JP7214210B2 - 乱流板、熱交換器及び給湯器、熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Description
伝熱管の内面の短軸幅に合わせた幅を有した帯状の本体部と、本体部における長手方向の一端部に形成され、伝熱管の内面形状に合わせて湾曲する回転防止片と、本体部における長手方向の他端部に形成され、短軸幅よりも大きい幅広部と、を含んでなることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、熱交換器であって、長軸を上下方向とする横断面楕円形で直線状の伝熱管内に、請求項1に記載の乱流板を挿入してなることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、給湯器であって、バーナと、バーナの燃焼排気が通過する請求項2に記載の熱交換器とを含んでなることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、熱交換器の製造方法であって、ケーシング内に、横断面楕円形で両端が開口する直線状の複数の伝熱管を、長軸が上下方向となる向きで互いに平行に配列する第1工程と、
各伝熱管内に、請求項1に記載の乱流板を、回転防止片を設けた一端部を先にしてそれぞれ挿入する第2工程と、
各伝熱管において、乱流板の幅広部を有する他端部を圧入する第3工程と、
ロウ材を回転防止片及び幅広部に塗布して炉中で加熱する第4工程と、を実行することを特徴とする。
図1は、給湯器の一例を示す正面図で、フロントカバーを外した状態で示している。図2は図1において、樹脂シート及びコントローラ、表示操作パネルを除いた状態を示している。
この給湯器1は、前面を開口した四角箱状の筐体2内に、バーナ4と一次熱交換器5と二次熱交換器6とが上から順に設けられる内胴3を収容した逆燃焼式となっている。また、筐体2内には、内胴3の下部から後方へ回り込んで上向きに設けられる排気部7と、内胴3の右側方でバーナ4に連結されたファンユニット8と、ファンユニット8の下側でファンユニット8に連結され、ガスガバナ9を介してガス導入管11から燃料ガスが供給されるガス供給ユニット10とが設けられている。内胴3の下方右側には、電装基板を収容してなるコントローラ12が横向きに設置され、その下方中央には、フロントカバーから露出する表示操作パネル13が設けられている。
ファンユニット8は、平面視円形のファンケース16内に図示しないファンを収容し、ファンケース16の上側中央に、ファンを回転駆動させるファンモータ17を設けている。
中ケーシング20の上側外周には、略全面に導電パターンが蛇行状に網羅されてなる帯状の樹脂シート31が巻回されて、中ケーシング20からの燃焼排気の漏洩を検知可能となっている。
また、本体部33には、図8,9にも示すように、一端を四角形状、他端を半円形状とした11個の貫通孔37,37・・が、四角形同士が隣接する向きとなる2つの貫通孔37,37(以下、区別するために「37A」と表記する。)の組と、半円形同士が隣接する向きとなる2つの貫通孔37,37(以下、区別するために「37B」と表記する。)の組とが交互になるように形成されている。幅広部35側の端部に位置する1つの貫通孔37は、貫通孔37Bとなっている。
また、貫通孔37B,37Bの各組の羽根片38(以下、区別するために「38B」と表記する。)では、本体部33を挟んで互いに上下反対側へ向けて、上側が右方向、下側が左方向へ本体部33に対して鋭角をなす傾斜状に突出形成されている。各組の上下の羽根片38B,38Bは、互いに平行となっており、隣接する組の上下の羽根片38A,38Aとは左右対称となっている。ここでは羽根片38A,38Aの組と羽根片38B,38Bの組とは交互に配置されて、長手方向で隣接する羽根片38Aと羽根片38Bとは、本体部33を挟んで互いに反対側へ且つ長手方向の同じ側へ向けた鋭角傾斜状に突出形成されている。
さらに、各羽根片38における幅方向の中央には、長手方向に沿って延びる補強用のリブ39が設けられている。各リブ39は本体部33に跨がって形成されて、羽根片38A,38Aの組ではリブ39,39同士が繋がっている。
よって、本体部33の構造は左右方向と上下方向とで方向性を持たないことになる。
まず、図3に示すように、中ケーシング20の最下段に大径管23,23・・を配列する(第1工程)。
次に、各大径管23の左右両端を開放した状態で、図10,11に示すように、各乱流板32を、回転防止片36側を先にして、本体部33を、折り返し片34,34を上側にした横向き姿勢で大径管23の短軸に合わせてそれぞれ大径管23に挿入する(第2工程)。このとき回転防止片36は大径管23の内面に沿って摺動し、大径管23内での本体部33の上下高さ及び向きを保持する。なお、乱流板32の挿入及び固定は中ケーシング20の上下を逆にした状態で行われる。
そして、各乱流板32を大径管23内へ完全に押し込むと、幅広部35が大径管23の右端に圧入される(第3工程)。よって、各乱流板32は、図4~7に示すように、回転防止片36と幅広部35とにより、本体部33が短軸に沿った姿勢で大径管23内に支持される。
ロウ付けを行う場合は、大径管23の左右両端から、回転防止片36と大径管23の内面との接触部分と、幅広部35と大径管23の内面との接触部分にそれぞれロウ材を塗布して炉中で加熱する(第4工程)。
排気部7は、二次熱交換器6の下ケーシング45の下面に取り付けられるドレン受け47と、ドレン受け47の後部に立設される排気ダクト48とを備える。ドレン受け47の底部は、ドレン排出管49を介して中和器50と接続される。
排気ダクト48は、合成樹脂製の横長角筒状で、排気ダクト48の上端の開口には、筐体2の上面に突出する円筒状の排気筒部52を備えた上カバー51が接合される。
その後、二次熱交換器6の下ケーシング45内で各伝熱プレートの間を通過することで、伝熱プレートの内部流路を流れる水と熱交換し、潜熱が回収される。
一方、下ケーシング45を通過した燃焼排気は、排気部7のドレン受け47内に進入し、ドレン受け47の後部に移動して排気ダクト48内を上昇して排気筒部52から外部に排出される。二次熱交換器6で発生したドレンは、ドレン受け47内に落下し、ドレン排出管49及び中和器50を介して器具の外部へ排出される。
上記形態の乱流板32、一次熱交換器5及び給湯器1によれば、伝熱管22の大径管23の軸方向に沿って延びる帯板状の本体部33と、本体部33へその長手方向に沿って所定間隔をおいて断続的に形成される貫通孔37,37・・と、長手方向に隣接する2つの貫通孔37A,37Aを1組として、長手方向で互いに近い側となる各貫通孔37Aの端縁にそれぞれ形成される一対の羽根片38A,38A(第1の羽根片)と、羽根片38Aが形成される2つの貫通孔37A,37Aと異なる2つの貫通孔37B,37Bを1組として、長手方向で互いに遠い側となる各貫通孔37Bの端縁にそれぞれ形成される一対の羽根片38B,38B(第2の羽根片)と、を有し、一対の羽根片38A,38Aと一対の羽根片38B,38Bとは、各組毎に、本体部33を挟んで互いに反対側へ且つ互いに長手方向の反対側へ向けた鋭角傾斜状に突出形成されている。
この羽根片38A,38Bの採用により、乱流板32の上下及び長手方向の前後の向きにかかわらず、大径管23内を流れる湯水に対して同じ撹拌作用を生じさせることができる。よって、上下や前後の向きを考慮することなく大径管23への乱流板32の組み付けを容易に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
また、各羽根片38には、長手方向に沿ったリブ39が、本体部33に跨がって形成されているので、羽根片38が補強され、通水時は勿論、組み付け前の保管時においても羽根片38の変形等を効果的に防止可能となる。
また、羽根片に係る発明では、回転防止片や幅広部を省略することもできる。折り返し片も形状の変更の他、省略も可能である。大径管も横断面楕円形でなくてもよい。
上記形態の乱流板32、一次熱交換器5及び給湯器1によれば、伝熱管22の大径管23の内面の短軸幅に合わせた幅を有した帯状の本体部33と、本体部33における長手方向の一端部に形成され、大径管23の内面形状に合わせて湾曲する回転防止片36と、本体部33における長手方向の他端部に形成され、短軸幅よりも大きい幅広部35と、を含んでなることで、回転防止片36により、上下左右に位置ズレしたり回転したりすることなく大径管23内への挿入を行うことができる。また、大径管23内への挿入が完了した時点で幅広部35が大径管23に圧入されるので、乱流板32が定位置に位置決めされて大径管23内での回転や移動が防止され、大径管23の内面の損傷を防止することができる。
幅広部も、本体部の長手方向の長さは適宜変更して差し支えない。
また、幅広部及び回転防止片に係る発明では、羽根片の形状は上記形態に限定するものではなく、方向性を有する羽根片を備えた乱流板であっても本発明は採用可能である。
上記形態の一次熱交換器5の製造方法によれば、中ケーシング20(ケーシング)内に、横断面楕円形で両端が開口する直線状の複数の大径管23(伝熱管)を、長軸が上下方向となる向きで互いに平行に配列する第1工程と、各大径管23内に、乱流板32を、回転防止片36を設けた一端部を先にしてそれぞれ挿入する第2工程と、各大径管23において、乱流板32の幅広部35を有する他端部を圧入する第3工程と、ロウ材を回転防止片36及び幅広部35に塗布して炉中で加熱する第4工程と、を実行することで、回転防止片36により、上下左右に位置ズレすることなく大径管23内への挿入を行うことができる。また、大径管23内への挿入が完了した時点で幅広部35が大径管23に圧入されるので、乱流板32が定位置に位置決めされ、ロウ付けや炉中での加熱を行う際の大径管23内での乱流板32の回転や移動が防止され、大径管23の内面の損傷を防止することができる。
また、一次熱交換器では、大径管の数は適宜増減可能であるし、伝熱管として小径管がない形態であっても差し支えない。
さらに、ファンユニットで燃料ガスと燃焼用空気とを混合した混合気をチャンバへ供給する予混合式となっているが、これに限らず、ファンからは燃焼用空気のみを供給させてファンの下流側で燃料ガスと燃焼用空気とをチャンバに導入させる給湯器であっても各発明は適用可能である。
Claims (4)
- 熱交換器における長軸を上下方向とする横断面楕円形で直線状の伝熱管内に挿入されて前記伝熱管内を流れる流体を撹拌するための乱流板であって、
前記伝熱管の内面の短軸幅に合わせた幅を有した帯状の本体部と、
前記本体部における長手方向の一端部に形成され、前記伝熱管の内面形状に合わせて湾曲する回転防止片と、
前記本体部における長手方向の他端部に形成され、前記短軸幅よりも大きい幅広部と、を含んでなることを特徴とする乱流板。 - 長軸を上下方向とする横断面楕円形で直線状の伝熱管内に、請求項1に記載の乱流板を挿入してなる熱交換器。
- バーナと、前記バーナの燃焼排気が通過する請求項2に記載の熱交換器とを含んでなる給湯器。
- ケーシング内に、横断面楕円形で両端が開口する直線状の複数の伝熱管を、長軸が上下方向となる向きで互いに平行に配列する第1工程と、
各前記伝熱管内に、請求項1に記載の乱流板を、前記回転防止片を設けた一端部を先にしてそれぞれ挿入する第2工程と、
各前記伝熱管において、前記乱流板の前記幅広部を有する他端部を圧入する第3工程と、
ロウ材を前記回転防止片及び前記幅広部に塗布して炉中で加熱する第4工程と、を実行することを特徴とする熱交換器の製造方法。
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