JP2010232159A - 放電ランプおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動特性を改善した放電ランプを提供する。
【解決手段】本発明の放電ランプは、内管1の封止部12の外表面に導電性の被膜10を形成し、放電空間での絶縁破壊を補助している。導電性被膜10は、少なくとも金属箔31に対向する面に沿って延在し、複数の幾何学形状を組み合わせた形態を採用している。幾何学形状としては、円、楕円および四角形、六角形などの多角形などを含む。さらに導電性被膜10を金属箔31の周囲にのみ配置することで、点灯時に発光部11の温度が上昇しても導電性被膜の損失を最小限に防ぐことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の前照灯などに使用される放電ランプおよびその製造方法に関する。
自動車前照灯用の放電ランプは、内管と外管によってそれぞれ気密に区画された二重管構造を有している。そして内管が画定する空間には希ガスおよび金属ハロゲン化物が封入され、外管と内管外表面とで包囲された空間には希ガスなどの不活性ガスが封入される。
この種のランプは、安定点灯時に35W程度の電力が必要であるのに対し、始動時には約75Wの電力を投入し、数kV〜数十kVの電圧を印加する必要がある。この始動特性を改善し、確実かつ安全にランプを点灯するために種々の工夫がなされている。その1つとして、内管の表面に導電性被膜を形成し、外管と内管で囲まれる空間内で放電を起こさせて始動電圧を低減する手法が提案されている。具体的には、内管発光部の表面に導電性被膜を塗布することによって、電極および電極から延びるリード線との間でコンデンサを形成して絶縁破壊を容易にするというものである(特許文献1参照。)。
国際公開第2007/093525号
しかし、本発明者らは、研究を重ねるうちにランプの発光部が点灯中非常に高温になるため、それに伴って被膜成分の一部が消失してしまうという問題を発見するに至った。その結果、導電性被膜の機能が損なわれるほか、密閉空間内の雰囲気を変えてしまうため、何度もランプの始動を繰り返すことによって、次第に所期の始動特性を維持できなくなってしまうという実用上の問題が発生する。そこで、かかる問題を解決する新しい技術の開発が望まれていた。
本発明は、このような従来技術では解決できなかった課題を解決する新規の放電ランプを提供することを目的とする。より具体的には、本発明の放電ランプは、内部に第1の空間を有する発光部およびその両端に一対の封止部を備えた内管と、前記第1の空間にそれぞれ突出し、先端同士が対向配置された一対の電極と、前記第1の空間に封入された放電媒体と、内管の周囲に気密に接続され、内管との間に第2の空間を画定する外管と、前記第2の空間に封入された不活性の気体と、を含む、放電ランプにおいて、封止部は、気密に封着され、前記電極と接続された金属箔を具備し、内管の封止部の外表面に形成された導電性の被膜であって、少なくとも前記金属箔に対向する面に沿って延在し、複数の幾何学形状を組み合わせてなる形態の導電性被膜を有していることを特徴とする。
また、本発明に従って、内管と外管の二重管の構造をもつ放電ランプの製造方法であって、内管の外表面に導電性材料を滴下することによって、少なくとも内管の封止部に封入された金属箔に対向する位置に導電性被膜を形成することを特徴とする製造方法が提供される。
本発明によれば、比較的低温な封止部に導電性被膜を形成することで、温度上昇に伴う被膜成分の消失を防ぎ、かつ十分な始動補助を長期にわたって行うことができる新規な放電ランプを提供することができる。
また、本発明に係る放電ランプの製造方法によれば、比較的簡易な方法で所期の効果を奏する新規の放電ランプを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る放電ランプの側面図である。 (a)は図1の放電ランプの高電位側の封止部近傍を拡大した部分拡大図であり、(b)は(a)のランプの直線2B−2B'に沿った側断面図である。 図1の図面を90度回転した方向(ランプを下側)からみた図である。 図3の放電ランプの高電位側の封止部近傍を拡大した部分拡大図である。 別形態の放電ランプを説明するための部分拡大図である。 導電性被膜の面積と始動電圧との関係を示す図である。 導電性被膜の形成パターンの例を示す図である。
図1、図2、図3および図4を参照して、本発明の実施形態の1つについて説明する。本形態の放電ランプは、自動車の前照灯に用いられる、いわゆるD4タイプと呼ばれる一種であり、細長い形状の内管1を有している。内管1の中央付近には略楕円形の発光部11が形成されている。発光部11の両端には、ピンチシールにより形成された細長い板状の封止部12、さらにその両端には境界部13を介して円筒部14がそれぞれ一体形成されている。内管1は、例えば石英ガラスなどの耐熱性と透光性を具備した材料で構成することができる。
発光部11の内部には、中央が略円柱状で、両端に向かってテーパ状となっている閉空間111(以下、便宜上「第1の空間」ともいう。)が形成されている。この第1の空間111の容積は、自動車前照灯用の場合には、10〜40mm、さらには20〜30mmであるのが一般的である。
第1の空間111には、放電媒体が封入されている。放電媒体は、少なくとも金属ハロゲン化物2および不活性ガスを含有したものである。
金属ハロゲン化物2は、ナトリウム、スカンジウム、亜鉛、インジウムなどのハロゲン化物で構成されている。それらの金属ハロゲン化物に結合されるハロゲンとしてはヨウ素が用いられるが、これに限らず臭素や塩素などを組み合わせてもよい。また、金属ハロゲン化物の組合せもこれに限らず、スズやセシウムのハロゲン化物などを任意に追加してもよい。
第1の空間111に封入される不活性ガスは、例えばキセノンである。この封入ガスは、目的に応じてその封入圧力を調整することができる。例えば、全光束等の特性を高めるためには、封入圧力を常温(25℃)において12atm以上にするのが望ましい。ただし、製造上の理由から大きくても20atm程度までとするのが一般的である。また、キセノンの他に、ネオン、アルゴン、クリプトンなどを使用したり、それらを組み合わせて使用したりすることもできる。
ここで、放電媒体は、水銀を実質的に含んでいない。本明細書における「水銀を実質的に含まない」とは、水銀の封入量が0mgである場合のみではなく、従来の水銀入りの放電ランプと比較してほとんど封入されていないに等しい程度の量、例えば1mlあたり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀量を封入している場合を含む意味に解釈すべきである。
封止部12には、電極マウント3が封着されている。電極マウント3は、金属箔31、電極32、コイル33およびリード線34により構成されている。
金属箔31は、例えば、モリブデンからなる薄い板材である。
電極32は、例えば、タングステンに酸化トリウムをドープした、いわゆるトリエーテッドタングステンから構成された棒状の部材である。その一端は金属箔31の発光部11側の端部に載置される形態で接続されており、他端は第1の空間111内に突出しており、所定の電極間距離を保って互いの先端同士が対向するように配置されている。電極間距離は、例えば自動車前照灯用の場合には、外管5を通して観察したときに先端間の距離が4.0〜4.4mmであるのが望ましい。なお、電極32の形状は、直棒状に限らず、先端の直径が大きい非直棒状の形状や直流点灯タイプのように一対の電極の大きさが異なる形状であってもよい。また、電極材料は、純タングステンやドープタングステン、レニウムタングステンなどであってもよい。
コイル33は、例えば、ドープタングステンからなる金属線であって、封止部12に封着される電極32の軸部の軸周りに螺旋状に巻装されている。コイル33は、例えばコイル線径は30〜100μm、コイルピッチは600%以下となるように設計される。
リード線34は、例えば、モリブデンからなる金属線である。リード線34の一端は、発光部11に対して反対側の金属箔31に載置される形態で接続されており、他端は管軸に沿って内管1の外部に延出されている。そのうち、ソケット6から遠位側に延出したリード線34には、例えば、ニッケルからなるL字状のサポートワイヤ35の一端がレーザー溶接により接続されている。このサポートワイヤ35には、内管1と平行に延在する部位に、例えば、セラミックからなるスリーブ4が装着されている。なお、図3ではサポートワイヤ35の図示を省略してある。
ここで、封止部12と金属マウント3について、図2および図4を参照してさらに詳しく説明する。図4は、図2をランプの軸方向に90度回転させた方向から見た図面である。
後で述べるように点灯中に高電位側となる封止部12の表面には導電性被膜10が形成されている。より具体的には、本形態の導電性被膜10は、図4に示すように、金属箔31と略平行に延在する封止部12の表面に形成された4つの円状のドットからなり、これらの円状のドットが外接して部分的に重なるように構成されている。このように複数の幾何学的形状を組み合わせて導電性被膜10を形成することで、限られたスペースの中で導電性被膜10の全周長を十分に大きくすることができ、後述するように始動特性を改善することができる。当然ながら、同じ幾何学形状を複数個組み合わせたもののみならず、異なる幾何学形状を複数種組み合わせてもよく、例えば、円形と四角系を組合せた導電性被膜を採用できる。
導電性被膜10は、導電性を有し、酸素などと反応しにくい材料で構成することが好ましく、例えば金および、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ(ITO)などの各種金属酸化物、およびこれらの金属酸化物にフッ素、ガリウムまたはアンチモンをドープしたものを用いることができる。また、被膜部分の抵抗が約10Ω/cm以下となるように材料を選定するのが好ましい。かかる部位の抵抗値は、形成された被膜の厚さにも依存し、材料の選定のみによって決定されるわけではないが、バリア放電を起こしやすくするために上記抵抗値の範囲に制御するというのは有効な指標である。要するに、本発明の思想に基づいて使用する材料およびその組合せは少なくとも本明細書に示唆された各要素に応じて適宜決定することができる。
また、従来技術では発光部およびその近傍に導電性被膜10を形成していたため、被膜10を構成する材料として透明な材料を選定しないと全光束など発光特性に悪影響を与える恐れがあったが、本形態に係る放電ランプでは安定時において発光しない金属箔31の周囲のみに導電性被膜10を形成するので透明な材料である必要はない。また、発光部11から十分に離れた距離に導電性被膜10を形成しているため、熱などによる劣化の影響も少ない。つまり、始動特性を改善することができる条件に基づいて材料の選択を比較的自由に行うことができる点でも優れている。
導電性被膜10の形成方法は、本発明との関係でとくに限定されるべきものではないが、例えば液状の材料を内管の封止部12に滴下する行程を、位置を変えて複数回繰り返し行うことで、図4に示したような複数のドットパターンとして形成することができる。この方法によれば、公知のディスペンサを使って被膜材料を滴下することで、その材料自身の粘度や滴下高さを適宜調整することで所望の膜厚や面積の導電性被膜を形成することができる。このように、材料自体の拡散を利用するほかにもマスキングをしてエッチングや蒸着などの科学的手法により所望の形状とする方法を採用することができることはいうまでもない。
内管1の外側には、発光部11を覆うように筒状の外管5が設けられている。外管5は、内管1と略同心に形成されるが、厳密には図2からわかるように、内管1が外管5に対してわずかに下側に偏心するように構成されている。外管5と内管1との接続は、内管1の円筒部14付近に外管5の両端を溶着することにより行なわれており、内管1と外管5との間に形成された空間51(以下、便宜上「第2の空間」ともいう。)には、所定の条件下で誘電体バリア放電可能なガス、例えばネオン、アルゴン、キセノンおよび窒素からなる群から選択された少なくとも一種のガスまたは混合ガスを使用することができる。ガス圧は例えば0.3atm以下、特に0.1atm以下である。外管5を構成する材料には、例えば、石英ガラスにチタン、セリウム、アルミニウム等の酸化物を添加した、紫外線遮断性を有する材料を用いることができる。
外管5が接続された内管1の一端には、ソケット6が接続されている。より具体的には、外管5の外周面に金属バンド71を装着し、その金属バンド71をソケット6から突出形成させた金属製の舌片72で把持することで行なっている。また、ソケット6の底部には底部端子81、側部には側部端子82が形成されており、底部端子81と側部端子82には、リード線34とサポートワイヤ35とがそれぞれ接続されている。
これらで構成された放電ランプは、底部端子81が高電位側、側部端子82が低電位側になるように点灯回路(図示なし)が接続され、自動車前照灯として使用する場合は、ランプの管軸が略水平の状態で、かつサポートワイヤ35が下方に位置するように取り付けられて点灯される。その点灯回路の出力は、例えば、安定時は約35W、始動時は安定時電力に対して2倍以上である約75Wに設定される。
次に、本発明の放電ランプの作用について説明する。
ランプに高電圧が印加されると、封止部12に形成された導電性被膜10から第2の空間51に多数の電子が放出され帯電される。このとき、導電性被膜10および第2の空間内51に電位差が生じ、低電圧で放電が生じる。この放電に起因して内管1の内外面でも分極および光電効果が起こり、電極32どうしの絶縁破壊を導くようになっている。
以上が始動に必要な電圧を低減するための作用であるが、単に第2の空間での放電を利用して電極間の絶縁破壊を促すという意味では、特許文献1のように発光部に導電性被膜を塗布した従来技術であっても相応の効果を奏することができる。しかしながら、本発明者らは、発光部の周囲に導電性被膜を形成する従来の手法では始動特性が製品寿命中に悪化していくことを発見した。これは、発光部周囲は点灯時に非常に高温になる部位であり、そのすぐ外側に形成された導電性被膜が気化して、放電補助の機能が損なわれることのほかに、導電性被膜の成分が不純物として第2の空間の雰囲気を変えてしまい、放電を起こりにくくするためと考えられる。
したがって、図示した形態のように、発光部11やその近傍(たとえば封止部との境界のネック部)に導電性被膜10を形成しないようにその範囲を制限することが望ましい。
より具体的には、例えば金属箔31の中央付近は発光部11に比べて低温であるため、この部位を基準として導電性被膜10を形成することで上述した問題を防ぐことができる。さらにスペースが許す限り、発光部11からより離れた位置に導電性被膜を形成してもよいことはいうまでもない。
次に、本発明の放電ランプの一実施例の仕様を以下に示す。
内管1:石英ガラス製、第1の空間111の内容積=27mm、最大内径=2.5mm、最大外径=6.2mm、長手方向の球体長=7.8mm、
封止部12:肉厚T=2.4mm、幅W=4.1mm、
金属ハロゲン化物2:ScI、NaI、ZnI、InBr、合計封入量0.4mg、
第1のガス:キセノン、ガス圧=13atm、
水銀:0mg、
金属箔31:モリブデン製、厚み=20μm、幅=1.5mm、金属箔31とネック部との距離L=4.5mm、
電極32:トリエーテッドタングステン製、直径R=0.38mm、外管を通して視認可能な見た目上の電極間距離=4.32mm、
コイル33:ドープタングステン製、線径=60μm、ピッチ=250%、
リード線34:モリブデン製、直径=0.4mm、
導電性被膜10:酸化スズ、膜厚=100nm、面積=10mm、周の長さ=14mm、
外管5:内径=7.0mm、肉厚=1.0mm、
第2のガス:窒素、ガス圧=0.1atm。
図5は、本発明の別形態の放電ランプを示す図である。図2(a)に示した形態と異なるのは、導電性被膜10が金属箔31と対向する一方の面のみではなく、電極32と接続された側にも存在し、2つの導電性被膜10が封止部12を挟むように形成されている点である。一方の導電性被膜10を形成した後に、続けて反対側にも同様に形成できるので、単純な工程の追加でランプ始動時に起点となり得る箇所を増やすことができる。
ここで図示した形態は、かかる形態の最も単純な構造、すなわち一対の導電性被膜10が互いに対向する位置にしたものであるが、かかる位置関係に限定されず、例えば導電性被膜10の金属箔31の長手方向に位置をずらして形成してもよいし、一方の導電性被膜10を他方のそれと異なる形状にしてもよい。
図6は、封止部に形成する導電性被膜の面積を変えて始動電圧低下率との関係を調べた実測値をプロットしたグラフである。これから明らかなように、導電性被膜を形成していない場合(=0mm)の場合と比較して、3mm以上の面積の導電性被膜を形成することによって、20%以上の電圧低減を達成することができた。
また、条件を変えて繰り返し試験を行ったところ、導電性被膜の形状は、その面積だけでなく他の要素も始動電圧低減の効果に影響を与えることがわかった。例えば、同じ面積の被膜であっても、真円と、外縁が不規則に形成された星形の被膜とを比較すると、後者の方がより容易にランプを始動させることができることが確かめられた。これは、被膜の外周縁部付近で電界集中が起こり放電補助の起点となるためで、外周を長くすることで起点となり得る箇所が増えるためと考えられる。したがって、必要最低限の量の導電性被膜で十分な放電補助を達成するには、単純な矩形や真円よりもむしろ複数の幾何学形状を組み合わせたような複雑な形状であることが望ましいといえる。
このような知見に基づいて、本発明は、封止部に形成する導電性被膜の形態として実に様々な変形例を包含し得るといえる。図7に示したのは、そのいくつかの例である。
例えば図7(a)に示した形態の導電性被膜101は、2つの円状のドットを部分的に重なり合う形態で形成されている。ここで、本明細書でいう「ドット」は、図示したような円形のものに限らず、例えば楕円、長方形を含む四角形および六角形を含む多角形、星形や略星形などの不規則形状を包含した概念として解釈すべきである。つまり、「ドット」の通常の意味から理解されるように、封止部12の幅などと比べて十分に小さく、例えば封止部12全体を覆って発光部11との境界のネック部までの全体に延在するような被膜は、本明細書でいう「ドット」の概念から排除されると考えることができる。
図7(b)は、導電性被膜102として、円状のドットを2つ、それぞれが金属箔31と対向する位置に形成したものである。この場合、所定の始動電圧を印加したときに、2つの被膜のいずれかが起点となって絶縁破壊を補助することになる。
図7(c)の導電性被膜103は、円状の被膜を4つ、中心をずらして組み合わせた形態である。
図7(d)の導電性被膜104は、2つの長方形をずらして部分的に側辺を重ねて形成されたものである。
図7(e)の導電性被膜105は、略矩形の被膜を2つ並べて形成したものである。
図7(f)の導電性被膜106は、図6(a)の導電性被膜101と同様の形状の導電性被膜106を封止部12の反対側に形成したものである。この形態では、電極32と金属箔の接続部が金属箔31の裏側に隠れるため図のような形態となる。
図7(g)の導電性被膜107は、細長い短冊状を金属箔31の幅方向に沿って3つ平行になるように形成したものである。このような幅が小さい導電性被膜107の場合、電界の集中が発生し、低い電圧での始動が可能となる。なお、幅は小さいほど電界が集中しやすく、例えば、幅が2mm以下であると、単なる長方形の導電性被膜の場合と比較して、約1.5kVも始動電圧を改善することができる。
図7(h)の導電性被膜108は、端部に複数の鋭角の三角形を組み合わせたような形状にすることで、端辺をギザギザな鋸歯状にしたものである。このような形状とすることで、長方形状の同じ面積の導電性被膜よりも、周の長さを格段に長くすることができる。また、端部の鋭利な箇所に電界が集中して、低い電圧で始動が可能となる。
なお、以上説明した種々の形態において、導電性被膜は、電極と金属箔の接合面と対向するように配置したものを例に説明したが、かかる形態に限定されるものではない。つまり、一般に金属箔と導電性被膜の距離が小さい方が始動補助の効果が比較的高いと考えられるが、図7(f)〜(h)に示した形態のように、封止部の反対側の面に形成しても始動補助の効果が得られる。よって、本発明において、導電性被膜は金属箔との関係で封止部のどの側面に形成されるかは限定されない。
また、本発明は、放電媒体として水銀を実質的に含まない水銀フリーの放電ランプに適用可能な発明として説明したが、水銀入りの放電ランプに同様に本発明を利用することを何ら妨げるものではない。つまり、水銀フリーのランプでは放電空間内の圧力が高く、電極間距離も大きいため、より高い始動電圧が必要となることが一般的であり、始動電圧を低減することが可能な本発明の有用性が高いといえる。しかし、始動特性を改善するなど同様の目的で水銀入りの放電ランプに適用することに何ら問題はない。
本発明は、例えば始動特性を改善した自動車前照灯として利用できるほか、フォグランプや屋外灯など種々の用途の照明装置として利用することができる。
1 内管
2 金属ハロゲン化物
3 電極マウント
31 金属箔
32 電極
5 外管
10 導電性被膜

Claims (4)

  1. 内部に第1の空間を有する発光部およびその両端に一対の封止部を備えた内管と、
    前記第1の空間にそれぞれ突出し、先端同士が対向配置された一対の電極と、
    前記第1の空間に封入された放電媒体と、
    内管の周囲に気密に接続され、内管との間に第2の空間を画定する外管と、
    前記第2の空間に封入された不活性の気体と、
    を含む、放電ランプにおいて、
    封止部は、気密に封着され、前記電極と接続された金属箔を具備し、
    内管の封止部の外表面に形成された導電性の被膜であって、少なくとも前記金属箔に対向する面に沿って延在し、複数の幾何学形状を組み合わせてなる形態の導電性被膜を有していることを特徴とする、放電ランプ。
  2. 導電性被膜の面積が3mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の放電ランプ。
  3. 内部に第1の空間を有する発光部およびその両端に一対の封止部を備えた内管と、
    前記第1の空間にそれぞれ突出し、先端同士が対向配置された一対の電極と、
    前記第1の空間に封入された放電媒体と、
    内管の周囲に気密に接続され、内管との間に第2の空間を画定する外管と、
    前記第2の空間に封入された不活性ガスと、
    を含む、放電ランプにおいて、
    少なくとも高電位側の封止部は、気密に封入され、前記電極と接続された金属箔を具備し、
    内管の封止部の外表面に形成された少なくとも1つのドット状の導電性被膜であって、少なくとも前記金属箔に対向する位置に延在し、3mm以上の範囲にわたって形成されている導電性被膜を有してなることを特徴とする、放電ランプ。
  4. 内管と外管の二重管の構造をもつ放電ランプの製造方法であって、
    内管の外表面に導電性材料を滴下することによって、少なくとも内管の封止部に封入された金属箔に対向する位置に導電性被膜を形成することを特徴とする、製造方法。
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