JP7215707B2 - ショートアーク型フラッシュランプ - Google Patents

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Description

本発明は、トリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプに関し、特に長寿命化に関する。
特許文献1には、トリガープローブ方式のショートアーク型フラッシュランプが開示されている。トリガープローブは始動用電極であり、高電圧が印加されると予備放電がなされる。この状態で、コンデンサに蓄積したエネルギーを瞬間的に主電極間に供給することで、紫外光が放射される。
上記トリガープローブ方式のショートアーク型フラッシュランプには、以下の2つの問題があった。石英ガラス発光管内に主電極以外に前記始動用電極を設ける必要があるので、製造工程が複雑となる。また、トリガープローブが主電極の間に位置しているので、高出力にするにはトリガープローブ先端の溶融を回避する必要がある。
そこで、発明者は、封体に沿って設けたトリガーワイヤーによって前記予備発光をおこなうことができないかを検討した。
特開2016-152183号公報
しかしながら、トリガーワイヤで予備発光をすると、トリガーワイヤーに沿って予備放電をおこなうため、紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプでは、封体が白濁するおそれがある。かかる白濁はランプの寿命を低下させることとなる。
本発明は、上記問題を解決し、長寿命のトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプを提供することを目的とする。
1)本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプは、封止された石英ガラス発光管、前記石英ガラス発光管に封入された希ガス、前記石英ガラス発光管内部に対向して配置された陰極および陽極、前記石英ガラス発光管外側の陰陽極間に張った始動用のトリガー線を備え、コンデンサに充電した電気エネルギーを、前記トリガー線に高電圧を印加して始動する紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであって、前記陰極と前記陽極との距離L(単位cm)、前記陰極と前記陽極を結ぶ線分から前記石英ガラス発光管の内面との距離D(単位cm)、前記希ガスのガス圧P(単位Pa)、前記コンデンサに印加する主放電用電圧V(単位V)が、それぞれ、0.3<D<2、 0.3<L<5、 20,000<P<200,000、600≦V<3,000、かつ、 20<((P・L・D)/V)<200、前記コンデンサに充電する1パルスあたりのエネルギーは50.4J以上である。

かかる条件があれば、高出力化したトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであっても、白濁がおきにくい。したがって、長寿命のトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプを提供することができる。
2)本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプにおいては、さらに、0.5<D<1.5、 0.3<L<1.5、 40,000<P<100,000、 600≦V<1,500、である。
かかる条件があれば、高出力化したトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであっても、白濁がおきにくい。したがって、長寿命のトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプを提供することができる。
削除
3)本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプにおいては、主放電におけるピーク電流は3000A以上である。したがって、高出力化したトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであっても、白濁がおきにくい。
4)本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプにおいては、電流半値幅は100μ秒以下である。したがって、高出力化したトリガーワイヤ方式の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであっても、白濁がおきにくい。

本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプの外観図である。 ショートアーク型フラッシュランプ1の点灯用の回路図である。 ショートアーク型フラッシュランプ1における各種パラメータを示す図である。 実施例1~3についての電流・光波形を示す図である。 パラメータD、PL/Vを変化させた場合の、点灯性および白濁化の結果を示す図である。 図5の結果について、パラメータDを縦軸に、PL/Vを横軸にとった場合の両者の関係を示す図である。 充電電圧を変更した場合の条件を示す図である。 実施例5についての電流・光波形を示す図である。 実施例6についての電流・光波形を示す図である。 バルブ形状の異なるショートアーク型フラッシュランプの外観図である。
(1. ランプの構造)
図1に、本発明にかかるショートアーク型フラッシュランプ1を示す。ショートアーク型フラッシュランプ1は、透明な石英ガラスからなる略楕円体形状のバルブ7、陰極3、陰極3に対向配置された陽極5、トリガーワイヤー9、口金11を備えている。
バルブ7は、耐熱性が高く透明な石英ガラスから適時選択できるが、バルブ内部は高温のプラズマに曝されるので、耐熱性の高い、軟化温度の高い石英ガラスの使用が望ましい。バルブ7内には、不活性ガスとしてXeが所定の圧力で封入されている。
陰極3および陽極5それぞれのリード棒はバルブ両端部で段継シール法にて真空気密に封止されている。
陰極3、陽極5の先端形状は、先端が尖った円錐状である。これは主放電のプラズマアークが正確に電極中心に位置するようにするためである。また、先端角度は132度とした。これは大電流に耐えるためであり、90度~150度程度の鈍角であってもよい。
トリガーワイヤー9は、バルブ7とサイド管のつなぎ目を石英ガラス外側に密着するように張り渡し、固定されている。トリガーワイヤー9の材質は、酸化しにくく、耐熱性および導電性の高い金属線がこのましい。本実施形態においては、ニッケル線を採用したが、ニクロム線、カンタル線であってもよい。
(2. 点灯メカニズム)
ショートアーク型フラッシュランプ1の点灯メカニズムについて説明する。ショートアーク型フラッシュランプ1は点灯装置に接続され、図2に示すようにランプ点灯回路91とトリガー回路93の2つの回路が構成される。
ランプ点灯回路91は、直流高圧電源から所定の電圧が印加され、これによりコンデンサ98にエネルギーが充電される。トリガー回路93は、トリガーコイル95によって、ランプ外側に封体に沿って張られたトリガーワイヤ97に、高電圧を印加する。これにより、ショートアーク型フラッシュランプ1内部の封入ガスが絶縁破壊され、ショートアーク型フラッシュランプ1内部の電極間をトリガー線97に沿ったスパークストリーマが発生する。ショートアーク型フラッシュランプ1内部で絶縁破壊が発生すると、コンデンサ98に充電されたエネルギーがショートアーク型フラッシュランプ1に供給される。
コンデンサ98に充電されたエネルギーが供給されると主放電が開始され、時間経過とともに電子とイオンが増加する。これによりプラズマ流が大きく成長し、放電電流も急速に大きくなる。この時、ある条件のもとで電極も徐々に加熱され陰極先端からの熱電子の放出および光電効果による陰極先端からの電子の放出が始まり、ある時点でトリガー線97に沿った発光管内壁近傍の湾曲した主放電は、電極先端間の真直ぐな主放電に移行する。
ここで、前記プラズマ流の温度は、放電電流と相関があり、放電電流が3000Aを超えると、その分、プラズマ温度も上昇する。固体の石英ガラスは、SiO(ガス)、SiO(ガス)、O(ガス)、O(ガス)として蒸発し、蒸発した各種ガス種は、高温プラズマ域から抜け出ると直ちに再結合し、数μm径のSiO微粒子を生成し、再度石英ガラス内壁に付着する。付着した多数のSiO微粒子は、光を散乱する。また、高温プラズマは、SiO→Si+O (2O)として石英ガラスを還元し、UV域の透過率を低下させる。これにより、UV放射強度が低下し、UV放電灯として短寿命となる。
(3. パラメータY=PLD/Vについて)
発明者は、放電灯寸法(D)、電極間隔(L)、封入ガス圧(P)および充電電圧(V)を変数としたY=(P・L・D)/Vについて、Yが一定範囲内であれば、上記問題を回避できるのではないかと考えた。理由は、以下の通りである。
パラメータPL/Vは、以下のような意義がある。パッシェンの法則によると、放電管内における放電開始電圧は、ガス圧P(Pa)と電極間距離L(cm)との積PLが小さいほど低くなり、積PLが大きいほど高くなる。放電開始電圧が低くなると自然発火しやすくなり、一方、高くなると不点灯になりやすくなる。さらに、充電電圧が低いほど放電しにくく、高いほど放電しやすくなる。したがって、パラメータPL/Vの値は、主放電の起こりやすさを示すパラメータとなる。
また、トリガーワイヤー放電方式のフラッシュ型のショートアーク型フラッシュランプの距離Dは、点灯しやすさおよび封体の白濁に関係するパラメータである。なぜなら、トリガーワイヤー式のショートアーク型フラッシュランプの発光メカニズムは、既に述べたように、電気抵抗の小さいスパークストリーマ放電路、すなわちトリガーワイヤーに近接した電極側部と発光管外側に張ったトリガーワイヤー97に沿った発光管内壁近傍の湾曲した主放電は、電極先端間の真直ぐな主放電に移行するからである。
以下、両者の関係について説明する。
(4. 実施例)
(実施例1)
外径11mm、内径8mmの有水合成石英ガラス管を酸水素バーナーで肉厚1.5mmの短軸11mm、長軸20mm楕円体に膨らまし、バルブとした。陰極および陽極形状は、φ6mm長さ6mmの円柱形であり、各先端は130度の角度で円錐形に切削加工をした。陽極物質は、2%酸化ランタンドープタングステンであり、陰極は、Ba3WO6粉末とタングステン粉末を混合し、プレス成型後、2000℃3時間、高温で焼結したプレス焼結電極である。
両電極にφ2mmのタングステン芯線を圧入して接合し、芯線とサイド管端部とを、GE製No.1ガラスで段継接合した。
この時の、電極間距離Lは0.97cmであり、放電灯寸法Dは0.95cmである。封入ガスは、Xeであり、封入圧は、59995Paである。本実施例では、充電電圧1000Vの条件でY=55.3である。
図4Aに、実施例1の1000V―280μF点灯に対する電流・光波形を示す。図4の縦軸は電流値(kA)を、横軸は経過時間を表わす。同図によると、電流と光出力はほぼ同時に立ち上がり、約5μsで光波形の段差が現れ(この時点における電流は約2000A)、その後、約3μsで再び急速に立ち上がっている。管壁に沿った放電は、約1300Aであり、1000V-280μF-1Hz―1万ショットの長期点灯でもまったく白濁は生じなかった。
このように、放電電流の立ち上がりとほぼ同時に254nm光の出力値は立ち上り、放電電流がピーク値に至る時間の間で、トリガー線に沿って湾曲したプラズマが両電極先端に真直ぐなプラズマとして移行すると、立ち上がり中の光出力波形に段差が生じ、数μ秒の時間の後、再び光出力は増大し始めている。かかる光出力波形は、低い強度で段差が生ずることが好ましく、この例では3000A以下で良い特性を有するといえる。
(実施例2)
電極間距離Lを2倍(2.06cm)とした以外は、実施例1と同じである。本実施例では、充電電圧1000Vの条件でY=117.4である。
図4Bに電流・光波形を示す。電流と光波形の立ち上がりから約17μsで8700Aに達して、光波形の段差が生じ、その後約8μsで再び急速に立ち上がった。この光波形の変化に対する電流は、約7μs後に3000Aに達しているが、光波形の段差が生じる17μsまでの時間は10μsの短時間であり、石英ガラスが蒸発する温度に加熱されない。1000V-280μF-1Hz―1万ショットの長期点灯でもまったく白濁は生じなかった。
このように、放電電流の立ち上がりとほぼ同時に254nm光の出力値は立ち上り、放電電流がピーク値に至る時間の間で、トリガー線に沿って湾曲したプラズマが両電極先端に真直ぐなプラズマとして移行すると、立ち上がり中の光出力波形に段差が生じ、数μ秒の時間の後、再び光出力は増大し始めていることがわかる。
(実施例3)
電極間距離Lをさらに大きく(3.02cm)し、封入圧Pをさらに大きくし(73327Pa)とした以外は、実施例1と同じである。
本実施例では、充電電圧1000Vの条件でY=210.4である。この場合、図4Cに示すように、光波形は、立ち上りからピークに至るまで段差は生ぜず、なだらかな曲線を描いている。電流は、立ち上がりから5μs後に3000Aに達し、次第に増加して、約1万Aのピーク電流を経て下降に転じ約40μs後に3000A以下となることがわかる。また、電流値が9200Aとなるまで約20μsの間、管壁に沿った放電が生じていることが分かる。1000V-280μF-1Hzの点灯テストでは、約5000ショットで白濁が生じた。
このように、放電電流の立ち上がりからピークに至るまでに、プラズマが管壁から両電極先端に移行しない場合、発光強度は、段差は生ぜず、上に凸のなだらかな曲線形状となる。
本実施形態における測定方法について説明する。本実施形態においては、PEM社製ロゴスキー電流測定器(RCTi/3000/2.5/300)を用いて、放電電流波形を測定した。また、ソーラボ社製光センサーDET10Aに朝日分光社製の254nmの光を通すバンドパスフィルターを取り付けて、光波形を測定した。なお、光波形の受光強度は任意の位置と絞り取り込み光による相対的な出力値を採用すればよい。
なお、計測時には、放電回路中に逆電流を阻止する半導体を挿入した。これにより、放電電流波形は上に凸のなだらかな曲線となる。一方、254nm光波形は、管壁に沿う湾曲した放電と電極先端間の真直ぐな放電で特有な波形形状となる。
(実施例4)
電極間距離Lを実施例1よりも小さくし(0.32cm)した以外は、実施例1と同じである。この場合、極間が短いので、管壁に沿った放電がほぼ生じず、短時間でまっすぐな放電となるので、白濁の問題はほぼない。しかしながら、極間が短い分だけ、ピーク電流値が高くなるので、充電電圧が高いと電極先端が溶解するおそれがある。実施例4の場合、充電電圧が1000Vだと、Y=18.2となり、電極先端が溶解した。充電電圧が800Vだと、Y=22.8と、600Vだと、Y=30.4となり、いずれの場合も電極先端の溶解は生じなかった。
(5.パラメータPLD/Vについて )
発明者は、放電灯寸法DおよびパラメータPL/Vとの透明性と点灯性に関する相関関係について、有効範囲を調べるために追加実験を行った。
図5は放電灯寸法Dと、パラメータPL/Vを順次変えた場合のそれぞれの値及び、その場合の点灯性と白濁の関係を示す。図6は図5の各データをマトリックス配置した場合の結果一覧である。
図6において、透明性が80%以上、自然発火無し、かつ不点灯無しを○、透明性が60~80%、自然発火がほとんどなし、かつ不点灯ほとんどなしを△、透明性が60%以下、自然発火があり、かつ不点灯がありを×とした。
自然発火とはトリガーに高電圧を印加することなしに、コンデンサ充電で放電灯が自然と放電することをいう。
発光管内壁の白濁が進行すると光が散乱され、フォトセンサーの光量が低下する。
透明性は、ライフ後光量/初期光量×100(%)で測定すればよい。本実施形態においては、200Wで点灯させて電力量2kWhで1万ショット点灯させた場合の、ライフ後光量を測定した。
図6から、横軸のパラメータPL/Vは大きくなると、縦軸の放電灯寸法Dは小さくならないと点灯性と白濁防止の双方を満足するようにならないことが分かる。また、縦軸の放電灯寸法Dが大きくなると横軸のパラメータPL/Vは小さくならないと、点灯性と白濁防止の双方を満足するようにならないことが分かる。したがって、放電灯寸法DとパラメータPL/Vの積Yが一定範囲内であれば、上記相反する要求を満足することが分かる。この例では20<Y<200である。
本実施形態においては、パラメータPL/Vの組み合わせとしては、P=100,000Pa、L=0.5cm、P=70,000Pa、L=1.0cm,P=40,000Pa,L=1.5cmの3種類について、充電電圧Vを任意に可変した点灯実験を実施した。
たとえば、図5において、PL/V=100、D=0.3の場合、Y=30となり、常時プラズマが管壁に接近して放電し白濁してしまった。また、PL/V=20、D=1の場合、Y=20となり、頻繁に自然発火してしまった。PL/V=60、D=1の場合、Y=60となり、短時間で電極先端放電に移行し、透明性・点灯性とも良好であった。PL/V=160、D=1の場合、Y=160となり、透明性80%以上で良好であったが、希に不点灯となった。PL/V=100、D=2の場合、Y=200となり、頻繁に不点灯となった。PL/V=20、D=2.8の場合、Y=56となり、頻繁に自然発火した。
すなわち、パラメータYの範囲のみでは、透明性・点灯性の双方を満足する条件とはならない。発明者は、各パラメータD、P、L、Vの範囲についても適切な範囲があると考えた。
封入ガス圧P(Pa)は、20,000<P<200,000(Pa)が好ましく、より好ましいのは、40,000<P<100,000である。封入ガス圧Pが20,000Pa以下の圧力の場合、トリガーによる高電圧印加をしなくともコンデンサへの充電のみで放電(自然発火)するようになり、また封入ガス圧Pが200,000Pa以上になるとトリガーによる高電圧印加しても点灯しなくなるからである。
また、コンデンサへの充電電圧Vは、300<V<3,000(V)が好ましく、より好ましいのは500<V<1,500である。充電電圧Vが300V以下の電圧の場合、封入圧力が20,000Paほどの低圧力でも点灯しにくくなり、また充電電圧Vが3,000V以上の電圧の場合、繰り返し点灯による陰極加熱で、自然発火するようになるからである。
電極間距離L(cm)は、0.3<L<5(cm)が好ましく、より好ましいのは、0.3<L<1.5である。電極間距離Lが0.3cm以下の場合、封入ガス圧Pが200,000Paほどの高圧力封入でも自然発火するようになり、また電極間距離Lが5cm以上になると主放電が管壁に沿って成長し電極間の真直ぐな放電に移行しなくなるからである。
また、放電灯寸法Dは、0.3<D<2(cm)が好ましく、より好ましいのは、0.5<D<1.5である。放電灯寸法Dが0.3cm以下の場合、管壁が電極に接近しすぎており、主放電が電極間に移行しても、管壁が高温のプラズマに曝され白濁してしまう。一方、放電灯寸法Dが2cm以上の場合、電極と管壁が離れすぎて、点灯しなくなってしまうからである。
以上述べたように、各パラメータD、P、L、VおよびパラメータYが、上記の範囲であれば、主放電が両電極側部よりスパークストリーマ放電路を通って湾曲したプラズマ形状で始まる。湾曲したままプラズマが成長するとともに放電電流も増大すると、このプラズマが両電極先端部からの真直ぐなプラズマ形状に移行する。なお、かかる移行は、間接的に放電電流波形と254nm発光波形を同時に測定すればよい。
発明者は、石英ガラス近傍のプラズマ電流が約3000Aを超え、3000A以上の高温プラズマに曝される時間が20μ秒以上になると石英ガラスの蒸発が激しくなり、蒸発したSi+O,SiO2により、バルブが白濁すると考えた。上記Yの値が上記範囲内であれば、前記移行が3000Aに達してから20μ秒以内に起こり、その結果、放電灯が長寿命となる。
(6.他の実施例)
発明者は、さらに、キャパシタの容量、充電電圧を変更した実験を行った。
まず、実施例1~3について、充電電圧を変更した場合について実験した。結果を図7Aに示す。このように、充電電圧を変えてもYが範囲内であれば問題ないことが分かる。
さらに、キャパシタの容量を変更した実験を行った。結果を図7Bに示す。実施例5は、電極間距離Lは1.14cm、放電灯寸法Dは0.87cm。封入ガスは、Xeであり、封入圧は、73327Pa、キャパシタ容量420μFとし、充電電圧は600,800、1000(V)である。この場合、充電電圧1000Vなら、Y=72.7、充電電圧800Vなら、Y=90.9、充電電圧600Vなら、Y=121.2となる。

図8に実施例5の計測結果を示す。このように、管壁に沿った放電は、3000A以下で、プラズマが管壁に接している時間が短いので、寿命が長い。
実施例6は、実施例5と、電極間距離Lが若干異なる(1.17cm)。この場合、充電電圧1000Vなら、Y=74.6、充電電圧800Vなら、Y=93.3、充電電圧600Vなら、Y=124.4となる。
いずれの場合も、1Hz―1万ショットの長期点灯でもまったく白濁は生じなかった。また点灯性も問題なかった。
図9に実施例6の計測結果を示す。このように、プラズマが管壁に接している時間が短いので、寿命が長い。
このように、キャパシタの容量は、あまり影響がないことがわかる。
本実施形態においては、楕円体形状のバルブを採用した場合について説明したが、バブル形状は、これに限定されず、たとえば図10のようにバブルの最も膨らんだ部分が直線の管状であってもよく、あるいはより大きな径の曲線で構成されたものであってもよい。
また、ガスの種類については、キセノンを採用した場合について説明したが、その他の不活性ガスであってもよい。
1・・・・・・・・ショートアーク型フラッシュランプ
3・・・・・・・・陰極
5・・・・・・・・陽極
7・・・・・・・・バルブ
9・・・・・・・・トリガーワイヤー

Claims (5)

  1. 封止された石英ガラス発光管、
    前記石英ガラス発光管に封入された希ガス、
    前記石英ガラス発光管内部に対向して配置された陰極および陽極、
    前記石英ガラス発光管外側の陰陽極間に張った始動用のトリガー線、
    を備え、コンデンサに充電した電気エネルギーを、前記トリガー線に高電圧を印加して始動する紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプであって、
    前記陰極と前記陽極との距離L(単位cm)、前記陰極と前記陽極を結ぶ線分から前記石英ガラス発光管の内面との距離D(単位cm)、前記希ガスのガス圧P(単位Pa)、前記コンデンサに印加する主放電用電圧V(単位V)がそれぞれ下記条件を満たし、
    0.3<D<2、
    0.3<L<5、
    20,000<P<200,000、
    600≦V<3,000、
    かつ、
    20<((P・L・D)/V)<200であり、
    前記コンデンサに充電する1パルスあたりのエネルギーは50.4J以上であること、ること、
    を特徴とするショートアーク型フラッシュランプ。
  2. 請求項1の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプにおいて、さらに、
    0.5<D<1.5、
    0.3<L<1.5、
    40,000<P<100,000、
    600≦V<1,500、
    であることを特徴とするショートアーク型フラッシュランプ。
  3. 請求項1または請求項2の紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプにおいて、
    前記コンデンサに充電するエネルギーは50J以上であること、
    を特徴とするショートアーク型フラッシュランプ。
  4. 請求項1~請求項3のいずれかの紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプにおいて、
    主放電におけるピーク電流は3000A以上であること
    を特徴とするショートアーク型フラッシュランプ。
  5. 請求項1~請求項4のいずれかの紫外光を放射するショートアーク型フラッシュランプにおいて、
    電流半値幅は100μ秒以下であること
    を特徴とするショートアーク型フラッシュランプ。
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Citations (7)

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