JP7214930B1 - 銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器 - Google Patents

銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器 Download PDF

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Abstract

例えば抵抗材料として十分に高い体積抵抗率を有するとともに、対銅熱起電力の絶対値が小さく、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さい銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器を提供する。銅合金材は、Mn:20.0質量%以上35.0質量%以下、Ni:5.0質量%以上15.0質量%以下、およびFe:0.01質量%以上0.50質量%以下を含有し、かつCo:0質量%以上1.50質量%以下の範囲(Coの含有量が0質量%の場合を含む)であり、かつFeとCoの合計量が0.10質量%以上2.00質量%以下の範囲であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有する。

Description

本発明は、銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器に関する。
抵抗器に使用される抵抗材の金属材料には、環境温度が変化しても抵抗器の抵抗が安定するように、その指標である抵抗温度係数(TCR)の絶対値が小さいことが要求される。抵抗温度係数とは、温度による抵抗値の変化の大きさを1℃当たりの百万分率(ppm)で表したものであり、TCR(×10-6/℃)={(R-R)/R}×{1/(T-T)}×10という式で表される。ここで、式中のTは試験温度(℃)、Tは基準温度(℃)、Rは試験温度Tにおける抵抗値(Ω)、Rは基準温度Tにおける抵抗値(Ω)を示す。特に、Cu-Mn-Ni合金やCu-Mn-Sn合金は、TCRが非常に小さいため、抵抗材を構成する合金材料として広く用いられている。
しかしながら、たとえば抵抗材料を用いて回路(パターン)を形成することによって所定の抵抗値になるように設計される抵抗器に、これらのCu-Mn-Ni合金やCu-Mn-Sn合金を抵抗材料として用いた場合には、体積抵抗率が50×10-8(Ω・m)未満と小さいことで、抵抗材料の断面積を小さくして抵抗器の抵抗値を大きくする必要がある。このような抵抗器では、回路に一時的に大電流が流された場合や、常にある程度大きな電流が流され続けるような場合に、断面積の小さな抵抗材料に生じるジュール熱が高くなって発熱し、その結果、抵抗材料が熱により破断(溶断)しやすくなってしまうという不都合があった。
このため、抵抗材料の断面積が小さくなるのを抑制するために、体積抵抗率のより大きな抵抗材料が求められている。
例えば、特許文献1には、Mnを23質量%以上28質量%以下の範囲で含有し、かつNiを9質量%以上13質量%以下の範囲で含有する銅合金において、Mnの質量分率とNiの質量分率を、銅に対する熱起電力が20℃で±1μV/℃より小さくなるように構成することで、50×10-8[Ω・m]以上の高い電気抵抗(体積抵抗率ρ)を得ることができるとともに、銅に対する熱起電力(対銅熱起電力、EMF)が小さく、電気抵抗の温度係数が低く、かつ、固有の電気抵抗の時間に対する高い安定性(時間不変性)を有する銅合金を得ることができるとしている。
また、特許文献2には、Mnを21.0質量%以上30.2質量%以下の範囲で含有し、かつNiを8.2質量%以上11.0質量%以下の範囲で含有する銅合金において、20℃から60℃までの温度範囲におけるTCRの値x[ppm/℃]を-10≦x≦-2または2≦x≦10の範囲にし、かつ、体積抵抗率ρを80×10-8[Ω・m]以上115×10-8[Ω・m]以下にすることで、抵抗材料を用いたチップ抵抗器などの抵抗器の回路の断面積が小さくなるのを抑制するとともに、抵抗材料のジュール熱が高くなるのを抑制することができるとしている。
特表2016-528376号公報 特開2017-053015号公報
近年、電気自動車の電装系などにおいて、シャント抵抗器やチップ抵抗器などの抵抗器として、体積抵抗率ρが大きいもののほか、より高温の使用環境に耐える高精度なものが求められており、このような抵抗器に用いられる銅合金としても、より高温の使用環境に耐える高精度なものが求められている。
これに関し、特許文献1に記載の銅合金では、20℃での対銅熱起電力(EMF)を±1μV/℃より小さくすることが記載されている。また、特許文献1に記載の銅合金では、図3に記載されるように、より高温域を含む20℃から150℃までの温度範囲では、電気抵抗の温度依存性が大きな負の数になるため、高温域において抵抗値に誤差を生じやすいことが知られているが、その絶対値を小さくすることは困難であった。
また、特許文献2に記載の銅合金では、20℃と100℃の温度環境の間で生じる対銅熱起電力(EMF)を±2μV/℃以下にすることや、電気抵抗の温度依存性を表す抵抗温度係数(TCR)を、20℃から60℃までの温度範囲で、±50×10-6[℃-1]以下の範囲にすることが記載されているが、EMFの絶対値をより小さくすること、さらに、常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数(TCR)を絶対値の小さい負の数に制御することが求められていた。
このように、特許文献1および2に記載の銅合金は、体積抵抗率ρを高めるとともに、常温から高温までの広い温度範囲での使用環境も考慮した抵抗温度係数(TCR)および対銅熱起電力(EMF)について、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくし、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数(TCR)を絶対値の小さい負の数にする点で、さらに改善の余地があるものであった。
したがって、本発明の目的は、例えば抵抗材料として十分に高い体積抵抗率を有するとともに、対銅熱起電力の絶対値が小さく、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さい銅合金材と、それを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器を提供することにある。
本発明者らは、Mnを20.0質量%以上35.0質量%以下、Niを5.0質量%以上15.0質量%以下、およびFeを0.01質量%以上0.50質量%以下含有し、Coの含有量が0質量%以上1.50質量%以下の範囲(Coの含有量が0質量%の場合を含む)であり、かつ、FeとCoの合計量が0.10質量%以上2.00質量%以下の範囲であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成によることで、例えば抵抗材料として十分に高い体積抵抗率ρを有するとともに、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が小さく、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さい銅合金材が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)Mn:20.0質量%以上35.0質量%以下、Ni:5.0質量%以上15.0質量%以下、およびFe:0.01質量%以上0.50質量%以下を含有し、かつCo:0質量%以上1.50質量%以下の範囲(Coの含有量が0質量%の場合を含む)であり、かつFeとCoの合計量が0.10質量%以上2.00質量%以下の範囲であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有する、銅合金材。
(2)前記合金組成は、Mn:20.0質量%以上30.0質量%以下を含有する、上記(1)に記載の銅合金材。
(3)前記合金組成は、Fe:0.01質量%以上0.30質量%以下、およびCo:0.01質量%以上1.50質量%以下を含有する、上記(1)または(2)に記載の銅合金材。
(4)Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]、Feの含有量をy[質量%]およびCoの含有量をz[質量%]とするとき、w、x、yおよびzは、下記に示す(I)式の関係を満足する、上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の銅合金材。
0.8w-10.5≦x+10y+5z≦0.8w-6.5 ・・・(I)
(5)Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]とするとき、wに対するxの比が0.40未満である、上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の銅合金材。
(6)前記銅合金材が板材、棒材、条材または線材であり、平均結晶粒径が60μm以下である、上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の銅合金材。
(7)前記合金組成は、Sn:0.01質量%以上3.00質量%以下、Zn:0.01質量%以上5.00質量%以下、Cr:0.01質量%以上0.50質量%以下、Ag:0.01質量%以上0.50質量%以下、Al:0.01質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.01質量%以上0.50質量%以下、Si:0.01質量%以上0.50質量%以下、およびP:0.01質量%以上0.50質量%以下からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有する、上記(1)から(6)のいずれか1項に記載の銅合金材。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1項に記載の銅合金材からなる、抵抗器用抵抗材料。
(9)上記(8)に記載の抵抗器用抵抗材料を有する、シャント抵抗器またはチップ抵抗器である抵抗器。
本発明によれば、例えば抵抗材料として十分に高い体積抵抗率を有するとともに、対銅熱起電力の絶対値が小さく、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さい銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器を提供することができる。
Mn、NiおよびFeを含有する銅合金材、およびMn、Ni、FeおよびCoを含有する銅合金材について、Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]、Feの含有量をy[質量%]、Coの含有量をz[質量%]とするとする場合の、wと(x+10y+5z)の関係を示すグラフであり、wを横軸に、(x+10y+5z)を縦軸にしたものである。 本発明例および比較例の供試材について、対銅熱起電力(EMF)を求める方法を説明するための模式図である。
以下、本発明の銅合金材の好ましい実施形態について、詳細に説明する。なお、本発明の合金の成分組成において、「質量%」を単に「%」と示すこともある。
本発明に従う銅合金材は、Mn:20.0質量%以上35.0質量%以下、Ni:5.0質量%以上15.0質量%以下、およびFe:0.01質量%以上0.50質量%以下を含有し、かつCo:0質量%以上1.50質量%以下の範囲(Coの含有量が0質量%の場合を含む)であり、かつFeとCoの合計量が0.10質量%以上2.00質量%以下の範囲であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有する。
このように、本発明に従う銅合金材では、Mnを20.0質量%以上35.0質量%以下の範囲で含有し、Niを5.0質量%以上15.0質量%以下の範囲で含有し、Feを0.01質量%以上0.50質量%以下で含有し、かつCoの含有量を0質量%以上1.50質量%以下(Coの含有量が0質量%の場合を含む)の範囲にすることで、0℃と80℃の温度環境の間で発生する対銅熱起電力(EMF)(以下、単に「対銅熱起電力」という場合がある)の絶対値が小さくなり、かつ20℃以上150℃以下の温度範囲における抵抗温度係数(TCR)(以下、単に「抵抗温度係数」という場合がある)が絶対値の小さな負の数になるため、高温環境下においても、抵抗器の高精度化を進めることができる。また、Mnを20.0質量%以上35.0質量%以下の範囲で含有し、かつNiを5.0質量%以上15.0質量%以下の範囲で含有することで、体積抵抗率ρを高めるとともに、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくし、かつ20℃以上150℃以下の温度範囲における抵抗温度係数(TCR)を絶対値を小さな負の数にすることができる。その結果、本発明に従う銅合金材によることで、抵抗材料としても十分に高い体積抵抗率ρを有するとともに、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が小さく、かつ抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さい銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器を提供することができる。
[1]銅合金材の組成
<必須の含有成分>
本発明の銅合金材の合金組成は、Mnを20.0質量%以上35.0質量%以下、Niを5.0質量%以上15.0質量%以下およびFeを0.01質量%以上0.50質量%以下含有し、かつCoの含有量が0質量%以上1.50質量%以下の範囲(Coの含有量が0質量%の場合を含む)であるものである。すなわち、本発明の銅合金材の合金組成は、必須含有成分としてMn、NiおよびFeを含有する。
(Mn:20.0質量%以上35.0質量%以下)
Mn(マンガン)は、体積抵抗率ρを高めるとともに、負の値である抵抗温度係数(TCR)を正の方向に調整することで、抵抗温度係数(TCR)の絶対値を小さくする元素である。この作用を発揮するとともに、均質な銅合金材を得るためには、Mnは、20.0質量%以上含有することが好ましく、22.0質量%以上含有することがより好ましく、24.0質量%以上含有することがさらに好ましい。ここで、Mn含有量を22.0質量%以上、24.0質量%以上または25.0質量%以上に増加させることで、銅合金材の体積抵抗率ρをより一層高めることができる。他方で、Mn含有量が35.0質量%を超えると、抵抗温度係数(TCR)が正の数になりやすく、また、対銅熱起電力(EMF)の絶対値も大きくなりやすい。このため、Mn含有量は、20.0質量%以上35.0質量%以下の範囲にすることが好ましい。他方で、Mn含有量が30.0質量%を超えると、銅合金材を抵抗材料などとして長期間用いるうちに、母相である第1相とは異なる第2相が生じやすくなり、それにより電気的特性が時間の経過によって変化しやすくなる。そのため、Mn含有量を30.0質量%以下にすることが、熱などに対する電気的特性の安定性を高める観点からは好ましい。
(Ni:5.0質量%以上15.0質量%以下)
Ni(ニッケル)は、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくする元素である。この作用を発揮するには、Niは、5.0質量%以上含有することが好ましい。他方で、Ni含有量が多いと、抵抗温度係数(TCR)の絶対値が負の方向に大きくなりやすい。したがって、Ni含有量は、5.0質量%以上15.0質量%以下の範囲にすることが好ましい。特に、本発明の銅合金材におけるNi含有量は、Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]とするとき、wに対するxの比が0.40未満であることが好ましい。wに対するxの比を小さくすることで、抵抗温度係数(TCR)の絶対値をさらに小さくすることができる。このため、wに対するxの比は、0.40未満であることが好ましく、0.35以下であることがさらに好ましい。なお、銅合金材におけるNiの含有量は、抵抗温度係数(TCR)の絶対値を小さくする観点から、5.0質量%以上15.0質量%以下の範囲にしてもよく、5.0質量%以上12.0質量%以下の範囲にしてもよく、また、5.0質量%以上9.0質量%以下の範囲にしてもよい。
(Fe:0.01質量%以上0.50質量%以下)
Fe(鉄)は、対銅熱起電力(EMF)を正の方向に調整することで、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくする元素である。特に、Feによる対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくする効果が、後述するCoよりも大きいことが見込まれ、かつ原料価格も安価なため、Feは、0.01質量%以上含有することが必須である。他方で、Feは、マトリックス(母相)に固溶した状態を保ち難く、第2相を形成しやすい元素である。特に、Fe含有量が0.50質量%を超えると、第2相の結晶が生成することで抵抗温度係数(TCR)の絶対値が大きくなりやすく、また、対銅熱起電力(EMF)の絶対値も大きくなり易い。したがって、Fe含有量は、0.01質量%以上0.50質量%以下の範囲にすることが好ましい。特に、熱などに対する電気特性の安定性をより高め、それにより抵抗材料などとして長期間用いたときの信頼性をより高める観点では、Fe含有量は、0.30質量%以下とすることがより好ましく、0.20質量%以下とすることがさらに好ましい。
<第1の任意添加成分(Co)>
(Co:0質量%以上1.50質量%以下(0質量%の場合を含む))
本発明の銅合金材は、必須の含有成分であるMn、NiおよびFeに加えて、Coを含有してもよい。Co(コバルト)は、対銅熱起電力(EMF)を正の方向に調整することで、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくする元素である。また、Coは、Fe含有量の不足を補うことができ、かつ均一な組織を得られる含有量の範囲が広い成分であり、Feと併用することで、所望の対銅熱起電力(EMF)を得易くすることができる。Co含有量は0質量%であってもよいが、この作用を発揮する観点から、Co含有量は、0.01質量%以上含有することが好ましく、0.10質量%以上含有することがより好ましい。他方で、Coは高価な元素であるため、Co含有量は、1.50質量%以下であることが好ましい。また、Coは、Feとは異なり第2相を生成し難い元素であるため、Feの代わりに含有することが好ましく、これにより、FeとCoの両方を含有することが好ましい。特に、Coを0.01質量%以上含有し、かつFe含有量を0.01質量%以上0.30質量%以下の範囲にすることで、Mn含有量が30.0質量%を超える場合でも、熱などに対する電気的特性の安定性を向上し、それにより抵抗材料などとして長期間用いたときの信頼性を高めることができる。
(FeとCoの合計:0.10質量%以上2.00質量%以下)
FeとCoは、ともに対銅熱起電力(EMF)を正の方向に調整して対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくする元素である。特に、所望の対銅熱起電力(EMF)を得易くする観点では、FeとCoのうち一方又は両方を添加し、これらを合計で0.10質量%以上含有することで、Feの含有量が0.01質量%のような微量である場合や、Coを含有しない場合であっても、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を小さくすることができる。他方で、FeとCoの合計量が2.00質量%を超えると、均一な組織が得られ難くなることによって、電気的な性能にばらつきが生じやすくなる。したがって、FeとCoの合計量は、0.10質量%以上2.00質量%以下の範囲にすることが好ましく、0.30質量%以上1.65質量%以下の範囲にすることがより好ましい。
本発明の銅合金材は、Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]、Feの含有量をy[質量%]およびCoの含有量をz[質量%]とするとき、w、x、yおよびzは、下記に示す(I)式の関係を満足することが好ましい。
0.8w-10.5≦x+10y+5z≦0.8w-6.5 ・・・(I)
このうち、0.8w-10.5≦x+10y+5zの関係を満たすことで、対銅熱起電力(EMF)が負の方向に大きな値を取り難くなる。他方で、x+10y+5z≦0.8w-6.5の関係を満たすことで、対銅熱起電力(EMF)が正の方向に大きな値を取り難くなる。
図1は、Mn、NiおよびFeを含有する銅合金材、ならびにMn、Ni、FeおよびCoを含有する銅合金材について、Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]、Feの含有量をy[質量%]およびCoの含有量をz[質量%]とする場合の、xと(x+10y+5z)の関係を示すグラフであり、xを横軸に、(x+10y+5z)を縦軸にしたものである。図1のグラフでは、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃以下の銅合金材を、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が小さく、抵抗材料として良好であるとして「〇」をプロットしている。また、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃を超える銅合金材を、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が大きく、抵抗材料として不合格であるとして「×」をプロットしている。
ここで、上記(I)式の関係を満足するFeとCoの合計量が0.10質量%以上の銅合金材、より具体的に、後述する本発明例1~20および比較例4の銅合金材は、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃以下であり、図1のグラフにおいて、いずれも「〇」でプロットされる。他方で、Mn、NiおよびFeを含有する銅合金材、またはMn、Ni、FeおよびCoを含有する銅合金材であって、上記(I)式の関係を満足しないFeとCoの合計量が0.10質量%以上の銅合金材、例えば後述する比較例3、5の銅合金材は、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃を超えており、図1のグラフにおいて、いずれも「×」でプロットされる。
このように、銅合金材の組成が、上記(I)式の関係を満足することで、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が小さい(例えば、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃以下となる)銅合金材を得易くすることができる。
なお、図1には、上記(I)式の関係を満足しないFeとCoの合計量が0.10質量%以上の銅合金材として、比較例3、5のほかに、Mn、NiおよびFeを含有する銅合金材、ならびに、Mn、Ni、FeおよびCoを含有する銅合金材が記載されているが、いずれも対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃を超えており、図1のグラフでは「×」でプロットされる。
<第2の任意添加成分(Co以外の任意添加成分)>
さらに、本発明の銅合金材は、任意添加成分として、Sn:0.01質量%以上3.00質量%以下、Zn:0.01質量%以上5.00質量%以下、Cr:0.01質量%以上0.50質量%以下、Ag:0.01質量%以上0.50質量%以下、Al:0.01質量%以上1.00質量%以下、Mg:0.01質量%以上0.50質量%以下、Si:0.01質量%以上0.50質量%以下、およびP:0.01質量%以上0.50質量%以下からなる群から選択される少なくとも1種を、さらに含有することができる。
(Sn:0.01質量%以上3.00質量%以下)
Sn(錫)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Snを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Sn含有量は、3.00質量%以下にすることで、銅合金材が脆化することによる製造性の低下を起こり難くすることができる。
(Zn:0.01質量%以上5.00質量%以下)
Zn(亜鉛)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Znを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Zn含有量は、体積抵抗率ρ、抵抗温度係数(TCR)、対銅熱起電力(EMF)といった、抵抗器の電気的な性能の安定性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、5.00質量%以下にすることが好ましい。
(Cr:0.01質量%以上0.50質量%以下)
Cr(クロム)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Crを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Cr含有量は、体積抵抗率ρ、抵抗温度係数(TCR)、対銅熱起電力(EMF)といった、抵抗器の電気的な性能の安定性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、0.50質量%以下にすることが好ましい。
(Ag:0.01質量%以上0.50質量%以下)
銀(Ag)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Agを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Ag含有量は、体積抵抗率ρ、抵抗温度係数(TCR)、対銅熱起電力(EMF)といった、抵抗器の電気的な性能の安定性に悪影響を及ぼす恐れがあるため、0.50質量%以下にすることが好ましい。
(Al:0.01質量%以上1.00質量%以下)
Al(アルミニウム)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Alを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Al含有量は、銅合金材を脆化させる恐れがあるため、1.00質量%以下にすることが好ましい。
(Mg:0.01質量%以上0.50質量%以下)
Mg(マグネシウム)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Mgを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Mg含有量は、銅合金材を脆化させる恐れがあるため、0.50質量%以下にすることが好ましい。
(Si:0.01質量%以上0.50質量%以下)
Si(ケイ素)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Siを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、Si含有量は、銅合金材を脆化させる恐れがあるため、0.50質量%以下にすることが好ましい。
(P:0.01質量%以上0.50質量%以下)
P(リン)は、体積抵抗率ρの調整に用いることができる成分である。この作用を発揮するには、Pを0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、P含有量は、銅合金材を脆化させる恐れがあるため、0.50質量%以下にすることが好ましい。
(任意添加成分の合計量:0.01質量%以上5.00質量%以下)
これらの任意添加成分は、上述した任意添加成分による効果を得るため、合計で0.01質量%以上含有することが好ましい。他方で、これらの任意添加成分は、多量に含むと必須含有成分との間で化合物を生じやすくなるため、合計で5.00質量%以下にすることが好ましい。
<残部:Cuおよび不可避不純物>
上述した必須含有成分および任意添加成分以外は、残部がCu(銅)および不可避不純物からなる。なお、ここでいう「不可避不純物」とは、おおむね銅系製品において、原料中に存在するものや、製造工程において不可避的に混入するもので、本来は不要なものであるが、微量であり、銅系製品の特性に影響を及ぼさないため許容されている不純物である。不可避不純物として挙げられる成分としては、例えば、硫黄(S)、炭素(C)、酸素(O)などの非金属元素や、アンチモン(Sb)などの金属元素が挙げられる。なお、これらの成分含有量の上限は、上記成分ごとに0.05質量%、上記成分の総量で0.20質量%とすることができる。
[2]銅合金材の形状と金属組織
本発明の銅合金材の形状は、特に限定されるものではないが、後述する熱間または冷間での加工工程を行ないやすくする観点では、板材、棒材、条材または線材であることが好ましい。このうち、板材や条材のように、圧延によって形成される銅合金材では、圧延方向を延伸方向とすることができる。また、平角線材や丸線材などの線材や、棒材のように、伸線や引抜、押出によって形成される銅合金材では、伸線方向、引抜方向および押出方向のいずれかを延伸方向とすることができる。
また、本発明の銅合金材は、板材、棒材、条材または線材であるとともに、平均結晶粒径が、60μm以下であることが好ましい。ここで、結晶の平均結晶粒径を60μm以下にすることで、銅合金材に粗大な結晶粒が形成され難くなるため、抵抗温度係数(TCR)の絶対値と、対銅熱起電力(EMF)の絶対値を、ともに小さくすることができる。特に、本発明の銅合金材では、このような平均結晶粒径が60μm以下の銅合金材を得易くすることができる。他方で、平均結晶粒径の下限は、特に限定されるものではないが、製造上の観点から、0.1μm以上としてもよい。なお、結晶の平均結晶粒径は、結晶が等軸状に形成されておらず、延伸方向に沿った圧延や伸線などの加工によって、結晶粒の大きさに異方性があるような場合は、延伸方向に対して直交する面で測定を行うものとする。
ここで、本明細書における平均結晶粒径の測定は、JIS H0501に記載される伸銅品結晶粒度試験方法に準拠して行なうことができる。より具体的には、銅合金材の断面が露出するように樹脂に埋め込んで供試材を作製した後、延伸方向に対して直交する断面を研磨し、次いでクロム酸水溶液を用いてウェットエッチングを行ない、露出する結晶粒を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して結晶粒径(または結晶粒度)を測定することにより行なうことができる。特に、延伸方向に対して直交する面における平均結晶粒径を測定する場合は、銅合金材の延伸方向に対して直交する断面が露出するように樹脂に埋め込んで供試材を作製する。
[3]銅合金材の製造方法の一例
上述した銅合金材は、合金組成や製造プロセスを組み合わせて制御することによって実現することができ、その製造プロセスは特に限定されない。その中でも、上述した銅合金材を得ることが可能な、製造プロセスの一例として、以下の方法を挙げることができる。
本発明の銅合金材の製造方法の一例として、上述した銅合金材の合金組成と実質的に同じ合金組成を有する銅合金素材に、少なくとも、鋳造工程[工程1]、均質化熱処理工程[工程2]、熱間加工工程[工程3]、冷間加工工程[工程4]および焼鈍工程[工程5]を順次施すものである。このうち、均質化熱処理工程[工程2]では、加熱温度を750℃以上900℃以下の範囲とし、保持時間を10分間以上10時間以下の範囲とする。また、冷間加工工程[工程4]では、総加工率を50%以上とする。また、焼鈍工程[工程5]では、加熱温度を600℃以上800℃以下の範囲とし、保持時間を1分以上2時間以下の範囲とする。
(i)鋳造工程[工程1]
鋳造工程[工程1]は、高周波溶解炉を用いて、不活性ガス雰囲気中もしくは真空中で、上述の合金組成を有する銅合金素材を溶融させ、これを鋳造することによって、所定形状(例えば厚さ30mm、幅50mm、長さ300mm)の鋳塊(インゴット)を作製する。なお、銅合金素材の合金組成は、製造の各工程において、添加成分によっては溶解炉に付着したり揮発したりして製造される銅合金材の合金組成とは必ずしも完全には一致しない場合があるが、銅合金材の合金組成と実質的に同じ合金組成を有している。
(ii)均質化熱処理工程[工程2]
均質化熱処理工程[工程2]は、鋳造工程[工程1]を行なった後の鋳塊に対して、均質化のための熱処理を行なう工程である。ここで、均質化熱処理工程[工程2]における熱処理の条件は、結晶粒の粗大化を抑制する観点から、加熱温度を750℃以上900℃以下の範囲にし、かつ加熱温度での保持時間を10分間以上10時間以下の範囲にすることが好ましい。
(iii)熱間加工工程[工程3]
熱間加工工程[工程3]は、均質化熱処理を行なった鋳塊に対して、所定の厚さや寸法になるまで熱間で圧延や伸線などを施して、熱間加工材を作製する工程である。ここで、熱間加工工程[工程3]には、熱間圧延工程と、熱間延伸(伸線)工程の両方が含まれる。また、熱間加工工程[工程3]の条件は、加工温度は750℃以上900℃以下の範囲であることが好ましく、均質化熱処理工程[工程2]における加熱温度と同じであってもよい。また、熱間加工工程[工程3]における加工率は、10%以上であることが好ましい。
ここで、「加工率」は、圧延や伸線などの加工を施す前の断面積から、加工後の断面積を引いた値を、加工前の断面積で除して100を乗じ、パーセントで表した値であり、下記式で表される。
[加工率]={([加工前の断面積]-[加工後の断面積])/[加工前の断面積]}×100(%)
熱間加工工程[工程3]後の熱間加工材は、冷却することが好ましい。ここで、熱間加工材に対する冷却の手段は、特に限定されないが、例えば結晶粒の粗大化を起こり難くすることができる観点では、できるだけ冷却速度を大きくする手段であることが好ましく、例えば水冷などの手段により、冷却速度を10℃/秒以上にすることが好ましい。
ここで、冷却後の熱間加工材に対して、表面を削り取る面削を行なってもよい。面削を行なうことで、熱間加工工程[工程3]で生じた表面の酸化膜や欠陥を除去することができる。面削の条件は、通常行なわれている条件であればよく、特に限定されない。面削により熱間加工材の表面から削り取る量は、熱間加工工程[工程3]の条件に基づいて適宜調整することができ、例えば熱間加工材の表面から0.5~4mm程度とすることができる。
(v)冷間加工工程[工程4]
冷間加工工程[工程4]は、熱間加工工程[工程3]を行なった後の熱間加工材に、製品の板厚あるいは線径、寸法に合わせて、任意の加工率で、冷間で圧延や伸線などの加工を施す工程である。ここで、冷間加工工程[工程4]には、冷間圧延工程と、冷間延伸(伸線)工程の両方が含まれる。また、冷間加工工程[工程4]における圧延や伸線などの加工条件は、熱間加工材の大きさに合わせて設定することができる。特に、後述する焼鈍工程[工程5]で、再結晶による均一な結晶粒の生成を促す観点では、冷間加工工程[工程4]における総加工率を50%以上とすることが好ましい。
(vi)焼鈍工程[工程5]
焼鈍工程[工程5]は、冷間加工工程[工程4]を行なった後の冷延材に対して熱処理を施して再結晶させる焼鈍の工程である。ここで、焼鈍工程[工程5]における熱処理の条件は、加熱温度が600℃以上800℃以下の範囲であり、かつ加熱温度での保持時間が1分以上2時間以下の範囲である。他方で、加熱温度が600℃未満の場合や、保持時間が1分未満の場合、銅合金材を再結晶させることが困難になる。また、加熱温度が800℃を超える場合や、保持時間が2時間を超える場合、結晶粒の粗大化によって、抵抗温度係数(TCR)および対銅熱起電力(EMF)の絶対値が大きくなりやすい。また、焼鈍工程[工程5]を行なった後の銅合金材への第2相の形成を抑えることで、抵抗温度係数(TCR)の絶対値と、対銅熱起電力(EMF)の絶対値がともに小さい銅合金材を安定的に製造する観点では、焼鈍工程[工程5]において600℃以上の加熱温度で熱処理した後、200℃以下の温度まで20秒以内に冷却することが好ましい。
ここで、焼鈍工程[工程5]を行なった後の冷延材に対して、冷間加工工程[工程4]および焼鈍工程[工程5]を繰り返し行なってもよい。これにより、銅合金材が所望の形状を有する板材や棒材、条材、線材になるとともに、粗大な結晶粒が形成され難くなるため、体積抵抗率、抵抗温度係数および対銅熱起電力において、所望の特性を示す銅合金材を得ることができる。
[4]銅合金材の用途
本発明の銅合金材は、板材や棒材のほか、リボン材などの条材や、平角線材や丸線材などの線材の形態を取ることができ、抵抗器、例えばシャント抵抗器やチップ抵抗器などに用いられる抵抗器用抵抗材料として、極めて有用である。すなわち、抵抗器用抵抗材料は、上述の銅合金材からなることが好ましい。また、シャント抵抗器またはチップ抵抗器などの抵抗器は、上述の銅合金材からなる抵抗器用抵抗材料を有することが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、本発明例および比較例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(本発明例1~15および比較例1~5)
表1に示す合金組成を有する銅合金素材を溶解し、これを溶湯から冷却して鋳造する鋳造工程[工程1]を行なって鋳塊を得た。ここで、比較例1の合金組成は、上述の特許文献1に記載される銅合金と同じ合金組成を有するものである。
この鋳塊に対して、800℃の加熱温度および5時間の保持時間で熱処理を行なう均質化熱処理工程[工程2]を行ない、次いで、800℃の加工温度で、総加工率が67%(加工前の厚みが30mm、加工後の厚みが10mm)となるように、長手方向に沿って延伸する熱間加工工程[工程3]を行なって熱間加工材を得た。その後、水冷により室温まで冷却して、表面に形成された酸化膜を除去する面削を行なった。
熱間加工工程[工程3]後の熱間加工材に対して、88%の総加工率(加工前の厚みが8mm、加工後の厚みが1mm)で長手方向に沿って圧延する、冷間加工工程[工程4]を行なった。冷間加工工程[工程4]を行なった後の圧延材に対して、600℃以上800℃以下の範囲の加熱温度で、1分以上2時間以下の保持時間で熱処理を行なう焼鈍工程[工程5]を行なった。
さらに、焼鈍工程[工程5]を行なった後の熱間加工材に対して、70%の総加工率(加工前の厚みが1mm、加工後の厚みが0.3mm)で長手方向に沿って圧延する、2回目の冷間加工工程[工程4]を行なった。2回目の冷間加工工程[工程4]を行なった後の冷延材に対して、600℃以上800℃以下の範囲の加熱温度で、1分以上2時間以下の保持時間で熱処理を行なう、2回目の焼鈍工程[工程5]を行なった。このようにして、結晶粒径が調整された本発明例1~15および比較例1~5の銅合金板材を作製した。
なお、表1では、銅合金素材の合金組成に含まれない成分の欄には横線「-」を記載し、該当する成分を含まない、または含有していたとしても検出限界値未満であることを明らかにした。
(本発明例16~18)
表1に示す合金組成を有する銅合金素材を溶解し、これを溶湯から300℃まで冷却して鋳造する鋳造工程[工程1]を行なって直径30mmの鋳塊を得た。この鋳塊に対して、800℃の加熱温度および5時間の保持時間で熱処理を行なう均質化熱処理工程[工程2]を行ない、次いで、800℃の加工温度で、総加工率が11%となるように、1回の圧延で長手方向に沿って延伸する熱間加工工程[工程3]を行なって、熱間加工材である棒材を得た(加工前の鋳塊の直径が30mm、加工後の棒材の直径が10mm)。その後、水冷により室温まで冷却して、表面に形成された酸化膜を除去する面削を行なった。
熱間加工工程[工程3]後の棒材を、円形ダイスで引き抜くことで、96%の総加工率となるように伸線する、冷間加工工程[工程4]を行なった(加工前の棒材の直径が10mm、加工後の丸線材の直径が1.95mm)。冷間加工工程[工程4]を行なった後の冷延材に対して、600℃以上800℃以下の範囲の加熱温度で、1分以上2時間以下の保持時間で熱処理を行なう焼鈍工程[工程5]を行なった。このようにして、結晶粒径が調整された本発明例16~18の銅合金線材を作製した。
(本発明例19~22)
本発明例16~18と同様に得られる、熱間加工工程[工程3]後の棒材を、四隅の曲率半径が0.1mmの平角ダイスで引き抜くことで、99%の総加工率となるように伸線する、冷間加工工程[工程4]を行なった(加工前の棒材の直径が10mm、加工後の平角線の厚さ1mm幅3mm)。冷間加工工程[工程4]を行なった後の冷延材に対して、600℃以上800℃以下の範囲の加熱温度で、1分以上2時間以下の保持時間で熱処理を行なう焼鈍工程[工程5]を行なった。
さらに、焼鈍工程[工程5]を行なった後の熱間加工材に対して、70%の総加工率(加工前の厚みが1mm、加工後の厚みが0.3mm)で長手方向に沿って圧延する、2回目の冷間加工工程[工程4]を行なった。2回目の冷間加工工程[工程4]を行なった後の冷延材に対して、600℃以上800℃以下の範囲の加熱温度で、1分以上2時間以下の保持時間で熱処理を行なう、2回目の焼鈍工程[工程5]を行なった。このようにして、結晶粒径が調整された本発明例19~22の銅合金線材を作製した。
[各種測定および評価方法]
上記本発明例および比較例に係る銅合金材(銅合金板材、銅合金線材)を用いて、下記に示す特性評価を行なった。各特性の評価条件は下記のとおりである。
[1]平均結晶粒径の測定
作製した銅合金材について、銅合金材の延伸方向に対して直交する断面が露出するように樹脂に埋め込んで供試材を作製した後、延伸方向に対して直交する断面を研磨した。次いで、研磨後の供試材について、クロム酸水溶液を用いてウェットエッチングを行なった後、露出する結晶粒について、走査型電子顕微鏡(SEM)((株)島津製作所製、型番:SSX-550)を用いて、平均結晶粒径に応じて50倍~2000倍の倍率で3視野を観察し、JIS H 0501に記載される伸銅品結晶粒度試験方法の内の切断法によって結晶粒度を測定し、3視野における結晶粒度の平均値として平均結晶粒径を算出した。結果を表2に示す。
[2]体積抵抗率の測定
板材を得た本発明例1~15および比較例1~5については、得られた厚さ0.3mmの板材を幅10mm、長さ300mmに切断し、供試材を作製した。また、丸線材または平角線材を得た本発明例16~22については、得られた丸線または平角線を長さ300mmに切断し、供試材を作製した。
体積抵抗率ρの測定は、電圧端子間距離を200mm、測定電流を100mAとして、室温20℃で、JIS C2525に規定された方法に準じた四端子法によって電圧を測定し、得られた値から体積抵抗率ρ[μΩ・cm]を求めた。
測定された体積抵抗率ρについて、80μΩ・cm以上であった場合を体積抵抗率ρが十分に大きく、抵抗材料として優れているとして「◎」と評価した。また、体積抵抗率ρが70μΩ・cm以上80μΩ・cm未満であった場合を、体積抵抗率ρが大きく、抵抗材料として良好であるとして「○」と評価した。他方で、体積抵抗率ρが70μΩ・cm未満であった場合を、体積抵抗率ρが小さく抵抗材料としては不良であるとして「×」と評価した。本実施例では、「◎」と「○」を合格レベルとして評価した。結果を表2に示す。
[3]対銅熱起電力(EMF)の測定方法
板材を得た本発明例1~15および比較例1~5については、得られた厚さ0.3mmの板材を幅10mm、長さ1000mmに切断し、供試材を作製した。また、丸線材または平角線材を得た本発明例16~22については、得られた丸線または平角線を長さ1000mmに切断し、供試材を作製した。
供試材の対銅熱起電力(EMF)の測定は、JIS C2527に沿って行なった。より具体的には、図2に示すように、供試材1の対銅熱起電力(EMF)の測定は、十分に焼鈍された直径1mmの純銅線を標準銅線2として用い、供試材1および標準銅線2の一方の端部を接続させた測温接点Pを、80℃の恒温槽41で保温している温水に浸漬させるとともに、供試材1および標準銅線2の他方の端部をそれぞれ銅線31、32に接続させた基準接点P21、P22を、氷点装置42で保冷している0℃の氷水に浸漬させたときの起電力を、電圧測定器43で測定した。得られた起電力について、温度差である80[℃]で割ることで、対銅熱起電力EMF(μV/℃)を求めた。
測定された対銅熱起電力(EMF)について、絶対値が0.5μV/℃以下であった場合を、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が小さく、抵抗材料として良好であるとして「◎」と評価した。他方で、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が0.5μV/℃より大きい場合を、対銅熱起電力(EMF)の絶対値が大きく、抵抗材料として不良であるとして「×」と評価した。結果を表2に示す。
[4]抵抗温度係数(TCR)の測定方法
板材を得た本発明例1~15および比較例1~5については、得られた厚さ0.3mmの板材を幅10mm、長さ300mmに切断し、供試材を作製した。また、丸線材または平角線材を得た本発明例16~22については、得られた丸線または平角線を長さ300mmに切断し、供試材を作製した。
抵抗温度係数(TCR)の測定は、電圧端子間距離を200mm、測定電流を100mAとして、JIS C2526に規定された方法に準じた四端子法によって、供試材の温度を150℃に加熱したときの電圧を測定し、得られた値から150℃での抵抗値R150℃[mΩ]を求めた。次いで、供試材の温度を20℃に冷却したときの電圧を測定し、得られた値から20℃での抵抗値R20℃[mΩ]を求めた。そして、得られる抵抗値であるR150℃およびR20℃の値から、TCR={(R150℃[mΩ]-R20℃[mΩ])/R20℃[mΩ]}×{1/(150[℃]-20[℃])}×10の式から、抵抗温度係数(TCR)(ppm/℃)を算出した。
測定された抵抗温度係数(TCR)について、-50ppm/℃以上0ppm/℃以下であった場合を、抵抗温度係数(TCR)が負の数であり、かつ絶対値が小さい点で優れているとして「◎」と評価した。また、抵抗温度係数(TCR)が-60ppm/℃以上-50ppm/℃未満の場合を、抵抗温度係数(TCR)が負の数であり、かつ絶対値が小さい点で良好であるとして「〇」と評価した。他方で、抵抗温度係数(TCR)が-60ppm/℃未満であった場合を、抵抗温度係数(TCR)が負の数であるものの、絶対値が大きい点で優れていないとして「×」と評価した。また、抵抗温度係数(TCR)が0ppm/℃を超える場合も、抵抗温度係数(TCR)が正の値である点で優れていないとして「×」と評価した。結果を表2に示す。
[5]信頼性についての評価
さらに、本発明例1~22および比較例1~5について、銅合金材を抵抗材料などとして長期間用いたときの信頼性、特に熱などに対する電気的特性の安定性について検討するため、上述の[2]体積抵抗率の測定において体積抵抗率を測定した後の供試材について、400℃で2時間にわたり加熱することで、熱に対する電気的特性の安定性について加速試験を行なった。加熱による加速試験の後、上述の[2]体積抵抗率の測定と同じ方法で、供試材の体積抵抗率を測定し、加熱前の体積抵抗率から加熱後の体積抵抗率を引いた体積抵抗率の差をそれぞれ求めた。ここで、加熱前の体積抵抗率から加熱後の体積抵抗率を引いた体積抵抗率の差が1.0μΩ・cm以下であった場合を、加熱による体積抵抗率の低下が十分に小さく、信頼性に優れているとして「◎」と評価した。また、加熱前の体積抵抗率から加熱後の体積抵抗率を引いた体積抵抗率の差が1.0μΩ・cm超2.0μΩ・cm以下であった場合を、加熱による体積抵抗率の低下が小さく、信頼性が良好であるとして「○」と評価した。また、加熱前の体積抵抗率から加熱後の体積抵抗率を引いた体積抵抗率の差が2.0μΩ・cm超であった場合を、加熱による体積抵抗率の低下が大きく、信頼性の観点では相対的に良好でないとして「△」と評価した。結果を表2に示す。
[6]総合評価
これらの評価結果のうち、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)に関する3つの評価結果について、3つとも「◎」と評価した場合を、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)がいずれも優れているとして「◎」と評価した。また、これらの3つの評価結果のうち、1つまたは2つで「◎」と評価し、かつ残りを「○」と評価した場合を、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)の特性が良好であるとして「○」と評価した。他方で、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)に関する3つの評価結果のうち、いずれかの評価結果が「×」になった場合を、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)の特性が不十分であるとして「×」と評価した。結果を表2に示す。
Figure 0007214930000001
Figure 0007214930000002
表1および表2の結果から、本発明例1~22の銅合金材は、合金組成が本発明の適正範囲内であるとともに、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)に関する3つの評価結果が、いずれも「◎」または「○」と評価されており、総合評価においても「◎」または「〇」と評価されるものであった。
したがって、本発明例1~22の銅合金材は、いずれも総合評価において「◎」または「〇」と評価されるものであったため、抵抗材料として十分に高い体積抵抗率を有するとともに、対銅熱起電力の絶対値が小さく、かつ常温(例えば20℃)から高温(例えば150℃)までの広い温度範囲での抵抗温度係数が負の数であって絶対値の小さいものであった。
一方、比較例1~5の銅合金材はいずれも、合金組成が本発明の適正範囲外であった。そのため、比較例1~5の銅合金材は、体積抵抗率ρ、対銅熱起電力(EMF)および抵抗温度係数(TCR)のうち少なくともいずれかにおいて「×」と評価されていた。
さらに、本発明例5では、Mn含有量が30.0質量%を超える場合において、Feの含有量を0.30質量%以下にすることで、Feの含有量が0.40質量%以上であり信頼性の評価結果が「△」と評価された本発明例2、4と比べて、熱などに対する電気的特性の安定性が高められていたため、信頼性の評価結果において「〇」と評価されていることが分かった。
また、本発明例1、3、6、7、10~15、17~19、21、22では、Feの含有量を0.20質量%以下にすることで、Feの含有量が0.25質量%以上であり信頼性の評価結果が「〇」または「△」と評価された本発明例2、4、5、8、9、16、20と比べて、熱などに対する電気的特性の安定性が高められていたため、信頼性の評価結果において「◎」と評価されていることが分かった。
1 供試材
2 標準銅線
31、32 銅線
41 恒温槽
42 氷点装置
43 電圧測定器
測温接点
21、P22 基準接点

Claims (8)

  1. Mn:20.0質量%以上35.0質量%以下、
    Ni:5.0質量%以上15.0質量%以下
    Fe:0.01質量%以上0.30質量%以下、および
    Co:0.01質量%以上1.50質量%以下
    を含有し、かつ
    FeとCoの合計量が0.10質量%以上1.80質量%以下の範囲であり、残部がCuおよび不可避不純物からなる合金組成を有する、銅合金材。
  2. 前記合金組成は、
    Mn:20.0質量%以上30.0質量%以下を含有する、請求項1に記載の銅合金材。
  3. Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]、Feの含有量をy[質量%]およびCoの含有量をz[質量%]とするとき、w、x、yおよびzは、下記に示す(I)式の関係を満足する、請求項1に記載の銅合金材。
    0.8w-10.5≦x+10y+5z≦0.8w-6.5 ・・・(I)
  4. Mnの含有量をw[質量%]、Niの含有量をx[質量%]とするとき、wに対するxの比が0.40未満である、請求項1に記載の銅合金材。
  5. 前記銅合金材が板材、棒材、条材または線材であり、平均結晶粒径が60μm以下である、請求項1に記載の銅合金材。
  6. 前記合金組成は、
    Sn:0.01質量%以上3.00質量%以下、
    Zn:0.01質量%以上5.00質量%以下、
    Cr:0.01質量%以上0.50質量%以下、
    Ag:0.01質量%以上0.50質量%以下、
    Al:0.01質量%以上1.00質量%以下、
    Mg:0.01質量%以上0.50質量%以下、
    Si:0.01質量%以上0.50質量%以下、および
    P:0.01質量%以上0.50質量%以下からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1に記載の銅合金材。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の銅合金材からなる、抵抗器用抵抗材料。
  8. 請求項に記載の抵抗器用抵抗材料を有する、シャント抵抗器またはチップ抵抗器である抵抗器。
JP2022550191A 2021-06-28 2022-06-24 銅合金材ならびにそれを用いた抵抗器用抵抗材料および抵抗器 Active JP7214930B1 (ja)

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