空調に移行した後は、室内空気温
度と輻射パネル温度とを制御して、室内の快適状態を維
持する必要がある。
【0005】図12は、暖房における従来の輻射・対流
併用定常制御の流れを示すフローチャートである。ま
ず、室外温度センサ、室温センサ、輻射温度センサ、パ
ネル温度センサからの信号に基づき室外および室内環境
を計測し(ステップ111)、目標室内温度に対する現
在の室温と目標床面温度に対する現在の床面温度を確認
する(ステップ112)。室内空気温度を制御する必要
があるか否か判定し(ステップ113)、制御する必要
がある場合は圧縮機と送風機の制御量を変更し(ステッ
プ114)、制御する必要が無い場合は床面温度を制御
する必要があるか否か判定する(ステップ115)。制
御する必要がある場合は圧縮機と送風機の制御量を変更
し(ステップ116)、制御する必要が無い場合は圧縮
機と送風機の制御量を現状のまま維持して、一定時間そ
の状態で運転を行い(ステップ117)、再び室外およ
び室内環境を計測する(ステップ111)。
【0006】上記従来の輻射・対流併用定常制御では、
目標室内温度と目標床面温度とを設定して制御を行う
が、室内空気温度の制御を主とし、輻射パネル温度に対
して特別な制御を行わずに、頭部の火照りを防止するた
めの上限設定(約30℃)のみであった。このため室内
空気温度は制御されても、床面温度は制御されていなか
った。このため従来の制御では、以下の問題を生じてい
た。
【0007】天井付近の温度が目標室内温度に近い温度
になっているが、床面は他の居室または窓の隙間などか
らの冷気の進入により天井付近に比べ数℃低い温度にな
る場合がある。このため時間の経過と共に床面付近の冷
気によって床面が冷却される。その結果足元付近の空気
温度が低下して、上下の空気温度差が生じ、不快な環境
となる。
【0008】輻射式空調システムでは空調機器を天井に
設置してあり、床面付近に空気温度センサを設置してい
ないので、上記の現象を判別できない。しかし、高さご
とに温度センサを取り付けて上下温度差を計測すること
は、実際のシステムでは実現が不可能である。
【0009】また、床面温度が何らかの原因によって低
下した場合、床面温度を上昇させるため輻射パネル温度
を上昇させる制御を行うシステムもある。しかし輻射パ
ネル温度を上昇させることは、輻射ダクト内の空気温度
を高くすることとなり、輻射ダクト吹出口から吹き出す
空気温度も高くなる。この吹き出し空気温度が高くなる
と、吹き出した空気に浮力が生じ天井付近に暖気が溜ま
る。従来は、室内空気温度と床面温度とを個別に制御し
ていないため、床面を暖めることができても、上下温度
差も生じてしまう。
【0010】本発明は、上記従来の問題点を解消すべ
く、暖房運転にて輻射・対流併用の定常空調に移行後、
室内環境の変化、室内の熱負荷変動に対応して、室内環
境を快適に保ち、輻射・対流併用の定常空調を維持する
輻射式空調システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載の輻射式空調システムは、
室内と室外との熱交換を行う熱交換器に冷媒を循環させ
る圧縮機と、熱交換された冷気または暖気を送風する送
風機とを備え、天井面からの熱輻射および室内空気の対
流による伝熱を併用して冷房または暖房を行う空調シス
テムにおいて、室内熱交換器によって調和された空気を
天井面に導いて伝熱する輻射ダクトと、室内熱交換器に
よって調和された空気を直接室内に吹き出す直接吹出口
と、室内熱交換器によって調和された空気の流れを前記
輻射ダクトと前記直接吹出口とに経路変更するダンパ
と、天井面からの熱輻射による温度を検出する輻射温度
センサと、室内空気の吸込口に設置され、室内空気の温
度を検出する室温センサと、この室温センサからの室温
信号に応じて前記ダンパと前記圧縮機および送風機とを
制御して定常暖房制御する定常制御手段とを備え、この
定常制御手段が、前記室温センサからの室温信号の経時
変化量および前記輻射温度センサからの温度信号の経時
変化量と、あらかじめ設定された目標室内温度およびあ
らかじめ設定された目標床面温度とに基づき、前記送風
機の送風量と前記圧縮機の能力とを制御することを特徴
とする構成を有する。
【0012】上記の構成によって、本発明の請求項1に
記載の輻射式空調システムは、室温センサからの室温信
号の経時変化量および輻射温度センサからの温度信号の
経時変化量と、あらかじめ設定された目標室内温度およ
びあらかじめ設定された目標床面温度とに基づき、送風
機の送風量と圧縮機の能力とを制御するので、室内温度
と床面温度とを制御する。
【0013】本発明の請求項2に記載の輻射式空調シス
テムは、請求項1に記載の輻射式空調システムを構成す
る手段において、前記定常制御手段が、前記室温センサ
からの室温信号の複数の経時変化量の積算値および前記
輻射温度センサからの温度信号の複数の経時変化量の積
算値と、あらかじめ設定された目標室内温度およびあら
かじめ設定された目標床面温度とに基づき、前記送風機
の送風量と前記圧縮機の能力とを制御することを特徴と
する。
【0014】上記の構成によって、本発明の請求項2に
記載の輻射式空調システムは、室温センサからの室温信
号の複数の経時変化量の積算値および輻射温度センサか
らの温度信号の複数の経時変化量の積算値と、あらかじ
め設定された目標室内温度およびあらかじめ設定された
目標床面温度とに基づき、送風機の送風量と圧縮機の能
力とを制御するので、輻射パネルの持つ熱量によって現
状維持の空調運転を行っても、室内環境の変動を小さく
抑えることができる。
【0015】本発明の請求項3に記載の輻射式空調シス
テムは、請求項1に記載の輻射式空調システムを構成す
る手段において、前記室温センサからの室温信号の経時
変化量が、あらかじめ設定された所定値よりも大きい場
合、前記定常制御手段が、その経時変化量を無効とし、
他の経時変化量を用いて、前記送風機の送風量と前記圧
縮機の能力とを制御することを特徴とする。
【0016】上記の構成によって、本発明の請求項3に
記載の輻射式空調システムは、室温センサからの室温信
号の経時変化量が、あらかじめ設定された所定値よりも
大きい場合、定常制御手段が、その経時変化量を無効と
し、他の経時変化量を用いて、送風機の送風量と圧縮機
の能力とを制御するので、一時的な室温変化に対して、
輻射パネルなどの持つ熱量による室温の回復を取り入れ
た制御を行える。
【0017】本発明の請求項4に記載の輻射式空調シス
テムは、請求項1に記載の輻射式空調システムを構成す
る手段に加え、前記室温センサからの室温信号の経時変
化量を記憶する室温データメモリを備え、前記室温セン
サからの室温信号の経時変化量が続けて二つ以上、あら
かじめ設定された所定値よりも大きい場合、前記定常制
御手段が、前記室温データメモリに記憶された経時変化
量を用いて、前記送風機の送風量と前記圧縮機の能力と
を制御することを特徴とする。
【0018】上記の構成によって、本発明の請求項4に
記載の輻射式空調システムは、室温センサからの室温信
号の経時変化量が続けて二つ以上、あらかじめ設定され
た所定値よりも大きい場合、室温データメモリに記憶さ
れた経時変化量を用いて、送風機の送風量と圧縮機の能
力とを制御するので、室温の変化が長く続く場合に失わ
れた熱量を補う空調制御を行える。
【0019】本発明の請求項5に記載の輻射式空調シス
テムは、請求項1に記載の輻射式空調システムを構成す
る手段に加え、前記輻射ダクトからの熱を輻射する輻射
パネルの温度を検出するパネル温度センサを備え、前記
輻射温度センサからの温度信号があらかじめ設定された
目標床面温度に対し室温維持に必要な所定値だけ低くな
り、かつ前記パネル温度センサからの温度信号が前記輻
射温度センサからの温度信号に対し頭部への火照りを感
じる所定値だけ大きくなったとき、前記定常制御手段
が、輻射・対流併用移行制御モードに変移することを特
徴とする。
【0020】上記の構成によって、本発明の請求項5に
記載の輻射式空調システムは、輻射温度センサからの温
度信号があらかじめ設定された目標床面温度に対し室温
維持に必要な所定値だけ低くなり、かつパネル温度セン
サからの温度信号が輻射温度センサからの温度信号に対
し頭部への火照りを感じる所定値だけ大きくなったと
き、輻射・対流併用移行制御モードに変移するので、外
気温の変化などで床面温度が低下しても、使用者が頭部
への火照りを感じること無く、床面の温度を上昇させる
ことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の輻射式空調システムのブ
ロック図である。室外機1にて外気と熱交換を行う室外
熱交換器2と、室内機5にて室内空気と熱交換を行う室
内熱交換器7との間に冷媒配管4が接続され、圧縮機3
にて冷媒が循環される。室内機の吸込口5aから吸い込
まれた室内空気は、室内ファン(送風機)6によって室
内熱交換器7に導かれ、熱交換されて冷気または暖気と
なる。そしてダンパ9によって直接吹出口5bと輻射ダ
クト10とに切替え送風され、直接吹出口5bまたはダ
クト吹出口10bから室内11に調和された空気(冷気
または暖気)が吹き出される。直接吹出口5bでは、ル
ーバ8によって、空気の吹出し角度が設定される。調和
された空気は、輻射ダクト10の輻射パネル10aから
の熱輻射と、対流による伝熱にて室内11を空調した
後、再び室内機の吸込口5aに吸い込まれる。
【0023】室外機1には室外の温度を検出する室外温
度センサ13、室内機の吸込口5aには室内空気温度を
検出する室温センサ14、天井面11aには輻射によっ
て暖められた床面11bの温度を検出する輻射温度セン
サ15および輻射パネル10aの温度を検出するパネル
温度センサ16が設置され、定常制御部12に接続され
る。定常制御部12は、マイクロコンピュータなどによ
って構成され、あらかじめ設定された空調条件にて空調
システムの輻射・対流併用定常制御を行う。
【0024】図2は、本発明の第1の実施の形態の輻射
式空調システムの輻射・対流併用定常制御のフローチャ
ートである。まず、外気温センサ、室温センサ、輻射温
度センサ、パネル温度センサからの信号に基づき室外お
よび室内環境を計測する(ステップ1)。室内空気吸込
み温度(Tain)およびその単位時間の変化量(α:
2分間の変化量)、床面温度(Tf)およびその単位時
間の変化量(ΔTf:2分間の変化量)を確認し(ステ
ップ2)、上下の温度差を判定する(ステップ3)。上
下の温度差がある場合は、輻射・対流併用移行制御モー
ドに変移し(ステップ4)、上下の温度差が無い場合
は、目標室内空気温度(Tain−o)に対する現室内
空気温度、目標床面温度(Tf−o)に対する現床面温
度を確認する(ステップ5)。そして室内空気温度およ
び床面温度を制御する必要があるか否か判定する(ステ
ップ6)。制御する必要がある場合は圧縮機と送風機の
制御量を変更し(ステップ7)、制御する必要が無い場
合は圧縮機と送風機の制御量を現状のまま維持して、一
定時間その状態で運転を行い(ステップ8)、再び室外
および室内環境を計測する(ステップ1)。
【0025】上記ステップ3の判定において、床面温度
を目標室内空気吸込み温度−2℃以内と設定する。この
−2℃以内とする設定値は、実験的に求められた値で、
輻射による均一な室内環境とすることができる値であ
る。目標室内空気吸込み温度−2℃以上低い値に設定す
ると、床面付近の空気が床面によって冷却され、床面付
近に冷気層を生じる。このため上下の温度不均一を生じ
る。
【0026】図3は、上記ステップ6にて、室内温度と
床面温度とを制御する際の、圧縮機の能力(Hz)と送
風機(室内ファン)の風量の組み合わせ例を示す。床面
温度と室内温度とを、それぞれ上昇させたい、維持させ
たい、下降させたい場合に対して、圧縮機能力(Hz)
とファン風量とを、UP(上昇させる)、DOWN(下
降させる)、KEEP(維持する)する各組み合わせに
よって、目的とする効果を得る。
【0027】図4は、本発明の第2の実施の形態の輻射
式空調システムの輻射・対流併用定常制御のフローチャ
ートである。まず、外気温センサ、室温センサ、輻射温
度センサ、パネル温度センサからの信号に基づき室外お
よび室内環境を計測する(ステップ11)。室内空気吸
込み温度(Tain)およびその単位時間の変化量
(α:2分間の変化量)、床面温度(Tf)およびその
単位時間の変化量(ΔTf:2分間の変化量)を検出す
ると共に、Tainの経時変化量の積算値(β:αの過
去3個分のベクトルを合成した変化量)を求め(ステッ
プ12)、これらのデータに基づき、上下の温度差を判
定する(ステップ13)。上下の温度差がある場合は、
輻射・対流併用移行制御モードに変移し(ステップ1
4)、上下の温度差が無い場合は、目標室内空気温度
(Tain−o)に対する現室内空気温度、目標床面温
度(Tf−o)に対する現床面温度を確認する(ステッ
プ15)。そして室内空気温度および床面温度を制御す
る必要があるか否か判定する(ステップ16)。制御す
る必要がある場合は圧縮機と送風機の制御量を変更し
(ステップ17)、制御する必要が無い場合は圧縮機と
送風機の制御量を現状のまま維持して、一定時間その状
態で運転を行い(ステップ18)、再び室外および室内
環境を計測する(ステップ11)。
【0028】図5は、室内空気温度の経時変化を示す図
であり、aは輻射パネルが無い場合、bは輻射パネルが
有る場合を示す。輻射パネルが無い場合は、室内空気温
度の変化が大きくなるが、輻射パネルが有る場合は、こ
の輻射パネルが蓄熱体となって、室内空気温度の変化が
緩やかとなる。このため現状維持の運転を行っても室内
環境の変動を自然に抑制することができ、目標温度まで
短時間で復帰できる。
【0029】図6は、空調制御による室内空気温度の変
動を示す。aは室内空気温度が変化し続ける場合(βの
変化量が連続して同じ場合)を示す。この場合は輻射パ
ネルの持つ熱量のみでは室内環境を元に戻すことができ
ないと判断して、圧縮機と送風機の制御量を変更する。
bはその結果、圧縮機と送風機の能力を高く制御した場
合室内空気温度の変化を示す。
【0030】ところで、実際の室内では室内外への人の
出入りも考えられる。この時、図7に示すように、室内
空気温度は一時的に大きく変動する。すなわち単位時間
の変化量(α)が一時的に大きく下降する。この場合、
大きく変化したαを無視(αn=0)して制御を行う。
【0031】図8は、この室内空気温度が一時的に大き
く変動する場合の、本発明の第3の実施の形態の輻射式
空調システムの輻射・対流併用定常制御のフローチャー
トである。まず、外気温センサ、室温センサ、輻射温度
センサ、パネル温度センサからの信号に基づき室外およ
び室内環境を計測し、室温センサからの室温信号の経時
変化量を室温データメモリに記憶する(ステップ2
1)。室内空気吸込み温度(Tain)およびその単位
時間の変化量(α:2分間の変化量)、床面温度(T
f)およびその単位時間の変化量(ΔTf:2分間の変
化量)を検出し、室内空気吸込み温度があらかじめ設定
された値よりも一時的に大きく変化した場合は、その室
内空気吸込み温度データを無効とする(ステップ2
2)。室温データの複数の経時変化量の積算値(β:α
の過去3個分のベクトルを合成した変化量)を求め(ス
テップ23)、これらのデータに基づき、上下の温度差
を判定する(ステップ24)。上下の温度差がある場合
は、輻射・対流併用移行制御モードに変移し(ステップ
25)、上下の温度差が無い場合は、目標室内空気温度
(Tain−o)に対する現室内空気温度、目標床面温
度(Tf−o)に対する現床面温度を確認する(ステッ
プ26)。そして室内空気温度および床面温度を制御す
る必要があるか否か判定する(ステップ27)。制御す
る必要がある場合は圧縮機と送風機の制御量を変更し
(ステップ28)、制御する必要が無い場合は圧縮機と
送風機の制御量を現状のまま維持して、一定時間その状
態で運転を行い(ステップ29)、再び室外および室内
環境を計測する(ステップ21)。
【0032】また上記ステップ2において、室温センサ
からの室温信号の経時変化量が続けて二つ以上あらかじ
め設定された値よりも大きく変化した場合は、この変化
を有効と見なし、室温データメモリに記憶された経時変
化量を用いて、以後の制御を行う。
【0033】ところで、外気温の急激な変化などで、上
下の温度差が無くても壁面・床面などが冷えて、輻射・
対流併用定常制御では室内環境を維持できない場合があ
る。この場合の制御について説明する。
【0034】図9は、本発明の第4の実施の形態の輻射
式空調システムの輻射・対流併用定常制御のフローチャ
ートである。まず、外気温センサ、室温センサ、輻射温
度センサ、パネル温度センサからの信号に基づき室外お
よび室内環境を計測する(ステップ31)。室内空気吸
込み温度(Tain)およびその単位時間の変化量
(α:2分間の変化量)、床面温度(Tf)およびその
単位時間の変化量(ΔTf:2分間の変化量)を検出
し、室内空気吸込み温度が一時的に大きく変化した場合
は、その室内空気吸込み温度データを無効とする(ステ
ップ32)。室温データの複数の経時変化量の積算値
(β:αの過去3個分のベクトルを合成した変化量)を
求め(ステップ33)、これらのデータに基づき、上下
の温度差を判定する(ステップ34)。上下の温度差が
ある場合は、輻射・対流併用移行制御モードに変移し
(ステップ35)、上下の温度差が無い場合は、目標室
内空気温度(Tain−o)に対する現室内空気温度、
目標床面温度(Tf−o)に対する現床面温度を確認す
る(ステップ36)。そして室内空気温度および床面温
度を制御する必要があるか否か判定する(ステップ3
7)。制御する必要がある場合は、圧縮機と送風機の制
御量を変更し(ステップ39)、さらに輻射温度センサ
からの温度信号があらかじめ設定された目標床面温度に
対し室温維持に必要な所定値(例えば−2℃)だけ低く
なったか否か、かつパネル温度センサからのパネル温度
(Tp)信号が輻射温度センサからの床面温度(Tf)
信号に対し頭部への火照りを感じる所定値(例えばAS
HRAE(American Society of Heating,Refrigerating
and Air-Conditioning Engineers,Inc.)による推奨値
は5℃)だけ大きくなったか否かを判定し(ステップ4
0)、この条件を満たす場合は、輻射・対流併用移行制
御モードに変移する。またステップ37において、制御
する必要が無い場合は圧縮機と送風機の制御量を現状の
まま維持して、一定時間その状態で運転を行い(ステッ
プ38)、再び室外および室内環境を計測する(ステッ
プ31)。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の請求項1に
記載の輻射式空調システムは、室温センサからの室温信
号の経時変化量および輻射温度センサからの温度信号の
経時変化量と、あらかじめ設定された目標室内温度およ
びあらかじめ設定された目標床面温度とに基づき、送風
機の送風量と圧縮機の能力とを制御するので、室内温度
と床面温度とを制御して室内環境を快適に維持する。
【0036】本発明の請求項2に記載の輻射式空調シス
テムは、室温センサからの室温信号の複数の経時変化量
の積算値および輻射温度センサからの温度信号の複数の
経時変化量の積算値と、あらかじめ設定された目標室内
温度およびあらかじめ設定された目標床面温度とに基づ
き、送風機の送風量と圧縮機の能力とを制御するので、
輻射パネルの持つ熱量によって現状維持の空調運転を行
っても、室内環境の変動を小さく抑えることができ、か
つ目標値まで復帰することができる。
【0037】本発明の請求項3に記載の輻射式空調シス
テムは、室温センサからの室温信号の経時変化量が、あ
らかじめ設定された所定値よりも大きい場合、定常制御
手段が、その経時変化量を無効とし、他の経時変化量を
用いて、送風機の送風量と圧縮機の能力とを制御するの
で、一時的な室温変化に対して、輻射パネルなどの持つ
熱量による室温の回復を前提とした、自然な空調制御を
行うことができる。
【0038】本発明の請求項4に記載の輻射式空調シス
テムは、室温センサからの室温信号の経時変化量が続け
て二つ以上、あらかじめ設定された所定値よりも大きい
場合、室温データメモリに記憶された経時変化量を用い
て、送風機の送風量と圧縮機の能力とを制御するので、
室温の変化が長く続く場合、失われた熱量を補うように
空調制御できる。
【0039】本発明の請求項5に記載の輻射式空調シス
テムは、輻射温度センサからの温度信号があらかじめ設
定された目標床面温度に対し室温維持に必要な所定値だ
け低くなり、かつパネル温度センサからの温度信号が輻
射温度センサからの温度信号に対し頭部への火照りを感
じる所定値だけ大きくなったとき、輻射・対流併用移行
制御モードに変移するので、外気温の変化などで床面温
度が低下しても、使用者が頭部への火照りを感じること
無く、床面の温度を上昇させることができ、無理無く室
内環境を回復して快適に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輻射式空調システムのブロック図であ
る。
【図2】本発明の第1の実施の形態の輻射式空調システ
ムの輻射・対流併用定常制御のフローチャートである。
【図3】室内温度と床面温度とを制御する際の、圧縮機
の能力(Hz)と送風機(室内ファン)の風量の組み合
わせ例を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の輻射式空調システ
ムの輻射・対流併用定常制御のフローチャートである。
【図5】室内空気温度の経時変化を示す図である。
【図6】空調制御による室内空気温度の変動を示す図で
ある。
【図7】室内空気温度の一時的変動を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態の輻射式空調システ
ムの輻射・対流併用定常制御のフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態の輻射式空調システ
ムの輻射・対流併用定常制御のフローチャートである。
【図10】輻射式空調システムの一例を示す図である。
【図11】輻射式空調システムの暖房運転制御の各段階
の流れを示すフローチャートである。
【図12】暖房における従来の輻射・対流併用定常制御
の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 室外機 2 室外熱交換器 3 圧縮機 4 冷媒配管 5 室内機 5a 吸込口 5b 直接吹出口 6 室内ファン(送風機) 7 室内熱交換器 8 ルーバ 9 ダンパ 10 輻射ダクト 10a 輻射パネル 11 室内 11a 天井面 11b 床面 12 定常制御部 13 室外温度センサ 14 室温センサ 15 輻射温度センサ 16 パネル温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菰田 紀子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内 (72)発明者 鳴坂 和宏 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝住空間システム技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内と室外との熱交換を行う熱交換器に
    冷媒を循環させる圧縮機と、熱交換された冷気または暖
    気を送風する送風機とを備え、天井面からの熱輻射およ
    び室内空気の対流による伝熱を併用して冷房または暖房
    を行う空調システムにおいて、 室内熱交換器によって調和された空気を天井面に導いて
    伝熱する輻射ダクトと、 室内熱交換器によって調和された空気を直接室内に吹き
    出す直接吹出口と、 室内熱交換器によって調和された空気の流れを前記輻射
    ダクトと前記直接吹出口とに経路変更するダンパと、 天井面からの熱輻射による温度を検出する輻射温度セン
    サと、 室内空気の吸込口に設置され、室内空気の温度を検出す
    る室温センサと、 この室温センサからの室温信号に応じて前記ダンパと前
    記圧縮機および送風機とを制御して定常暖房制御する定
    常制御手段とを備え、 この定常制御手段が、前記室温センサからの室温信号の
    経時変化量および前記輻射温度センサからの温度信号の
    経時変化量と、あらかじめ設定された目標室内温度およ
    びあらかじめ設定された目標床面温度とに基づき、前記
    送風機の送風量と前記圧縮機の能力とを制御することを
    特徴とする輻射式空調システム。
  2. 【請求項2】 前記定常制御手段が、前記室温センサか
    らの室温信号の複数の経時変化量の積算値および前記輻
    射温度センサからの温度信号の複数の経時変化量の積算
    値と、あらかじめ設定された目標室内温度およびあらか
    じめ設定された目標床面温度とに基づき、前記送風機の
    送風量と前記圧縮機の能力とを制御することを特徴とす
    る請求項1に記載の輻射式空調システム。
  3. 【請求項3】 前記室温センサからの室温信号の経時変
    化量が、あらかじめ設定された所定値よりも大きい場
    合、前記定常制御手段が、その経時変化量を無効とし、
    他の経時変化量を用いて、前記送風機の送風量と前記圧
    縮機の能力とを制御することを特徴とする請求項1に記
    載の輻射式空調システム。
  4. 【請求項4】 前記室温センサからの室温信号の経時変
    化量を記憶する室温データメモリを備え、 前記室温センサからの室温信号の経時変化量が続けて二
    つ以上、あらかじめ設定された所定値よりも大きい場
    合、前記定常制御手段が、前記室温データメモリに記憶
    された経時変化量を用いて、前記送風機の送風量と前記
    圧縮機の能力とを制御することを特徴とする請求項1に
    記載の輻射式空調システム。
  5. 【請求項5】 前記輻射ダクトからの熱を輻射する輻射
    パネルの温度を検出するパネル温度センサを備え、 前記輻射温度センサからの温度信号があらかじめ設定さ
    れた目標床面温度に対し室温維持に必要な所定値だけ低
    くなり、かつ前記パネル温度センサからの温度信号が前
    記輻射温度センサからの温度信号に対し頭部への火照り
    を感じる所定値だけ大きくなったとき、 前記定常制御手段が、輻射・対流併用移行制御モードに
    変移することを特徴とする請求項1に記載の輻射式空調
    システム。
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