JP2006185897A - メタルハライドランプ - Google Patents

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圭佑 中里
Hidehiko Noguchi
英彦 野口
Koji Tanabe
浩二 田邉
Makoto Deguchi
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Abstract

【課題】 発光効率が高く、光束立ち上がりが早くなるとともに、製造が容易で、さらにランプ特性への影響が少ないメタルハライドランプを提供する。
【解決手段】 本発明のメタルハライドランプは、内部に放電空間13が形成された発光管部11、発光管部11の両端に形成された封止部121、122を有する透光性の気密容器1と、放電空間13に封入された少なくとも金属ハロゲン化物および希ガスとを含む放電媒体14と、一端は封止部121、122に封止され、他端は放電空間13内で対向配置された一対の電極31、32とを具備している。そして、放電空間13は管軸方向に対して垂直な断面の形状が略円形であるとともに、一対の電極31、32間に放電媒体14を堆積する構成であり、かつ発光管部11の下部の肉厚が上部の肉厚よりも小さく形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車の前照灯等に使用されるメタルハライドランプの構造に関するものである。
従来技術として、発光物質及び点灯状態で最も低い位置にある底面を有する放電空間を囲む放電容器を備え、底面は点灯中に形成されるアークに近接する隆起した第1の領域、点灯中、熱により移動する発光物質を貯蔵する第2の領域を有する高圧気体放電ランプの発明がある(例えば、特許文献1)。
上記特許文献1によれば、放電容器中の温度バランスを制御したり、最も冷却した底面の温度を上昇させたりすることで、高い発光効率を得るとともに、点灯電圧を増大させることができると記載されている。そして、点灯中に形成されるアーク放電と放電空間の底面との距離を短くすることで上記の目的を達成することを意図している。
また、上記高圧気体放電ランプの製造方法に関しても開示されている(例えば、特許文献2)。
特開2003−187745号公報(図2) 特開2003−229058号公報(図1)
しかし、上記特許文献1及び特許文献2のランプは、アーク放電と放電空間の底面との距離を短くするとともに、熱により移動する発光物質を貯蔵するという構造をとるため、放電容器の放電空間が非円形の特殊な形状の設計となる。そのため、下記に示すような問題が生じる。
第1に、発光物質を貯蔵する放電空間が底面に形成された構造により、底面上を発光物質が熱によって比較的自由に移動できるため、発光物質の堆積位置や堆積量が一定に定まりにくくなる。したがって、発光物質の蒸気化スピードなどにバラツキが生じてしまい、結果として、点灯毎にランプの光束立ち上がりや点灯直後の色度が変化してしまう。
第2に、放電空間の特殊形状により、放電中の蒸気の対流が複雑に変化することになり、放電が不安定になりやすくなる。これによって、輝度分布が変化し、点灯装置の設計が困難になる。
また、この種の放電空間を有するランプの製造は、製造が困難であるため、特別な製造方法を採用しなければならないだけでなく、放電空間の形状が所望の形状に対して少しでも変形したものを製造してしまうと、ランプ特性等が変化してしまうので、個々のランプにおいて、ランプ特性のバラツキが生じる可能性が高くなる。
そこで、本願の発明者等が研究を行った結果、発光管部において、最も温度が低い部分に放電媒体を堆積させるとともに、その部分の肉厚を小さくし、かつ放電空間の形状を円形にすることにより、上記のような問題が発生せず、発光効率が高く、さらに光束立ち上がりが早いメタルハライドランプを実現できることを見出し、提案するに至った。
本発明の目的は、発光効率が高く、光束立ち上がりが早くなるとともに、製造が容易で、さらにランプ特性への影響が少ないメタルハライドランプを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のメタルハライドランプは、内部に放電空間が形成された発光管部およびこの発光管部の両端に形成された封止部とを有する透光性の気密容器と、
前記放電空間に封入された少なくとも金属ハロゲン化物および希ガスを含む放電媒体と、
前記封止部に封止され、一端が前記放電空間内で対向配置された一対の電極とを具備し、
前記放電空間を形成する発光管部内の管軸に垂直な断面の形状は略円形であり、かつ、前記発光管部内の管軸に沿った垂直断面における底部の形状が前記一対の電極間において管軸に略平行でその高さが最も低く、その両端においてテーパー状に上昇するように形成され、これによってランプの点灯中において、前記発光管部の底部に流動化された前記放電媒体を貯蔵するとともに、前記発光管部底部の肉厚が天井部の肉厚よりも小さく形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、発光効率が高く、光束立ち上がりが早くなるとともに、製造が容易で、さらにランプ特性への影響を少なくすることができる。
(第1の実施の形態)
以下に、本発明の実施の形態のメタルハライドランプについて図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態であるメタルハライドランプの全体図である。
気密容器1は、例えば、透光性の石英ガラスからなり、主体は楕円形で、下部に平坦面111が形成された発光管部11と、その長手方向の両端部に発光管部11と同材料で形成された封止部121、122とからなる。発光管部11の内部には、内容積が0.1cc以下の放電空間13が形成されており、その管軸に沿った垂直断面における具体的な形状は、中央は管軸に略平行な直線状の水平部131とその両端に形成されたテーパー状のテーパー部132からなる。
放電空間13には、金属ハロゲン化物であるヨウ化ナトリウム、ヨウ化スカンジウム、ヨウ化亜鉛、および希ガスであるキセノンが放電媒体14として封入され、これらの放電媒体14は、放電空間13の底部に相当する水平部131に、ランプの点灯中を含め、常にその大部分が貯蔵・堆積された状態となる。封入されている放電媒体14のそれぞれの作用について説明すると、ヨウ化ナトリウムに含有されている金属ナトリウムおよびヨウ化スカンジウムに含有されている金属スカンジウムは、主に発光金属として作用し、ヨウ化亜鉛に含まれている金属亜鉛は、主に水銀に代わるランプ電圧形成媒体として作用し、キセノンは、主に始動ガスとして作用する。また、ハロゲン化物としては、他のハロゲン化物よりも反応性が低いヨウ素が最も好適である。
ここで、発光管部11に封入される放電媒体14には、水銀は本質的に含まれていない。この「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く含まないか、または1ccあたり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀量が存在していても許容するという意味である。つまり、従来の水銀入りのショートアーク形ランプのように、水銀蒸気によってランプの電圧を所要に高くする場合、1ccあたり20〜40mg、場合によっては50mg以上封入しており、この水銀量と比較すれば、2mg未満の水銀量は圧倒的に少なく、本質的に水銀が含まれないと言える。
例えば、ピンチシールにより形成された主封止部121、122は、一対の平坦なピンチ面と、厚み部分に相当する一対の面とからなり、封止部121、122の内部には、例えばモリブデンからなる金属箔21、22が封着されている。放電空間13側の金属箔21、22の一端部には、直径が異なる大径部311、321と小径部312、322とが一体に形成され、かつ例えばタングステンからなる電極31、32の一端が、金属箔21、22とほぼ一体になるように抵抗溶接により接続され、電極31、32の他端は、発光管部11付近の封止部121、122を通って、放電空間13に延出し、所定の電極間距離を保って、その先端同士が対向するように配置されている。上記の所定とは、自動車の前照灯に使用する場合は4.2mm程度、プロジェクション用に使用する場合は2mm程度である。すなわち、ショートアーク形ランプでは5mm以下が好適である。
また、電極31、32の小径部312、322の金属箔21、22方向の軸部分には、金属導線を数回、回巻して形成したコイル41、42が、その外周面と接触するように接続されている。このコイル41、42は、金属箔21、22側の端部から放電空間13に向けて所定距離巻かれ、コイル41、42の他端は封止部121、122に内在している。
金属箔21、22において、電極31、32の接続部分に対して反対側の端部には、導入導体51、52が溶接等により接続されており、この導入導体52の他端は、封止部122の外部に延出し、L字状の給電端子53の一端とほぼ直角になるように接続されている。この給電端子53の他端は、導入導体51の方向、かつ封止部121、122とほぼ平行に延出している。そして、封止部121、122と平行する給電端子53には、例えば、セラミックからなる絶縁チューブ6が取着されている。
これらを備えた気密容器1の外側には、例えば紫外線を遮断する材料からなる筒状の外管7が、その長手方向に沿って覆うように設けられている。この外管7の長手方向の両端部には、縮径部71、72が形成されている。一方の縮径部71は気密容器1の封止部121側をガラス溶着し、他方の縮径部72は気密容器1の封止部122側をガラス溶着している。
そして、気密容器1を内部に覆った状態の外管7は、その外周面を挟持するように形成された固定金属具8を介して、ソケット9に接続されている。このソケット9の径小部分には、金属端子91が、その外周面に沿って形成されており、この金属端子91は、給電端子53と電気的に接続されている。また、図示していないが、発光管部11に対して反対方向に延出していた導入導体51は、ソケット9内部を通って、ソケット9の底部部分に位置している。
これらで構成されたメタルハライドランプは、ランプの長手方向において、点灯中、電極31、32の軸間を結ぶ直線に対して、一方向に湾曲したアーク10が形成される。
次に、発光管部11について詳しく説明する。図2は、発光管部の中央部、かつ、管軸方向に対して垂直な一点鎖線X−X’において、矢印方向から見た発光管部の断面図である。ここで、図中の点線はアーク10を示している。
発光管部11の内側には、円形断面の放電空間13が形成されており、放電空間13の底部に放電媒体14が堆積しているのがわかる。また、放電空間13には、その中心に電極31の先端部である大径部311が位置している。発光管部11の外側は、放電空間と同心の略円形で、下部に平坦面111を有する形状となっている。
平坦面111の形成方法を説明する。平坦面111は、発光管部11の形成工程以後、例えば、レーザーを用いて発光管部11の下部をカットする、いわゆるバルブカット工程により簡単に形成することができる。ここで、「発光管部11の形成工程以後」とは、発光管部11を形成した以降であることを意味し、発光管部11の形成直後や、気密容器1が完成した後でもよく、さらにはメタルハライドランプが完成した後であっても良い。
この際、平坦面111は、図3a、図3bに示すように、封止部121、122のピンチ面に対して平行に形成するのがよい。それは、図3bからわかるように、ピンチ面に対して垂直方向に平坦面111を形成しようとした場合には、ピンチ面の幅によって、バルブカット工程が妨げられ、発光管部11の下部肉厚はある大きさから小さく形成するのが困難になるためである。ここで、「ピンチ面」とは、ピンチシール工程によって圧潰される主封止部121、122のうちの面積の広い面であることを示しているが、その面は平面に限らず、凹凸形状が形成されていても構わない。なお、金属箔21、22の平坦面は、ピンチシール工程のために、封止部121、122のピンチ面と平行になるので、発光管部11の平坦面111とも平行の関係になっている。
また、平坦面111の形成工程後、カットされた発光管部11の面を研磨する工程を行っても良い。この工程によって、平坦面111の透光性を高めることができ、光透過のロスを少なくすることができる。
図4は、図1のメタルハライドランプの仕様について説明するための発光管部付近の拡大図である。電極31、32の大径部311、321の直径は0.35mm、小径部312、322の直径は0.3mm、発光管部11の高温側の肉厚A2は1.85mm、内径Bは2.4mmである。発光管部11の長手方向の最大長Cは8.0mm、電極間距離Dは4.2mmである。発光管部11には、放電媒体14として金属ハロゲン化物であるヨウ化スカンジウム−ヨウ化ナトリウム−ヨウ化亜鉛が0.5mgと希ガスであるキセノンが10atmそれぞれ封入されており、水銀は一切含まれていない。
図4の仕様のランプにおいて、平坦面111を形成することで発光管部11の下部の肉厚A1を1.00mm、肉厚A2を1.85mmとした本発明のランプと、肉厚A1及び肉厚A2を1.85mmとした従来のランプとで、特性の比較を行った。図5a、図5bは、その結果を説明するための図である。なお、図5aは、本発明のランプと従来のランプの光束立ち上がりの違いを説明するための図5bは、発光管部の下部の温度立ち上がりの違いを説明するための図である。
その結果、図5aにおいて、本発明のランプは、従来のランプに比べて、安定時に50lm程度の大きな全光束の差が生じており、発光効率が大きく向上していることがわかる。これは、図5bにおいて、発光管部11の底部の最冷部温度が従来のランプよりも65℃も高くなったことに関係している。ここで、本発明のランプの発光管部11の底部温度が高くなった理由について推測すると、第1に発光管部11下部の肉厚を小さくしたことによる発光管部11底部の熱容量が低下したこと、第2に底部の形状が球面から平面になったことによって、外管7内の雰囲気に対して接する表面積が小さくなり、気密容器1と外管7の間の気体に熱を奪われる量が減少したことの2つの要因が考えられる。
また、点灯直後の光束立ち上がりでは、図5aに示すように、本発明のランプの方が、従来のランプよりも全体として立ち上がりカーブが早くなっており、特に本発明のランプでは約8秒で光束の急峻な立ち上がりが発生するのに対し、従来のランプでは約12秒と4秒も早くなっている。これは、図5bに示すように、本発明のランプの方が温度上昇傾きが急であることに関係し、つまり、ナトリウムやスカンジウムといった放電媒体が蒸気化する温度に早く到達し、それらが早い段階から発光に寄与したということを意味している。
なお、図5aのような高い効果が得られるのは、放電空間13の電極間の下部に放電媒体14のほとんどが堆積している場合に限られる。これは、その部分に放電媒体14に堆積していなければ、放電媒体14に熱が効率よく伝わらず、光束立ち上がりに支障が出るばかりか、光束立ち上がり時間にバラツキが発生してしまうからである。ここで、一対の電極31、32間に放電媒体14を堆積する構成とするには、例えば、一対の電極31、32の略中央から放電空間13の下部までの距離Xと、一対の電極31、32の先端部から放電空間13の下部までの距離Yとの関係が、X≧Y、好適にはX>Yを満たすよう構成すればよい。なお、上記式を満たすものであれば、本実施の形態のように放電空間13下部の軸方向の形状が水平状である場合に限らず、放電空間13の略中央部が最も深くなる曲面状であっても良い。また、一対の電極31、32間に放電媒体14を堆積する構成とするその他の例として、本実施の形態のように放電空間13の底部を管軸に対して略平行な形状にし、その水平部131の軸方向の長さdと、一対の電極31、32で形成される電極間距離Dとの関係を、d≦D、好適にはd<Dを満たすように構成すればよい。
図6は、平坦面の形成位置を変えることで、下部の肉厚のみを変化させた図4の仕様のランプにおいて、35Wの電力で点灯したときの全光束を測定した結果を説明する図である。
下部と上部の肉厚の比A1/A2=1、すなわち両方の肉厚が等しいとき、全光束が3150lmであるのに対して、低温側の肉厚A1を小さくしていくと全光束が増していくことがわかる。
ここで、A1/A2の比が0.8よりも大きくなると、全光束上昇の効果が少なく、A1/A2の比が0.2よりも小さくなると、発光管下部の強度に問題が生じると考えられるため、A1/A2の比は、0.2≦A1/A2≦0.8が良い。また、さらに好適には、効率よく全光束増加の割合が向上する傾向があるため、効率よく全光束の増加が期待できる0.2≦A1/A2≦0.65であるのがよい。
また、平坦面が形成されたランプについて、日本電球工業会に定められている自動車前照灯用メタルハライドランプの寿命試験条件であるEU120分モードでの点滅点灯試験を行ったところ、2000時間経過しても寿命に至らなかったことが確認された。
上記のように、実用的な寿命を達成するということは、本発明のメタルハライドランプにおいて、非常に重要な特性である。すなわち、従来、ランプに高負荷がかかるために温度が高くなるメタルハライドランプにおいては、本実施の形態のように発光管部の一部の肉厚を薄くする構成であると、発光管自体の強度の低下を招いたり、その肉薄部分で点灯中に膨らみの現象が発生したりするために、寿命が低下してしまうと考えられていた。しかし、本発明では実用レベルの寿命特性が得られ、上記問題は発生しないことが確認された。
したがって、本実施の形態では、発光管部11の下部に平坦面111を形成し、下部の肉厚を上部の肉厚よりも小さく形成することで、光束立ち上がりを早くすることができ、全光束も高くすることができる。
また、発光管部11の内部に形成された放電空間13の管軸方向に垂直な断面の形状が円形であるので、放電媒体14が常に定量、定位置に堆積させやすくなり、そのため、光束立ち上がりや色度のランプ特性のバラツキの影響を少なくすることができる。
また、電極31、32が管軸方向に垂直な断面において、放電空間13の中央に位置するので、アークが安定しやすくなり、したがって安定した放電を得ることができる。
さらに、発光管部11の下部の平坦面111は、発光管部11を形成した後に、カットすることで形成することができるので、製造が非常に簡単であるとともに、発光管底部の肉厚を所望によって自由に調整できる。
(第2の実施の形態)
図7a乃至図7cは、本発明の第2の実施の形態のメタルハライドランプについて説明するための断面図である。この第2の実施の形態の各部について、図2の第1の実施の形態のメタルハライドランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。第2の実施の形態では、発光管部11の下部を多面形状とした点である。
図7aでは、発光管部11の底部に、平坦面111と、その平坦面111に接続される傾斜平坦面112a、112bとが形成されている。
本実施の形態では、第1の実施の形態の効果を得ることができるとともに、平坦面111と傾斜平坦面112a、112bによる多面的な形状によって、平坦面111のみの場合よりも、底部の熱容量を少なくすることができるので、更なる早期の光束立ち上がりと全光束の向上が期待できる。
また、第2の実施の形態の変形例として、図7bのように、発光管部11の底部から中部にかけて、傾斜的に肉厚を変化させるように、平坦面111と、さらに多くの傾斜平坦面112c〜112fによって形成された発光管部11であってもよい。
さらに、図7cのように、発光管部11の底部に平坦面111を形成しないで、傾斜平坦面112g〜112jによって形成された発光管部11であってもよい。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の第3の実施の形態のメタルハライドランプについて説明するための断面図である。この第3の実施の形態の各部について、図2の第1の実施の形態のメタルハライドランプの各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。第3の実施の形態では、発光管部11は、その形成工程において、偏肉形成することで底部の肉厚を上部の肉厚よりも小さく形成したランプである。
本実施の形態でも、底部の肉厚A1と天井の肉厚A2との関係をA1<A2とすることで、光束立ち上がりを早くすることができ、全光束も高くすることができる等の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
第1および第2の実施の形態の平坦面111は、水平点灯する際、水平に対して平行に位置させるのが最も望ましいが、例えば、2〜3度程度の傾斜があっても構わない。これは、本発明の効果を得ることに対して、全く問題がないためである。
また、第1および第2の実施の形態の平坦面111は、平坦面111の形成予定部分を研磨によって厚みを削ったり、薬品で溶かしたりするなどによって形成してもよい。また、第3の実施の形態は、ガラスを形成する工程において、所定の発光管部形状の鋳型にガラス材料を入れ、焼結成形することで形成してもよい。
放電空間13の断面形状は、略円形であればよく、この形状であれば本発明と同等の効果を得ることができる。ここで、「略」とは、放電空間13が角を有さなければ、多少変形した円形であっても許容することを意味している。
発光管部11の肉厚を小さく形成した下部部分に、赤外線を反射する、例えば、五酸化タンタル等の酸化物をコーティングしても良い。この場合、点灯中の発光管部11下部の赤外反射光を利用して、下部の温度を昇温することができる。また、上記の酸化物にシリカを交互に複数層、積層するとさらに高い効果が得られる。
本発明では、気密容器1をソケット9の基本軸に一致させて固定した場合、下部付近には上部付近よりも空間が形成されることになるため、その空間方向に気密容器1全体を移動させて、ソケット9の基本軸から電極31、32を下側にオフセットさせることが簡単にできる。この構成を採用することにより、点灯中にアーク10が湾曲するランプにおいては、車両用灯具等の反射鏡の焦点にアーク10を配置することができるため、配光特性を改善することができる。
本発明のメタルハライドランプの第1の実施の形態について説明するための全体図。 図1において、管軸に対して垂直な直線X−X’において、矢印方向から見た発光管部の断面を説明するための図。 図1に示すメタルハライドランプにおける平坦面と封止部の関係を内部構造を透視して示す側面図。 図1に示すメタルハライドランプにおける平坦面と封止部の関係を内部構造を透視して示す側面図。 図1に示すメタルハライドランプにおける平坦面と封止部の関係を内部構造を透視して示す拡大側面図。 図1に示すメタルハライドランプと従来のランプの特性を比較した結果を説明するための図。 図1に示すメタルハライドランプと従来のランプの特性を比較した結果を説明するための図。 図1に示すメタルハライドランプの発光管部底部の肉厚を変化させた場合に、ランプから発生する全光束を測定した結果を示すランプ特性図。 本発明のメタルハライドランプの第2の実施の形態について説明するための断面図。 本発明のメタルハライドランプの第2の実施の形態について説明するための断面図 本発明のメタルハライドランプの第2の実施の形態について説明するための断面図 本発明のメタルハライドランプの第3の実施の形態について説明するための断面図。
符号の説明
1 気密容器
11 発光管部
111 平坦面
121、122 封止部
13 放電空間
131 水平部
132 テーパー部
14 放電媒体
21、22 金属箔
31、32 電極
41、42 コイル
51、52 導入導体
53 給電端子
6 絶縁チューブ
7 外管
8 固定金属具
9 口金
10 アーク

Claims (9)

  1. 内部に放電空間が形成された発光管部およびこの発光管部の両端に形成された封止部を有する透光性の気密容器と、
    前記放電空間に封入された少なくとも金属ハロゲン化物および希ガスを含む放電媒体と、
    前記封止部に封止され、一端が前記放電空間内で対向配置された一対の電極と、を具備し、
    前記放電空間を形成する発光管部内の管軸に垂直な断面の形状は略円形であり、かつ、前記発光管部内の管軸に沿った垂直断面における底部の形状が前記一対の電極間において管軸に略平行でその高さが最も低く、その両端においてテーパー状に上昇するように形成され、これによってランプの点灯中において、前記発光管部の底部に流動化された前記放電媒体を貯蔵するとともに、前記発光管部底部の肉厚が天井部の肉厚よりも小さく形成されていることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 前記一対の電極間の略中央から前記発光管部内の底部までの距離Xと、前記一対の電極の先端部から前記発光管部内の底部までの距離Yとの関係が、X≧Yであることを特徴とする請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  3. 前記発光管部内の管軸方向に略平行な底部の長さdと、前記一対の電極の先端間で形成される電極間距離Dとの関係が、d≦Dであることを特徴とする請求項2記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記発光管部の底部の肉厚A1と天井部の肉厚A2との関係は、0.2≦A1/A2≦0.8であることを特徴とする請求項3記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記発光管部の底部の肉厚A1と天井部の肉厚A2との関係は、0.2≦A1/A2≦0.65であることを特徴とする請求項4記載のメタルハライドランプ。
  6. 前記発光管部は、その外側の下部に少なくとも一つの平坦面が形成されていることを特徴とする請求項4記載のメタルハライドランプ。
  7. 前記平坦面は、前記封止部と略平行に形成されていることを特徴とする請求項6記載のメタルハライドランプ。
  8. 前記平坦面は、管軸に対して略回転対称である前記発光管部の下部が除去されて形成されていることを特徴とする請求項7記載のメタルハライドランプ。
  9. 前記平坦面は、前記封止部のピンチ面に対してほぼ平行に形成されていることを特徴とする請求項8記載のメタルハライドランプ。
JP2005249463A 2004-12-03 2005-08-30 メタルハライドランプ Abandoned JP2006185897A (ja)

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