JP7214581B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の作業機に関する。
従来より、コンパクトトラックローダ等の作業機において、エンジンとモータ・ジェネレータとを有するハイブリッド型の作業機として、特許文献1が知られている。特許文献1の作業機は、動作形態判別手段によって油圧作動部が作業モードにあると判別されたときに、電動・発電機制御手段は、その作業モードに応じて設定される電動・発電機の力行トルク出力特性をエンジンの回転数と関係付けることで得られる力行トルク出力値情報に基づいて、エンジン回転数検出手段によって検出されるエンジンの実回転数を参照することにより、電動・発電機に出力させるべき力行トルク値を求めている。
特開3941951号
特許文献1の作業機では、動作形態判別手段によって作業機がどのような状態であるか、即ち、作業モードであるかを判別して力行トルクを設定している。しかしながら、動作判別手段では、予め定められた作業に対して動作態様を決定しているため、複雑に作業機が動く場合等は力行トルクを設定することが困難である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、作業機の動作に応じて簡単にトルク等の設定を行うことができる作業機の提供を目的とする。
発明の一態様の作業機は、機体と、前記機体に設けられたエンジンと、モータとして作動して前記エンジンの駆動をアシストするアシスト動作と前記エンジンの動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行うモータ・ジェネレータと、前記モータ・ジェネレータが発電した電力を蓄電するバッテリと、前記機体の加速度を計測可能な加速度センサと、前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に応じて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に基づいて前記機体の走行状態を予測し、前記走行状態に基づいて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行い、前記機体の前後の加速度が閾値以上である場合には、前記走行状態として前記機体が直進したと予測し、前記前後の加速度が閾値未満である場合には、前記機体が前記直進以外の状態であると予測し、前記直進と前記直進以外とに応じて、前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う。
また、前記制御装置は、前記機体の幅方向の加速度及び前記機体のヨーレートに基づいて、前記走行状態として旋回であるか否かを予測し、前記旋回と前記旋回以外とに応じて、前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う。
また、本発明の他の一態様の作業機は、機体と、前記機体に設けられたエンジンと、モータとして作動して前記エンジンの駆動をアシストするアシスト動作と前記エンジンの動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行うモータ・ジェネレータと、前記モータ・ジェネレータが発電した電力を蓄電するバッテリと、前記機体の加速度を計測可能な加速度センサと、前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に応じて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記アシスト動作を行うときの前記モータ・ジェネレータの力行トルクを設定する力行トルク設定部と、前記発電動作を行うときの前記モータ・ジェネレータの回生トルクを設定する回生トルク設定部と、前記エンジンの回転数が第1回転数以下である場合に前記力行トルク設定部で設定された前記力行トルクでアシスト動作を行い且つ、前記エンジンの回転数が前記第1回転数より大きい第2回転数以上である場合に前記回生トルク設定部で設定された回生トルクで前記発電動作を行う動作制御部と、を有している。
前記力行トルク設定部及び回生トルク設定部のいずれかは、前記機体の加速度に応じて前記力行トルク及び回生トルクのいずれかのトルクの設定を変更する。
前記制御装置は、前記機体の加速度に応じて前記第1回転数及び前記第2回転数のいずれかを変更する。
本発明によれば、作業機の動作に応じて簡単にトルク等の設定を行うことができる。
作業機の全体側面図である。 機体の斜視図である。 機器(装置)の配置を示す斜視図である。 回転電機の内部の断面図である。 走行系の油圧システムを示す図である。 作業系の油圧システムを示す図である。 エンジン回転数と走行一次圧と、設定線との関係を示す図である。 作業機における制御ブロック図を示す図である。 制御マップの一例を示す図である。 冷却装置を示す図である。 冷却装置の処理の一例を示す図である。 図11Aとは異なる冷却装置の処理を示す図である。 図11A及び図11Bとは異なる冷却装置の処理を示す図である。 機体に慣性計測装置を設けた概略図である。 慣性計測装置が検出した慣性力と走行状態との関係を示す図である。 機体の慣性力の大きさに応じて、第1回転数N1及び第2回転数N2を変更した一例を示す図である。 走行操作部材の操作量と、走行装置の回転数との関係を示す図である。 走行操作部材の操作量に対して走行回転数M1,M2が低い場合の制御を示す図である。 走行操作部材の操作量に対して走行回転数M1,M2が高い場合の制御を示す図である。 走行操作部材の操作量と、走行車速との関係を示す図である。 走行操作部材の操作量に対して走行車速V1,V2が低い場合の制御を示す図である。 走行操作部材の操作量に対して走行車速V1,V2が高い場合の制御を示す図である。 エンジンに負荷が掛かった場合の制御を示す図である。 低下量ΔE1の移動平均値Daveと判定値W1との関係を示す図である。 エンジン回転数と、アシスト動作における力行トルクとの関係を示す図である。
以下、本発明に係る作業機の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る作業機1の側面図を示している。図1では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。尚、本発明において、作業機の運転席に着座した運転者の前側(図1の左側)を前方、運転者の後側(図1の右側)を後方、運転者の左側(図1の手前側)を左方、運転者の右側(図1の奥側)を右方として説明する。機体の前及び後に直交する方向を機体幅方向(幅方向)として説明することがある。
作業機1は、機体2と、作業装置3と、一対の走行装置4L、4Rとを備えている。
機体2の上部であって前部には、キャビン5が搭載されている。キャビン5の後部は、機体2のブラケットに支持軸回りに揺動自在に支持されている。キャビン5の前部は、機体2の前部に載置可能となっている。キャビン5内には運転席7が設けられている。
一対の走行装置4L,4Rは、クローラ式走行装置により構成されている。走行装置4Lは機体2の一方側(左側)に設けられ、走行装置4Rは、機体2の他方側(右側)に設けられている。
作業装置3は、ブーム10と、ブームシリンダ14、作業具シリンダ15、作業具11とを有する。ブーム10は、リフトリンク12及び制御リンク13に支持されている。ブーム10の基部側と機体2の後下部との間には、複動式の圧シリンダからなるブームシリンダ14が設けられている。ブームシリンダ14を同時に伸縮させることによりブーム10が上下に揺動する。ブーム10の先端側には、それぞれ装着ブラケット18が横軸回りに回動自在に枢支され、左及び右に設けられた装着ブラケット18に作業具11の背面側が取り付けられている。即ち、ブーム10の先端部に作業具11が装着されている。
また、装着ブラケット18とブーム10の先端側中途部との間には、複動式の油圧シリンダからなる作業具シリンダ15が介装されている。作業具シリンダ15の伸縮によって作業具11が揺動(スクイ・ダンプ動作)する。
作業具11は、装着ブラケット18に対して着脱自在とされている。作業具11は、例えば、バケット、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
次に、機体について説明する。
図2に示すように、機体2は、右枠部20と、左枠部21と、前枠部22と、底枠部23と、上枠部24とを有する。
右枠部20は、機体2の右部を構成する。左枠部21は、機体2の左部を構成する。前枠部22は、機体2の前部を構成し、右枠部20と左枠部21の前部同士を連結している。底枠部23は、機体2の底部を構成し、右枠部20と左枠部21の下部同士を連結している。上枠部24は、機体2の後部寄りの上部を構成し、右枠部20と左枠部21の後部寄りの上部同士を連結している。
右枠部20及び左枠部21の後部は、ブーム10等を揺動自在に支持している。右枠部20及び左枠部21は、トラックフレーム25と、モータ取付部26とが設けられている。
図3に示すように、機体2には、エンジン60、冷却ファン61、ラジエータ、モータ・ジェネレータ63、油圧駆動装置64が設けられている。エンジン60は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関である。冷却ファン61は、エンジン60の動力によって駆動する冷却用のファンであり、ラジエータは、エンジン60の冷却水を冷却する。モータ・ジェネレータ63は、モータとして作動してエンジン60の駆動をアシストするアシスト動作と、エンジン60の動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行う装置である。モータ・ジェネレータ63は、モータ・ジェネレータであって、駆動式として、永久磁石埋込式の三相交流同期モータが採用されている。
油圧駆動装置64は、エンジン60及び/又はモータ・ジェネレータ63の動力に駆動する装置で、主に作業のための動力を出力する。油圧駆動装置64は、モータ・ジェネレータ63の前方に設けられている。油圧駆動装置64は、複数の油圧ポンプを含んでいて、例えば、図5、図6に示すように、複数の油圧ポンプは、走行ポンプ52Lと、走行ポンプ52Rと、サブポンプP1と、メインポンプP2とを含んでいる。
また、機体2には、バッテリ66、電力制御装置67が設けられている。バッテリ66は、モータ・ジェネレータ63で発電した電力を充電したり、充電した電力をモータ・ジェネレータ63等に供給する。
作業機1は、エンジン60の動力で油圧駆動装置64を駆動したり、エンジン60及びモータ・ジェネレータ63の両方で油圧駆動装置64を駆動したり、エンジン60の動力でモータ・ジェネレータ63を作動させて発電することが可能である。即ち、作業機の動力の伝達は、パラレルハイブリッド式である。エンジン60及びモータ・ジェネレータ63の動力伝達構造について説明する。
図3、4に示すように、エンジン60の前部には、略円板状のフライホイール及びモータ・ジェネレータ63を収容するハウジング65が設けられている。モータ・ジェネレータ63は、フライホイールに連結する連結部63aと、連結部63aに固定されたロータ63b、ロータ63bに設けられた固定子63cと、固定子63cの外側に設けられたウォータジャケット63dとを有している。
連結部63aは、筒状に形成されていて後端がフライホイールに取り付けられている。連結部63aの内部には、中間軸68aが設けられている。中間軸68aの後端には、カップリング68bが設けられ、カップリング68bの外側は、フライホイールに接続されている。また、中間軸68aの前端は、油圧駆動装置64の駆動軸が接続されている。
したがって、エンジン60を駆動した場合、エンジン60のクランク軸(出力軸)60aの回転動力は、フライホイールに伝達され、フライホイールを回転させる。図4の矢印F1に示すように、フライホイールの回転動力は、カップリング68bから中間軸68aに伝達された後、中間軸68aから油圧駆動装置64の駆動軸に伝達して、当該油圧駆動装置64を駆動することができる。
また、図4の矢印F2に示すように、フライホイールの回転動力は、連結部63aを介してロータ63bに伝達される。したがって、エンジン60の回転動力をロータ63b(連結部63a)に伝達することによって、モータ・ジェネレータ63を発電機として作動させることができる。一方、バッテリ66に蓄電した電力を、固定子63cに供給することによって、ロータ63bを回転させることができる。矢印F3に示すように、ロータ63bの回転動力は、連結部63aを介してフライホイールに伝達することができる。したがって、モータ・ジェネレータ63を電動機として作動させ、エンジン60の補助をすることができる。
図5、図6は、作業機の油圧回路(油圧システム)を示している。図5は、走行系の油圧システム、図6は、作業系の油圧システムである。
図5に示すように、走行系の油圧システムは、油圧駆動装置64が駆動したときの油圧によって走行装置4L,4Rを作動させるシステムである。走行系の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプであるサブポンプP1と、第1走行モータ機構31Lと、第2走行モータ機構31Rと、走行駆動機構34とを備えている。
サブポンプP1は、定容量型のギヤポンプによって構成されている。サブポンプP1は、タンク(作動油タンク)に貯留された作動油を吐出可能である。サブポンプP1の吐出側には、作動油を流す吐出油路40が設けられている。吐出油路40の吐出側には、第1チャージ油路41が接続されている。第1チャージ油路41は、走行駆動機構34に至っている。サブポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
走行駆動機構34は、第1走行モータ機構31L及び第2走行モータ機構31Rを駆動する機構であって、第1走行モータ機構31Lの駆動用の駆動回路(左用駆動回路)34Lと、第2走行モータ機構31Rの駆動用の駆動回路(右用駆動回路)34Rとを有している。
駆動回路34L,34Rは、それぞれ走行ポンプ52L、52Rと、変速用油路57h,57iと、第2チャージ油路42と、を有している。変速用油路57h,57iは、走行ポンプ52L、52Rと走行モータ36L、36Rとを接続する油路である。第2チャージ油路42は、変速用油路57h,57iに接続され、サブポンプP1からの作動油を変速用油路57h,57iに補充する油路である。走行ポンプ52L、52Rは、エンジン60の動力によって駆動される斜板形可変容量アキシャルポンプである。走行ポンプ52L、52Rは、パイロット圧が作用する受圧部52aと受圧部52bとを有し、受圧部52a,52bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜版の角度を変更することによって、走行ポンプ52L、52Rの出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。言い換えれば、走行ポンプ52L、52Rは、斜板の角度を変更されることによって、走行装置4L,4Rへ出力する駆動力を変更する。
第1走行モータ機構31Lは、機体2の左側に設けられた走行装置4Lの駆動軸に動力を伝達する機構である。第2走行モータ機構31Rは、機体2の右側に設けられた走行装置4Rの駆動軸に動力を伝達する機構である。第1走行モータ機構31Lは、走行モータ36L、36Rと、変速機構を有している。
走行モータ36L、36Rは、例えば、斜板形可変容量アキシャルモータである。走行モータ36Lは、左枠部21側のモータ取付部26に取り付けられ、走行装置4Lに走行の動力を伝達する。走行モータ36Rは、右枠部20側のモータ取付部26に取り付けられ、走行装置4Rに走行の動力を伝達する。走行モータ36L、36Rは、車速(回転)を1速或いは2速に変更することができるモータである。言い換えれば、走行モータ36L、36Rは、作業機1、即ち、走行装置4L、4Rの推進力を変更することができるモータである。
変速機構は、斜板切換シリンダ38aと、走行切換弁38bとを含んでいる。斜板切換シリンダ38aは、伸縮によって走行モータ36L、36Rの斜板の角度を変更するシリンダである。走行切換弁38bは、斜板切換シリンダ38aを一方側或いは他方側に伸縮させる弁であって、第1位置39a及び第2位置39bに切り換わる二位置切換弁である。走行切換弁38bの切換は、変速切換弁44により行う。変速切換弁44は、吐出油路40に接続され且つ第1走行モータ機構31Lの走行切換弁38b及び第2走行モータ機構31Rの走行切換弁38bに接続されている。変速切換弁44は、第1位置44aと第2位置44bとに切り換え可能な二位置切換弁である。変速切換弁44を第1位置44aにすると、変速機構の走行切換弁38bに作用させる作動油の圧力を所定の速度(例えば、1速)に設定する。また、変速切換弁44を第1位置44aにすると、走行切換弁38bに作用させる作動油の圧力を所定の速度(1速)よりも早く速度(2速)に設定する。したがって、変速切換弁44が第1位置44aの場合、走行切換弁38bは第1位置39aになり、これに伴って、斜板切換シリンダ38aは収縮し、走行モータ36L、36Rを1速にすることができる。また、変速切換弁44が第2位置44bの場合、走行切換弁38bは第2位置39bになり、これに伴って、斜板切換シリンダ38aは伸長し、走行モータ36L、36Rを2速にすることができる。なお、走行モータ36L、36Rを1速又は2速の変速は作業制御装置70の制御により行う。例えば、作業制御装置70には、スイッチ(変速スイッチ)等の操作部材58が設けられている(図8参照)。操作部材58を1速に切り換えると、作業制御装置70は、変速切換弁44のソレノイドを消磁する制御信号を出力して当該変速切換弁44を第1位置44aにする。また、操作部材58を2速に切り換えると、作業制御装置70は、変速切換弁44のソレノイドを励磁する制御信号を出力して当該変速切換弁44を第2位置44bにする。
図5に示すように、作業機1は、操作装置53を備えている。操作装置53は、走行装置4L,4R、即ち、第1走行モータ機構31L、第2走行モータ機構31R及び走行駆動機構34を操作する装置である。操作装置53は、走行操作部材54と、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)とを有している。複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)は、走行操作弁である。
走行操作部材54は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材である。また、複数の操作弁55は、共通、即ち、1本の走行操作部材54によって操作される。複数の操作弁55は、走行操作部材54の揺動に基づいて作動する。複数の操作弁55には、吐出油路40を介して、サブポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55a、操作弁55b、操作弁55c及び操作弁55dである。
複数の操作弁55と、走行系の走行駆動機構34(走行ポンプ52L,52R)とは、走行油路45によって接続されている。走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ52Lの受圧部52aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ52Lの受圧部52bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ52Rの受圧部52aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ52Rの受圧部52bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。第5走行油路45eは、複数のシャトル弁46と、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)とを接続している。
走行操作部材54を前方(図5では矢示A1方向)に揺動させると、操作弁55aが操作されて該操作弁55aによりパイロット圧が設定され、走行ポンプ52L、52Rの受圧部52aに設定されたパイロット圧が作用して、走行ポンプ52L、52Rの斜板が中立位置から正転側に傾くことにより、走行ポンプ52L、52Rが作動油を吐出する。その結果、走行モータ36L、36Rの出力軸35L,35Rが走行操作部材54の揺動量に比例した速度で正転(前進回転)して作業機1が前方に直進する。
また、走行操作部材54を後方(図5では矢示A2方向)に揺動させると、操作弁55bが操作されて該操作弁55bによりパイロット圧が設定され、走行ポンプ52L、52Rの受圧部52bに設定されたパイロット圧が作用して、走行ポンプ52L、52Rの斜板が中立位置から逆転側に傾くことにより、走行ポンプ52L、52Rが作動油を吐出する。その結果、走行モータ36L、36Rの出力軸35L,35Rが走行操作部材54の揺動量に比例した速度で逆転(後進回転)して作業機1が後方に直進する。
また、走行操作部材54を右方(図5では矢示A3方向)に揺動させると、操作弁55cが操作されて該操作弁55cによりパイロット圧が設定され、走行ポンプ52Lの受圧部52a及び走行ポンプ52Rの受圧部52bに設定されたパイロット圧が作用して、走行ポンプ52Lの斜板が正転側、走行ポンプ52Rが逆転側に傾く。その結果、左側の走行モータ36Lの出力軸35Lが正転し且つ右側の走行モータ36Rの出力軸35Rが逆転して作業機1が右側に旋回(超信地旋回)する。走行操作部材54を左方(図5では矢示A4方向)に揺動させると、操作弁55dが操作されて該操作弁55dによりパイロット圧が設定され、走行ポンプ52Lの受圧部52b及び走行ポンプ52Rの受圧部52aに設定されたパイロット圧が作用して、走行ポンプ52Lの斜板が逆転側、走行ポンプ52Rが正転側に傾く。その結果、左側の走行モータ36Lの出力軸35Lが逆転し且つ右側の走行モータ36Rの出力軸35Rが正転して作業機1が左側に旋回(超信地旋回)する。
また、走行操作部材54を斜め方向に揺動させると、受圧部52aと受圧部52bとに作用するパイロット圧の差圧によって、左方の走行モータ36L及び右側の走行モータ36Rの出力軸35L,35Rの回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右旋回(右の信地旋回)又は左旋回(左の信地旋回)する。
さて、作業機1は、アンチストール制御弁48を備えていてもよい。アンチストール制御弁48は、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)と、サブポンプP1の間の油路(吐出油路40)に設けられている。アンチストール制御弁48は、電磁比例弁であって開度を変更することができる。アンチストール制御弁48は、エンジン60の回転数(エンジン回転数)の低下量(ドロップ量)ΔE1に基づいて、複数の操作弁55(55a、55b、55c、55d)に作用するパイロット圧(一次パイロット圧)を設定可能である。エンジンの回転数は、エンジン回転数の検出センサ91により検出することができる。検出センサ91で検出されたエンジン回転数は、作業制御装置70に入力される。
図7は、エンジン回転数と、走行一次圧(一次パイロット圧)と、設定線L51、L52の関係を示している。設定線L51は、低下量ΔE1が所定未満(アンチストール判定値未満)である場合のエンジン回転数と、走行一次圧との関係を示している。設定線L52は、低下量ΔE1がアンチストール判定値以上である場合のエンジン回転数と、走行一次圧との関係を示している。
作業制御装置70は、低下量ΔE1がアンチストール判定値未満である場合、エンジン回転数と走行一次圧との関係が、設定線L51で示された基準パイロット圧に一致するように、アンチストール制御弁48の開度を調整する。また、作業制御装置70は、低下量ΔE1がアンチストール判定値以上である場合、エンジン回転数と走行一次圧との関係が、基準パイロット圧よりも低い設定線L52に一致するように、アンチストール制御弁48の開度を調整する。設定線L52では、所定のエンジン回転数に対する走行一次圧が、設定線L51の走行一次圧よりも低い。即ち、同一のエンジン回転数に着目した場合、設定線L52の走行一次圧は、設定線L51の走行一次圧よりも低く設定される。したがって、設定線L52に基づく制御によって、操作弁55に入る作動油の圧力(パイロット圧)が低く抑えられる。その結果、走行ポンプ52L、52Rの斜板角が調整され、エンジンに作用する負荷が減少し、エンジンのストールを防止することができる。なお、図7では、1本の設定線L52を示しているが、設定線L52は複数であってもよい。例えば、エンジン回転数毎に設定線L52が設定されていてもよい。また、設定線L51及び設定線L52を示すデータ、或いは、関数等の制御パラメータ等は、作業制御装置70が有していることが好ましい。
次に、作業系の油圧システムについて説明する。
図6に示すように、作業系の油圧システムは、作業装置3等を作動させるシステムである。作業系の油圧システムは、油圧駆動装置64が駆動したときの油圧によって作業装置3を作動させるシステムである。作業系の油圧システムは、複数の制御弁51と、作動油を吐出する油圧ポンプであるメインポンプP2を備えている。メインポンプP2は、サブポンプP1とは異なる位置に配置されたポンプであって、低容量型のギヤポンプによって構成されている。メインポンプP2は、作動油タンクに貯留された作動油を吐出可能である。特に、メインポンプP2は、主に油圧アクチュエータを作動させる作動油を吐出する。
メインポンプP2の吐出側には、油路51fが設けられている。この油路51fには、複数の制御弁51が接続されている。複数の制御弁51は、ブーム制御弁51aと、バケット制御弁51bと、予備制御弁51cとを含んでいる。ブーム制御弁51aは、ブームシリンダ14を制御する弁であって、バケット制御弁51bは、作業具シリンダ15を制御する弁であって、予備制御弁51cは、予備アタッチメントの油圧アクチュエータを制御する弁である。
ブーム10、作業具11の操作は、操作装置43が有する作業操作部材37によって行うことができる。作業操作部材37は、複数の操作弁59に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作部材である。作業操作部材37を傾動操作することにより、作業操作部材37の下部に設けられた操作弁59を操作することができる。
複数の操作弁59と複数の複数の制御弁51とは、複数の作業油路47(47a、47b、47c、47d)によって互いに接続されている。具体的には、操作弁59aは、作業油路47aを介してブーム制御弁51aに接続されている。操作弁59bは、作業油路47bを介してブーム制御弁51aに接続されている。操作弁59cは、作業油路47cを介してバケット制御弁51bに接続されている。操作弁59dは、作業油路47dを介してバケット制御弁51bに接続されている。複数の操作弁59a~59dは、それぞれ作業操作部材37の操作に応じて出力する作動油の圧力を設定可能である。
作業操作部材37を前側に傾動させると、操作弁59aが操作されて当該操作弁59aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁51aの受圧部に作用し、当該ブーム制御弁51aの入った作動油をブームシリンダ14のロッド側に供給することにより、ブーム10は下降する。
作業操作部材37を後側に傾動させると、操作弁59bが操作されて当該操作弁59bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁51aの受圧部に作用し、当該ブーム制御弁51aに入った作動油をブームシリンダ14のボトム側に供給することにより、ブーム10は上昇する。
即ち、ブーム制御弁51aは作業操作部材37の操作によって設定された作動油の圧力(操作弁59aによって設定されたパイロット圧、操作弁59bによって設定されたパイロット圧)に応じて、ブームシリンダ14に流れる作動油の流量を制御可能である。
作業操作部材37を右側に傾動させると、操作弁59cが操作され、バケット制御弁51bの受圧部にパイロット圧が作用する。その結果、バケット制御弁51bは、作業具シリンダ15を伸長させる方向に作動し、作業操作部材37の傾動量に比例した速度で作業具11がダンプ動作する。
作業操作部材37を左側に傾動させると、操作弁59dが操作され、バケット制御弁51bの受圧部にパイロット油が作用する。その結果、バケット制御弁51bは、作業具シリンダ15を縮小させる方向に作動し、作業操作部材37の傾動量に比例した速度で作業具11がスクイ動作する。
即ち、バケット制御弁51bは、作業操作部材37の操作によって設定された作動油の圧力(操作弁59cによって設定されたパイロット圧、操作弁59dによって設定されたパイロット圧)に応じて、作業具シリンダ15に流れる作動油流量を制御可能である。つまり、操作弁59a,59b,59c,59dは、作業操作部材37の操作に応じて作動油の圧力を変化させ且つ変化後の作動油を、ブーム制御弁51a、バケット制御弁51b、予備制御弁51cなどの制御弁に供給する。
予備アタッチメントの操作は、運転席7の周囲に設けられたスイッチ56によって行うことができる(図8参照)。スイッチ56は、例えば、揺動自在なシーソ型スイッチ、スライド自在なスライド型スイッチ、或いは、押圧自在なプッシュ型スイッチで構成されている。スイッチ56の操作は、作業制御装置70に入力される。電磁弁等から構成された第1電磁弁56a及び第2電磁弁56bは、スイッチ56の操作量に応じて開く。その結果、第1電磁弁56a及び第2電磁弁56bに接続された予備制御弁51cにパイロット油が供給され、予備アタッチメントの予備アクチュエータは、予備制御弁51cから供給された作動油によって作動する。
なお、図8に示すように、操作部材(作業操作部材37、走行操作部材54)の操作量は、操作検出装置77により検出することが可能である。操作検出装置77は、後述する作業制御装置70に接続されている。操作検出装置77は、第1操作検出装置77Aと、第2操作検出装置77Bとを含んでいる。第1操作検出装置77Aは、作業操作部材37の操作量(作業操作量)を検出する。第2操作検出装置77Bは、走行操作部材54の操作量(走行操作量)を検出する。第1操作検出装置77A及び第2操作検出装置77Bは、操作部材の位置を検出するポジションセンサなどである。
図8は、作業機1における制御ブロック図を示している。図8に示すように、電力制御装置67と作業制御装置70とは接続されている。電力制御装置67は、インバータ67Aと、インバータ制御部67Bとを含んでいる。インバータ67Aは、例えば、複数のスイッチング素子を有し、スイッチング素子の切換等によって、直流を交流に変換などを行う。インバータ67Aは、モータ・ジェネレータ63及びバッテリ66に接続されている。インバータ制御部67Bは、CPU、電気電子回路等から構成され、インバータ制御部67Bに所定の信号を出力することで、モータ・ジェネレータ63をモータとして作動させたり、ジェネレータとして作動させる。バッテリ66の蓄電量(残量)は、当該バッテリ66に設けられた充電検出センサ97によって検出可能である。
作業制御装置70は、作業機の様々な制御を行う装置であって、CPU、電気電子回路等から構成されている。作業制御装置70は、油圧(作動油)に関する制御(油圧制御)を行う。作業制御装置70は、油圧制御では、上述したように、変速切換弁44、第1電磁弁56a及び第2電磁弁56bのソレノイドの励磁及び消磁を行う。また、作業制御装置70は、電力制御装置67を制御するコントローラとしても動作を行う。作業制御装置70は、アシスト指令をインバータ制御部67Bに出力して、インバータ制御部67Bは、モータ・ジェネレータ63をモータとして作動させる。作業制御装置70は、発電指令をインバータ制御部67Bに出力して、インバータ制御部67Bは、モータ・ジェネレータ63をジェネレータとして作動させる。つまり、作業制御装置70の制御によって、モータ・ジェネレータ63は、エンジン60の駆動をアシストするアシスト動作と、エンジン60の動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行うことができる。なお、作業制御装置70は、モータ・ジェネレータ63がアシスト動作する際の力行トルク、発電動作をする際の回生トルクの設定及び指令を電力制御装置67に行う。
モータ・ジェネレータ63がアシスト動作を行った場合、エンジン60及びモータ・ジェネレータ63の動力が油圧駆動装置64に伝達される。また、モータ・ジェネレータ63が発電動作を行った場合、エンジン60の動力が油圧駆動装置64に伝達され、モータ・ジェネレータ63で発電した電力はバッテリ66に充電される。モータ・ジェネレータ63は、バッテリ66に充電された電力によって駆動する。
なお、上述した実施形態では、作業制御装置70と、電力制御装置67とを別体に構成しているが一体に構成されていてもよく、上述した実施形態に限定されない。
作業制御装置70は、記憶部70aと、力行トルク設定部70bと、回生トルク設定部70cと、動作制御部70dとを有している。記憶部70aは、不揮発性メモリ等で構成されている。力行トルク設定部70b、回生トルク設定部70c及び動作制御部70dは、作業制御装置70に設けられた電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されている。記憶部70aと、力行トルク設定部70bと、回生トルク設定部70cと、動作制御部70dは、電力制御装置67に設けられていてもよい。
記憶部70aは、モータ・ジェネレータ63がアシスト動作及び充電動作のいずれかを行う場合の制御情報、例えば、図9に示すような制御マップを記憶している。制御マップは、エンジン60の回転数(エンジン回転数)と、アシスト動作及び充電動作の切換(動作切換)との関係、エンジン回転数とアシスト動作する場合の力行トルクとの関係、エンジン回転数と充電動作する場合の回生トルクとの関係を示している。なお、上述した実施形態では、制御情報は、制御マップであるとしたが、エンジン回転数と動作切換との関係、エンジン回転数とアシスト動作する場合の力行トルクとの関係、エンジン回転数と充電動作する場合の回生トルクとの関係は、制御テーブル、パラメータ、関数等で示してもよく、限定されない。
力行トルク設定部70bは、アシスト動作を行うときの力行トルクを設定する。図9に示すように、力行トルク設定部70bは、記憶部70aに記憶された制御マップ等の制御情報を参照し、例えば、標準ラインL1を用いてエンジン回転数に対して力行トルクを設定する。
回生トルク設定部70cは、発電動作を行うときの回生トルクを設定する。図9に示すように、回生トルク設定部70cは、力行トルク設定部70bと同様に、制御情報を参照し、例えば、標準ラインL1を用いてエンジン回転数に対して回生トルクを設定する。なお、標準ラインL1は、エンジン回転数に応じてトルクが変化する傾斜ラインL1aと、エンジン回転数に関わらずトルクが一定である一定ラインL1bとを含んでいる。
動作制御部70dは、エンジンの回転数が第1回転数N1以下である場合に力行トルク設定部70bで設定された力行トルクを電力制御装置67に出力することでアシスト動作を実行し、エンジンの回転数が第1回転数より大きい第2回転数N2以上である場合に回生トルク設定部70cで設定された回生トルクを電力制御装置67に出力することで発電動作を実行する。
図10に示すように、作業機1は、バッテリ66を冷却する冷却装置71を備えている。冷却装置71は、エンジン60の動力によって作動して、例えば、冷媒により温度が下げられた冷却風をバッテリ66に当てることにより当該バッテリ66を冷却する装置である。
冷却装置71は、油圧駆動装置64、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかの作動状態に基づいて停止する。冷却装置71は、例えば、油圧駆動装置64の出力が所定以上、作業装置3が作動したときの負荷が所定以上、走行装置4L,4Rが作動したときの負荷が所定以上のいずれかである場合に停止する。また、冷却装置71は、油圧駆動装置64の出力が所定未満、作業装置3が作動したときの負荷が所定未満、走行装置4L,4Rが作動したときの負荷が所定未満のいずれかである場合は作動する。
以下、冷却装置71の構造及び作動について詳しく説明する。
冷却装置71は、圧縮機(コンプレッサー)71aと、コンデンサ71bと、レシーバ71cと、エバポレータ71dと、冷却ファン71eを有している。圧縮機71aとコンデンサ71bとはパイプ等の冷却路72により接続され、レシーバ71cとエバポレータ71dとも冷却路72により接続されている。エバポレータ71d及び冷却ファン71eは、バッテリ66を収容するケース69内に収納されている。
圧縮機71aは、本体71a1と、駆動軸71a2とを、駆動軸71a2と共に回転するプーリ71a3とを含んでいる。プーリ71a3には、エンジン60の出力軸60aの回転に応じて回転するプーリ60bに巻かれたベルト60cが巻かれている。したがって、本体71a1には、エンジン60の出力軸60aからの回転動力が、プーリ60b、ベルト60c、プーリ71a3及び駆動軸71a2を介して伝達される。圧縮機71aは、ON/OFFに切り換え可能なスイッチ71a4が設けられている。圧縮機71aは、本体71a1に動力が伝達されている状態でスイッチ71a4をONすると電力が供給されることで作動し、本体71a1に動力が伝達されている状態でスイッチ71a4をOFFすると電力の供給が停止することで停止する。即ち、スイッチ71a4は電源スイッチである。
圧縮機71aが作動すると、冷却路72内の冷媒を圧縮してコンデンサ71bに吐出する。圧縮機71aが作動すると、冷媒を圧縮して、圧縮した冷媒を冷却路72にコンデンサ71bに吐出する。
コンデンサ71bは、冷却ファンが設けられていて冷媒の温度を下げる。コンデンサ71bを通過した冷媒は、レシーバ71cを介して、エバポレータ71dに向かい、エバポレータ71d内を通過した冷媒は、圧縮機71aに戻る。
なお、図10に示すように、冷却路72において、レシーバ71cとエバポレータ71dとの区間72aから分岐して冷却路73が接続され、冷却路73にキャビン5内に設けられるエアコン74が接続されていてもよい。また、冷却路72の区間72a及び冷却路73には、電磁弁等で構成された開閉弁75a、75bが接続されている。開閉弁75a、75bは、作業制御装置70によって切り換え可能であり、開閉弁75aを開放すると開閉弁75bは閉鎖され、開閉弁75aを閉鎖すると開閉弁75bは開放される。これにより、冷却路72,73の冷媒を、バッテリ66を冷却する側(エバポレータ71d)側、或いは、エアコン74側のいずれかに流すのを選択することができる。
図8に示すように、作業機1は、負荷検出部(負荷検出装置)76を備えている。負荷検出装置76は、少なくとも油圧駆動装置64、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかの作動状態、即ち、負荷を検出する。例えば、負荷検出装置76は、作動油の圧力を検出する圧力検出センサである。負荷検出装置76は、作業制御装置70に接続されている。
負荷検出装置(圧力検出センサ)76は、例えば、変速用油路57h,57iに設けられている。負荷検出装置)76が変速用油路57h,57iに設けた場合、走行ポンプ52L、52Rの作動後の圧力(ポンプ出力圧力)を検出することができ、当該ポンプ出力圧力を、走行ポンプ52L、52Rの負荷(出力負荷)、又は、走行装置4L,4Rの負荷(出力負荷)とすることができる。
また、負荷検出装置(圧力検出センサ)76は、作業装置3の油圧シリンダと制御弁51(ブーム制御弁51a、バケット制御弁51b)とを接続する油路に設けてもよい。この場合、負荷検出装置(圧力検出センサ)76によって、作業装置3の油圧シリンダ(ブームシリンダ14、作業具シリンダ15)の作動時の圧力(作業圧力)を作業装置3の負荷(出力負荷)とすることができる。
図11Aに示すように、作業制御装置70は、冷却装置71(圧縮機71a)が作動しているか否かを判断する(S1)、冷却装置71が作動している場合(S1、Yes)、走行ポンプ52L、52R、走行装置4L,4R及び作業装置3の油圧シリンダのいずれかの出力負荷を監視する(S2)。出力負荷が予め定められた判定負荷以上(S3、Yes)である場合、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONからOFFに切り換えることで冷却装置71(圧縮機71a)を停止する(S4)。一方、出力負荷が判定負荷未満(S3、No)である場合、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONに保持(維持)する。なお、判定負荷は、作業時及び走行時のいずれかにおいて、作業機1に負荷が大きくかかっているか否かを判断する値である。
上述した実施形態では、走行ポンプ52L、52R、走行装置4L,4R及び作業装置3の油圧シリンダのいずれかの出力負荷が判定負荷以上であるか否かを判断しているが、これに加えて、少なくとも2つの出力負荷を合わせた合計負荷が、判定負荷以上である場合に冷却装置71を停止してもよい。
また、操作部材(作業操作部材37、走行操作部材54)の操作量が所定以上である場合に、冷却装置71は停止してもよい。
図11Bに示すように、作業制御装置70は、冷却装置71(圧縮機71a)が作動している場合(S1、Yes)、第1操作検出装置77Aが検出した作業操作部材37の作業操作量及び第2操作検出装置77Bが検出した走行操作部材54の走行操作量のいずれかを監視する(S10)。作業操作量及び走行操作量のいずれかが予め定められた判定操作量以上(S11、Yes)である場合、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONからOFFに切り換える(S12)。一方、作業操作量及び走行操作量が判定操作量未満(S11、No)である場合、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONに保持(維持)する。なお、判定操作量は、作業装置3又は走行装置4L、4Rを急峻に作動させるか否かを判断する値である。
上述した実施形態では、作業操作量及び走行操作量のいずれかが判定操作量以上であるか否かを判断しているが、これに加えて、少なくとも2つの作業操作量と走行操作量とを合わせた合計操作量が、判定負荷以上である場合に冷却装置71を停止してもよい。
また、バッテリ66の温度に基づいて、冷却装置71を停止するか否かを判断してもよい。バッテリ66の温度は、温度検出装置78により検出する。温度検出装置78は、ケース69の内部に設けられていて、バッテリ66の温度を検出する。温度検出装置78は、作業制御装置70に接続されている。
図11Cに示すように、作業制御装置70は、冷却装置71が作動している場合(S1、Yes)、温度検出装置78で検出された温度(バッテリ温度)が冷却判定以上であるか否かを判断する(S20)。冷却判定は、バッテリ66の冷却が必要であるかを判断する値であって、例えば、50℃以上に設定されている。なお、冷却判定の値は限定されない。
バッテリ温度が冷却判定以上である場合(S20、No)、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONに保持(維持)する。一方、バッテリ温度が冷却判定未満である場合(S20、Yes)、作業制御装置70は、図11Aと同様に、出力負荷を監視し(S2)、出力負荷が判定負荷以上(S3、Yes)である場合、冷却装置71を停止する(S4)。一方、出力負荷が判定負荷未満(S3、No)である場合、作業制御装置70は、スイッチ71a4をONに保持(維持)する。
上述した実施形態では、スイッチ71a4をON/OFFに切り換えることによって、冷却装置71(圧縮機71a)を停止していたが、圧縮機71aの駆動軸71a2と出力軸60aとの間に電磁クラッチ等を設けて、作業制御装置70によって電磁クラッチを切断することにより冷却装置71(圧縮機71a)を停止してもよい。
作業機1は、機体2と、エンジン60と、モータ・ジェネレータ63と、バッテリ66と、冷却装置71と、油圧駆動装置64と、作業装置3と、走行装置4L,4Rと、を備え、冷却装置71は、油圧駆動装置64、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかの作動状態に基づいて停止する。これによれば、冷却装置71の停止によってエンジン60の駆動力を確保することができ、モータ・ジェネレータ63側における力行トルクなどを下げなくても、バッテリ66の蓄電容量を確保することができる。
作業機1は、油圧駆動装置64、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかの負荷を検出する負荷検出部(負荷検出装置)76を備え、負荷検出部(負荷検出装置)76で検出された負荷が所定以上である場合に、冷却装置71は停止する。これによれば、油圧駆動装置64、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかにおいて、出力負荷が掛かった場合に冷却装置71を停止することができるため、冷却装置71の停止によってエンジン60の駆動力を確保することができる。
作業装置3は、作業装置3及び走行装置4L,4Rのいずれかの操作を行う操作部材(作業操作部材37、走行操作部材54)を備え、操作部材(作業操作部材37、走行操作部材54)の操作量が所定以上である場合に、冷却装置71は停止する。これによれば、操作部材の操作量が所定以上であって出力が必要な時に効率よく冷却装置71を停止させることができる。即ち、操作部材の操作量に連動して、冷却装置71の作動を維持したり、停止することができる。
作業機1は、バッテリ66の温度を検出する温度検出装置78を備え、温度検出装置78によって検出した温度が所定以上である場合は、冷却装置71は停止しない。これによれば、バッテリ66の温度が高い場合は、冷却装置71による冷却を優先させることができる。
冷却装置71は、バッテリ66を冷却する冷媒を通過するエバポレータ71dと、エバポレータ71dを通過した冷媒を圧縮する圧縮機71aとを有し、圧縮機71aは、作動状態に基づいて停止する。これによれば、圧縮機71aによる冷媒の圧縮を停止させることで簡単に冷却装置71の全体を停止することができる。
さて、図8、図12に示すように、作業機1は、機体2の慣性力を計測する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)90を備えている。慣性計測装置90は、例えば、運転席7の下方、キャビン5の内部、キャビン5の天板(アウタールーフ)、底枠部23等に取り付けられている。慣性計測装置90の取り付け箇所は、上述した実施形態に限定されない。慣性計測装置90は、3軸(X,Y,Z軸)の角速度を検出するジャイロセンサと、角加速度を検出する角加速度計とを有している。言い換えれば、慣性計測装置90は、ジャイロセンサと、角加速度計との2つの加速度センサを有している装置である。なお、作業機1は、2つの加速度センサを有する慣性計測装置90を備えてなくてもよく、ジャイロセンサの単体であってもよい。
慣性計測装置90によって、機体2のロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することが可能である。慣性計測装置90は、作業制御装置70に接続されている。
作業制御装置70は、慣性計測装置90で計測した機体2の慣性力によって、機体2の走行状態を予測し、走行状態に基づいて、アシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行う。
以下、慣性計測装置90が検出した慣性力によるアシスト動作及び発電指令の設定について説明する。
図12に示すように、作業制御装置70は、慣性計測装置90が計測した機体2の前後の加速度(第1加速度)A1と、左右方向(幅方向)の加速度(第2加速度)A2と、作業機1(機体2)のヨーレートA3と、を参照する。
図13に示すように、作業制御装置70は、第1加速度A1が閾値以上で大きい場合は、機体2が直進したと予測する。また、作業制御装置70は、第1加速度A1が閾値未満である場合には機体2は直進以外の状態であると予測する。
また、作業制御装置70は、第2加速度A2及びヨーレートA3に基づいて、旋回であるか否かを予測する。例えば、作業制御装置70は、第2加速度A2が閾値以上で大きく且つ、ヨーレートA3も閾値以上で大きい場合は旋回(第1旋回)であると予測する。また、作業制御装置70は、第2加速度A2が閾値未満で且つ、ヨーレートA3が閾値以上である場合も旋回(第2旋回)であると予測する。一方、作業制御装置70は、第2加速度A2が閾値未満であり且つ、ヨーレートA3も閾値未満である場合、旋回以外と予測する。つまり、作業制御装置70は、第2加速度A2及びヨーレートA3によって2つの旋回、例えば、超信地旋回、信地旋回を予測するとともに、旋回以外も予測することができる。
以上のように、作業制御装置70は、慣性力によって機体2の走行状態(直進、第1旋回、第2旋回、旋回以外)を予測することができる。作業制御装置70は、走行状態(直進、第1旋回、第2旋回、旋回以外)に応じて、アシスト動作及び発電動作における様々な設定を行う。
力行トルク設定部70b及び回生トルク設定部70cのいずれかは、機体2の慣性力に応じて力行トルク及び回生トルクのいずれかのトルクの設定を変更する。例えば、図9に示すように、機体2の慣性力によって機体2の走行状態を予測した場合において、力行トルク設定部70b及び回生トルク設定部70cが、所定のエンジン回転数において、アシスト動作及び発電動作でのトルクを標準ラインL1よりも大きくする場合は、標準ラインL1の傾斜ラインL1aをエンジン回転数の高い側にシフトした補正ラインL2で示されるトルクに変更する。また、機体2の慣性力によって機体2の走行状態を予測した場合において、力行トルク設定部70bは、エンジン回転数の1回転当たりのトルクを標準ラインL1よりも大きくする場合は、補正ラインL3で示されるトルクに変更する。また、力行トルク設定部70bは、瞬時にトルクを大きくする場合は、補正ラインL4で示される
トルクに変更する。
例えば、走行状態として直進であると予測される場合は、力行トルク設定部70b及び回生トルク設定部70cは、標準ラインL1に基づいてトルクを設定する。走行状態として旋回(超信地旋回、信地旋回)が予測される場合は、力行トルク設定部70bは、補正ラインL3に基づいてトルクを設定する。特に、瞬間的なトルクが必要な場合は、力行トルク設定部70bは、補正ラインL4に基づいてトルクを設定する。走行状態として旋回以外が予測される場合は、力行トルク設定部70b及び回生トルク設定部70cは、補正ラインL2に基づいてトルクを設定する。なお、上述した例は一例であり限定されない。
補正ラインL2~L4は、記憶部70aに制御情報として予め用意されていてもよいし、エンジン回転数の低下量ΔE1等で演算してもよいし、第1回転数N1及び第2回転数N2との偏差量に標準ラインL1よりも傾きが大きくなるように計算式(関数)で求めてもよい。補正ラインL2~L4において、トルクの増加率(傾き)は、慣性力の大きさに応じて設定してもよい。
或いは、図14に示すように、作業制御装置70は、機体2の慣性力の大きさに応じて、標準ラインL1で示す第1回転数N1及び第2回転数N2を変更してもよい。図14に示すように、標準ラインL1の傾斜ラインL1aの傾きはそのままで、慣性力が大きくなるほど、第1回転数N1及び第2回転数N2を回転数の低い側にシフトする。なお、慣性計測装置90によって検出された慣性力に応じてトルク等を設定すればよく、上述した実施形態に限定されない。
作業機1は、機体2の加速度を計測可能な加速度センサと、加速度センサで計測した機体2の加速度に応じてアシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行う制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)とを備えている。これによれば、作業機1が作業によって様々な挙動を示したとしても、慣性計測装置90によって、作業時の挙動を検出することができるため、作業機1の動作に応じて簡単にトルク等の設定を行うことができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、加速度センサが計測した機体2の加速度に基づいて、機体2の走行状態を予測し、走行状態に基づいて、アシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行う。これによれば、慣性計測装置90によって様々な走行状態を予測することができ、予測した走行状態から直ぐにアシスト動作を行うか、或いは、発電動作を行うかを判断することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、機体2の前後の加速度が閾値以上である場合には走行状態として機体2が直進したと予測し、前後の加速度が閾値未満である場合には機体2が直進以外の状態であると予測し、直進と前記直進以外とに応じて、アシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行う。これによれば、機体2が直進するか否かで直ちにアシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行うことができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、機体2の幅方向の加速度及び機体のヨーレートに基づいて、走行状態として旋回であるか否かを予測し、旋回と旋回以外とに応じて、アシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行う。これによれば、機体2が旋回するか否かで直ちにアシスト動作及び発電動作のいずれかの設定を行うことができる。
力行トルク設定部70b及び回生トルク設定部70cのいずれかは、機体2の加速度に応じて力行トルク及び回生トルクのいずれかのトルクの設定を変更する。これによれば、加速度の増減等によって、適正な力行トルク、回生トルクを変更することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、機体2の加速度に応じて第1回転数N1及び第2回転数N2のいずれかを変更する。これによれば、作業機1が作動したときの加速度に応じて、アシスト動作を強めるのか、発電動作を強めるのかを簡単に設定することができる。
さて、作業制御装置70は、アシスト動作を行っているときの走行装置4L,4Rへの入力状態と、走行装置4L,4Rが出力する出力状態とに乖離がある場合に、アシスト動作を停止又は制限してもよい。例えば、運転者が走行操作部材54を操作している状況下で、走行装置4L,4Rが空回りしたり、走行装置4L,4Rの回転が停止したり、機体2の速度(車速)が遅すぎたり、速すぎたりする場合など、アシスト動作の効果が見込めないときに、アシスト動作を停止又は制限する。
以下、走行装置4L,4Rへの入力状態と、走行装置4L,4Rが出力する出力状態とに乖離がある場合の動作について説明する。以下の説明では、作業制御装置70を例にとり説明するが、作業制御装置70に代えて電力制御装置67が同様の動作を行ってもよい。
図8に示すように、作業機1は、走行装置4L,4Rの回転数を検出する回転検出装置85を備えている。回転検出装置85は、走行モータ36L、36Rの出力軸35L、35Rのそれぞれの回転数M1,M2を検出するセンサである。
作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量を入力状態とし且つ回転検出装置85で検出された回転数M1、M2を出力状態とした場合に、走行操作部材54の操作量に対して回転数M1,M2が低い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。
例えば、図15に示すように、走行操作部材54を前進側に操作したときの回転検出装置85が検出した回転数(走行回転数)M1,M2は、ラインL6に示すように徐々に増加する場合は、作業制御装置70はアシスト動作を継続する。一方、走行回転数M1,M2がラインL7aに示すようにほとんど回転しない、或いは、走行装置4L,4Rの回転が停止している場合に、作業制御装置70はアシスト動作を停止する。
図16Aは、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2が低い場合の処理(制御)を示している。図16Aに示すように、作業制御装置70は、アシスト動作が行われている場合(S30、Yes)、回転検出装置85が検出した走行回転数M1,M2を参照する(S31)。また、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量又は操作量で設定された設定回転数のいずれかを参照する(S32)。作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対する走行回転数M1,M2の両方が所定以上低いか否かを判断する(S33)。例えば、図15に示すように、所定の操作量に対して設定された設定回転数(ラインL6で設定される回転数)と回転検出装置85が検出した走行回転数M1,M2との差である回転差ΔM1、ΔM2が所定以上で且つ走行回転数M1,M2の両方が所定以上低い場合(S33、Yes)、例えば、走行回転数M1,M2の回転数が低く、走行装置4L,4Rが停止している或いは、走行装置4L,4Rが空回りしている場合など、アシスト動作を停止又は制限する(S34)。なお、アシスト動作を制限する場合は、力行トルク設定部70bが標準ラインL1によって設定したトルクを減少させる。例えば、トルク減少量は、回転差ΔM1、ΔM2の大きさに応じて設定してもよい(トルク減少量=回転差ΔM1、ΔM2×定数)。
また、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2の両方が高い場合にもアシスト動作を停止する。
また、図15に示すように、回転検出装置85で検出された走行回転数M1,M2の両方がラインL7bに示すように高い場合、作業制御装置70はアシスト動作を停止又は制限する。
図16Bは、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2が高い場合の処理(制御)を示している。図16BのS31~S32は、図16Aと同様である。図16Bに示すように、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対する走行回転数M1,M2が所定以上高い否かを判断する(S35)。例えば、図15に示すように、所定の操作量に対して設定された設定回転数と回転検出装置85が検出した走行回転数M1,M2との回転差ΔM1、M2が所定以上で且つ走行回転数M1,M2が所定以上高い場合(S35、Yes)、例えば、走行回転数M1,M2の回転数が高く、走行装置4L,4Rが坂道で加速している場合など、アシスト動作を停止又は制限する(S36)。シスト動作を制限する方法は、上述した方法と同じである。
なお、上述した実施形態では、走行操作部材54の操作量に対して走行装置4L,4Rの走行回転数M1,M2が所定以上低い場合及び所定以上高いいずれかの場合に、アシスト動作を停止又は制限していたが、これに代えて、機体の速度(車速)に基づいて、アシスト動作を停止又は制限してもよい。
図8に示すように、作業機1は、機体2の車速を検出する車速検出装置86を備えている。車速検出装置86は、走行モータ36L、36Rの出力軸35L、35Rのそれぞれの走行回転数M1,M2を走行車速V1、V2に変換する装置である。なお、車速検出装置86は、走行回転数M1,M2を走行車速V1、V2に変換する装置であったが、これに代えて、作業機1の走行装置4L,4Rの駆動部分の回転を走行車速V1、V2に変換してもよいし、車軸等の回転を走行車速V1、V2に変換してもよく限定されない。
作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量を入力状態とし且つ車速検出装置86で検出された走行車速V1、V2を出力状態とした場合に、走行操作部材54の操作量に対して走行車速V1、V2が遅い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。
例えば、図17に示すように、走行操作部材54を前進側に操作したときの走行車速V1、V2は、徐々に増加する場合は、作業制御装置70はアシスト動作を継続する。一方、走行車速V1、V2がラインL8aに示すようにほとんど上昇(増加)しない場合、作業制御装置70はアシスト動作を停止する。
図18Aに示すように、作業制御装置70は、アシスト動作が行われている場合(S40、Yes)、車速検出装置86が検出した走行車速V1,V2を参照する(S41)。また、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量又は操作量で設定された車速のいずれかを参照する(S42)。作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対する走行車速V1,V2の両方が所定以上低いか否かを判断する(S43)。例えば、図17に示すように、ラインL6によって操作量に応じて設定された設定車速と、車速検出装置86が検出した走行車速V1,V2との車速差ΔV1、ΔV2が所定以上で且つ走行車速V1,V2の両方が所定以上低い場合(S43、Yes)、例えば、走行車速V1,V2が遅く、走行装置4L,4Rが停止している或いは、走行装置4L,4Rが空回りしている場合など、アシスト動作を停止又は制限する(S44)。なお、アシスト動作を制限する場合は、力行トルク設定部70bが標準ラインL1によって設定したトルクを減少させる。例えば、トルク減少量は、車速差ΔV1、ΔV2の大きさに応じて設定してもよい(トルク減少量=車速差ΔV1、ΔV2×定数)。
また、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対して走行車速V1,V2の両方が高い場合にもアシスト動作を停止する。
図17に示すように、走行操作部材54を前進側に操作したときの走行車速V1,V2がラインL8bに示すように高い場合、作業制御装置70はアシスト動作を停止又は制限する。
図18Bは、走行操作部材54の操作量に対して走行車速V1,V2が高い場合の動作を示している。図18BのS41~S42は、図18Aと同様である。図18Bに示すように、作業制御装置70は、走行操作部材54の操作量に対する走行車速V1,V2が所定以上高い否かを判断する(S45)。例えば、図17に示すように、所定の操作量に対して設定された設定車速と車速検出装置86が検出した走行車速V1,V2とのΔM1、M2が所定以上で且つ走行車速V1,V2が所定以上高い場合(S45、Yes)、例えば、走行車速V1,V2が速く、走行装置4L,4Rが坂道で加速している場合など、アシスト動作を停止又は制限する(S46)。アシスト動作を制限する方法は、上述した方法と同じである。
なお、力行トルク設定部70bは、エンジン60の負荷が増加している場合は力行トルクを増加させ、エンジン60の負荷が減少している場合は力行トルクを減少させる。言い換えれば、力行トルク設定部70bは、検出センサ91で検出したエンジン回転数が減少している場合は力行トルクを増加させ、エンジン回転数が増加している場合は力行トルクを減少させる。
詳しくは、図21に示すように、作業制御装置70(動作制御部70d)によって、アシスト動作を行っている状況下において、時点P50以降において、検出センサ91で検出したエンジン回転数E1が徐々に低下した場合、力行トルク設定部70bは、エンジン回転数E1の低下に伴って、時点P50から徐々に力行トルクを増加させる。時点P51以降において、エンジン回転数E1が徐々に上昇をし始めると、力行トルク設定部70bは、時点51から徐々にエンジン回転数E1の低下に伴って徐々に力行トルクを減少させる。言い換えれば、アシスト動作を行っている状況下において、エンジン回転数E1が下降する下降区間T50では、力行トルク設定部70bは、力行トルクを増加させ、エンジン回転数E1が上昇する上昇区間T51では、力行トルク設定部70bは、力行トルクを減少させる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、モータ・ジェネレータ63がアシスト動作を行っているときの走行装置4L,4Rへの入力状態と、走行装置4L,4Rが出力する出力状態とに乖離がある場合に、アシスト動作を停止又は制限する。これによれば、走行装置4L,4Rへの入力状態と走行装置4L,4Rが出力する出力状態とに乖離がある場合においては、モータ・ジェネレータ63がアシスト動作を行っても効果が無いため、無駄なアシスト動作を行うことがなく、全体として、アシストが必要なときに、アシスト動作を行うこととなり、モータ・ジェネレータによって効率よくアシストを行うことができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2の回転数が低い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。これによれば、例えば、機体2を土砂などの運搬物に対して突っ込むことで、作業具内に土砂を入れ込む作業(掬い作業)など、機体2等が前方等に進まない場合とき、走行装置4L,4Rが空回りする場合等に、無駄なアシスト動作を行うことを防止することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2の回転数が高い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。これによれば、走行操作部材54の操作量に対して走行回転数M1,M2の回転数が高く、下り坂等を走行している場合に、無駄なアシスト動作を行うことを防止することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行操作部材54の操作量に対して走行車速V1,V2の遅い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。これによれば、掬い作業など、走行装置4L,4Rが空回りする場合等に、無駄なアシスト動作を行うことを防止することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行操作部材54の操作量に対して走行車速V1,V2が速い場合に、アシスト動作を停止又は制限する。これによれば、下り坂等を走行している場合に、無駄なアシスト動作を行うことを防止することができる。
力行トルク設定部70bは、走行装置4L,4Rへの入力状態と、走行装置4L,4Rが出力する出力状態とに乖離がある場合に、力行トルクを減少させる。これによれば、アシスト動作する際でのバッテリ66における電力の消費を抑えることができる。
作業制御装置70は、エンジン回転数の低下量(ドロップ量)ΔE1が所定以上である場合に、例えば、アンチストール制御弁48の開度を設定することで、油圧駆動装置64の出力を制限し且つ、アシスト動作を制限してもよい。例えば、作業制御装置70は、走行ポンプ52L、52Rの出力を制限し、アシスト動作の力行トルクの制限を行う。
以下、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上である場合の動作について説明する。以下の説明では、作業制御装置70を例にとり説明するが、作業制御装置70に代えて電力制御装置67が同様の動作を行ってもよい。
図19に示すように、作業制御装置70は、アシスト動作が行われている場合(S50、Yes)、エンジン回転数の低下量ΔE1を監視する(S51)。低下量ΔE1がアンチストール判定値以上である場合(S52、Yes)、設定線L52に基づいてアンチストール制御弁48の開度を設定する(S53)。また、作業制御装置70は、低下量ΔE1の移動平均値Daveが判定値W1以上であるか否かを判断する(S54)。作業制御装置70は、図20に示すように、低下量ΔE1の移動平均値Daveが、予め定められた判定値W1以上である場合(S54、Yes)、力行トルク設定部70bが標準ラインL1に対応して設定した力行トルクよりも減少させる(S55)。なお、低下量ΔE1の移動平均値Daveが、予め定められた所定期間T10以上が判定値W1以上となる場合に、力行トルク設定部70bが標準ラインL1に対応して設定した力行トルクよりも減少させてもよい。
例えば、低下量ΔE1の移動平均値Daveが判定値W1未満であるときの力行トルクを「J1」とした場合、作業制御装置70の力行トルク設定部70bは、低下量ΔE1の移動平均値Daveが判定値W1以上である場合の力行トルクJ2を、力行トルクJ1よりも小さくする(J2<J1)。言い換えれば、力行トルク設定部70bは、低下量ΔE1の移動平均値Daveが判定値W1以上の期間T1は、標準ラインL1に対応した力行トルクよりも減少させる。例えば、図9に示すように、力行トルク設定部70bは、一定ラインL1bで設定された力行トルクJ1よりも、ラインL15によって設定された力行トルクJ2に設定する。
なお、ラインL15の傾き、即ち、力行トルクの減少量は、予め定められた値にしてもよいし、ドロップ量ΔE、即ち、移動平均値Daveに基づいて、減少量を設定してもよい。
また、作業制御装置70は、移動平均値Daveが判定値W1以上である場合、エンジン回転数が所定値であるときの設定線L52の走行一次圧をより小さくしてもよい。即ち、設定線L52で設定する圧力と、設定線L51で設定される基準パイロット圧との差(低下圧)を、より大きくしてもよい。即ち、図7に示すように、作業制御装置70は、移動平均値Daveが判定値W1以上である場合、設定線L52の傾きを設定線L52aのように変更したり、設定線L52bのように平行移動することによって、設定線L52によって設定される設定線L52を大きくする。
なお、上述した実施形態では、低下量ΔE1の移動平均値Daveを基準に、力行トルクを減少させているが、これに代えて、エンジン回転数の低下量ΔE1の推移(減衰率)をローパスフィルターにより求めて、減衰率が判定値W1以上である場合に、力行トルクを減少させてもよい。この場合も力行トルクの減少方法は、上述した方法と同様である。
また、上述した実施形態では、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上になった場合に、アンチストール制御弁48の開度を調整していたが、アンチストール制御弁48が設けていない作業機1などは、低下量ΔE1がアンチストール判定値以上である場合(S52、Yes)、走行モータ36L、36Rを2速から1速に減少させてもよい。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上である場合に、油圧駆動装置64の出力を制限し且つ、アシスト動作を制限する。これによれば、エンジン60の状態に応じて油圧駆動装置64の出力を制限するだけでなく、アシスト動作を制限している。例えば、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上となるような過負荷状態では、油圧駆動装置64の出力を制限することによってエンジン60への過負荷を低減する一方、アシスト動作を制限することで、バッテリ66の蓄電容量の低下を抑制することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行ポンプ52L、52Rの出力を制限し、アシスト動作における力行トルクの制限を行う。これによれば、走行ポンプ52L、52Rの出力を絞る状況の中で、力行トルクの制限することで、バッテリ66の蓄電容量の低下を抑制することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上である場合に、走行操作弁55から出力される走行一次圧を制限する。制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、エンジン回転数の低下量ΔE1が所定以上である場合に、アンチストール制御弁48の走行一次圧(一次パイロット圧)を予め定められた基準パイロット圧よりも小さくする。これによれば、走行操作弁55から出力される走行一次圧を制限することで、エンジン60のストールを効率的に防止することができる。
制御装置(作業制御装置70、電力制御装置67)は、走行一次圧と基準パイロット圧との差である低下圧を、エンジン回転数の低下量ΔE1に基づいて設定する。これによれば、より、エンジン60への負荷を低減することができる。
力行トルク設定部70bは、エンジン回転数の低下量ΔE1に基づいて、力行トルクを減少させる。これによれば、エンジン60の負荷に応じて、力行トルクを調整することができる。
上述した実施形態では、作業操作部材37及び走行操作部材57を操作した場合に操作弁55、59をパイロット圧を変化させる構成であったが、電動型の操作部材であってもよい。即ち、操作装置43,53は電気信号によって、油圧駆動装置64、制御弁51、48を作動させる装置であってもよい。
以上本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :作業機
2 :機体
3 :作業装置
4L :走行装置
4R :走行装置
5 :キャビン
7 :運転席
10 :ブーム
11 :作業具
12 :リフトリンク
13 :制御リンク
14 :ブームシリンダ
15 :作業具シリンダ
18 :装着ブラケット
20 :右枠部
21 :左枠部
22 :前枠部
23 :底枠部
24 :上枠部
25 :トラックフレーム
26 :モータ取付部
31L :第1走行モータ機構
31R :第2走行モータ機構
34 :走行駆動機構
34L :駆動回路
34R :駆動回路
35L :出力軸
35R :出力軸
36L :走行モータ
36R :走行モータ
37 :作業操作部材
38a :斜板切換シリンダ
38b :走行切換弁
39a :第1位置
39b :第2位置
40 :吐出油路
41 :第1チャージ油路
42 :第2チャージ油路
43 :操作装置
44 :変速切換弁
44a :第1位置
44b :第2位置
45 :走行油路
45a :第1走行油路
45b :第2走行油路
45c :第3走行油路
45d :第4走行油路
45e :第5走行油路
46 :シャトル弁
47 :作業油路
47a :作業油路
47b :作業油路
47c :作業油路
47d :作業油路
48 :アンチストール制御弁
51 :制御弁
51a :ブーム制御弁
51b :バケット制御弁
51c :予備制御弁
51f :油路
52L :走行ポンプ
52R :走行ポンプ
52a :受圧部
52b :受圧部
53 :操作装置
54 :走行操作部材
55 :操作弁(走行操作弁)
55a :操作弁
55b :操作弁
55c :操作弁
55d :操作弁
56 :スイッチ
56a :第1電磁弁
56b :第2電磁弁
57h :変速用油路
57i :変速用油路
58 :操作部材
59 :操作弁
59a :操作弁
59b :操作弁
59c :操作弁
59d :操作弁
60 :エンジン
60a :出力軸
60b :プーリ
60c :ベルト
61 :冷却ファン
63 :ジェネレータ
63a :連結部
63b :ロータ
63c :固定子
63d :ウォータジャケット
64 :油圧駆動装置
65 :ハウジング
66 :バッテリ
67 :電力制御装置
67A :インバータ
67B :インバータ制御部
68a :中間軸
68b :カップリング
69 :ケース
70 :作業制御装置
70a :記憶部
70b :力行トルク設定部
70c :回生トルク設定部
70d :動作制御部
71 :冷却装置
71a :圧縮機
71a1 :本体
71a2 :駆動軸
71a3 :プーリ
71a4 :スイッチ
71b :コンデンサ
71c :レシーバ
71d :エバポレータ
71e :冷却ファン
72 :冷却路
72a :区間
73 :冷却路
74 :エアコン
75a :開閉弁
75b :開閉弁
76 :負荷検出装置
77 :操作検出装置
77A :第1操作検出装置
77B :第2操作検出装置
78 :温度検出装置
85 :回転検出装置
86 :車速検出装置
90 :慣性計測装置
91 :検出センサ
97 :充電検出センサ

Claims (5)

  1. 機体と、
    前記機体に設けられたエンジンと、
    モータとして作動して前記エンジンの駆動をアシストするアシスト動作と前記エンジンの動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行うモータ・ジェネレータと、
    前記モータ・ジェネレータが発電した電力を蓄電するバッテリと、
    前記機体の加速度を計測可能な加速度センサと、
    前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に応じて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に基づいて前記機体の走行状態を予測し、前記走行状態に基づいて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行い、
    前記機体の前後の加速度が閾値以上である場合には、前記走行状態として前記機体が直進したと予測し、前記前後の加速度が閾値未満である場合には、前記機体が前記直進以外の状態であると予測し、前記直進と前記直進以外とに応じて、前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う作業機。
  2. 前記制御装置は、
    前記機体の幅方向の加速度及び前記機体のヨーレートに基づいて、前記走行状態として旋回であるか否かを予測し、前記旋回と前記旋回以外とに応じて、前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う請求項1に記載の作業機。
  3. 機体と、
    前記機体に設けられたエンジンと、
    モータとして作動して前記エンジンの駆動をアシストするアシスト動作と前記エンジンの動力によりジェネレータとして作動して発電する発電動作とを行うモータ・ジェネレータと、
    前記モータ・ジェネレータが発電した電力を蓄電するバッテリと、
    前記機体の加速度を計測可能な加速度センサと、
    前記加速度センサが計測した前記機体の加速度に応じて前記アシスト動作及び前記発電動作のいずれかの設定を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記アシスト動作を行うときの前記モータ・ジェネレータの力行トルクを設定する力行トルク設定部と、
    前記発電動作を行うときの前記モータ・ジェネレータの回生トルクを設定する回生トルク設定部と、
    前記エンジンの回転数が第1回転数以下である場合に前記力行トルク設定部で設定された前記力行トルクでアシスト動作を行い且つ、前記エンジンの回転数が前記第1回転数より大きい第2回転数以上である場合に前記回生トルク設定部で設定された回生トルクで前記発電動作を行う動作制御部と、を有している作業機。
  4. 前記力行トルク設定部及び回生トルク設定部のいずれかは、前記機体の加速度に応じて前記力行トルク及び回生トルクのいずれかのトルクの設定を変更する請求項3に記載の作業機。
  5. 前記制御装置は、前記機体の加速度に応じて前記第1回転数及び前記第2回転数のいずれかを変更する請求項3又は4に記載の作業機。
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