JP5418886B2 - 放電ランプおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車の前照灯などに使用される放電ランプおよびその製造方法に関する。
自動車前照灯用の放電ランプは、内管と外管によってそれぞれ気密に区画された二重管構造を有している。そして内管が画定する空間には希ガスおよび金属ハロゲン化物が封入され、外管と内管外表面とで包囲された空間には希ガスなどの不活性ガスが封入される。
この種のランプは、安定点灯時に35W程度の電力が必要であるのに対し、始動時には約75Wの電力を投入して、発光管内の電極間の絶縁破壊のために数kV〜数十kVの電圧を印加する必要がある。この始動特性を改善し、確実かつ安全にランプを点灯するために種々の試みがなされている。
その1つとして、内管の表面に導電性被膜を形成し、外管と内管で囲まれる空間内で放電を起こさせて始動電圧を低減する手法が提案されている。具体的には、内管発光部の表面に導電性被膜を塗布することによって、電極および電極から延びるリード線との間でコンデンサを形成して絶縁破壊を容易にするというものである。
国際公開第2007/101827号
このような導電性被膜による始動補助の効果は、被膜の形成位置、面積および厚さなどに依存するため、被膜の形態にバラツキがあると特性が一定にならず、歩留りが悪くなる。バラツキを抑える方法としては、例えば上記特許文献のようにマスキングをしてスパッタリングしたり、エッチングなどの手法が考えられるが、追加の工程およびそれに伴う追加の設備が必要になるため、より簡便な方法が求められていた。
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたもので、次の特徴を有する新規の放電ランプの製造方法に関する。つまり、本発明の方法は、一対の封止部、および前記一対の封止部の間に延在し、内部に放電媒体を封入した第1の空間を有する中空の発光部からなる内管と、前記内管との間にバリア放電を形成可能な不活性の気体を封入した外管と、からなる二重管構造の放電ランプの製造方法であって、
前記封止部の外表面に側壁によって包囲され、前記第1の空間側の前記側壁の位置が、前記第1の空間の前記側壁側の端部の位置よりも前記第1の空間から離れる方向に設けられた溝状部を形成する工程と、前記溝状部の内部に導電性材料被膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に従って、管体を封止して形成された一対の封止部、および前記一対の封止部の間に延在し、内部に第1の空間を有する中空の発光部からなる内管と、前記第1の空間にそれぞれ突出し、先端同士が対向配置された一対の電極と、封止部に気密に封着され、前記電極と接続された金属箔と、を具備し、前記第1の空間に封入された放電媒体と、前記内管の周囲に気密に接続され、前記内管との間に第2の空間を画定する外管と、前記第2の空間に封入され、前記第2の空間内にバリア放電を形成可能な不活性の気体と、を含む、放電ランプにおいて、前記封止部の外表面に形成され、側壁によって包囲され、前記第1の空間側の前記側壁の位置が、前記第1の空間の前記側壁側の端部の位置よりも前記第1の空間から離れる方向に設けられた溝状部と、前記溝状部の内部に設けられた導電性被膜と、を有することを特徴とする、放電ランプが提供される。

本発明によれば、簡易な方法で導電性被膜を所望の面積および膜厚の範囲に収まるように調整することができる、新規な放電ランプの製造方法を提供することができる。
また、本発明に係る放電ランプによれば、優れた始動特性を有する放電ランプが提供される。
本発明の一実施形態に係る放電ランプの側面図である。 (a)は図1に示した放電ランプの高電位側の封止部近傍を拡大した部分拡大図であり、(b)は(a)の直線2B−2B'に沿った側断面図である。 図2(a)の破線で囲まれた部分Xを拡大した図である。 図1に示したランプを90度回転した方向からみた図である。 図4に示したランプの高電位側の封止部近傍を拡大した部分拡大図である。 別形態のランプを説明する図であり、図2(a)の破線で囲まれた部分X'を拡大した図である。 別形態の放電ランプを説明するための部分拡大図である。 導電性被膜の面積と始動電圧との関係を示す図である。 本発明の種々の変形例を説明するための図である。 本発明の放電ランプの製造方法において、溝状部を形成する工程を説明するための図である。
図1〜図5を参照して、本発明の実施形態の一例について説明する。本形態の放電ランプは、自動車の前照灯に用いられる、いわゆるD4タイプと呼ばれる一種であり、細長い形状の内管1を有している。内管1の中央付近には略楕円形の中空の発光部11が形成されている。発光部11の両端には、細長い扁平の封止部12、さらにその両端には境界部13を介して円筒部14がそれぞれ一体形成されている。内管1は、例えば石英ガラスなどの耐熱性と透光性を具備した材料で構成することができる。
発光部11の内部には、中央が略円柱状で、両端に向かってテーパ状となっている閉空間111(以下、「第1の空間」ともいう。)が形成されている。この第1の空間111の容積は、自動車前照灯用の場合には、10〜40mm、さらには20〜30mmであるのが一般的である。
第1の空間111には、放電媒体が封入されている。放電媒体は、少なくとも金属ハロゲン化物2および不活性ガスを含有したものである。
金属ハロゲン化物2は、ナトリウム、スカンジウム、亜鉛、インジウムなどのハロゲン化物で構成されている。それらの金属ハロゲン化物に結合されるハロゲンとしてはヨウ素が用いられるが、これに限らず臭素や塩素などを組み合わせてもよい。また、金属ハロゲン化物の組合せもこれに限らず、スズやセシウムのハロゲン化物などを任意に追加してもよい。
第1の空間111に封入される不活性ガスは、例えばキセノンである。不活性ガスは、目的に応じて封入圧力を調整することができる。例えば、全光束等の特性を高めるためには、封入圧力を常温(25℃)において12atm以上にするのが望ましい。ただし、製造上の理由から大きくても20atm程度とするのが一般的である。また、キセノンの他に、ネオン、アルゴン、クリプトンなどを使用したり、これらを組み合わせた混合ガスを使用することもできる。
ここで、放電媒体としては、水銀を実質的に含んでいないものが望ましい。本明細書における「水銀を実質的に含まない」とは、水銀の封入量が0mgである場合に限られず、従来の水銀入りの放電ランプと比較してほとんど封入されていないに等しい程度の量、例えば1mlあたり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀量を封入している場合を含む意味に解釈すべきである。
発光部11の両側に形成された封止部12には、それぞれ電極マウント3が封着されている。電極マウント3は、金属箔31、電極32、コイル33およびリード線34により構成されている。
金属箔31は、例えば、モリブデンからなる薄板状の部材である。
電極32は、例えば、タングステンに酸化トリウムをドープした、いわゆるトリエーテッドタングステンから構成された棒状の部材である。その一端は金属箔31の発光部11側の端部に載置される形態で溶接されており、他端は第1の空間111内に突出している。この一対の電極32が第1の空間111内で所定の距離を保って互いの先端同士が対向するように配置されている。例えば自動車前照灯の用途の場合には、外管5を通して観察したときに電極32どうしの先端間の距離が4.0〜4.4mmの範囲に各電極32を位置決めすることができる。なお、電極32の形状は、径が軸方向に略一定の直棒状に限らず、先端部の径を基端部の径よりも大きくした非直棒状のものや直流点灯タイプのように一方の電極径と他方の電極径が異なる形状であってもよい。また、電極材料は、純タングステンやドープタングステン、レニウムタングステンなどであってもよい。
コイル33は、例えば、ドープタングステンからなる金属線であって、封止部12に封着される電極32の軸部の軸周りに螺旋状に巻装されている。コイル33は、例えばコイル線径は30〜100μm、コイルピッチは600%以下となるように設計することができる。
リード線34は、例えば、モリブデンからなる金属線である。リード線34の一端は、発光部11から遠位側の金属箔31の端部に載置される形態で接続されており、他端は内管1の外部まで管軸に略平行に延出されている。そのうち、ソケット6の遠位側に延出したリード線34には、例えば、ニッケルからなるL字状のサポートワイヤ35の一端がレーザー溶接により接続されている。このサポートワイヤ35には、内管1と平行に延在する部位に、例えば、セラミックからなるスリーブ4が装着されている。なお、図4では各構成要素を見やすくするためサポートワイヤ35を省略してある。
内管1の外側には、筒状の外管5が内管1との間に所定の空間51を形成するようにして設けられている。外管5は、内管1と略同心に形成されるが、厳密には図2からわかるように、内管1が外管5に対してわずかに下方に偏心するように構成されている。外管5と内管1は、内管1の円筒部14付近に外管5の両端を溶着することにより接続されており、内管1と外管5との間に形成された閉空間51(以下、「第2の空間」ともいう。)には、所定の条件下で誘電体バリア放電可能なガス、例えばネオン、アルゴン、キセノンおよび窒素からなる群から選択された少なくとも一種のガスまたは混合ガスを使用することができる。ガス圧は例えば0.3atm以下である。外管5を構成する材料には、例えば、石英ガラスにチタン、セリウム、アルミニウム等の酸化物を添加した、紫外線遮断性を有する材料を用いることができる。
そして、外管5が接続された内管1の一端には、ソケット6が接続される。より具体的には、例えば外管5の外周面に金属バンド71を装着し、その金属バンド71をソケット6から突出形成させた金属製の舌片72で把持することでランプの固定を行うことができる。
これらで構成された放電ランプは、金属バンド71の側が高電位、サポートワイヤ35の側が低電位になるように接続された点灯回路(図示せず)を具備している。自動車前照灯として使用する場合は、ランプの管軸が略水平の状態で、かつサポートワイヤ35が下方に位置するように取り付けられて点灯される。その点灯回路の出力は、例えば、安定時は約35W、始動時は安定時電力に対して2倍以上である約75Wに設定される。
次に、図3および図5を参照して、封止部12近傍の構成についてさらに詳しく説明する。図5は、図4の一部拡大図であり、図4は、図1のランプを管軸中心に90度回転させた方向から見た図面である。
高電位側(本実施形態ではソケット6に近い側)の封止部12の表面121には部分的に凹んだ溝状部20が設けられ、この溝状部20の側壁に包囲された領域内に導電性被膜10が形成されている。より具体的には、本形態の溝状部20は、図5でより明確に示されるように、金属箔31と略平行に延在する断面長方形の凹部として形成される。そして、溝状部20の側壁20aに接触するような形態で溝状部20底部全体に導電性被膜10が形成されている。
このように、あらかじめ封止部21の表面121に形成した溝状部20の領域内に導電性被膜10を形成する手法を採用することによって、マスキングなどの手段を講じなくても、容易に意図した位置および範囲に導電性被膜10を形成することができる。
導電性被膜10は、導電性を有し、酸素などと反応しにくい材料で構成することが好ましく、例えば金、および酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ(ITO)などの各種金属酸化物、およびこれらの金属酸化物にフッ素、ガリウムまたはアンチモンをドープしたものを用いることができる。また、導電性被膜10の抵抗が約1MΩ以下となるように材料を選定するのが好ましい。
50〜100kΩ
かかる部位の抵抗値は、形成された被膜の厚さにも依存し、材料の選定のみによって決定されるわけではないが、バリア放電を起こしやすくするために上記抵抗値の範囲に制御するというのは有効な指標である。
例えば、導電性被膜を構成する材料として酸化スズを用いる場合、約100〜300nmの厚さであるのが好ましい。また、酸化亜鉛を用いる場合、約500〜700nmの厚さが好ましく、ITOを用いる場合、約100〜300nmの厚さが好ましい。
本発明の思想に基づいて使用する材料およびその組合せは少なくとも本明細書に示唆された各要素に応じて適宜決定することができる。このように、本明細書における「導電性被膜」という用語は、バリア放電を促す目的で形成されるのであって、この発明の目的を達成する程度の「導電性」を有しうる材料であればよく、いわゆる「電気を通す」といった一般的な意味の「導電性」とは異なる範囲を含み得る点に留意すべきである。
また、導電性被膜10の位置は本発明との関係でとくに限定されない。たとえば、発光部1の外表面に溝状部20を形成して導電性被膜10を構成してもよいし、発光部1と封止部12を跨るようにこれらの境界近傍に溝状部20および導電性被膜10を形成してもよい。しかし、本形態の放電ランプのように、溝状部20および導電性被膜10を高電位側の封止部12に形成することによって、次のような有利な効果が得られる。
まず、発光部1の表面に導電性被膜10を形成する場合、被膜を構成する材料として透明な材料を選定しないとランプの全光束など発光特性に悪影響を与える恐れがある。これに対し、本形態に係る放電ランプでは安定時において発光しない金属箔31の周囲のみに導電性被膜10を形成するので使用可能な材料は透明なものに限られない。つまり、始動特性を改善することができる種々の条件や要求コストに基づいて材料の選択を比較的自由に行うことができる点で優れている。
また、発光部1は、点灯時に非常に高温になるため、発光部1表面ないし近傍に導電性被膜10を形成した場合では、温度上昇の影響を受けて導電性被膜10を構成する材料の一部が内管1と外管5の間の空間51に飛び出してしまうなどして消失してしまい、始動特性が悪くなってしまう恐れがある。つまり、導電性被膜10自身の消耗による始動補助の効果が薄れることに加え、第2の空間51に不純物として被膜材料が含まれる状態となってしまい、第2の空間51内での放電が起こりにくくなるといった問題がある。この問題についても、溝状部20および導電性被膜10を高電位側の封止部12に形成することによって、解決することができる。つまり、発光部1に比べて金属箔31と対向する位置の封止部12の温度は十分に低く、上述したような導電性被膜10の消耗を防ぐことができるのである。
導電性被膜10の形成方法は、本発明との関係で特定の方法に限定されるべきものではないが、例えばディスペンサを使って液状の被膜材料を溝状部20に滴下することで、材料自身の拡散を利用して導電性被膜10を形成することができる。本発明によれば、あらかじめ封止部12に形成された溝状部20によって、導電性被膜10が拡散する領域が限定されるので、滴下する高さや材料の粘性などを考慮した滴下条件の最適化が必ずしも必要ではなくなる。つまり、図3の要部拡大図から明らかなように、溝状部20は、封止部表面121よりも高さが低い凹部であるから、その側壁20aと封止部表面121との段差によって被膜材料の拡散が制限され、意図した範囲に皮膜形成を制御することが可能になる。
本発明によれば、上述した被膜材料の拡散を利用するほか、例えば導電性被膜10を塗布形成する場合であっても、溝状部20をあらかじめ形成しておくことによって、熟練した技術を必要とせず、簡単にばらつきの少ない導電性被膜10を形成することが可能になる。
また、本発明に加えてさらに、マスキングをしてエッチングおよび蒸着などの化学的手法を併せて使用することも可能であることはいうまでもない。
次に、本発明の放電ランプの作用について説明する。
ランプに十分な電圧が印加されると、金属箔31と導電性被膜10の間に介在する内管1(ガラス材)が分極し、導電性被膜10に正または負の電荷が帯電する。このとき、導電性被膜10および第2の空間内51にはそれぞれ電位差が生じ、第2の空間51内で放電が生じる。この放電に起因して内管1の内外面でも封止部12全体にわたって分極および光電効果が起こり、電極32どうしの絶縁破壊を導くと考えられる。
また、これは、金属箔31と対向する導電性被膜10の面積が大きく、金属箔31と導電性被膜10の距離が小さいとより効果が高まると考えられる。したがって、本形態においては、導電性被膜10を封止部12の表面121よりも凹んだ溝状部20に形成したことによって、金属箔31と導電性被膜10の距離を小さくできるため、始動補助の効果がより高まる。
ここで、金属箔と導電性被膜の距離の関係について、封止部表面(図2において符号121が示す面)と金属箔の間の距離を1.2mmとした放電ランプを例としてより詳しく説明する。まず、本発明に係る溝状部を形成せずに、封止部表面に導電性被膜を形成したランプ(すなわち、導電性被膜と金属箔の間の距離を1.2mmとしたもの)で試験をした結果、始動電圧は16.3kVであり、始動不良発生率が3.0%であった。次に、封止部表面の同じ位置に深さ0.2mmの凹状の溝状部を設け、この溝状部に導電性被膜を形成したランプ(すなわち、導電性被膜と金属箔の間の距離を1.0mmとしたもの)を対象に同様の試験をすると、始動電圧は14.4kVに降下し、始動不良発生率は0%になった。さらに、溝状部の深さを0.4mmに変えて同様に構成したランプ(すなわち、導電性被膜と金属箔の間の距離を0.8mmとしたもの)について試験をすると、始動電圧は13.0kVまで降下し、始動不良発生率は同じく0%であった。
このように、金属箔と導電性被膜の距離を1.0mm以下にすると、始動特性が安定し、必要な始動電圧を低減することができる。本発明の一形態に従って、溝状部を凹部として形成すると、金属箔と導電性被膜の距離を上述した好ましい範囲に容易に制御できる。
本発明の放電ランプの一実施例の仕様を以下に示す。
内管1:石英ガラス製、第1の空間111の内容積=27mm、最大内径=2.5mm、最大外径=6.2mm、長手方向の球体長=7.8mm、
封止部12:肉厚T=2.4mm、幅W=4.1mm、
金属ハロゲン化物2:ScI、NaI、ZnI、InBr、合計封入量0.4mg、
第1のガス:キセノン、ガス圧=13atm、
水銀:0mg、
金属箔31:モリブデン製、厚み=20μm、幅=1.5mm、金属箔31とネック部との距離L=4.5mm、
電極32:トリエーテッドタングステン製、直径=0.38mm、外管を通して視認可能な見た目の電極間距離=4.32mm、
コイル33:ドープタングステン製、線径=60μm、ピッチ=250%、
リード線34:モリブデン製、直径=0.4mm、
溝状部20:深さ=200nm
導電性被膜10:酸化スズ、膜厚=100nm、面積=10mm、周の長さ=14mm、
外管5:内径=7.0mm、肉厚=1.0mm、
第2のガス:窒素、ガス圧=0.1atm。
図6は、本発明の別形態の放電ランプを説明するための図であり、図3で拡大視した部分Xに対応する部分X’の要部拡大図である。溝状部22の形態が異なるほかは、上述した実施形態のものと同様であるため、重複する説明は省略する。図3で示した溝状部20は、封止部表面121に形成した凹部からなるが、図6で示した形態は、封止部表面121と略同じ高さに溝状部22の底面が位置する。そして、封止部表面121から外側に凸状の側壁22aが形成されており、この側壁22aで包囲された領域が溝状部22となり、そこに導電性被膜10が形成される形態となっている。かかる形態においても溝状部22が、導電性被膜10の形成範囲を制限するように作用するため、本発明の所期の効果を奏することができる。
この例から分かるように、本発明において、導電性被膜10が形成される溝状部は、その側壁で包囲される領域内に導電性被膜10の拡散を制限可能な形態であればよく、本明細書で具体的に説明した特定の形態のものに限定されず、種々の変形例を適用することができる。例えば溝状部を包囲する側壁は、図示した例のように溝状部の底面に略垂直である必要はなく、底面に対して任意の角度で傾斜する壁面であってもよい。また、溝状部の底面も平坦である必要はなく、場所によって深さが異なるようにしてもよい。例えば中央から周囲に向かって溝状部の深さが大きくなるように形成することができるし、逆に中央から周囲に向かって溝状部の深さが小さくなるように形成することもできる。
図7は、本発明に係る放電ランプのさらに別の形態を説明するための図であり、封止部12近傍の部分拡大図である。本形態においては、溝状部20および導電性被膜10は、金属箔31と対向する両側の封止部表面121に形成され、一対の導電性被膜10が封止部12を挟むようにそれぞれ対向して形成されている。一方の導電性被膜10を形成した後に、続けて反対側にも同様に形成できるので、単純な工程の追加でランプ始動時に起点となり得る箇所を増やすことができ、始動特性を改善する効果がある。
図7に示した形態は、かかる形態の最も単純な構造、すなわち一対の導電性被膜10がそれぞれ対応する位置に配置したものであるが、この特定の位置関係に限定されず、例えば導電性被膜10の金属箔31の長手方向に位置をずらして形成してもよいし、一方の導電性被膜10を他方のそれと異なる形状にしてもよい。
図8は、封止部12に形成する導電性被膜10の面積を変えて始動電圧の降下率との関係を測定してその結果をプロットしたグラフである。これから明らかなように、導電性被膜を形成していない場合(=0mm)の場合と比較して、3mm以上の面積の導電性被膜を形成することによって、始動電圧を約20%低減(降下)できることを確認できた。
また、試験結果は図示しないが、条件を変えて同様の試験を行ったところ、導電性被膜の形状は、その面積だけでなく他の要素も始動電圧低減の効果に影響を与えることがわかった。例えば、同じ面積の被膜であっても、真円と、外縁が不規則に形成された歯車状の被膜とを比較すると、後者の方がより容易にランプを始動させることができることが分かった。これは、被膜の外周縁部付近で電界集中が起こり放電補助の起点となるためで、外周を長くすることで起点となり得る箇所が増えるためと考えられる。したがって、本発明の実施形態として説明した単純な形状に限定されない。
このような知見に基づいて、本発明に係る導電性被膜の実施形態は、様々な変形例を包含し得る。図9に示したのは、そのいくつかの例である。
例えば図9(a)に示した形態の導電性被膜10aは、断面楕円形の溝状部20aに形成された形態を示している。
図9(b)に示した導電性被膜10bは、近接して形成された断面長方形の2つの溝状部20bを1組として、それぞれの溝状部20bに形成された形態を示したものである。
図9(c)に示した導電性被膜10cは、断面長方形の溝状部20cに対して、4回の滴下工程を経て形成したものである。この形態の導電性被膜10cは、溝状部20cの側壁と一部でしか接触しておらず、その余の部分については隙間が残った状態となっている。こうすることによって、不意に被膜材料が拡散しすぎることを防ぐ効果があるとともに、結果として導電性被膜10cの全周長が長くなるので、始動特性を改善する効果がある。このような形態は、被膜材料の滴下量や滴下高さを調整することによって種々の形状に調整することが可能で、図示した特定の形態に限られない。
次に、封止部12に溝状部20を形成する方法について図10を参照して説明する。図10は、放電ランプの製造工程の一部を模式的に示したもので、具体的には、ランプLAの管体および管体内に導入された電極マウントをピンチシールして封止する工程を示している。放電ランプの封止部は、対象部位を加熱して溶融させ、所望の封止部形状に成形するために用意されたモールド100によって当該部位を押圧成形して形成される。このとき、モールド100に溝状部に対応した凸部110(溝状部を封止部表面よりも外管側に突出して形成する形態の場合は凹部)を形成しておけば、工程を追加することなく容易に溝状部を形成することが可能となる。このように、封止行程の金型を交換するだけで必要に応じて種々の形態の溝状部を形成することできる。
以上説明した種々の形態において、溝状部および導電性被膜は、電極と金属箔の接合面に近い側(つまり、図2における下側)に配置したものを例に説明したが、本発明の適用はかかる形態に限定されるものではない。一般に金属箔と導電性被膜の距離が小さい方が始動補助の効果が比較的高いと考えられるが、反対側の封止部表面に形成することを妨げるものではない。よって、本発明において、導電性被膜を金属箔との関係で封止部のどの側面に形成するかは本質的なことではない。
また、本発明は、放電媒体として水銀を実質的に含まない水銀フリーの放電ランプに適用可能な発明として説明したが、水銀入りの放電ランプに同様に本発明を利用することを何ら妨げるものではない。つまり、水銀フリーのランプでは放電空間内の圧力が高く、電極間距離も大きいため、より高い始動電圧が必要となることが一般的であり、始動電圧を低減することが可能な本発明の有用性が高いといえる。しかし、始動特性を改善するなど同様の目的で水銀入りの放電ランプに適用することに何ら問題はない。
本発明は、例えば始動特性を改善した自動車前照灯として利用できるほか、フォグランプや屋外灯など種々の用途の照明装置として利用することができる。
1 内管
2 金属ハロゲン化物
3 電極マウント
31 金属箔
32 電極
5 外管
10(10a,10b,10c) 導電性被膜
20(20a,20b,20c),22 溝状部

Claims (5)

  1. 管体を封止して形成された一対の封止部、および前記一対の封止部の間に延在し、内部に第1の空間を有する中空の発光部からなる内管と、
    前記第1の空間にそれぞれ突出し、先端同士が対向配置された一対の電極と、
    封止部に気密に封着され、前記電極と接続された金属箔と、を具備し、
    前記第1の空間に封入された放電媒体と、
    前記内管の周囲に気密に接続され、前記内管との間に第2の空間を画定する外管と、
    前記第2の空間に封入され、前記第2の空間内にバリア放電を形成可能な不活性の気体と、
    を含む、放電ランプにおいて、
    前記封止部の外表面に形成され、側壁によって包囲され、前記第1の空間側の前記側壁の位置が、前記第1の空間の前記側壁側の端部の位置よりも前記第1の空間から離れる方向に設けられた溝状部と、
    前記溝状部の内部に設けられた導電性被膜と、
    を有することを特徴とする、放電ランプ。
  2. 前記溝状部が高電位側の前記封止部に位置し、少なくともその一部が前記金属箔に対向する位置に延在することを特徴とする、請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 前記導電性被膜の面積が3mm以上であることを特徴とする、請求項2に記載の放電ランプ。
  4. 前記導電性被膜の周縁の少なくとも一部が、前記溝状部の前記側壁に接触していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放電ランプ。
  5. 一対の封止部、および前記一対の封止部の間に延在し、内部に放電媒体を封入した第1の空間を有する中空の発光部からなる内管と、前記内管との間にバリア放電を形成可能な不活性の気体を封入した外管と、からなる二重管構造の放電ランプの製造方法であって、
    前記封止部の外表面に側壁によって包囲され、前記第1の空間側の前記側壁の位置が、前記第1の空間の前記側壁側の端部の位置よりも前記第1の空間から離れる方向に設けられた溝状部を形成する工程と、
    前記溝状部の内部に導電性材料被膜を形成する工程と、を含む
    ことを特徴とする、放電ランプの製造方法。
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